• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない B65D
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない B65D
管理番号 1025044
審判番号 訂正2000-39026  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2000-02-29 
確定日 2000-09-06 
事件の表示 実用新案登録第2013753号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 I.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、登録第2013753号実用新案(昭和63年7月11日出願、平成6年4月6日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものである。
上記訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の記載は次のとおりである。
「コードに多数の豆電球が取り付けられた装飾電球用包装枠であって、コード収納用の凹溝と、該凹溝の側壁上縁にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設されたフックと、前記電球支持台の先端部に連設され、箱の側面に当接するように垂直となっていると共に、前記電球支持台の上下両方向に伸びている補助板とを有し、剛性のある合成樹脂一体的に形成された装飾電球用包装枠。」

II.訂正拒絶の理由
一方、平成12年3日30日付けで通知した訂正の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
「訂正後における実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により構成されている考案は上記実用新案登録出願の出願前に頒布された「台湾実用新案公告第48410号の専利公報、同実用新案の願書、明細書及び図面」(以下「引用例」という。)に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録をうけることができたものではない。したがって、本件審判の請求は、旧実用新案法第39条第3項の規定に適合しない。」

III.引用例
引用例には図1および図2を参酌すると、以下のようなことが開示されている。
(a)考案の名称を、クリスマスランプ包装容器の内部仕切収納具、としたもので、図1および図2を参酌すると、電線(c)に多数のガラスランプチュ-ブ(a)が取付られた装飾電球用の包装枠が記載されている。
(b)全体は、プラスチック材料によって一体成形したものである。
(c)プラスチック基盤(1)上には上縁部に多数の電線保持穴を形成した電線固定器(4)、(4)が対向して立設される。
(d)各電線固定器(4)、(4)の外側に延ばしたプラスッチック基盤(1)上には、各電線固定器(4)、(4)に対向するガラスランプチューブ固定器(3)、(3)が立設される。
(e)各ガラスランプチューブ固定器(3)、(3)の外側水平方向には、上面に多数のガラスランプチューブ収納用凹部(2)が形成される。
(f)ガラスチューブ収納凹部の外側端には、上方に延びる端板(6)、(6)が形成される。
(g)端板(6)、(6)はクリスマスランプを保護する作用を有する。
(h)収納具の使用法は、ガラスランプチューブ収納用凹部(2)に納めたガラスランプチューブ(a)の基部をガラスランプチューブ固定器(3)、(3)間に嵌入させて該固定器(3)の弾力によって固定する。ガラスランプチューブ(a)を保持したソケット(b)はガラスランプチューブ固定器(3)と電線固定器(4)の間に収め、ソケット(b)後端部から延出する電線(c)は電線固定器(4)、(4)の穴により保持したのち、対向する電線固定器(4)、(4)間に形成される凹状箇所内に収納する。(2図参照)

IV.対比
そこで、訂正後における実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により構成されている考案と上記引用例に記載されたものとを対比すると、後者の「仕切収納具」、「両電線固定器の間の部分」、「電線固定器と端板の間の基盤部分」、「電線固定器」、「端板」は、夫々前者の「包装枠」、「凹溝」、「電球支持台」、「フック」、「補助板」に相当するから、両者は「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用包装枠であって、コード収納用の凹溝と、該凹溝のほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設されたフックと、前記電球支持台の先端部に連設され、垂直となっていると共に、前記電球支持台の上方向に伸びている補助板とを有し、剛性のある合成樹脂で一体的に形成された装飾電球用包装枠。」である点で一致し、次の点において相違しているものと認められる。
(イ)引用例のものは、そのコード収納部が電球支持台と平坦であって、これらの底面が基板に接して支持されるのに対して、本件考案は、コード収納部である凹溝の側壁上縁に電球支持台が連設されている、すなわち、電球支持台がコード収納部よりも高い段部になっていて、コード収納部の底面だけが基板に接して支持される点、
(ロ)引用例の端板には「箱の側面に当接する」旨の記載がない点。
(ハ)引用例の補助板は電球支持台の上方向にのみ伸びているのに対して、本件考案は、その補助板が上下方向に伸びている点。

V.当審の判断
次に、上記相違点について検討する。
(1)相違点(イ)について
明細書の考案の詳細な説明の〔作用〕の記載および〔考案の効果〕の記載から、本件考案は、相違点(イ)によって電球支持台と箱の蓋との間に電球を安定して収容するのに適した空間が確保され、さらにフックの高さが低くなるのでその剛性の低下を回避することができ、フックと電球支持台と箱の蓋とによって電球を安定的に収容・保持することができるという作用、効果を奏するものと解される。
引用例に記載されたもののフックの高さは装飾電球を安定的に支持するために必要な限度であり、したがって、電球支持台と箱の蓋との間に電球が上下に踊るほど大きな空間が残されているとは言えず、その意味ではこのものもフックと電球支持台と箱の蓋とによって電球を安定的に収容することができるという作用、効果を奏するものといえる。しかし、このもののコード収納部の深さは電球支持部の深さと同じである。これに対して本件考案はコード収容部の深さを深くでき、これによって無理なくコードを収容できるということができるが、このことからすれば相違点(イ)はコードの量に対応すべく、コード収容部の底を下げてその深さを大きくしたものということもできる。
他方、包装箱のプラスチック製中仕切り一般についていえば、各収容部の底の高さを収容されるものの高さに合わせて適宜選択することは従来周知の事項であり、本件考案が特にコード収納部だけを基板に支持させたことによって、特別な作用、効果を奏するものとも認められない。
したがって、相違点(イ)は、引用例に記載された中仕切りについて、前記周知事項を参酌し、収納すべきコ-ドの量を勘案することにより、当業者が適宜変更できた範囲内のことであると言える。
(2)相違点(ロ)について
収納物を衝撃、振動等から保護するために容器ないし箱の内側に当接する収納枠を用いることは技術常識である。この技術常識を前提とすれば、引用例の「端板(6)」は容器に収容された場合に、容器の側壁内部に当接し、安定した状態で、所定の物を収容し、かつ、保持するいわゆる当て板の機能を果たすものと認められる。したがって、引用例には「端板(6)」について、「箱の側面に当接する」との直接的記載はないが、本件考案の「補助板」と同じ機能を有するものと認められる。
(3)相違点(ハ)について
本件考案はコード収納部である凹溝の底を電球支持部より下げて構成したものであり、包装枠はこのコード収納部だけを基板に支持させたことになる。(相違点(イ))このような状態において、支持枠を安定して支持するためには、端部に連設された補助板にも支持機能を持たせるようと考えるのが技術常識である。この技術常識を前提とすれば、補助板を電球支持台の下方向にも伸ばすように設計しようとすることは当業者であるならば当然想到し得る事項である。したがって、相違点(ハ)は、相違点(イ)の構成としたことに伴い当業者がきわめて容易に導き出し得る設計事項にすぎない。
請求人は訂正の拒絶の理由に対して、平成12年5月23日付けで意見書を提出して、引用例に記載された考案は包装枠全体の底面が同一平面となっており、そのままで極めて安定しているのであり、安定化策は必要のないものであるから引用例に記載された考案には相違点(ハ)のような構成とする技術的課題が存在しないと主張する。しかしながら、相違点(イ)のような構成とすることが当業者が適宜変更できた範囲内のことであり、このような構成とした場合には相違点(ハ)のような構成とすることも当業者の技術常識であることは前述のとおりであって、この主張は採用できない。
以上のとおりであるので、本件訂正後における実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により構成される考案は、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものではない。

VI.むすび
したがって、本件審判の請求は、旧実用新案法39条第3項の規定に適合しない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-06-09 
結審通知日 2000-07-07 
審決日 2000-07-18 
出願番号 実願昭63-92372 
審決分類 U 1 41・ 856- Z (B65D)
U 1 41・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 鈴木 美知子
佐藤 雪枝
登録日 1994-04-06 
登録番号 実用新案登録第2013753号(U2013753) 
考案の名称 装飾電球用包装枠  
代理人 本田 ゆたか  
代理人 志賀 正武  
代理人 高橋 詔男  
代理人 鈴木 三義  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ