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審決分類 審判 全部申し立て   H01H
審判 全部申し立て   H01H
審判 全部申し立て   H01H
管理番号 1028336
異議申立番号 異議1999-73166  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-16 
確定日 2000-09-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2590752号「透明タブレット」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2590752号の実用新案登録を維持する。
理由 〔1〕手続きの経緯
本件実用新案登録第2590752号(以下「本件考案」という。)は、平成4年4月8日の出願であって、平成10年12月11日に実用新案権の設定登録がされ、その後、中川徹により実用新案登録異議の申立てがされた。そして、当審において取消理由が通知され、その指定期間内である平成11年12月27日に訂正請求がされ、さらにその後、当審において訂正拒絶理由が通知され、その指定期間で内である平成12年4月27日に訂正請求の手続補正がされ、平成12年5月11日に訂正請求が取下げられ、さらにその後、新たな取消理由が通知され、その指定期間内である平成12年7月13日に新たな訂正請求がされた。
〔2〕訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
実用新案登録請求の範囲の記載を以下のとおり訂正する。
1-1
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「どちらか一方の基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と他方の」を「基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と、」と訂正する。
1-2
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板B上に設けられた回路とが電気的に接続され、」を「基板B上に設けられた回路とが、基板A上又は基板B上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続され、」と訂正する。
1-3
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板B上の回路と基板C上に設けられた回路とを電気的に接続する」を「基板B上の回路と基板C上に設けられた回路とを、基板B上又は基板C上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続する」と訂正する。
1-4
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板A上の透明導電膜を、基板B上の回路を通して外部回路との接触端子部に電気的に接続し、」を「基板A上の透明導電膜が、基板B上の回路を通して外部回路との接触端子部に電気的に接続されてなり、かつ」と訂正する。
1-5
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板A上の回路と基板B上の回路」を「基板B上の回路」と訂正する。
実用新案登録請求の範囲の訂正に伴い、考案の詳細な説明の記載を以下のとおり訂正する。
2-1
段落【0008】の「本考案の実施例を図2に示す。上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して接触端子部4に電気的に接続される。一方、下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、(異方性)導電膜7を通して上側の基板Aの回路11に電気的に接続された後、(異方性)導電膜12を通して接触端子部10に電気的に接続されるため、スルーホールが不要になり、製造が簡単で、信頼性も向上する。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部7、14、基板A又はB上の回路と基板C上の回路との電気的接続部3、12は互いに独立している。」を
「本考案の実施例を図2に示す。上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して接触端子部4に電気的に接続される。一方、下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して上側の基板Aの回路11に電気的に接続された後、異方性導電膜12を通して接触端子部10に電気的に接続されるため、スルーホールが不要になり、製造が簡単で、信頼性も向上する。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部7、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部3、12は互いに独立している。」と訂正する。
2-2
段落【0009】の「本考案の別の実施例を図3に示す。本実施例では、基板Cの下側に接触端子部が設けられている。下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、(異方性)導電膜7を通して接触端子部10に電気的に接続される。一方、上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、(異方性)導電膜3を通して下側の基板B上の回路13に電気的に接続された後、(異方性)導電膜14を通して接触端子部4に電気的に接続されるためスルーホールが不要になる。更に、本実施例では(異方性)導電膜の接続部分が一列になるため、(異方性)導電膜による接続部の形成を一工程で行なうことができ一層製造が簡単になり、信頼性も向上する。ここで異方性導電膜とは、熱と圧力を加えることにより接着性が発現する樹脂中に導電性粒子(金メッキしたニッケル等)を分散させたものであり、接続部に熱と圧力を加えることにより、回路同士が導通し、回路および基板同士が接着する。」を
「本考案の別の実施例を図3に示す。本実施例では、基板Cの下側に接触端子部が設けられている。下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して接触端子部10に電気的に接続される。一方、上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して下側の基板B上の回路13に電気的に接続された後、異方性導電膜14を通して接触端子部4に電気的に接続されるためスルーホールが不要になる。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部3、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部7、14は互いに独立している。更に、本実施例では異方性導電膜の接続部分が一列になるため、異方性導電膜による接続部の形成を一工程で行なうことができ一層製造が簡単になり、信頼性も向上する。ここで異方性導電膜とは、熱と圧力を加えることにより接着性が発現する樹脂中に導電性粒子(金メッキしたニッケル等)を分散させたものであり、接続部に熱と圧力を加えることにより、回路同士が導通し、回路および基板同士が接着する。」と訂正する。
2-3
段落【0010】の「本実施例では、異方性導電膜により回路同士の接続を行なっているが、」を「本実施例では、異方性導電膜により回路同士の接続を行なっている。」と訂正し、「回路および基板同士を接着させても良い。あるいは、熱と圧力を加える事により接着性が発現する樹脂中に導電性粒子を分散させた材料を用いて、どちらか一方の基板上の回路を形成し、接続部に熱と圧力を加える事により、回路同士の導通と接着を同時にはかっても良い。製造の容易さと信頼性の点で異方性導電膜が好ましく用いられる。」を「回路および基板同士を接着させることも可能であるが、製造の容易さと信頼性の点で該被覆層として異方性導電膜が用いられる。」と訂正する。
2-4
図2の断面a、断面bに関する図中の「A」と「B」とを入れ換える。
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1-1は、訂正前の請求項1の「どちらか一方の基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と他方の基板B上に設けられた回路」なる記載では、「どちらか一方」と記載しておきながら、「基板A」と限定しており、記載が不明りょうであったので、それを明りょうにするための訂正に該当する。
訂正事項1-2は、基板A上に設けられた回路と基板B上に設けられた回路との電気的接続を、「基板A上又は基板B上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して」行うものであると限定するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当する。
また、被覆層が回路上に予め形成されていること、被膜層が異方性導電膜であることは、明細書の段落【0010】の記載に基づくものである。
訂正事項1-3は、「基板B上の回路と基板C上に設けられた回路」との電気的接続を、「基板B上又は基板C上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して」行うものであると限定するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当する。
また、被覆層が回路上に予め形成されていること、被膜層が異方性導電膜であることは、明細書の段落【0010】の記載に基づくものである。
訂正事項1-4は、不明りょうな記載の釈明に該当する。
訂正事項1-5は、訂正前の請求項1に「基板A又はB上の回路と基板C上の回路との電気的接続部」なる記載があるが、基板A上の回路と基板C上の回路との電気的接続と基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続は、どちらか片方を電気的に接続するものであるから、この点を明りょうにするための訂正に該当する。
次に、訂正事項2-1ないし2-4についてであるが、これらの訂正は、実用新案登録請求の範囲の訂正に伴い、これらと整合させるための訂正であるから、不明りょうな記載の釈明に該当する。
そして、上記訂正事項1-1ないし2-4は、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張または変更するものではない。
3.独立登録要件
平成12年5月10日付け取消理由通知書で指摘した実用新案法第5条第5項及び第6項に関する取消理由は、訂正請求により解消され、また、平成11年10月13日付け取消理由通知書で指摘した実用新案法第3条第1項第3号に関する取消理由は、刊行物1(実願昭61-56133号のマイクロフィルム)には、訂正請求により請求項1に限定された要件である「回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層」なる構成が記載されておらず、また、この点は自明な事項でもないので、この取消理由は解消したものと認められる。
したがって、訂正明細書の請求項1に係る考案が、実用新案登録出願の際、独立して実用新案登録を受けることができないものとはいえない。
4.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する同法第126条第2ないし第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
〔3〕実用新案登録異議申立てについての判断
(1)本件考案
平成12年7月13日付けで提出された訂正明細書の請求項1に係る考案は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「請求項1
少なくとも片面に透明導電膜が設けられた2枚の透明電極基板A、Bが、互いの透明導電膜同士が向かい合うように配置されてなり、また、基板A、Bとは別に外部回路との接触端子部が設けられた基板Cがあり、透明電極膜に外力を加えた部分でのみ透明電極基板A、B上の透明導電膜同士が接触してスイッチとして動作する透明タブレットにおいて、基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と、基板B上に設けられた回路とが、基板A上又は基板B上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続され、更に、基板B上の回路と基板C上に設けられた回路とを、基板B上又は基板C上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続することにより、基板A上の透明導電膜が、基板B上の回路を通して外部回路との接触端子部に電気的に接続されてなり、かつ基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部は互いに独立していることを特徴とする透明タブレット。」
(2)申立ての理由の概要
申立人は、「本件請求項1に係る考案は、甲第1、2号証に記載された考案のいずれとも同一考案であることは明らかであり、実用新案法第3条第1項第3号に該当し、仮に、訂正請求等によって微細な構成において相違点が生ずることになったとしても、進歩性を肯定するに足りる特有の作用効果は本件考案の明細書の記載からは見い出せないので進歩性を認める余地はなく、実用新案法第3条第2項の規定に違反する。また、請求項の「基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部、基板A又は基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部は互いに独立している」なる記載は不明りょうであり、実用新案法第5条第5項第2号に違反する。」旨主張し、以下の証拠方法を提出している。
甲第1号証:実願昭61-56133号(実開昭62-168521号)のマイクロフィルム
甲第2号証:実願平2-55630号(実願平4-15127号)のマイクロフィルム
(3)申立人が提出した甲号証記載の考案
申立人が提出した甲第1号証には、メンブレンスイッチに関し、第1図、第2図とともに以下の事項が記載されている。
a)「スイツチング部4を構成する表示シート15、上部シート1、下部シート3および支持板9をそれぞれの周辺部において図示せぬ両面接着テープで接着し、これらを積層一体化する。この時、上部シート1の延出部に形成した接続パターン17の幅広部17aと下部シート3の延出部に形成したリード端子11とが重なるが、これらの間は接着せずその内側において接着する。
次に、出力ケーブル部5の先端を上記スイッチング部4の延出部の下面に重ね合わせ、リード線13、14とリード端子10および接続パターン17の幅狭部17bとの間、リード線18と表示シート15のアース電極16との間、ならびに接続パターン17の幅広部17aと下部シート3のリード端子11との間にそれぞれ異方導電性シート20を配置する。」(明細書第9頁第1?16行)
b)「上記実施例では、異方導電性シート20を用いて各部の接着と電気的接続とを行う場合について説明したが、これに代えて、例えば導電性ヒートシール材をベースフィルム12の各リード線13、14および下部シート3のリード線11上に印刷形成することにより、必要箇所を接着・導電することも可能で、必要とあらば各リード線13、14を除くベースフィルム12上に絶縁性ヒートシール材を形成して接着強度を向上させることも可能である。」(明細書第11頁第9?18行)
同じく甲第2号証には、透明スイッチに関し、第1図ないし第7図とともに以下の事項が記載されている。
a)「上記の構成により、対向配置した絶縁性基材の透明導電層に対して設けた各リード電極が、外部用コネクタの同じ面に設けた電極パターンの各対応部分に接続された構造のものとすることができる。その結果、透明導電層用のリード電極の突出形態を形成する必要がなくなる。また、表裏に電極を有するコネクタの使用も不要となり、外部回路と接続するための電極を同一面上に設けることができると共に、対向配置する絶縁性基材の厚さを異なるものとすることができる。」(明細書第4頁第10?19行)
b)「なお前記の実施例では、外部用コネクタ3の電極パターンと絶縁性基材5のリード電極51、ないし独立電極53との接続、及び絶縁性基材1のリード電極53との接続、及び絶縁性基材1のリード電極11と前記独立電極53の食み出し部分54との接続に異方性コネクタ4(第5図)を用いたが、導電性接着剤などによっても接続することができる。」(明細書第9頁第16行?第10頁第2行)
(4)対比・判断
4-1実用新案法第3条第1項第3号について
本件訂正後の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)と甲第1号証および甲第2号証に記載された考案とを対比すると、甲第1号証に記載された異方性導電性シートは、回路上に予め被覆されたものではなく、同じく導電性ヒートシール材は印刷形成されるものであるから、回路上に予め被覆されたものではあるが、異方性導電性シートではないし、また、甲第2号証に記載された異方性コネクタ4は、回路上に予め被覆されたものではないから、甲第1号証および甲第2号証には、本件考案の「回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層」なる構成を備えていない。
したがって、本件考案は、甲第1号証に記載された考案でも、甲第2号証に記載された考案でもない。
4-2実用新案法第3条第2項について
4-1でも述べたように、甲第1号証および甲第2号証には、本件考案の「回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層」なる構成を備えていない。
また、該構成を採用することが当業者の設計的事項であると認めることもできない。
本件考案は該構成を採用することにより、「製造の容易さと信頼性の点で」優れたなる格別の効果を奏するものである。
したがって、本件考案が、甲第1号証、甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易になし得たものとすることはできない。
4-3実用新案法第5条第5項第2号について
実用新案登録請求の範囲の記載不備に関しては、平成12年7月13日付け訂正請求により「基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部、基板A又は基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部は互いに独立している」を「基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部は互いに独立している」と訂正することにより、また、「どちらか一方の基板A上・・・他方の基板B上」を「基板A上又は基板B上」と訂正することにより、明りょうな記載になったので、実用新案登録請求の範囲の記載不備は解消したものと認める。
〔4〕むすび
以上のとおりであるから、異議申立ての理由および証拠によっては、本件実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
透明タブレット
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも片面に透明導電膜が設けられた2枚の透明電極基板A、Bが、互いの透明導電膜同士が向かい合うように配置されてなり、また、基板A、Bとは別に外部回路との接触端子部が設けられた基板Cがあり、透明導電膜に外力を加えた部分でのみ透明電極基板A、B上の透明導電膜同士が接触してスイッチとして動作する透明タブレットにおいて、基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と、基板B上に設けられた回路とが、基板A上又は基板B上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続され、更に、基板B上の回路と基板C上に設けられた回路とを、基板B上又は基板C上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続することにより、基板A上の透明導電膜が基板B上の回路を通して外部回路との接触端子部に電気的に接続されてなり、かつ基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部は互いに独立していることを特徴とする透明タブレット。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は透明タブレットに関する。
【0002】
最近種々の機器にマイクロコンピューターが利用されるようになり、同機器には情報の入力部であるタブレット(タッチスイッチ、タッチパネル、フラットスイッチとも称される)と出力部であるディスプレーが搭載されている。タブレットとしては、従来のキーボードの他にディスプレー上に取り付けられる透明タブレットがある。
【0003】
透明タブレットは、ディスプレー表示画面を見ながらタブレット表面を指またはペン等で押すことにより入力できるため、入力操作が簡単であり、またディスプレーとタブレットを一体型にできるため省スペースにもなり、利用が増えつつある。
【0004】
透明タブレットは、少なくとも片面に透明導電膜が設けられた2枚の透明電極基板A、Bが互いの透明導電膜同士が向かい合うように配置されてなり、透明電極基板に外力を加えた部分でのみ透明電極基板A、B上の透明導電膜同士が接触しスイッチとして動作するものであり、例えばディスプレー画面上のメニューの選択あるいは図形の入力等を行なうことができる。
【0005】
【従来の技術】
従来の透明タブレットの構成例を図1に示す。但し、この図では簡単のため構成の一部分のみを示しており、実際のタブレットでは、各透明電極基板A、B上に複数個の透明導電膜、回路があり、それに対応した数の接触端子部が基板C上に設けられている(以下の図でも同様)。
【0006】
ところで、接触端子部は、基板Cの片面(例えばタブレット上面側)に設けられている場合が多いので、基板A、B上の透明導電膜1、5は、それぞれ基板Cを中にして反対側にくる。上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して接触端子部4に電気的に接続される。一方、下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して先ず基板Cの下側に設けられた回路8に電気的に接続された後、基板Cに設けられた穴9(所謂スルーホール)を通して基板Cの上側に設けられた接触端子部10に電気的に接続することになる。このスルーホール方式は、製造が困難な上に、信頼性に問題があった。
【0007】
【考案の構成】
本考案はかかる現状に鑑み成されたもので、基板Cの接触端子部と同端子部が設けられた面と反対側にある基板上の透明導電膜との電気的接続を、スルーホール方式を用いずに行なうことにより、製造が簡単で信頼性が向上したタブレットを提供することを目的とする。以下、本考案の実施例について図を参照しながら説明する。
【0008】
本考案の実施例を図2に示す。上側の基板B上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して接触端子部4に電気的に接続される。一方、下側の基板A上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して上側の基板B上の回路11に電気的に接続された後、異方性導電膜12を通して接触端子部10に電気的に接続されるため、スルーホールが不要になり、製造が簡単で、信頼性も向上する。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部7、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部3、12は互いに独立している。
【0009】
本考案の別の実施例を図3に示す。本実施例では、基板Cの下側に接触端子部が設けられている。下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して接触端子部10に電気的に接続される。一方、上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して下側の基板B上の回路13に電気的に接続された後、異方性導電膜14を通して接触端子部4に電気的に接続されるためスルーホールが不要になる。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部3、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部7、14は互いに独立している。更に、本実施例では異方性導電膜の接続部分が一列になるため、異方性導電膜による接続部の形成を一工程で行なうことができ一層製造が簡単になり、信頼性も向上する。ここで異方性導電膜とは、熱と圧力を加えることにより接着性が発現する樹脂中に導電性粒子(金メッキしたニッケル等)を分散させたものであり、接続部に熱と圧力を加えることにより、回路同士が導通し、回路および基板同士が接着する。
【0010】
なお、本実施例では、異方性導電膜により回路同士の接続を行なっている。熱と圧力を加える事により接着性が発現する樹脂よりなる接着剤層で、どちらか一方の基板上の接続部の回路部分と非回路部分が被覆され、かつ該接着剤層の厚さが回路部分で薄く非回路部分で厚くなる様な構成にして、接続部に熱と圧力を加える事により、回路同士を導通させ、回路および基板同士を接着させることも可能であるが、製造の容易さと信頼性の点で該被覆層として異方性導電膜が用いられる。
【0011】
回路は、導電性粒子(銀、金、銅、黒鉛、ITO等)の一種または二種以上を樹脂中に分散させたものや金属膜、金属箔等の材料を用いて形成されるが、これらの材料を積層した構成にしても良い。
【0012】
透明導電膜としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法あるいは塗工法、印刷法等で形成されたITO膜が好ましく用いられる。
【0013】
基板A、Bの内、スイッチとして動作させるために外力を加える側の基板は、フレキシブルである必要があり、基板材料として厚さ75?400μmのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリアリレートフィルム等や厚さ200?400μmの硝子板等が好ましく用いられる。もう一方の側の基板の材料は特に限定されない。基板Cは、外部回路と接続する上でフレキシブルである方が好ましく、基板材料として、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリレートフィルム等が好ましく用いられる。
【0014】
更に、本考案は、実施例に示したマトリックスタイプの透明タブレットに限定することなくアナログタイプの透明タブレットにも実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来の透明タブレットの概略を説明するための図である。
【図2】
本考案の透明タブレットの概略を説明するための図である。
【図3】
本考案の別の形式の透明タブレットの概略を説明するための図である。
それぞれの図において、上から平面図、線a、bまたはa、b、cでの断面図
が示してある。
【符号の説明】
1、5 透明導電膜
2、6、8、11、13 回路
3、7、12、14 異方性導電膜
4、10 接触端子
9 スルーホール
【図面】

訂正の要旨 訂正の要旨
実用新案登録請求の範囲の記載を以下のとおり訂正する。
1-1
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「どちらか一方の基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と他方の」を「基板A上の透明導電膜と電気的に接続して基板A上に設けられた回路と、」と訂正する。
1-2
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板B上に設けられた回路とが電気的に接続され、」を「基板B上に設けられた回路とが、基板A上又は基板B上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続され、」と訂正する。
1-3
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板B上の回路と基板C上に設けられた回路とを電気的に接続する」を「基板B上の回路と基板C上に設けられた回路とを、基板B上又は基板C上に設けられた該回路上に予め被覆された熱と圧力で接着が発現する異方性導電膜からなる被覆層を介して、電気的に接続する」と訂正する。
1-4
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板A上の透明導電膜を、基板B上の回路を通して外部回路との接触端子部に電気的に接続し、」を「基板A上の透明導電膜が、基板B上の回路を通して外部回路との接触端子部に電気的に接続されてなり、かつ」と訂正する。
1-5
実用新案登録請求の範囲の請求項1の「基板A上の回路と基板B上の回路」を「基板B上の回路」と訂正する。
実用新案登録請求の範囲の訂正に伴い、考案の詳細な説明の記載を以下のとおり訂正する。
2-1
段落【0008】の「本考案の実施例を図2に示す。上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して接触端子部4に電気的に接続される。一方、下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、(異方性)導電膜7を通して上側の基板Aの回路11に電気的に接続された後、(異方性)導電膜12を通して接触端子部10に電気的に接続されるため、スルーホールが不要になり、製造が簡単で、信頼性も向上する。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部7、14、基板A又はB上の回路と基板C上の回路との電気的接続部3、12は互いに独立している。」を
「本考案の実施例を図2に示す。上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して接触端子部4に電気的に接続される。一方、下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して上側の基板Aの回路11に電気的に接続された後、異方性導電膜12を通して接触端子部10に電気的に接続されるため、スルーホールが不要になり、製造が簡単で、信頼性も向上する。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部7、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部3、12は互いに独立している。」と訂正する。
2-2
段落【0009】の「本考案の別の実施例を図3に示す。本実施例では、基板Cの下側に接触端子部が設けられている。下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、(異方性)導電膜7を通して接触端子部10に電気的に接続される。一方、上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、(異方性)導電膜3を通して下側の基板B上の回路13に電気的に接続された後、(異方性)導電膜14を通して接触端子部4に電気的に接続されるためスルーホールが不要になる。更に、本実施例では(異方性)導電膜の接続部分が一列になるため、(異方性)導電膜による接続部の形成を一工程で行なうことができ一層製造が簡単になり、信頼性も向上する。ここで異方性導電膜とは、熱と圧力を加えることにより接着性が発現する樹脂中に導電性粒子(金メッキしたニッケル等)を分散させたものであり、接続部に熱と圧力を加えることにより、回路同士が導通し、回路および基板同士が接着する。」を
「本考案の別の実施例を図3に示す。本実施例では、基板Cの下側に接触端子部が設けられている。下側の基板B上の透明導電膜5は、回路6、異方性導電膜7を通して接触端子部10に電気的に接続される。一方、上側の基板A上の透明導電膜1は、回路2、異方性導電膜3を通して下側の基板B上の回路13に電気的に接続された後、異方性導電膜14を通して接触端子部4に電気的に接続されるためスルーホールが不要になる。基板A上の回路と基板B上の回路との電気的接続部3、基板B上の回路と基板C上の回路との電気的接続部7、14は互いに独立している。更に、本実施例では異方性導電膜の接続部分が一列になるため、異方性導電膜による接続部の形成を一工程で行なうことができ一層製造が簡単になり、信頼性も向上する。ここで異方性導電膜とは、熱と圧力を加えることにより接着性が発現する樹脂中に導電性粒子(金メッキしたニッケル等)を分散させたものであり、接続部に熱と圧力を加えることにより、回路同士が導通し、回路および基板同士が接着する。」と訂正する。
2-3
段落【0010】の「本実施例では、異方性導電膜により回路同士の接続を行なっているが、」を「本実施例では、異方性導電膜により回路同士の接続を行なっている。」と訂正し、「回路および基板同士を接着させても良い。あるいは、熱と圧力を加える事により接着性が発現する樹脂中に導電性粒子を分散させた材料を用いて、どちらか一方の基板上の回路を形成し、接続部に熱と圧力を加える事により、回路同士の導通と接着を同時にはかっても良い。製造の容易さと信頼性の点で異方性導電膜が好ましく用いられる。」を「回路および基板同士を接着させることも可能であるが、製造の容易さと信頼性の点で該被覆層として異方性導電膜が用いられる。」と訂正する。
2-4
図2の断面a、断面bに関する図中の「A」と「B」とを入れ換える。
異議決定日 2000-08-21 
出願番号 実願平4-21616 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (H01H)
U 1 651・ 534- YA (H01H)
U 1 651・ 113- YA (H01H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 洋一  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 長崎 洋一
大里 一幸
登録日 1998-12-11 
登録番号 実用新案登録第2590752号(U2590752) 
権利者 帝人株式会社
大阪府大阪市中央区南本町1丁目6番7号
考案の名称 透明タブレット  
代理人 前田 純博  
代理人 前田 純博  
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