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審決分類 審判 全部申し立て   H04N
管理番号 1028348
異議申立番号 異議2000-71659  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-18 
確定日 2000-10-10 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2600714号「RFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2600714号の実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
実用新案登録第2600714号の請求項1に係る考案は、平成3年7月10日に実用新案登録出願され、平成11年8月20日にその実用新案登録の設定登録がなされ、その後、吉川喜一郎より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年8月30日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア.訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載について、「具備することを特徴とする」とあるのを、「具備し、前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴とする」と訂正する。
イ.訂正事項b
明細書の段落【0005】の記載について、「具備することを特徴としている。」とあるのを、「具備し、前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴としている。」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、訂正前の特許請求の範囲の記載に、さらに「前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とする」という限定を加えるという訂正である。願書に添付された明細書の段落【0009】、【0010】の記載より、第1の分周器の出力信号は、位相比較器と波形整形器に入力されていることは明らかであり、上記訂正事項aは、このことを明確にしたものであるので、上記段落【0009】、【0010】に記載されているといえる。
したがって、上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、上記訂正事項bは、上記訂正事項aと整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事業の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成11年改正法附則第15条の規定による改正後の平成6年改正法附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議の申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
申立人吉川喜一郎は、請求項1に係る考案は、甲第1号証(特開平3-127502号公報)、甲第2号証(「VLSIのためのアナログ技術」、楠菊信、岩田穆、赤沢幸雄著、共立出版株式会社、1989年12月15日発行、242頁、図9.15)、甲第3号証(特公昭62-48958号公報)をもとにきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができないものであるから、実用新案登録を取り消すべきと主張している。
(2)本件の請求項1に係る考案
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る考案(以下「本件考案」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項に特定される次のとおりのものである。
「基準信号を出力する基準信号発生器と、
前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、
キャリア信号を出力するキャリア発生器と、
前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、
前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフイルタと、
前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備し、
前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴とするRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路。」
(3)刊行物等
当審が通知した取消理由で引用した刊行物には、それぞれ、以下のような考案が記載されている。
ア.刊行物1:特開平3-127502号公報
3頁右下欄11行ないし14行、3頁右下欄17行ないし4頁左上欄1行及び第1図には、キャリア信号発生回路とテスト信号発生回路とで基準信号発生回路を共有化するRF変調装置が記載されている。
イ.刊行物2:「VLSIのためのアナログ技術」、楠菊信、岩田穆、赤沢幸雄著、共立出版株式会社、1989年12月15日発行、242頁、図9.15
242頁、図9.15には、基準信号を出力する基準信号発生器と、前記基準信号を分周する第1の分周器と、キャリア信号を出力するキャリア発生器と、前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフイルタと、を具備するキャリア信号発生回路が記載されている。
ウ.刊行物3:特公昭62-48958号公報
3頁5欄31行ないし38行及び第3図には、基準信号を出力する基準信号発生器と、前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備するテスト信号発生回路が記載されている。
(4)対比・判断
本件考案と上記刊行物1ないし3に記載のものとを対比すると、各刊行物に記載のものは、本件考案を特定する事項である、「前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器」と「前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器」とを具備し「前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴とする」ことは記載されておらず、示唆する記載もない。当該事項により本件考案は、部品点数を削減でき、回路構成を簡素化できると共に、小型かつ安価に構成できるという明細書記載の顕著な効果を奏するものであり、本件考案が上記各刊行物に記載のものからきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。
(5)むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠並びに上記取消理由通知で示した理由によっては、本件請求項1に係る実用新案登録を取り消すことができない。
また、他に本件請求項1に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
RFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 基準信号を出力する基準信号発生器と、
前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、
キャリア信号を出力するキャリア発生器と、
前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、
前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフィルタと、
前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備し、
前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴とするRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はVTR等のRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号を発生するキャリア信号およびテスト信号発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、VTR等のRFモジュレータには、その送信周波数に対してテレビ受信機側で同調しやすくするため、テスト信号発生回路を内蔵しているものがある。
図2はこのような従来のRFモジュレータのテスト信号発生回路の構成例を示すブロック図であり、この図において、1は基準発振周波数が500kHzの水晶発振子、2は水晶発振子1を用いて500kHzの基準信号を出力する基準信号発生器、3は500kHzの基準信号を1/32の周波数の信号に分周して所定周期の水平同期信号と同一周期のパルス信号を出力する分周器、4はパルス信号の波形を整形してテスト信号であるビデオ信号を出力する波形整形器、5はテスト信号が出力される出力端子である。
【0003】
また、図3は従来のPLL回路を用いたRFモジュレータのキャリア発生回路の構成例を示すブロック図であり、この図において、6は水晶発振子、7は水晶発振子6を用いて基準信号を出力する基準信号発生器、8は基準信号発生器7から出力される基準信号を1/256の周波数の信号に分周する分周器、9は所定の周波数のキャリア信号を出力するキャリア発生器、10は図示せぬ制御回路によりその分周比が設定されるプログラム分周器、11は分周器8の出力信号の位相とプログラム分周器10の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器、12は所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルタ(以下、LPFという)であり、LPF12の出力信号は、キャリア発生器9の制御電圧入力端子に入力される。これにより、キャリア信号の周波数が制御される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のRFモジュレータにおいては、上述したように、テスト信号発生回路とキャリア発生回路とは、それぞれ独立に構成され、それぞれ別々の水晶発振子により基準信号を発生していた。
このため、回路構成が複雑で高価になるという欠点があった。
この考案は、このような背景の下になされたもので、回路構成を簡素化できると共に、安価に構成できるRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案によるRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路は、基準信号を出力する基準信号発生器と、前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、キャリア信号を出力するキャリア発生器と、前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフィルタと、前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備し、前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴としている。
【0006】
【作用】
上記構成によれば、まず、基準信号発生器において発生された基準信号は、第1の分周器において所定周期の水平同期信号と同一の周期の信号に分周され、位相比較器に入力される。
一方、キャリア発生器において発生されたキャリア信号は、第2の分周器において所定の分周比で分周され、位相比較器に入力される。
【0007】
そして、位相比較器において、第1の分周器の出力信号の位相と第2の分周器の出力信号の位相とが比較されて位相比較信号が出力される。次に、この位相差信号は、ローパスフィルタに入力され、その高域が所定のカットオフ周波数でカットされて出力され、この信号により、キャリア信号の周波数が制御される。
また、第1の分周器の出力信号は、波形整形器において波形整形され、テスト信号として出力される。
【0008】
【実施例】
以下、図面を参照して、この考案の一実施例について説明する。図1はこの考案の一実施例によるRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路の構成を示すブロック図であり、この図において、図2および図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。この図においては、水晶発振子6に代えて基準発振周波数が4MHzの水晶発振子13が新たに設けられている。また、水晶発振子1および基準信号発生器2が取り除かれ、分周器8の出力信号が波形整形器4に入力されている.
【0009】
このような構成において、まず、基準信号発生器7において、4MHzの基準信号が発生されている。この基準信号は、分周器8において1/256に分周され、位相比較器11の第1の入力端子に入力される。
一方、キャリア発生器9において、所定の周波数のキャリア信号が発生されている。このキャリア信号は、プログラム分周器10において図示せぬ制御回路により設定された分周比で分周され、位相比較器11の第2の入力端子に入力される。
【0010】
そして、位相比較器11において分周器8の出力信号の位相とプログラム分周器10の出力信号の位相とが比較されて位相比較信号が出力される。次に、この位相比較信号は、LPF12を経てキャリア発生器9の制御電圧入力端子に入力される。この信号により、キャリア信号の周波数が制御される。
また、分周器8の出力信号は、所定周期の水平同期信号と同一周期のパルス信号であり、このパルス信号は、波形整形器4において波形整形され、出力端子5からテスト信号として出力される。
【0011】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、部品点数を削減でき、回路構成を簡素化できると共に、小型かつ安価に構成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この考案の一実施例によるRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路の構成を示すブロック図である。
【図2】
従来のRFモジュレータのテスト信号発生回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】
従来のRFモジュレータのキャリア発生回路の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,6,13 水晶発振子
2,7 基準信号発生器
3,8 分周器
4 波形整形器
5 出力端子
9 キャリア発生器
10 プログラム分周器
11 位相比較器
12 LPF
訂正の要旨 訂正の要旨
▲1▼訂正事項a
平成9年12月19日の本件請求人提出による手続補正書により補正された実用新案登録請求の範囲に係る記載
『【請求項1】 基準信号を出力する基準信号発生器と、
前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、
キャリア信号を出力するキャリア発生器と、
前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、
前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフィルタと、
前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器と
を具備することを特徴とするRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路。』を、
『【請求項1】基準信号を出力する基準信号発生器と、
前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、
キャリア信号を出力するキャリア発生器と、
前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、
前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフィルタと、
前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備し、
前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴とするRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路。』と訂正する。
▲2▼訂正事項b
明細書の段落番号【0005】に、
『 【課題を解決するための手段】
この考案によるRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路は、基準信号を出力する基準信号発生器と、前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、キャリア信号を出力するキャリア発生器と、前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフィルタと、前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備することを特徴としている。』とあるのを、以下の文に訂正する。
『 【課題を解決するための手段】
この考案によるRFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路は、基準信号を出力する基準信号発生器と、前記基準信号を水平同期信号と同一の周期の信号に分周する第1の分周器と、キャリア信号を出力するキャリア発生器と、前記キャリア信号を分周する第2の分周器と、前記第1の分周器の出力信号の位相と前記第2の分周器の出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する位相比較器と、前記位相比較信号の高域をカットし、その出力信号によって前記キャリア信号の周波数を制御するローパスフィルタと、前記第1の分周器の出力信号の一部を波形整形しテスト信号として出力する波形整形器とを具備し、前記第1の分周器の出力信号をキャリア信号の周波数を制御する信号とすると共に、テスト信号とすることを特徴としている。』
異議決定日 2000-09-21 
出願番号 実願平3-53532 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤内 光武  
特許庁審判長 谷川 洋
特許庁審判官 小池 正彦
橋本 恵一
登録日 1999-08-20 
登録番号 実用新案登録第2600714号(U2600714) 
権利者 アルプス電気株式会社
東京都大田区雪谷大塚町1番7号
考案の名称 RFモジュレータのキャリア信号およびテスト信号発生回路  
代理人 高橋 詔男  
代理人 渡邊 隆  
代理人 志賀 正武  
代理人 渡邊 隆  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 高橋 詔男  
代理人 村山 靖彦  
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