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審決分類 審判 全部申し立て   H02K
管理番号 1028405
異議申立番号 異議1999-74388  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-11-24 
確定日 2000-11-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2597369号「 減速機構付モータ」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2597369号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
実用新案登録第2597369号の請求項1に係る考案は、平成5年3月19日に出願され、平成11年4月30日に実用新案権の設定登録がなされ、その登録実用新案について、平成11年11月24日に前田安昭より実用新案登録異議の申立がさなれ、取消理由通知がされて、その指定期間内である平成12年7月31日に訂正請求がされたものである。
2.訂正の許否について
(1)訂正内容
本件訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、(a)請求項1の「減速機構を収納するギアケースと、前記ギアケースの開口部を閉塞するギアカバーと、電機子、ブラシばね片に支持されて電機子に電流を供給するブラシ、およびブラシばね片を保持するホルダベースを収納し、前記ギアケースに連結されたモータヨークとを備えた減速機構付モータにおいて、前記ホルダベースに支持され、一端部に前記ブラシばね片が一体的に結合され、他端部には前記ギアケースに突出した接続部が形成された通電用プレートを備え、前記ホルダベースには、前記通電用プレートの接続部を支持する支持部が前記ギアケースに突出して形成され、前記ギアケースへの組付けと同時に前記ホルダベースの支持部に直交して嵌入されて前記通電プレートの接続部に電気的に接続される接続端子が設けられていることを特徴とする減速機構付モータ。」との記載を、「減速機構を収納するギアケースと、前記ギアケースの開口部を閉塞するギアカバーと、電機子、ブラシばね片に支持されて電機子に電流を供給するブラシ、およびブラシばね片を保持するホルダベースを収納し、前記ギアケースに連結されたモータヨークとを備えた減速機構付モータにおいて、前記ギヤカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、前記ホルダベースに支持され、一端部に前記ブラシばね片が一体的に結合され、他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギヤカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、前記ホルダベースには、前記通電用プレートの接続部を支持する支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され、前記ギアケースへの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電プレートの接続部に電気的に接続されることを特徴とする減速機構付モータ。」と訂正し、また、この訂正との整合性を図るため明りょうでない記載の釈明を目的として、(b)発明の詳細な説明の「において、前記ホルダベースを」(特許公報2頁左欄43行)との記載を、「において、前記ギアカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、前記ホルダベースを」と訂正し、同じく、(c)発明の詳細な説明の「他端部には前記ギアケースに突出した接続部が形成された通電用プレートを備え、」(2頁左欄45行乃至46行)との記載を、「他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギアカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、」と訂正し、同じく、(d)「支持部が前記ギアケースに突出して形成され」(2頁左欄48行)との記載を、「支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され」と訂正し、同じく、(e)「前記ギアカバーには、前記ギアケースへの組付けと同時に前記ホルダベースの支持部に対して直交して嵌入されて前記通電用プレートの接続部に電気的に接続される接続端子が設けられていること」(2頁左欄48行乃至右欄2号)との記載を、「前記ギアカバーの前記ギアケースへの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電用プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電用プレートの接続部に電気的に接続されること」と訂正し、さらに、誤記の訂正を目的として、(f)「ギアケース14側」(3頁左欄27行)との記載を、「ギアケース7側」と訂正し、同じく、(g)「各ブラシ34?37」(3頁左欄18行乃至19行)との記載を、「各ブラシ34?36」と訂正しようとするものである。
(2)訂正要件の適否の検討
(2)-1.訂正の目的の適否、新規事項の有無、実質上拡張・変更の存否
訂正事項(a)は、訂正前明細書(実用新案登録公報)に実施例として記載されていた、ギアカバーには外部接続用の接続端子が設けられていること、通電プレートの他端部がギアケースに突出していて外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成されていること、支持部がギアケースに突出してホルダーベースと一体に形成されていること、を付加限定するもので、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、これによって訂正前と訂正後において請求項1に係る考案の技術思想が変わるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、訂正事項(b)乃至(e)は訂正事項(a)との整合性を図るものであって、明りょうでない記載の釈明に該当し、新規事項を追加するものではない。
さらに、訂正事項(f)、(g)により訂正しようとする「ギアケース14側」、「各ブラシ34?37」との記載は訂正前明細書の他の記載及び図面の記載に照らして誤記であることは明らかであり、これらを「ギアケース7側」、「各ブラシ34?36」と訂正しても実用新案登録請求の範囲を実質上拡張又は変更するものではない。
(2)ー2.出願の際独立して実用新案登録を受けることができるかについて
(イ).訂正後の請求項1に係る考案は、訂正明細書の実用新案登録請求の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「減速機構を収納するギアケースと、前記ギアケースの開口部を閉塞するギアカバーと、電機子、ブラシばね片に支持されて電機子に電流を供給するブラシ、およびブラシばね片を保持するホルダベースを収納し、前記ギアケースに連結されたモータヨークとを備えた減速機構付モータにおいて、前記ギヤカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、前記ホルダベースに支持され、一端部に前記ブラシばね片が一体的に結合され、他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギヤカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、前記ホルダベースには、前記通電用プレートの接続部を支持する支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され、前記ギアケースへの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電プレートの接続部に電気的に接続されることを特徴とする減速機構付モータ。」(以下、本件考案という。)
(ロ).引用例
当審の取消理由で引用した特表平4-501650号公報(以下、引用例1という。)に、「第1図及び第2図に示す風防ガラスワイパーモーターが、底21を持つ深絞りで作られたコップ形モーターハウジング20を持つ。モーターハウジングの開口側に、エンドシールド23を持つギヤハウジング22がフランジ接続されている。モーターの電機子24のシャフト25が、底21の球形ベヤリング26と、モーターハウジングに面するエンドシール23の内側部に設けられたボールベヤリング27と、に回転可能に装着されている。この電機子シャフト25がエンドシール23の穴を介してギヤハウジング22の中に突出し、その部分にウオームホイール29と噛み合っている。エンドシール23の内側に真平らなブラシホルダープレート35が取り付けられ、これが電機子シャフト25に直交し、エンドシールド23に面していない反対側に3つの金属管のブラシホルダー36を携え、その内の2つが第1図及び第2図に示されている。管状のブラシホルダー36の中にカーボンブラシ37が置かれ、これが整流子39のラミネーション即ち積層軟鋼板38に当設している。」(4頁右下欄3行乃至行)、「ギヤハウジングのコップ形部22の側壁46及び中間壁47がカバー48の支持面の働きをなし、このカバーは平らな鋼板から打ち抜かれたもので、ギヤハウジングのコップ形部22とポケット44とを閉ざす。」(5頁左上欄7行乃至10行)、「各コイル41がその1側で薄板の金属片57と接触し、これが室55を仕切る壁を通ってブラシホルダープレート35に向かって導かれ、このプレートを貫通する。コード58が金属片57に溶接される。コイルの反対側が各々、例えば溶接によって、2枚の金属片59の1つに、その一方が一方のキャパシタの端子に、又他の一方が他の一方のキャパシタの端子に、それぞれ接続される。更に、パンチーベンディング法によって、金属片59の各々が1つのレセプタクル60と一体に形成されている。この2つのレセプタクルがカバー48に対して直角方向に伸び、保持デバイス40の2つの室61に差し込まれる。」(5頁左欄25行乃至右欄9行)、「2つのプラグ65がカバーに電気絶縁状態で射出成形されたプラスチック部材を貫通し、金属片59のレセプタクル60の中に置かれる。カバーの外側で、図示されていないケーブルとこれら2つのプラグ65を繋ぐことが出来る。」(5頁右欄18行乃至21行)、「保持デバイス40をブラシホルダープレート35に良好な機械的結合状態で固定し、この2つの部分を組み立てることによって、予め組立てられた1つの構造ユニットを形成することが出来る。電動モーターの最終組立てにおいて、この構造ユニットがエンドシールド23に対して直角方向からモーターに取り付けられる。この場合、保持デバイス40を通路43の中に通し、これがギヤハウジングのコップ形部22が、カバー48を取り付け、プラグ64、65をレセプタクル60の中に押し込むことによって閉ざされる。」(5頁左下欄6行乃至15行)と記載されていることが認められ、これらの記載によれば、引用例1には、「減速機構を収納するギヤハウジングと、ギヤケースの開口部を閉塞するカバーと電機子、電機子、ブラシホルダーに支持されて電機子に電流を供給するカーボンブラシ、およびブラシホルダーを保持するブラシホルダープレートを収納し、前記ギヤハウジングに連結されたモーターハウジングとを備えた減速機構付モーター、前記ブラシホルダープレートを貫通してブラシホルダープレートに支持され、一端部に前記ブラシホルダーがコードを介して結合され、他端部には雑音制限用コイルが接続される金属片が設けられ、カバーには、ギヤハウジングへの組付けと同時に、コイルのレセプタクルに電気的に接続されるプラグが設けられている減速機構付モーター。」との発明(以下、引用例1考案という。)が開示されていると認められる。
同じく、特開平5ー15097号公報(以下、引用例2という。)に「図面において、1は減速機構付きのモータであって、該モータ1は、内周に磁石2が固着されるヨーク3、該ヨーク3内に軸承されるモータ軸4、該モータ軸4に組付けられるアマチュアコア5およびコンミテータ6、該コンミテータ6に摺接する一対のブラシ7、該ブラシ7を保持するブラシホルダ8、前記ヨーク3の開口を覆蓋するエンドケース9、該エンドケース9に組込まれる減速機構10等で構成されるが、」(2欄27行乃至34行)、「13?16はブラシホルダ8に組付けられるターミナルであって、これらターミナル13?16は、ブラシホルダ8の一端面にモータ軸4の軸方向を向き、かつブラシホルダ8の外周に沿う方向に並ぶよう突設されるものであるが、ターミナル13?16のうち、ターミナル13、15の基端は前記ブラシ7にそれぞれ接続され、」(2欄46行乃至3欄2行 )、「各ターミナル先端のリード線接続部13a?16aは、モータ軸4の軸回り方向および軸方向に順次位置をずらすようにしてエンドケース9から外部に露出している。」(3欄13行乃至16行)と記載されていることが認められる。
(ハ).対比・判断
本件考案と引用例1考案とを対比するに、まず、両者で使用されている用語につきそれらの技術的意味ないし機能の観点から検討すると、引用例1発明の、「ギアハウジング」、「カバー」、「カーボンブラシ」、「ブラシホルダープレート」、「モータハウジング」、「レセプタクル」はそれぞれ本件発明の「ギアケース」、「ギアカバー」、「ブラシ」、「ホルダーベース」、「モータヨーク」、「支持部」に相当するから、両者は「 減速機構を収納するギアケースと、前記ギアケースの開口部を閉塞するギアカバーと、電機子、ブラシばね片に支持されて電機子に電流を供給するブラシ、ホルダベースを収納し、前記ギアケースに連結されたモータヨークとを備えた減速機構付モータにおいて、前記ギヤカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、ブラシに対する通電用部材を設けた減速機構付モータ。」の点で一致し、
本件考案の通電用部材が、ホルダーベースを貫通してホルダーベースに支持され、一端部にブラシばね片が一体的に結合され、他端部にはギアケースに突出し、ギアカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体的に形成された通電プレートを備え、かつ、ホルダーベースには通電用プレートの接続部を支持する支持部がギアケースに突出してホルダーベースと一体に形成され、外部接続用の接続端子がホルダーベースの支持部の通電プレートを支持している面に直交して嵌入され、外部接続用の接続端子がホルダーベースの支持部の通電プレートを支持している面に直交して嵌入されるるのに対し、引用例1考案の通電部材は、雑音制限用コイル等を接続した金属片がピンを介してホルダーベースを貫通し、一端部にブラシホルダーがコードを介して結合されている点、で相違する。
そこで、前記 相違点について検討するに、前示引用例2の記載によれば、引用例2からは、本件考案に相当するものとして、プレートであるターミナル(本件考案の通電用プレートに相当する。)の基端で、ブラシを支持するブラシ片を一体的に結合する構成を読み取ることができるものの、本件発明の前記相違点に係る 、ホルダーベースには通電用プレートの接続部を支持する支持部がギアケースに突出してホルダーベースと一体に形成され、外部接続用の接続端子がホルダーベースの支持部の通電プレートを支持している面に直交して嵌入される構成まで読み取れるものではない。
すなわち、引用例1考案の金属片、コード、ブラシホルダーに代えて引用例2の前示構成を使用してもその通電プレートはコイルに接続されることになり(引用例1考案は雑音制限用のキャパシタ、雑音制限用のコイルを必須の構成要件とするものであるから、これらを除いて引用例1発明を認定することはできない。)、本件考案の前記したホルダーベースには通電用プレートの接続部を支持する支持部がギアケースに突出してホルダーベースと一体に形成され、外部接続用の接続端子がホルダーベースの支持部の通電プレートを支持している面に直交して嵌入される構成を導き出すことはできないというべきである。
そして、本件考案は、この構成により「以上説明したように、本考案の減速機構付モータによれば、ブラシからギアケースの外部に至る通電系統をホルダーベースの通電用プレートおよびギアカバーの接続端子により構成し、リード線を一切廃止したことから、ホルダーベースとともにモータヨークとギアケースを組立てる際、あるいはギアケースとギアカバーを組立てる際に、リード線を挟み込むような不具合を解消することができ、しかも、ギアケースとギアカバーとの組立てと同時に通電用プレートと接続端子との電気的接続がされるので、組立て作業を著しく容易なものにすることができる。」(訂正明細書段落【0027】)という、引用例1及び引用例2からは予測することのできない作用効果を奏するものであるから、本件考案が引用例1及び引用例2の記載に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものということはできない。
したがって、本件考案は出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
なお、異議申立人の提出した甲第3号証にも本件考案の前記相違点に係る構成は示されていない。
2-(3).むすび
以上のとおり、本件訂正は、適法なものであるからこれを認める。
3.特許異議の申立てについての判断
3-(1)申立の理由の概要
申立人前田安昭は、請求項1に係る考案は、甲第1号証(特表平4-401650号公報)及び甲第2号証(特開平5-15097号公報)をもとにきわめて容易に考案をするこができたものであり、実用新案法3条2項の規定により、実用新案登録を受けることができないものであるから、これを取り消すべきであると主張している。
3-(2)判断
本件考案は、前記2ー(2)ー(ハ).で示したように取消通知で示した各引用例 から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものということはできない(甲第3号証についても前示のとおりである。)。
また、他に本件考案に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
減速機構付モータ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 減速機構を収納するギアケースと、
前記ギアケースの開口部を閉塞するギアカバーと、
電機子、ブラシばね片に支持されて電機子に電流を供給するブラシ、およびブラシばね片を保持するホルダベースを収納し、前記ギアケースに連結されたモータヨークとを備えた減速機構付モータにおいて、
前記ギヤカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、
前記ホルダベースを貫通してホルダベースに支持され、一端部に前記ブラシばね片が一体的に結合され、他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギヤカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、
前記ホルダベースには、前記通電用プレートの接続部を支持する支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され、
前記ギヤカバーの前記ギアケースヘの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電用プレートの接続部に電気的に接続されることを特徴とする減速機構付モータ。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、ワイパモータとして使用される減速機構付モータの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6および図7は、従来における減速機構付モータとしてのワイパモータを説明する図である。図6に示すワイパモータ100は、電機子などを収納したモータヨーク101の開口端に、減速機構を収納したギヤケース102が連結してある。
【0003】
図7に示すホルダベース103は、前記モータヨーク101の内側に設けてあって、その中央に位置する整流子(図示せず)に対して、ブラシホルダ104を3箇所に備えると共に、各ブラシホルダ104内に、ブラシ付勢用のスプリングとともにブラシ105が収容してある。各々のブラシ105には、リード線106?108の一端部が接続してあり、各リード線106?108の他端部には、外部端子109?111が取付けてある。
【0004】
各リード線106?108は、ホルダベース103の外周部に形成した凹凸部分に係止して一箇所に集められ、図6に示す如くギヤケース102の外側に導き出されると共に、ギヤケース102の外側にねじ止めしたコネクタ接続用のターミナルブロック112に、各々の外部端子109?111を挿設する。
【0005】
また、前記ホルダベース103は、ギヤケース102に複数のねじで固定してあって、モータヨーク101とギヤケース102を連結した状態において、モータヨーク101の内側に位置することとなる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のワイパモータ100にあっては、各ブラシホルダ104に収容されるブラシ105にリード線106?108を各々接続し、これらのリード線106?108をホルダベース103に係止して外部に導き出すようにしていたため、ギヤケース102にホルダベース103を取付ける際、あるいはその後モータヨーク101とギヤケース102を連結する際に、リード線106?108を挟み込む恐れがあり、この場合、断線やショート、あるいは整流子に対するブラシ105の圧接力低下が生じる原因になり得るので、このような不具合を解決することが課題であった。
【0007】
【考案の目的】
本考案は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、ブラシからギヤケースの外部に至る通電系統の組付け作業性を高めることができる減速機構付モータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案に係わる減速機構付モータは、減速機構を収納するギアケースと、
前記ギアケースの開口部を閉塞するギアカバーと、
電機子、ブラシばね片に支持されて電機子に電流を供給するブラシ、およびブラシばね片を保持するホルダベースを収納し、前記ギアケースに連結されたモータヨークとを備えた減速機構付モータにおいて、
前記ギヤカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、
前記ホルダベースを貫通してホルダベースに支持され、一端部に前記ブラシばね片が一体的に結合され、他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギヤカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、
前記ホルダベースには、前記通電用プレートの接続部を支持する支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され、
前記ギヤカバーの前記ギアケースヘの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電用プレートの接続部に電気的に接続される構成としており、これらの構成を従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】 削除
【0010】
【考案の作用】
本考案に係わる減速機構付モータでは、ブラシからギアケースの外部に至る通電系統が、通電用プレートの一端部に設けたばね片、通電用プレート自体、通電用プレートの他端部に設けた接続部、およびホルダベースの支持部への嵌入に伴って通電用プレートの接続部に接続されるギアカバーの接続端子により構成されることとなって、リード線が一切不要となり、しかも、ホルダベースの通電用プレートとギアカバーの接続端子とは、ギアケースにギアカバーを組付けるのと同時に電気的に接続される。
【0011】 削除
【0012】
【実施例】
以下、図1?図5に基づいて、本考案の一実施例を説明する。この実施例では、本考案に係わる減速機構付モータがワイパモータである場合を示している。
【0013】
ワイパモータ1は、図2?図5に示すように、モータ軸2に嵌装した電機子3および整流子4とともにマグネット5などを収納したモータヨーク6の開口端6aに、減速機構を内蔵したギヤケース7が連結してあって、モータ軸2の先端側がホルダベース8を貫通してギヤケース7内に突出している。
【0014】
前記減速機構は、モータ軸2の先端部に一体で形成した歯すじが互いに反対方向を向く2個のウォーム2a,2bと、モータ軸2の両側に対向して配置されてウォーム2a,2bにそれぞれ噛み合う2個の減速ウォームホイール9,10と、これらの減速ウォームホイール9,10にそれぞれ同軸でかつ一体に設けた2個の減速ピニオン9a,10aと噛み合う出力ギヤ11とから構成してある。
【0015】
この場合、ギヤケース7は、図2上側で開口するものとしてあり、2個の減速ウォームホイール9,10は、各々のピン穴9b(一方のみ示す)をギヤケース7の底部に設けたピン12(一方のみ示す)にそれぞれ嵌合して支持されるようにしてあると共に、出力ギヤ11はギヤケース7の底部を貫通して抜け止めされた出力軸13の端部に固定してある。前記ギヤケース7の底部には、モータ軸2を減速ウォームホイール9,10の間から抜き取るための逃げ溝7aが設けてある。
【0016】
また、ギヤケース7の開口端は、ねじ15で固定されるギヤカバー14で閉塞してある。このギヤカバー14は、合成樹脂により形成したものであって、その内側面には減速ウォームホイール9,10における各減速ピニオン9a,10aの先端にほぼ当接する突部14a(一方のみ示す)が一体で設けてあり、減速ウォームホイール9,10が軸方向に移動するのを阻止するようにしている。
【0017】
前記ギヤカバー14の上面には、補強リブ14b,14bおよびブロック装着部14cが一体で設けてある。前記ブロック装着部14cは、高回転用端子17および低回転用端子18と、ギヤカバー14の内側面に設けたオートストップスイッチ22に接続するアース端子19およびオートストップ端子20と、電源用端子21とを保持したターミナルブロック29を嵌合しており、ターミナルブロック29はコネクタカバー30で覆ってある。
【0018】
前記ホルダベース8は、合成樹脂製であって、図1に示すように、モータ軸2を中心にしてリング状を成し、モータヨーク6側となる面に、通電性を有する板材を屈曲成形して成る3枚の通電用プレート31?33が配設してある。これらは、高回転用ブラシ34に通じる通電用プレート31、低回転用ブラシ35に通じる通電用プレート32、および電源用ブラシ36に通じる通電用プレート33である。
【0019】
各通電用プレート31?33は、ホルダベース8に設けた保持部8a?8cに各々の一端部が嵌合してあって、これらの一端部に、通電性を有するばね片37?39が一体的に結合してあり、各ばね片37?39を介して、前記各ブラシ34?36が設けてある。なお、電源用ブラシ36の通電用プレート33にはサーキットブレーカ40が設けてある。
【0020】
また、ホルダベース8のモータヨーク外側つまりギアケース7側となる面には、ギヤカバー14側となる上部に、支持部41が一体的に突設してあって、この支持部41には、各通電用プレート31?33の他端部に形成した接続部が互いに絶縁状態で支持されている。この実施例の場合、支持部41は、図1(b)に示す如く、高回転用ブラシ34の通電用プレート31、低回転用ブラシ35の通電用プレート32、電源用ブラシ36の通電用プレート33を横に並べた状態にしており、その先端部分を図1(a)上側となるギヤカバー14側に開放させている。
【0021】
さらに、前記ホルダベース8は、その上部に、半径方向に突出する突片8dが形成してあって、下部に通したねじ42でギヤケース7に固定され、モータヨーク6とギヤケース7を連結する際に、とくに図2に示すように、モータヨーク6の内面に形成したホルダベース位置決め用の突部6bとギヤケース7とで前記突片8dを挟持することにより、モータヨーク6の内側に位置して完全に固定されている。
【0022】
一方、前記ギヤカバー14における各端子17?21は、ギヤカバー14を貫通してその下側で前記ブラシ34?36側およびオートストップスイッチ22側と接続している。とくに、高回転用端子17,低回転用端子18および電源端子21にかしめによりそれぞれ連結した鉤状をなす接続端子18a(高回転用端子17および電源用端子21の各接続端子は省略)は、その下端部が、ギヤカバー14の組付けと同時にホルダベース8の支持部41に直交して嵌入され、各々の通電用プレート31?33の接続部との電気的な接続がなされるようにしてある。
【0023】
また、オートストップスイッチ22は、オートストップ端子20に接続しかつ絞り加工により回転軸23aを一体で形成したオートストッププレート23と、このオートストッププレート23の回転軸23aにプッシュナット24により回転可能に嵌装したコンタクタ25と、アース端子19に接続しかつコンタクタ25の接点25aが接触・離間するアースプレート26と、電源接続プレート27を具備しており、図外のワイパスイッチをオフ操作した際に、コンタクタ25の接点25aが電源接続プレート27に接触するようにコンタクタ25を回転させてこのワイパモータ1を所定の状態で停止させるようにしている。
【0024】
上記のワイパモータ1は、各ブラシ34?36からギアケース7の外部つまりギアカバー14に設けた外部の高回転用端子17、低回転用端子18および電源用端子21に至る通電系統が、各通電用プレート31?33の一端部に設けたばね片37?39、通電用プレート31?33自体、通電用プレート31?33の他端部に設けた接続部、およびホルダベース8の支持部41への嵌入に伴って通電用プレート31?33の接続部に接続される接続端子18aにより構成されることとなって、従来使用していたリード線を一切不要にしており、しかも、ばね片37?39の弾性力で各ブラシ34?36を整流子4に圧接させるようにしている。
【0025】
また、上記のワイパモータ1では、モータヨーク6の内面に形成したホルダベース位置決め用の突部6bと、同モータヨーク6の開口端に連結されるギヤケース7とでホルダベース8の突片8dを挟持することから、ギヤケース7に対するホルダベース8のねじ止めが一箇所だけで充分であり、これにより、組付けが簡単になると共に、ホルダベース8上における通電用プレート31?33等の配置の自由度が増すこととなる。
【0026】
なお、この実施例では、本考案に係わる減速機構付モータがワイパモータである場合を示したが、これに限定されるものではない。また、本考案に係わる減速機構付モータの詳細な構成は、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
【0027】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の減速機構付モータによれば、ブラシからギアケースの外部に至る通電系統をホルダベースの通電用プレートおよびギアカバーの接続端子により構成し、リード線を一切廃止したことから、ホルダベースとともにモータヨークとギアケースを組立てる際、あるいはギアケースとギアカバーを組立てる際に、リード線を挟み込むような不具合を解消することができ、しかも、ギアケースとギアカバーとの組立てと同時に通電用プレートと接続端子との電気的接続が成されるので、組立て作業を著しく容易なものにすることができる。
【0028】 削除
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案に係わる減速機構付モータの一実施例を示すワイパモータのモータヨーク側を省略した状態の説明図(a)およびホルダベースの側面図(b)である。
【図2】
図1(a)に示したワイパモータの部分破砕側面説明図である。
【図3】
図1(a)に示したワイパモータのギヤカバーを外した状態の部分破砕平面説明図である。
【図4】
図1(a)に示したワイパモータの平面説明図である。
【図5】
図1(a)に示すワイパモータのギヤケース部分の断面説明図である
【図6】
従来における減速機構付モータとしてのワイパモータを説明する平面図である。
【図7】
図6に示すワイパモータのホルダベースを説明する正面図である。
【符号の説明】
1 ワイパモータ(減速機構付モータ)
6 モータヨーク
6b (ホルダベース位置決め用の)突部
7 ギヤケース
14 ギアカバー
18a 接続端子
8 ホルダベース
31?33 通電用プレート
34?36 ブラシ
37?39 ばね片
41 支持部
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の第5行?第6行の『において前記ホルダベースを』を実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、『において、前記ギアカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、前記ホルダベースを』と訂正する。
これに伴い、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合性を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書第【0008】欄の第6行?第7行(実用新案登録公報第2597369号の第2頁左欄第43行)の『において、前記ホルダベースを』を『において、前記ギアカバーには、外部接続用の接続端子が設けられ、前記ホルダベースを』と訂正する。
▲2▼訂正事項b
実用新案登録請求の範囲の第7行?第8行の『他端部には前記ギアケースに突出した接続部が形成された通電用プレートを備え、』を実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、『他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギアカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、』と訂正する。
これに伴い、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合性を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書第【0008】欄の第8行?第9行(実用新案登録公報第2597369号の第2頁左欄第45行?第46行)の『他端部には前記ギアケースに突出した接続部が形成された通電用プレートを備え、』を『他端部には前記ギアケースに突出し、前記ギアカバーの外部接続用の接続端子に接続される接続部が一体に形成された通電用プレートを備え、』と訂正する。
▲3▼訂正事項c
実用新案登録請求の範囲の第9行?第10行の『支持部が前記ギアケースに突出して形成され』を実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、『支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され』と訂正する。
これに伴い、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合性を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書第【0008】欄の第10行?第11行(実用新案登録公報第2597369号の第2頁左欄第48行)の『支持部が前記ギアケースに突出して形成され』を『支持部が前記ギアケースに突出して前記ホルダベースと一体に形成され』と訂正する。
▲4▼訂正事項d
実用新案登録請求の範囲の第11行?第13行の『前記ギアカバーには、前記ギアケースヘの組付けと同時に前記ホルダベースの支持部に対して直交して嵌入されて前記通電用プレートの接続部に電気的に接続される接続端子が設けられていること』を実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、『前記ギアカバーの前記ギアケースヘの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電用プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電用プレートの接続部に電気的に接続されること』と訂正する。
これに伴い、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合性を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書第【0008】欄の第12行?第14行(実用新案登録公報第2597369号の第2頁左欄第48行?右欄第2行)の『前記ギアカバーには、前記ギアケースヘの組付けと同時に前記ホルダベースの支持部に対して直交して嵌入されて前記通電用プレートの接続部に電気的に接続される接続端子が設けられていること』を『前記ギアカバーの前記ギアケースヘの組付けと同時に、前記外部接続用の接続端子が前記ホルダベースの支持部の前記通電用プレートを支持している面に直交して嵌入されることにより、前記通電用プレートの接続部に電気的に接続されること』と訂正する。
▲5▼訂正事項e
明細書の第【0020】欄第1行(実用新案登録公報第2597369号の第3頁左欄第27行)の『ギアケース14側』を誤記の訂正を目的として、『ギアケース7側』と訂正する。
▲6▼訂正事項f
明細書の第【0024】欄第1行(実用新案登録公報第2597369号の第3頁左欄第18行?第19行)の『各ブラシ34?37』を誤記の訂正を目的として、『各ブラシ34?36』と訂正する。
異議決定日 2000-11-07 
出願番号 実願平5-12517 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (H02K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 稲村 正義  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 岩本 正義
川端 修
登録日 1999-04-30 
登録番号 実用新案登録第2597369号(U2597369) 
権利者 自動車電機工業株式会社
神奈川県横浜市戸塚区東俣野町1760番地
考案の名称 減速機構付モータ  
代理人 小塩 豊  
代理人 小塩 豊  
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