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審決分類 審判 全部申し立て   B43K
審判 全部申し立て   B43K
審判 全部申し立て   B43K
管理番号 1020847
異議申立番号 異議1999-71165  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-03-23 
確定日 2000-05-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2581871号「筆記具の滑り止め装置」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2581871号の実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
本件実用新案登録第2581871号は、平成5年7月14日に出願され、平成10年7月17日にその実用新案の設定登録がなされ、その後、平成11年3月23日に鈴木悦司により、平成11年3月24日にぺんてる株式会社により、それぞれ異議の申立てがなされ、次いで、平成11年7月9日付け(平成11年7月27日発送)で取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年9月27日に訂正請求がなされた後、平成11年12月17日付けで訂正拒絶理由が通知され、平成12年3月9日付けで手続補正書が提出されたものである。

2.訂正請求について
2-1.訂正請求に対する補正の適否について
上記手続補正書による訂正請求に対する手続補正は、上記訂正請求書に添付した訂正明細書の第3頁第9?15行【考案の効果】の項の、
「本考案は、前記の通りの構成であるから、弾性筒体と指当部を相対的に互いに摺嵌するだけで、これら両部材を簡単に組付けられ、該組付け状態は、本体に螺合操作によって簡単に組付けられる先端部材によって維持することができ、本体に対して弾性筒体が前後方向および回動方向に移動することがなく、かつ、指当部側の突条縁を弾性筒体で被覆する構成を採るので違和感がなく、筆記作業を円滑に行うことができる。」を、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものとすることを目的として、
「本考案は、前記の通りの構成であるから、弾性筒体が本体に対して回動移動することがないので筆記作業を円滑に行うことができる。」と補正するものであるが、
当該補正は、訂正事項の削除に該当し、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項の規定によりさらに準用される同法第131条第2項の規定に適合し、当該補正は認められる。
なお、上記平成11年12月17日付けで通知された訂正拒絶理由は、上記補正により解消された。
2-2.訂正請求の趣旨及び訂正事項
訂正請求の趣旨は、本件実用新案登録第2581871号の明細書(願書に添付した明細書であって、以下、「登録明細書」という。)を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、そして、その訂正事項1?3は、上記手続補正書により補正された以下のとおりのものである。
(a)訂正事項1
登録明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】において、「筆記具本体の先端側の指当部の外周面に突縁ないし凹入縁を、ゴム等の弾性素材より成る弾性筒体の内周面に凹入縁ないし突縁を、少くもそれぞれの軸線方向に沿わせて部分的に設け、指当部の凹入縁ないし突縁を弾性筒体の突縁ないし凹入縁に係合して弾性筒体に前記指当部を挟入した、筆記具の滑り止め装置。」とあるのを、
「筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挟入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた、筆記具の滑り止め装置。」と訂正する。
(b)訂正事項2
登録明細書の【課題を解決するための手段】の項において、「筆記具本体の先端側の指当部の外周面に突縁ないし凹入縁を、ゴム等の弾性素材より成る弾性筒体の内周面に凹入縁ないし突縁を、少くもそれぞれの軸線方向に沿わせて部分的に設け、指当部の凹入縁ないし突縁を弾性筒体の突縁ないし凹入縁に係合して弾性筒体に前記指当部を挟入した構成とする。」とあるのを、
「筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挟入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた構成とする。」と訂正する。
(c)訂正事項3
登録明細書の【第一実施例】の項において、「該先端部材3と本体1間に弾性筒体4を介装したものである。」とあるのを、「該先端部材3を弾性筒体4に隣接させたものである。」と訂正する。
2-3.訂正の要件の適否
2-3-1.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項1は、登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された、筆記具本体と弾性筒体との係合構造を特定するとともに、先端部材を構成要件として付加して構成を限定するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものと認められ、
上記訂正事項2及び3は、上記訂正事項1の実用新案登録請求の範囲の訂正に伴い、対応する考案の詳細な説明の記載を整合させるための訂正であり、明りようでない記載の釈明を目的とするものと認められる。
そして、上記訂正事項1?3は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められ、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるとも認められない。
2-3-2.独立登録要件について
本件訂正請求書に添付された訂正明細書に記載の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されている事項により構成される考案は、後述する「3-5.対比・判断」でしたように、取消理由及び実用新案登録異議申立ての理由では、それぞれ実用新案登録を受けることができないとすることができず、また、他に実用新案登録を受けることができないとする理由も発見しないから、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
2-3-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律平成6年法律第116号附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する同法第126条第2項?第4項の規定に適合し、当該訂正は認められる。

3.異議申立てについて
3-1.本件請求項1に係る考案
本件請求項1に係る考案は、上記訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりものである。
「筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挟入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた、筆記具の滑り止め装置。」
3-2.異議申立ての理由について
3-2-1.異議申立人鈴木悦司の主張
異議申立人は、甲第1号証(実願昭61-20505号(実開昭62-131878号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という。))、甲第2号証(実願平2-68871号(実開平4-26777号))のマイクロフィルム(以下「刊行物3」という。)及び甲第3号証(実願平2-88779号(実開平4-47574号)のマイクロフィルム(以下「刊行物4」という。))を提出し、登録明細書の請求項1係る考案は、甲第1?3号証に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである旨主張している。
3-2-2.異議申立人ぺんてる株式会社の主張
・理由1
異議申立人は、甲第1号証(上記刊行物2)を提出し、登録明細書の請求項1係る考案は、甲第1号証に記載された考案であるから実用新案法第3条第1項第3号の規定により、また、甲第1号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができないものである旨主張している。
・理由2
異議申立て人は、
「本願考案の実用新案登録請求の範囲の記載を勘案すると、本願考案は、
(1)指当部の外周面に突縁ないし凹入縁を、少なくも軸線方向に沿わせて部分的に設けており、
(2)弾性筒体の内周面に凹入縁ないし突縁を、少なくも軸線方向に沿わせて部分的に設けていると思われる。
そして、本願考案に記載されている図面には、指当部の外周面に突縁と凹入縁とが形成され、弾性筒体の内周面に凹入縁と突縁とが形成されたもののみが開示されている。
しかしながら、「突縁」と「凹入縁」とは、相対的なものであり、「突縁」の周囲は、「突縁」に比較して「凹入縁」となるのだから、「突縁ないし凹入縁を、少なくも軸線方向に沿わせて部分的に設け」たものは、単に「突縁」を直線上に形成したものをも含むことになる。
本願考案が、「突縁」または「凹入縁」を複数直線上に形成したものを含むのであれば、本願考案は、上記甲第1号証により拒絶されるものであり、含まないものであれば、「筆記具本体の先端側の指当部の外周面に突縁ないし凹入縁を、ゴム等の弾性素材より成る弾性筒体の内周面に凹入縁ないし突縁を、少なくもそれぞれの軸線方向に沿わせて部分的に設け、」との表現は、本願考案の技術範囲を不明確にするものである。従って、この実用新案登録請求の範囲の記載では、考案の詳細な説明に記載した考案の構成に欠くことができない事項のみを記載したとは言えない。」と主張している。
3-3.取消理由について
取消理由は、刊行物1(実願昭60-120854号(実開昭62-30687号)のマイクロフィルム)、及び、上記刊行物2を引用し、登録明細書の請求項1に係る考案は、上記刊行物1に記載された考案であるから、実用新案法第3条第1項第3号の規定により、また、上記刊行物1及び2に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである、というものである。
3-4.各刊行物に記載の考案
<刊行物1>実願昭60-120854号(実開昭62-30687号)のマイクロフィルム
<刊行物2>実願昭61-20505号(実開昭62-131878号)のマイクロフィルム
<刊行物3>実願平2-68871号(実開平4-26777号))のマイクロフィルム
<刊行物4>実願平2-88779号(実開平4-47574号)のマイクロフィルム
上記刊行物1には、
「本考案は・・・・グリップ部材の固定位置を使用者の好みに応じて適宜変化できることは勿論のこと,該位置にてグリップ部材を確実に軸筒に固定できるようにした筆記具用グリップ装置」(第2頁第18行?第3頁第3行)、
「係止リング3内面には、軸筒1外面に設けられた凸条7に嵌合し得る長手方向の凹溝8が設けられており、係止リング3は回転を防止され長手方向のみ摺動できるようになっている。9は前記軸筒1に遊嵌し得る内径と前記係止リング3と同外径を有する止着リングであって,該止着リング9は・・・・・係止リング3に止着できるようになっている。上記係止リング3と止着リング9とより構成されるグリップ11を軸筒1に固定するに際しては,まず係止リング3を適宜位置に移動させて係合片5の係合突部6を軸筒1の係合溝2に係合させ,次いで該係止リング3後方より止着リング9を移動させて該止着リング9を係止リング3に止着すれば良い。」(第4頁第8行?第5頁第6行)と記載され、
これらの記載及び図面の記載からみて、
「筆記具の軸筒1の先端側の外周面に凸条7を、グリップ11の内周面に凹溝8を、それぞれの軸線方向に沿わせて設け、グリップ11を、該グリップ11に軸筒1を挟入するようにして嵌め込んで、前記軸筒1側の前記凸条7にグリップ11側の凹溝8を係合した、筆記具用グリップ装置。」が記載されていると認められる。
上記刊行物2には、
「軸筒1の一端部に小径部2を形成するとともに,この小径部2に適宜な形状の突状部3を設けかつ、・・・すべり止め部材4を突状部3の表面が露出するように被覆したことを特徴とする筆記具の軸筒。」(実用新案登録請求の範囲)、
「すべり止め部材には合成ゴムのような材質のものを使用するとよい。」(第4頁第2?4行)と記載されている。
上記刊行物3には、
「(1)筆記具本体(1)の握り部(2)に環状溝(3)を設け、この環状溝(3)内に弾性体グリップ(4)を嵌込んでなる筆記具のグリップにおいて、前記環状溝(3)に、前記筆記具本体(1)と一体・・・に複数の凸部(5)を有するリング体(6)を設けこのリング体(6)に弾性体グリップ(4)を嵌込んでなる筆記具のグリップ。」(実用新案登録請求の範囲)と記載されている。
上記刊行物4には、
「筆記具の軸本体1の外面に、軸方向に延びる・・・凹,凸部2・3を内面に・・・形成した弾性リング体4を設けてなる。」(第3頁第4?7行)と記載されている。
3-5.対比・判断
3-5-1.新規性及び進歩性に関して
本件請求項1に係る考案(以下、「前者」という。)と上記刊行物1に記載の考案(以下、「後者」という。)とを対比すると、
通常、筆記具の軸筒に固定されるグリップは、ゴム等の弾性素材より成り、滑り止めの機能を有するから、後者の「グリップ11」及び「筆記具用具リップ装置」は、前者の「弾性筒体」及び「筆記具の滑り止め装置」に、それぞれ相当すると認められ、
後者の「筆記具の軸筒1」及び「軸筒1のグリップ11が固定される部分」は、前者の「筆記具本体」及び「指当部」に相当すると認められるから、両者は、
「弾性筒体を、該弾性筒体に筆記具本体の先端側の指当部を挟入するようにして前記指当部に嵌め込んでなる筆記具の滑り止め装置」である一致するものと認められるが、
前者が、「指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、弾性筒体を、前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた」点を構成要件とするのに対し、後者は、上記の点を有していない点で相違するものと認められる。
そして、本件請求項1に係る考案の上記構成要件は、上記刊行物2?4のいずれにも記載がなく、示唆もされていないので、本件請求項1に係る考案は、上記刊行物1又は2に記載された考案であるとも、上記刊行物1及び2に記載された考案に基いて、又は、上記刊行物2?4に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたともいえない。
したがって、上記異議申立人鈴木悦司が主張する異議申立ての理由、上記異議申立人ぺんてる株式会社が主張する異議申立ての理由1、及び、上記取消理由では、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
3-5-2.記載不備に関して
上記訂正請求により実用新案登録請求の範囲の記載が明確になったものと認められるから、上記異議申立人ぺんてる株式会社が主張する異議申立ての理由2では、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
3-6.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
筆記具の滑り止め装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挾入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた、筆記具の滑り止め装置。
【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本考案は、ボールペン、シャープペンシル等の筆記具の滑り止め装置に関するものである。
【従来の技術】
ボールペン等の筆記具の先端側の指当部に、凹凸を設けて筆記具を容易に保持できるようにしているが、凹凸であると、必然的に筆記時の圧力が指先に負荷され、痛みを感じることがある。このため、前記指当部にゴム製の弾性体を配することが近年行われるようになったが、該弾性体の指当部に対する取付け作業がなかなか煩雑で、煩雑さを回避するため、弾性体を筒状にし、該筒状体体に筆記具本体の指当部を嵌入する手段が採られている。
【考案が解決しようとする課題】
前記の従来例は、弾性筒状体を指当部に単に嵌入させているだけであるが、弾性筒状体の経時変化などによって嵌入状態を維持できず、弾性筒状体が移動(主として本体を中心に回動)してしまい、本来を筆記作業上便ならしめたが、却って筆記作業上不便さをきたしている。
本考案は斯様な常況に鑑み案出したものである。
【課題を解決するための手段】
筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挾入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた構成とする。
【実施例】
図面は本考案に係る筆記具の滑り止め装置の実施例を示し、図1ないし図3は第一実施例を第4ないし第6図は第二実施例をそれぞれ示し、図1は内部を省略して示した一部欠截正面図、図2は図1a-a線断面図、図3は同じくb-b線断面図、図4は一部欠截正面図、図5は図4のc-c線断面図、図6は同じくd-d線断面図である。
図中、1は筆記具本体、2は本体1の先端側の指当部、3は本体1の先端に螺合した先端部材、4はゴム素材より成る弾性筒体をそれぞれ示し、弾性筒体4は合成樹脂で構成しても良い。
【第一実施例】
図1ないし図3で示す第一実施例は、指当部2の外径を本体1の外径より狭くして、該指当部2の外周面2′の後端部に、指当部2の軸線方向に沿う一対の突条縁7,7を相対向位置にして設け、また、先端部には、突条縁7,7の延長上位置にして一対の凹入縁8,8を設けこれら突条縁7,7および凹入縁8,8と対応するようにして弾性筒体4の内周面4′の両端に凹入縁9,9ないし突条縁10,10を設けた前記弾性筒体4を、該弾性筒体4に指当部2を挾入するようにして指当部2に嵌め込み、指当部2の突条縁7,7に弾性筒体4の凹入縁9,9を、また、凹入縁8,8に突条縁10,10を係合させ、本体1の先端に先端部材3を螺合して、該先端部材3を弾性筒体4に隣接させたものである。
【第二実施例】
図4ないし図6で示す第二実施例のものは、指当部2の外径を本体1の外径と同径に成し、指当部2側の後端に突条縁7、先端部に凹入縁8をそれぞれ一つ宛設け、これらに対応する凹入縁9および突条縁10を弾性筒体4側に設けたもので、残余の点は第一実施例とほぼ同様である。
【考案の効果】
本考案は、前記の通りの構成であるから、弾性筒体が本体に対して回動移動することがないので筆記作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
第一実施例の内部を省略して示した一部欠截正面図。
【図2】
図1a-a線断面図。
【図3】
図1b-b線断面図。
【図4】
第二実施例の内部を省略して示した一部欠截正面図。
【図5】
図4c-c線断面図。
【図6】
図4d-d線断面図。
【符号の説明】
1 筆記具本体
2 指当部
4 弾性筒体
7 突条縁
8 凹入縁
9 凹入縁
10 突条縁
訂正の要旨 本件実用新案登録第2581871号の訂正事項は、以下のとおりである。
(a)訂正事項1
登録明細書の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】において、「筆記具本体の先端側の指当部の外周面に突縁ないし凹入縁を、ゴム等の弾性素材より成る弾性筒体の内周面に凹入縁ないし突縁を、少くもそれぞれの軸線方向に沿わせて部分的に設け、指当部の凹入縁ないし突縁を弾性筒体の突縁ないし凹入縁に係合して弾性筒体に前記指当部を挟入した、筆記具の滑り止め装置。」とあるのを、
「筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挟入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた、筆記具の滑り止め装置。」と訂正する。
(b)訂正事項2
登録明細書の【課題を解決するための手段】の項において、「筆記具本体の先端側の指当部の外周面に突縁ないし凹入縁を、ゴム等の弾性素材より成る弾性筒体の内周面に凹入縁ないし突縁を、少くもそれぞれの軸線方向に沿わせて部分的に設け、指当部の凹入縁ないし突縁を弾性筒体の突縁ないし凹入縁に係合して弾性筒体に前記指当部を挟入した構成とする。」とあるのを、
「筆記具本体の先端側の指当部の外周面の先端部に凹入縁を、後端部に突条縁をそれぞれ前記指当部の軸線方向に沿わせて設け、内周面の先端部に前記凹入縁に対応する突条縁を、後端部に指当部の前記突条縁に対応する凹入縁をそれぞれ設けた、ゴム等の弾性素材で成る弾性筒体を、該弾性筒体に前記指当部を挟入するようにして前記指当部に嵌め込んで指当部側の前記突条縁に弾性筒体側の前記凹入縁を、また、指当部側の前記凹入縁に弾性筒体側の前記突条縁を係合すると共に、前記筆記具本体に先端部材を螺合して前記弾性筒体に隣接させた構成とする。」と訂正する。
(c)訂正事項3
登録明細書の【第一実施例】の項において、「該先端部材3と本体1間に弾性筒体4を介装したものである。」とあるのを、「該先端部材3を弾性筒体4に隣接させたものである。」と訂正する。
異議決定日 2000-04-11 
出願番号 実願平5-38553 
審決分類 U 1 651・ 534- YA (B43K)
U 1 651・ 121- YA (B43K)
U 1 651・ 113- YA (B43K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 砂川 充  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 白樫 泰子
外山 邦昭
登録日 1998-07-17 
登録番号 実用新案登録第2581871号(U2581871) 
権利者 プラス株式会社
東京都文京区音羽1丁目20番11号
考案の名称 筆記具の滑り止め装置  
代理人 土橋 秀夫  
代理人 土橋 秀夫  
代理人 江藤 剛  
代理人 江藤 剛  
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