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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E04F
管理番号 1024985
審判番号 審判1997-21680  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-12-25 
確定日 2000-05-24 
事件の表示 平成 3年実用新案登録願第 75567号「壁下地材」拒絶査定に対する審判事件[平成 5年 3月12日出願公開、実開平 5- 19423]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 〔1〕本願は、平成3年8月28日の出願であって、その請求項1に係る考案(以下、「本願考案」という。)は、平成9年9月8日付け、平成9年12月25日付け及び平成11年12月10日付けの手続補正により補正された明細書、及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。
「【請求項1】住宅またはマンションの建造物壁面にボードを張りつける際の壁下地材であって、前記建造物の壁面に付着された断熱材と、前記断熱材を貫通して前記壁面から突設された複数個の袋ナットと、これら袋ナットに螺合され、頭部が平板状に形成されたねじボルトと、前記ねじボルト頭部の平板に張りつけられた細長い形状の板材とからなる壁下地材において、前記板材はねじボルト頭部の平板にこれらの複数個にまたがって縦方向に、あるいは横方向に張りつけられてなり、これら板材上にボードを張りつけることによりボードが板材と線接触ないしは面接触により張りつけられ、これによりボードに押圧を与えてもボードのゆがみが生じないようにしたことを特徴とする壁下地材。」

〔2〕これに対して、当審で通知した拒絶理由で引用した、本願の出願前に国内で頒布された実願昭51-50903号(実開昭52-141827号)のマイクロフイルム(以下、「引用例」という。)には、「本案は築造式冷蔵庫等の壁に吹付ける発泡合成樹脂の断熱層を保護するベニヤ板や鉄板等の固定用棧木を取付ける特殊金具を提供して棧木の裏側に断熱層の空隙を生じないようにせんとする目的である。・・・基端部を壁に埋設又は壁面に固定するように形成する適当大の基杆1の先端部に螺母部2を穿設し、該螺母部2に適当大に形成する凵状の棧木取付鈑3を装備する支持杆4の下端部螺子部5を螺合自在にしてなる構成に係るものである。本案は上記のように基杆1の螺母部2に棧木取付鈑3を装備する支持杆4の螺子部を螺合自在に形成してあるから発泡合成樹脂を冷蔵庫等の壁に吹付けて断熱層を形成する際に、例えばその壁に取付ける基杆1の長さを断熱層の厚さに合せておくと支持杆4を螺着した時に、棧木取付鈑3は断熱層上に露出するからベニヤ板等の内装材を取付ける棧木の取付が容易にできる。」(明細書1頁12行?2頁11行)の記載がある。
また、第1図及び第2図には、棧木6は細長い形状をなし、棧木取付鈑3は帯板で凵状に形成されており、該棧木は棧木取付鈑3の凵状の底部を形成する平板に張りつけられていることが記載されており、技術常識を参酌すると、該棧木は、棧木取付鈑3の凵状の底部を形成する平板の複数個にまたがって縦方向に、あるいは横方向に張りつけられているものと解される。そして、上記の棧木等は壁下地材を構成するものと認められる。
以上のことからみて、引用例には、
「築造式冷蔵庫等壁面にベニヤ板等の内装材を張りつける際の壁下地材であって、築造式冷蔵庫等の壁面に付着された断熱層と、前記断熱層を貫通して前記壁面から突設された複数個の螺母部2を有する基杆1と、これら基杆1の螺母部2に螺合され、帯板で凵状に形成された棧木取付鈑3と下端部螺子部5を有する支持杆4と、前記棧木取付鈑3の平板に張りつけられた細長い形状の棧木6とからなる壁下地材において、前記棧木6は棧木取付鈑3の平板にこれらの複数個にまたがって縦方向に、あるいは横方向に張りつけられてなり、これら棧木6上にベニヤ板等の内装材を張りつけることにより、ベニヤ板等の内装材が棧木6と面接触により張りつけられるようにした壁下地材」の考案(以下、「引用例記載の考案」という。)が記載されているものと認める。

〔3〕そこで、本願考案と引用例記載の考案とを比較すると、引用例記載の考案の「築造式冷蔵庫等」、「ベニヤ板等の内装材」、「断熱層」、「螺母部2を有する基杆1」、「支持杆4」、「棧木取付鈑3」は、それぞれ本願考案の「建造物」、「ボード」、「断熱材」、「袋ナット」、「ねじボルト」、「ねじボルト頭部」に相当すると共に、引用例記載の考案の「棧木6」と本願考案の「板材」は、内装材取付材であることで共通するから、両者は、
「建造物壁面にボードを張りつける際の壁下地材であって、建造物の壁面に付着された断熱材と、前記断熱材を貫通して前記壁面から突設された複数個の袋ナットと、これら袋ナットに螺合されるねじボルトと、前記ねじボルト頭部の平板に張りつけられた細長い形状の内装材取付材とからなる壁下地材において、前記内装材取付材はねじボルト頭部の平板にこれらの複数個にまたがって縦方向に、あるいは横方向に張りつけられてなり、これら内装材取付材上にボードを張りつけることにより、ボードが内装材取付材と面接触により張りつけられるようにした壁下地材」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1
建造物が、本願考案では、住宅またはマンションであるのに対し、引用例記載の考案では、築造式冷蔵庫等である点。
相違点2
本願考案は、ねじボルトの頭部が平板状に形成され、内装材取付材が板材であるのに対し、引用例記載の考案は、ねじボルトの頭部が帯板で凵状に形成され、内装材取付材が棧木である点。
相違点3
本願考案は、ボードに押圧を与えてもボードのゆがみが生じないようにしたのに対し、引用例記載の考案は、そのようになっているのか明らかではない点。

〔4〕上記相違点について検討する。
相違点1について検討すると、本願考案に係る住宅またはマンションの建造物も引用例記載の考案に係る築造式冷蔵庫等も共に、壁面の内側に断熱材や、板状の内装材を備える建造物である点で、技術分野が共通しており、引用例に示された築造式冷蔵庫等の壁下地材の構造を、住宅またはマンションの建造物の壁下地材の構造として採用することは、当業者がきわめて容易になし得たことである。
相違点2について検討すると、内装材を張りつけるための壁下地材において、平板状のねじボルト頭部の平板に細長い形状の板材を張りつけるようにすることは、本願の出願前周知の技術(例えば、実公昭53-44827号公報、実願昭58-167146号(実開昭60-73729号)のマイクロフイルム、実願昭60-85431号(実開昭61-201401号)のマイクロフイルム参照。)にすぎないから、引用例記載の考案において、ねじボルトの頭部を凵状に代えて平板状にし、内装材取付材を棧木に代えて板材にすることは、上記周知の技術に基いて当業者がきわめて容易になし得たことである。
相違点3について検討すると、平成11年12月10付けの意見書3頁12行?16行の「本考案の最も重要な特徴は上述のとおり、『細長い形状の板材がねじボルト頭部の平板にこれらの複数個にまたがって縦方向に、あるいは横方向に張り付けられた』の構成により『ボードが板材と線接触ないしは面接触により張りつけられ、これによりボードに押圧を与えてもボードのゆがみが生じない』」との記載によると、本願考案の「ボードに押圧を与えてもボードのゆがみが生じないようにした」は、上記相違点2で示したように引用例記載の考案に周知の技術を適用したことにより、当然もたらされる作用を表現したにすぎないものである。
そして、本願考案が奏する効果も、引用例記載の考案及び周知技術から当業者が予測できる程度のものであって、格別のものとは認められない。

〔5〕したがって、本願考案は、引用例記載の考案及び周知技術に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-03-06 
結審通知日 2000-03-17 
審決日 2000-03-30 
出願番号 実願平3-75567 
審決分類 U 1 8・ 121- WZ (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠夫  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 鈴木 公子
平瀬 博通
考案の名称 壁下地材  
代理人 染谷 仁  
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