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審決分類 審判    A23L
審判    A23L
管理番号 1032426
審判番号 無効2000-40008  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-02-14 
確定日 2000-12-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第3053591号実用新案「包装おにぎり」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3053591号の請求項1及び2に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 I.手続の経緯・本件考案
本件登録第3053591号実用新案は、平成10年4月27日に実用新案登録出願され、平成10年8月19日に設定の登録がなされたもので、本件請求項1乃至請求項2に係る考案(以下、「本件考案1乃至2」という。)は、その明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至請求項2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】矩形体の中央部の長手方向に分断手段を形成してなる外フィルムの内側に、適度に小形の海苔を重ね、該海苔を介在させて更に前記外フィルムの内側に、内フィルム二枚を中央部で互いに分離可能に突合わせ重合し、外フィルムの外周縁と内フィルムの外周縁を熱融着手段により接着してなる包装体を用い、該包装体の内フィルム面に、三角状握り飯が、その一側辺が包装体の中央部短手方向に沿うように載せて二つ折り状に包まれると共に、折り畳まれた包装体の一隅側及び他隅側が、各々前記握り飯の他側辺に沿って折り込まれ、三角状握り飯の三隅部位で重合する包装体の折曲コーナー部が、熱融合手段により各々封着されてなる包装おにぎり。
【請求項2】包装体の隅部における内外フィルムの接着部の接着幅の範囲内に、若干の接着部を残して長手方向に長く切欠きが形成されてなる請求項1記載の包装おにぎり。」

II.請求人の主張
請求人は、「第3053591号登録実用新案の請求項1及び2は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、(1)本件考案1は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された考案である、或いは甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条1項3号の規定に該当、或いは同条2項の規定に違反する、若しくは(2)本件考案2は、甲第1号証乃至甲第5号証に記載された考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから同法3条2項の規定に違反している旨主張している。

甲第1号証:実公平7-7745号公報
甲第2号証:実公平4-34705号公報
甲第3号証:実開平6-64489号全文明細書
甲第4号証:実用新案登録第3001713号公報
甲第5号証:実開平2-100486号公報
(なお、被請求人から、答弁書は提出されなかった。)

III.当審の判断
(1)本件考案1について
甲第1号証には、
(a)「方形状をなすとともに、中央部に開封用の処置が施された表面側のフィルムと、中央部が互いに重なるとともに、この部分を除いた周縁部が前記表面側のフィルムとの間で接着された2枚の裏面側のフィルムとからなり、表面側のフィルムおよび裏面側のフィルムの間に海苔等の巻回物を収納し、前記裏面側のフィルムの上半部に三角形状のおにぎり用の御飯を位置したのち下半部を折り曲げて御飯の両面および底面に裏面側のフィルムを接触させ、下半部の両隅部を折り曲げて御飯の両傾斜面に接触させたのちに上半部の両隅部も下半部の両隅部に重ねた状態に折り曲げるとともに、上半部の両隅端部を御飯の片面を覆っている下半部に接触した状態で互いに重合させ、この状態で上半部の両隅端部をラベルで下半部に止着し、さらに、3隅部の隙間をそれぞれシールして御飯を密封することを特徴とする包装した三角おにぎり。」(実用新案登録請求の範囲【請求項1】)、
(b)「上記のようにした表面側のフィルム1の裏面に、2枚の高密度ポリエチレンフィルムからなる裏面側のフィルム2a,2b、それらの中央部が互いに1cm以上重なった状態で、かつ、前記表面側のフィルム1の中央部に位置するように位置して、周縁部を熱圧着して、表面側のフィルム1と裏面側のフィルム2a、2bとの間の周縁部を接着して包装材を形成する。」(2頁4欄43?49行)、
(c)「さらに、この状態にあっては第10図に示すものと同様に3隅部に隙間29が生じたままとなっているので3隅部を熱シール15して第4図に示すようにして密封するものである。」(3頁5欄12?15行)が記載されている。
本件考案1と甲第1号証に記載された考案とを対比するに、上記(b)及び(c)の記載を参酌すると、(a)における「この部分を除いた周縁部が前記表面側のフィルムとの間で接着された2枚の裏面側のフィルムとからなり」の「接着」は、「熱圧着」して接着されるものであり、また、「3隅部の隙間をそれぞれシールして御飯を密封する」の「シール」は、「熱シール」によるものであるから、両考案は悉く一致している。
また、甲第2号証には、
「矩形状の外装フイルム1とその内面のほぼ中央において自由状態で重合するよう配置された二枚一対の隔離フイルム2,3とにより袋状の海苔5の収納部6を形成すると共に、外装フイルムの略中央の縦方向にカットライン7を設け、前記隔離フイルム2,3上に三角おにぎりAを海苔5とは隔離した状態で載せ、フイルムを前記おにぎりAに沿って折畳むことにより三角おにぎりを包装したものにおいて、前記フイルムの3つの開口頂部a,b,cをヒートシール9にて封鎖したことを特徴とする包装した三角おにぎり。」が記載されている。
本件考案1と甲第2号証に記載された考案とを対比すると、両考案は悉く一致している。
したがって、本件考案1は、甲第1号証或いは甲第2号証に記載された考案であるから、実用新案法3条1項3号の規定に該当する。

(2)本件考案2について
甲第3号証には、
「内装フィルム6と外装フィルム4とを備え、該フィルム4,6間にシート状海苔8を収納した袋状シート包装材1よりなる略三角形状のおにぎり用包装体であって、前記袋状シート包装材1は、おにぎりBを、その底部10が前記内装フィルム6側の長手方向略中央部11に沿って載置された状態で包囲し、且つ前記袋状シート包装材1の一片12の両端縁部14,14が前記おにぎりBの周側面15に沿って折り曲げられ、一方、前記袋状シート包装材1の他片16の両端縁部18,18が前記一片12の両端縁部14,14を覆うように折り曲げられて包装してなるおにぎり用包装体において、前記袋状シート包装材1の一片12の両端部14,14には前記シート状海苔8が存在しないように、該シート状海苔8の一端部9の隅部9a,9bが切除されてなることを特徴とするおにぎり用包装体。」(実用新案登録請求の範囲【請求項1】)、
「また、前記袋状シート包装材1も、上記実施例の他に、図5に示すように、前記海苔8の切除された一端隅部9a,9bに相当する両端縁部14,14の隅部7a,7bのみが切除されているものや、図6に示すように、前記海苔8の切除された他端隅部9c、9dに相当する両端縁部18,18の隅部7c、7dのみが切除されているもの、更に、図7に示すように、該シート包装材1の四隅部7a,7b,7c,7dが切除されているものが挙げられる。」(段落【0023】)、
「また、前記袋状シート包装材1の隅部7a,7b或いは7c,7dも切除されているので、前記袋状シート包装材1の一片12と他片16の重合部分が嵩張ることなく容易に包装でき、また、食する際の袋状包装シート包装材1の取り去り作業もスムースとなる。」(段落【0035】)が、
甲第4号証には、
「幅方向略中央部(3)が切断手段にて帯状に切断可能な外装フィルム(1)と、該フィルム(1)の略周縁部(2)に一体的に貼着され、且つ幅方向略中央部(3)で重合する分離可能な一対の内装フィルム(4)とからなり、該両フィルム(1),(4)間に海苔が収納されると共に、該フィルム(1),(4)にて米飯加工食品が包装される包装具において、前記両フィルム(1),(4)の幅方向略中央部(3)に対して、一片側の一端側には所定形状の切欠部(12)が形成され、且つ他片側の前記切欠部(12)と対抗する一端側には非切欠部(15)がそれぞれ形成されると共に、該非切欠部(15)には切り裂き可能な切裂手段が設けられてなることを特徴とする米飯加工食品の包装具。」(実用新案登録請求の範囲【請求項1】)が、
甲第5号証には、
「(1)方形状をなすとともに、中央部に開封用の処置が施された表面側のフイルムと、中央部で互いに重なるとともに、この部分を除いた周縁部が前記表面側のフイルムとの間で接着された2枚の裏面側のフイルムとからなり、表面側のフイルムおよび裏面側のフイルムの間に海苔等の巻回物を収納し、前記裏面側のフイルムのフイルムの上半部に三角柱状の御飯を位置した状態で下半部を折り返し、下半部の両隅部を御飯の両側に接触させ、こののち上半部の両隅部を起立して下半部の表面側のフイルムの上面で重ねたのちにラベルで止め、さらに、折り曲げることで生じた3隅部の隙間をそれぞれシールして密封することを特徴とする包装材。」(実用新案登録請求の範囲の項)の記載とともに、「第7図」として、隅部における内外フイルムの接着幅の範囲内に、若干の接着部を残して長手方向に長く切欠が形成されてなる包装体が記載されている。
本件考案2と、甲第1号証乃至甲第2号証に記載された考案とを対比すると、前者では、「包装体の隅部における内外フイルムの接着幅の範囲内に、若干の接着部を残して長手方向に長く切欠が形成されてなる」という構成を有するのに対し、後二者では、そのような構成を有さない点で相違するが、その余の点において、これらは一致している。
この相違点について検討するに、上記甲第3号証乃至甲第5号証には、「包装体の隅部における内外フイルムの接着幅の範囲内に、若干の接着部を残して長手方向に長く切欠が形成されてなる」構成が記載されているところ、甲第1号証乃至甲第5号証は、いずれも、包装おにぎりに関するものであるから、甲第1号証乃至甲第2号証に記載の事項に甲第3号証乃至甲第5号証に記載の事項を適用し、本件考案2のような構成を採用することは当業者がきわめて容易に想到し得ることである。
また、本件考案2の効果も、甲第3号証に「食する際の袋状シート包装材1の取り去り作業もスムースとなる。」との記載に照らし、格別のものではない。
したがって、本件考案2は、甲第1号証乃至甲第5号証に記載された考案に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定に違反する。

IV.むすび
以上のとおり、本件考案1及び2は、実用新案法37条1項2号に該当し、無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-09-19 
結審通知日 2000-10-03 
審決日 2000-10-16 
出願番号 実願平10-2818 
審決分類 U 1 111・ 121- Z (A23L)
U 1 111・ 113- Z (A23L)
最終処分 成立  
特許庁審判長 徳廣 正道
特許庁審判官 大高 とし子
田中 久直
登録日 1998-08-19 
登録番号 実用新案登録第3053591号(U3053591) 
考案の名称 包装おにぎり  
代理人 藤本 昇  
代理人 大内 信雄  
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