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審決分類 審判 全部申し立て   B65D
管理番号 1025093
異議申立番号 異議1998-72997  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-06-08 
確定日 2000-05-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2557179号「ヒンジキャップ」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2557179号の実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2557179号考案は、平成4年7月7日に出願され、平成9年8月22日に設定登録され、その後、異議申立人・高瀬儀夫より実用新案登録異議の申立てがなされ、当審において取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成10年12月14日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由が通知され、訂正拒絶理由通知に対して手続補正書(訂正請求書)が提出されたものである。
2.訂正の適否について
2-1.手続補正書の補正
訂正後の本件実用新案登録に係る考案(以下、「本件訂正考案」という。)は、手続補正によって減縮されたものに相当し、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのつぎのものと認める。
「頂板部(6) および頂板部から垂下するスカート部(5) より成り、頂板部には、内容物注出用開口(8) が設けられた容器口部に嵌合ないし螺着するキャップ本体(2) 、および該キャップ本体頂板部を覆うようにキャップ本体とヒンジ連結された上蓋(3) から成り、閉栓時において上蓋とキャップ本体とを固定する係合部を有するヒンジキャップにおいて、キャップ本体(2) には、頂板部(6) の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7) の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)を有する第2環状側壁(12)が垂下し、該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝(24)の上方外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成され、上蓋の第2環状側壁とキャップ本体の第1環状側壁との係合を上記環状突起部と係合突起部の2か所のみにおいて行い、かつ、それぞれの係合部における作用力を相反する方向へ付与するように構成したことを特徴とするヒンジキャップ。」
2-2.引用刊行物
刊行物1:米国特許第3101878号明細書
刊行物2:米国特許第3572413号明細書
刊行物1には、「容器に対する閉塞具とその部品に係るものであり、第1図?第4図を参照して、容器壁12の開ロ部に係合するキャップ本体1と、該キャップ本体1の注出開口部を閉塞する上蓋2とからなり、キャップ本体1と上蓋2とがヒンジ3によって連結されているヒンジキャップについて記載されている。キャップ2の頂部16はスカート14から上向きにドーム状にされ、内向きに傾斜した側壁17を有し、内部にはネック5に対する環状側壁部分18と閉鎖端壁19を有する。そして、上記の容器壁12の開口部に係合するキャップ本体1には、頂板部8の中央寄りに筒状チャネル9からなる環状溝、及び該環状溝9の内側から立設するディスペンシングネック5からなる第1環状側壁に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口部を有する天板部が形成されている。上蓋2のドーム頂部16がリム14と連接する部分22に、ヘッド8の内側周縁26と密着係合する外側円筒状周縁25を有する下向きカラー24からなる第2環状側壁が垂下する。カラー24の底端は円筒状周縁25から離れて、内向き及び上向き凹形円形湾曲表面27の中までのび、この表面27がキャップが閉鎖位置に動かされる時、ネック5の上方へのキャップ2の適正な定置を容易にする。さらに、この第2環状側壁をなす下向きの突出カラー24の底端外側が、前記環状溝9の外側に位置するキャップ2の下降壁部で頂板部8の内側周縁26と密着係合する構造が開示・説明されている。」(第2欄第33行目?第3欄第67行目、第1図?第4図)との記載が認められる。
また、刊行物2には、「第4図を参照して、注出口部を備えた容器首部48を容器本体に固定して使用するものであって、容器首部48と、該容器首部48に係合するキャップ43とからなり、容器首部48とキャップ43との間の係合、密接構造が、上記本件考案における(b)の構成と(c)の構成とに相当する構成を具備するものである。つまり、甲第3号証の第4図において、容器首部48は本件考案のキャップ本体(2)に相当し、キャップ43が本件考案の上蓋(3)に相当する。しかも該第4図には、本件考案のキャップ本体(2)に相当する容器首部48の下部外周には、本件考案の環状溝(24)相当する環状溝47が形成されており、該環状溝47内において、本件考案の第1環状側壁(7)と第2環状側壁(12)との間の係合、密接構造に相当する環状突起同士を利用する係合、密接構造、及び本件考案の第2環状側壁(12)と外側側壁(25)との間の係合、密接構造に相当する環状突起同士を利用する係合、密接構造が明示されている。」(第1欄59行?65行、及び、第2欄48行?第3欄24行、第1図?第4図)との記載が認められる。
2-3.対比・判断
本件考案と、刊行物1に記載された考案(以下、「刊行物1の考案」という)とを対比すると、刊行物1の考案における「ヒンジ3」、「クロージャキャップ2」、「ヘッド部8」、「円筒下部4」、「開口」、「(キャップのような)座部1」、「円筒状溝9」、「(平坦な)ネック5」、「側壁表面18」、「リム14と連接する部分22」、「キャップ2のネック5に対する環状側壁部分18」、「ヘッド部8の内側壁」、「ヘッド部8の内側周縁部26」、「カラー24の外面部」は、
それぞれ本件考案における「ヒンジ」、「上蓋3」、「頂板部6」、「スカート部5」、「内容物注出用開口8」、「キャップ本体2」、「環状溝24」、「第1環状側壁7」、「環状部20」、「上蓋3の環状部21」、「第2環状側壁12」、「上方外側側壁25」、「係合部28」、「係合部27」に相当する。
よって、両者は共に、容器に対する閉塞具とその部品に係る考案であって、本件考案の用語を用いて表現すると「頂板部(6)および頂板部から垂下するスカート部(5)より成り、頂板部には、内容物注出用開口(8)が設けられた容器口部に鞍合ないし螺着するキャップ本体(2)、および該キャップ本体頂板部を覆うようにキャップ本体とヒンジ連結された上蓋(3)から成り、閉栓時において上蓋とキャップ本体とを固定する係合部を有するヒンジキャップにおいて、キャップ本体(2)には、頂板部(6)の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、第2環状側壁(12)が垂下するように構成したことを特徴とするヒンジキャップ。」である、点で一致し、以下の点で相違する。
本件考案が、
(イ).「上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7)の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)を有する」の構成、及び、
(ロ).「該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝(24)の上方外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成され、上蓋とキャップ本体との係合を上記密着部と係合部の2か所のみにおいて行い、かつ、それぞれの係合部における作用力を相反する方向へ付与する」の構成、を有するのに対して、刊行物1記載の考案はそのような構成を有していない点、で相違する。
上記相違点(イ)、(ロ)について検討する。
刊行物2には、本件訂正考案と同様に、プラスチックボトルの口部に嵌着されるキャップの組立体に関するものであって、ボトルの首部とキャップであるカバー部との圧力接触に関する考案が開示されており、該ボトルの首部とキャップ部の嵌合の応力関係について、その第1図には、嵌合による応力発生が舌8の正の外方圧力により生じ、ボトル首部11を押圧し、首部11の上方はキャップ5に圧接し、首部11下方は容易に外側へ撓曲するビード(玉縁)6を押圧し、結果として本件考案の圧力接触と同様に接合箇所2カ所で密着、係合することが開示されていると認められる。また、第2図、第2A図には、キャップ即ちカバーの嵌合により応力が発生し、舌状体20の正の外方圧力で、ビード25は24で内側にふくらみ、頂部27で外側に広がって行き、首部23の頂部はビードキャップの頂部27に対して圧接した状態で保たれる。また、ビード下方では溝26で圧接される。これらの応力の結果として接合箇所2カ所で密着、係合することが開示されていると認められる。また、第3図には、第2図の変形例として、屈曲性を高める窪み31,舌状体の剛性を高めるリブ32を設けた点が開示されており、第2図と、力学的には同様の結論が開示されていると認められる。さらに、第4図には、ビード42の外側下面45はボトルのリップ40を外側へ係合押圧すること、容器48の首部の上部はキャップ43を外上方へ圧接すること、が開示されており、結果として補正後の本件訂正考案の圧力接触と同様に接合箇所2カ所で密着、係合することが開示されていると認められるから、刊行物2には、前記の相違点(イ)、(ロ)の構成が開示されているものと認められる。
そして当業分野の、プラスチック容器の首部とキャップとを圧力接触させる技術において、容器本体とヒンジ部をもつキャップとを一体的構造とすることは、本件考案出願前に、当業者において周知の事項であると認められる故、刊行物1の考案に刊行物2の考案を適用して、本件考案を想到することは、当業者がきわめて容易になし得ることと認める。
したがって、本件訂正考案は、刊行物1?2に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
よって、本件訂正請求は、平成6年法律第116号附則第9条第2項に準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項の規定により準用される同法第126条第4項の規定に違反するので、当該訂正は認められない。
3.実用新案登録異議申立てについて
3-1.本件考案
上記訂正請求が認められないことから、本件実用新案登録第2557179号の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載されたつぎのとおりのものと認める。
「頂板部(6) および頂板部から垂下するスカート部(5) より成り、頂板部には、内容物注出用開口(8) が設けられた容器口部に嵌合ないし螺着するキャップ本体(2)、および該キャップ本体頂板部を覆うようにキャップ本体とヒンジ連結された上蓋(3)から成り、閉栓時において上蓋とキャップ本体とを固定する係合部を有するヒンジキャップにおいて、
キャップ本体(2)には、頂板部(6)の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7)の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)が有する第2環状側壁(12)が垂下し、該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝の外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。」
3-2.対比・判断
本件考案は、本件訂正考案より特定する事項が少ないものであるから、上記訂正の適否について、で述べたのと同様な理由で、上記刊行物1(米国特許第3101878号明細書)及び、刊行物2(米国特許第3572413号明細書)に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものである。
4.むすび
以上のとおりであるから、本件実用新案登録の請求項1に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項によって準用する特許法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
ヒンジキャップ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 頂板部(6)および頂板部から垂下するスカート部(5)より成り、頂板部には、内容物注出用開口(8)が設けられた容器口部に嵌合ないし螺着するキャップ本体(2)、および該キャップ本体頂板部を覆うようにキャップ本体とヒンジ連結された上蓋(3)から成り、閉栓時において上蓋とキャップ本体とを固定する係合部を有するヒンジキャップにおいて、
キャップ本体(2)には、頂板部(6)の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7)の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)を有する第2環状側壁(12)が垂下し、該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝(24)の上方外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成され、上蓋の第2環状側壁とキャップ本体の第1環状側壁との係合を上記環状突起部と係合突起部の2か所のみにおいて行い、かつ、それぞれの係合部における作用力を相反する方向へ付与するように構成したことを特徴とするヒンジキャップ。』
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ヒンジキャップに関するものであり、より詳しくは、優れた密封性を有するとともに、開栓に際し強い力が不要な開封の容易なヒンジキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器の口部に嵌着されるキャップは、開閉を容易ならしめると同時に、容器の封鎖が確実に行われることが求められることから、係合部の構造に様々な工夫が施されている。とくに、洗剤、シャンプー、リンス、食用油などの液体容器においては、ときに片手での操作を余儀なくされるケースがあることから、蓋の開閉を片手によるワンタッチで行い、しかも、開蓋したキャップが紛失しないように、合成樹脂で一体に形成されたヒンジで容器口部に嵌着された筒壁と連結されたヒンジキャップが提案されている。
【0003】
一般にヒンジキャップは、容器口部に嵌合ないしは螺着させるキャップ本体と、このキャップ本体とをヒンジで連結された上蓋から成り、閉栓時においてこの上蓋がキャップ本体頂板部を覆うように形成されている。このキャップにおいては、上蓋周囲およびキャップ本体頂板部周囲に係合突起をそれぞれ設け、これらを係合して上蓋を固定するとともに、キャップの密封性も維持されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のキャップのように、上蓋のキャップ本体への固定を行う係合部によってキャップの密封性をも保持するタイプのヒンジキャップにおいては、密封性を維持するために上蓋とキャップ本体との係合を強くする必要がある。このため開栓時にこの係合を解除するには強い力が必要となり、開け易さの点で未だ十分満足のいくものではなかった。
【0005】
またキャップの繰り返しの開閉により、上蓋とキャップ本体との係合が弱まると、上蓋の固定感が薄れるだけでなく、内容物の漏洩等の問題を生じることがあった。
また係合部以外で密封性を保持することを目的として、上蓋に設けられた突起を注出用開口に挿入して内容物の漏洩を防止したキャップも知られているが、注出用開口部の大きさ、形状等が限定されてしまうほか、十分な密封性を得ることはできず、高い密封性を要求される内容物には適用できないという問題があり、このキャップにおいても上蓋とキャップ本体との係合を強くせざるを得ないものであった。
【0006】
【考案の目的】
そこで、本考案の目的は、開栓の際に強い力を要することなく、しかも優れたキャップの密封性が得られるヒンジキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、前記目的を達成するために提案されたもので、上蓋とキャップ本体との係合を密着部と係合部の2か所において行い、かつ、それぞれの係合部における作用力を相反する方向へ付与するように構成した点に特徴を有するものである。
すなわち、本考案によれば、
頂板部(6)および頂板部から垂下するスカート部(5)より成り、頂板部には、内容物注出用開口(8)が設けられた容器口部に嵌合ないし螺着するキャップ本体(2)、および該キャップ本体頂板部を覆うようにキャップ本体とヒンジ連結された上蓋(3)から成り、閉栓時において上蓋とキャップ本体とを固定する係合部を有するヒンジキャップにおいて、
キャップ本体(2)には、頂板部(6)の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7)の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)を有する第2環状側壁(12)が垂下し、該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝(24)の上方外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成されていることを特徴とするヒンジキャップが提供される。
【0008】
【作用】
前述したように従来のヒンジキャップでは、キャップ本体と上蓋との固定とキャップの密封を一つの係合部で行っていたため、密封性を高めるためには係合部は非常に強固にならざるを得ず、そのため開封に際し強い力が必要となっていたものである。
本考案においては、キャップの密封性を維持する密着部と、上蓋をキャップ本体に固定する係合部とを別個に設けることにより、上蓋の固定のための係合解除と密封のための係合解除に要した力を分散させることが可能となり、強い力を要することなく開栓を可能とした点に重要な技術的特徴がある。
【0009】
すなわち、開栓の際に最も強い力を要するのは最初の係合を解除するときであり、従来のキャップではこの最初の係合解除に、すべての力が必要であったのに対し、本考案においては最初に上蓋のキャップ本体への固定のための係合のみを解除すればよいので、開栓に要する力が著しく低減されるという特徴がある。
【0010】
しかもキャップの密封性を保持する密封部が、注出用開口のすぐそばに設けられているので、キャップ本体頂板部と上蓋内面で形成される空間に、振動等によって流出した内容物が溜ることがなく、上蓋を開けた時に手が汚れたり、また頂板部の汚れによる不快感を消費者に与えることもないという機能面での特徴を有するものでもある。
【0011】
以下本考案を添付図面に基づいて説明する。
本考案の好適な一例の概略斜視図を示す図1において、全体を(1)で表わすヒンジキャップは、キャップ本体(2)および上蓋(3)がヒンジ(4)で連結された一体成形によって形成されている。このキャップ本体(2)はスカート部(5)および頂板部(6)から成り、容器口部(図示せず)に嵌合ないしは螺着されて使用される。
【0012】
キャップ本体(2)には、頂板部(6)の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、この第1環状側壁の上方外面には環状突起が形成されている。また、上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7)の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)を有する第2環状側壁(12)環状溝底部にむけて垂下し、該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝の外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成されている。
【0013】
またスカート部(5)のヒンジ(4)と相対する部分には、凹部(9)が形成され、上蓋(3)のヒンジ(4)と相対する部分に設けられた舌片(10)との組合わせで開栓するときの手掛かりとなっている。またこの例においては、キャップ本体(2)と上蓋(3)は、この凹部(9)および舌片(10)の部分に設けられた係合突起によって固定されるようになっている。
【0014】
したがって、キャップ本体(2)と上蓋(3)の係合は、第1環状側壁(7)の上方外側に形成された環状突起(20)と第2環状側壁(12)の環状突起(21)の係合、及び第2環状側壁先端部近傍の係合突起(27)と環状溝外側側壁(25)の内側に形成された係合突起(28)との係合による2か所での係合が行われることになり、密着性が高められると共に、開栓に際しての力が少なくて済むという利点がある。
したがって、開栓に際して大きな力を必要とする時のように、内容物の思わぬ溢出が避けられ、一般家庭においても、主婦や子供にも安全に開栓でき、容器の取扱いの簡便さが提供されることになる。
【0015】
【実施例】
以下に、実施例によって本願考案を説明する。この実施例は、本考案の好適な態様を説明するためのものであり、これに限定されるものではない。
【0016】
本考案の好適な態様の断面図を示す図2において、キャップ本体(2)にはインナーリング(14)が設けられ、スカート部(5)内側の下方には容器口部(13)と螺着する螺子部(15)が設けられ、これにより容器口部(13)にキャップ本体(2)が螺着されている。キャップ本体(2)の頂板部(6)のほぼ中央部には、頂板部から一体に成形される環状溝(24)および該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)が形成されている。第1環状側壁の外側上方部には環状突起(20)が形成されており、この環状突起は、上蓋天面から環状溝(24)に向けて垂下する第2環状側壁(12)の天面寄りの内側に形成された環状突起(21)と係合密着するように構成されている。
【0017】
第1環状側壁の先端は、通常平面に形成され、そのほぼ中央部に内容物の注出開口(8)が形成されている。さらに、第2環状側壁の先端部近傍の外側には、環状溝(24)の外側側壁(25)の内側に形成されている係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成されている。これにより上蓋(3)のキャップ本体(2)との固定は、環状突起(20)と環状突起(21)、係合突起(27)と係合突起(28)の2か所で行われ、それぞれの係合部での係合力はそれほど大きくなくても、2か所での係合により密封性に優れ、かつ、開栓に際しては、大きな力を要することなく、主婦や子供でも簡単に取扱ができるという利点がある。
【0018】
前記の態様においては、注出開口(8)を有する第1環状側壁(7)と上蓋から垂下する第2環状側壁(12)とが圧接する密着部が側壁上部に設けられているので、振動等によって注出開口(8)から流出する内容物が滞留する空間は開口の上方のわずかな部分に限られるため、内容物の漏洩がなく密封性に優れたものとなる。
【0019】
【考案の効果】
本考案によれば、上蓋とキャップ本体との係合部とは別個に、注出用開口近傍に密着部を設けたことにより、それぞれの係合部で生じる作用力が相反する方向に作用し、それによって優れた密封性を維持できるとともに、開栓に要する力を低減することが可能となり、開封性にも優れたヒンジキャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案のヒンジキャップの一例を示す概略斜視図である。
【図2】
本考案のヒンジキャップの一例を示す断面図である。
【符合の説明】
1 ヒンジキャップ
2 キャップ本体
3 上蓋
4 ヒンジ
7 第1環状側壁
8 注出開口
12 第2環状側壁
20 環状突起
21 環状突起
24 環状溝
27 係合突起
28 係合突起
訂正の要旨 (3)訂正の要旨
訂正事項
本件実用新案登録請求の範囲にかかる記載を下記の通り訂正する。
『【請求項1】 頂板部(6)および頂板部から垂下するスカート部(5)より成り、頂板部には、内容物注出用開口(8)が設けられた容器口部に嵌合ないし螺着するキャップ本体(2)、および該キャップ本体頂板部を覆うようにキャップ本体とヒンジ連結された上蓋(3)から成り、閉栓時において上蓋とキャップ本体とを固定する係合部を有するヒンジキャップにおいて、
キャップ本体(2)には、頂板部(6)の中央寄りに形成される環状溝(24)及び該溝の内側から立設する第1環状側壁(7)に囲まれ、ほぼ中央部に注出開口(8)を有する天板部が形成されており、上蓋(3)天面内側には、該第1環状側壁(7)の上方外面に形成された環状突起(20)と係合密着する環状突起(21)を有する第2環状側壁(12)が垂下し、該第2環状側壁の先端部近傍の外側には、前記環状溝(24)の上方外側側壁(25)の内面に形成された係合突起(28)と係合密着する係合突起(27)が形成され、上蓋とキャップ本体との係合を上記密着部と係合部の2か所において行い、かつ、それぞれの係合部における作用力を相反する方向へ付与するように構成したことを特徴とするヒンジキャップ。』
(4)請求の原因
上記訂正事項については、本件実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲を、出願当初の明細書に記載されている『上蓋とキャップ本体との係合を上記密着部と係合部の2か所において行い、かつ、それぞれの係合部における作用力を相反する方向へ付与するように構成した』ことを付加した構成に減縮するものであります。
したがって、この訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号を準用する実用新案法附則第9条第2項の実用新案登録請求の範囲の減縮に相当するものであります。
また、上記訂正事項は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張または変更するものでもありません。
さらに、訂正後の実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により特定される考案が実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものであります。
すなわち、訂正後の請求項1にかかる考案は、平成10年9月28日付け(平成10年10月13日発送)の取消理由通知で引用された刊行物1および2のいずれにも記載がなく、上記考案は、上記刊行物1および2のいずれかに記載された考案であるとも、また、刊行物1および2に記載された各考案からきわめて容易に考案をすることができたものでもありません。
したがって、上記訂正事項aは、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項から第4項の規定をさらに準用する実用新案法附則第9条第2項の規定に適合するものであります。
異議決定日 2000-03-17 
出願番号 実願平4-47436 
審決分類 U 1 651・ 121- ZA (B65D)
最終処分 取消  
前審関与審査官 森林 克郎  
特許庁審判長 佐藤 久容
特許庁審判官 市野 要助
杉原 進
登録日 1997-08-22 
登録番号 実用新案登録第2557179号(U2557179) 
権利者 東洋製罐株式会社
東京都千代田区内幸町1丁目3番1号
考案の名称 ヒンジキャップ  
代理人 三浦 良和  
代理人 庄子 幸男  
代理人 庄子 幸男  
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