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審決分類 |
審判 全部申し立て A44C |
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管理番号 | 1028412 |
異議申立番号 | 異議1999-72530 |
総通号数 | 16 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2001-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-06-14 |
確定日 | 2000-06-03 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 登録第2586884号「耳飾り」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 登録第2586884号の実用新案登録を維持する。 |
理由 |
(1)手続の経緯 実用新案登録第2586884号の請求項1に係る考案は、平成5年8月27日に実用新案登録出願され、平成10年10月9日に実用新案登録の設定登録がされ、その後実用新案登録異議申立人松井光夫により実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年12月9日に訂正請求がなされたものである。 (2)訂正の適否についての判断 ア.訂正の内容 訂正請求書における訂正の内容は、本件登録実用新案の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであり、その訂正事項は、以下a?gのとおりのものである。 a 実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準としてその縦断面がほぼ左右対称に形成し、」とあるのを「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成し、」と訂正する。 b 明細書(平成10年1月6日付手続補正書に係る全文補正明細書)段落【0006】の「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準としてその縦断面がほぼ左右対称に形成し、」を「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として上記押圧部以下のU字状部縦断面が左右対称に形成し、」と訂正する。 c 同明細書段落【0009】の「装着時にも左右ほぼ対称となり、」を「装着時にも押圧部以下の挟み付け金具が左右対称となり、」と訂正する。 d 同明細書段落【0015】の「したがって挟み付け金具2は、ほぼU字形状の押圧部3以下の挟み付け金具本体部と押圧部3とロー付け部4とが連続一体に線状に形成されている。」を「したがって挟み付け金具2は、U字形状の押圧部3以下の挟み付け金具本体部と押圧部3とロー付け部4とが連続一体に線状に形成されている。」と訂正する。 e 同明細書段落【0017】の「その縦断面形状が縦の中心線6を基準としてほぼ対称に形成されており、このように対称とすることによって金属弾性の性格から当然に装着時もほぼ対称の形状を維持し、耳たぶを挟み付ける弾性力が左右ほぼ均等となる。また、挟み付け金具2の形状が図1に示す通りであるので、押圧部で受けた耳たぶからの反力を押圧部3より下の全体で受ける構造となり、ほぼ左右対称に同じように変形することで、」を「上記挟み付け金具2は、押圧部3以下のU字形状部縦断面形状が縦の中心線6を基準として左右対称に形成されており、このように左右対称とすることによって金属弾性の性格から当然に装着時も対称の形状を維持し、耳たぶを挟み付ける弾性力が左右均等となる。また、挟み付け金具2の形状が図1に示す通りであるので、押圧部3で受けた耳たぶからの反力を押圧部3以下のU字形状部全体で受ける構造となり、左右対称に同じように変形することで、」と訂正する。 f 同明細書段落【0022】の「装着時にも左右ほぼ対称となり、」を「装着時にも押圧部3以下の挟み付け金具は左右対称となり、」と訂正する。 g 同明細書段落【0026】の「装着時にも左右ほぼ対称となり、」を「装着時にも押圧部3以下の挟み付け金具は左右対称となり、」と訂正する。 イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記aの訂正事項は、元々願書に添付した明細書・図面に記載された挟み付け金具の形状を具体的に特定するものであり、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当するものであって、新規事項の追加に該当せず、又、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。上記訂正事項b?gは、上記訂正事項aによる実用新案登録請求の範囲の減縮に伴い生じる、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との不整合を回避するために記載の明瞭化を図って訂正したもので、新規事項を格別付加するものでなく、明瞭でない記載の釈明に該当する。 ウ.独立実用新案登録要件について 本件訂正後の請求項1に係る考案(以下、「本件考案。」という)は次のとおりのものであると認める。 「耳たぶ前面に取付けられる装飾本体と、装飾本体の背面に耳たぶの厚さ方向に直角に取り付けた耳たぶの挟み付け金具とを有する貴金属製耳飾りにおいて、上記挟み付け金具は、上端を開口し上部に向かって内向するほぼU字形を有し、その上部に耳たぶを挟み付ける細い首状に連続して形成された押圧部を設けてなり、かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成し、さらに押圧部から連続して伸びる挟み付け金具の両先端がそれぞれ外側に向かって伸び、その一方を装飾本体のロー付け部とすることにより、挟み付け金具として必要なそれぞれ異なる機能を有する部位を連続一体に線状に形成したことを特徴とする耳飾り。」 これに対して、当審が平成11年9月28日付けで通知した取消理由で引用した実願昭59-181496号(実開昭61-95317号)のマイクロフィルム(実用新案登録異議申立人の提出した甲第2号証、以下「第1引用例」という)の第8図にはイヤリングの金具aが、上端を開口し上部に向かって内向するほぼU字形を有し、その上部は耳たぶを挟み付ける細い首状に連続して形成されてあり、内向する最小空間部から連続して伸びる金具の両端がそれぞれ外側に向かって伸び、金具として必要なそれぞれ異なる機能を有する部位を連続一体に形成してなる耳飾が記載されている。 また、英国特許出願公開第2217178号公報(実用新案登録異議申立人の提出した甲第1号証、以下「第2引用例」という)の図3には、宝石を取り付ける取付体5とこれに耳たぶの厚さ方向に直角に取り付けた金具2とを有する金合金製耳飾りであって、金具は上端を開口して上部に向かって内向するほぼU字形を有し、その上部に耳たぶを挟み付けるよう開口幅を狭めて形成された押圧部を設けてなり、押圧部から連続して伸びる挟み金具の一端が外側に向かっており、他端に取付体5を介して、装飾本体である宝石が取り付けてあり、金具として必要なそれぞれ異なる機能を有する部位を連続一体に線状にしてある点が記載されている。 本件考案と前記第1引用例及び第2引用例に記載されたものを対比すると、本件考案は、挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成した点を有しているが前記第1及び第2引用例には、本件考案の上記構成については何も記載されていないし、また、示唆もされていない。 そして、本件考案は、上記構成により、明細書に記載されたとおりの上記第1及び第2引用例に記載された考案には期待できない作用効果を奏するものと認められる。 したがって、訂正明細書の請求項1に係る考案は上記第1及び第2の各引用例に記載された考案であると認められないばかりでなく、これらの考案から当業者がきわめて容易に考案できたものであるとすることもできない。 以上のとおりであるから、本件考案は実用新案登録出願の際独立して実用新案登録をを受けることができるものである。 したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 (3)実用新案登録異議の申立について ア.本件考案 本件登録実用新案は、訂正後の明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「耳たぶ前面に取付けられる装飾本体と、装飾本体の背面に耳たぶの厚さ方向に直角に取り付けた耳たぶの挟み付け金具とを有する貴金属製耳飾りにおいて、上記挟み付け金具は、上端を開口し上部に向かって内向するほぼU字形を有し、その上部に耳たぶを挟み付ける細い首状に連続して形成された押圧部を設けてなり、かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成し、さらに押圧部から連続して伸びる挟み付け金具の両先端がそれぞれ外側に向かって伸び、その一方を装飾本体のロー付け部とすることにより、挟み付け金具として必要なそれぞれ異なる機能を有する部位を連続一体に線状に形成したことを特徴とする耳飾り。」 イ.申立の理由の概要 実用新案登録異議申立人は、 甲第1号証(英国特許出願公開第2217178号公報)、 甲第2号証(実願昭59-181496号(実開昭61-95317号)のマイクロフィルム)、 甲第3号証(実開昭55-98222号公報) を提出し、本件請求項1に係る考案は甲第1号昭?甲第3号証記載のものに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、本件実用新案は取り消されるべきであると主張している。 ウ.判断 そこで、本件考案と上記甲各号証記載のものを対比、検討すると上記(2)ウに記したように甲第1号証及び甲第2号証には、挟み付け金具を縦の中心線を基準として押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成した構成についての記載はないし、示唆もない。 また、上記甲第3号証には、イヤリングのリング本体Aを構成する環体A_(1)、取付螺管A_(2)、装飾ボールA_(3)、取付環A_(4)をロウ付により接合してリング本体を成形する点が記載されているものの、上記構成については、何も記載されていないし、また示唆もない。しかも、本件考案は、訂正後の明細書に記載された作用効果を奏するものと認められる。 したがって、本件の請求項1に係る考案が登録異議申立人の提出した甲各号証に記載されているとも、同各号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであるとすることもできない。 エ.むすび 以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立の理由及び証拠方法によっては、本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 耳飾り (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 耳たぶ前面に取付けられる装飾本体と、装飾本体の背面に耳たぶの厚さ方向に直角に取り付けた耳たぶの挟み付け金具とを有する貴金属製耳飾りにおいて、上記挟み付け金具は、上端を開口し上部に向かって内向するほぼU字形を有し、その上部に耳たぶを挟み付ける細い首状に連続して形成された押圧部を設けてなり、かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成し、さらに押圧部から連続して伸びる挟み付け金具の両先端がそれぞれ外側に向かって伸び、その一方を装飾本体のロー付け部とすることにより、挟み付け金具として必要なそれぞれ異なる機能を有する部位を連続一体に線状に形成したことを特徴とする耳飾り。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この考案は、バネで耳たぶをはさみつけて抜け止めするクリップ式の耳飾りに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来の耳飾りとして、バネ等の弾性を利用して耳たぶをはさみつけるクリップ式の耳飾りが知られている。このクリップ式の耳飾りにおいては、▲1▼板バネを回転片に設けて回転片を装飾本体側に付勢するようにしたもの、▲2▼回転片として弾性線材を耳たぶに対して平行にかつU字状に折り曲げたものを使用し、その両端を装飾本体に設けた挟み付け金具の軸受部にはめ込むとともに、上記軸受部に設けた傾斜ガイドによって回転片を装飾本体側に付勢するようにしたもの、さらに▲3▼洗濯挟みのように回転片をレバーで開閉操作できるようにするとともに、回転片を装飾本体側に付勢するために回転片と装飾本体との対向面に磁石を取り付け、その吸引力を利用したもの(実開昭63-144019公報参照)等がある。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 上記数種の耳飾りのうち、▲3▼の洗濯挟みのように回転片をレバーで開閉操作できるようにするとともに、回転片を装飾本体側に付勢するために回転片と装飾本体との対向面に磁石を取り付け、その吸引力を利用したもの(実開昭63-144019公報)は、操作が簡単で便利なものであるが、磁石の挟着力は耳たぶの厚さ等によってきかなくなってしまうという欠点があった。 【0004】 また▲1▼と▲2▼の耳飾りは、部品点数が多く組付けが面倒で、また組み付けの際の挟着力の調整に熟練が必要であり、操作を片手でワンタッチで行なうことができないという欠点がある。 【0005】 この考案の耳飾りは従来例の上記欠点を解消しようとするもので、組付けが簡単で、かつ組み付けの際の挟着力の調整も容易であり、しかも挟着力を長期間にわたって保つことができる耳飾りを提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】 この考案の耳飾りは、耳たぶ前面に取付けられる装飾本体と、装飾本体の背面に耳たぶの厚さ方向に直角に取り付けた耳たぶの挟み付け金具とを有する貴金属製耳飾りにおいて、上記挟み付け金具は、上端を開口し上部に向かって内向するほぼU字形を有し、その上部に耳たぶを挟み付ける細い首状に連続して形成された押圧部を設けてなり、かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成し、さらに押圧部から連続して伸びる挟み付け金具の両先端がそれぞれ外側に向かって伸び、その一方を装飾本体のロー付け部とすることにより、挟み付け金具として必要なそれぞれ異なる機能を有する部位を連続一体に線状に形成したことを特徴とするものである。 【0007】 【作用】 この考案の耳飾りによれば、組付けが簡単で、従来の耳飾りに比べて耳への装脱着が簡単で、かつ装着の際の挟着力の調整が容易となる。 【0008】 しかもこの考案の耳飾りによれば、ソフトな挟着力を長期間にわたって保つことができる。 【0009】 また、上記挟み付け金具2の開口の幅を調節することにより、耳飾りが耳たぶを必要以上に挟み付けることを防止し、耳たぶに痛みを感じさせることがない。もちろん、装着時にも押圧部以下の挟み付け金具が左右対称となり、耳たぶからの確実な脱落防止を図ることもできる。 【0010】 さらに、図1に示すように装飾本体1を安定させるために装飾本体1と挟み付け金具2とを2点でロー付けした場合でも、押圧部以下の挟み付け金具がほぼ左右対称に移動するため、装飾本体1は装着者の耳たぶの厚さに関らずほぼ正面を向いた常態を維持するので装飾性を低下させることがない。 【0011】 【実施例】 以下、この考案の耳飾りの実施例を、図面に基いて説明する。 【0012】 図1ないし図3において、1は耳飾り前面に取り付けられる装飾本体で、種々の形状を有しており、図ではハート形状に形成されている。この装飾本体1は、金や銀、プラチナ等の貴金属である。 【0013】 上記装飾本体1の背面には、装飾本体1とは別に、耳たぶの厚さ方向に直角に挟み付け金具2が取付けられている。この挟み付け金具2は上記装飾本体1となじみのある貴金属素材で件成されており、ロー付け等の手段で取り付けられている。この挟み付け金具2は、上端を開口したほぼU字形を有し、その上部に耳たぶを挟み付ける押圧部3が連続してかつ一体に設けられている。そしてまたこの押圧部3は細い首状に形成され、かつ滑らかなカーブを有して耳たぶに痛みを感じさせないようになっている。 【0014】 なお、一般には、線材等で物品を形成する場合において、素材となる線材が部分的に弾性値が異なると一定の形状のものを量産することができないので、予め内部歪を矯正し材質的に均質化(調質)された素材が使用されている。 【0015】 押圧部3に連続した挟み付け金具2の端部は、その一端が装飾本体1へのロー付け部4として開放されている。したがって挟み付け金具2は、U字形状の押圧部3以下の挟み付け金具本体部と押圧部3とロー付け部4とが連続一体に線状に形成されている。 【0016】 このように装飾本体1と挟み付け金具2を別個のものとすることにより、挟み付け金具2は多種多様のデザインに対応でき、ほぼデザインに制約を受けることなくデザインの自由度も高くなる。 【0017】 上記挟み付け金具2は、押圧部3以下のU字形状部縦断面形状が縦の中心線6を基準として左右対称に形成されており、このように左右対称とすることによって金属弾性の性格から当然に装着時も対称の形状を維持し、耳たぶを挟み付ける弾性力が左右均等となる。また、挟み付け金具2の形状が図1に示す通りであるので、押圧部3で受けた耳たぶからの反力を押圧部3以下のU字形状部全体で受ける構造となり、左右対称に同じように変形することで、1箇所1箇所の変形量が少なくなり、押圧部3はソフトな変形弾性力を受けることとなる。 【0018】 さらに、挟み付け金具2は押圧部3で受けた耳たぶからの反力を上記のように分散して受けるので、局部的に変形が大きく応力が集中するようなことがないので、変形破壊が生じにくく長期間にわたる使用でもそのソフトな弾性力を保つことができる。 【0019】 なお上記挟み付け金具2がロー付けにより焼き鈍された場合には、貴金属特有の構造に合わせた常法による焼入れ等を行なえばより効果的で、このことは公知技術である。 【0020】 上記耳飾りの使用に際しては、予め耳たぶの厚さに合わせて開口部を調節してから耳飾りを耳たぶに挿通すれば、押圧部3が耳たぶを挟み付ける。 【0021】 逆に耳たぶから耳飾りを取外す際には、片手で耳飾りを持って耳たぶから抜き取ればよい。 【0022】 なお、上記挟み付け金具2の開口の幅を調節することにより、耳飾りが耳たぶを必要以上に挟み付けることを防止し、耳たぶに痛みを感じさせることがない。もちろん、装着時にも押圧部3以下の挟み付け金具は左右対称となり、耳たぶからの確実な脱落防止を図ることもできる。 【0023】 さらに、図1に示すように装飾本体1を安定させるために装飾本体1と挟み付け金具2とを2点でロー付けした場合でも、押圧部以下の挟み付け金具が左右ほぼ対称に移動するため、装飾本体1は装着者の耳たぶの厚さに関らずほぼ正面を向いた常態を維持するので装飾性を低下させることがない。 【0024】 【考案の効果】 この考案の耳飾りによれば、組付けが簡単で、従来の耳飾りに比べて耳への装脱着が簡単で、かつ装着の際の挟着力の調整が容易となる。 【0025】 しかもこの考案の耳飾りによれば、ソフトな挟着力を長期間にわたって保つことができる。 【0026】 また、上記挟み付け金具2の開口の幅を調節することにより、耳飾りが耳たぶを必要以上に挟み付けることを防止し、耳たぶに痛みを感じさせることがない。もちろん、装着時にも押圧部3以下の挟み付け金具は左右対称となり、耳たぶからの確実な脱落防止を図ることもできる。 【0027】 さらに、図1に示すように装飾本体1を安定させるために装飾本体1と挟み付け金具2とを2点でロー付けした場合でも、押圧部以下の挟み付け金具が左右ほぼ対称に移動するため、装飾本体1は装着者の耳たぶの厚さに関らずほぼ正面を向いた常態を維持するので装飾性を低下させることがない。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この考案に係る耳飾りの1実施例を示す側面図である。 【図2】 背面図である。 【図3】 組み付け状態の側面図である。 【符号の説明】 1 装飾本体 2 挟み付け金具 3 押圧部 4 ロー付け部 6 中心線 |
訂正の要旨 |
訂正請求書における訂正の内容は、本件登録実用新案の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであり、その訂正事項は、以下a?gのとおりのものである。 a 実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準としてその縦断面がほぼ左右対称に形成し、」とあるのを「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として当該押圧部以下のU字形状部縦断面が左右対称に形成し、」と訂正する。 b 明細書(平成10年1月6日付手続補正書に係る全文補正明細書)段落【0006】の「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準としてその縦断面がほぼ左右対称に形成し、」を「かつ上記挟み付け金具を縦の中心線を基準として上記押圧部以下のU字状部縦断面が左右対称に形成し、」と訂正する。 c 同明細書段落【0009】の「装着時にも左右ほぼ対称となり、」を「装着時にも押圧部以下の挟み付け金具が左右対称となり、」と訂正する。 d 同明細書段落【0015】の「したがって挟み付け金具2は、ほぼU字形状の押圧部3以下の挟み付け金具本体部と押圧部3とロー付け部4とが連続一体に線状に形成されている。」を「したがって挟み付け金具2は、U字形状の押圧部3以下の挟み付け金具本体部と押圧部3とロー付け部4とが連続一体に線状に形成されている。」と訂正する。 e 同明細書段落【0017】の「その縦断面形状が縦の中心線6を基準としてほぼ対称に形成されており、このように対称とすることによって金属弾性の性格から当然に装着時もほぼ対称の形状を維持し、耳たぶを挟み付ける弾性力が左右ほぼ均等となる。また、挟み付け金具2の形状が図1に示す通りであるので、押圧部で受けた耳たぶからの反力を押圧部3より下の全体で受ける構造となり、ほぼ左右対称に同じように変形することで、」を「上記挟み付け金具2は、押圧部3以下のU字形状部縦断面形状が縦の中心線6を基準として左右対称に形成されており、このように左右対称とすることによって金属弾性の性格から当然に装着時も対称の形状を維持し、耳たぶを挟み付ける弾性力が左右均等となる。また、挟み付け金具2の形状が図1に示す通りであるので、押圧部3で受けた耳たぶからの反力を押圧部3以下のU字形状部全体で受ける構造となり、左右対称に同じように変形することで、」と訂正する。 f 同明細書段落【0022】の「装着時にも左右ほぼ対称となり、」を「装着時にも押圧部3以下の挟み付け金具は左右対称となり、」と訂正する。 g 同明細書段落【0026】の「装着時にも左右ほぼ対称となり、」を「装着時にも押圧部3以下の挟み付け金具は左右対称となり、」と訂正する。 |
異議決定日 | 2000-04-27 |
出願番号 | 実願平5-51314 |
審決分類 |
U
1
651・
121-
YA
(A44C)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 井上 茂夫 |
特許庁審判長 |
大槻 清寿 |
特許庁審判官 |
原 慧 岡田 和加子 |
登録日 | 1998-10-09 |
登録番号 | 実用登録第2586884号(U2586884) |
権利者 |
株式会社ジェム・マニュファクチャラー 山梨県甲府市後屋町323-4 |
考案の名称 | 耳飾り |
代理人 | 土橋 博司 |
代理人 | 土橋 博司 |