• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない F23D
管理番号 1043331
審判番号 審判1999-35760  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-12-20 
確定日 2001-03-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の登録第2561927号実用新案「全予混合式ガスバーナ」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1、手続の経緯
本件実用新案登録第2561927号に係る考案は、平成4年9月24日に出願され、平成9年10月24日にはその設定登録がされたものである。
これに対し、本件請求人より、平成11年12月20日に、本件請求項1?2に係る考案について、上記登録を無効とする審決を求める旨の審判が請求された。
その後、本件被請求人に対し、平成12年2月25日に上記請求の請求書副本の発送が行われ、本件被請求人より、その指定期間内である平成12年4月24日に審判事件答弁書及び訂正請求書が提出された。
さらに、本件請求人に対し、平成12年8月30日に上記審判事件答弁書の副本及び上記訂正請求書の副本の発送が行われ、本件審判請求人より、その指定期間内である平成12年10月30日に審判事件弁駁書が提出された。
2、訂正の適否
(1)訂正の内容
a、訂正事項a
本件上記実用新案登録の請求項1?2に係る考案を、請求項の数を減らし新たな請求項1に係る考案とするとともに、その新たな請求項1に係る考案の内容を、下記の通り訂正する。
「【請求項1】
送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は先端部を閉塞し側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃料部で燃焼する全予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした切欠きを設けており、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としているじゃま板を設けたことを特徴とする全予混合式ガスバーナ。」
b、訂正事項b
課題を解決するための手段を、下記のとおり訂正する。
「 送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は先端部を閉塞し側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃料部で燃焼する全予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした切欠きを設けており、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としているじゃま板を設けたことを特徴とする全予混合式ガスバーナ。」
c、訂正事項c
平成7年9月25日付手続補正の明細書における段落0006の末尾に「さらに、じゃま板裏面は最外縁まで平坦であるので、空気の流れは外周部からの流れと半円状の穴からの流れができ、混合部での流れはより複雑となりガスの混合性がさらに高められる。」を加入する。
d、訂正事項d
平成7年9月25日付手続補正の明細書における段落0007の16行(登録公報2頁4欄11行)の「がある場合」を、「があり、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦であるので」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
a、訂正事項a
訂正事項aは、願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲を、訂正前における考案の目的の範囲内で、図面第1?3図の記載を根拠に、本件考案に係るじゃま板の板裏面が円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦であることを追加することで減縮するものであって、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
b、訂正事項b
訂正事項bは、上記実用新案登録請求の範囲の訂正に伴い、本件明細書の考案の詳細な説明の課題を解決するための手段の項を、単にそれにならって訂正するものであって、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
c、訂正事項c
訂正事項cは、上記実用新案登録請求の範囲の訂正に伴い、本件明細書の考案の詳細な説明の作用の項を、願書に添付した明細書の考案の詳細な説明の実施例の記載を根拠に、本件考案に係るじゃま板裏面には、外周部からの流れと半円状の穴からの流れができ、混合部での流れはより複雑となり、ガスの混合性がさらに高められることを明りょうに表現しようとするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
d、訂正事項d
訂正事項dは、願書に添付した明細書の考案の詳細な説明の実施例の項を、訂正前における考案の目的の範囲内で、図面第1?3図の記載を根拠に、本件考案に係るじゃま板の板裏面が円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦であることを追加するものであって、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
(3)独立登録要件の判断
a、本件審判の請求において引用された甲第1号証記載の考案
本件審判の請求において引用された甲第1号証(実公昭55-22338号公報)には、同号証記載の「ガス状燃料用バーナ」について、
「 図示してない送風機により供給される燃焼用空気の供給導管としてのバーナ管10内には、管状のガス供給導管11が同心的に配置され、同様に図示してない接続管片を介してガス供給装置に接続されている。バーナ管10は口金12を備え、この口金に燃焼室を区画する火炎ヘッド13が保持されている。ガス供給導管11の口14にはガス調節部材15が付属し、案内棒16により手で軸方向に移動可能である。このため案内棒16はバーナハウジングから引出され、たとえば手で操作されるきざみ付きナツトを備えている。ガス調節部材15は片側を閉じられた中空円筒として形成され、その底17は半径方向外面18を持ち、この外面がガス供給導管11の口14と共同作用して、流出するガス流を半径方向に偏向する。この場合ガスの流出口あるいは流出断面S3は、ガス調節部材15の底17とガス供給導管11の口14との間の環状間隙により形成されるが、ガス供給導管11の口14の近くにおいて導管壁に複数の穴を形成し、ガス供給導管11の内径よりわずか小さい外径をもつ中空円筒状ガス調節部材15を口14からこのガス供給導管11 内へ導入して、導管壁の穴を一部あるいは全部ふさぐことにより、ガス流出量を制御することもできる。」(公報第3頁左欄第18?41行)、
「 本考案によれば、一部混合装置として、全体を34で示す半径方向ガス分布板が設けられている。ガス分布板34は環状板で、外側環状縁へ向かつて開く半径方向切欠き35として形成された通過口を持つている。ガス分布板34の外径は、空気供給導管10を形成する環状空間の平均直径にほぼ等しい。ガス分布板34は、環状肩部36として折曲げられた内側環状縁により、ガス供給導管11上へはめられている。ガス分布板34は直径上で対向して対をなす6つの切欠き35を備えている。環状板の切欠き35とそれを分離する面37との比は約1:2である。切欠き35の縁は、下流側へ曲げられた折返し38で形成されている。
ガス分布板34は、図示したように、ガス流出口S3の上流でガス供給導管11の口14のすぐ近くに配置されている。」(公報第4頁左欄第11?26行)および
「 せき止め板20の前にある混合空間におけるガス-空気混合気の予混合は、本考案により設けられた分布装置によつて改善される。すなわちガス流出口S3から流出するガスのうち、壁面付着効果のため、その一部が切欠き35の基部縁に達し、切欠き35を通つて来る空気と混合するが、ガスの他の部分はガス分布板34の面37に沿つてその外縁に達し、これを越えて空気供給導管10の縁区域へ達し、この縁区域で空気と混合する。かくしてガスは混合空間の断面にわたつて均一に分布し、特に混合気通過断面S1におけるガス-空気混合気の均質な混合と混合特性の向上が行なわれる。」(公報第4頁右欄第24?35行)
ことが図面とともに記載されている。
したがって、甲第1号証の上記記載からみて、甲第1号証記載の「バーナ管10」、「ガス供給導管11」、「せき止め板20の前にある混合空間」、「導管壁の穴」、「ガス流出口S3の上流でガス供給導管11の口14のすぐ近く」、「切欠き35」、「ガス分布板34」及び「ガス状燃料用バーナ」は、本件訂正明細書の請求項1に係る考案のそれぞれ「ウインドボックス」、「ガス管」、「混合部」、「ガス噴射孔」、「ガス噴射孔よりも空気流上流側」、「切欠き」、「じゃま板」及び「予混合式ガスバーナ」に相当するとともに、本件訂正明細書における「バーナの燃料部で燃焼させる」は「バーナの燃焼部で燃焼させる」の単なる誤記と認められることから、結局、甲第1号証には、
「送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃焼部で燃焼する予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部に切欠きを設けており、切欠きの縁は下流側へ曲げられた折返しで形成されているじゃま板を設けた予混合式ガスバーナ。」
が記載されている。
b、本件審判の請求において引用された甲第2号証記載の考案
本件審判の請求において引用された甲第2号証(特開昭58-158412号公報)には、同号証記載の「ガスバーナ」について、
「 かかる問題点を解決するための本発明ガスバーナの構成を、第2図に示す一実施例により説明する。第2図中、11はバーナの各要素が取り付けられる筺体、12は図では省略されたブロワから筺体11内へ空気を送り込む送風管、13は燃焼筒、14はバーナ全体を炉の壁面に取り付けるためのバーナ固定板、15は燃焼筒13の内部にこれと同軸に取り付けられたガス送り用のマニホルド、16はマニホルド15内へガスを送り込むガス供給管、17は燃焼筒13とマニホルド15の外周壁部材15aとの間に形成される第1の空気流通路、18はマニホルド15の外周壁部材15aの外面に取り付けられた制圧板、19はマニホルド15の内周壁部材15bの内側に形成される第2の空気流通路、20はマニホルド15の内周壁部材15bの内面に取り付けられた補助制圧板、21はマニホルド15の前端部に取り付けられた変流板、22は第2の空気流通路19中に設けられるパイロットバーナ、23はパイロットバーナ用のガス供給管、24はガス供給管23に連通するパイロットバーナ用のガス取入口、25はパイロットバーナに点火するための点火棒、26は点火棒25を図では省略されたイグナイタに接続するための接続具、27はパイロットバーナの点火の有無を確認するためのフレームロッドである。なお、マニホルド15の外周壁部材15aの前方にはガス噴出孔15a′,15a′が明けられ、また内周壁部材15bの前方にはガス噴出孔15b′,15b′が明けられている。」(公報第2頁右下欄第4行?同第3頁左上欄第12行)、
「 そこで、送風管12から送り込まれた空気は、図中点線の矢符で示す如く進行し、燃焼筒13とマニホルドの外周壁部材15aとの間の第1の空気流通路17を通過した空気は制圧板18により、絞られてその流速を急激に上げ、制圧板18より下流域で乱流を生じる。この乱流中に、マニホルドの外周壁部材15aに明けた孔15a′,15a′からのガスが噴出されので、ガスと空気は良く混合される。一方、マニホルドの内周壁部材15bとパイロットバーナのガス供給管23との間の第2の空気流通路19を通過した空気は補助制圧板20により絞られて乱流を生じ、その乱流中に、マニホルドの内周壁部材15bに明けた孔15b′,15b′からのガスが噴出されるので、ここでもガスと空気の良好な混合が行われる。」(公報第3頁右上欄第5?19行)および
「また、マニホルドに明けるガス噴出孔15a′,15a′及び15b′,15b′についても、この実施例においては外周壁部材15a上と内周壁部材15b上との両方に明けるようにしたが、上記の如き空気の乱流及び交差によってガスの混合は充分に行われるので、いずれか一方の周壁部材にのみ必要量のガスを放出し得る孔を明けることによっても本発明の目的を達し得るものである。」(公報3頁左下欄第15行?同右下欄第2行)
ことが図面とともに記載されている。
c、本件審判の請求において引用された甲第3号証記載の考案
本件審判の請求において引用された甲第3号証(特開昭58-150704号公報)には、同号証記載の「気体燃料バーナ装置」について、
「 開口82からやゝ上流に隔てて、バーナ管12によつて支持され、かつ例えば符号88で示す個所で溶接されている複数のZ条片86がある。Z条片の外翼90は、ガス流と、および矢印84に従つて開口82からZ条片の下流域への一次空気とを制限する。ここで空気は、静かになり、ガスは、Z条片の両側を通過する空気流64から得られた一次空気および二次空気と共に燃える。」(公報第3頁右下欄第14行?同第4頁左上欄第1行)
ことが図面とともに記載されている。
d、対比・判断
したがって、本件訂正明細書の請求項1に係る考案と上記甲第1号証記載の考案とを対比すると、両者は、
「送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃焼部で燃焼する予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部に切欠きを設けてあるじゃま板を設けた予混合式ガスバーナ。」
である点で一致し、下記イ?ニの点で相違している。
イ、上記請求項1に係る考案が、そのガス管は「先端部を閉塞し」ているのに対し、甲第1号証記載の考案はそのような構成を備えていない。
ロ、上記請求項1に係る考案の予混合式バーナが、「全予混合式バーナ」であるのに対し、甲第1号証記載の考案の予混合式バーナはそのような形式のバーナであるかどうか明確に記載されていない。
ハ、上記請求項1に係る考案が、そのじゃま板の板周縁部に設けられる切欠きを「ガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらし」ているのに対し、甲第1号証記載の考案は、その切欠きをそのように形成しているかどうか明確に記載されていない。
ニ、上記請求項1に係る考案が、そのじゃま板を「板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としている」のに対し、甲第1号証記載の考案はそのような構成を備えていない。
そこで、上記相違点について検討する。
まず、相違点ニについてみると、じゃま板を「板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としている」ことは、甲第1号証ばかりでなく、本件審判の請求において引用されたその他の甲各号証にも記載されていない。
そして、本件訂正明細書の請求項1に係る考案は、じゃま板のこのような構成により、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流を巻き込むことができるばかりでなく、「混合部での流れはより複雑となりガスの混合性がさらに高められる」(本件訂正明細書考案の詳細な説明の作用の項参照)という、上記甲各号証には示唆されていない作用を奏するものである。
したがって、本件訂正明細書の請求項1に係る考案は、他の相違点イ?ハについて検討するまでもなく、上記甲各号証記載の考案からきわめて容易に考案をすることができたものということができない。
(4)訂正の適否に関する結論
以上のとおりであるから、上記訂正事項a?dは、いずれも平成5年法律第26号附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される実用新案法第40条第2項及び第5項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3、請求人の主張
(1)本件登録実用新案の考案
本件登録実用新案の訂正後の請求項1に係る考案は、上記訂正がいずれも上述のごとく適法なものであるから、上記2の(1)のaで認定した訂正後の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。
(2)審判請求の概要
本件請求人は、甲第1号証?甲第3号証を提示し、要するに本件実用新案の請求項1に係る考案は、甲第1号証または甲第2号証に記載された考案に基づいて、また本件実用新案の請求項2に係る考案は、甲第1号証および甲第3号証に記載された考案に基づいて、それぞれ当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に違反して登録されたものであり、同法第37条第1項第1号の規定により無効とされるべき旨主張している。
4、審判請求の理由の検討
本件登録実用新案の訂正後の請求項1に係る考案は、上述のように本件請求人が提示した上記甲各号証記載の考案とは、上記2の(3)のdで指摘した相違を有するものであって、しかも、それらの考案から当業者がきわめて容易に考案できたものということができない。
5、むすび
以上のとおりであるから、本件請求人の上記主張および証拠によっては、本件登録実用新案の訂正後の請求項1に係る考案の登録を無効とすべき理由を発見しない。
また、本件登録実用新案の訂正後の請求項1に係る考案の登録を無効とすべき理由を他に発見しない。
よって、上記結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
全予混合式ガスバーナ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は先端部を閉塞し側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃料部で燃焼する全予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした切欠きを設けており、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としているじゃま板を設けたことを特徴とする全予混合式ガスバーナ。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は燃料と空気の混合性を向上させることにより燃焼性をを向上させた全予混合式ガスバーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
全予混合式ガスバーナの場合、バーナの燃焼部へは燃料ガスと空気が予め混合された予混合燃料が送られる。燃料ガスと空気の混合は、先端が閉塞し、側面部に複数個のガス噴射孔を設けたガス管をウインドボックス内の混合部に設けておき、ガス管周囲をガス管と同軸に流れる空気に向かって噴射孔より燃料ガスを噴射することで行っていた。しかし、燃料ガス供給圧力が低い場合、空気流によって燃料ガスの噴射が妨げられたり、燃料ガスと空気が十分に混合されずにむらができ、燃焼性が悪くなるということがあった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
燃料ガスと空気の混合性を良くし、燃焼性の向上をはかることができる全予混合式ガスバーナを提供する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は先端部を閉塞し側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料を、バーナの燃料部で燃焼する全予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした切欠きを設けており、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としているじゃま板を設けたことを特徴とする全予混合式ガスバーナ。
【0005】
【作用】
じゃま板を取り付けることによって板の裏側の静圧は小さくなり燃焼ガスの噴射がスムーズになる。また、空気の巻き込みが起こり燃料ガスと空気との混合性が良くなる。じゃま板の周囲に切欠きを付けることにより、じゃま板の混合側部分に空気の乱流が発生し、ガス噴出孔からの燃料ガスが空気の乱流により魔神混合される。さらに、じゃま板裏面は最外縁まで平坦であるので、空気の流れは外周部からの流れと半円状の穴からの流れができ、混合部での流れはより複雑となりガスの混合性がさらに高められる。
【0006】
【実施例】
本考案の一実施例を図面を用いて説明する。
ウインドボックス(5)内にガス管(1)、送風機からのエア導入口(3)並びにミキシング管(9)を設置し、ウインドボックス外部に円錐台状の保炎面(10)を設置する。ガス管は先端が閉塞しおり、先端近くの側面部に周方向に複数個のガス噴射孔(2)を設け、ガス噴射孔よりも上流側のガス管周囲に、空気流に対して垂直となるようにガス管と同心な円形状のじゃま板(4)を設ける。燃料ガスはガス管(1)を通って、ガス管の側面に設けられた複数個のガス噴射孔12)から空気の流れの中に放射状に噴射される。燃焼用空気は送風機(図示せず)から給気され、ウインドボックス内を通りガス管(1)の周りを円筒状に流れ、じゃま板(4)にぶつかる。じゃま板にぶつかった空気はじゃま板とミキシング管の間を通り、一部はじゃま板の裏側へ巻き込まれ渦を作る。空気はガス噴射孔を避けるように流れるので、ガス噴射孔からの燃料ガスの噴射が妨げられることなく、ガス噴射孔の下流で空気とガスの乱流が出来る。空気と燃料ガスの混合部で十分に混合された予混合燃料は保炎面(10)へ流れる。じゃま板の周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした半円状の穴(6)があり、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦であるので、空気の流れは外周部(7)からの流れと半円状の穴からの流れが出来、混合部での流れはより複雑となり、ガスとの混合性はさらに高まる。十分な混合が行われたガスと空気は保炎面にて良好に燃焼される。
【0007】
【考案の効果】
じゃま板を取り付けることで燃料ガスと空気を十分に混合することができるようになり、燃焼性を向上する事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】
一実施例の断面図
【図2】
図1のA-A面を下からみた断面図
【図3】
空気と燃料ガス混合部の空気の流れを表した図2の拡大図
【図4】
従来の断面図
【符号の説明】
1 ガス管
2 ガス噴射孔
3 エア導入口
4 じゃま板
5 ウインドボックス
6 半円状の穴
7 じゃま板の外周部
8 内壁
9 ミキシング管
10 保炎面
11 空気と燃料ガス混合部
12 逆火防止板
13 パイロットバーナ
14 パイロットバーナガス管
訂正の要旨 訂正の要旨
a、訂正事項a
本件上記実用新案登録の請求項1?2に係る考案を、請求項の数を減らし新たな請求項1に係る考案とするとともに、その新たな請求項1に係る考案の内容を、下記の通り訂正する。
「【請求項1】
送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は先端部を閉塞し側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃料部で燃焼する全予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした切欠きを設けており、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平担である形状としているじゃま板を設けたことを特徴とする全予混合式ガスバーナ。」
b、訂正事項b
平成7年9月25日付手続補正における明細書の考案の詳細な説明の【課題を解決するための手段】の項全体(段落0004および段落0005)を、下記のとおり訂正する。「 送風機からの空気を燃焼用空気導入口より導入するウインドボックス内に、燃料ガスを導入するガス管、ガス管からの燃料ガスと送風機からの空気を混合する混合部を設けておき、前記ガス管は先端部を閉塞し側面部に複数個のガス噴射孔を設けた形状とし、ガス噴射孔から噴射した燃料ガスとガス管周囲に流れる送風機からの空気を混合した予混合燃料をバーナの燃料部で燃焼する全予混合式ガスバーナにおいて、ガス噴射孔よりも空気流上流側に、空気流に対し垂直でガス管と同心な円形状の板であって、板周縁部にガス噴射孔と同じピッチ角で半ピッチずらした切欠きを設けており、板周縁部分と切欠き部分より板の裏面側へ空気流が巻き込むことができるように、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦である形状としているじゃま板を設けたことを特徴とする全予混合式ガスバーナ。」
c、訂正事項c
平成7年9月25日付手続補正における明細書の段落0006の末尾に「さらに、じゃま板裏面は最外縁まで平坦であるので、空気の流れは外周部からの流れと半円状の穴からの流れができ、混合部での流れはより複雑となりガスの混合性がさらに高められる。」を加入する。
d、訂正事項d
平成7年9月25日付手続補正における明細書の段落0007の16行(登録公報2頁4欄11行)の「がある場合」を、「があり、板裏面は円形状の板外側を通る空気流と接する最外縁まで平坦であるので」と訂正する。
審理終結日 2000-11-28 
結審通知日 2000-12-08 
審決日 2000-12-19 
出願番号 実願平4-72981 
審決分類 U 1 112・ 121- YA (F23D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 東 勝之  
特許庁審判長 大久保 好二
特許庁審判官 滝本 静雄
櫻井 康平
登録日 1997-10-24 
登録番号 実用新案登録第2561927号(U2561927) 
考案の名称 全予混合式ガスバーナ  
代理人 山内 康伸  
代理人 山内 康伸  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ