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審決分類 |
審判 一部申し立て A01K |
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管理番号 | 1015003 |
異議申立番号 | 異議1998-74866 |
総通号数 | 11 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2000-11-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-09-30 |
確定日 | 2000-03-29 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第2567039号「中通し竿」の請求項1に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 実用新案登録第2567039号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。 |
理由 |
(1)手続の経緯 実用新案登録第2567039号の考案についての出願は、平成4年9月7日に実用新案登録出願され、平成9年12月19日にその実用新案登録の設定登録がなされ、その後、異議申立人新谷一より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年7月26日に訂正請求がされた後、訂正拒絶理由が通知され、訂正拒絶理由に対して手続補正書が提出されたものである。 (2)訂正の適否についての判断 ア.訂正請求に対する補正の適否について 実用新案登録権者は、訂正請求書第4頁第15?23行記載の訂正事項「【考案の効果】 したがって、釣り糸が先端開口より出ていく際に、その方向を徐々に変化させるのであるが、糸との接触面積をできるだけ少なくして、その変化する状態を設定する先端開口と、それより後方の拡径部の最小径部位と穂先の先端部との間に、夫々、第1、第2案内リングを配置することによって、竿材との直接の接触を回避でき、一層釣り糸に対する移動抵抗を低減でき、竿の内面が傷つくことを未然に回避できると共に、第2案内リングを穂先と拡径部との間に装着することにより、穂先の案内リングと、拡径部の最小径部位の案内リングとを共用でき、また案内リングの装着が容易な中通し竿を提供できるに至った。」を 「【考案の効果】 したがって、釣り糸が先端開口より出ていく際に、その方向を徐々に変化させるのであるが、糸との接触面積をできるだけ少なくして、その変化する状態を設定する先端開口と、それより後方の拡径部の最小径部位と穂先の先端部との間に、夫々、第1、第2案内リングを配置することによって、竿材との直接の接触を回避でき、一層釣り糸に対する移動抵抗を低減でき、竿の内面が傷つくことを未然に回避できる中通し竿を提供できるに至った。」とする補正をするものであり、当該訂正請求に対する補正は、訂正請求書の要旨を変更するものでなく特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定によりより準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例とされる、特許法第120条の4第第3項の規定において準用する同法第131条第2項の規定に適合する。 イ.訂正の目的の適否、拡張・変更の存否 i)実用新案登録権者が求めている訂正の内容は、上記手続補正書で補正された訂正明細書のとおりである。すなわち、 a) 実用新案登録請求の範囲の請求項1、2 「【請求項1】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部を先端開口(7A)に向けて拡径して拡径部(7)を形成するとともに、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置に、前記拡径部(7)における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リング(9)を装着している中通し竿。 【請求項2】 前記導入部(6)に、糸(5)を案内するスリーブ(13)を設置するとともに、前記スリーブ(13)の糸導入口(13A)に、前記糸導入口(13A)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リング(14)と、前記スリーブ(13)の糸送り出し口(13B)に、前記糸送り出し口(13B)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リング(15)とを、装着してある請求項1記載の中通し竿。」を、 「【請求項1】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部に、穂先(1)の先端部から先端開口(7A)に向けて連続的に拡径した拡径部(7)を固定し、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置で、かつ穂先(1)と拡径部(7)との間に前記拡径部(7)における最小径部位の内径及び穂先(1)の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リング(9)を装着してなる中通し竿。 【請求項2】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部を先端開口(7A)に向けて拡径して拡径部(7)を形成するとともに、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置に、前記拡径部(7)における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リング(9)を装着し、 前記導入部(6)に、糸(5)を案内するスリーブ(13)を設置するとともに、前記スリーブ(13)の糸導入口(13A)に、前記糸導入口(13A)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リング(14)と、前記スリーブ(13)の糸送り出し口(13B)に、前記糸送り出し口(13B)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リング(15)とを、装着してある中通し竿。」 に訂正する。 b) 請求項1、2の訂正に伴い、明細書中【0004】(実用新案登録公報第3欄第41?49行)、【0005】(実用新案登録公報第3欄第50行?第4欄8行)、【0006】(実用新案登録公報第4欄第9?18行)、【0008】(実用新案登録公報第4欄第23?31行)、【0009】(実用新案登録公報第4欄第32?38行)を次のとおりに訂正する。 「【0004】 【課題を解決するための手段】 本第1考案による特徴構成は、リールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、穂先の先端部に、穂先の先端部から先端開口に向けて連続的に拡径した拡径部を固定し、前記拡径部の先端開口部の内面に、先端開口の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リングを装着し、前記第1案内リングより後方位置で、かつ穂先と拡径部のと間に前記拡径部における最小径部位の内径及び穂先の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リングを装着している点にありその作用効果は次の通りである。」、 「【0005】 【作用】 つまり、穂先に導入された釣り糸は、拡径部における最小径部位の内径及び穂先の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リングの内面と第1案内リングの内面とに案内されて、先端開口より出ていく。したがって、拡径部の内周面、その拡径部の始まる最小径部位の内面及び穂先先端開口部の内面に接触することがないので、移動抵抗を抑制できる。しかも、第1案内リングの内面径と第2案内リングの内面径との径の違いより釣り糸は徐々にその方向を変化させる状態を維持しているので、その面での移動抵抗は抑えられている。」、 「【0006】 【考案の効果】 したがって、釣り糸が先端開口より出ていく際に、その方向を徐々に変化させるのであるが、糸との接触面積をできるだけ少なくして、その変化する状態を設定する先端開口と、それより後方の拡径部の最小径部位と穂先の先端部との間に、夫々、第1、第2案内リングを配置することによって、竿材との直接の接触を回避でき、一層釣り糸に対する移動抵抗を低減でき、竿の内面が傷つくことを未然に回避できる中通し竿を提供できるに至った。」、 「【0008】 【課題を解決するための手段】 本第2考案による特徴構成は、リールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、穂先の先端部を先端開口に向けて拡径して拡径部を形成するとともに、前記拡径部の先端開口部の内面に、先端開口の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リングを装着し、前記第1案内リングより後方位置に、前記拡径部における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リングを装着し、前記導入部に糸を案内するスリーブを設置するとともに、前記スリーブの糸導入口に、前記糸導入口より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リングと、前記スリーブの糸送り出し口に、前記糸送り出し口より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リングとを、装着してある点にあり、その作用効果は次の通りである。」、 「【0009】【作用】 つまり、穂先に導入された釣り糸は第2案内リングの内面と第1案内リングの内面とに案内されて、先端開口より出ていく。したがって、拡径部の内周面及びその拡径部の始まる最小径部位の内面に接触することがないので、移動抵抗を抑制できる。しかも、第1案内リングの内面径と第2案内リングの内面径との径の違いより釣り糸は徐々にその方向を変化させる状態を維持しているので、その面での移動抵抗は抑えられている。それに加えて、リールより延出された糸は、スリーブに導入される際に第3案内リングによって案内され、スリーブよりでる際に第4案内リングによって案内されて、スリーブにおける糸導入口と糸送り出し口との直接の接触が回避されて、移動抵抗が低減する。」 ii)上記aの訂正事項に関連する記載として、願書に添付した明細書(以下、「実用新案登録明細書」という。)の考案の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。 「一方、金属製のパイプ7の拡径部が始まる位置に、炭化珪素製の第2案内リング9を装着して、釣り糸5を案内する構成を採る。そして、この第2案内リング9の内面径を金属製のパイプ7の最小径及び穂先1の先端開口径よりも内向きに突出する小径に形成する。この第2案内リング9を固定するに、金属製のパイプ7の最小径部位に穂先1の先端を内嵌する取り付け座面を形成し、この取り付け座面に内嵌した穂先1の先端面と取り付け座面の段付部とで第2案内リング9を挟み込んで、その第2案内リング9を固定する。」(特許公報第5欄第19?28行) 上記の記載から、 穂先(1)の先端部に、穂先(1)の先端部から先端開口(7A)に向けて連続的に拡径した拡径部(7)が固定されていること、 第1案内リング(8)より後方位置で、かつ穂先(1)と拡径部(7)との間に拡径部(7)における最小径部位の内径及び穂先(1)の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リング(9)が装着されること、 が明らかである。 そうすると、上記aの訂正は、実用新案登録明細書に記載された事項の範囲内において、「拡径部(7)」、「第2案内リング(9)」を限定したものといえるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。また、訂正bについては、訂正aに伴うもので、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ.独立要件の判断 (訂正明細書の請求項1ないし2に係る考案) 訂正明細書の請求項1ないし2に係る考案は、上記手続補正書で補正された訂正明細書における実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるとおりのものである。 (引用先願明細書) 訂正明細書の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)に対して当審が通知した取消理由通知で引用した、その出願の日前の出願であって、その出願後に出願公開された実願平4-40589号(実開平5-91325号公報)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という)には、第6頁第5?26行、第8頁第21行?第9頁第1行、第1図?第3図、第10図の記載からみて、 「リールを取り付けた元竿から先竿にかけての竿内に、前記先竿のリング状部に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、 先竿の先端部をリング状部に向けて拡径してフレームを形成するとともに、前記フレームの先端開口部の内面に、リング状部の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の釣糸案内環8を装着し、前記釣糸案内環8より後方位置に、前記フレームにおける最小径部位の内径以下の内径を有する釣糸案内環9を装着している中通し竿。」 が記載されている。 (対比、判断) 本件請求項1に係る考案と先願明細書に記載された考案とを対比すると、先願明細書に記載された考案は、本件請求項1に係る考案を特定する事項である「穂先(1)の先端部に、穂先(1)の先端部から先端開口(7A)に向けて連続的に拡径した拡径部(7)」、「穂先(1)と拡径部(7)との間に前記拡径部(7)における最小径部位の内径及び穂先(1)の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リング(9)」を備えておらず、当該事項により本件請求項1に係る考案は、訂正された実用新案登録明細書に記載された作用・効果を奏するものと認められる。したがって、本件請求項1に係る考案は先願明細書に記載された発明であるとすることはできない。 よって、本件考案は、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。 また、本件請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案の構成要件に、構成要件「前記導入部(6)に、糸(5)を案内するスリーブ(13)を設置するとともに、前記スリーブ(13)の糸導入口(13A)に、前記糸導入口(13A)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リング(14)と、前記スリーブ(13)の糸送り出し口(13B)に、前記糸送り出し口(13B)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リング(15)とを、装着」を直列的に付加するものであるから、本件請求項1に係る考案と同様に、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。 エ・むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項、同条第3項で準用する第126条第2?4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 (3)実用新案登録異議の申立てについて ア・本件考案 本件請求項1ないし2に係る考案は、その実用新案登請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるとおりのものである。 イ・申立ての理由の概要 申立人新谷一は、本件考案についての実用新案登録に対して、証拠として甲第1号証(実願平4-40589号(実開平5-91325号))を提出し、本件考案の実用新案登録は実用新案法第3条の2の規定に違反してなされたものであり、本件考案についての実用新案登録を取り消すべき旨主張している。 ウ・判断 申立人の提出した甲第1号証には、本件請求項1に記載された「穂先(1)の先端部に、穂先(1)の先端部から先端開口(7A)に向けて連続的に拡径した拡径部(7)」、「穂先(1)と拡径部(7)との間に前記拡径部(7)における最小径部位の内径及び穂先(1)の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リング(9)」を備えておらず、当該事項により本件請求項1に係る考案は、実用新案登録明細書に記載された作用・効果を奏するものと認められる。したがって、本件請求項1に係る考案は先願明細書に記載された考案であるとすることはできない。 なお、本件請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案の構成要件に、構成要件「前記導入部(6)に、糸(5)を案内するスリーブ(13)を設置するとともに、前記スリーブ(13)の糸導入口(13A)に、前記糸導入口(13A)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リング(14)と、前記スリーブ(13)の糸送り出し口(13B)に、前記糸送り出し口(13B)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リング(15)とを、装着」を直列的に付加するものであるから、本件請求項1に係る考案と同様に、本件請求項2に係る考案は先願明細書に記載された考案であるとすることはできない。また、同様に、本件異議申立書に添付された参考資料1(実願平4-80705号(実開平6-15465号)のCD-ROM、)に記載された考案であるとすることもできない。 エ・むすび 以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 中通し竿 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部に、穂先(1)の先端部から先端開口(7A)に向けて連続的に拡径した拡径部(7)を固定し、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置で、かつ穂先(1)と拡径部(7)との間に前記拡径部(7)における最小径部位の内径及び穂先(1)の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リング(9)を装着してなる中通し竿。 【請求項2】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部を先端開口(7A)に向けて拡径して拡径部(7)を形成するとともに、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置に、前記拡径部(7)における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リング(9)を装着し、 前記導入部(6)に、糸(5)を案内するスリーブ(13)を設置するとともに、前記スリーブ(13)の糸導入口(13A)に、前記糸導入口(13A)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リング(14)と、前記スリーブ(13)の糸送り出し口(13B)に、前記糸送り出し口(13B)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リング(15)とを、装着してある中通し竿。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案はリールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿に関する。 【0002】 【従来の技術】 中通し竿としては、次のような要望があるところがら、それに沿った構造を採ることが望ましい。つまり、穂先の先端開口より出ていく釣り糸がその先端開口において下向きに略直角に方向を転換するところがら、糸の繰り出し及び巻き取り抵抗が大きく、竿径の小さなもの程抵抗が大きなものである。したがって、仕掛を投入して餌を棚位置に落とし込む場合に時間がかかり、その時間がかかることによってマキエ等の効果も薄くなり、特に重りが軽い程この傾向が顕著であった。 また、巻き取り時においても抵抗が大きくなると、無理に巻き取ることになる為に糸切れを起こしたり、針ががりした魚に不連続な力がかかり、魚をバラシたりすることもある。 このような先端開口での抵抗を少なくするように、例えば、特開平4-117232号公報に示すように、先端開口に向けて滑らかに拡径する拡径部を形成するとともに、先端開口内面に糸を案内する耐摩耗性の案内リングを装着し、さらに、案内リングの先端側内面にR面を形成して、糸に対する移動抵抗を低減する構成を採るものがあった。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 このような構成によって、拡径部の最小径部位より、案内リングに向けて釣り糸が徐々にその向きを変え、案内リングのR面によって滑らかに案内されて、先端開口より出ていくことになり、略直角にその向きを変えることがないだけ、糸に対する移動抵抗が減少するものであるが、穂先内を通って拡径部の最小径部位に至った糸がその方向を変える際に、その最小径部位の内面に強く押し付けられるから、その部分での移動抵抗は低減されてはおらず、その抵抗によって竿の内面も傷つくことになり、更なる改善を行う必要があった。 以上の場合は穂先の先端開口での糸に対する移動抵抗を軽減する必要がある点を述べたが、糸に対する移動抵抗が大きな部分としては、リールからの糸を導入する導入部があり、先端開口と同様の問題があった。 本第1考案の目的は、拡径部を竿先端部に形成して、糸の急激な向き変更を抑えながら、案内リングを合理的に追加構成することによって、更に、糸に対する移動抵抗を低減できるものを提供する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本第1考案による特徴構成は、リールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、穂先の先端部に、穂先の先端部から先端開口に向けて連続的に拡径した拡径部を固定し、前記拡径部の先端開口部の内面に、先端開口の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リングを装着し、前記第1案内リングより後方位置で、かつ穂先と拡径部のと間に前記拡径部における最小径部位の内径及び穂先の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リングを装着している点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0005】 【作用】 つまり、穂先に導入された釣り糸は、拡径部における最小径部位の内径及び穂先の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リングの内面と第1案内リングの内面とに案内されて、先端開口より出ていく。したがって、拡径部の内周面、その拡径部の始まる最小径部位の内面及び穂先先端開口部の内面に接触することがないので、移動抵抗を抑制できる。しかも、第1案内リングの内面径と第2案内リングの内面径との径の違いより釣り糸は徐々にその方向を変化させる状態を維持しているので、その面での移動抵抗は抑えられている。 【0006】 【考案の効果】 したがって、釣り糸が先端開口より出ていく際に、その方向を徐々に変化させるのであるが、糸との接触面積をできるだけ少なくして、その変化する状態を設定する先端開口と、それより後方の拡径部の最小径部位と穂先の先端部との間に、夫々、第1、第2案内リングを配置することによって、竿材との直接の接触を回避でき、一層釣り糸に対する移動抵抗を低減でき、竿の内面が傷つくことを未然に回避できる中通し竿を提供できるに至った。 【0007】 本第2考案の目的は、第1考案の目的に加えて、導入部に案内リングを合理的に追加構成することによって、更に、糸に対する移動抵抗を低減できるものを提供する点にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本第2考案による特徴構成は、リールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、穂先の先端部を先端開口に向けて拡径して拡径部を形成するとともに、前記拡径部の先端開口部の内面に、先端開口の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リングを装着し、前記第1案内リングより後方位置に、前記拡径部における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リングを装着し、前記導入部に、糸を案内するスリーブを設置するとともに、前記スリーブの糸導入口に、前記糸導入口より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リングと、前記スリーブの糸送り出し口に、前記糸送り出し口より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リングとを、装着してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0009】 【作用】 つまり、穂先に導入された釣り糸は第2案内リングの内面と第1案内リングの内面とに案内されて、先端開口より出ていく。したがって、拡径部の内周面及びその拡径部の始まる最小径部位の内面に接触することがないので、移動抵抗を抑制できる。しかも、第1案内リングの内面径と第2案内リングの内面径との径の違いより釣り糸は徐々にその方向を変化させる状態を維持しているので、その面での移動抵抗は抑えられている。それに加えて、リールより延出された糸は、スリーブに導入される際に第3案内リングによって案内され、スリーブよりでる際に第4案内リングによって案内されて、スリーブにおける糸導入口と糸送り出し口との直接の接触が回避されて、移動抵抗が低減する。 【0010】 【考案の効果】 したがって、釣り糸が大きく方向を転換する導入部と穂先の拡径部において各案内リングの案内作用によって移動抵抗を低減でき、軽い重りでも棚位置までの仕掛けの投入時間を軽減できるとともに、マキエ効果も出やすく、針がかりした魚を取り逃がすといったことも少なくなる中通し竿を提供できるに至った。 【0011】 【実施例】 図2に示すように、穂先1の後端に並継ぎ式に元竿2を継続するとともに、元竿2のリールシート部3にリール4を取り付け、このリール4より前方に向けて延出された釣り糸5を元竿2の内部挿通空間に導入する導入部6を形成して、中通し竿Aを横成する。 穂先1の先端構造について説明する。図1に示すように、穂先1の更に先端側に金属製のパイプ7を固着するとともに、この金属製のパイプ7を、穂先1の先端より自身の先端開口7Aに向けて徐々に拡径する状態にして、拡径部とする。この拡径部としての金属製のパイプ7の先端開口7Aに、炭化珪素製の第1案内リング8を固着して、第1案内リング8の内面径を先端開口7Aの内面径より小さな径に設定してある。第1案内リング8の断面は円形であるが、楕円等であってもよい。 この第1案内リング8の装着部位より後方に水抜き孔7Bを形成し、この水抜き孔7Bによって水抜き孔7Bの周辺部を弾性変形可能なものに構成するとともに、この第1案内リング8を装着する部位の拡径形状に起因する弾性変形可能な構成によって、これらの弾性構造にかかる弾性変形力を利用して第1案内リング8をカシメ固定できるようにする。これによって、第1案内リング8の装着時の割れを抑制できる。 【0012】 一方、金属製のパイプ7の拡径部が始まる位置に、炭化珪素製の第2案内リング9を装着して、釣り糸5を案内する構成を採る。そして、この第2案内リング9の内面径を金属製のパイプ7の最小径及び穂先1の先端開口径よりも内向きに突出する小径に形成する。この第2案内リング9を固定するに、金属製のパイプ7の最小径部位に穂先1の先端を内嵌する取り付け座面を形成し、この取り付け座面に内嵌した穂先1の先端面と取り付け座面の段付部とで第2案内リング9を挟み込んで、その第2案内リング9を固定する。 以上のようにして装着した二つの案内リング9によって、釣り糸5を穂先1及び金属製のパイプ7の内周面に接触させることなく案内できる。 次に、導入部6の構造について説明する。図3に示すように、元竿2に糸導入用の開口10を形成するとともに、この開口10の外面に膨出部11を形成し、この膨出部11に糸導入用の通路12を形成して、この通路12内に元竿2内に通ずるスリーブ13を内嵌し、このスリーブ13を通して糸を竿内に導入する。このスリーブ13の糸導入口13Aに、炭化珪素製の第3案内リング14を装着する。そして、この第3案内リング14の内径をスリーブ13の糸導入口13Aの内面径よりも内向きに突出する小径に形成する。また、炭化珪素製の第4案内リング15をホルダー16に装着し、このホルダー16をスリーブ13の糸送り出し口13Bに外嵌して、第4案内リング15の内径をスリーブ13の糸送り出し口13Bの内面径より小径に形成する。また、更にスリーブ13の曲がり部分に案内リングを設けてもよい。 【0013】 〔別実施例〕 ▲1▼ 金属製のパイプ7の代わりに竿と同様のプリプレグでパイプを形成してもよく、これらを拡径部と総称する。 ▲2▼ 拡径部7は、図4に示すように、穂先1の先端部を膨出形成したものでもよい。 ▲3▼ 拡径部7には、水抜き孔7Bを特に設けなくてもよい。 ▲4▼ 図1に示すように、第5案内リング10を第1案内リング8と第2案内リング9との間に設けてもよい。 ▲5▼ 案内リング8,9,10,14,15としては、耐摩耗性の高い金属、或いは、金属とセラミックとの合成材料であってもよい。また、リングの表面に摩耗抑制材をコーティングしたものでもよい。 ▲6▼ 図5に示すように、穂先1の先端部を拡径して拡径部7を形成するとともに、この拡径部7の先端開口7Aの内面に第1案内リング8を取り付けるに、拡径部7と第1案内リング8との間に、第1案内リング8よりも更に弾性の高い材質のリング状体11を介在させて、製作時の圧力によって第1案内リング8が割れることを抑制する。因みに、第1案内リング8を拡径部7に装着するには、プリプレグを巻き付け形成するマンドレルに先行して第1案内リング8を装着し、更に、リング状体11を第1案内リング8に巻き付けて、その上からプリプレグを巻き付けて穂先1を形成すると同時に第1案内リング8を取り付ける構成を採る。 ▲7▼ 拡径部7の別構成について説明する。図6(イ)(ロ)に示すように、穂先1の更に先端側に金属製のパイプ7を固着するとともに、この金属製のパイプ7を、穂先1の先端より自身の先端開口7Aに向けて徐々に拡径する状態にして、拡径部7とする。この拡径部7の形状としては、先端開口7Aを縦長の楕円に形成し、この楕円の中心を穂先1の開口中心に対して下方に偏位させて、この偏位状態に沿うように、パイプ7の下半部を下向きに徐々に膨出形成している。 この拡径部としての金属製のパイプ7の先端開口7Aに、炭化珪素製で楕円状の第1案内リング8を固着して、第1案内リング8の内面径を先端開口7Aの内面径より小さな径に設定してある。 一方、金属製のパイプ7の拡径部が始まる位置に、炭化珪素製の第2案内リング9を接当して受け止め先端開口7A側への移動を規制する突条9Aを形成するとともに、この突条9Aの後方に第2案内リング9を配置し更に後方にブッシュ17を配置して、第2案内リング9を挟み込み固定する。このブッシュ17を穂先1の先端に外嵌固定するとともに、金属製のパイプ7の後端部をブッシュ17に外遊嵌し、パイプ7を穂先1の軸芯周りで回転可能に構成してある。 このように第2案内リング9を楕円でしかも下方に偏位させる構成によって、図示するように、糸5の繰り出し角度θが大きくなり、糸5が円滑に繰り出されることになる。 【0014】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【図1】 全体縦断側面図 【図2】 中通し竿を示す側面図 【図3】 導入部を示す縦断側面図 【図4】 拡径部を穂先と一体で形成した状態を示す縦断側面図 【図5】 第1案内リングに弾性部材を介在させて拡径部に装着した状態を示す縦断側面図 【図6】 (イ)拡径部の別実施構造を示す縦断側面図 (ロ)第1案内リングの別実施構造を示す正面図 【符号の説明】 1 穂先 2 元竿 4 リール 5 糸 6 導入部 7 拡径部 7A 先端開口 8 第1案内リング 9 第2案内リング 13 スリーブ’ 13A 糸導入口 13B 糸送り出し口 14 第3案内リング 15 第4案内リング |
訂正の要旨 |
(3)訂正の要旨 ▲1▼実用新案登録請求の範囲を下記の通り訂正する。 記 「【請求項1】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部に、穂先(1)の先端部から先端開口(7A)に向けて連続的に拡径した拡径部(7)を固定し、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置で、かつ穂先(1)と拡径部(7)との間に前記拡径部(7)における最小径部位の内径及び穂先(1)の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リング(9)を装着してなる中通し竿。 【請求項2】 リール(4)を取り付けた元竿(2)から穂先(1)にかけての竿内に、前記穂先(1)の先端開口(7A)に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿(2)にリール(4)からの糸(5)を前記糸挿通空間に導入する導入部(6)を形成してある中通し竿であって、 穂先(1)の先端部を先端開口(7A)に向けて拡径して拡径部(7)を形成するとともに、前記拡径部(7)の先端開口部の内面に、先端開口(7A)の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リング(8)を装着し、前記第1案内リング(8)より後方位置に、前記拡径部(7)における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リング(9)を装着し、 前記導入部(6)に、糸(5)を案内するスリーブ(13)を設置するとともに、前記スリーブ(13)の糸導入口(13A)に、前記糸導入口(13A)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リング(14)と、前記スリーブ(13)の糸送り出し口(13B)に、前記糸送り出し口(13B)より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リング(15)とを、装着してある中通し竿。」 ▲2▼明細書の考案の詳細な説明の項、段落[0004]を下記の通りに訂正する。 記 「【課題を解決するための手段】 本第1考案による特徴構成は、リールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、穂先の先端部に、穂先の先端部から先端開口に向けて連続的に拡径した拡径部を固定し、前記拡径部の先端開口部の内面に、先端開口の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リングを装着し、前記第1案内リングより後方位置で、かつ穂先と拡径部のと間に前記拡径部における最小径部位の内径及び穂先の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リングを装着している点にありその作用効果は次の通りである。」 ▲3▼明細書の考案の詳細な説明の項、段落[0005]を下記の通りに訂正する。 記 「【作用】 つまり、穂先に導入された釣り糸は、拡径部における最小径部位の内径及び穂先の先端開口径より内向きに突出する内径を有する第2案内リングの内面と第1案内リングの内面とに案内されて、先端開口より出ていく。したがって、拡径部の内周面、その拡径部の始まる最小径部位の内面及び穂先先端開口部の内面に接触することがないので、移動抵抗を抑制できる。しかも、第1案内リングの内面径と第2案内リングの内面径との径の違いより釣り糸は徐々にその方向を変化させる状態を維持しているので、その面での移動抵抗は抑えられている。」 ▲4▼明細書の考案の詳細な説明の項、段落[0006]を下記の通りに訂正する。 記 「【考案の効果】 したがって、釣り糸が先端開口より出ていく際に、その方向を徐々に変化させるのであるが、糸との接触面積をできるだけ少なくして、その変化する状態を設定する先端開口と、それより後方の拡径部の最小径部位と穂先の先端部との間に、夫々、第1、第2案内リングを配置することによって、竿材との直接の接触を回避でき、一層釣り糸に対する移動抵抗を低減でき、竿の内面が傷つくことを未然に回避できる中通し竿を提供できるに至った。」 ▲5▼明細書の考案の詳細な説明の項、段落[0008]を下記の通りに訂正する。 記 「【課題を解決するための手段】 本第2考案による特徴構成は、リールを取り付けた元竿から穂先にかけての竿内に、前記穂先の先端開口に至る糸挿通空間を形成し、前記元竿にリールからの糸を前記糸挿通空間に導入する導入部を形成してある中通し竿であって、穂先の先端部を先端開口に向けて拡径して拡径部を形成するとともに、前記拡径部の先端開口部の内面に、先端開口の内径より小径で耐摩耗性の高い釣り糸案内用の第1案内リングを装着し、前記第1案内リングより後方位置に、前記拡径部における最小径部位の内径以下の内径を有する第2案内リングを装着し、前記導入部に糸を案内するスリーブを設置するとともに、前記スリーブの糸導入口に、前記糸導入口より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第3案内リングと、前記スリーブの糸送り出し口に、前記糸送り出し口より小径の内径を有し耐摩耗性の高い糸案内用の第4案内リングとを、装着してある点にあり、その作用効果は次の通りである。」 ▲6▼明細書の考案の詳細な説明の項、段落[0009]を下記の通りに訂正する。 記 「【作用】 つまり、穂先に導入された釣り糸は第2案内リングの内面と第1案内リングの内面とに案内されて、先端開口より出ていく。したがって、拡径部の内周面及びその拡径部の始まる最小径部位の内面に接触することがないので、移動抵抗を抑制できる。しかも、第1案内リングの内面径と第2案内リングの内面径との径の違いより釣り糸は徐々にその方向を変化させる状態を維持しているので、その面での移動抵抗は抑えられている。それに加えて、リールより延出された糸は、スリーブに導入される際に第3案内リングによって案内され、スリーブよりでる際に第4案内リングによって案内されて、スリーブにおける糸導入口と糸送り出し口との直接の接触が回避されて、移動抵抗が低減する。」 |
異議決定日 | 2000-02-28 |
出願番号 | 実願平4-62608 |
審決分類 |
U
1
652・
161-
YA
(A01K)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 長谷部 善太郎 |
特許庁審判長 |
藤井 俊二 |
特許庁審判官 |
木原 裕 新井 重雄 |
登録日 | 1997-12-19 |
登録番号 | 実用登録第2567039号(U2567039) |
権利者 |
株式会社シマノ 大阪府堺市老松町3丁77番地 |
考案の名称 | 中通し竿 |
代理人 | 小林 茂雄 |
代理人 | 小林 茂雄 |