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審決分類 審判    H01R
管理番号 1024957
審判番号 審判1998-15695  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-10-01 
確定日 2000-04-26 
事件の表示 平成 3年実用新案登録願第 67652号「電線接続装置」拒絶査定に対する審判事件[ 平成 5年 3月 5日出願公開、実開平 5- 17933 ]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続きの経緯・本願考案の要旨
本願は、平成3年8月27日の出願であって、その請求項1に係る考案は、平成11年12月13日付の手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「少なくとも電源元からの電線を接続する接続部と、電源ラインを送り配線する接続部とを備えると共に、スイッチを接続する接続部と、スイッチ操作で動作制御される負荷を接続する接続部とを備え、上記夫々の接続部を電線の芯線を挿入孔に差し込むと端子板部と鎖錠ばねとで芯線を弾性挟持して接続する速結式とし、上記挿入孔を横に並べて複数個形成し、上面に内部結線状態を表示する表示を設けて成ることを特徴とする電線接続装置。」

2.引用文献
これに対して、原査定の拒絶の理由(平成10年1月19日付拒絶理由通知書)に引用された各文献には、以下の事項が記載されている。

・実願昭56-127013号(実開昭58-31712号)のマイクロフィルム(引用文献1)
「この考案の一実施例を第1図ないし第4図に示す。図において、1はケースであり、前面開放の箱形本体2と、この箱形本体2の前面に取付けられた前面板3とからなる。箱形本体2の背面には多数個のコンセント4?8が取付けられ、そのうち1個を除く他の各コンセント4?7の回路をそれぞれ開閉するスイッチ4’?7’が前面カバー3に取付けられている。9は前面カバー3に設けられたコンセントである。10は箱形本体2の背面から引出された接続コードであり、商用電源に接続するプラグ(図示せず)が取付けられている。11は各コンセント4?9とスイッチ4’?7’との間および接続コード10との間を接続した配線である。箱形本体2の背面に設けられた1箇所のコンセント8と、前面板3に設けられたコンセント9にはスイッチが設けられていない。第4図はコンセント4?8の回路を示す。」(第2頁第4行-第20行)、「例えば、スイッチ4’?7’の設けられたコンセント4?7には各種照明スタンドやフットライト等を接続し、スイッチの接続されていない背面のコンセント8にはラジオを、また前面のコンセント9には電気かみそりや掃除機等を接続して使用する。」(第3頁第4行-第8行)
上記記載と各図から引用文献1には、「商用電源に接続するプラグと、コンセント8、9と、スイッチ4’?7’の設けられたコンセント4?7を有する電線を接続する装置。」が記載されている。

・特開昭49-62980号公報(引用文献2)
「端子金具(3)は断面略C字状に形成され、端子金具(3)内には速結ばね(1)が配設されており、・・・速結ばね(1)は電線接続時に電線に食い込むエッジ部(10)と、該電線を端子金具(3)の上面に押圧する押圧部(11)とを有している。」(第1頁右下欄第3行-第12行)

・実願昭53-165846号(実開昭55-82007号公報参照)のマイクロフィルム(引用文献3)
「分電盤本体に収納され、且つ配線覆板からハンドル部を露出させたスイッチと隣合せし、而も各スイッチの結線図を印刷した負荷表示板を前記配線覆板に貼着して成る分電盤の負荷表示板」(実用新案登録請求の範囲)、「本考案は上記の如く負荷表示板7にスイッチの結線図Xも併せて印刷したから負荷と分電盤内でのスイッチの結線とが一目瞭然となり、作業性が向上する効果がある。」(第2頁第17行-第20行)

3.対比・判断
本願の請求項1の考案(以下、「前者」という。)と上記引用文献1記載の考案(以下、「後者」という。)を比較すると、両者は、いずれも電線を接続する装置であって、
後者の「商用電源に接続するプラグ」、「コンセント8、9」、「コンセント4?7」は、それぞれ前者の「少なくとも電源元からの電線を接続する接続部」、「電源ラインを送り配線する接続部」、「スイッチ操作で動作制御される負荷を接続する接続部」に相当する。
よって両者は、「少なくとも電源元からの電線を接続する接続部と、電源ラインを送り配線する接続部とを備えると共に、スイッチ操作で動作制御される負荷を接続する接続部とを備えた電線接続装置。」である点で一致し、以下の4点で相違している。

相違点1
前者は「スイッチを接続する接続部」を有するのに対して、後者はスイッチ4’?5’に対する接続部を有していない点。

相違点2
前者は「夫々の接続部を電線の芯線を挿入孔に差し込むと端子板部と鎖錠ばねとで芯線を弾性挟持して接続する速結式とし」との構成を有するのに対して、後者はそのような構成を有していない点。

相違点3
前者は「挿入孔を横に並べて複数個形成し」との構成を有するのに対して、後者はそのような構成を有していない点。

相違点4
前者は「上面に内部結線状態を表示する表示を設けて成る」との構成を有するのに対して、後者はそのような構成を有していない点。

上記相違点1について検討する。
スイッチを取り付ける際に、直接取り付けるか、接続部を介して取り付けるようにするかは、当業者の設計的事項にすぎない。

上記相違点2について検討する。
容易に接続できる接続器として、電線の芯線を挿入孔に差し込むと端子板部と鎖錠ばねとで芯線を弾性挟持して接続する速結式のものは、本願出願前に公知な技術手段(引用文献2)であり、当業者が電線との接続部を有する機器を設計する際に、使用する接続器を、使い易さ等を考慮して選択することは、通常行うことであるから、後者に当該速結式の接続器を用いることに困難性はない。

上記相違点3について検討する。
速結端子の電線挿入孔を横に並べて複数個形成することは、当業者が適宜行っていることであり(たとえば、実願昭63-16895号(実開平1-126675号)のマイクロフィルム、実願昭59-48594号(実開昭60-160406号)のマイクロフィルム)、当該挿入孔を縦にするか横にするかは当業者が必要に応じて適宜決める程度のことと認められるから、電線挿入孔を横に並べて複数個形成することに困難性はない。

上記相違点4について検討する。
引用文献3には、配線ボックスの上面に内部結線状態を表示する表示を設けて結線を一目瞭然とする点が記載されている。後者もケース内部で配線してあるものであり、どのように配線されているか外部から認識しにくいとの課題は当然存在するから、当該引用文献の考案を適用することに進歩性は認められない。

そして、本願の請求項1に係る考案の効果は、上記引用文献から予測できる程度のものと認める。

4.むすび
したがって、本願の請求項1の考案は、上記引用文献に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-01-26 
結審通知日 2000-02-08 
審決日 2000-02-22 
出願番号 実願平3-67652 
審決分類 U 1 80・ 121- WZ (H01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新川 圭二  
特許庁審判長 佐藤 荘助
特許庁審判官 斎藤 操
鈴野 幹夫
考案の名称 電線接続装置  
代理人 森 厚夫  
代理人 西川 惠清  
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