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審決分類 審判 全部申し立て   E02B
審判 全部申し立て   E02B
管理番号 1036067
異議申立番号 異議1998-74707  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-09-21 
確定日 2000-12-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2576223号「汚濁防止膜」の請求項1、2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2576223号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
本件実用新案登録第2576223号に係る考案は、平成5年10月15日に実用新案登録出願され、平成10年4月24日にその実用新案権の設定の登録がなされ、その後、日本ソリッド株式会社より実用新案登録異議の申立てがなされ、次いで、平成11年11月26日に口頭審理、その後取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年6月20日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正請求について
(2-1)訂正請求の趣旨及び訂正の内容
上記訂正請求の趣旨は、実用新案登録第2576223号の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めることである。
訂正の要旨は以下のとおりである。
【訂正事項1】
実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として
「【請求項1】 フロート部とカーテン部とより成る汚濁防止膜において、浮力材をカバーによって覆った浮力体を、補強材を埋設させたゴム製の張力材を挟んで対向させ、これらをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体にしたことを特徴とする汚濁防止膜
【請求項2】請求項1において、浮力材を耐摩擦性に優れた被覆材で覆い、さらにカバーで被覆したことを特徴とする汚濁防止膜。」と訂正する。
【訂正事項2】
上記訂正事項1による実用新案登録請求の範囲の減縮に伴い生じる実用新案登録請求の範囲の記載と、考案の詳細な説明の記載との不整合を回避するために、明瞭でない記載の釈明を目的として、 段落【0008】の「張力材」を「補強材を埋設させたゴム製の張力材」と訂正する。
(2-2)訂正の目的の適否、及び新規事項・拡張・変更の存否
上記訂正事項1は、実用新案登録請求の範囲の請求項1の「張力材」に技術的事項を付加して減縮するものであり、
また訂正事項2は、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との不整合を回避するために行う、明瞭でない記載の釈明に該当するものということができる。
これらの訂正は、願書に添付した明細書の段落【0012】に記載された技術的事項の範囲内の訂正であり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2-3)独立登録要件の判断
(2-3-1)訂正明細書の請求項1、2に係る考案
訂正明細書の請求項1、2に係る考案は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのものと認める。
(2-3-2)請求項1に係る考案が出願前に公然知られたということ、及び刊行物の記載事項について
当審が先に取消理由で引用した平成11年11月26日に特許庁公開審判廷で行われた証人飛田義人に対する尋問による証言によって得られた請求項1に係る考案が出願前に公然知られたということについては以下の通りである。
(1)平成5年3月18日に、横浜市金沢区幸浦1丁目金沢木材港バースの公道脇の空地に駐車中のトラックの荷台に置かれていた汚濁防止膜を、2?3メートルの距離から数時間に亘って、見た。
(2)その時、佐伯建設工業株式会社の横浜工事事務所(当時)の横山智久(同氏の名前は、平成11年12月22日付けで異議申立人が提出した上申書中の参考資料3で確認)も、一緒であった。
(3)そのトラックの荷台に置かれていた汚濁防止膜の構成は、
イ、テンション部の両脇にフロート部があり、そのフロート部は、カバーで覆われ、そしてそのカバーは複数のボルトで留められていた。
ロ、フロートを覆ったカバーは、布に樹脂でコーティングしたもので、色はオレンジ色であった。
ハ、テンションの端には、鉄板がボルトで留められていた。
ニ、テンション材は、ゴムで作られており、そこにカーテンがボルトで留められていた。
ホ、カーテンの色は、白色であった。
(4)トラックの荷台は、あおりがついてなく、俗に平ボディートラックと言われているものであった。
(5)証人は、平成3年8月1日に日本ソリッドに入社して以降、上記汚濁防止膜を目撃した当時も含めて、一貫して汚濁防止膜も含めた水処理技術の開発、設計に従事し、入社以前は、理科系(化学)の教員をやっていた。
(6)以上真正に成立した証人による証言された事実をふまえると、
「フロートをカバーによって覆ったフロート体を、テンション材を挟んで対向させ、これらをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部のテンション材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体に構成した汚濁防止膜」が、白昼、公の場所に、オープン状態で置かれていた。ここで「フロート」、「フロート体」、「テンション材」は、汚濁防止膜の構造、機能から見て、それぞれ本件請求項1に係る考案でいうところの「浮力材」、「浮力体」、「張力材」、に相当することから、この汚濁防止膜は、「浮力材をカバーによって覆った浮力体を張力材をはさんで対向させ、これをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテンをボルトで取り付けて全一体に構成した」構造をもつと認められる
そして、トラックの荷台に置かれたその汚濁防止膜に対しては、秘密状態を維持するための、カバーがされたり、遮蔽物が置かれたり、あるいは、第3者が不用意に近づけないようにしたとかの、何らかの防護的措置が講じられたという形跡が窺えないことから、いわば秘密を脱した状況下に置かれていたということになり、第3者が、見ようと思えば容易に見ることができたわけである。
現に秘密にすべき関係のない同証人らによって、当該汚濁防止膜を見たという事実が推認出来、しかも特に当該証人は、当時汚濁防止膜の設計開発に携わっていた技術者であったことから、一見しただけで、当該製品の技術的内容を把握できたとしても、何ら不自然なことではなく、これらの状況をふまえてみると、公然知られたものには該当しないと断定することは、極めて困難である。
(7)また権利者が平成12年2月10日付けで提出した上申書によると、「浮力材をカバーによって覆った浮力体を張力材を挟んで対向させ、これをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体に構成した汚濁防止膜」が、本件出願前の平成5年2月23日に組み立てられ、平成5年3月9日に横浜の南本牧の施工業者(佐伯工業株式会社)に搬入され、当該年度内である平成5年3月末までに工事が完了されていたはずであったとのことであり、しかも当該汚濁防止膜の設置工事は公共工事であって、公の海上に設置するものであることを併せ鑑みれば、出願前に公の場所において、実施されたものであると推定する事に不自然さはなく、同証人が証言した証言内容は、当時のこうした状況下を鑑みれば、十分に推認できるところである。
(8)以上の事実を総合して勘案すると、「浮力材をカバーによって覆った浮力体を張力材を挟んで対向させ、これをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体に構成した汚濁防止膜」は、平成5年3月18日に横浜市金沢区幸浦1丁目金沢木材港バースの公道脇の空地において公然知られたと認めるのが相当である。
次に異議申立人が提出した甲第2号証の実公昭53-46765号公報には「フロート本体の長手方向の長さより幅狭のシート様垂下テールをフロート本体の下方に装着したフロートフェンスを連設してなる汚濁防止装置」(公報第1欄23行?26行)が記載され、
「2個のフロート部分A、Aのそれぞれの平面イ、ロープ挿通溝γ、および平面口には接着剤を塗布しシート状垂下テールBの一側端面が2個のフロート部分A、Aの口面間に挟着されるようにそれらのフロート部分A、Aを一体化し、ロープ挿通孔βにはロープαを挿通し、ホースa装着用溝bにはホースaを装着する」(公報第3欄32?39行)が記載され、これらの記載を含む明細書及び図面の記載からみて甲第2号証の刊行物には次のような考案が記載されていると認める。
「フロート部分とシート状垂下テールとより成りシート状垂下テールの一側面を2個のフロート部分間の面間に挟着して締結バンドで一体化した汚濁防止装置」
なお異議申立人が甲第1号証として提出した「固定式汚濁防止膜御承認図」と称する資料は、シバタ工業株式会社が佐伯建設工業株式会社会社に提出した承認図であると説明がなされ、当該資料が本件考案の出願前に頒布されたとする事実が立証されていないから、本件考案の出願前に頒布された刊行物として取り扱うことはできない。
(2-3-3)対比判断
(2-3-3-1)請求項1について
訂正明細書の請求項1に係る考案と上記公然知られたと認められるもの(以下「公然知られた考案」という)及び甲第2号証の刊行物に記載された考案とを比較すると、公然知られた考案あるいは甲第2号証の刊行物に記載された考案は、訂正明細書の請求項1に係る考案の構成の一部は備えているものの、本件請求項1に係る考案の「ゴム製の張力材に補強材を埋設させた」(以下「構成要件A」という)点の構成は存在せず、しかも当該技術分野において、上記構成要件Aが自明な技術的事項であるとも認められず、また上記公然知られた考案と甲第2号証の刊行物に記載された考案とを相互に適用しても訂正明細書に記載された考案に到達することができたと認定することはできない。そして訂正明細書の請求項1に係る考案は、上記構成要件Aを具有することにより、訂正明細書記載の特有な作用効果を奏するものである。
したがって訂正明細書の請求項1に係る考案は、上記公然知られた考案又は甲第2号証の刊行物記載の考案であるとはいえず、また上記公然知られた考案や甲第2号証の刊行物記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものということもできない。
また他に訂正明細書の請求項1に係る考案が実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができない理由を発見しない。
なお異議申立人が甲第1号証として提示した刊行物は、上述したとおり本件考案の出願前に頒布された刊行物として取り扱うことができないことから、本件訂正明細書の請求項1に係る考案の新規性進歩性を判断する証拠としては採用しないが、仮に出願前に頒布された刊行物であったとしても、当該刊行物中に上記構成要件Aが開示又は示唆されているとは認められない。
さらに異議申立人が平成11年8月13日付けで提出した「南本牧ふ頭建設工事に提案する汚濁防止膜について」と称する参考資料、及び平成11年12月22日付けで提出した上申書に添付された参考資料1?14、並びに平成12年3月3日付けで提出した上申書に添付した参考資料1?3には、いずれにいおても上記構成要件Aについての開示も示唆もされていない。
よってこれらの異議申立人が提出した全ての資料を勘案しても上述の結論を変更すべき点は見い出せない
(2-3-3-2)請求項2について
訂正明細書の請求項2に係る考案は、訂正明細書の請求項1に係る考案を技術的に限定したものであるから、請求項1に係る考案が独立して実用新案登録を受けることができない理由がない以上、訂正明細書の請求項2に係る考案は、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
(2-3-4)
以上のとおりであるから、上記訂正請求は特許法の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.実用新案登録異議申立について
(3-1)実用新案登録異議申立の概要
実用新案登録異議申立人日本ソリッド株式会社は、甲第1号証、甲第2号証、また特許庁公開審判廷で行われた証人飛田義人に対する尋問による証言から得られた事実から、本件請求項1,2に係る考案がきわめて容易に想到できたもの、あるいは公然知られらたものであるのであるから実用新案法3条2項又は1項の規定により実用新案登録を受けることができないものでありその実用新案登録を取り消すべき旨を主張している。
(3-2)本件請求項1,2に係る考案
本件請求項1,2に係る考案は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載されたとおりのものと認める。
(3-3)当審の判断
上記(2-3-3)で示したように、本件請求項1,2に係る考案は、本件の出願前に公然知られた考案でなく、あるいは甲第2号証の刊行物に記載された考案でもなく、また証人飛田義人の証言により公然知られたとする考案や甲第2号証の刊行物に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に想到できたものであるとすることはできない。したがって実用新案登録異議申立人の主張は採用できない。
4.むすび
以上のとおりであるから、本件実用新案登録異議申立の理由及び提出された証拠方法によっては、本件請求項1,2に係る考案の登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1,2に係る考案の登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
汚濁防止膜
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 フロート部とカーテン部とより成る汚濁防止膜において、浮力材をカバーによって覆った浮力体を、補強材を埋設させたゴム製の張力材を挟んで対向させ、これらをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体にしたことを特徴とする汚濁防止膜。
【請求項2】 請求項1において、浮力材を耐摩擦性に優れた被覆材で覆い、さらにカバーで被覆したことを特徴とする汚濁防止膜。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、海洋や河川で用いる汚濁防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
海洋土木工事や河川工事において、埋め立てや浚渫によって発生する汚濁の拡散を防ぐために工事現場付近を汚濁防止膜で囲ったり川下側に汚濁防止膜を設置したりしている。
このような汚濁防止膜の従来例を、以下に図面を用いて説明する。
【0003】
図5は要部断面図、図6は正面図、図7は接続部の説明図であり、図において、1は膜本体を構成する汚濁を閉止して沈澱させるカーテン部であり、一般には一つのユニットは20mの幅であり、下部に重錘2が取り付けてある。
3はフロート部であり、上記カーテン部1を全長にわたって垂下させるもので、発泡ポリスチレン等の浮力材4を塩化ビニル樹脂等により縫製されたカバー5内に装着した構造であり、このカバー5の下部にポリエステル等の繊維ベルトによる張力材6を介して上記カーテン部1が縫製加工により取り付けられている。
【0004】
この張力材6の両端にそれぞれ連結金具および係留索を接続する環状の接続金具7、8がボルト止めされてユニットが構成されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、近年の海洋土木工事や河川工事の大規模化するに伴ってその工期も長期化し、しかも海洋土木工事の場合、工事海域も内海から外洋に面した場所で行われることが多くなっている。
これらの事情に伴って、使用される汚濁防止膜の使用も長期的となると共に設置される条件の厳しさに伴って耐久性や強度の問題が発生してきている。
【0006】
例えば、外力を受け持つ張力材は、繊維ベルトの端部に取り付けた接続金具で他ユニットとの接続や係留をその一点で行っているために、フロート部の張力はこの繊維ベルトに集中することになり、その疲労による張力材の張力低下が大きく、耐久性に問題が生じる。
また、フロート部の浮力材は、一定長さの発泡ポリスチレン等が突き合わされて連続してカバー内に挿入装着されてユニットの長さになっている。このために、常時の波浪による動揺によって浮力材は浮力材同志の突き当て部やカバーとの擦れによって摩耗が発生し、浮力材は体積が小さくなり、小さくなりだすとそれは加速度的になり、その体積減少の結果、浮力が減少するという問題がある。
【0007】
さらに、長期の使用によってカーテン部やフロート部に貝類等の生物が付着して重量が増大し、それによってカーテン部が海中に引き込まれ、水圧によって浮力材の体積が収縮すると共に浮力材が吸水してフロート部の浮力が減少してしまう問題がある。
ところが、フロート部は一つのユニットが長いために構成部材の大半が縫製加工によっており、フロート部の交換がしにくいために、結局はユニット単位での交換になってしまい、経済的に大きな負担となる問題がある。万一の損傷時においても現地での補修作業がやりにくいという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本考案は、浮力材をカバーによって覆った浮力体を、補強材を埋設させたゴム製の張力材を挟んで対向させ、これらをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体にしたことを特徴とする。
【0009】
以上の構成によると、浮力体は張力材の表裏にそれぞれが別れて取り付けられ、その張力材にカーテン部がボルトで取り付けられるためにカーテン部にかかる潮流や河川における水の抵抗等の無理な応力が浮力体に直接かかることがなく、フロート部の耐久性が向上することになる。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下に本考案の一実施の形態例を図面を用いて説明する。
図1は要部断面図、図2は正面図、図3は接続部の拡大正面図、図4は接続部の拡大平面図であり、図において、9は膜本体を構成する汚濁を閉止して沈澱させて通水させるカーテン部であり、5m程度の幅であり、下部に重錘10が取り付けてある。
【0011】
11はフロート部であり、以下のような構成となっている。
断面形状半円形の発泡ポリスチレン等の浮力材12を必要に応じてウレタン等の耐摩擦性に優れた樹脂等の被覆材13で被覆し、さらにそれを塩化ビニル樹脂等によるカバー14によって覆って浮力体15を構成する。このカバー14の上下端には接続部16、17が、また、左右両端には接続部18、19がそれぞれフランジ状に形成されている。
【0012】
20はフロート部11の芯材を兼ねる張力材であり、上記カーテン部9と同様の幅であり、上記カバー14の上下端の接続部16、17間よりさらに高い高さを有し、布、金網、鉄板等の補強材を埋設させたゴム製である。
この張力材20を挟んで浮力体15を向かい合わせ、それぞれ接続部16、17および接続部18、19をボルト21によって止めて張力材20と向かい合わせた二つの浮力体15とを一体にして断面形状がほぼ円形のフロート部11を構成する。
【0013】
このようにしたフロート部11の張力材20の下部にカーテン部9をボルト22によって取り付けることにより図2に示す如く一つのユニットを形成する。
この各ユニットは、図3、図4に示す如く、張力材20の端部を重ね、鋼板等の曲げ剛性を有する接続板23で両面から挟んでボルト24で固着することによって所望の長さに仕上げる。25は接続板23に取り付けてあるアンカーフック、26は設置のための係留索である。
【0014】
以上の構成によると、各ユニットを連続させて所定の長さにして現場域を囲んだり所定個所の川下側に設置して係留索26で固定設置することにより、カーテン部9により汚濁を閉止して沈澱させることができる。
その際、潮の流れや水の流れのカーテン部9にかかる抵抗力は、カーテン部9が連結してある張力材20に作用して浮力体15には直接作用しないことになり、浮力体15に大きな応力や衝撃的な応力がかかることがない。
【0015】
【考案の効果】
以上詳細に説明した本考案によると、浮力材をカバーによって覆った浮力体を、補強材を埋設させたゴム製の張力材を挟んで対向させ、これらを一体にボルトで留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて一体にして汚濁防止膜のユニットを構成したことにより、カーテン部は直接浮力体に接続せずに張力材に接続するために浮力体には無理な応力がかかることがなく浮力体の耐久性が格段に向上する効果を有する。
【0016】
また、浮力体を張力材を挟んで二つに分けてあり、しかもそれぞれをボルトで着脱可能にしてあるために、浮力体の交換が可能となり、しかも片方ずつの浮力体の交換が可能であるために交換作業が容易となる効果を有する。
また、浮力材をウレタン等の耐摩擦性に優れた被覆材で被覆すると、浮力材同志やカバーとの擦れによる摩耗や水圧による体積収縮による浮力減少を軽減させることができ、浮力材の耐久性が向上する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施例を示す要部断面図である。
【図2】
正面図である。
【図3】
接続部の拡大正面図である。
【図4】
接続部の拡大平面図である。
【図5】
従来例を示す要部断面図である。
【図6】
正面図である。
【図7】
接続部の説明図である。
【符号の説明】
9 カーテン部
11 フロート部
14 カバー
15 浮力体
20 張力材
訂正の要旨 本件訂正は、特許請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付した明細書の記載を下記の(1)及び(2)のように訂正するものである。
(1)特許請求の範囲の請求項の記載を、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項に記載のとおり、
「【請求項1】 フロート部とカーテン部とより成る汚濁防止膜において、浮力材をカバーによって覆った浮力体を、補強材を埋設させたゴム製の張力材を挟んで対向させ、これらをボルトで一体に留めてフロート部を構成し、このフロート部の張力材にカーテン部をボルトで取り付けて全一体にしたことを特徴とする汚濁防止膜
【請求項2】請求項1において、浮力材を耐摩擦性に優れた被覆材で覆い、さらにカバーで被覆したことを特徴とする汚濁防止膜。」と訂正する。
(2)明細書段落【0008】の
「張力材」を「補強材を埋設させたゴム製の張力材」と訂正する。
異議決定日 2000-12-07 
出願番号 実願平5-55908 
審決分類 U 1 651・ 113- YA (E02B)
U 1 651・ 111- YA (E02B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小野 忠悦  
特許庁審判長 佐田 洋一郎
特許庁審判官 鈴木 公子
鈴木 憲子
登録日 1998-04-24 
登録番号 実用新案登録第2576223号(U2576223) 
権利者 シバタ工業株式会社
兵庫県明石市魚住町中尾1058番地 太陽工業株式会社
大阪府大阪市淀川区木川東4丁目8番4号 横浜ゴム株式会社
東京都港区新橋5丁目36番11号
考案の名称 汚濁防止膜  
代理人 金倉 喬二  
代理人 金倉 喬二  
代理人 金倉 喬二  
代理人 金倉 喬二  
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