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審決分類 審判 全部申し立て   B60J
審判 全部申し立て   B60J
管理番号 1039510
異議申立番号 異議2000-73048  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-04 
確定日 2001-03-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2602951号「ウエザーストリップ」の請求項1、2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2602951号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2602951号は、平成5年1月13日付けの実用新案登録出願に係り、平成11年12月3日にその請求項1及び2に係る考案について実用新案登録の設定登録がなされたものであり、その後、全請求項に係る考案の実用新案登録に対して、平成12年8月4日に実用新案登録異議申立人・平賀博より実用新案登録異議の申立てがあったので、当審において当該申立ての理由を検討の上、平成12年11月14日付けで実用新案登録取消理由を通知したところ、その通知書で指定した期間内である平成13年1月26日に意見書と共に訂正請求書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
実用新案権者が求めている訂正の内容は、次の(1)訂正事項アないし(4)訂正事項エのとおりである。
(1)訂正事項ア
実用新案登録請求の範囲を、次のとおり訂正する。
「【請求項1】 自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル(10)に挿入した状態で、略コの字状くぼみ(50)を形成し、下端にドアガラス(20)の外面に弾接するリップ(31)を備えた室外側部分(30)、下端にドアガラス(20)の内面に弾接するリップ(41)を備えた室内側部分(40)及び基底部(60)よりなるウエザーストリップにおいて、室内側部分(40)の下端に室内側フランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、前記基底部(60)にドアガラス(20)と当接するリップ(63)を設け、室内側部分(40)のリップ(63)に相対する部分に突起(43)を設け、サッシュチャンネル(10)に取付け挿入時に、室内側部分(40)の挿入力が基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、突起(43)をリップ(63)の付け根部に当てることを特徴とするウエザーストリップ。
【請求項2】 自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル(10)に挿入した状態で、略コの字状くぼみ(50)を形成し、下端にドアガラス(20)の外面に弾接するリップ(31)を備えた室外側部分(30)、下端にドアガラス(20)の内面に弾接するリップ(41)を備えた室内側部分(40)及び基底部(60)よりなるウエザーストリップにおいて、室内側部分(40)の下端に室内側フランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、前記基底部(60)にドアガラス(20)と当接する突部(64)を設け、室内側部分(40)の突部(64)に相対する部分に突起(43)を設け、サッシュチャンネル(10)に取付け挿入時に、室内側部分(40)の挿入力が基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、突起(43)を突部(64)の付け根部に当てることを特徴とするウエザーストリップ。」
(2)訂正事項イ
明細書の段落番号【0005】第7行(公報第2頁第3欄第49行)の「であって、」と「前記基底」との間に、「室内側部分40の下端に室内側フランジ12を覆うガーニッシュ42を形成し、」を挿入する。
(3)訂正事項ウ
明細書の段落番号【0005】第10行(公報第2頁第4欄第2行)の「10に」と「挿入時」との間に、「取付け」を挿入する。
(4)訂正事項エ
明細書の段落番号【0005】第10行(公報第2頁第4欄第2行)の「挿入時に」と「突起43」との間に、「、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して室外側部分30に伝達するように、」を挿入する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び実用新案登録請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正事項アないしエに関連する記載として、願書に添付した明細書(以下、「登録明細書」という。)には、「40は下端にドアガラス20の内面に弾接するリップ41並びに室内側フランジ12を覆うガーニッシュ42を備えた室内側部分、」(段落番号【0007】第3行?第5行(公報第2頁第4欄第17行?第20行))、「これをサッシュチヤンネル10へ取付ると、図6・図7の仮線状態Zになり、室内側部分40がノッチ61で折れ曲がり、突起43がリップ63もしくは突部64の付け根部に当たり、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して、室外側部分30に容易に伝達するようにしてある。」(段落番号【0007】第10行?第14行(公報第2頁第4欄第28行?第33行))、「サッシュチャンネル10への挿入時、室内側部分40がノッチ61で折れ曲がり、突起43がリップ63もしくは突部64の付け根部に当たり、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して、室外側部分30に容易に伝達するようにしてあるため、室内側部分40は勿論、室外側部分30もサッシュチャンネル10の奥迄容易に挿入することが出来、ウエザーストリップの取付作業性が著しく改善される。」(段落番号【0008】第3行?第8行(公報第2頁第4欄第37行?第45行))、「室内側部分40、室外側部分30共にサッシュチャンネル10の奥迄容易に挿入することが出来、ウエザーストリップの取付作業性が著しく改善される。」(段落番号【0009】第2行?第4行(公報第3頁第5欄第1行?第3行))と記載されている。
そして、上記訂正事項アにおいて、「室内側部分(40)の下端に室内側フランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、」、「取付け」及び「室内側部分(40)の挿入力が基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、」という構成要件を加えることは、上記登録明細書の各記載事項の範囲内において、ウエザーストリップの形状を限定すると共に、ウエザーストリップのサッシュチャンネル10への取付け挿入時における挿入力の作用を明確にして限定するものであるので、上記訂正事項アは、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、上記訂正事項イないしエは、上記訂正事項アと整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。
また、上記訂正事項アないしエは、いずれも、登録明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
2-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議の申立てについて
3-1.申立ての理由の概要
実用新案登録異議申立人・平賀博は、本件実用新案登録第2602951号の請求項1及び2に係る考案は、甲第1号証に記載された考案であり、実用新案法第3条第1項第3号に規定する考案に該当し、上記請求項1及び2に係る考案の実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものであるので、取り消すべきである旨主張し、また、上記請求項1及び2に係る考案は、甲第1号証に記載された考案又は甲第1号証ないし甲第5号証に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、上記請求項1及び2に係る考案の実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定により、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものであるので、取り消すべきである旨主張している。
3-2.本件考案
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件実用新案登録第2602951号の請求項1及び2に係る考案は、上記訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載されたとおりのものと認める(上記、2.2-1.訂正の内容(1)訂正事項ア、参照。)(以下、それぞれ、「本件考案1」及び「本件考案2」という。)。
3-3.引用刊行物とその記載事項
当審が上記実用新案登録取消理由において引用した、及び、実用新案登録異議申立人が証拠として提出した、本件考案1及び2に係る実用新案登録出願前に日本国内において頒布された刊行物とその記載事項は、次のとおりである。

刊行物1:特願昭64-83413号公報
刊行物2:実願昭62-179021号(実開平1-82918号)
のマイクロフィルム(異議申立人が提出した甲第1号証)
刊行物3:実願昭61-177643号(実開昭63-81712号)
のマイクロフィルム
刊行物4:特開平4-221224号公報
刊行物5:実願昭62-150676号(実開昭64-52923号)
のマイクロフィルム(異議申立人が提出した甲第2号証)
刊行物6:実願昭61-135460号(実開昭63-42422号)
のマイクロフィルム(異議申立人が提出した甲第3号証)
刊行物7:実願平2-113459号(実開平4-70517号)
のマイクロフィルム(異議申立人が提出した甲第4号証)
刊行物8:実願平2-49165号(実開平4-7918号)
のマイクロフィルム(異議申立人が提出した甲第5号証)

3-3-1.刊行物1記載事項
刊行物1には、自動車用ウェザーストリップに関して、一実施例として図面第1図と共に、次の事項が記載されている。
「すなわち、この実施例のウェザーストリップ21は、窓枠22の保持溝23に保持されるチャンネル形の合成樹脂製又はゴム製の本体24と、該本体の上片25の上面25a車内外側に長手方向に沿って立設され、かつ先端が保持溝23の底面23aに当接する一対のシールリップ26,26と、上記本体24の車内側の一側片29と車外側他側片28の各下端内側に内方へ対向して突設され、かつ先端がウィンドガラス29の端部29a両側面を挟圧する一対の挟持リップ30,30とを備えている。また、上記両側片30,30の各外面には、上記保持溝23を構成する車内外支持片31a,31bに嵌合支持される嵌合溝32,32が形成されている。
そして、上記本体24の上片25下面25bには、折曲リップ33が一体に垂設されている。この折曲リップ33は、断面略V字形を呈し、比較的薄肉に形成された固定端部34が上片25の下面25bの車内側に配置されていると共に、該固定端部34から車内側へ傾斜状に垂下した基部35も本体24の内部に下方から進入するウィンドガラス29の進入方向の延長線Xから若干車内側に配置されている。また、該基部35の端縁から折曲して立ち上がった先端部36は、車外側へ傾斜状に設けられ、折曲部以外の略全体が上記延長線Xから車外側に配置されている。」(第2頁右下欄第1行?第3頁左上欄第11行)
3-3-2.刊行物2記載事項
刊行物2には、ドアガラスランに関して、図面第2図及び第3図と共に、次の事項が記載されている。
(1)「第2図に示す実施例において、ドアガラスランGはゴムの一体押出成形体で、断面コ字状の本体部4の開口側の両端からはシールリップ5が内奥へ向け対向方向に伸出し、・・・(中略)・・・またコーナ部40の内側では、底壁41の左右両側から斜め方向に側壁42に向けてリブ7が突出せしめてある。このリブ7の長さは、コーナ部40をほぼ直角としたときに先端が側壁42に当接する長さとしてある。」(明細書第4頁第9行?第19行)
(2)「なお上記実施例ではリブ7を底壁41から突出せしめたが、第3図に示すように側壁42から突出せしめて先端が底壁41に当接する構造としても同一の作用効果を奏する。」(明細書第5頁第13行?第16行)
3-3-3.刊行物3記載事項
刊行物3には、自動車ドアの従来のグラスランチャンネルに関して、図面第7図と共に、「第7図に示すようにグラスランチャンネル8の底壁8aにガラスガイド9を突設したり、」(明細書第1頁下から第2行?第2頁第1行)と記載されている。
3-3-4.刊行物4記載事項
刊行物4には、グラスラン溝形成用のウエザーストリップに関して、第1の実施例として【図3】と共に、「U字形のシール部材32は、ウエブ部70によって結合されている1対の脚部66,68を備えている。」(第3頁第3欄第47行?第48行)と記載され、また、他の実施例として【図4】と共に、「シール部材132はウエブ部170により結合された1対の脚部166,168を備え、横断面形状でみて全体としてU字形を有する。」(第3頁第4欄第44行?第46行)と記載されている。
3-3-5.刊行物5記載事項
刊行物5には、自動車のグラスランチャンネルに関して、第2の実施例として図面第3図及び第4図と共に、「8はグラスランチャンネル9の車内側のシールリップで、中間部に切欠き10を設けると共に先端部8aに小三角形の小突起11と該突起11に対向して付根部8bに大三角形の大突起12とを設けている。・・・(中略)・・・更により強い矢印Fの力が作用すると第4図に示すように小突起11が大突起12に接触してシールリップ8のドアガラス3に対する反力が増大しドアガラス3の変位を規制すると共に十分なシール性を発揮する。即ち上記小突起11及び大突起12はシールリップ8の先端部8aが所定角度以上折曲しないように規制する折曲規制手段である。」(明細書第4頁第10行?第5頁第4行)と記載されている。
3-3-6.刊行物6記載事項
刊行物6には、ランチャンネルに関して、従来の1例として図面第4図と共に、「従来のランチャンネル3においては、第4図に示すように、・・・(中略)・・・ランチャンネル3の背部にスリット6が設けられている。」(明細書第1頁下から第1行?第2頁第5行)と記載されている。
3-3-7.刊行物7記載事項
刊行物7には、自動車用ガラスのシール構造に関して、実施例として図面第2図と共に、「ドアガラス(7)の当接により折曲自在となるリップ(10)により、・・・(中略)・・・上記シール頂部(11)にリップ(10)と共に当接させ、」(明細書第5頁下から第1行?第6頁第5行)と記載されている。
3-3-8.刊行物8記載事項
刊行物8には、グラスランチャンネルに関して、従来例として図面第5図と共に、「第4図乃至第6図に示すように断面コの字状の本体部13の底壁13aにシールリップ17を結合したものと、・・・(中略)・・・いずれもドアガラス2を閉じた時、ドアガラス2の先端がシールリップ17・・・(中略)・・・に弾接し、車内外を水密・気密にシールするようにしてある。」(明細書第2頁第2行?第10行)と記載されている。
3-4.対比・判断
3-4-1.本件考案1について
本件考案1と刊行物1記載の考案とを対比すると、両者は、「自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネルに挿入した状態で、略コの字状くぼみを形成し、下端にドアガラスの外面に弾接するリップを備えた室外側部分、下端にドアガラスの内面に弾接するリップを備えた室内側部分及び基底部よりなるウエザーストリップにおいて、前記基底部にドアガラスと当接するリップを設けたウエザーストリップ」において一致しているが、本件考案1が、「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成し、室内側部分のリップに相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起をリップの付け根部に当てること」を特徴とするものであるのに対して、刊行物1記載の考案は、上記「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成し、室内側部分のリップに相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起をリップの付け根部に当てること」について記載するものでないばかりか示唆する記載もない。
また、刊行物2には、リブ7を側壁42から突出せしめて先端が底壁41に当接する構造のドアガラスランが記載されているが、上記「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成し、室内側部分のリップに相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起をリップの付け根部に当てること」について記載するものでないばかりか示唆する記載もない。
更に、刊行物3乃至8には、上記「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成し、室内側部分のリップに相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起をリップの付け根部に当てること」について記載するものでないばかりか示唆する記載もない。
そして、本件考案1は、「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成した」ウエザーストリップにおいて、「室内側部分のリップに相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起をリップの付け根部に当てること」を特徴とすることによって、登録明細書の段落番号【0009】第2行?第4行(公報第3頁第5欄第1行?第3行)に記載の「室内側部分40、室外側部分30共にサッシュチャンネル10の奥迄容易に挿入することが出来、ウエザーストリップの取付作業性が著しく改善される。」という顕著な作用効果を奏するものであり、「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成した」という特定形状のウエザーストリップにおいて、そのサッシュチャンネルへの取付け挿入時に、室内側部分から室外側部分に挿入力が作用するようにして、ウエザーストリップの取付作業性を改善させたものといえるから、刊行物2記載の単に「リブ7を側壁42から突出せしめて先端が底壁41に当接する構造」からは、本件考案1の「室内側部分のリップに相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起をリップの付け根部に当てること」という具体的な構成を、当業者がきわめて容易に想到できたとはいうことができず、また、刊行物5及び6に記載の折曲を規制する構造からも、同様に、本件考案1の上記具体的な構成を、当業者がきわめて容易に想到できたともいえない。
したがって、本件考案1は、刊行物1ないし8に記載された考案でないばかりか、刊行物1ないし8に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものでもない。
3-4-2.本件考案2について
本件考案2は、本件考案1における「基底部(60)にドアガラス(20)と当接するリップ(63)」に替えて、「基底部(60)にドアガラス(20)と当接する突部(64)」を設け、突起(43)を突部(64)の付け根部に当てるようにしたものであり、その余の構成は、本件考案1と同一である。
そして、基底部にドアガラスと当接する突部を設けることは、刊行物3及び4に記載されているように、従来周知の技術であるが、上記3-4-1.で説示したと同様の理由により、刊行物1乃至8には、本件考案2の「室内側部分の下端に室内側フランジを覆うガーニッシュを形成した」ウエザーストリップにおいて、「室内側部分の突部に相対する部分に突起を設け、サッシュチャンネルに取付け挿入時に、室内側部分の挿入力が基底部を介して室外側部分に伝達するように、突起を突部の付け根部に当てること」について記載するものでないばかりか示唆する記載もなく、また、上記具体的な構成を、当業者がきわめて容易に想到できたともいえない。
したがって、本件考案2は、刊行物1ないし8に記載された考案でないばかりか、刊行物1ないし8に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものでもない。

3-5.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
ウエザーストリップ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル(10)に挿入した状態で、略コの字状くぼみ(50)を形成し、下端にドアガラス(20)の外面に弾接するリップ(31)を備えた室外側部分(30)、下端にドアガラス(20)の内面に弾接するリップ(41)を備えた室内側部分(40)及び基底部(60)よりなるウエザーストリップにおいて、室内側部分(40)の下端にフランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、前記基底部(60)にドアガラス(20)と当接するリップ(63)を設け、室内側部分(40)のリップ(63)に相対する部分に突起(43)を設け、サッシュチャンネル(10)に取付け挿入時に、室内側部分(40)の挿入力が基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、突起(43)をリップ(63)の付け根部に当てることを特徴とするウエザーストリップ。
【請求項2】 自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル(10)に挿入した状態で、略コの字状くぼみ(50)を形成し、下端にドアガラス(20)の外面に弾接するリップ(31)を備えた室外側部分(30)、下端にドアガラス(20)の内面に弾接するリップ(41)を備えた室内側部分(40)及び基底部(60)よりなるウエザーストリップにおいて、室内側部分(40)の下端にフランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、前記基底部(60)にドアガラス(20)と当接する突部(64)を設け、室内側部分(40)の突部(64)に相対する部分に突起(43)を設け、サッシュチャンネル(10)に取付け挿入時に、室内側部分(40)の挿入力が基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、突起(43)を突部(64)の付け根部に当てることを特徴とするウエザーストリップ。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付けるウエザーストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車ドアのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするウエザーストリップとして、図1に示すものが使用されている。すなわち、サッシュチャンネル10に挿入された状態で、略コの字状くぼみ50を形成し、室外側フランジ11及びそのフランジ11に嵌着したサッシュモール70に当接し、且つ下端にドアガラス20の外面に弾接するリップ31を備えた室外側部分30、サッシュチャンネル10に嵌着され、下端にドアガラス20の内面に弾接するリップ41並びに室内側フランジ12を覆うガーニッシュ42を備えた室内側部分40、及び前記室外側部分30、室内側部分40間に介在するところのドアガラス20の先端が当接する基底部60より構成されている。さらに詳細に説明すると、このウエザーストリップの押出し成形に当たっては、図2に示すように、前記リップ31,41及び基底部60は表面処理Sを施し、サッシュチャンネル10への挿入性をよくするために、基底部60の両コーナー部にノッチ61,62を入れ、角度を広げるようにしてある。なお、63はリップである。
【0003】
しかしながら、大型断面を持つ上記従来のウエザーストリップは、図3に示すように、ノッチ61,62を設けたため、かえって、サッシュチャンネル挿入時に挿入力が室内側部分40から基底部60及び室外側部分30へと伝達し難く、室外側部分30がサッシュモール70の室内側の面で止まり、それ以上奥に挿入し難いと言う問題点がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、上記従来のウエザーストリップは、ノッチ61,62を設けたため、サッシュチャンネル10への挿入時、室外側部分30がサッシュモール70の室内側の面で止まり、それ以上奥に挿入し難いことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
図1・図4乃至図6を参考にして説明する。本考案は、自動車のドアガラス回りのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル10に挿入した状態で、略コの字状くぼみ50を形成し、下端にドアガラス20の外面に弾接するリップ31を備えた室外側部分30、下端にドアガラス20の内面に弾接するリップ41を備えた室内側部分40及び基底部60よりなるウエザーストリップであって、室内側部分40の下端にフランジ12を覆うガーニッシュ42を形成し、前記基底部60にドアガラス20と当接するリップ63もしくは突部64を設け、室内側部分40のリップ63もしくは突部64に相対する部分に突起43を設け、サッシュチャンネル10に取付け挿入時に、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して室外側部分30に伝達するように、突起43をリップ63又は突部64の付け根部に当てることを特徴としている。
【0006】
【実施例】
実施例について説明すると、10はサッシュチャンネル、11はその室外側フランジ、12は室内側フランジ、20はドアガラスである。前記サッシュチャンネル10に略コの字状くぼみ50を形成する如く取付け且つ上下動するドアガラス20を受け入れると共にサッシュチャンネル10・ドアガラス20間をシールする本考案のウエザーストリップは、詳細次のように構成される。
【0007】
すなわち、30は室外側フランジ11及びそのフランジ11に嵌着したサッシュモール70に当接する室外側部分であって、下端にドアガラス20の外面に弾接するリップ31を備えている。40は下端にドアガラス20の内面に弾接するリップ41並びに室内側フランジ12を覆うガーニッシュ42を備えた室内側部分、60は前記室外側部分30・室内側部分40間に介在し、ドアガラス20の先端が当接する基底部であって、その両コーナー部にはノッチ61,62を入れ、角度を広げることが出来るようにしてあり、しかもドアガラス20と当接するリップ63もしくは突部64を設け、室内側ノッチ61を隔てて、室内側部分40のリップ63もしくは突部64に相対する部分に突起43を設けてあり、サッシュチャンネル取付前の押出成形時には図6・図7の実線状態Yにある。これをサッシュチャンネル10へ取付ると、図6・図7の仮線状態Zになり、室内側部分40がノッチ61で折れ曲がり、突起43がリップ63もしくは突部64の付け根部に当たり、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して、室外側部分30に容易に伝達するようにしてある。
【0008】
作用について説明すると、上記のように、リップ63もしくは突部64を設け、室内側ノッチ61を隔てて、室内側部分40のリップ63もしくは突部64に相対する部分に突起43を設けてあり、サッシュチャンネル10への挿入時、室内側部分40がノッチ61で折れ曲がり、突起43がリップ63もしくは突部64の付け根部に当たり、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して、室外側部分30に容易に伝達するようにしてあるため、室内側部分40は勿論、室外側部分30もサッシュチャンネル10の奥迄容易に挿入することが出来、ウエザーストリップの取付作業性が著しく改善される。尚、ウエザーストリップの基底部60のノッチ61,62を付けなくてもウエザーストリップの取付作業性とは関係ないため、ノッチ61,62は付けなくても良い。
【0009】
【考案の効果】
本考案は以上のように構成されるため、室内側部分40、室外側部分30共にサッシュチャンネル10の奥迄容易に挿入することが出来、ウエザーストリップの取付作業性が著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
従来例のサッシュチャンネルへ取付けた状態を示す断面図である。
【図2】
従来例の押出時の状態を示す断面図である。
【図3】
従来例のサッシュチャンネルヘの挿入過程の状態を示す断面図である。
【図4】
本考案に係るウエザーストリップをサッシュチャンネルへ取付けた状態を示す断面図である。
【図5】
本考案の実施例の押出時の状態を示す断面図である。
【図6】
本考案の第1の実施例を示す図5の要部拡大断面図である。
【図7】
本考案の第2の実施例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 サッシュチャンネル
11 室外側フランジ
12 室内側フランジ
20 ドアガラス
30 室内側部分
31 リップ
40 室内側部分
41 リップ
42 ガーニッシュ
43 突起
50 略コの字状くぼみ
60 基底部
61,62 ノッチ
63 リップ
64 突部
70 サッシュモール
S 表面処理
訂正の要旨 (訂正の要旨)
(1)訂正事項ア
実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、実用新案登録請求の範囲を、次のとおり訂正する。
「【請求項1】 自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル(10)に挿入した状態で、略コの字状くぼみ(50)を形成し、下端にドアガラス(20)の外面に弾接するリップ(31)を備えた室外側部分(30)、下端にドアガラス(20)の内面に弾接するリップ(41)を備えた室内側部分(40)及び基底部(60)よりなるウエザーストリップにおいて、室内側部分(40)の下端に室内側フランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、前記基底部(60)にドアガラス(20)と当接するリップ(63)を設け、室内側部分(40)のリップ(63)に相対する部分に突起(43)を設け、サッシュチャンネル(10)に取付け挿入時に、室内側部分(40)の挿入力が基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、突起(43)をリップ(63)の付け根部に当てることを特徴とするウエザーストリップ。
【請求項2】 自動車のドアガラス回わりのサッシュに取付け、上下動するドアガラスを受け入れ、サッシュ・ドアガラス間をシールするところの、サッシュチャンネル(10)に挿入した状態で、略コの字状くぼみ(50)を形成し、下端にドアガラス(20)の外面に弾接するリップ(31)を備えた室外側部分(30)、下端にドアガラス(20)の内面に弾接するリップ(41)を備えた室内側部分(40)及び基底部(60)よりなるウエザーストリップにおいて、室内側部分(40)の下端に室内側フランジ(12)を覆うガーニッシュ(42)を形成し、前記基底部(60)にドアガラス(20)と当接する突部(64)を設け、室内側部分(40)の突部(64)に相対する部分に突起(43)を設け、サッシュチャンネル(10)に取付け挿入時に、室内側部分(40)の挿入カが基底部(60)を介して室外側部分(30)に伝達するように、突起(43)を突部(64)の付け根部に当てることを特徴とするウエザーストリップ。」
(2)訂正事項イ
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号【0005】第7行(公報第2頁第3欄第49行)の「であって、」と「前記基底」との間に、「室内側部分40の下端に室内側フランジ12を覆うガーニッシュ42を形成し、」を挿入する。
(3)訂正事項ウ
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号【0005】第10行(公報第2頁第4欄第2行)の「10に」と「挿入時」との間に、「取付け」を挿入する。
(4)訂正事項エ
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号【0005】第10行(公報第2頁第4欄第2行)の「挿入時に」と「突起43」との間に、「、室内側部分40の挿入力が基底部60を介して室外側部分30に伝達するように、」を挿入する。
異議決定日 2001-02-19 
出願番号 実願平5-3824 
審決分類 U 1 651・ 113- YA (B60J)
U 1 651・ 121- YA (B60J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡田 孝博  
特許庁審判長 粟津 憲一
特許庁審判官 鈴木 久雄
大島 祥吾
登録日 1999-12-03 
登録番号 実用新案登録第2602951号(U2602951) 
権利者 西川ゴム工業株式会社
広島県広島市西区三篠町2丁目2番8号
考案の名称 ウエザーストリップ  
代理人 古田 剛啓  
代理人 古田 剛啓  
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