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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない A47K
管理番号 1036049
審判番号 審判1998-39083  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 1998-12-02 
確定日 2001-03-30 
事件の表示 実用新案登録第1830308号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.本件の経緯
本件実用新案登録第1830308号考案は、昭和58年12月8日に実用新案登録出願され、平成2年9月6日にその実用新案権の設定登録がなされ、平成10年12月2日に訂正審判が請求され、平成12年2月17日に訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成12年5月24日に意見書が提出されたものである。

2.請求の要旨
本件審判請求の要旨は、実用新案登録第1830308号考案の明細書を、審判請求書に添付した訂正明細書の通りに訂正しようとするものである。
上記訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の記載は次の通りである。
「陶磁器製台1の上面に洗面用凹部2を形成し、同凹部2に排水孔3、その栓4を有し、かつ同台1に水道栓5および蛇口6を設け、同台1の下部に水道栓5に接続する水道管7を設けてなる洗面台8において、上記凹部2の外側に小透孔9を穿設し、同透孔9を貫通する小径管10の下端部を上記水道管7に直接連通させ、上端部に直接接続した小径チューブ11の先端に直接圧力水噴出細径ノズル12を設け、かつ同台1上の小径管10にコック13を設けてなる洗面化粧台。」

3.訂正拒絶の理由
一方、当審における訂正拒絶の理由の概要は、次の通りである。
上記訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載されている考案(以下、「本件訂正考案」という。)は、上記出願の出願前に頒布された特開昭55-35610号公報(以下、「刊行物1」という。)、米国特許第4319595号明細書(以下、「刊行物2」という。)に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、本件訂正考案は、本件出願の際、独立して実用新案登録を受けることができず、本件審判請求は、旧実用新案法第39条第3項の規定に適合せず、認められないものである。

4.刊行物記載の考案
刊行物1には、
「洗面ユニット本体(1)は後部上面に化粧品台(4)や鏡(5)及び証明器具L等を有するミラーキャビネット(7)を立設してあつて、またボール(8)を一体化した天板(9)の中央後部上面には水洗金具(10)を設けている。口腔洗浄器(3)は天板(9)の後側部上面に載置取付けてあって、第2図に示すように洗面ユニット本体(1)の背面の壁部より洗面ユニット本体(1)内に導入した水道管(11)の前端より立上らせて天板(9)の後部上面に突出させた逆L字状の給水パイプ(12)の吐水口(12a)を、口腔洗浄器(3)の上部に設けた水タンク(3a)に臨ましてある。口腔洗浄器(3)は前記給水パイプ(12)を介して給水された水が水タンク(3a)内に所定量だけ貯水されると、この所定量を水タンク(3a)底部に設けた重量感知センサー(13)で検知して、使用者に例えば発光素子、ブザー等で知らせ、止水栓(14)によつて給止を止めることを指示するようになつている。(中略)一方、水タンク(3a)の下部のケース(3b)内にはモータ(15)にて駆動されるポンプ(16)が設けられてあつて、ポンプ(16)の動作によって水タンク(3a)内の水を加圧してホース(18)を介して把持部(17)に設けたノズル(2)に給水し、ノズル(2)からジェット水流として噴出するようになつており、モータ(15)の始動、停止は把持部(17)のスイッチ(19)で行ない、ジェット水流の圧力の調整はケース(3b)前面に設けた摘み(20)によって行なえるようになつている。」(公報第2欄第3行ないし第3欄第11行)が記載されている。
ところで、洗面台が陶磁器製であることは周知技術であること、刊行物1の水栓金具10(本件訂正考案の「水道栓」に相当)も当然、水道管11でない別の水道管に接続されていること、及び上記記載を含む明細書及び図面の記載からみて、
刊行物1には、
「陶磁器製台の上面にボール(8)を形成し、同ボール(8)に排水孔、その栓を有し、かつ同台に水道栓および蛇口を設け、同台の下部に水道栓に接続する水道管を設けてなる天板(9)において、上記ボール(8)の外側に小透孔を穿設し、同透孔を貫通する逆L字状の給水パイプ(12)の下端部を上記水道管と異なる水道管(11)に直接連通させ、該給水パイプ(12)の端部を吐水口(12a)とし、その吐水口(12a)の下部に水タンク(3a)を臨ましてあり、該水タンク(3a)の下部のケース(3b)の前面部よりホース(18)が導出されており、その先端部に加圧水を噴出するノズル(2)を把持部(17)を介して設け、かつ同台上の給水パイプ(12)に止水栓(14)を設けてなる洗面化粧台」を構成とする考案が記載されているものと認められる。
刊行物2には、
「歯の手入れ装置10は、洗面器Sに隣接して洗面化粧台上に位置する。同歯の手入れ装置10は、着脱自在な天板14とその一側面18に点検窓16を備えたハウジング12を有する。水供給システム20は、装置10を洗面所の給水配管Lに連通させている。吸水配管Lは、好ましくは、冷水供給配管である。(中略)水供給システム20は、給水配管Lに連通したT型継手24と、一端をT型継手24に連通したフレキシブルホース26を含む。(中略)制御弁30は、壁W上に使用者に便利な場所に取り付けられており、フレキシブルホース26の他端と連通している。弁30は、好ましくは、開閉弁が良く、調整つまみ32と壁塞ぎ板34を有する。(中略)フレキシブルホース36は、一端を弁30と連通し、且つ他端を歯の手入れ装置10に連通している。便宜上、装置10への液の流れ方向を第1図において、矢印FFで示す。このように、ホース36は弁30の入口端部と連結し、且つ、ホース36は同弁の出口端部と連結している。」(明細書第3欄第3行ないし38行(平成8年審判第18192号無効審判請求人東陶機器株式会社の甲第2号証訳文第3頁第9乃至第4頁第3行))、「第10、11図に示すものは、第12図に示すウオータージェット400、第13図に示す真っ直ぐな歯ブラシ402,第14図に示す折曲歯ブラシ、及び/又は第15図に示す歯茎マッサージ器406等の歯科用器具を保持するために着脱自在に取り付けた歯科用器具ラック110”を有するハウジング12”を備えた装置10”である。各器具は、補時具即ち把時具98”に同器具を取り付けるためのアダプタカップリング410を有する。」(明細書第7欄第19ないし27行(同訳文第9頁第21行ないし26行))及び「把時具98は、装置10”内で直接に連通した配管90”、36”を介して水源に直接連通されている」(明細書第7欄第40ないし42行(同訳文第10頁第8及び9行))が記載されている。

5.本件訂正考案と刊行物1記載の考案との対比・判断
ところで、本件訂正考案の小径管10は、その上端部に接続した小径チューブ11に水を供給するものではあるが、凹部2の外側に設けられた小透孔9を貫通するものであり、刊行物1記載の考案の給水パイプ12は、水タンク3aに水を供給するものであるが、洗面台の天板9を上下に貫通する管であるので、本件訂正考案の小径管と刊行物1記載の考案の給水パイプ12とは、水道管から圧力水噴出細径ノズルに至る水流経路において、天板後部の小透孔を貫通する管である点で一致するから、本件訂正考案の「小径管10」は、刊行物1記載の考案の「給水パイプ12」に相当する。
そして、本件訂正考案の小径チューブ11は、その先端に直接圧力噴出細径ノズル12が設けられている。刊行物1記載の考案のホース18は、ホース18の先端部に圧力水を噴出するノズル2が設けられている。そうすると、本件訂正考案の小径チューブ11も、刊行物1記載の考案のホース18も、それらの先端に設けられた圧力水噴出細径ノズルに水を供給するために設けられている点で同じであるから、刊行物1記載の考案の「ノズル2」は、本件訂正考案の「圧力水噴出細径ノズル」に相当する。
更に、本件訂正考案の小径管に設けられたコック13は、小径管10の水流の開閉作用を行わせるために設けられているものである。刊行物1記載の考案の吸水パイプ12に設けられた止水栓14は、給水パイプ12の水流の開閉作用を行わせるために設けられているものであるから、本件訂正考案と刊行物1記載の考案とは、陶磁器製台上の小径管にコックを設ける点でも一致しているから、刊行物1記載の考案の「止水栓14」は、本件訂正考案の「コック13」に相当する。
また、刊行物1記載の考案の「ボール(8)」、「天板(9)」、「ホース18」は、本件訂正考案の「洗面用凹部2」、「洗面台8」、「小径チューブ11」に相当するから、
両者は、
「陶磁器製台1の上面に洗面用凹部2を形成し、同凹部2に排水孔3、その栓4を有し、かつ同台1に水道栓5および蛇口6を設け、同台1の下部に水道栓5に接続する水道管7を設けてなる洗面台8において、上記凹部2の外側に小透孔9を穿設し、同透孔9を貫通する小径管10にコック13を設け、小径チューブ11の先端に圧力水噴出細径ノズルをもうけてなる洗面化粧台。」の点で一致している。
相違点は、以下の通りである。
(1)本件訂正考案が小径管の下端部を水道栓に接続する水道管に直接連通させているのに対して、刊行物1記載の考案は、そのような構成を備えていない点、
(2)本件訂正考案が小径管の上端部に小径チューブを直接接続したのに対して、刊行物1記載の考案は、そのような構成を備えていない点、
(3)本件訂正考案が小径チューブ11の先端に直接圧力水噴出細径ノズル12を設けているのに対して、刊行物1記載の考案は、把持部(17)を介してノズル(2)を設けている点。
以下、この相違点(1)ないし(3)について判断する。
相違点(1)について、
刊行物2の「把時具98は、装置10”内で直接に連通した配管90”、36”を介して水源に直接連通されている」の記載からみて、水道栓に給水する給水配管Lに連通するものであるから、刊行物1の給水パイプ12を水道栓に給水する給水配管に直接連通するようにすることは、当業者がきわめて容易に想到することができたものと認める。
相違点(2)について、
刊行物2には、上記記載事項からみて、「水道管→フレキシブルホース26→ホース36→フレキシブルホース92→圧力水噴出細径ノズル、の水流経路」及び「把時具98は、装置10”内で直接に連通した配管90”、36”を介して水源に直接連通されている」が記載されているものと認められる。これらの記載によれば、刊行物2には、口腔洗浄を衛生的に行うために水道管の水を直接圧力水噴出細径ノズルに供給する技術的事項が記載されているものと認められるから、刊行物1において吸水パイプ12の先端にホース18を直接連通させることは、当業者がきわめて容易に想到することができたものと認める。
相違点(3)について、
そして、本件訂正考案の効果は、刊行物1及び2に記載されたものから当然奏すると予測できる範囲内のものである。

6.実用新案権者の主張に対する判断
実用新案権者は、当審の訂正拒絶理由の通知に対し、平成12年5月24日付け意見書において、(1)刊行物1には、「?水道栓に接続する水道管を設けてなる洗面台において、?」を構成とする考案が記載されているものと認められると指摘されているが、この指摘は誤りであって、「?水道栓から隔絶した水道管を設けてなる洗面台において、?」と言うのが正確でり、「隔絶」と称すべきところを「接続」と指摘した点に基本的誤認があり、そして、(2)「洗面台8において、」とあるように「洗面用凹部2の外側に小透孔9を穿設し」なる構成中の「外側」は「洗面台8」に限定解釈することができ、「化粧台枠18」を含む概念ではなく、そのような示唆さえもない、更に、(3)刊行物2に記載のものは、壁W内埋込み工事又は迂回工事を必要とするため、本件訂正考案のようにきわめて簡便に行うことは困難であり、大がかりな工事を必要とする欠陥がある旨主張している。
しかしながら、(1)刊行物1の水栓金具(10)(本件訂正考案の「水道栓」に相当)も当然、水道管11でない別の水道管に接続されていることは明らかであるから、刊行物1には、「?水道栓に接続する水道管を設けてなる洗面台において、?」を構成とする考案が記載されていると認定したものであり、水道栓に接続する水道管11を設けてなる洗面台とは認定していないのであるから、実用新案権者のこの主張は失当である。
次に、(2)刊行物1の天板(9)は、本件訂正考案の洗面台8に相当するものであるから、「外側」は「洗面台8」に限定解釈することができる旨の主張は採用することができない。
更に、(3)刊行物2は、水道管の水を直接圧力水噴出細径ノズルに供給するという構成を示すために引用されたものであるから、この主張も採用することができない。
以上のとおり、本件訂正考案は、刊行物1及び2に記載の考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により本件出願の際、独立して実用新案登録を受けることができない。

7.結論
したがって、本件訂正考案は、本件出願前に頒布された刊行物1及び2に記載された考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められるので、本件訂正考案は、本件出願の際、独立して実用新案登録を受けることができず、本件訂正審判の請求は、平成5年法律第26号附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有し、かつ同条第2項の規定により読み替える、旧実用新案法第39条第3項の規定に適合せず、認められないものである。
審理終結日 2001-01-18 
結審通知日 2001-01-30 
審決日 2001-02-13 
出願番号 実願昭58-189478 
審決分類 U 1 41・ 121- Z (A47K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤枝 洋  
特許庁審判長 佐藤 荘助
特許庁審判官 佐田 洋一郎
鈴木 公子
登録日 1990-09-06 
登録番号 実用新案登録第1830308号(U1830308) 
考案の名称 洗面化粧台  
代理人 藤井 信行  
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