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審決分類 審判 全部申し立て   B66F
管理番号 1028385
異議申立番号 異議1998-75464  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-11-06 
確定日 2000-10-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第2571930号「リーチ型フォークリフト」の請求項1ないし2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2571930号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を取り消す。
理由 【1】手続の経緯
本件実用新案登録第2571930号の請求項1、2に係る考案についての出願は、平成5年8月6日に出願され、平成10年2月27日にその考案について実用新案登録の設定登録がなされ、その後、その実用新案登録について異議申立人松岡 浩司より実用新案登録異議の申し立てがなされ、その指定期間内である平成11年4月20日に訂正請求がされた後、訂正拒絶理由が通知され、それに対して平成12年1月31日に手続補正書が提出されたものである。

【2】訂正の適否についての判断
ア.訂正請求に対する補正の適否について
1.(補正の内容)
実用新案登録権者は、実用新案登録請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として、訂正請求書の訂正の要旨1ないし8項を上記手続補正書の訂正の要旨1ないし8項に補正することを求めるものであるところ、その補正の内容は、
訂正請求書の訂正の要旨:
『1 実用新案登録第2571930号明細書における実用新案登録請求の範囲
・・(中略)・・
3 公告公報第1頁第1欄における請求項1の8行目に記載した「上方から覆う」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「、前記ステアリングプレート(21)に対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部を平らな処理スペース(21e)とした」(参照符号が上記訂正の要旨1項と重複しておりますが、実質的には変わらないことをご理解下さい。)と訂正する。
4 公告公報第1頁第2欄における請求項2の10行目に記載した「上方から覆い」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部を平らな処理用スペース(21e)とすると共に」と訂正する。(参照符号については上記3項と同様にご理解下さい。)。
・・(中略)・・
6 公告公報第2頁第4欄における段落[0008]の10行目に記載した「上方から覆っている。」を、不明瞭な記載の釈明を目的として、「、前記ステアリングプレートに対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート上のほぼ前半部を平らな処理用スペースとしている。」と訂正する。
・・(中略)・・
8 公告公報第3頁第6欄における段落[0018]の2行目に記載した「インスツルメントパネル」を、不明瞭な記載の釈明を目的として、「車巾方向に関してほぼ中央で終端するインスツルメントパネル」と訂正する。』

手続補正書の訂正の要旨:
『1 実用新案登録第2571930号明細書における実用新案登録請求の範囲
・・(中略)・・
3 請求項1の8行目に記載した「上方から覆う」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部をA列4番サイズの書類を載置するのに十分な広さを有する平らな処理スペース(21e)とし且つ該処理用スペース(21e)上に書類を保持する保持手段(21d)を備えた」(参照符号が上記訂正の要旨1項と重複しておりますが、実質的には変わらないことをご理解下さい。)と訂正する。
4 請求項2の10?14行目に記載した「上方から覆い、前記重複する部分においては、前記ステアリングプレートの上方延出縁部が、前記センタープレートよりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネルの下方延出縁部の内側に配設されている」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部を平らな処理用スペース(21e)とすると共に、前記重複する部分においては、前記ステアリングプレート(21)は、前記インスツルメントパネル(22)のほぼJもしくはL形の縁部とほぼ同様な曲率で湾曲しながら上方に延びた上方延出縁部(23b)を備え且つ該上方延出縁部(23b)は前記センタープレート(22a)よりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネル(22)の下方延出縁部(24a)の内側に配設されている。」と訂正する。(参照符号については上記3項と同様にご理解下さい。)。
・・(中略)・・
6 段落[0008]の10行目に記載した「上方から覆っている。」を、不明瞭な記載の釈明を目的として、「、前記ステアリングプレートに対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート上のほぼ前半部をA列4番サイズの書類を載置するのに十分な広さを有する平らな処理スペースとし且つ該処理用スペース上に書類を保持する保持手段を備えている。」と訂正する。
また、段落[0009]の11行?16行目に記載した「前記ステアリングプレートに対して部分的な重複関係で上方から覆い、前記重複する部分においては、前記ステアリングプレートの上方延出縁部が、前記センタープレートよりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネルの下方縁出縁部の内側に配設されている。」を、不明瞭な記載の釈明を目的として、「前記ステアリングプレートに対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート上のほぼ前半部を平らな処理用スペースとすると共に、前記重複する部分においては、前記ステアリングプレートは、前記インスツルメントパネルのほぼJもしくはL形の縁部とほぼ同様な曲率で湾曲しながら上方に延びた上方延出縁部を備え且つ該上方延出縁部が、前記センタープレートよりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネルの下方延出縁部の内側に配設されている。」と訂正する。
・・(中略)・・
8 段落[0018]の2行目に記載した「インスツルメントパネル」を、不明瞭な記載の釈明を目的として、「車巾方向に関してほぼ中央で終端するインスツルメントパネル」と訂正する。』
と補正しようとするものである。
(訂正の要旨1,2,5,7,8項の内容については実質的に補正されていない。)
2.(判断)
上記補正は要するに、訂正請求書において訂正しようとした実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載に対して、処理用スペースの構成を更に「前記ステアリングプレート上のほぼ前半部をA列4番サイズの書類を載置するのに十分な広さを有する平らな処理スペースとし且つ該処理用スペース上に書類を保持する保持手段を備えている」構成に限定すると共に、同じく請求項2の記載に対して、ステアリングプレートとインスツルメントパネルとの関連構成を更に「前記重複する部分においては、前記ステアリングプレートは、前記インスツルメントパネルのほぼJもしくはL形の縁部とほぼ同様な曲率で湾曲しながら上方に延びた上方延出縁部を備え」た構成に限定し、かつ、考案の詳細な説明における記載を該実用新案登録請求の範囲に対する補正に整合させようとするものであるが、かかる補正は何ら軽微な瑕疵の補正等に該当せず、実用新案登録請求の範囲をより減縮する目的で訂正請求書における訂正の要旨(3,4,6項)の内容を変更するものである。
したがって、上記手続補正書による補正は訂正請求書の要旨を変更するものと認められるので、当該補正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項の規定によりさらに準用される同法第131条第2項の規定に違反するものであり、採用することができない。
イ.訂正の適否について
1.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
前記訂正請求書の訂正の要旨1ないし8項による訂正は、基本的に、本件実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載に対して、そのインスツルメントパネルの構成を「車巾方向に関してほぼ中央で終端する」ものに限定し、且つ、該インスツルメントパネルとステアリングプレート及び処理用スペースとの構成上の関係を「前記ステアリングプレート(21)に対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部を平らな処理用スペース(21e)とした」ものに限定したものであるが、かかる訂正は実用新案登録請求の範囲の減縮に該当するものと認められ、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
2.独立登録要件の判断
a(訂正明細書の請求項1、2に係る考案)
平成11年4月20日付で提出された訂正請求書に添付した訂正明細書の請求項1,2に係る考案は、それぞれその請求項1,2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】車体の前方側にコントロールユニット室(22b)が配設され、該コントロールユニット室(22b)の後方に駆動ユニット室(21b)と運転室(20)とが並置されているリーチ型フォークリフトにおいて、前記駆動ユニット室(21b)の頂部を覆うステアリングプレート(21)を前記車体の前方に延ばして前記コントロールユニット室(22b)の一部の頂部を覆うと共に、前記コントロールユニット室(22b)の未被覆の残部を、車巾方向に関してほぼ中央で終端するインスツルメントパネル(22)により、前記ステアリングプレート(21)に対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部を平らな処理スペース(21e)としたことを特徴とするリーチ型フォークリフト。」
「【請求項2】車体の前方側にコントロールユニット室(22b)が配設され、該コントロールユニット室(22b)の後方に、センタープレート(22a)により前記コントロールユニット室(22b)から仕切られた駆動ユニット室(21b)と、運転室(20)とが配設されているリーチ型フォークリフトにおいて、前記駆動ユニット室(21b)の頂部を覆うステアリングプレート(21)を前記車体の前方に延ばして前記コントロールユニット室(22b)の一部の頂部を覆い、前記コントロールユニット室(22b)の未被覆の残部を、車巾方向に関してほぼ中央で終端するインスツルメントパネル(22)により、前記ステアリングプレート(21)に対して部分的な重複関係で段差を有して上方から覆って、前記ステアリングプレート(21)上のほぼ前半部を平らな処理スペース(21e)とすると共に、前記重複する部分においては、前記ステアリングプレート(21)の上方延出縁部(23b)が、前記センタープレート(22a)よりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネル(22)の下方延出縁部(24a)の内側に配設されていることを特徴とするリーチ型フォークリフト。」
b(引用刊行物記載の考案)
訂正明細書の請求項1,2に係る考案に対し、当審が訂正拒絶理由通知において引用した刊行物1(実用新案登録異議申立人の提出した甲第1号証;実公昭63-12055号公報)には、図面と共に以下の事項が記載されている。
「以下第4図以降を参照して本考案の実施例を説明する。左右一対のリーチレッグ30,30の後端側には後方側板31と右側板32とが固設され、後方側板31と右側板32の上端縁に亘って上方ハンドル取付板33が取付けられ、前方が開口した収納室34及び後方及び上方に開口した運転席35を構成している。
前記後方側板31は左側方をカバする左側板31aと後方左側をカバする後方側板31bとを湾曲して略90度に連続して備え、後方左側板31bの下部は右方まで延長して連結板31cとなり、かつ残りの上方部分は前方に向けて略90度に湾曲折曲して運転席左側板31dとなっている。」(第2頁コラム第18-31行)
「前記上方ハンドル取付板33は、前部下方折曲片33aと後方側板31の上端面31’に接する円弧状広巾部33bと、狭巾部33cとを備え、狭巾部33cの後部は下方に折曲して後方覆板33dを構成している。そして、上方ハンドル取付板33は後方側板31の上端面31’と右側板32の上端面32’の前方側に連結されて前記収納室34の上方をカバしている。この様であるから、各板31,32,33は車体の強度メンバーとすることができて車体全体の強度を強くできると共に、部品点数が大巾に少なくなり車体の組立作業が容易となる。」(第2頁コラム3第38行-同コラム4第6行)
「第6図、第7図は第2実施例を示し、L字状の湾曲折曲した後方側板31と、前述と同様な右側板32と、上方ハンドル取付板33と、前述の運転席左側板31dに相当する運転席側板37と、前述の後方覆板33dに相当する運転席前板38とを備え、それぞれを連結してある。」(第2頁コラム4第17-22行)
以上の記載において、その収納室34のうち、運転席左側板31dと後方左側板31b及び左側板31aによって囲まれる部分(特に第4図参照)は、従来例における機器収納室13に相当する部分であって、この部分にハンドルにより操作される駆動ユニット等の機器が収納される部分であること(以下、収納室34のこの部分を便宜上「機器収納部」という。)、また、該収納部34のうち、車体の前方側にあってその頂部が上方ハンドル取付板33の狭巾部33cにより覆われる部分は、従来例の収納室8に相当する部分であって、この部分に各種操作レバーにより操作される制御装置が収納される部分であること(以下、同じく収納室34のこの部分を「装置収納部」という。)は、いずれも当業者に自明のことである。そして、該上方ハンドル取付板33は収納室34の頂部を基本的に全てカバーしているのであるから、刊行物1には、本件訂正考案1の表現に合わせて表現すると、「収納室34の機器収納部の頂部を覆う上方ハンドル取付板33を車体の前方かつ側方に(L字状に)延ばして、収納室34の装置収納部のほぼ全部の頂部を覆う」構成が記載され、その構成により、装置収納部の頂部である上方ハンドル取付板33上のほぼ前半部が平らなスペースとされることも明らかなことである。{なお、上記の「収納室34の装置収納部のほぼ全部の頂部を覆う」における「ほぼ全部」という表現について、上方ハンドル取付板33が覆う装置収納部の頂部のうち、少なくとも操作レバーが設けられる部分は該取付板33によっては覆われない部分(即ち未被覆の残部)であるため、該取付板33は厳密には収納室34の「全部」の頂部ではなく「ほぼ全部」の頂部を覆うと表現したものである。}
また、第4ないし7図を参照すると、上方ハンドル取付板33上に操作レバーが設けられていることは認識できるものの、該操作レバーが設けられる(貫通する)部分の具体的構成は必ずしも明示されていない。しかし、従来例である第3図には、収納室8の頂部を覆うダッシュパネル18に設けられた穴を、該ダッシュパネル18上にに固定される別部材(第3図には別部材の固定用と解される孔が4カ所認められる。)により上方から覆うようにした構成が示されている。この第3図の構成を見ると、該ダッシュパネル18に設けられた穴は収納室8に設けられた制御装置を操作する各種操作レバーが貫通する穴であって、前記別部材はその穴を覆うものであり、収納室8の少なくとも操作レバーが設けられる(貫通する)部分を、該別部材により、ダッシュパネル18に対して部分的な重複関係で上方から覆う構成が自明のものとして開示されているというべきである。(別部材がダッシュパネル18上に何らかの手段で固定されることにより未被覆の残部を上方から覆うことができるためには、該別部材とダッシュパネル18との間に、別部材を固定するための部分的な重複関係がなければならないことは自明である。なお、後に示す刊行物4及び5にも、リーチ型フォークリフトのパネルと操作レバーのカバーとの間に上記の部分的な重複関係を有するものが示されており、この重複関係自体はきわめて周知のものでもある。)
そして、刊行物1に接した当業者であれば、該刊行物1の第4ないし7図の考案における上方ハンドル取付板33上の操作レバーが貫通する部分の具体的構成として、当然に上記の従来例の構成が適用されたものが認識できると解されるから、刊行物1には、「収納室34の装置収納部の未被覆の残部(即ち、操作レバーが貫通する上方ハンドル取付板33に設けられた穴)を、別部材により、上方ハンドル取付板33に対して部分的な重複関係で上方から覆った」構成も開示されているものというべきである。
これらのことから、刊行物1には、本件訂正考案1の表現に合わせて表現すると、自明の事項も含め以下の考案が開示されているものと認める。
「車体の前方側に収納室34の装置収納部が配設され、該装置収納部の後方に収納室34の機器収納部と運転席35が並置されている立乗式リーチフォークリフトにおいて、前記機器収納部の頂部を覆う上方ハンドル取付板33を前記車体の前方かつ側方に(L字状に)延ばして前記装置収納部のほぼ全部の頂部を覆うと共に、前記装置収納部の未被覆の残部を、別部材により、前記上方ハンドル取付板33に対して部分的な重複関係で上方から覆って、前記上方ハンドル取付板33上のほぼ前半部を平らなスペースとしたことを特徴とする立乗式リーチフォーク。」
なお、刊行物1には、従来例として第1ないし3図と共に次の記載もある。
「従来、この種の車体は第1図に示すように、フレームAと運転席aの周囲の外装Bとより成り、フレームAは第2図に示すように、一対のリーチレッグ1,1の後端側に一対の縦部材2,2を立設固定し、かつ略コ字状となった後端部材3を固設すると共に、一対の縦部材2,2に左右側板4,4、前部下方縦板5,上方立板6、底板7を設けて収納室8を形成し、運転席右覆板9と左覆板10とを設けて運転席11を形成し、床板12を設けて機器収納室13を形成している。」(第1頁コラム1第26行-同コラム2第8行)
「そして、外装Bは第3図に示すように、前記機器収納室13を閉塞する開閉自在なるドア16と、ハンドルカバ17と、収納室8を閉塞するダッシュパネル18,前壁板19等よりなっている。・・(中略)・・ハンドルカバ17でハンドル20を支持し、機器収納室13内への雨水等の浸入を防止し、かつ外観を向上し、ダッシュパネル18で収納室8内への雨水等の浸入を防止している。」(第1頁コラム2第12-24行)
また、同じく引用した刊行物2{同、甲第3号証;実願昭61-164026号(実開昭63-148531号)のマイクロフィルム、特に第1,6図}及び刊行物3(同、甲第5号証;特開平4-89797号公報、特に第6,7図)には、リーチ式フォークリフトにおいて「パネルの操作レバーが貫通する部分を、車巾方向に関してほぼ中央で終端するパネル部により、他のパネル部に対して段差を有して上方から覆う」手段が記載されている。
なお、また、同じく引用した刊行物4{実願昭59-200841号(実開昭61-114904号)のマイクロフィルム}及び刊行物5{実願平3-42623号(実開平4-134736号)のCD-ROM}には、リーチ式フォークリフトにおいて「パネルの操作レバーが貫通する部分を、カバーにより、他のパネル部に対して部分的な重複関係で上方から覆う」手段が記載されている。
c(対比・判断)
(1)訂正明細書の請求項1に係る考案について
(対比)
刊行物1に記載された考案(前者)と訂正明細書の請求項1に係る考案(後者;以下、必要に応じ「本件訂正考案1」という。)とを対比すると、両者は、それらの部材の奏する機能から見て、前者の「収納室34の装置収納部」、「収納室34の機器収納部」、「運転席(35)」、「立乗式リーチフォークリフト」、「上方ハンドル取付板33」及び「別部材」が、それぞれその順に、後者の「コントロールユニット室(22b)」、「駆動ユニット室(21b)」、「運転室(20)」、「リーチ型フォークリフト」、「ステアリングプレート(21)」及び「インスツルメントパネル(22)」に相当するものと認める。
また、前者は、ハンドルがその上に存在すると解される収納室34の機器収納部の頂部を覆う上方ハンドル取付板33を、車体の少なくとも前方に延ばして、ハンドルが存在しないと解される収納室34の装置収納部の少なくとも一部の頂部を覆うものであるから、後者と同じく、上方ハンドル取付板33(ステアリングプレート)は収納室34の機器収納部(駆動ユニット室)を覆うだけでなく、前方に延びて収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)の少なくとも一部の頂部を覆っているので、上方ハンドル取付板33上には、それにより覆われた該装置収納部の少なくとも一部の頂部の広さに相当する、平らで十分なスペースを確保でき、また、前記機器収納部の頂部は、上方ハンドル取付板33のみにより覆われているため、少なくとも前記機器収納部への漏水はなくすことができるという効果を奏するものであることは、当業者に明らかなことである。
なお、後者にいう「処理用スペース」の「処理用」とは、単なる用途の限定であってスペース自体に格別構成上の限定を加えるものではなく、前者の上方ハンドル取付板33上の平らなスペースを伝票処理等に利用することは当業者が随意になし得ることであるから、前者の「平らなスペース」は、後者の「平らな処理用スペース」に相当する。
したがって、両者は、基本的に本件訂正明細書の請求項1に係る考案の用語に合わせて表現すると
「車体の前方側にコントロールユニット室が配設され、該コントロールユニット室の後方に駆動ユニット室と運転室とが並置されているリーチ型フォークリフトにおいて、前記駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを前記車体の少なくとも前方に延ばして、前記コントロールユニット室の少なくとも一部の頂部を覆うと共に、前記コントロールユニット室の未被覆の残部を、インスツルメントパネルにより、前記ステアリングプレートに対して部分的な重複関係で上方から覆って、前記ステアリングプレート上のほぼ前半部を平らな処理用スペースとしたことを特徴とするリーチ型フォークリフト。」であって、
ステアリングプレート上に伝票処理等に十分なスペースを確保でき、また、少なくとも駆動ユニット室への漏水はなくすことができるという効果を奏するものである点で一致し、以下の点で相違するものと認める。
相違点1:
本件訂正考案1では、駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを車体の前方に延ばしてコントロールユニット室の一部の頂部を覆うと共に、前記コントロールユニット室の未被覆の残部を、車巾方向に関してほぼ中央で終端するインスツルメントパネルにより、前記ステアリングプレートに対して段差を有して覆っているのに対し、刊行物1に記載された考案では、該上方ハンドル取付板33(ステアリングプレート)を車体の前方かつ側方にL字状に延ばして収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)のほぼ全部の頂部を覆うと共に、前記収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)の未被覆の残部を、別部材(インスツルメントパネル)により、単に前記上方ハンドル取付板33(ステアリングプレート)に対して覆っているのみで、別部材(インスツルメントパネル)は「車巾方向に関してほぼ中央で終端する」構成や「段差を有して覆う」構成は備えていない点。
(判断)
そこで、上記相違点1につき以下に検討する。
相違点1について:
本件訂正考案1と刊行物1に記載の考案とは、前述のとおり、基本的に駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを、車体の少なくとも前方に延ばして、コントロールユニット室の少なくとも一部の頂部を覆うことにより、該コントロールユニット室の頂部において伝票処理等に十分なスペースを確保し、かつ、駆動ユニット室への漏水を防止するという効果を奏する点では一致しており、本件訂正考案1が特に上記相違点1の構成を採る意義は、本件実用新案登録公報にも記載されているとおり「インスツルメントパネルに設けられた各種レバー等の視認性や操縦性を確保しながら」(同公報第3頁コラム6第15-17行)、上記の一致する効果も奏するようにする点にあるものと認められ、それ以外の格別の意義及び効果を見いだすことはできない。
そして、刊行物1に記載のリーチ型フォークリフトにおいても、そのパネル(18,33)に設けられた各種レバー等の視認性、操縦性を確保することは、当業者であれば当然に想起すべき課題であり、また、このような視認性や操縦性の確保は、例えば本件実用新案登録公報の「・・かつ、各種レバーの視認性の向上や、ハンドルの操作性の向上を図らねばならないので、ステアリングプレート10とインスツルメントパネル13との間には必然的に段差が生じ、十分なスペースを確保することが困難であった。」(同公報第2頁コラム3第38-42行)との記載からも明らかなように、各種レバー等が配置されているパネル部と他のパネル部との間に明確な段差を有することに基づくものと解されるところ、該刊行物1や本件訂正考案1と同じリーチ型フォークリフトにおいて、「(パネルの)操作レバーが貫通する部分を、車巾方向に関してほぼ中央で終端するパネル部により、他のパネル部に対して段差を有して上方から覆う」手段が、例えば前記刊行物2及び3に示されているように出願前きわめて周知の技術であり、該周知技術によれば、パネルに設けられる操作レバーの視認性、操縦性が確保できるという効果を奏することは、たとえ周知技術を示す上記刊行物にその記載が無くとも、当業者であれば客観的に自明のこととして認識しうるものと認められる。
そうすると、当業者であれば、刊行物1の上方ハンドル取付板33に設けられた操作レバーの視認性、操縦性を確保すべく、該刊行物1の別部材(第3図参照、各種操作レバーが設けられる)に対して上記周知技術を適用することにより、上方ハンドル取付板33に設けられた穴(操作レバーが貫通する)を、該別部材により、上方ハンドル取付板33に対して段差を有して上方から覆う構成とすることは、適宜きわめて容易になし得る程度のことである。
そして、上記のように上方ハンドル取付板33に対して別部材を段差を有して上方から覆うにあたり、上記本件訂正考案1の相違点1における構成要件のように、「収納室34の機器収納部(駆動ユニット室)の頂部を覆う上方ハンドル取付板33(ステアリングプレート)を車体の前方にのみ延ばして収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)の一部の頂部を覆う構成とし、それに伴って、前記収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)の未被覆の残部を、車巾方向に関してほぼ中央で終端する程度の大きさの別部材(インスツルメントパネル)により覆う」構成とするようなことは、その構成を採ることによる格別の技術的意義及び効果が認められず、また、前記周知技術が操作レバーが貫通する部分を覆うパネル部の大きさとして、車巾方向に関してほぼ中央で終端する程度のものも開示していることも考慮すると、当業者が必要に応じて適宜なし得る設計変更の域を出ないものというべきである。よって、本件訂正考案1の上記相違点1を想到することは、当業者であれば適宜きわめて容易になし得る程度のものであり、それにより奏する効果も、当業者が自明のこととして予測しうる程度のものにすぎない。
(2)訂正明細書の請求項2に係る考案について
(対比)
刊行物1に記載された考案と本件訂正明細書の請求項2に係る考案(以下、「本件訂正考案2」という。)とを対比すると、両者は、前記【2】イ.2.c(1)(対比)の項に示した一致点と基本的に同じ点において一致し、同項に示した相違点1に加え、以下の点(相違点2及び3)において相違するものと認める。
相違点2:
コントロールユニット室の後方に配設された駆動ユニット室が、本件訂正考案2ではセンタープレートにより前記コントロールユニット室から仕切られているのに対し、刊行物1に記載された考案(第4ないし7図のもの)では、かかるセンタープレートの構成は記載されておらず、収納室34の機器収納部(駆動ユニット室)は収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)から仕切られていない点。
相違点3:
インスツルメントパネルとステアリングプレートとの重複する部分における構成が、本件訂正考案2では前記ステアリングプレートの上方延出縁部が、前記センタープレートよりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネルの下方延出縁部の内側に配設されているのに対し、刊行物1のものでは、かかる重複する部分における構成は記載されていない点。
(判断)
そこで、これらの各相違点につき検討するに、相違点1については先の訂正考案1についての相違点と同じであるから、その判断についても前記【2】イ.2.c(1)(判断)の項において示した相違点1についての判断と同じであり、その内容をここに引用する。
相違点2について:
刊行物1には、その従来例として、第2図と共に前記のとおり「・・フレームAは第2図に示すように、一対のリーチレッグ1,1の後端側に一対の縦部材2,2を立設固定し、かつ略コ字状となった後端部材3を固設すると共に、一対の縦部材2,2に左右側板4,4、前部下方縦板5,上方縦板6、底板7を設けて収納室8を形成し、運転席右覆板9と左覆板10とを設けて運転席11を形成し、床板12を設けて機器収納室13を形成している。」と記載されているところであり、基本的にその上方縦板6で収納室8と機器収納室13とを仕切っていることが明かであるから、該上方縦板6が本件訂正考案2にいうセンタープレートに相当する。そうすると、刊行物1の第4ないし7図に示されたものにおける収納室34に対して、該従来例における上方縦板6に相当する部材を設けて、装置収納部(コントロールユニット室)と機器収納部(駆動ユニット室)とを仕切るように構成すること、即ち本件訂正考案2の上記相違点2を想到することは、当業者が単なる設計変更として適宜なし得る程度のものであり、それによる格別の効果も認められない。
相違点3について:
本件訂正考案2の上記相違点3の構成は、それにより重複部分における漏水の可能性もなくするようにするものであるが、一般に、2つの部材を有する構造物において、防水のために、一方の部材に上方延出縁部を設け、該縁部を他方の部材に設けた下方延出縁部の内側に配設した構成を採ることは、出願前きわめて周知・慣用の技術にすぎない。
{要すれば、実願昭56-56398号(実開昭57-169656号)のマイクロフィルム;蓋受け部4と突条11との関係、実願昭61-175538号(実開昭63-80708号)のマイクロフィルム;内縁部5aと垂下周壁4aとの関係、特開平5-112259号公報;プレート25の上方延出縁部とコントローラカバー21の下方延出縁部との関係、等参照。}
そうすると、刊行物1には「・・ハンドルカバ17でハンドル20を支持し、機器収納室13内へ雨水等の浸入を防止し、かつ外観を向上し、ダッシュパネル18で収納室8内への雨水等の浸入を防止している。」(第1頁コラム2第21-24行)とも記載されているのであるから、別部材により上方ハンドル取付板33に設けられた穴(操作レバーが貫通する)を覆う場合に、当業者であればその部分に対して雨水等の浸入を防止するという課題も当然に想起すべき課題であり、該課題を解決すべく上記周知技術を該部分に適用することは当業者がきわめて容易になし得ることと認められる。そして、収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)の後方に、センタープレートにより該装置収納部から仕切られた機器収納部(駆動ユニット室)が配設されたフォークリフトにおいて、その装置収納部の頂部を覆う上方ハンドル取付板33(ステアリングプレートに相当)に対して別部材(インスツルメントパネルに相当)を部分的な重複関係で上方から覆う部分に該周知技術を適用すれば、「(その重複する部分において)上方ハンドル取付板33の上方延出縁部が、前記センタープレートよりも車体の前方側で、前記別部材の下方延出縁部の内側に配設されている」という構成が自動的(必然的)に得られるのであるから、当業者であれば、本件訂正考案2の上記相違点3を想到することも適宜きわめて容易になし得た程度のものであり、それによる効果も、当業者が当然に予測しうる程度のものにすぎない。
結局、前記相違点1ないし3は格別のものでなく、前記相違点1ないし3を総合的に検討してもその奏される効果は当業者が当然に予測できる範囲内のものと認められ、本件訂正考案2に格別すぐれた点を見いだすことはできない。
(3)まとめ
したがって、訂正明細書の請求項1,2に係る考案はいずれも、上記刊行物1に記載された考案と上記各周知技術とに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
ウ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項においてさらに準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。

【3】実用新案登録異議の申立てについて
ア.本件請求項1,2に係る考案
本件実用新案登録第2571930号の請求項1,2に係る考案は、それぞれその請求項1,2に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】車体の前方側にコントロールユニット室が配設され、該コントロールユニット室の後方に駆動ユニット室と運転室とが並置されているリーチ型フォークリフトにおいて、前記駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを前記車体の前方に延ばして前記コントロールユニット室の一部の頂部を覆うと共に、前記コントロールユニット室の未被覆の残部をインスツルメントパネルにより上方から覆うことを特徴とするリーチ型フォークリフト。」
「【請求項2】車体の前方側にコントロールユニット室が配設され、該コントロールユニット室の後方に、センタープレートにより前記コントロールユニット室から仕切られた駆動ユニット室と、運転室とが配設されているリーチ型フォークリフトにおいて、前記駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを前記車体の前方に延ばして前記コントロールユニット室の一部の頂部を覆い、前記コントロールユニット室の未被覆の残部を、インスツルメントパネルにより前記ステアリングプレートに対して部分的な重複関係で上方から覆い、前記重複する部分においては、前記ステアリングプレートの上方延出縁部が、前記センタープレートよりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネルの下方延出縁部の内側に配設されていることを特徴とするリーチ型フォークリフト。」
イ.3条2項違反について
当審が取消理由通知で示した刊行物1,3,5には、それぞれその順に前記【2】イ.2.bに刊行物1,2,3として示した内容のものが記載されている。
(なお、同じく取消理由通知で引用した刊行物2には、基本的に刊行物1と同じ内容のものが記載されている。)
また、同じく取消理由通知で引用した刊行物4(特に第3図)には、リーチ型フォークリフトにおいて「操作レバーが設けられるカバー(パネル)部を他のパネル部に対して上方から覆う」構成が記載されている。
また、同じく引用した刊行物6には、フォークリフトにおいて「(パネル部の)動力室の未被覆の残部を、弾性カバによりパネルに対して部分的な重複関係で上方から覆う」構成が記載されている。
また、同じく引用した刊行物7には、フォークリフトのコントローラ収容構造において、防水のために「一方の部材(プレート)に上方延出縁部を設け、該縁部を他方の部材(コントローラカバー)に設けた下方延出縁部の内側に配設した」構成を採ることが記載されている。
1.請求項1に係る考案について
(対比)
刊行物1に記載された考案と本件請求項1に係る考案(以下「本件考案」という。)とを対比すると、両者は、本件考案の用語を用いて表現すると、
「車体の前方側にコントロールユニット室が配設され、該コントロールユニット室の後方に駆動ユニット室と運転室とが並置されているリーチ型フォークリフトにおいて、前記駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを前記車体の少なくとも前方に延ばして、前記コントロールユニット室の少なくとも一部の頂部を覆うと共に、前記コントロールユニット室の未被覆の残部をインスツルメントパネルにより上方から覆うことを特徴とするリーチ型フォークリフト。」であって、ステアリングプレート上に伝票処理等に十分なスペースを確保でき、また、少なくとも駆動ユニット室への漏水はなくすことができるという効果を奏するものである点で一致し、以下の点で相違するものと認める。
相違点1’:
本件考案1では、駆動ユニット室の頂部を覆うステアリングプレートを車体の前方に延ばしてコントロールユニット室の一部の頂部を覆うと共に、該コントロールユニット室の未被覆の残部をインスツルメントパネルで覆うのに対し、刊行物1に記載された考案では、該上方ハンドル取付板33(ステアリングプレート)を車体の前方かつ側方にL字状に延ばして収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)のほぼ全部の頂部を覆うと共に、該収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)の未被覆の残部を別部材(インスツルメントパネル)で覆う点。
(判断)
相違点1’に関し、本件考案1と刊行物1に記載の考案は、コントロールユニット室を覆うパネル部材では覆われない(操作レバーが貫通する)未被覆の残部は、別部材により覆うという点では一致しているから、上記相違点1’は要するに、(本件考案1のように)ステアリングプレートでコントロールユニット室の一部の頂部を覆うか、或いは(刊行物1のように)該プレートを前方かつ側方にまでL字状に延ばしてコントロールユニット室のほぼ全部の頂部を覆うかの相違に帰着するものであり、そのような相違による格別の意義・効果も認められないのであるから、本件考案の上記相違点1’は、当業者が適宜きわめて容易になし得る設計変更の域を出ないものというべきである。
2.本件請求項2に係る考案について
(対比)
刊行物1に記載された考案と本件請求項2に係る考案(以下「本件考案2」という。)とを対比すると、両者は、基本的に上記の本件考案1との対比における一致点と同じ点で一致し、同じく上記の本件考案1との対比における相違点1’に加え、以下の点(相違点2’,3’)において相違する。
相違点2’:
コントロールユニット室の後方に配設された駆動ユニット室が、本件考案2ではセンタープレートにより前記コントロールユニット室から仕切られているのに対し、刊行物1に記載された考案(第4ないし7図のもの)では、かかるセンタープレートの構成は記載されておらず、収納室34の機器収納部(駆動ユニット室)は収納室34の装置収納部(コントロールユニット室)から仕切られていない点。
相違点3’:
インスツルメントパネルとステアリングプレートとの重複する部分における構成が、本件考案2では前記ステアリングプレートの上方延出縁部が、前記センタープレートよりも前記車体の前方側で、前記インスツルメントパネルの下方延出縁部の内側に配設されているのに対し、刊行物1のものでは、かかる重複する部分における構成は記載されていない点。
(判断)
上記相違点2’及び3’につき検討するに(相違点1’については既述のとおりである)、相違点2’及び相違点3’は、前記【2】イ.2.c(2)(対比)の項に示した本件訂正考案2との対比における相違点2及び相違点3と同じであり、その判断についても前記【2】イ.2.c(2)(判断)の項に示した相違点2及び相違点3についての判断と同じであるから、その内容をここに引用する。
結局、前記相違点1’ないし3’を総合的に検討しても、その奏される効果は当業者が当然に予測できる範囲内のものと認められ、本件考案2に格別すぐれた点を見いだすことはできない。

【4】むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1,2に係る考案は、上記刊行物1に記載された考案と各周知技術とに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
したがって、本件請求項1,2に係る考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
異議決定日 2000-09-05 
出願番号 実願平5-43369 
審決分類 U 1 651・ 121- ZB (B66F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 鈴木 久雄  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 西川 一
岩本 正義
登録日 1998-02-27 
登録番号 実用新案登録第2571930号(U2571930) 
権利者 株式会社豊田自動織機製作所
愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地
考案の名称 リーチ型フォークリフト  
代理人 曾我 道照  
代理人 池谷 豊  
代理人 長谷 正久  
代理人 古川 秀利  
代理人 福井 宏司  
代理人 曾我 道治  
代理人 鈴木 憲七  
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