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審決分類 審判    E04H
管理番号 1024961
審判番号 新実用審判1999-40004  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-04-09 
確定日 2000-05-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第3013837号実用新案「墓石倒壊防止装置」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第一 本件考案
本件実用新案登録第3013837号の請求項1ないし請求項5に係る考案(平成6年8月10日出願、平成7年5月17日設定登録)は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし請求項5に記載されたとおりの次のものと認める。
「【請求項1】 墓石を構成する部品の重ね合わせ面に両重ね合わせ面同士で芯出し状態に位置合わせされて交叉方向に形成された係合溝と、上記構成部品の重ね合わせ面の対応する係合溝に跨って係合される交叉方向の係合片とを備えた墓石倒壊防止装置。
【請求項2】 係合片が交叉方向で一体化された請求項1記載の墓石倒壊防止装置。
【請求項3】 係合片がかみ合い溝により交叉するように組み合わされる請求項1または2記載の墓石倒壊防止装置。
【請求項4】 係合溝が各構成部品の重ね合わせ面の中心部で、ほぼ直角に交叉する対角線上に形成され、係合片がほぼ直角に交叉する請求項1ないし3のいずれかに記載の墓石倒壊防止装置。
【請求項5】 交叉方向の各係合溝が中心より両側に至るに従い、次第に浅くなる円弧状に形成され、交叉方向の各係合片が上記係合溝の形状に対応する形状に形成された請求項1ないし4のいずれかに記載の墓石倒壊防止装置。」

第二 当事者の主張
一 請求人の主張
請求人は、甲第1号証を提出して、本件請求項1ないし請求項5に係る各考案は、いずれも甲第1号証により本件実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案であり、実用新案法3条1項1号の規定に該当し、実用新案登録を受けることができないものであり、その実用新案登録は、同法37条1項2号の規定により無効とすべきであると主張している。
すなわち、審判請求書の記載及び平成12年2月17日に特許庁小審判廷において行われた口頭審理での主張によれば、以下のとおりとなる。
1 甲第1号証は、1991年に発行された総合カタログであり、それによると、「ステンレス製アイバ継板」として、水平方向の中心線に対して上方と下方に対称的に円弧状に突出する形状に形成され、中央に中心線と直角方向で外縁から中心線に達するかみ合い溝が形成されている係合片(「A」との表示)が、そして係合片を組み合わせたもの(「Aセット」との表示)を水平方向で使用することが開示されている。
他方、「墓石を構成する部品の重ね合わせ面に両重ね合わせ面同士で芯出し状態に位置合わせされて交差方向に形成された係合溝」を形成し、「上記構成部品の重ね合わせ面の対応する係合溝に跨って係合される」ことは広く行われている周知慣用の技術手段であるから、請求項1に係る考案は甲第1号証により本件実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案であり、実用新案登録3条1項1号の規定に該当し、実用新案登録を受けることができないものである。
同様に、請求項2?5に係る各本件考案は、甲第1号証により本件実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案であるから、実用新案登録3条1項1号の規定に該当し、実用新案登録を受けることができないものである。
2 甲第1号証のカタログは、新潟県に本社のある、石材機械工具・関連商品を製造販売している、株式会社フチオカが発行したもので、請求人とは取引関係があったことから入手したものである。
3 甲第1号証記載の係合片の小孔は、以前より存在していた同様の金具と区別するためのものにすぎない。

甲第1号証:「’91石材機械工具・関連商品 総合カタログ」523頁 株式 会社フチオカ

二 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁書の記載及び同口頭審理での主張によれば、以下のとおりとなる。
1 カタログが頒布されたか否かについて
この総合カタログの表紙には「’91」の表示があるものの、実際に上記総合カタログが1991年に発行されたことについて何ら立証を伴っておらず、上記総合カタログの内容が本件の実用新案登録出願前に日本国内において公然知られていたとは言えず、請求人の主張を認めることができない。現物のカタログを検討しても、通常この種のカタログに記載のある、印刷日、発行日、部数、発行所等の記載がなく、本件の実用新案登録出願前に日本国内において頒布された刊行物であるかどうか不明である。
2 刊行物記載の考案との対比について
仮に、審判請求人が甲第1号証について1991年に発行されたことを立証したとしても、上記甲第1号証の523頁には墓装用品として「A」の写真と「Aセット」の写真が表示されているに止まり、これら「A」と「Aセット」の用品が墓裝用品としてどのように使用されるかについては何ら具体的に記載されていない。例えば、「Aセット」なるものを水平状態で使用するのかどうかも不明である。又、「A」の金具には、2つの孔があけられているが、何らかの使用を行うためのものとして、別の特別の意味を有するものとも考えられる。
以上の他、甲第1号証の523頁には、上記本件登録実用新案の請求項1のように「墓石を構成する部品の重ね合わせ面に両重ね合わせ面同士で芯出し状態に位置合わせして係合溝を交叉方向に形成し、上記構成部品の重ね合わせ面の対応する係合溝に跨って交叉方向の係合片を係合する」構成について何ら記載されていない。勿論、本件登録実用新案において、請求項1を前提条件とする請求項2ないし5の記載についても甲第1号証の523頁には何ら記載されていない。
3 請求人は、周知慣用の技術手段との主張を行っているが、何ら根拠はなく、認められない。
4 本件登録実用新案の請求項1ないし5に係る考案は、その出願前に日本国内において公然知られた考案であるとは言えず、実用新案法3条1項1号の規定に該当するものではない。請求人の主張には、根拠がない。

第三 当審における検討
請求人に対して、同人が提出した甲第1号証の原本の提出を求め、平成12年2月17日に特許庁小審判廷において行われた口頭審理の場において、合議体により職権で、その原本の確認等の調査を行った。
それによると、請求人が提出した甲第1号証の写しは、それぞれ該当する記載が原本にある旨の確認は行うことができた。
しかしながら、その総合カタログの表紙には「’91」の表示があるものの、通常この種のカタログに記載のある、印刷日、発行日、部数、発行所等の記載がなく、例えば、本件の実用新案登録出願前に日本国内において発行されたものであるとか、あるいは頒布されたカタログである等の点も不明で、確認を行うことができなかった。
しかも、請求人は、実際に上記総合カタログが1991年に発行されたことについて、「1991年に発行された」と主張するだけで、他に立証を伴っておらず、又、上記口頭審理においても、「甲第1号証のカタログは、新潟県に本社のある、石材機械工具・関連商品を製造販売している、株式会社フチオカが発行したもので、請求人とは取引関係があったことから入手したものである。」と主張するだけである。
以上によれば、甲第1号証である、総合カタログの内容が本件の実用新案登録出願前に日本国内において公然知られていたとは認められず、請求人の主張を採用することができない。
してみると、請求項1ないし請求項5に係る考案は甲第1号証により本件実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案であり、実用新案登録3条1項1号の規定に該当し、実用新案登録を受けることができないものであるとすることはできない。
なお、請求人は、請求項1ないし請求項5に係る各考案は、いずれも甲第1号証により本件実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案であると主張しているので、参考までに、甲第1号証に記載されている内容についても検討を行う。甲第1号証によると、その523頁には墓装用品の「ステンレス製アイバ継板」として、上方と下方に対称的に円弧状に突出する形状とし、中央に外縁から中心部に達する溝が形成され、溝の両側に小孔が形成されている係合片(「A」との表示)が、そして係合片を組み合わせたもの(「Aセット」との表示)が開示されているものと認められる。
しかしながら、これらの記載は、「A」の写真と「Aセット」の写真が表示されているに止まり、これら「A」と「Aセット」の用品が墓裝用品としてどのように使用されるかについては何ら具体的に記載されていない。又、「寒冷地での建墓や地震対策に、ベビーサンダーで簡単に作業できます。作業には、4?5インチ・3m/m厚刃のブレードをご使用ください。」との記載があるが、この記載をもってしても、「A」と「Aセット」の用品が墓裝用品としてどのように使用されるかについては明確でない。
すなわち、本件請求項1に係る考案と対比したとき、甲第1号証には、「墓石を構成する部品の重ね合わせ面に両重ね合わせ面同士で芯出し状態に位置合わせされて交差方向に形成された係合溝」を形成し、「上記構成部品の重ね合わせ面の対応する係合溝に跨って係合される」構成について、何ら開示、記載もされていない。
他方、請求人は、同口頭審理において、「『墓石を構成する部品の重ね合わせ面に両重ね合わせ面同士で芯出し状態に位置合わせされて交差方向に形成された係合溝』を形成し、『上記構成部品の重ね合わせ面の対応する係合溝に跨って係合される』ことは広く行われている周知慣用の技術手段である」と主張しているが、その根拠が明確でなく、採用できない。
さらに、本件請求項2ないし請求項5に係る考案は、請求項1に係る考案を引用しさらに他の構成を加えたものであり、請求項2ないし請求項5に係る考案についても甲第1号証により本件実用新案登録出願前に日本国内において公然知られた考案であるとすることはできない。

第四 むすび
以上のとおりであるから、請求人が主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件請求項1ないし請求項5に係る考案の実用新案登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-03-07 
結審通知日 2000-03-21 
審決日 2000-04-03 
出願番号 実願平6-10873 
審決分類 U 1 111・ 111- Y (E04H)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 幸長 保次郎
特許庁審判官 鈴木 公子
小野 忠悦
登録日 1995-05-17 
登録番号 実用新案登録第3013837号(U3013837) 
考案の名称 墓石倒壊防止装置  
代理人 三宅 景介  
代理人 中川 邦雄  
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