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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない B65D
管理番号 1028267
審判番号 審判1996-3002  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1996-02-26 
確定日 2000-08-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の登録第2013754号「装飾電球用包装枠」の実用新案登録無効審判事件についてされた平成 8年 8月30日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成08年(行ケ)第0221号平成11年6月8日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。   
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 I.手続きの経緯
本件実用新案登録第2013754号は、昭和63年7月11日に出願され、平成5年6月30日に出願公告(実公平5-26059号)され、平成6年4月6日に設定登録がなされ、平成8年2月27日に本件無効審判が請求され、平成11年10月5日付けで職権により実用新案登録無効理由を通知したところ、その指定期間内である平成11年12月20日に意見書の提出と共に訂正請求がなされ、平成12年5月2日に弁駁書の提出があったものである。

II.本件考案
本件考案の明細書について訂正請求がなされているので、まずその訂正の適否について判断する。
(1)訂正の適否についての判断
1)訂正の要旨
(A)実用新案登録請求の範囲の記載を以下のように訂正する。
「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の凹溝と、該溝の両側にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設されたフック及び電球支持台の中央部上側に突設された補助フックとを有する装飾電球用包装枠。」
という記載を、
「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の両側に側壁を有する凹溝と、該溝の両側壁上縁部にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設された電球若しくはソケットの基部又はコードを係止するための2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列及び電球支持台の中央部上側に突設された電球又はソケットの中央部を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列とを有する装飾電球用包装枠。」(なお、全文訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の5行目「係止部」と「形成する」の間の「を」は脱字と認め、当審で加筆した。)
と訂正する。
(B)考案の詳細な説明の記載を以下のように訂正する。
a)明細書3頁8?14行(公告公報2欄16?22行)の
「この考案は、コード収納用の凹溝に連設された電球支持台の基部上面に電球若しくはソケットの基部又はコードを係止する為のフックを突設すると共に、前記電球支持台の中央部に電球又はソケットを係止する為の補助フックを突設して装飾電球用包装枠を構成することにより、上記従来の問題点を解決したものである。」
という記載を、
「この考案は、コード収納用の両側に側壁を有する凹溝を有し、その両側壁の上縁部に連設された電球支持台の基部上面に電球若しくはソケットの基部又はコードを係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列を突設すると共に、前記電球支持台の中央部に電球又はソケットの中央部付近を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列を突設して装飾電球用包装枠を構成することにより、上記従来の問題点を解決したものである。」
と訂正し、
b)明細書3頁16?17行(公告公報2欄24?25行)の
「突設されたフック」という記載を、
「突設された2つの凸片で1組みのフック」
と訂正し、
c)明細書3頁20行(公告公報2欄28行)の
「突設された補助フック」
という記載を、
「突設された2つの凸片で1組みの補助フック」
と訂正し、
d)明細書5頁18行(公告公報3欄39行)の
「凹溝1の上縁」
という記載を、
「凹溝1の側壁の上縁」
と訂正する。
e)明細書6頁7?10行(公告公報4欄7?10行)を削除する。
2)訂正の目的の適否、新規事項の追加及び拡張・変更の存否
前記訂正(A)は「コード収納用の凹溝」をより具体的に「両側に側壁を有する」と限定し、「電球支持台の連設部位」を「溝の両側壁上縁部」に限定しようとするとともに、「フック」及び「補助フック」をそれぞれ、より下位概念である「2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列」と限定しようとするものである。この「両側に側壁を有する凹溝の両側壁上縁に電球支持台を連設」する点は、明細書4頁13?15行(公告公報3欄13?15行)及び第1・2図に、また、「2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列、及び補助フック列」は明細書4頁15?17行(公告公報3欄15?17行)、同4頁18?20行(同3欄18?20行)及び第2図に記載されていたものであり、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
前記訂正(B)は実用新案登録請求の範囲の減縮に整合させるための訂正であって、明細書に記載された事項の範囲内の訂正であり、明りょうでない記載の釈明に該当する。
なお、請求人は弁駁書において、前記訂正(A)における「コード収納用の凹溝と、該溝の両側に」という記載を「コード収納用の両側に側壁を有する凹溝と、該溝の両側壁上縁部に」と訂正すること、および訂正(B)-e)は認められないものであると主張するが、適法であることは前述のとおりである。
3)独立登録要件の判断
a)引用刊行物に記載された考案
本件考案に対して、当審が通知した無効理由通知で引用した、台湾実用新案公告第48410号の専利公報には概略以下の点が記載されている。
クリスマスランプ包装容器の内部仕切収納具に関するものであり、図面を参酌すると、
イ.プラスチック基盤(1)上には上縁部に多数の電線保持穴を形成した電線固定器(4)、(4)が対向して立設され、
ロ.各電線固定器(4)、(4)の外側に延ばしたプラスッチック基盤(1)上には、各電線固定器(4)、(4)に対向するガラスランプチューブ固定器(3)、(3)が立設され、
ハ.各ガラスランプチューブ固定器(3)、(3)の外側水平方向には、上面に多数のガラスランプチューブ収納用凹部(2)が形成され、
ニ.ガラスチューブ収納凹部の外側端には、上方に延びる端板(6)、(6)が形成され、
ホ.電線固定器(4)、(4)は面取(41)されている。
b)本件考案と引用刊行物記載の考案との対比・判断
訂正後の本件考案と引用刊行物記載の考案とを対比すると、両者は、「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の凹溝と、該溝の両側にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設された電球若しくはソケットの基部又はコードを係止するための係止部及び電球支持台の略中央部上側に突設された電球又はソケットの略中央部を支持する為の支持部とを有する装飾電球用包装枠」である点で一致し、以下の点で相違する。
1.本件考案では、電線収納用の凹溝の両側に側壁を有し、電球支持台が該溝の側壁上縁部に連設されているのに対し、引用刊行物記載の考案では、凹溝は側壁を有せず、電球支持台はコード収納用凹溝の底部平面と同一平面上に設けられている点。
2.電球若しくはソケットの基部又はコードを係止するための係止部及び電球又はソケットの中央部を支持する為の支持部について、本件考案では「2つの凸片で1つの係止部を形成するフック及び補助フック」としたのに対し、引用刊行物記載の考案ではフックを有しない点。
以下、相違点について検討する。
・相違点1について
本件考案においてコード収納用凹溝の両側に側壁を設け、電球支持台を側壁上縁部に連設したのはコードを収納するための容積を大きくとるためであるが、このことはコードの量に対応すべくコード収納部の底を下げてその深さを大きくしたものということもできる。他方、包装用中仕切一般についていえば、収容部の底の高さを収容されるものの高さに合わせて適宜選択することは従来周知の事項であり、相違点1は、引用刊行物に記載された中仕切について、前記周知事項を参酌し、収納すべきコードの量を勘案することにより当業者が適宜変更できた範囲のことである。
・相違点2について
本件考案における係止部は2つの凸片で1つの係止部を形成するフックであり、先端に曲がり部を有する鉤型形状をした突設物で電球等を係止する機能を有するものと認められる。他方、引用刊行物記載の考案における係止部は電線固定器(4)の挿入口が面取(41)されている(記載ホ)のみであって、凸片を有するフック、即ち、鉤型形状をした突設物による係止とはいえず、両者は構成及び機能を異にするものである。
本件考案は前記構成を有することにより、装飾用電球をフックと補助フックの2点に係止、支持することができ、収納された電球の位置及び向きを完全に規制することができ、整然と収納することができる、という特有の効果を奏するものであり、本件考案が引用刊行物記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはいえない。
したがって、本件考案は出願の際独立して実用新案登録を受けることができないとすることはできない。
また、他に出願の際独立して実用新案登録を受けることができないとする理由もない。
なお、請求人は弁駁書において、訂正後の本件考案は無効理由により出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものであると主張するが、適法であることは前述のとおりである。
4)むすび
以上のとおりであるから、前記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される実用新案法第40条第2項において準用する実用新案法第39条第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(2)本件考案
本件考案は訂正が認められた明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された以下のとおりのものと認められる。
「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の両側に側壁を有する凹溝と、該溝の両側壁上縁部にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設された電球若しくはソケットの基部又はコードを係止するための2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列及び電球支持台の中央部上側に突設された電球又はソケットの中央部を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列とを有する装飾電球用包装枠。」

III.当事者の主張及び証拠方法
(1)請求人の主張
1)請求人は甲第1号証として実公昭61-28783号公報を提示し、本件考案は甲第1号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件に対する実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、実用新案法第37条第1項第1号の規定により無効とすべきものである旨主張する。
2)甲第1号証記載の考案
甲第1号証には、概略以下の点が記載されている。
a)一体に固着された電球、笠、ソケットと、それに用いるリード線からなる装飾用電灯セットを収納する包装用箱の中仕切に関するものであり、
b)中仕切は、間隔保持部50の上側に突設されたリード線挟持部20とソケット挟持部30とを有し、間隔保持部50のの底部平面と同一平面上にある基板係止爪41、42がソケット挟持部30から外側に延設されている。
ソケット挟持部30は、凹部31及び凸部32からなる。凹部31の幅及び深さは、ソケットAの径に等しいか、或いはそれ以下の幅で、ソケットAを収受した場合に笠Bの開口部が、ソケット挟持部30の下部と同一平面になるようにその深さを決定する。(公報3欄38行?4欄25行、第2・3図参照)
c)中仕切を2列に並べて配置した実施例が第4図に示されており、一対の中仕切はそれらの間隔を仕切間隔保持部161?163により保持されている。中仕切に装飾用電灯セットを装着するに際しては、ソケットAをソケット挟持部30の凹部31に、リード線Dをリード線挟持部20の凹部21に挿入し(公報4欄41行?5欄1行、第3・4図参照)、
d)残余のリード線は2列の中仕切間にまとめて収納する。(公報5欄13?14行)
3)本件考案と甲第1号証記載の考案との対比
本件考案と甲第1号証記載の考案との相違点に関する主張の趣旨は以下のとおりである。
本件考案では補助フックを支持台の中央部上側に突設した、すなわち支持台が補助フックよりも外側に延びるているのに対し、甲第1号証記載の考案では支持台がソケット挟持部より外側に延びていない点で相違するが、この相違点は甲第1号証記載のものを基板係止爪を嵌合する穴をもたない箱に適用する場合に、当業者が通常の創作能力をもって設計変更することができた事項である。
4)請求人はさらに弁駁書において、以下の点は無効理由に示さない事項についての訂正であるから、平成11年12月20日付け訂正請求は認められないものである旨主張する。
・実用新案登録請求の範囲の「コード収納用の凹溝と、」を「コード収納用の両側に側壁を有する凹溝と、」と訂正すること、
・同「該溝の両側に」を「該溝の両側壁上縁部に」と訂正すること、
・明細書6頁7?10行(公告公報4欄7?10行)の「しかし、係る構造は・・・果たすようにしてもよい。」を削除すること。
(2)被請求人の答弁
これに対し、被請求人は、以下の1.2.を理由として、請求人が主張する無効の理由によって本件実用新案登録が無効になるものではない旨の答弁をしている。
1.甲第1号証記載の考案は基板係止爪が嵌合する穴を持つ箱に適用することを前提としたものであり、これを持たない箱に適用することを想定することはできない。すなわち、請求人の前記主張は、甲第1号証の曲解に基づくものであって、許容されるべきものではない。
2.本件考案はフックと補助フックとを備える点で甲第1号証記載のものと相違するが、請求人はこの相違点を看過している。そして、本件考案はこの点により電球の位置ずれを確実に防止するという作用効果を発揮できるものであるから、進歩性を具備している。

IV.当審の判断
本件考案は、訂正が認められた結果、平成11年12月20日付けで提出された訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりのものである。
本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、両者は「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の凹溝と、該溝の両側にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設された電球若しくはソケットの基部又はコードを支持するための支持部及び電球支持台の他部上側に突設された電球又はソケットを支持する為の支持部とを有する装飾電球用包装枠」である点で一致し、以下の点で相違する。
1.本件考案では、電線収納用の凹溝の両側に側壁を有し、電球支持台が該溝の両側壁上縁部に連設されているのに対し、甲第1号証記載の考案では、凹溝は側壁を有せず、電球支持台はコード収納用凹溝の底部平面と同一平面上に設けられている点。
2.電球支持台における電球又はソケットの支持箇所を、本件考案では電球支持台の中央部としたのに対し、甲第1号証記載の考案では電球支持台の端部とした点。
3.電球若しくはソケットの基部又はコードの端部の支持部、及び電球又はソケットの支持部について、本件考案ではこれらの支持部を「2つの凸片で1つの係止部を形成するフック」としたのに対し、甲第1号証記載の考案ではこれらの支持部を挟持部とした点。
以下、相違点について検討する。
・相違点1について
本件考案においてコード収納用凹溝の両側に側壁を設け、電球支持台を側壁上縁部に連設したのはコードを収納するための容積を大きくとるためであるが、このことはコードの量に対応すべくコード収納部の底を下げてその深さを大きくしたものということもできる。他方、包装用中仕切一般についていえば、収容部の底の高さを収容されるものの高さに合わせて適宜選択することは従来周知の事項であり、相違点1は、甲第1号証に記載された中仕切について、前記周知事項を参酌し、収納すべきコードの量を勘案することにより当業者が適宜変更できた範囲のことである。
・相違点2について
甲第1号証には、間隔保持部50(本件考案の電球支持台に相当)の底部平面と同一平面上に基板係止爪41、42がソケット挟持部30の外側に延設されているとの記載がある(記載b)。しかしながら、係止爪があるからといって、直ちに電球又はソケットの支持箇所の位置が電球支持台の中央部になるものではなく、(電球又はソケットの支持箇所が本件考案にいう「電球支持台の中央部」に該当する位置まで端部を延長させる必要がる。)本件考案は、このような構成を備えることにより、装飾用電球を2点に係止、支持することができ、収納された電球の位置及び向きを完全に規制することができ、整然と収納することができる、という特有の効果を奏するものであり、相違点2は甲第1号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に想到し得たものであるとはいえない。
請求人は、甲第1号証記載のものを基板係止爪を嵌合する穴をもたない箱に適用する場合に、当業者が通常の創作能力をもって設計変更することができた事項である旨主張するが、前述のように係止爪を延長したからといって、直ちに、電球又はソケットの支持箇所の位置が電球支持台の中央部になるものではなく、この主張は採用できない。
・相違点3について
本件考案における係止部は2つの凸片で1つの係止部を形成するフックであり、先端に曲がり部を有する鉤型形状をした突設物で電球等を係止する機能を有するものと認められる。他方、甲第1号証記載の考案における支持部は凹部31及び凸部32からなる挟持部であり(記載b)、凹凸形状が生起する挟持力によって電球等を挟持するものであると認められる。そうすると、両者は上位概念として掛け止め作用を有するものであるとはいえ、その構成、機能が基本的に相違しており、技術内容を異にしているものというべきである。
したがって、相違点3は当業者がきわめて容易に想到しえたものとはいえない。
また、弁駁書における請求人の訂正請求に関する主張に対する当審の判断は前記II-(1)-2)および3)記載のとおりである。

V.むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する理由によっては、本件実用新案登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
装飾電球用包装枠
(57)【実用新案登録請求の範囲】
コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、
コード収納用の両側に側壁を有する凹溝と、該溝の両側壁上縁部にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、
該電球支持台の基部上側に突設された電球若しくはソケットの基部又はコードを係止するための2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列及び電球支持台の中央部上側に突設された電球又はソケットの中央部を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列とを有する
装飾電球用包装枠。
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この考案は、クリスマスツリー用の装飾電球のように、コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球を包装する為に使用される、装飾電球用包装枠に関するものである。
(従来の技術)
この種の装飾電球は、通常ボール紙製の箱に包装して運搬、販売されている。そして、装飾電球を直に箱へ収納すると、コードと豆電球が錯綜し、包装状態が雑然としてしまう。そこで、箱内に包装用枠を装着し、その枠に豆電球を係止させることにより整然とした包装状態を得るようにしている。
そして、従来使用されているこの種の枠は、ボール紙製であって、第3図に示すような構成となつている。すなわち、1枚のボール紙11を屈曲させて2つの壁12を形成し、両壁12に挟まれた部分をコード収納部13とすると共に、前記壁12に切り込みを形成してこの切り込みを係止部とし、ここに豆電球14又はコードを係止させるようにしている。尚、図中15は箱である。
(考案により解決しようとする問題点)
ところで、上記従来の包装用枠においては、電球或いはコードの電球との接続部を係止する為の係止部がコード収納部13の両側に形成された壁12に設けられているのみであった。その為に、前記係止部によって電球の基部の位置は規制されるものの、電球の先端側の位置を規制することができず、隣接する電球同士が重なり合う等、収納状態が雑然となってしまい、展示した場合の見栄えも悪い、という問題点があつた。
(問題点を解決する為の手段)
この考案は、コード収納用の両側に側壁を有する凹溝を有し、、その両側壁の上縁部に連設された電球支持台の基部上面に電球若しくはソケットの基部又はコードを係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列を突設する共に、前記電球支持台の中央部に電球又はソケットの中央部付近を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列を突設して装飾電球用包装枠を構成することにより、上記従来の問題点を解決したものである。
(考案の作用)
この考案において、電球支持台の基部に突設された2つの凸片で1組のフックには、電球若しくはソケットの基部又はコードの端部が係止され、以て電球又はソケットの基部の位置が規制される。また、電球支持台の中央部に突設された2つの凸片で1組の補助フックには、電球又はソケットの中央部が係止され、以て電球又はソケットの中央部の位置が規制される。そしてその結果、電球は実質的にフックと補助フックとの2点でその位置が規制されることとなり、必ず所望の位置に収納される。
したがって、隣接する電球と重なり合うおそれもなく、整然とした見栄えの良い収納状態が得られ、上記従来の問題点は解決される。
以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例)
第1図及び第2図に示す包装用枠は合成樹脂製であって、コード収納用の溝1の両側壁2,2の上縁に水平な電球支持台3,3の基部が連設してあり、該電球支持台3,3の基部上側には2つの凸片4a,4bを1組として構成したフック4が所定間隔で多数突設してある。また、前記電球支持台3,3の中央部にもまた、2つの凸片5a,5bを1組として構成した補助フック5が、前記フック4と同一の間隔で多数突設してある。また、前記電球支持台3,3の先端縁には補助板6が連設してある。該補助板6は箱7の側壁内側に当接するように、垂直となっており、前記電球支持台3の上下方向に延び、その上下寸法は箱の深さとほぼ同等としてある。
この実施例の包装用枠を使用する場合、前記凹溝1内にコードを収納し、コードの電球8又はソケット9との接続部10を各別のフック4に係止させると共に、電球又はソケットの中央部を各別の補助フックに係止させる。このようにして1つの電球についてコード接続部10及び電球8又は
ソケット9の中央部の2個所がフック4及び補助フック5に係止し、その位置が規制されるので、枠に収納された電球8の位置は全体として規制され、各電球がばらばらの方向を向いたり、隣接する電球同士が重なり合つたりする等の虞れはない。
尚、この実施例においては、電球支持台3をコード収納用の凹溝1の側壁の上縁に連設したので、凹溝の底からフック4の上端までの高さを従来の包装用枠と比較して極めて高くとることができ、コード収納部の容積を増大させることができる。その為に従来の包装用枠で問題となっていたコードの収納部からの盛り上がり、あふれ、そしてこれらに起因する蓋の閉め難さを防止することができ、電球の位置規制と合わせて極めて整然とした収納状態を得ることができる。
また、この実施例においては全体を合成樹脂製としたので、電球支持台3と箱の底との間に空間が存在しても、合成樹脂に剛性があるので電球支持台が撓む虞れはない。
更に、電球支持台の先端縁に補助板6を連設し、その高さを箱の深さとほぼ等々としたので、箱の蓋が箱の内部へ落ち込んだり、積み重ねた時に上の箱の重みにより電球が圧迫されたりする虞れもない。尚、合成樹脂製とすること及び補助板を設けること、は必須要件ではない。また、収納すべき電球の数によっては、電球支持台3は凹溝1の一側にのみ設けてもよい。
(考案の効果)
この考案によれば、装飾用電球をフックと補助フックの2点に係止、支持することができる。その為に、包装用枠に収納さた電球の位置及び向きを完全に規制することができ、多数の電球がばらばらの方向を向いたり、隣接する電球同士が重なり合ったりする虞れなく、整然と収納することができる。
したがって、包装状態の見栄えが良く、しかも運搬中等において電球同士が接触したりして生じる事故も未然に防止するにとができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案実施例の正面図、第2図は同じく一部を拡大した斜視図、第3図は従来例の正面図である。
1……凹溝、2……側壁、3……電球支持台、4……フック、5……補助フック。
訂正の要旨 訂正の要旨
実用新案登録第2013754号の明細書を、
(A)実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の凹溝と、該溝の両側にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設されたフック及び電球支持台の中央部上側に突設された補助フックとを有する装飾電球用包装枠。」
という記載を、
「コードに多数の豆電球が取付けられた装飾電球用の包装枠であって、コード収納用の両側に側壁を有する凹溝と、該溝の両側壁上縁部にほぼ水平方向に連設された電球支持台と、該電球支持台の基部上側に突設された電球若しくはソケットの基部又はコードを係止するための2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列及び電球支持台の中央部上側に突設された電球又はソケットの中央部を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列とを有する装飾電球用包装枠。」(なお、5行目「係止部」と「形成する」の間の「を」は誤記と認め、当審で加筆した。)
と訂正する。
(B)明りょうでない記載の釈明を目的として、
1)明細書3頁8?14行(公告公報2欄16?22行)の
「この考案は、コード収納用の凹溝に連設された電球支持台の基部上面に電球若しくはソケットの基部又はコードを係止する為のフックを突設すると共に、前記電球支持台の中央部に電球又はソケットを係止する為の補助フックを突設して装飾電球用包装枠を構成することにより、上記従来の問題点を解決したものである。」
という記載を、
「この考案は、コード収納用の両側に側壁を有する凹溝を有し、その両側壁の上縁部に連設された電球支持台の基部上面に電球若しくはソケットの基部又はコードを係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成するフック列を突設すると共に、前記電球支持台の中央部に電球又はソケットの中央部付近を係止する為の2つの凸片で1つの係止部を形成する補助フック列を突設して装飾電球用包装枠を構成することにより、上記従来の問題点を解決したものである。」と訂正し、
2)明細書3頁16?17行(公告公報2欄24?25行)の
「突設されたフック」
という記載を、
「突設された2つの凸片で1組みのフック」
と訂正し、
3)明細書3頁20行(公告公報2欄28行)の
「突設された補助フック」
という記載を、
「突設された2つの凸片で1組みの補助フック」
と訂正し、
4)明細書5頁18行(公告公報3欄39行9の
「凹溝1の上縁」
という記載を、
「凹溝1の側壁の上縁」
と訂正し、
5)明細書6頁7?10行(公告公報4欄7?10行)を削除する。
審理終結日 1996-08-02 
結審通知日 1996-08-20 
審決日 1996-08-30 
出願番号 実願昭63-92373 
審決分類 U 1 112・ 121- YA (B65D)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 村本 佳 史
特許庁審判官 森林 克 郎
鈴木 美知子
船越 巧 子
佐藤 雪 枝
登録日 1994-04-06 
登録番号 実用新案登録第2013754号(U2013754) 
考案の名称 装飾電球用包装枠  
代理人 渡邊 隆  
代理人 尾股 行雄  
代理人 志賀 正武  
代理人 渡辺 隆  
代理人 成瀬 重雄  
代理人 志賀 正武  
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