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審決分類 審判 全部申し立て   B65D
管理番号 1036068
異議申立番号 異議1999-74753  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-12-15 
確定日 2001-02-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第2596699号「容器とその蓋」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2596699号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2596699号は、平成5年7月27日に出願され、平成11年4月16日に設定の登録がなされ、その後瀬川忠世より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされたところ、その指定期間内である平成12年6月5日に実用新案登録異議意見書の提出とともに訂正請求がなされ、さらに訂正拒絶理由通知がなされたところ、その指定期間内である平成12年9月21日に実用新案異議意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1) 訂正の内容
実用新案権者は、本件実用新案登録第2596699号の明細書を訂正明細書のとおりに訂正することを求めており、その具体的内容は、実用新案登録請求の範囲の
「【請求項1】合成樹脂により形成され、外筒1、内筒2、上壁3により構成される、容器4への取付部5;前記外筒1の内側に形成された、前記容器4の係止部6と掛止する掛止部7;前記取付部5に一体に設けられた注筒8;該注筒8の内側に設けられた、無端状の裂溝9を有する遮断壁10;該遮断壁10上で、前記裂溝9の内側に設けられた裂取部材11;前記上壁3に設けられた後記外蓋12と係止する係合部13;前記外筒1の上端部にヒンジ14を介して設けられた外蓋12;前記外筒1に、かつ前記ヒンジ14端部又はその近傍から下端部に亘って形成された弱化線15;該弱化線15の上部に連続して前記上壁3に、周方向に形成された弱化ライン16;から成ることを特徴とする容器とその蓋。」
を、
「【請求項1】合成樹脂により形成され、外筒1、内筒2、上壁3により構成される、容器4への取付部5;前記外筒1の内側に形成された、前記容器4の係止部6と掛止する掛止部7;前記取付部5に一体に設けられた注筒8;該注筒8の内側に設けられた、無端状の裂溝9を有する遮断壁10;該遮断壁10上で、前記裂溝9の内側に設けられた裂取部材11;前記上壁3に設けられた後記外蓋12と係止する係合部13;前記外筒1の上端部にヒンジ14を介して設けられ、かつ、容器の回収の場合には、掴まれて外方に引っ張られ後記弱化ライン16の裂切りがその周方向の半ばを越した際に上方に引っ張られる外蓋12;前記外筒1に、かつ前記ヒンジ14端部又はその近傍から下端部に亘って形成された弱化線15;該弱化線15の上部に連続して前記上壁3に、周方向に形成され、かつ、容器の回収の場合には前記外蓋12の外方への引っ張りにより、その周方向の半ばを越すまで裂切られる弱化ライン16;から成ることを特徴とする容器とその蓋。」
と訂正するというにある。

(2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び実用新案登録請求の範囲の拡張・変更の有無
上記訂正は、実用新案登録請求の範囲に記載された「外筒1の上端部にヒンジ14を介して設けられた外蓋12」及び「周方向に形成された弱化ライン16」をそれぞれ、「外筒1の上端部にヒンジ14を介して設けられ、かつ、容器の回収の場合には、掴まれて外方に引っ張られ後記弱化ライン16の裂切りがその周方向の半ばを越した際に上方に引っ張られる外蓋12」及び「周方向に形成され、かつ容器の回収の場合には前記外蓋12の外方への引っ張りにより、その周方向の半ばを越すまで裂切られる弱化ライン16」と限定するものであるので、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(3) 独立実用新案登録要件
a)訂正後の考案
訂正後の請求項1に係る考案は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】合成樹脂により形成され、外筒1、内筒2、上壁3により構成される、容器4への取付部5;前記外筒1の内側に形成された、前記容器4の係止部6と掛止する掛止部7;前記取付部5に一体に設けられた注筒8;該注筒8の内側に設けられた、無端状の裂溝9を有する遮断壁10;該遮断壁10上で、前記裂溝9の内側に設けられた裂取部材11;前記上壁3に設けられた後記外蓋12と係止する係合部13;前記外筒1の上端部にヒンジ14を介して設けられ、かつ、容器の回収の場合には、掴まれて外方に引っ張られ後記弱化ライン16の裂切りがその周方向の半ばを越した際に上方に引っ張られる外蓋12;前記外筒1に、かつ前記ヒンジ14端部又はその近傍から下端部に亘って形成された弱化線15;該弱化線15の上部に連続して前記上壁3に、周方向に形成され、かつ、容器の回収の場合には前記外蓋12の外方への引っ張りにより、その周方向の半ばを越すまで裂切られる弱化ライン16;から成ることを特徴とする容器とその蓋。」(以下、「訂正考案」という。)

b)訂正拒絶理由の概要
当審が通知した訂正拒絶理由の概要は、訂正考案は、刊行物1[実願平3-88916号(実開平5-34151号)のCD-ROM]及び刊行物2[実願平1-152148号(実開平3-90855号)のマイクロフィルム]に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により、出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものであるので、本件訂正は認めないというにある。

c)刊行物に記載された事項
刊行物1には、以下の事項が記載されている。
イ.「合成樹脂により形成され、頂壁1及び容器の口部の外周をカバーする筒部2から成る中蓋3;該中蓋3にヒンジ4を介して一体に設けられた外蓋5;前記頂壁1の一部でかつ前記ヒンジ4に対応する部分に形成された弱化線6;該弱化線6に連続し前記筒部2の上端部7から同下端部8迄形成された弱化ライン9から成ることを特徴とするキャップ」(【実用新案登録請求の範囲】【請求項1】)
ロ.「従来から図4に示すような形式のキャップが広く用いられている。この考案はこのような形式のキャップを改良するものであるため、まずこのキャップを説明する。
同図において、aは合成樹脂製のキャップであり、中蓋bと外蓋cとがヒンジdにより一体に設けられている。eは内筒であり、fで示す外筒と共に容器gの口部を挟持して圧接嵌合させられる。hは係合突起、iは係合凹部を示す。又jは遮断壁、kは裂溝、lはプルリング等の裂取部材、mは注筒を示す。」(【0002】【従来の技術】)
ハ.「容器の内容物の使用後にこの容器を回収して再使用する場合、前記外蓋5を摘み、外方に引っ張ることにより前記ヒンジ4によって、前記頂壁1に形成された前記弱化線6が裂切られ、ついで前記筒部2に形成されている弱化ライン9が裂切られる。」(【0005】【作用】)
ニ.「図2において13は流体の流通を遮断する遮断壁、14は無端状の裂溝、15は裂取部材を示す。」(【0006】【実施例】)
ホ.「前記弱化ライン9は前記ヒンジ4の左右両側にそれぞれ形成されて示されているが、これはいずれか一方のみ形成されていてもよい。
なお16は係合突起であり、図示しない容器の口部に形成した係合凹部に係号し、前記筒部2はその容器の口部外周に圧接させられる。」(【0007】)
へ.「弱化線6及び弱化ライン9は共に外蓋5をもって外側に引っ張ることにより裂切られる強度に形成されている。」(【0008】)
ト.「前記中蓋3の、頂壁1の一部で、かつ前記ヒンジ4に対応する部分に弱化線6を形成し、かつこの弱化線6に連続して、筒部2の上端部7から同下端部8迄弱化ライン9を形成したことにより、外蓋5を外側に引っ張ることにより、容易に弱化線6及び弱化ライン9から裂切れ、装着した容器から外し易くすることができ、この容器の回収を容易にすることができる。」(【0009】【考案の効果】)
そして、実施例を示す図1?3とともに従来の同種キャップを容器に装着した態様である図4が示されている。
刊行物2には、容器の替栓付きキャップに係る考案が記載されており、「天板1の周縁に外筒2が垂設された替栓10を形成し、この替栓10の外筒2下端に、この外筒2の径より若干大径の切取筒4を、肉薄の切取横溝5を介して切取自在に連設し、この切取筒4の適所には、前記切取横溝5から切取筒4下端に連続する肉薄の切り取り縦溝6を設け」ること(第5頁第18行?第6頁第3行)、
「摘み片7を摘んで上方から下方及び側方へ引張って切取筒4を切取横溝5及び切取縦溝6から切取ることができるため、切取筒4の切取作用が極めて容易である。」こと(第6頁第14?18行)
などが図面とともに示されている。

d)対比・判断
刊行物1の上記の従来技術を含む記載事項及び図面を参照すると、刊行物1に記載されたキャップの、「筒部2」、「内筒e」、「頂部1」はそれぞれ訂正考案の「外筒1」、「内筒2」、「上壁3」に相当し、それらによりキャップを容器へ取り付けているものと認められ、上記筒部2の内側に形成された「係合突起h」、及び「容器gの係合凹部i」はそれぞれ訂正考案の「掛止部7」、及び「容器4の係止部6」に相当し、ヒンジ4に対応する部分に形成された「弱化線6」、及び該弱化線6に連続し筒部2の上端から下端迄形成された「弱化ライン9」は、それぞれ訂正考案の「弱化ライン16」及び「弱化線15」に相当するので、刊行物1には、訂正考案の表現にならって表現すると、「合成樹脂により形成され、外筒、内筒、上壁により構成される容器への取付部;前記外筒の内側に形成された、前記容器の係止部と掛止する掛止部;前記取付部に一体に設けられた注筒;該注筒の内側に設けられた無端状の裂溝を有する遮断壁;該遮断壁上で前記裂溝の内側に設けられた裂取部材;前記外筒の上端部にヒンジを介して設けられ、かつ、容器の回収の場合には掴まれて外方に引っ張られる外蓋;前記外筒にかつ前記ヒンジ端部近傍から下端部に亘って形成された弱化線;該弱化線の上部に連続して前記上壁に形成され、容器の回収の場合には前記外蓋の外方への引っ張りにより裂切られる弱化ラインから成る容器とその蓋」が記載されているということができ、本件考案と、刊行物1に記載された考案とは上記の点で一致しており、下記の点で相違するものと認められる。
相違点1.訂正考案においては、上壁3に外蓋12と係止する係合部13を有するのに対し、刊行物1にはそのような係合部が記載されていない。
相違点2.訂正考案において、外蓋12は、容器の回収の場合に、掴まれて外方に引っ張られ、弱化ライン16の裂切りがその周方向の半ばを越した際に上方に引っ張られるとされているのに対し、刊行物1には、外蓋を引っ張る方向を変更すること及びその時の弱化線の裂切りの程度については開示されていない。
相違点3.訂正考案において、弱化ライン16は容器の回収の場合に外蓋の外方への引っ張りにより、その周方向の半ばを越すまで裂切られるとされているのに対し、刊行物1には、弱化線が容器の回収の際どの程度裂切られのか記載されていない。
そこで上記の相違点について検討する。
相違点1について、
本件考案の蓋や刊行物1に記載されたキャップのような、外蓋が容器への取付部にヒンジを介して一体に設けられている蓋体において、外蓋を閉めた状態を維持するために係合する手段を設けることは常套手段であり、刊行物1に記載されたキャップに該常套手段を適用すること、その際に、係合部を容器への取付部の頂部(上壁)とすることは当業者が適宜なし得る設計的事項と認められる。
相違点2、3について
相違点2、3に係る事項をさらに検討すると、相違点2に係る事項は、容器の回収の際の、使用者による外蓋の扱い方により外蓋を特定し、また、相違点3に係る事項は、容器の回収の際に、弱化ラインがどこまで裂き切られるかによって弱化ラインを特定していることになっているが、外蓋そのものの構成は刊行物1に記載されたキャップの外蓋と変わるところはなく、弱化ラインが周方向の半ばを越すまで裂切られる点について、明細書の記載によれば、弱化ライン16が上壁の周方向に形成されていることによって、「容器の回収の場合に、掴まれて外方に引っ張られ、弱化ライン16の裂切りがその周方向の半ばを越した際に上方に引っ張られ」、そのような外蓋の引っ張りにより、弱化ライン16は、「周方向の半ばを越すまでして裂切られる」とされており、そのほかに弱化ラインそのものの構成は示されていない。
すなわち、訂正考案においては、弱化ラインを、上壁の周方向に形成することで、「弱化ラインが周方向の半ばを越すまで裂切られる」ように取扱うことができるものと認められる。
ところで、刊行物2には、摘み片を引っ張ることにより切取横溝とそれに連続する切取縦溝を裂切るようにした容器の蓋が記載されており、その切取横溝は切取られる部分である切取筒の上面部に円周状にすなわち周方向に形成されている態様が図示されている。そして、摘み片を摘んで上方、下方、側方に引っ張って切取筒を切取ることが容易にできる旨が開示されている。
すなわち、刊行物2には、切取縦溝に連続する切取横溝を円周方向に形成することにより、摘み片を引っ張って切取横溝の切り取りを容易にすることが開示されている。
したがって、刊行物2に記載された容器のキャップにおける切取横溝の「周方向に形成する」構成を刊行物1に記載されたキャップの弱化線に適用して訂正考案の弱化ライン16のようにすることは当業者がきわめて容易になし得るものと認められ、そのような円周方向に形成された弱化ラインを有する蓋を、回収の場合に、外蓋を掴んで引っ張って弱化ラインを切裂き、容器から外すとき、どのように引っ張って、どの程度まで切裂くのか、というような点は、使用者が、適宜実施しうる使用の態様と認められる。
この点について、権利者は、平成12年9月21日付の実用新案登録異議意見書において、刊行物2の切取横溝5は、円周方向全周に形成されることが要件であり、訂正考案の弱化ライン16の構成「周方向の半ばを越すまで裂切られるように形成されている」とは実質的に異なる旨主張しているが、上記のように、訂正考案は、弱化ライン16そのものを周方向のどの範囲に形成されているか具体的に規定しているわけでもなく、明細書全体の記載からみて、上壁の周方向に形成されることによって「周方向の半ばを越すまで裂切る」ものと解されるのであるから、刊行物1に記載されたキャップの、外蓋の外方への引っ張りにより裂切られる弱化ライン(弱化線6)を、その裂切りを周方向の半ばを越すまでとすべく、刊行物2に記載された切取横溝の周方向に形成する構成を採用することは当業者がきわめて容易になし得る事項であり、この場合、刊行物1に記載されたキャップの、外蓋を引っ張ることにより容器から外し易くするという効果等を勘案すれば、弱化ラインが刊行物2に記載された考案のように全周に亘って裂切るものではないことは自明の事項であり、その裂切りの範囲は、当業者が適宜決定しうる設計的事項と認められる。
したがって、上記相違点1ないし3に係る事項は、周知技術、および刊行物2に記載された事項を勘案すれば、いずれも格別の創意を要する事項ではない。

(4)むすび
以上のとおりであるから、訂正明細書の請求項1に係る考案は、刊行物1及び2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号、以下、「平成6年改正法」という。)附則第9条第2項の規定によって準用する特許法第120条の4第3項においてさらに準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。

3.異議申立てについての判断
(1) 本件請求項1に係る考案
上記の訂正が認められないので、本件請求項1に係る考案は、実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載される事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】合成樹脂により形成され、外筒1、内筒2、上壁3により構成される、容器4への取付部5;前記外筒1の内側に形成された、前記容器4の係止部6と掛止する掛止部7;前記取付部5に一体に設けられた注筒8;該注筒8の内側に設けられた、無端状の裂溝9を有する遮断壁10;該遮断壁10上で、前記裂溝9の内側に設けられた裂取部材11;前記上壁3に設けられた後記外蓋12と係止する係合部13;前記外筒1の上端部にヒンジ14を介して設けられた外蓋12;前記外筒1に、かつ前記ヒンジ14端部又はその近傍から下端部に亘って形成された弱化線15;該弱化線15の上部に連続して前記上壁3に、周方向に形成された弱化ライン16;から成ることを特徴とする容器とその蓋。」(以下、「本件考案」という。)

(2) 取消理由の概要
当審で通知した、取消理由の概要は、本件考案は、刊行物1[実願平3-88916号(実開平5-34151号)のCD-ROM、異議申立人の提示した甲第1号証、当審が通知した訂正取消理由に引用した刊行物1に同じ]及び刊行物2[実願平1-152148号(実開平3-90855号)のマイクロフィルム、異議申立人の提示した甲第2号証、当審が通知した訂正取消理由に引用した刊行物2に同じ]に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるというにある。

(3) 当審の判断
上記刊行物1及び刊行物2に記載された事項は、上記「2.訂正の適否についての判断(3) 独立実用新案登録要件c)刊行物に記載された事項」の項に記載したとおりであり、上記「2.訂正の適否についての判断(3) 独立実用新案登録要件d)対比・判断」の項に記載した事項を参酌して、本件考案と刊行物1に記載された考案とを対比すると、両者は、「合成樹脂により形成され、外筒、内筒、上壁により構成される容器への取付部;前記外筒の内側に形成された、前記容器の係止部と掛止する掛止部;前記取付部に一体に設けられた注筒;該注筒の内側に設けられた、無端状の裂溝を有する遮断壁;該遮断壁上で、前記裂溝の内側に設けられた裂取部材;前記外筒の上端部にヒンジを介して設けられた外蓋;前記外筒にかつ前記ヒンジ端部の近傍から下端部に亘って形成された弱化線;該弱化線の上部に連続して前記上壁に形成された弱化ラインからなる容器とその蓋」の点で一致しており、以下の点で相違している。
相違点1.本件考案においては、上壁3に外蓋12と係止する係合部13を有するのに対し、刊行物1にはそのような係合部が記載されていない。
相違点2.本件考案において、弱化線の上部に連続して、上壁に形成される弱化ラインは、周方向に形成されているのに対し、刊行物1に記載された、弱化ライン9(本件考案の「弱化線」に相当)の上部に連続して上壁に形成されている弱化線6(本件考案の「弱化ライン」に相当)は、ヒンジに対応する部分に形成されている。
そこで上記の相違点について検討する。
相違点1について、
相違点1については、上記の「2.訂正の適否についての判断(3) 独立実用新案登録要件d)対比・判断」の項の「相違点1について」で述べたとおりである。
相違点2について、
刊行物2には、上記の「2.訂正の適否についての判断(3) 独立実用新案登録要件d)対比・判断」の項の「相違点2、3について」で述べたとおり、摘み片を引っ張ることにより、切取横溝とそれに連続する切取縦溝を裂切るようにした容器の蓋が記載されており、その切取横溝は切取られる部分である切取筒の上面部に円周状にすなわち周方向に形成されている態様が図示されており、このような切取横溝の構成を、刊行物1に記載された弱化線に適用して本件考案の弱化ライン16のように周方向に形成するようにすることも、当業者がきわめて容易になしえた事項と認められる。
したがって、本件考案は、刊行物1及び刊行物2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本件実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してなされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7号の規定に基づく、同法の施行に伴う経過処置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第1項及び第2項の規定により上記のとおり決定する。
異議決定日 2000-12-13 
出願番号 実願平5-40868 
審決分類 U 1 651・ 121- ZB (B65D)
最終処分 取消  
特許庁審判長 佐藤 雪枝
特許庁審判官 杉原 進
鈴木 美知子
登録日 1999-04-16 
登録番号 実用新案登録第2596699号(U2596699) 
権利者 三笠産業株式会社
奈良県北葛城郡広陵町大字寺戸53番地
考案の名称 容器とその蓋  
代理人 斉藤 秀守  
代理人 伊藤 文彦  
代理人 斉藤 侑  
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