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審決分類 審判 全部申し立て   A47K
管理番号 1020887
異議申立番号 異議1998-71833  
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-04-13 
確定日 2000-07-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第2550860号「洗い場付浴槽」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2550860号の実用新案登録を維持する。
理由 〔1〕本件登録実用新案
実用新案登録第2550860号の請求項1に係る考案(平成3年10月22日出願、平成9年6月20日設定登録、以下、「本件考案」という。)は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。
「【請求項1】壁付面、浴槽本体嵌入用開口及び該浴槽本体嵌入用開口の周縁の段部とエプロン面を一体に成形してなるエプロン体と、浴槽本体及び洗い場防水パンとをそれぞれ別成形して組み立てるようにしてなる洗い場付浴槽において、上記エプロン体、洗い場防水パン及び浴槽本体の平面形状を、エプロン体は長辺側、洗い場防水パンは短辺側、又、浴槽本体は短辺側を二分する中心線に対して、左右対称形状に形成してなることを特徴とする洗い場付浴槽。」
〔2〕異義申立ての理由の概要
異義申立人長谷川泰一は、本件考案は、甲第1号証記載の考案に基いて、あるいは甲第1?第3号証記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、本件考案の実用新案登録は、取り消されるべきである旨主張するとともに、甲第1号証?甲第3号証を提出し、さらに甲第1号証に記載された洗い場付浴槽と同じものが示されているとして甲第4号証を提出している。
〔3〕刊行物の記載事項
当審で通知した取消理由において引用した刊行物1(特開昭56-468号公報、甲第1号証)には、
「(1)床パンと、床パンの4周縁部のうち3周縁部に立てて接続される3枚の腰壁と、床パンの4周縁部のうち残りの1周縁部に立てて接続されるエプロンと、エプロンの上端に前端が接続される周枠と、周枠に嵌め込まれる浴槽とより成ることを特徴とする浴室ユニット。」(特許請求の範囲)、
「図中(5)は周枠であつて浴槽嵌め込み用開口(33)が設けてありこの浴槽嵌め込み用開口(33)の縁には上下に上突縁(34)と下突縁(35)とが設けてある。周枠(5)の左右両側縁と背縁とにわたつてコ字状となつた立壁部(27)が立設してあり、立壁部(27)の上端には背方に向けて横片(28)が連出し、更に横片(28)の背方端部に上方に向けて水切り突部(29)が突出している。」(2頁右上欄19行?左下欄6行)、
「上記のような構成の床パン(1)と、床パン(1)の4周縁部のうち3周縁部に立つて接続される3枚の腰壁(3)と、床パン(1)の4周縁部のうち残りの1周縁部に立てて接続されるエプロン(4)と、エプロン(4)の上端に前端が接続される周枠(5)と、周枠(5)に嵌め込まれる浴槽(6)とにより浴室ユニットを組立て形成するものである。」(2頁右下欄2?8行)、
「周枠(5)の浴槽嵌め込み用開口(33)には浴槽(6)が上方より嵌め込まれるものであり、浴槽(6)の外鍔(37)を浴槽嵌め込み用開口(33)の上突縁(34)に嵌め込むものであり、」(3頁左下欄1?5行)
「なお第16図にはエプロン(4)と周枠(5)とを一体に形成したものの例が示してある。」(4頁左上欄11?13行)の記載がある。
以上の記載並びに第1図、第3図、第4図、第7図、第8図、及び第10図の記載からみて、刊行物1には、
「横片28及び水切り突部29、浴槽嵌め込み用開口33及び浴槽嵌め込み用開口33の周縁の上突縁34とエプロン4を一体に成形してなる周枠5とエプロン4の一体形成物と、浴槽6及び床パン1とをそれぞれ別形成して組み立てるようにしてなる浴室ユニット」が記載されているものと認める。
また、異義申立人が提出した甲第2号証(実開平1-171282号公報、以下「刊行物2」という。)の実用新案登録請求の範囲の第1項には、「槽部及び手摺部を有する浴槽において、該槽部の中心線を挟んで手摺部上面の対称位置にスイッチ装着用の凹部を設けたことを特徴とする浴槽。」と記載され、第1図には、浴槽10の中心線C上に排水口14を設けた点が図示されている。
同じく甲第3号証(実願昭57-164806号(実開昭59一68490号)のマイクロフィルム、以下「刊行物3」という。)の2頁5?13行には、「本考案の要旨は、上面開口せる浅底箱状の洗い場ボツクス(1)を平面からみて正方形に形成するとともに、洗い場ボックス(1)の一辺の縦壁(2)を平面からみた浴槽(3)の長辺側槽壁(4)と同じ長さとし、洗い場ボックス(1)のいずれか一つの縦壁(2)にドア開口部(5)を形成し、浴槽(3)の長辺側槽壁(4)に洗い場ボックス(1)の他のいずれかの縦壁(2)を着脱自在に連結して成る洗い場付き浴槽ユニットに係るものである。」と記載され、2頁2?3行には、「その目的とするところは任意方向にドア開口部を形成することができる洗い場付き浴槽ユニットを提供する」と記載され、5頁5?9行には、「したがって一対の浴槽及び洗い場の連結のやり方によりドア開口部を3方向のいずれの方向にも開口させることができ、この結果現場にて任意のタイプのものが選択できるとともに生産の低コスト化が図れるという効果を奏する。」と記載されている。
同じく甲第4号証(特開昭56-470号公報、以下「刊行物4」という。)の1頁右下欄6?9行には、「本発明は洗い場の床及び壁構造、更に詳しくは合成樹脂にてパネル状に成形された床パンと腰壁及びエプロンを組み立てて形成される浴室の洗い場の下部構造に関する」と記載され、第1図には、床パン、腰壁、エプロン、周枠、浴槽を組み立てて形成される浴室が記載されている。

〔4〕対比・判断
本件考案と刊行物1記載の考案とを対比すると、刊行物1記載の考案の「横辺28及び水切り突部29」は、本件考案の「壁付け面」に相当し、以下同様に、「浴槽6」は「浴槽本体」に、「浴槽嵌め込み用開口33」は「浴槽本体嵌入用開口」に、「上突縁34」は「段部」に、「エプロン4」は「エプロン面」に、「周枠5とエプロン4の一体形成物」は「エプロン体」に、「床パン1」は「洗い場防水パン」に、「浴室ユニット」は「洗い場付浴槽」にそれぞれ相当するから、両者は、
「壁付面、浴槽本体嵌入用開口及び該浴槽本体嵌入用開口の周縁の段部とエプロン面を一体に成形してなるエプロン体と、浴槽本体及び洗い場防水パンとをそれぞれ別成形して組み立てるようにしてなる洗い場付浴槽」
である点で一致するものの、次の点で相違する。
本件考案は、エプロン体、洗い場防水パン及び浴槽本体の平面形状を、エプロン体は長辺側、洗い場防水パンは短辺側、又、浴槽本体は短辺側を二分する中心線に対して、左右対称形状に形成してなるのに対し、刊行物1記載の考案は、そのような構成を備えているのか明らかではない点。
そこで、上記相違点について検討すると、刊行物2には、浴槽を短辺側を二分する中心線に対して左右対称形状に形成することが記載され、刊行物3には、浅底箱状の洗い場ボックスを正方形に形成して、浴槽を洗い場ボックスの三方の縦壁のいずれにも連結できるようにし、ドアの開口部を三方向のいずれにも開口させ得ることが記載されているが、いずれにも上記相違点で挙げた本件考案の構成は記載されていないし、示唆もされていない。なお、刊行物4には、合成樹脂製の床パン、腰壁、エプロン、周枠、浴槽を組み立てて形成される浴室が記載されているにすぎない。
そして、本件考案は、この構成を備えることにより、「成形型が各々1型で済んで極めて経済的であり、特に量産性の良いSMC用金型等の高価な型の場合は、最小型数で成形品を取得することができて製品を安価に供給することができるようになる。また、エプロン体及び洗い場防水パンを施工現場にて組み込むことにより全ての建築間取りに対応できるため、同形状(同仕様)の成形品を生産すればよく、多量少品種となってコストダウンが計れるとともに、生産、在庫、物流面での管理が極めて簡単容易となる」(明細書段落【0014】)という特有の効果を奏するものと認められる。
したがって、本件考案は、刊行物1記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることも、また刊行物1?3記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることもできない。
〔5〕むすび
以上のとおりであるから、異議申立人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-06-28 
出願番号 実願平3-86032 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (A47K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 砂川 充家田 政明  
特許庁審判長 樋口 靖志
特許庁審判官 阿部 綽勝
鈴木 公子
登録日 1997-06-20 
登録番号 実用新案登録第2550860号(U2550860) 
権利者 日立化成工業株式会社
東京都新宿区西新宿2丁目1番1号
考案の名称 洗い場付浴槽  
代理人 若林 邦彦  
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