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審決分類 審判    B26B
審判    B26B
管理番号 1039478
審判番号 無効2000-40020  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-07-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-09-26 
確定日 2001-05-21 
事件の表示 上記当事者間の登録第3056304号実用新案「頭髪刈り込み機」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第3056304号の請求項に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件登録実用新案第3056304号は、平成10年7月30日に出願され、平成10年11月18日に設定登録されたものである。これに対し、実用新案登録無効審判請求人鴻穎企業有限公司は、平成12年9月26日に審判請求書を、また平成12年11月30日に手続補正書及び上申書を提出した。そして、これらの書類の副本は、答弁書提出の期間を指定して、平成12年12月14日に実用新案権者である被請求人の株式会社アイアンに送達されたが、当該期間を経過しても被請求人の応答はなかった。
2.本件考案
本件考案は、本件実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1?5に記載された次のとおりのものである。
「 【請求項1】 頭髪を切断する切断部を備えた刈り込み機本体に、前記切断部へ頭髪を誘導する櫛杆を並設した櫛部を設けた頭髪刈り込み機において、前記櫛部に並設される櫛杆の高さを櫛部の一端側から他端側へ行く程高くなるように構成したことを特徴とする頭髪刈り込み機。
【請求項2】 前記櫛部の各櫛杆の先端を結んだ方向がこの櫛部の底部に位置する前記切断部の形成方向に対して所定の角度で傾斜するように構成したことを特徴とする請求項1記載の頭髪刈り込み機。
【請求項3】 前記櫛部の各櫛杆の先端を結んだ方向が切断部の形成方向に対して傾斜する所定の角度を、10° 或いは20° の角度に設定したことを特徴とする請求項2記載の頭髪刈り込み機。
【請求項4】 前記櫛部の一端部から他端部までの長さを、櫛部を頭部の側方にして耳の上方に位置せしめた際、およそ耳の上方の生え際から所定の高さまでに及ぶ長さに設定したことを特徴とする請求項1?3いずれか1項に記載の頭髪刈り込み機。
【請求項5】 前記櫛部に並設される櫛杆のうち、少なくとも高さの低い所定範囲の櫛杆の先端部に切断部への頭皮の巻き込みを防止する巻き込み防止手段を設けたことを特徴とする請求項1?4いずれか1項に記載の頭髪刈り込み機。」
3.請求人の主張
1)主張1
請求人は、甲第1号証として
「Trade Winds Monthly」、 May l998、 vol XIX No.5、第2頁
を提出して、本件登録実用新案の請求項1乃至4に係る考案は、甲第1号証に記載された考案と同一の考案であり、実用新案法第3条第1項第3号の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、また、本件登録実用新案の請求項5に係る考案は、甲第1号証に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に創作することができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、その実用新案登録は、同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきであると主張している。
2)主張2
請求人は、検第1号証として頭髪刈り込み機GR-808Aを提出して、本件登録実用新案の請求項5に係る考案は、検第1号証に係る考案と同一の考案であり、実用新案法第3条第1項第2号の規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、その実用新案登録は同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきであると主張している。
4.被請求人の主張
上記請求人の主張に対して、上記1の如く被請求人は、何等答弁しなかった。5.甲第1号証及び検第1号証 について
1)甲第1号証
a. 表紙の May l998との記載、及び「Monthly」との記載から、甲第1号証は、月刊誌であって1998年(平成10年)5月号と認められる。そして、月刊誌は一般にその表示された月の前後には、発行されるものであるから、甲第1号証は少なくとも本件出願日である平成10年7月30日 前には、 刊行物として頒布されていたと認められる。
b. 甲第1号証第2頁右上欄には、「ITEM NO.GR-808:RECHARGEABLE 2IN1 HAIR-STYLE TRIMMER」の記載、即ち「型番、GR808、充電可能なツーインワン・ヘアスタイルトリマー」を意味する記載と共に、頭髪刈り込み機が前後に並べられた写真が表示されていると認められる。
c. 前記表示された写真の頭髪刈り込み機は、本件請求項1に係る考案の切断部へ頭髪を誘導する櫛杆に相当すると認められる、棒状のものが立設されていることが認められる。
d. この種の頭髪刈り込み機において、本体側の切断部に対して、頭髪を誘導する櫛部を取り付けるようにするのが通常であり、上記甲第1号証の頭髪刈り込み機の中央部には水平方向の線が認められ、該線の下方は刈り込み機本体であり、該線の上方は棒状の櫛杆を併設した櫛部であると認められる。
e. 以上の認定事項からみると、甲第1号証に記載された前後の頭髪刈り込み機GR-808は、頭髪を切断する切断部を備え、切断部へ頭髪を誘導する櫛杆を併設した櫛部を備え、櫛部に並設される櫛杆の高さが櫛部の一端側(左側)から他端側(右側)へ行くほど高く、櫛部の各櫛杆の先端を結んだ線は直線をなすと認められる。そして、当審において甲第1号証について、実際に櫛部の各櫛杆の先端を結んだ線と切断部の形成方向に引いた線の成す角を測定したところ、後側の頭髪刈り込み機は約10°の角度で傾斜しており、また、前側の頭髪刈り込み機は約19°の角度で傾斜している ことが認められた。
2)検第1号証
請求人は、審判請求書において「検第1号証は、・・・・・・・1998年7月30日に日本において販売開始された頭髪刈り込み機GR-808Aである。 」(平成12年11月30日付手続補正書第4頁第2?4行)と主張している。しかしながら、この日に検第1号証のものが販売されたことを立証するものは何ら提出されておらず、また上記1998年7月30日は、本件登録実用新案の出願日であって、本件出願の時刻と検第1号証が販売された時刻との関係についても何ら主張、立証されていない。したがって、審判請求の理由及び証拠によっては、検第1号証が、本件登録実用新案の出願の時より前に販売されたものと認めることはできない。
6.対比・判断
1)請求項1について
本件登録実用新案請求項1に係る考案(前者)と甲第1号証に記載された考案(後者)を対比すると、両者は「頭髪を切断する切断部を備えた刈り込み機本体に、前記切断部へ頭髪を誘導する櫛杆を並設した櫛部を設けた頭髪刈り込み機において、前記櫛部に並設される櫛杆の高さを櫛部の一端側から他端側へ行く程高くなるように構成した」点において一致しているから、両者に構成上の相違点は認められない。
2)請求項2について
本件登録実用新案請求項2に係る考案(前者)と甲第1号証に記載された考案(後者)を対比すると、両者は請求項1に係る考案の構成に加え、「櫛部の各櫛杆の先端を結んだ方向がこの櫛部の底部に位置する切断部の形成方向に対して所定の角度で傾斜するように構成して」いる点でも一致しており、両者に構成上の相違は認められない。
3)請求項3について
本件登録実用新案請求項3に係る考案(前者)と甲第1号証に記載された考案(後者)を対比すると、請求項3に択一的に限定された構成の一方である、櫛部の各櫛杵の先端を結んだ方向が切断部の形成方向に対して傾斜する所定の角度を、10° の角度に設定したものは、甲第1号証に記載されている。したがって、両者に構成上の相違は、認められない。
4)請求項4について
本件登録実用新案請求項4に係る考案(前者)と甲第1号証に記載された考案(後者)を対比すると、後者には「櫛部を頭部の側方にして耳の上方に位置せしめた際」についての直接の記載は認められないが、後者は、その櫛部を頭部の側方にして耳の上方に位置せしめた際には、櫛部の一端部から他端部までの長さは、およそ耳の上方の生え際から所定の高さまでに及ぶ長さとなることは明らかであるから、両者に構成上の相違は、認められない。
5)請求項5について
この頭髪刈り込み機の分野において、櫛杆の先端部に切断部への頭皮の巻き込みを防止する巻き込み防止手段を設ける点(例えば、櫛杆の先端部に、切断部の形成方向に対してこれを横切る方向の曲げ部分を設けること)は周知技術であり、請求項1?4いずれか1項に記載の頭髪刈り込み機にこの周知技術を適用して、この請求項5の如くなすことは、当業者であればきわめて容易になし得る程度のものである。
7.むすび
以上のとおりであるから、本件登録実用新案の請求項1?4に係る考案は、甲第1号証刊行物に記載された考案であって、実用新案法第3条第1項第3号に該当し実用新案登録を受けることができないものであり、また請求項5に係る考案は、甲第1号証刊行物に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであって、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、本件実用新案登録は、同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、実用新案法第41条で準用する特許法第169条第2項の規定で更に準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-03-12 
結審通知日 2001-03-23 
審決日 2001-04-06 
出願番号 実願平10-5725 
審決分類 U 1 111・ 113- Z (B26B)
U 1 111・ 121- Z (B26B)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 三原 彰英
中村 達之
登録日 1998-11-18 
登録番号 実用新案登録第3056304号(U3056304) 
考案の名称 頭髪刈り込み機  
代理人 服部 雅紀  
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