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審決分類 |
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する H02K |
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管理番号 | 1028333 |
審判番号 | 審判1999-39021 |
総通号数 | 16 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2001-04-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 1999-03-04 |
確定日 | 2000-04-24 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第2594083号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2594083号実用新案の明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.本件審判請求の要旨は、登録実用新案第2594083号に係る明細書(以下、訂正前明細書という。)を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち、訂正前明細書中の「図3」(段落【0014】2行)との記載を誤記の訂正を目的として「図2」と訂正することを求めるものである。 2.そこで、前記訂正事項について検討するに、訂正前明細書に「また、この考案の構成としては上記のような扁平モータに限るものでなく、従来の図3に示すような円筒型モータにも適用できるのはいうまでもない。」(段落【0014】)と記載されていることが認められ、そして、図2には従来の円筒型モータ(図2に示されているものが円筒型モータであることは訂正前明細書の「ぺージャ等サイレントコール手段として図2に示すように円筒コアレスモータMの出力軸Sにタングステン合金製の偏心ウエイトWを配し、回転時にこの偏心ウエイトの遠心力の差を利用して振動を発生させるようにしたものが知られている。」(段落【0002】)の記載に照らして明らかである。)が、図3には扁平モータが示されており、そうすると、訂正前明細書の前記記載中の「従来の図3に示すような円筒型モータ」との記載は「従来の図2に示すような円筒型モータ」の誤記と解するのが相当であるから、前記訂正事項は誤記の訂正を目的とするものである。 そして、この訂正は、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、また訂正後の実用新案登録請求の範囲に記載されている考案について、その出願の際独立して実用新案登録を受けることができない考案でもない。 3.以上のとおり、本件審判請求は、実用新案法39条1項2号所定の事項を目的とし、同条2項、3項の規定にも適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 偏心ウエイト付き振動モータ (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 ハウジング内に軸と共に回転自在に支承されたロータを配し、このロータにコンミテータを設けるとともに、このコンミテータに一対のブラシを押接させ、前記軸をハウジングから一方の外部に突き出すとともに、この突き出した軸の先端を軸支しないようにして偏心ウエイトを取り付けることで携帯機器のサイレントコール手段として用いられるようにした偏心ウエイト付き振動モータにおいて、前記少なくとも偏心ウエイトの旋回空間外周部覆うようにしたカバーを配するとともに、このカバーの一部をモータ本体より他方の外部に突き出して基板等のモータ取り付け部に取り付け可能な脚部にした偏心ウエイト付振動モータ。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【考案の属する技術分野】 この考案は、ぺージャや携帯電話機等のサイレントコール手段として用いられる偏心ウエイト付振動モータに関する。 【0002】 【従来の技術】 ぺージャ等のサイレントコール手段として図2に示すように円筒コアレスモータMの出力軸Sにタングステン合金製の偏心ウエイトWを配し、回転時にこの偏心ウエイトの遠心力の差を利用して振動を発生させるようにしたものが知られている。 【0003】 ところが、上記出力軸に偏心ウエイトWを付加するものでは、セットメーカー側において、この偏心ウエイトWの旋回空間を配慮しなくてはならないし、回転時においては、偏心ウエイトがむき出しているので危険である。かつ、偏心ウエイトに直接落下などの衝撃が加わると軸の変形がおきるおそれがある。 【0004】 特に、偏平モータにおいては、この偏心ウエイトも薄くしなくてはならないので、なお、危険性が高く、図3に示すように、偏心ウエイトWWの軸SSに対する取付寸法が大きくとれず、不用意に偏心ウエイトWWを持って変形させてしまうおそれがある。 【0005】 上記欠点を克服するために本出願人は先に偏心ウエイトを削除し、ロータ自体を偏心させて振動を得るようにしたものを実願昭63-11868号を提案した。すなわち、図4に示すように、3個の電機子コイル1a、1b及び1cを互いに重畳しないように、かつ平面が略扇形になるように偏倚して配置し、一体に樹脂で成形してなるロータ1を用いるもので、この偏心したロータ1により回転時に振動を発生させるようにしたものである。 【0006】 【考案が解決しようとする課題】 上記、偏心したロータ自体で振動を発生させるようにしたものは直径20mm以上の偏心コアレスモータでは偏心量も大きく、比較的大なる振動が得られて、市場において好評であるが、直径13mm程度の超小型薄型化が要求されるようになってくると、中心からの重心位置の偏倚が少なく、振動量が少なくなるため、補助的手段として薄い偏心ウェイトを軸に取付する必要がある。 【0007】 【考案の目的】 ところが、このようにするとまた、偏心ウェイトの旋回空間の配慮や、落下時の変形の問題が発生することになるが、この考案は、簡単な構成により、偏心ウェイトの旋回空間を配慮することなく、回転時に危険性がないようにし、かつ、落下などの衝撃に耐えることができる偏心ウェイト付振動モータを提供しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 この考案は、ハウジング内に軸と共に回転自在に支承されたロータを配し、このロータにコンミテータを設けるとともに、このコンミテータに一対のブラシを押接させ、前記軸をハウジングから一方の外部に突き出すとともに、この突き出した軸の先端を軸支しないようにした出力軸に偏心ウエイトを取り付けることで携帯機器のサイレントコール手段として用いられるようにした偏心ウエイト付き振動モータにおいて、前記偏心ウエイトの旋回空間外周部に出力軸先端を軸支しないようにしたカバーを配するとともに、このカバーの一部をモータ本体より他方の外部に突き出して基板等のモータ取り付け部に取り付け可能な脚部にしたものである。 【0009】 【作用】 カバーを配することにより、回転時に直接偏心ウエイトにふれるおそれがないので、危険性はなくなり、不用意に偏心ウエイトをもってしまうことがないので変形させてしまうおそれがなく、かつ、カバーにより落下などの衝撃に耐えられる。 【0010】 【実施例】 第1図はこの考案の構成の振動モータの要部断面図を示しており、2はハウジングを兼ねたカバーで、円筒の開口縁にはブラケット3がかしめ等により固着されており、このブラケット3にはリング状の界磁マグネット4とこの界磁マグネット4の内側に一対のブラシ5が植設されている。この界磁マグネット4の上方にはわずかな空隙を介して、ロータ6が配される。このロータ6は中央に軸7が一体に成形され、平板コンミテータ8が前記ブラシ5に押接するように添設されている。 【0011】 9はハウジングを兼ねた磁路を閉じるヨーク板で軸受10が中央に固着され、ブラケットに配された他方の軸受11と共に、前記ロータの軸7を回転自在に支承している。このヨーク板9の外周は前記カバー2に挟持嵌着され、さらに軸7はヨーク板9より突き出ており、銅タングステンからなる薄い偏心ウエイト12がヨーク板9より少し空隙を介してこの軸7に取付けられている。 【0012】 必要に応じて、本例のようにカバー2の上方の開口縁にはさらにカバーの一部を構成する蓋14を設けてもよい。なお、カバー2の一部はブラケット3よりさらに突出され、印刷配線基板(想像線で示す)13を通して裏面のモータ取り付け部に半田付け等により取り付け可能な脚部2aとなっている。 【0013】 上記実施例では、カバー2はハウジングを兼ねているものを示したが、通常のタイプのものにスポットなどで一体化させるものがあってもよい。 【0014】 また、この考案の構成としては上記のような偏平モータに限るものでなく、従来の図3に示すような円筒型モータにも適用できるのはいうまでもない。 【0015】 【考案の効果】 この考案は、上述のように簡単な構成により、モータをセットに取り付けするとき偏心ウエイトはカバーで覆われているので、直接手に触れることがないため、変形させてしまうおそれがないし、カバーによってむき出しとなっていないので、実装の際に旋回空間を配慮する必要がなく、かつ、旋回中手に触れる危険性がなく、このカバーによって偏心ウエイトが保護されるので、軸が落下などの衝撃による変形に耐えることができる。しかも、たとえモータ内に電気的ノイズが発生してもカバーの一部(ヨーク)がモータ本体のハウジングを構成するカバー2に挟持嵌着された構造となつているので、そのノイズは電気的に導通された脚部を通して基板に逃すことにより除去することが可能となるため、機器内に漏洩することもなくなり、携帯機器としての信頼性を向上させることができるといった予想外の効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本考案の偏心ウエイト付振動モータの一実施例の要部断面図である。 【図2】 従来の偏心ウエイト付振動モータの斜視図である。 【図3】 従来の他の偏心ウエイト付偏平振動モータの側面図である。 【図4】 従来の改善された偏平型振動モータのロータの平面図である。 【符号の説明】 1 偏平型ロータ 2 カバー 2a 脚部 3 ブラケット 4 界磁マグネット 5 ブラシ 6 ロータ 7 軸 8 コンミテータ 9 ヨーク板 10、11 軸受 12 偏心ウエイト 13 印刷配線基板 14 蓋 M 円筒コアレスモータ S,SS 出力軸 W,WW 偏心ウエイト 【図面】 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 明細書の段落【0014】の「図3」との記載を「図2」に訂正。 |
審決日 | 2000-04-03 |
出願番号 | 実願平3-93253 |
審決分類 |
U
1
41・
832-
Y
(H02K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 橋本 武、小川 謙 |
特許庁審判長 |
大森 蔵人 |
特許庁審判官 |
槙原 進 吉村 宅衛 |
登録日 | 1999-02-19 |
登録番号 | 実用登録第2594083号(U2594083) |
考案の名称 | 偏心ウエイト付き振動モータ |