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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B43K 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B43K |
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管理番号 | 1024928 |
審判番号 | 審判1999-39106 |
総通号数 | 15 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2001-03-30 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 1999-12-14 |
確定日 | 2000-03-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第1973840号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第1973840号実用新案の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件登録第1973840号実用新案に係る考案は、昭和58年1月25日に出願され、平成3年11月26日に出願公告された後、平成5年7月14日にその実用新案権の設定の登録がなされたものである。 2.審判請求の要旨 本件審判請求の要旨は、本件登録第1973840号実用新案の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。 その訂正内容は、次のとおりである。 訂正事項a 平成3年7月23日付けの手続補正書(全文補正された明細書)の3頁12行(本件実用新案公報3欄8行)「常に」とあるを削除する。 訂正事項b 上記手続補正書の4頁12行(本件実用新案公報3欄28行)「ついては」とあるを「ついには」と訂正する。 訂正事項c 上記手続補正書5頁13?14行(本件実用新案公報4欄5?6行)「ポリブテン(これをゲル化してもよい)」とあるを「ポリブテン」と訂正する。 訂正事項d 上記手続補正書7頁15行(本件実用新案公報5欄3行)「第1図」とあるを「第2図」と訂正する。 3.当審の判断 (1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 訂正事項a、b、dは、明らかな誤記であるから、誤記の訂正を目的とするものである。 訂正事項cは、登録実用新案明細書の「考案の詳細な説明」における「逆流防止剤(3)をポリブテン(これをゲル化してもよい)とした場合」を「逆流防止剤(3)をポリブテンとした場合」と訂正するものである。これは、本件の実用新案登録請求の範囲に記載される「逆流防止剤がポリブテンよりなり」というポリブテンにおいて、「ゲル化されたポリブテン」を除くものと認められるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものである。 これら訂正事項は、新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)独立実用新案登録要件 上記訂正により、本件の実用新案登録請求の範囲に記載された考案は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項であると認められるから、本件実用新案登録出願は、適法な出願と認められ、その出願日は、昭和58年1月25日となる。 そうすると、実願昭58-10576号のマイクロフィルムは本件出願前頒布された刊行物とはいえないので、訂正後の本件考案が出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、実用新案法第39条第1項乃至第3項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 筆記具のインキ筒 (57)【実用新案登録請求の範囲】 材質がポリエチレン又はポリプロピレンよりなる透明又は半透明のインキ筒であって、インキが水性インキであり、且つ、該水性インキの末端側に該水性インキと相溶しない逆流防止剤よりなる筆記具のインキ筒に於いて、該水性インキと該逆流防止剤の接触面の中心部で、該水性インキが該逆流防止剤へ突入状に接触させるために、該インキ筒に対する該水性インキの濡れの方が該インキ筒に対する該逆流防止剤の濡れよりも濡れ難くなるよう、該逆流防止剤がポリブテンよりなり、該インキ筒に対する該水性インキの濡れがポリブテンの該インキ筒に対する濡れよりも小さい水性インキよりなることを特徴とする筆記具のインキ筒。 【考案の詳細な説明】 この考案はマーキングペン、ボールペン、細管式ペン等の筆記具に用いられる水性インキをインキ吸蔵体に吸蔵させることなく充填した透明又は半透明合成樹脂製インキ筒に関わる。 そして衝撃が加わったときインキがインキ筒より飛散しないように水性インキと相溶しないインキ逆流防止剤をインキに接触させて充填しても、筆記によりインキが流出した量に応じてインキと逆流防止剤の境界線が円滑に移動し常にインキ筒の外より明瞭に観察することができ、インキ筒内のインキ量を常に確実に読みとることができるインキ筒に関わる。 通常の油性ボールペンのインキ筒のように高粘度のインキを小さい内径(約1.5mmΦ)のインキ筒に充填するときは、衝撃が加ってもインキが飛散することはないが、水性インキは一般に低粘度であるから同径のインキ筒に充填しても衝撃によりインキが飛散することがあり、その上筆記距離を延長するためにインキ筒の内径を大きくすると衝撃によるインキの飛散は加速度的に大きくなり、かつ平常時でも高温になると流出する可能性が大きく逆流防止剤の使用が必須要件となってくる。 ところが逆流防止剤を使用するとインキの流出に伴い、インキも逆流防止剤もともにペン先方向へ移動する。この際両者は混合してインキ筒内壁に接着し、インキ筒の外から観察すると末端側から逆流防止剤層、混合層、インキ層の3層が認められ、インキと逆流防止剤との境界面がわからず、従ってインキの残存量を、確実に読みとることができない。 この考案は上記の欠点を解決したもので筆記によりインキが流出するときインキの末端面に接触状態のまま逆流防止剤もペン先方向へ移動しインキと逆流防止剤の境界線が常にインキ筒の外より明瞭に観察することができインキ筒内のインキ量を常に確実に読みとることができる。 即ちこの考案ではポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂よりなるインキ筒(1)にまず水性インキ(2)を充填しついで通常の状態ではグリース状であるが加熱して流動性を与えた逆流防止剤(3)を充填し、室温に冷却する。この室温時の状態において第1図のように中心部においてインキ(2)が逆流防止剤(3)中に突入状で接触している。 このような状態でインキ(2)と逆流防止剤(3)が接触するときは筆記によりインキ(2)が流出してもインキ(2)と逆流防止剤(3)は図示せる状態を維持したままともにペン先方向へ移動するので両者の境界線(4)は形状が変わることなく常に明瞭に観察することができる。 しかし第2図の場合はインキが流出するに伴い逆流防止剤(3)はますますインキ(2)中へ深く突入する状態となり、ついにはインキ筒(1)内壁に密着し、インキ筒(1)と逆流防止剤(3)の接触部分が長くなりかつインキ筒(1)の内壁にはインキ(2)と逆流防止剤(3)が混合した状態で密着し、境界線(4)を明瞭に観察することができなくなる。 この現象はインキ筒(1)に対するインキ(2)の濡れおよびインキ筒(1)に対する逆流防止剤(3)の濡れの関係が影響し合うものであり、インキ筒(1)に対する逆流防止剤(3)の濡れより、インキ筒(1)に対するインキ(2)の濡れの方が濡れ難くなることにより起こる。即ち、インキ筒(1)に対する濡れが逆流防止剤(3)の濡れの方がインキ(2)の濡れより良いため、インキ筒(1)の内壁部分にて逆流防止剤(3)がインキ(2)に向かって押し込むよう逆流防止剤(3)とインキ(2)が接触するので、逆流防止剤(3)とインキ(2)の接触面の中心部でインキ(2)が逆流防止剤(3)へ突入状の接触面が形成されると考えられる。 そして具体的にはインキ筒(1)の材質をポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂とした場合、インキ(2)と逆流防止剤(3)との配合によって3者の関係が定り第1図または第2図の状態に区分される。逆流防止剤(3)をポリブテンとした場合、水性インキ(2)のインキ筒(1)に対する濡れがポリブテンのインキ筒(1)に対する濡れより小さいか大きいかによって、第1図または第2図の状態に区分される。即ち、インキ(2)のインキ筒(1)に対する濡れがポリブテンのインキ筒(1)に対する濡れより小さい場合は第1図となり、大きい場合は第2図となるが、第1図または第2図を示す配合の組合せの1例は次の通りである。 イ、第1図の状態を示す組合わせの例 インキ組成 エオシン 6.0WT% (CI アシッドレッド 87) エチレングリコール 30.0WT% ルビスコールK-30(BASF社製ポリビニル ピロリドン樹脂) 5.0WT% 安息香酸ナトリウム 1.0WT% 水 58.0WT% 逆流防止剤 ポリブテン 3N(3.000cst) (日本油脂(株)製ポリブテン) インキ筒の材質 ポリプロピレン インキ筒の内径 3mmΦ 上記組合せ実施例に於ける第1図突状部aの値 0.7mm ロ、第2図の状態を示す組合わせの例 インキ組成 カヤノールシアニンG 7.0WT% (CI アシッドブルー 90日本化薬(株)製) エチレングリコール 30.0WT% ルビスコールK-30(前出) 5.0WT% 安息香酸ナトリウム 1.0WT% 水 57.0WT% 逆流防止剤 ポリブテン 3N(3.000cst) インキ筒の材質 ポリプロピレン インキ筒の内径 3mmΦ 上記組合せ実施例に於ける第2図突状部aの値 0.6mm 【図面の簡単な説明】 第1図および第2図はそれぞれインキと逆流防止剤の関係を示すインキ筒の1部縦断側面図である。 (1)・・・インキ筒、(2)・・・インキ、 (3)・・・逆流防止剤。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 登録実用新案第1973840号考案の明細書を次のとおり訂正する。 訂正事項a 平成3年7月23日付けの手続補正書(全文補正された明細書)の3頁12行(本件実用新案公報3欄8行)「常に」とあるを、誤記の訂正を目的として削除する。 訂正事項b 上記手続補正書の4頁12行(本件実用新案公報3欄28行)「ついては」とあるを、誤記の訂正を目的として「ついには」と訂正する。 訂正事項c 上記手続補正書5頁13?14行(本件実用新案公報4欄5?6行)「ポリブテン(これをゲル化してもよい)」とあるを、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として「ポリブテン」と訂正する。 訂正事項d 上記手続補正書7頁15行(本件実用新案公報5欄3行)「第1図」とあるを、誤記の訂正を目的として「第2図」と訂正する。 |
審決日 | 2000-02-28 |
出願番号 | 実願昭58-10576 |
審決分類 |
U
1
41・
852-
Y
(B43K)
U 1 41・ 851- Y (B43K) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 林 晴男 |
特許庁審判長 |
馬場 清 |
特許庁審判官 |
木原 裕 藤井 俊二 |
登録日 | 1993-07-14 |
登録番号 | 実用新案登録第1973840号(U1973840) |
考案の名称 | 筆記具のインキ筒 |
代理人 | 三枝 英二 |
代理人 | 村林 隆一 |
代理人 | 舘 泰光 |
代理人 | 村林 隆一 |
代理人 | 藤井 淳 |
代理人 | 藤井 淳 |
代理人 | 舘 泰光 |
代理人 | 松本 司 |
代理人 | 松本 司 |
代理人 | 三枝 英二 |