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審決分類 審判 全部申し立て   E04B
管理番号 1025115
異議申立番号 異議2000-72136  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-05-22 
確定日 2000-09-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第2601527号「増築部を有する建物」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2601527号の実用新案登録を維持する。
理由 〔1〕本件考案
本件実用新案登録第2601527号の請求項1に係る考案(平成5年12月28日出願、平成11年9月24日設定登録、以下「本件考案」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。
「【請求項1】 建物の外周を構成する内耐力壁の少なくとも一辺の外方に、増築余地を残した状態で該内耐力壁と略平行に外耐力壁を配置したものであって、前記建物の外周を構成する内耐力壁上に屋根を敷設して建物を形成するとともに、該屋根は前記外耐力壁の上部にまで一体的に張り出されかつ該外耐力壁の上端に支持されることを特徴とする増築部を有する建物。」

〔2〕実用新案登録異議申立の理由
実用新案登録異議申立人小林茂は、甲第1号証?甲第3号証を提出して、本件考案は、甲第1号証記載の考案に、甲第2号証及び甲第3号証に示されている周知の技術を適用して、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、その実用新案登録は取り消されるべきである旨主張している。
甲第1号証:特開昭61-211455号公報
甲第2号証:新建築住宅特集’85AUTUMN、1985年11月1日、 株式会社新建築社発行、138?146頁
甲第3号証:住宅建築9月号、昭和60年9月1日、株式会社建築資料研 究社発行、84?91頁

〔3〕甲各号証の記載事項
甲第1号証には、1頁左下欄下から7行?右下欄19行、2頁左上欄4行?左下欄5行の記載、並びに第1図、第7図及び第8図によると、建物の外周を構成する外壁Bdの外側に、増築スペースを残した状態で外壁Bdと略平行に増築用の第1フレーム1を配置し、建物の外周を構成する外壁Bd上に屋根を敷設して建物を形成した、増築スペースを有する建物、が記載されていると認める。
甲第2号証には、139頁、141頁、143頁、145頁及び146頁の写真、図面及び記載からみて、1階の診察室及び2階の居間が、蓄熱壁の腰壁を備えた壁体で温室と区画され、温室の前面には、複層ガラスを備えた壁体が設けられ、蓄熱壁の腰壁を備えた壁体上に敷設された屋根が、複層ガラスを備えた壁体の上部まで一体的に張り出され、その壁体の上端に支持されたソーラーチムニーの家、が開示されていると認める。
甲第3号証には、85?87頁、90頁及び91頁の写真、図面及び記載からみて、1階の和室、厨房、食堂及び居間が壁体でテラスと区画され、テラスの前面に、柱及び壁体が設けられ、居間等とテラスを区画する壁体上に敷設された屋根が、テラス前面の柱及び壁体の上部まで一体的に張り出され、それらの柱及び壁体の上端に支持された旧軽井沢・横沢別荘、が記載されていると認める。

〔4〕対比・判断
本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、甲第1号証記載の考案の「外壁Bd」、「増築スペース」及び「第1フレーム1」は、それらの機能に照らし、それぞれ本件考案の「内耐力壁」、「増築余地」及び「外耐力壁」に相当するから、両者は、「建物の外周を構成する内耐力壁の少なくとも一辺の外方に、増築余地を残した状態で該内耐力壁と略平行に外耐力壁を配置したものであって、前記建物の外周を構成する内耐力壁上に屋根を敷設して建物を形成した、増築部を有する建物」である点で共通するものの、以下の点で相違する。
相違点
本件考案では、屋根は外耐力壁の上部にまで一体的に張り出されかつ外耐力壁の上端に支持されるのに対し、甲第1号証記載の考案では、屋根は外耐力壁の上部にまで張り出されていない点。
上記相違点について検討する。
本件考案の「外耐力壁」は、「建物の外周を構成する内耐力壁の」「外方に、増築余地を残した状態で該内耐力壁と略平行に」「配置した」(請求項1参照。)耐力壁であり、本件考案は、屋根がそのような外耐力壁の上部にまで一体的に張り出されかつ外耐力壁の上端に支持されているものである。
一方、甲第2号証には、内側の壁体(蓄熱壁の腰壁を備えた壁体)と外側の壁体(複層ガラスを備えた壁体)が設けられ、屋根が外側の壁体の上部まで一体的に張り出され、その壁体の上端に支持された家の構造は記載されているが、外側の壁体が、建物の外周を構成する内耐力壁の外方に、増築余地を残した状態で配置された耐力壁であるとの開示がない。また、甲第3号証には、内側の壁体(居間等とテラスを区画する壁体)の外方にあるテラスの前面に壁体を設け、屋根が、壁体の上部まで一体的に張り出され、その壁体の上端に支持された家の構造は記載されているが、テラスの前面に設けられた壁体が、建物の外周を構成する内耐力壁の外方に、増築余地を残した状態で配置された耐力壁であるとの開示がない。
以上のように、甲第2号証及び甲第3号証のいずれにも、上記相違点における本件考案の構成が開示されていない。
そして、本件考案は、この構成を備えることにより、「中の内耐力壁自体を取り外しても、この内耐力壁が負っていた屋根の支持の負担分を外耐力壁が負う構成になっているので、中の内耐力壁をそのままにし、又はその内耐力壁自体を取り外すなどの様々な間取りの選択を可能とつつ、かつ建物の構造的な強度を低下させることなく、外耐力壁まで居室を広げることができる。……増築するに際して屋根工事は不要となる。……様々な間取りの要求に応じた増改築を行え、増改築工事の施工を大幅に低減できるとともに施工期間も短縮でき、かつ又増改築に生じがちな雨漏れ等も起こすことがない」(段落【0014】)という効果を奏するものである。
したがって、本件考案は、甲第1号証?甲第3号証記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。

〔5〕むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-08-23 
出願番号 実願平5-74870 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (E04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 佐田 洋一郎
特許庁審判官 鈴木 公子
鈴木 憲子
登録日 1999-09-24 
登録番号 実用新案登録第2601527号(U2601527) 
権利者 ミサワホーム株式会社
東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号
考案の名称 増築部を有する建物  
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