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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て成立) B44B |
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管理番号 | 1016817 |
判定請求番号 | 判定請求1999-60081 |
総通号数 | 12 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案判定公報 |
発行日 | 2000-12-22 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 1999-11-02 |
確定日 | 2000-04-20 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2576694号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | (イ)号図面及びその説明書に示す「彫刻刀」は、登録第2576694号実用新案の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
【1】 請求の趣旨 本件審判請求の趣旨は、イ号図面に示す物件(以下、「イ号物件」という)が被請求人所有の第2576694号登録の請求項1に係る登録実用新案(以下、「本件考案」という)の技術的範囲に属さないとの判定を求めるものである。 【2】 本件考案は、願書に添付した明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「1 硬質の芯体の外周に樹脂を被覆して彫刻刀の柄を構成し、同柄の先端に刃体を装着した彫刻刀において、 2 彫刻刀の柄の一部には芯体が露出する露出部を形成し、 3 同露出部には当該彫刻刀の刃の形状を模した目印を形成した 4 彫刻刀。」 なお、「1」ないし「4」は、分説のために付した記号である。 【3】 イ号物件 イ号図面によれば、イ号物件は、次のとおり分説できる。 1 硬質の芯体の外周に樹脂を被覆して彫刻刀の柄を構成し、同柄の先端に刃体を装着した彫刻刀において、 2 彫刻刀の柄の一部には芯体が露出する露出部を形成し、 3 同露出部の外縁形状を当該彫刻刀の刃の形状に模した 4 彫刻刀。 なお、「1」ないし「4」は、分説のために付した記号である。 【4】 対比、判断 イ号物件の各構成が、本件考案の各構成要件を充足するか否かの判断をする。 本件考案とイ号物件とは、硬質の芯体の外周に樹脂を被覆して彫刻刀の柄を構成し、同柄の先端に刃体を装着した彫刻刀において、彫刻刀の柄の一部には芯体が露出する露出部を形成した彫刻刀として一致する。 よって、イ号物件の構成は、本件考案の構成要件1、2及び4を充足する。 しかし、両者は、彫刻刀に刃の形状を模した形状を形成するに際し、本件考案においては、露出部に彫刻刀の刃の形状を模した目印を形成したのに対して、イ号物件においては、露出部の外縁形状を彫刻刀の刃の形状とした点で相違する。 そして、露出部の外縁を彫刻刀の刃の形状とすることが、「彫刻刀の刃の形状を模した目印を形成する」構成要件の概念に包含されるということはできない。 よって、イ号物件の構成は、本件考案の構成要件3を充足しない。 なお、判定被請求人は、イ号製品も本件考案とは、二重成形品における芯体の露出部を有効に活用して所望の刃を有する彫刻刀を容易に識別可能とする点で同一の作用効果を奏するものであり、また、目印を露出部の外縁形状で形成するかその露出部の外縁の内側に例えば刻設によって形成するするかは単なる設計的事項であって、さらに、課題の共通性を見いだすこともできるものであるから本件考案の実用新案登録請求の範囲に記載されている「同露出部には当該彫刻刀の刃の形状を模した目印を形成した」の構成と、イ号製品にした構成とは実質同一のものである旨主張するが、当該判断手法は、実用新案法第3条第1項の考案の同一性の判断手法であって、イ号考案が本件考案の技術的範囲に属するか否かを判断するための手法ではない。 本件考案とイ号物件とは、彫刻刀に刃の形状を模した形状を形成するための手段が上記のとおり異なるものであり、また、両者の手段の相違が設計上の微差であるとする根拠もないから、判定被請求人の上記主張は、認めることができない。 【5】 むすび 以上のとおりであるから、イ号物件の構成が、本件考案の構成要件を充足しないので、イ号物件は、本件考案の技術的範囲に属さない。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2000-03-29 |
出願番号 | 実願平4-61209 |
審決分類 |
U
1
2・
1-
ZA
(B44B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 八日市谷 正朗、阿部 寛 |
特許庁審判長 |
小林 武 |
特許庁審判官 |
宮崎 侑久 桐本 勲 |
登録日 | 1998-04-24 |
登録番号 | 実用新案登録第2576694号(U2576694) |
考案の名称 | 彫刻刀 |
代理人 | 葛西 ▲泰▼二 |
代理人 | 恩田 博宣 |
代理人 | 恩田 誠 |