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審決分類 審判 一部申し立て   B62D
管理番号 1039495
異議申立番号 異議1999-72159  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-05-29 
確定日 2001-01-13 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2586020号「電動パワーステアリング装置」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2586020号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 一.[手続の経緯]
本件実用新案登録第2586020号(請求項の数2、以下、「本件登録」という)は、平成4年11月24日に出願された実願平4-80850号に係り、平成10年9月25日に設定登録され、その後、上記登録異議申立人より、請求項1に関して登録異議の申立てがあったので、当該申立ての理由について検討の上、当審より平成12年6月9日付で取消理由(第1回目)を通知し、これに対して実用新案権者より平成12年8月22日付で登録異議意見書及び訂正請求書が提出された。
この訂正請求に係る訂正明細書及び登録明細書の記載について、当審であらためて検討したところ、考案の詳細な説明と実用新案登録請求の範囲の記載との間の対応関係について不備があると認定されたので、その旨を指摘した取消理由を平成12年11月30日付で通知(第2回目)したところ、これに対して実用新案権者は先の平成12年8月22日付の訂正請求を取下げると共に、あらためて、その第2回目の取消理由通知書で指定した期間内の平成12年12月6日付で訂正請求をした。

二.[訂正請求の適否]
1.訂正の要旨
上記平成12年12月6日付訂正請求における訂正の要旨は、次のイ、ロのとおりである。
イ 登録時明細書の実用新案登録請求の範囲において、「算出した2乗値に基づいて駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする」という記載を、「算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段と、算出した1次遅れ値が所定値以下の場合は一定の値であり、前記所定値を超える特定の範囲で前記1次遅れ値の増加に伴い減少するように駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする」と訂正する。
ロ 考案の詳細な説明において、上記イの訂正事項に対応する箇所(【0005】、【0006】、【0008】、【0012】、【0013】)の記載について、当該イの訂正の内容と整合するように訂正する。
2.訂正の目的
上記イの訂正は、実用新案登録請求の範囲の記載を限定して、考案の技術内容をより詳しく規定しようとするもので、明らかに、実用新案登録請求の範囲の減縮とみることができるし、上記ロの訂正は、上記イの訂正に伴って生じる明細書の記載の齟齬を、訂正により解消しようとするもので、明瞭でない記載の釈明とみることができる。
3.新規事項の有無
本件登録に係る、登録時明細書(願書に添付した明細書、特に、【0011】欄)及び図面(図3)の記載からみて、上記の訂正の内容は、願書に添付した明細書または図面に記載されていない新規事項を含むものではない。
4.拡張、変更の有無
上記各訂正の内容は、登録時明細書に記載された事項の範囲内において、請求項1に係る考案の構成を具体的に限定しようとするものであって、実用新案登録請求の範囲を実質的に拡張したり、変更したりするものとはいえない。
5.独立登録要件の適否
(1)<訂正請求に係る考案>
訂正に係る請求項1の記載は次のとおりである。
【請求項1】「操舵力を助勢する電動機の駆動電流を検出し、それに基づいて電動機の過熱保護を行なうべくなしてある電動パワーステアリング装置において、駆動電流の2乗値を算出する手段と、算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段と、算出した1次遅れ値が所定値以下の場合は一定の値であり、前記所定値を超える特定の範囲で前記1次遅れ値の増加に伴い減少するように駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする電動パワーステアリング装置。」(この訂正請求に係る請求項1に記載された事項によって特定される考案を、以下、「本件考案」という)
(2)<引用例とその記載事項の概要>
これに対して、上記第1回目の取消理由で引用した引用例であって、本件登録に係る出願前に頒布された刊行物は、次のとおりである。
刊行物1 特開平1-186468号公報(登録異議申立人が提出した甲第1号証)
刊行物2 特開昭60-51496号公報(同じく甲第2号証)
刊行物3 特開昭57-91689号公報
刊行物4 特開昭63-189220号公報
上記刊行物1には「モータ駆動式のパワーステアリング装置」において、「モータの異常過熱」を防止することを目的として、「モータ電流の所定時間毎の平均電流の大きさに応じてモータ電流の最大値を制限する」手段、具体的には、モータを駆動する「モータ電流」を、「電流測定手段」で定期的に測定した値をもとに、「平均電流を演算し、この演算結果が大きい(例えばモータ最大指示電流の60?80%以上)の場合」、モータ電流を「所定値だけ減少させる制御をくり返し、連続して流し続けてもモータ13やコントロールユニット9のパワー素子部9iが熱破壊に至らない電流値」に保持することが開示されている。(第2頁右上欄第16行?左下欄第20行、第3頁左上欄第12行?右上欄第5行、第1、2図参照)
また、上記の刊行物2には、「モータを過熱から保護する」ための制御を「合理的に」行うためには、駆動電流の「実効電流値」の2乗値を、「負荷基準値」の2乗値と比較することが有効である旨が示唆されている。(第2頁左上欄第2行?同右下欄下から3行参照)
更に、上記刊行物3、4にも、上記刊行物2と同様に、電動機過熱保護のための駆動電流の上限値を、当該電流の2乗値に基づいて制御することや、当該制御は電流値自体での制御よりも、正確性において優れる旨の記載がある。
(3)<考案の対比>
本件考案と刊行物1記載の考案とを対比すると、刊行物1記載の「モータ駆動式のパワーステアリング装置」も、当然モータ(電動機)によって「操舵力を助勢する」ものであり、モータやコントロールユニットのパワー素子部の過熱保護のために、駆動電流を検出して、この検出値をもとに、所定値(刊行物1の記載では「モータ最大指示電流の60?80%」)と比較し、当該所定値より大きい場合には、駆動電流を減少させる制御を行うものである点では、本件考案と一致しているといえる。
しかし、本件考案における、「駆動電流の2乗値を算出する手段と、算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段」を具備するようにした構成(以下、「相違点の構成」という)については、刊行物1に言及がない点で、本件考案と刊行物1記載の考案とは相違している。
そこで、この相違点について検討すると、刊行物2?4には、モータの過熱保護に関する制御手法として、駆動電流の2乗値を考慮することの優位性が示唆されているといえるから、刊行物1記載のモータの駆動電流の制御手法に関して、「駆動電流の2乗値を算出する手段」と、当該2乗値に基づく上限値の決定手段を採用することは、当業者であれば極めて容易に想到できる設計事項といえる。
しかし、上記相違点の構成のうちの、「算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段」については、上記いずれの刊行物にも全く言及がない。尤も、刊行物1には、上記のとおり、モータのみならず、「コントロールユニットのパワー素子部」についても、過熱保護の必要性が指摘されいるといえるが、そのための具体的な指標としては、上記で指摘したように、駆動電流の検出値自体を用い、これを所定値と比較することを開示しているにとどまっている。
そうすると、上記相違点の構成は、刊行物1?4の記載に基づいて、当業者が容易に想到できるものとはいえない。また、本件考案は、上記相違点の構成を備えることにより、上記訂正明細書記載のとおり、駆動回路の素子の昇温状態をよりよく模擬して適切な上限値が決定できるという、格別の作用効果を奏するものである。
したがって、本件考案は、上記各刊行物記載の考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案することができたものとすることはできない。
更に、本件考案については、第2回目の取消理由で指摘した明細書の記載不備をはじめとして、本件登録に係る出願の際、独立して実用新案登録を受けることができないとする他の理由も発見しない。
6.訂正の適法性と訂正請求の認容
上記1.で指摘したところを訂正の要旨とする訂正の請求は、上記2.?5.で検討したところによれば、平成6年法律第116号附則第9条第2項によって準用される、特許法第120条の4第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするもので、平成11年法律第41号附則第2条第13項の規定により適用される、同法律第41号による改正前の特許法第120条の4第3項で更に準用され、平成6年法律第116号附則第10条の規定により適用される、同法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、同条第2項及び第3項の規定に適合しているといえるので、上記訂正の請求は認容される。

三.[実用新案登録異議申立ての理由について]
1.登録異議申立人の主張
登録異議申立人は、甲第1、2号証として、上記の刊行物1、2を提出すると共に、本件登録に係る請求項1の考案は、本件登録に係る出願前に頒布された甲第1、2号証記載の考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案することができたものである旨主張している。
2.当審の判断
上記二.6.に述べたとおり、上記訂正請求が認容されることにより、上記平成12年12月6日付で提出された訂正明細書を本件登録明細書とし、登録異議の申立てに係る本件登録考案は、当該登録明細書の実用新案登録請求の範囲において、請求項1に記載されたとおりの、上記二.5.(1)で「本件考案」としたものと認める。
そして、登録異議の申立てに係る本件登録考案を、甲第1、2号証記載の考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案することができたものであるとすることができないことは、上記二.5.(3)における、それぞれの考案の対比の検討結果から明らかである。
四.[むすび]
以上のとおりであるから、本件登録は、登録異議申立人の主張する理由およびその提出した証拠によっては、取り消すことはできないし、また、他に取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
電動パワーステアリング装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 操舵力を助勢する電動機の駆動電流を検出し、それに基づいて電動機の過熱保護を行なうべくなしてある電動パワーステアリング装置において、駆動電流の2乗値を算出する手段と、算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段と、算出した1次遅れ値が所定値以下の場合は一定の値であり、前記所定値を超える特定の範囲で前記1次遅れ値の増加に伴い減少するように駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】 車速及び操舵軸に加えられたトルクを検出し、これらの検出値と、予め定めてあるアシスト特性及び慣性制御特性とに従い駆動電流値が定められる電動機によって操舵力を助勢すべくなしてあり、該電動機の駆動電流を検出し、それに基づいて電動機の過熱保護を行なうべくなしてある電動パワーステアリング装置において、駆動電流の2乗値を算出する手段と、算出した2乗値に基づいてアシスト特性によって定まる駆動電流成分のみの上限値を決定する手段とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は自動車の電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機を操舵力の助勢手段として用いた電動パワーステアリング装置が実用化されている。図1はその制御系のブロック図である。ステアリングシャフトに介装されたトルクセンサ1はこれに加わるトルクを検出し、また車速センサ2は車速を検出し、各検出データはマイクロプロセッサ3へ入力される。両センサ1,2からの情報に基づきアシスト特性決定部31は検出したトルクを解消するに必要な電動機5の駆動を行なうための電流成分を決定する。
【0003】
慣性制御特性決定部32は同じく両センサ1,2からの情報に基づき電動機5の慣性を打消すのに必要な駆動を行なうための電流成分を決定する。両電流成分は加算部33で加算され、保護部34で上限値に規制されて出力される。電動機5の駆動電流は電流検出部6で検出され、検出電流はマイクロプロセッサ3へ入力される。保護部34は電動機5の過熱保護を目的とし、検出駆動電流に応じて駆動電流の上限値を規制するのである。
【0004】
保護部34の出力、つまり駆動電流の指令値及びフィードバック情報としての電流検出部6出力は減算部35へ入力され両者の差が電動機駆動回路4へ入力され、この差に相当するPWM波で電動機5が駆動されるようになっている。保護部34における上限値設定は所定時間内の駆動電流値の平均値に基づいて決定していた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
以上のような従来の装置においては電流平均値による上限設定が合理的ではなく電動機駆動回路4を構成するトランジスタに余裕をもたせた設計とする必要があった。また車庫から通路へ出る場合、又は縦列駐車の状態から脱け出す場合のように据え切りを繰返して電動機電流の平均値が増加し、これによって保護部34による上限規制が働いた場合には車庫等を出て走り出した直後の操舵感覚が不快であるという問題点があった。
本考案はこのような問題点を解決するためになされたものであり、電動機駆動電流の2乗値又は電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を用いることにより合理的な上限規制ができ、これによって電動機駆動回路の構成を適切なものとし、また車庫出しの場合等の直後の操舵感覚を改善した電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の考案の電動パワーステアリング装置は、操舵力を助勢する電動機の駆動電流を検出し、それに基づいて電動機の過熱保護を行なうべくなしてある電動パワーステアリング装置において、駆動電流の2乗値を算出する手段と、算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段と、算出した1次遅れ値か所定値以下の場合は一定の値であり、前記所定値を超える特定の範囲で前記1次遅れ値の増加に伴い減少するように駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
第2の考案の電動パワーステアリング装置は、車速及び操舵軸に加えられたトルクを検出し、これらの検出値と、予め定めてあるアシスト特性及び慣性制御特性とに従い駆動電流値が定められる電動機によって操舵力を助勢すべくなしてあり、該電動機の駆動電流を検出し、それに基づいて電動機の過熱保護を行なうべくなしてある電動パワーステアリング装置において、駆動電流の2乗値を算出する手段と、算出した2乗値に基づいてアシスト特性によって定まる駆動電流成分のみの上限値を決定する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】
第1考案では駆動電流の2乗値は電動機駆動回路素子の発熱量と関連が深く、この2乗値を含む電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値は電動機の駆動回路の昇温特性を模擬するから過熱保護の指標としては駆動電流の平均値より適切である。
第2考案では慣性制御特性成分を抑制しないので車庫出し直後等において操舵した場合においても電動機の慣性が必要量補償され、その結果切り始め時に重いとか、舵輪を停止させる場合に行き過ぎ感がある等慣性制御不足に起因する不快な操舵感覚が解消される。
【0009】
【実施例】
以下本考案をその実施例を示す図面に基づいて詳述する。図2は本考案装置の制御系のブロック図である。マイクロプロセッサ3については図1同様に機能ブロックに擬制して示してある。
ステアリングシャフトに介装されたトルクセンサ1はこれに加わるトルクを検出し、また車速センサ2は車速を検出し、各検出データはマイクロプロセッサ3へ入力される。両センサ1,2からの情報に基づきアシスト特性決定部31は検出したトルクを解消するに必要な電動機5の駆動を行なうための電流成分を決定する。慣性制御特性決定部32は同じく両センサー1,2からの情報に基づき電動機5の慣性を打消すのに必要な駆動を行なうための電流成分を決定する。
【0010】
アシスト特性決定部31によって決定された電流成分の値は保護部36へ入力され、ここで上限値に規制され、その出力は加算部37へ与えられる。慣性制御特性決定部32で決定された電流成分値はそのまま加算部37へ入力され、ここで両者の和が求められ、その和は減算部38へ入力される。操舵力助勢用の電動機5の駆動電流は電流検出部6によって検出されマイクロプロセッサ3へ与えられる。このデータはフィードバック情報として減算部38へ与えられると共に保護部36へ上限値決定のために与えられる。
減算部38出力の差分は電動機駆動回路4へ入力され、この差に相当するPWM波で電動機5が駆動されるようにしている。
【0011】
図3は保護部における上限値の一例を示し横軸は駆動電流の積算値、つまり
(駆動電流)^(2)/(1+1000S)
但しSはラプラス演算子
を示し、縦軸は上限値を示している。
この積算値は電流の2乗値で表される発熱量の1次遅れ値を示し、電動機駆動回路4のトランジスタの昇温特性を模擬している。図示の例で明らかなように積算値が所定値を超えると上限値を定格の72Aから減少させていく。
【0012】
本案は以上のように駆動電流の2乗値又は電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値に基づきアシスト特性の電流成分のみの上限値を決定するのであるが、補助的に電動機駆動回路4の温度をモニタすることとし、それを制御に用いてもよい。この測温精度を高めるには図4,5に示すように温度センサ11とトランジスタチップ12,12とを共通のヒートスプレッダ13上に固定し、これをケース14で外被した構成とするのがよい。15はケース14に取付けたヒートシンクである。
【0013】
【考案の効果】
以上の如き本考案による場合は発熱量をより良く表す駆動電流の2乗値又は電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値によって上限値を定めるので、より適切な上限値決定ができ、このために駆動回路の素子選定に際し徒らに電流容量上の余裕をもたせる必要がない。そして駆動回路の素子の昇温状態をより良く模擬し、一層適切な上限値が決定できる。
更に本考案では慣性制御特性の成分については上限値を設けず、その必要性に応じた電流を通流せしめる。従って車庫出し等の場合に駆動電流が大きくなり、その2乗値成分又は前記1次遅れ値が大となっても慣性制御特性の成分はそのまま供給されるからそのような状況下でも電動機の慣性を補償できて快適な操舵感覚が得られる。
【0014】
なお慣性制御特性の電流成分の絶対値自体はアシスト特性の成分値に比して小さいのでこれによる昇温過熱の問題は事実上無いと言うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来の電動パワーステアリング装置の制御系のブロック図である。
【図2】
本考案の電動パワーステアリング装置の制御系のブロック図である。
【図3】
上限値を示すグラフである。
【図4】
電動機駆動回路における温度センサ取付状態を示す平面図である。
【図5】
電動機駆動回路における温度センサ取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トルクセンサ
2 車速センサ
3 マイクロプロセッサ
4 電動機駆動回路
5 電動機
6 電流検出部
31 アシスト特性決定部
32 慣性制御特性決定部
36 保護部
訂正の要旨 訂正請求における訂正内容の要旨は、次のイ、ロのとおりである。
イ 登録時明細書の実用新案登録請求の範囲において、「算出した2乗値に基づいて駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする」という記載を、「算出した2乗値をラプラス演算子を含む除数で除算して電動機駆動回路素子の発熱量の1次遅れ値を算出する手段と、算出した1次遅れ値が所定値以下の場合は一定の値であり、前記所定値を超える特定の範囲で前記1次遅れ値の増加に伴い減少するように駆動電流の上限値を決定する手段とを具備することを特徴とする」と訂正する。
ロ 考案の詳細な説明において、上記イの訂正事項に対応する箇所(【0005】、【0006】、【0008】、【0012】、【0013】)の記載について、当該イの訂正の内容と整合するように訂正する。
異議決定日 2000-12-20 
出願番号 実願平4-80850 
審決分類 U 1 652・ 121- YA (B62D)
最終処分 維持    
前審関与審査官 川向 和実  
特許庁審判長 神崎 潔
特許庁審判官 大島 祥吾
鈴木 久雄
登録日 1998-09-25 
登録番号 実用新案登録第2586020号(U2586020) 
権利者 光洋精工株式会社
大阪府大阪市中央区南船場3丁目5番8号
考案の名称 電動パワーステアリング装置  
代理人 河野 登夫  
代理人 河野 登夫  

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