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審決分類 審判 一部申し立て   G03B
審判 一部申し立て   G03B
管理番号 1020860
異議申立番号 異議1999-72428  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-06-16 
確定日 2000-06-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2593988号「カメラ用レンズシャッタの漏光防止機構」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2593988号の請求項1、5に係る実用新案登録を維持する。
理由 1、手続きの経緯
本件実用新案登録第2593988号の考案は、平成5年7月23日に実用新案登録出願され、平成11年2月19日にその設定登録がなされ、その後、オリンパス光学工業株式会社より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年4月17日に訂正請求がなされたものである。

2、訂正の適否についての判断
(1)訂正の要旨
訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1を以下のとおり訂正する。
「【請求項1】二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合している駆動ピンを駆動手段によって往復運動させることにより、それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉するようにしたカメラ用レンズシャッタにおいて、一方のシャッタ羽根の他方のシャッタ羽根とは接しない側に配置されていて、前記駆動ピンに係合してその往復運動に連動し前記一方のシャッタ羽根と同じ方向に作動するように構成されており、前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に露光開口の周辺部の一部のみを覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記周辺部の一部から退去させられているようにした遮光部材を備えていることを特徴とする漏光防止機構。」

訂正事項b
考案の詳細な説明の段落番号【0004】の第1行に記載された「本考案、」を「本考案は、」と訂正する。

訂正事項c
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第3行?4行に記載された「それらのシャッタ羽根を相反する方向へ回転させて露光開口を開閉させる」を「それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉する」と訂正する。

訂正事項d
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第7行に記載された「前記一方の羽根」を「前記一方のシャッタ羽根」と訂正する。

訂正事項e
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第7行?8行に記載された「シャッタ閉鎖状態においては」を「前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に」と訂正する。

訂正事項f
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第9行に記載された「露光開口」を「前記周辺部の一部」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の減縮ならびに明瞭でない記載の釈明に該当し、また、上記訂正事項bないしfは、明瞭でない記載の釈明に該当するものである。
そして、該訂正事項aないしfは、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(3)独立登録要件の判断
(本件考案)
本件訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び請求項5に記載されている事項により特定される考案(以下、「本件考案1」及び「本件考案5」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合している駆動ピンを駆動手段によって往復運動させることにより、それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉するようにしたカメラ用レンズシャッタにおいて、一方のシャッタ羽根の他方のシャッタ羽根とは接しない側に配置されていて、前記駆動ピンに係合してその往復運動に連動し前記一方のシャッタ羽根と同じ方向に作動するように構成されており、前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に露光開口の周辺部の一部のみ覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記周辺部の一部から退去させられているようにした遮光部材を備えていることを特徴とする漏光防止機構。」

「【請求項5】前記駆動ピンと前記遮光部材との係合は、前記駆動ピンと前記遮光部材に形成されたスロットとの嵌合によりなされていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用レンズシャッタの漏光防止機構。」

(引用刊行物)
刊行物1 特開昭64-526号公報

上記刊行物1には、以下のような考案が記載されている。
即ち、図面、特に第6図の記載と、
「本発明は撮影レンズの開口の側方にシャッタ羽根を回動可能に設けたレンズシャッタカメラのシャッタ機構に関する。」(公報第2頁右上欄第17行?第19行)、
「本発明では、撮影レンズの開口を挟んだ状態で覆うシャッタ羽根の少なくとも一方を内羽根,外羽根で構成し、内羽根を開口中心付近を主に覆う遮蔽位置と、開口の側方へ退避する退避位置との間で回動自在に支持し、外羽根を開口の外側付近を主に覆う遮蔽位置と、開口の側方へ退避する退避位置との間で回動自在に支持するようにしている。そして遮蔽位置においては、上記内羽根と外羽根とで協働して撮影レンズの開口を遮蔽し、退避位置では重畳されて収納されるものである。」(公報第2頁右下欄第6行?第16行)、
「シャッタ羽根は左右とも内羽根,外羽根から構成されており、それらの光軸方向の重なり順序は右側の外羽根34,内羽根35,左側の内羽根36,外羽根37の順になっている。そして両内羽根35,36の先端にはヒゲ部35c,36cが設けられている。上記4枚の羽根34,35,36,37は駆動レバー3の回動により第6図(A)の閉成状態と(B)の開放状態との間で移動される。」(公報第4頁右上欄第20行?左下欄第8行)。
なる記載事項からして、以下のような考案が記載されている。
2枚もしくは1枚の羽根からなる一方のシャッタ羽根と2枚の羽根からなる他方のシャッタ羽根の各羽根の長孔に嵌入している駆動ピンを駆動レバーによって移動させることにより、該一方のシャッタ羽根と他方のシャッタ羽根が、互いに相反する方向へ回動して撮影レンズ開口を閉成又は開放するようにしたレンズシャッタカメラのシャッタ機構において、前記一方又は他方のシャッタ羽根の内の互いに相手方の羽根と隣接する位置にある羽根の該相手方の羽根との対接面側でない面側に配置されていて、前記駆動ピンに係合してその移動に連動し前記一方又は他方のシャッタ羽根の前記隣接する位置にある羽根と同じ方向に回動するように構成されており、前記一方及び他方のシャッタ羽根の前記隣接する位置にある羽根と協働して撮影レンズ開口を覆っているシャッタ閉成状態においては、撮影レンズ開口の外側付近のみを覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記外側付近から退去させられているようにした前記隣接する位置にある羽根ではない羽根を備えているシャッタ機構の光漏れを防ぐ機構。

(対比、判断)
本件考案1と、当審で引用した上記刊行物1に記載された考案とを対比すると、刊行物1に記載された考案には、本件考案1を特定する事項である「一方のシャッタ羽根の他方のシャッタ羽根とは接しない側に配置されていて、駆動ピンに係合してその往復運動に連動し前記一方のシャッタ羽根と同じ方向に作動するように構成されており、前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に露光開口の周辺部の一部のみを覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記周辺部の一部から退去させられているようにした遮光部材を備え」とした点の構成が具備されてはおらず、しかも、この点の構成は刊行物1に記載された考案のものから自明の構成ではなく、また、該刊行物1に記載された考案のものからきわめて容易に導き出せるものでもない。即ち、刊行物1に記載された考案には、2枚もしくは1枚の羽根からなる一方のシャッタ羽根と2枚の羽根からなる他方のシャッタ羽根の計4枚もしくは3枚のシャッタ羽根により露光開口(撮影レンズ開口)を開閉させるレンズシャッタが記載されているにすぎず、2枚のシャッタ羽根により露光開口を開閉させるレンズシャッタにおいて、該シャッタの閉鎖状態において露光開口の周辺部の一部のみを覆う遮光部材を備える点については何らの記載もなく、何らの示唆すらなされていない。してみれば、本件考案1の上記の点の構成がこのような刊行物1に記載された考案のものからきわめて容易に導き出せるものであるとすることはできない。

そして、本件考案1は、上記の点の構成を具備することにより、本件訂正明細書に記載の「シャッタ閉鎖状態においては、その遮光部材によって、露光開口の周辺部の一部のみを覆うようにしたものであるから、シャッタ羽根を小型化、薄型化しても露光開口からの漏光を十分に防止することが出来、シャッタの高速化にとって極めて有効である。」という本件考案1に特有の作用効果を奏するものであるから、上記の点の構成を具備する本件考案1は、上記刊行物1に記載された考案であるとすることはできず、また該刊行物1に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとすることもできない。

また、本件考案5については、本件考案5が本件考案1において更に構成の限定を付したものであるから、本件考案1について述べた上記理由と同様の理由により、上記刊行物1に記載された考案ではなく、また該刊行物1に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものでもない。

そして、他に本件考案1及び5について、独立して登録を受けることができないとする理由は発見しない。
よって、本件考案1及び5は、実用新案登録出願の際独立して登録を受けることができるものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成十一年法律第四十一号。以下「平成十一年法」という。)附則第十5条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号。以下「平成六年改正法」という。)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第百二十6条第1項ただし書、第二項及び第三項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3、実用新案登録異議の申立てについての判断
(1)異議申立ての理由の概要
異議申立人オリンパス光学工業株式会社は、以下の理由を挙げ、本件実用新案登録請求の範囲の請求項1及び5に係る考案の登録(訂正前の考案の登録)は取り消されるべきである旨主張している。
即ち、本件実用新案登録請求の範囲の請求項1及び5に係る考案は、甲第1号証刊行物である特開昭64-526号公報に記載された考案であり、もしくは該刊行物に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、該考案の登録は、実用新案法第3条第1項第3号もしくは同法同条第2項の規定に違反してなされたものである。

(2)異議申立人の主張についての検討
(甲第1号証刊行物に記載された考案)
異議申立人の提出した甲第1号証刊行物(前記刊行物1に相当)には、それぞれ、前記2-(3)の「独立登録要件の判断」における「(引用刊行物)」の項において述べたとおりの考案が記載されている。
(対比・判断)
本件訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び5に係る考案(上記「本件考案1」及び「本件考案5」に相当)と異議申立人が提出した甲第1号証刊行物に記載された考案との対比・判断については、前記2-(3)の「独立登録要件の判断」における「(対比・判断)」の項において述べたとおりであり、本件考案1及び5は、上記甲第1号証刊行物に記載された考案ではなく、また、該刊行物に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではないから、本件考案1及び5の登録は、実用新案法第3条第1項第3号もしくは同法同条第2項の規定に違反するものではない。

(3)以上のとおりであるから、本件考案1及び5の登録、即ち、本件訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び5に係る考案の登録は、異議申立人オリンパス光学工業株式会社の主張した理由及び証拠によっては取り消すことはできない。
また、他に本件訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び5に係る考案の登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
カメラ用レンズシャッタの漏光防止機構
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合している駆動ピンを駆動手段によって往復運動させることにより、それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉するようにしたカメラ用レンズシャッタにおいて、一方のシャッタ羽根の他方のシャッタ羽根とは接しない側に配置されていて、前記駆動ピンに係合してその往復運動に連動し前記一方のシャッタ羽根と同じ方向に作動するように構成されており、前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に露光開口の周辺部の一部のみを覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記周辺部の一部から退去させられているようにした遮光部材を備えていることを特徴とする漏光防止機構。
【請求項2】開き用の二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合している駆動ピンと、閉じ用の二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合しているもう一つの駆動ピンと、それらの駆動ピンの一方にのみ係合する少なくとも一つの前記遮光部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用レンズシャッタの漏光防止機構。
【請求項3】前記二つの駆動ピンに別々に係合する二つの前記遮光部材を備えており、シャッタ閉鎖状態においては、開き用の二つのシャッタ羽根と閉じ用の二つのシャッタ羽根は何れも露光開口を覆っていて、前記二つの遮光部材は両者によって露光開口の周辺部のみを略全部覆い得る位置にあるようにようにしたことを特徴とする請求項2に記載のカメラ用レンズシャッタの漏光防止機構。
【請求項4】前記駆動ピンと前記遮光部材との係合は、前記遮光部材に張架されたバネにより、前記遮光部材が前記駆動ピンに当接するようにしてなされていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用レンズシャッタの漏光防止機構。
【請求項5】前記駆動ピンと前記遮光部材との係合は、前記駆動ピンと前記遮光部材に形成されたスロットとの嵌合によりなされていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用レンズシャッタの漏光防止機構。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、カメラ用レンズシャッタの漏光防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラ用レンズシャッタにおいて、シャッタスピードの高速化をはかるためには、大別して駆動力源を強力にする方法とシャッタ羽根の質量を小さくする方法がある。そしてシャッタ羽根の質量を小さくする方法としては、材質のことを考慮しなければ、シャッタ羽根の平面積を小さくすることと厚さを薄くすることが考えられる。他方、近年カメラの電動化が進み、シャッタ羽根を駆動アクチュエータで駆動するものが現れてきた。しかし、一般に駆動アクチュエータは形状が比較的大きく電力消費も大きいという難点がある。従って、小型であって比較的電力消費の少ないムービングマグネット型モータが注目されているが、その反面、このモータは非力であるため出来るだけシャッタ羽根の質量を小さくしないと高速のシャッタスピードを得ることが難しいという問題を抱えている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
レンズシャッタにおいては、その遮光上、閉鎖状態における羽根同志の重なりを密にすることが極めて重要である。従って、シャッタ羽根の平面形状を小さくするためには、閉鎖状態における羽根同志の重なり部分を必要以上に少なくすることが出来ず、露光開口の外側に延在している部分の面積を少しでも小さくすることを考える必要がある。しかし、この場合には露光開口周辺部からの漏光の心配が生じるため、この点に対する対策が必要となる。他方、シャッタ羽根の厚さを薄くすると、羽根自体の平面性を得ることが難しくなり、また剛性も得にくくなる。従って、特に羽根の枚数が少なくなればなる程、露光開口の中央部において致命的な漏光の可能性が生じるので、これに対する対策が必要となる。
【0004】
本考案は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カメラ用レンズシャッタにおいて、シャッタ閉鎖状態においてのみ、露光開口の周辺部の一部のみを覆うようにした遮光部材を設けることにより、漏光を防止出来るようにし、延いてはシャッタ羽根の小型化、薄型化を可能にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために、本考案においては、二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合している駆動ピンを駆動手段によって往復運動させることにより、それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉するようにしたカメラ用レンズシャッタにおいて、一方のシャッタ羽根の他方のシャッタ羽根とは接しない側に配置されていて、前記駆動ピンに係合してその往復運動に連動し前記一方のシャッタ羽根と同じ方向に作動するように構成されており、前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に露光開口の周辺部の一部のみを覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記周辺部の一部から退去させられているようにした遮光部材を備えているようにする。
【0006】
【実施例】
本考案の実施例を図1乃至図3により説明する。図1はシャッタ閉鎖状態を示す平面図であり、図2はシャッタ開放状態を示す平面図であり、図3はシャッタ閉鎖状態における断面図である。尚、図1及び図2においては、図3に示された上地板が省略され、またムービングマグネット型モータは一点鎖線で示されている。
【0007】
図3において、1は上地板であって、開口1a,窓1bを有し、軸1c及びストッパーピン1dが植設されている。2は下地板であって、上地板1と同様に、開口2a,窓2bを有し、軸2c及びストッパーピン2dが植設されている。3は中間板であり、開口3aを有している。この中間板3には一方の面に軸3b,3cが、他方の面に軸3d,3eが植設されている。これらの軸の平面的配置は図1及び図2において分かり易く示されている。また、上地板1,下地板2,中間板3は、適宜な手段によって相互に一体化されており、開口1a,2a,3aにより露光開口を形成している。4,5は周知のムービングマグネット型モータであり、夫々上地板1及び下地板2に適宜な方法で固定されており、駆動ピン4a,5aは夫々窓1b,2bを貫通し、往復運動可能になされている。6,7は閉じ用のシャッタ羽根であり、夫々軸3b,3cに回転可能に支承され、駆動ピン4aに嵌合するスロット6a,7aを有している。8,9は開き用シャッタ羽根であり、夫々軸3d,3eに回転可能に支承されている。この開き用シャッタ羽根8,9にも実際には駆動ピン5aと嵌合するスロットが夫々設けられているがそれらの図示は省略した。10は第1遮光板であり、軸1cに回転可能に支承され、ストッパーピン1dに当接する腕部10aを有し、バネ11により左旋習性を与えられている。12は第2遮光板であり、軸2cに回転可能に支承され、ストッパーピン2dに当接する腕部12aを有し、バネ13により左旋習性を与えられている。
【0008】
次に、上記実施例の作動を説明する。図1はシャッタ閉鎖状態を示しており、開き用シャッタ羽根8,9のみならず閉じ用シャッタ羽根6,7も露光開口を覆っている。この状態においては、第1遮光板10と第2遮光板12は、夫々駆動ピン4a,5aによりバネ11,13に抗して右旋されており、夫々露光開口の周辺部を略180°に亘って分担して覆うような位置にある。(図1においては第2遮光板12の先端部の形状が省略されている)この状態でシャッタがレリーズされると、先ずムービングマグネット型モータ4に通電され、図示していない回転子が駆動ピン4aを伴って図1において左旋する。この時、第1遮光板10はバネ11により左旋され、先端部を露光開口より退去させ、腕部10aがストッパーピン1dに当接して停止する。他方、駆動ピン4aはスロット6a,7aとの嵌合関係により、羽根6を軸3bで左旋させ、羽根7を軸3cで右旋させる。従って閉じ用シャッタ羽根6,7は開き位置に達し、その位置で待機する。
【0009】
次に、ムービングマグネット型モータ5が通電され、図示していない回転子が駆動ピン5aを伴って左旋する。従って、第2遮光板12は駆動ピン5aに追従してバネ13によって左旋される。この第2遮光板12はその先端部を露光開口から退去させた後、腕部12aがストッパーピン2dに当接して停止する。他方、開き用シャッタ羽根8,9は図示していないスロットに嵌合した駆動ピン5aによって、羽根8が右旋され、羽根9が左旋されて露光開口を開き、図2の全開状態に達する。
【0010】
所定の時間経過後に、ムービングマグネット型モータ4に前記とは逆向きの通電が行われると、回転子は駆動ピン4aを伴って図2の状態から右旋する。駆動ピン4aはこの右旋によって先ず閉じ用シャッタ羽根6,7を前記とは逆方向に作動させ露光開口を閉じさせる。更に、駆動ピン4aは、バネ11に抗して第1遮光板10を、羽根6を追いかけるようにして右旋させ、図1の状態に移動させる。この場合、遮光板10の右旋は羽根6のバウンド防止を可能にする。この図1の状態においては、遮光板10は羽根6の先端が図面において手前側に浮くのを押さえており、且つ羽根6の背中、即ち開口3aの外側に延在している部分からの漏光を防止している。以上のようにして露光が終了した後、ムービングマグネット型モータ5に前記とは逆向きの通電が行われ、回転子は駆動ヒ。ン5aを伴って右旋する。従って開き用シャッタ羽根8,9と第2遮光板12は図1の状態に復帰する。この状態における第2遮光板12の役割は前述した第1遮光板10の場合と同じである。
【0011】
尚、上記の実施例においては、駆動ピン4aと遮光板10の係合関係が、バネ11によって得られるようにしているが、遮光板10にスロットを設けそれに駆動ピン4aを嵌入させるようにしても構わない。このことは第2遮光板12についても同様である。また上記の実施例においては遮光板を開き用シャッタ羽根と閉じ用シャッタ羽根の両方に設けたが、遮光性が十分得られる場合には何れか一方に設けるだけでも構わない。更に、本考案は、バネ駆動によって往復運動させられる開閉レバーの駆動ピンが一組のシャッタ羽根を開閉作動させるようにしたシャッタにも適用することが可能である。
【0012】
【考案の効果】
上記のように、本考案は、シャッタ羽根の開閉作動を行う駆動ピンが、遮光部材を前記開閉作動に連動して往復作動させるようにし、シャッタ閉鎖状態においては、その遮光部材によって、露光開口の周辺部の一部のみを覆うようにしたものであるから、シャッタ羽根を小型化,薄型化しても露光開口からの漏光を十分に防止することが出来、シャッタの高速化にとって極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の実施例の平面図であり、シャッタ閉鎖状態を示している。
【図2】
図1と同じ実施例の平面図であり、シャッタ全開状態を示している。
【図3】
図1の中央横断面図である。
【符号の説明】
1 上地板
1a,2a,3a 開口
1b,2b 窓
1c,2c,3b,3c,3d,3e 軸
1d,2d ストッパーピン
2 下地板
3 中間板
4,5 ムービングマグネット型モータ
4a,5a 駆動ピン
6,7 閉じ用シャッタ羽根
6a,7a スロット
8,9 開き用シャッタ羽根
10 第1遮光板
10a,12a 腕部
11,13 バネ
12 第2遮光板
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1を以下のように、その減縮を目的として訂正する。
「【請求項1】二つのシャッタ羽根のスロットに嵌合している駆動ピンを駆動手段によって往復運動させることにより、それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉するようにしたカメラ用レンズシャッタにおいて、一方のシャッタ羽根の他方のシャッタ羽根とは接しない側に配置されていて、前記駆動ピンに係合してその往復運動に連動し前記一方のシャッタ羽根と同じ方向に作動するように構成されており、前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に露光開口の周辺部の一部のみを覆い得る位置にあり、シャッタ開放状態においては前記周辺部の一部から退去させられているようにした遮光部材を備えていることを特徴とする漏光防止機構。」
訂正事項b
考案の詳細な説明の段落番号【0004】の第1行に記載された「本考案、」を「本考案は、」と、その明瞭でない記載の釈明を目的として訂正する。
訂正事項c
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第3行?4行に記載された「それらのシャッタ羽根を相反する方向へ回転させて露光開口を開閉させる」を「それらのシャッタ羽根が、相反する方向へ回転して露光開口を開閉する」と、その明瞭でない記載の釈明を目的として訂正する。
訂正事項d
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第7行に記載された「前記一方の羽根」を「前記一方のシャッタ羽根」と、その明瞭でない記載の釈明を目的として訂正する。
訂正事項e
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第7行?8行に記載された「シャッタ閉鎖状態においては」を「前記二つのシャッタ羽根によって露光開口を覆っているシャッタ閉鎖状態においては、前記一方のシャッタ羽根と共に」と、その明瞭でない記載の釈明を目的として訂正する。
訂正事項f
考案の詳細な説明の段落番号【0005】の第9行に記載された「露光開口」を「前記周辺部の一部」と、その明瞭でない記載の釈明を目的として訂正する。
異議決定日 2000-05-26 
出願番号 実願平5-40429 
審決分類 U 1 652・ 121- YA (G03B)
U 1 652・ 113- YA (G03B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 昭喜  
特許庁審判長 森 正幸
特許庁審判官 柏崎 正男
綿貫 章
登録日 1999-02-19 
登録番号 実用新案登録第2593988号(U2593988) 
権利者 日本電産コパル株式会社
東京都板橋区志村2丁目18番10号
考案の名称 カメラ用レンズシャッタの漏光防止機構  
代理人 篠原 泰司  
代理人 篠原 泰司  
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