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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) B60R
審判 全部無効 発明同一 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) B60R
管理番号 1043334
審判番号 無効2000-35146  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-03-17 
確定日 2001-05-31 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の登録第2027686号実用新案「車載用コントロ-ルユニツト」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2027686号の考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 【1】当事者が求めた審判
1.請求の趣旨
実用新案登録第2027686号に係る実用新案登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。
2.答弁の趣旨
本件審判請求は成り立たない、本件審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。
【2】手続の経緯
本件実用新案登録第2027686号は、昭和59年12月26日に出願され、出願公告(平成4年1月24日)後、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)第3条による改正前の実用新案法第13条の規定により準用する特許法第64条第1項の規定により明細書について補正がなされ、平成6年8月4日に設定登録されたものであり、その後、平成12年10月2日付けで、同法律附則第4条第2項の規定により、同条第1項の規定によりなおその効力を有するとされた同実用新案法第40条第2項を読み替えた同項の規定に基づいて願書に添付した明細書について訂正請求がなされたものである。
【3】訂正の要旨
上記訂正請求の趣旨は、願書に添付した明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであるが、その要旨は、願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲「(1)車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とする車載用コント口ールユニツト。」を、
「(1)車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、 一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する、少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて前記中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とする車載用コント口ールユニツト。」とするものである。
【4】当事者の主張
1.請求人の主張
(1)本件考案は、その出願前に頒布された刊行物である甲第1号証に記載された考案に基づいて、その考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。 従って、当該実用新案登録は、実用新案法第37条第1項第1号(平成5年改正前実用新案法)の規定により、無効とすべきである(以下「無効事由1」という)。
(2)本件考案は、甲第2号証に記載された発明と同一であるから、本件出願日前の特許出願であって、本件出願後に出願公開された特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、実用新案法第3条の2第1項(平成5年改正前実用新案法)の規定により実用新案登録を受けることができないものである。従って、当該実用新案登録は、実用新案法第37条第1項第1号(平成5年改正前実用新案法)の規定により、無効とすべきである(以下「無効事由2」という)。
(3)平成12年10月2日付け訂正請求に係る訂正事項「少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む」により、訂正後の考案に「アンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチ」の他に「アンロック操作されなくてもオンするロックリンクスイッチ」も含まれることになるが、本件願書に添付した明細書又は図面には「アンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチ」しか記載されていないから、この訂正は、新規事項の追加に該当するので、認められるべきではない。
(4)「車載用コント口ールユニツト」の中央処理装置に信号を出力するセンサの一つとして「ロックリンクスイッチ」を採用すること、通電制御の技術において通電タイミング信号を中央処理装置から出力するように設計することは、本件出願時に周知の技術であるから、上記訂正が新規事項の追加に該当しないとされた場合でも、上記無効事由1,2を解消し得るものではない。
2.被請求人の主張
(1)甲第1号証第2頁右上欄第1行目から第11行目に「1はマイクロコンピユータの主要部をなすマイクロプロセッサ(以下、CPUという)、2は……、4はCPU1とデータバス6を介して接続されたプログラマブル入出力ポート(以下、PIOという)であり、これらは通常周知のマイクロコンピュータ7を構成し」とあり、PIO4は明らかにマイクロコンピュータ7の一部を成すものである。従って、このPIO4が本考案における「車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する…複数のセンサ」と対応するのではなく、 甲第1号証の第1図に図示されたイグニッションスイツチ16及びマニュアルスイッチ17が本考案におけるセンサに対応している。これらイグニッションスイッチ16及びマニュアルスイッチ17は、いずれもスイッチング回路10を構成するトランジスタ11,12を介することなくバッテリー9に接続されており、スイッチング回路10の動作状態とは関係無く、常にバッテリー9から電力供給されている。
このように甲第1号証に記載のものは、スイッチング回路10がイグニッションスイッチ16及びマニュアルスイッチ17ではなくCPU1に対して電力供給を行うものである点で、センサ給電制御回路が各センサに電力を供給する本件考案と相違する。
従って、本件考案は、甲第1号証に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない。
(2)本件考案は、以下のとおり、甲第2号証に記載の発明と同一ではなく、従って、本件考案は、実用新案法第3条の2第1項の規定により実用新案登録を受けることができないものではない。
(2-1)甲第2号証に記載のものでは、トランジスタ10,11を備えるスイッチング回路を介して電力供給されるのは手動スイッチとなっている。甲第2号証の第7頁第6行目から第8行目の「また、本発明は車両ドア機能装置において、前記以外の意味付けを持つ手動スイッチや検出スイッチにも適用することができる。」との記載はあるが、甲第2号証の記載は、スイッチ1A,1Bは、他の手動スイッチや検出スイッチでもよいことを一般的に示唆しているに過ぎず、この記載をもって本考案における、「少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む複数のセンサ」という具体的な構成が記載されているということはできない。
(2-2)本件考案のロックリンクスイッチは、ロック機構がアンロック操作されるとオンするものであり、ロック機構がアンロック操作された状態で長時間放置され、その結果ロックリンクスイッチがオン状態のまま放置されてしまうことは、実際の車両の使用時に比較的頻繁に起こり得ることであり、従って、センサ給電制御回路から電流が供給されるセンサにこのロックリンクスイッチを含むことは、車載用コントロールユニットにおけるセンサの消費電流低減という本件考案の効果をより有効に達成する上で重要である。
(2-3)甲第2号証のスイッチング回路は、発信回路6、カウンタ回路7、フリップフロップ回路15A,15B及びバッファ9を経て出力されるパルス信号により駆動される。かかる甲第2号証に記載のものの構成は、クロック信号のタイミングに合わせて中央処理装置から電流供給指令信号が入力されるとセンサ給電制御回路がセンサに電流を供給する本件考案と相違する。
(2-4)甲第2号証には、回路構成の一部をマイクロコンピュータのソフトウエア上の処理に置換できることを示唆する記載はあるが、甲第2号証の記載は、単にフリップフロップ回路等で実現可能な機能をマイクロコンピュータで実現可能であるという一般的な示唆に過ぎず、センサ給電制御回路に対する電流供給指令信号が中央処理装置から入力されるという具体的な構成が記載されているとすることはできない。
(2-5)本件考案は、読み取りのタイミングが中央処理装置の制御フローに従うものであるのに対して、甲第2号証に記載されたものは、実施例等の記載からみて、マイクロコンピュータを用いても、等間隔で行われる給電タイミングに合わせて読み取ることが記載されているにすぎない。
【5】提出された証拠等
1.請求人が提出した証拠等
(1)甲第1号証……特開昭57-125423号公報
(2)甲第2号証……特願昭58-208019号(特開昭60-102477号)の明細書及び図面
(3)甲第3号証……特開昭59-68009号公報
(4)参考文献1……特開昭59-158876号公報
(5)参考文献2……特開昭59-185270号公報
(6)参考文献3……特開昭58-207467号公報
(7)参考文献4……特開昭58-221735号公報
(8)参考文献5……特開昭56-52426号公報
(9)参考文献6……特開昭58-221733号公報
(10)参考文献7……特開昭58-18539号公報
【6】訂正の適否
1.訂正の目的の適否、新規事項の有無、並びに実用新案登録請求の範囲の拡張又は実質変更の存否について
(1)願書に添付した明細書の第15頁の「表」(公告公報第4頁第8欄)には、8種類のセンサが記載され、そのうちの一つとして、「ロック機構非作動」時に「オン」し、「ロック機構作動」時に「オフ」する「ロックリンクスイッチ」が記載されているものと認める。これら「表」の記載及び明細書並びに図面の記載からみて、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の「少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む複数のセンサ」なる記載は、複数のセンサのうちに少なくともロックリンクスイッチを含む意味で記載したものであることは明白と認められる。
したがって、「少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む」との訂正は、願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲の「複数のセンサ」を限定するものであり、また、願書に添付した明細書又は図面に記載されて事項の範囲内の訂正と認められる。
(2)願書に添付した明細書の第4頁第11行目から第18行目(公告公報第2頁第3欄第27行日から第34行目)には、「車載用コントロールユニットの中央処理装置1がセンサS_(1),S_(2)…,S_(n)から入力するセンサ信号の読取りのタイミングに合せて電流供給指令信号を出力する電流供給指令端子OSCを備えるとともに、この電流供給指令信号が入力すると安定化電源回路70により安定化された車載のバッテリBの出力電圧を各センサセンサS_(1),S_(2)…,S_(n)に印加するセンサ給電制御回路71を備えている。」との記載があり、「中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項であり、また、「中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると」との記載は、「各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路」を限定するものと認められる。
(3)したがって、本件訂正請求による訂正事項は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、前摘示のとおり願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものと認められる。更に、本件訂正は、「制御回路に各種信号を供給するセンサに消費される電流を少なくし、バッテリ上がりを防止する」という、願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された考案の目的の範囲内の訂正であるから、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものとは認められない。
2.訂正の適否についてのまとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第2項の規定により、同条第1項の規定によりなおその効力を有するとされた同法律第3条による改正前の実用新案法第40条第2項を読み替えた同法同条第2項、及び、当該読み替え後の、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第14条の規定により改正された、同法第40条第5項の規定により準用する、同法第39条第2,3項の規定に適合するので、当該訂正は認められるべきものである。
【7】本件考案
前説示のとおり明細書についての訂正が認められるので、本件考案は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、
一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する、少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて前記中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とする車載用コント口ールユニツト。」
【8】無効事由1についての当審の判断
1.甲第1号証に記載された事項
(あ)「本発明は自動車などに搭載されたバッテリーによりマイクロコンピュータを駆動する場合に適した電源装置に関するものである。」(第1頁右欄第3?5行)
(い)「近年…バッテリーの電源をキースイッチ(イグニッションスイッチ)のオン、オフ操作と無関係にマイクロコンピュータに常時供給して駆動させるものとなっている。」(第1頁右欄第6?15行)
(う)「低消費電力化を可能にしたバッテリー駆動用マイクロコンピュータの電源装置を提供することを目的とする」(第2頁左上欄第13?15行)
(え)「1はマイクロコンピユータの主要部をなすマイクロプロセッサ(以下、CPUという)、2はCPU1とアドレスバス5、データバス6を介して接続された半導体デバイスよりなるリードオンリーメモリ(以下、ROMという)、3は同じくアドレスバス5、データバス6を介して接続されたランダムアクセスメモリ(以下、RAMという)、4はCPUIとデータバス6を介して接続されたプログラマブル入出力ポート(以下、PIOという)であり、これらは通常周知のマイクロコンピュータ7を構成し、従来と同様に自動車の各部に装着されたセンサ(図示せず)にて検知された情報に基づき予めROM2に記憶されたプログラムに従って処理するとともに、その処理結果を表示部(図示せず)にて表示するものとなっている。」(第2頁右上欄第1?15行)
(お)「PI04は後述する外部操作スイッチのオン、オフに伴なう信号を入力とする外部入力端子P_(0),P_(1)とCPUIがすべての処理を終了したときその処理終了に伴なう信号を出力する外部出力端子P_(2)とを有している。また、CPU1、ROM2及びPI04は半導体デバイスとしてP-MOSデバイスが使用され、RAM3及びクロック用IC8はC-MOSデバイスが使用されており、これらはそれぞれ電源端子V_(CC)、V_(DD)を有している。」(第2頁左下欄第2行?第10行)
(か)「通常時つまりイグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17が共にオフ状態にあるときは、クロック用IC8はバッテリー9の電源電圧によって常時動作しており、そのクロック端子Cからは単位時間たとえば1時間毎にパルスを出力する。したがって、前記クロック用IC8の出力パルスがオアゲート18を介してフリップフロップ19に送出されると、このフリップフロップ19はセットしそのQ出力が“1”となる。そのため、この“1”のQ出力によりスイッチング回路10のトランジスタ11がオンになると同時にトランジスタ12もオンになり、バッテリー9の電源電圧が前記トランジスタ12を通じてCPU1、ROM2及びPI04の各電源端子Vccに供給されて電源がオンとなり、CPU1は起動する。」(第3頁左上欄第12行?同頁右上欄第7行)
(き)「すると、CPU1は、第2図のフローチャートに示すように、電源のオンが外部操作スイッチによるものかあるいはクロック用IC8の出力によるものかをPIO4の各外部入力端子P_(0),P_(1)に入力される信号によって判断する」(第3頁右上欄第7?11行)
等の記載があり、また、
(く)第1図には、PI04は、その一端V_(CC)をスイッチング回路10を介して電源側に、他端をアースに接続している点が示されているものと認める。
そして、上記イグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17が共にオフ状態にあるときは、自動車は停止しているものと認められるから、甲第1号証には、
“一端が電源側に他端がアースに接続されたイグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17と、該イグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17及び自動車の各部に装着されたセンサからの信号が入力されるPI04と、PIO4の各外部入力端子P_(O)、P_(1)に入力される信号を読み取るCPU1と、クロック用IC8と、電源9とCPU1、PI04、ROMの電源端子V_(CC)間に接続されたスイッチング回路10と、前記イグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17が共にオフ状態にあるとき、前記クロック用IC8のクロック信号により決められたタイミングに合わせてスイッチング回路10に電流供給指令信号を供給するフリップフロップ19とを備え、イグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17が共にオフ状態にある自動車の停止時に給電されて作動状態となるマイクロコンピュータ7を備えた車載用コントロールユニット.”
が記載されているものと認める。
2,対比・判断
甲第1号証に記載されたものは、上記(え)に摘示のように、CPU1、ROM2、RAM3、PIO4が、マイクロコンピュータ7を構成することは明らかであり、またPIOに対する通常の概念から、上記PIO4を車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力するセンサと認識することには無理があり、一方、イグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17は、操作部材の動作状態を検知するセンサと認識することができるから、本件考案と上記甲第1号証に記載されたものとを対比すると、
両者は、
車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、 一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて電流供給指令信号が入力されると、電流を供給する給電制御回路とを備え、電流が供給されたときセンサの信号を読み取るようにした車載用コント口ールユニツト.
である点で一致し、次の相違点1,2で相違するものと認める。
〈相違点1〉
複数のセンサのうちに、本件考案は、「ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む」のに対して、甲第1号証に記載されたものでは、ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含むか否か明瞭でない点
〈相違点2〉
本件考案は、「中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路を備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにした」のに対して、甲第1号証に記載されたものは、給電制御回路は、中央処理装置に相当するCPU1、ROM2、PIO4に対する給電制御回路であって、センサに相当するイグニッションスイッチ16、マニュアルスイッチ17は電源9に常時接続され、給電制御回路に対する電流供給指令信号は、CPU1と別に設けたフリップフロップ19から入力される点
次に、上記各相違点について検討する。
〈相違点1〉について
「ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチ」は、本件実用新案登録の出願前に周知であり(例えば、特開昭59-158876号公報、実願昭57-66782号(実開昭58-168663号)のマイクロフィルム、特開昭58-221735号公報)、上記甲第1号証に記載されたものにおいて、このような周知のものからの出力信号を「PIO4」に対する入力信号とすることは、適宜なし得ることであり、複数のセンサのうちに「ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む」構成とすることは、当業者がきわめて容易に想到し得ることである。
〈相違点2〉について
「各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路を備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るように」することが、本件実用新案登録の出願前に周知の事項であったとする証拠は提出されておらず、またこのことが周知の事項であったと認めることはできない。更に、本件考案は、この構成によりセンサに消費される電流を低減できるものと認められるから、本件考案における「各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路を備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにした」点を、当業者がきわめて容易に想到し得たものとすることはできない。
したがって、請求人が主張するように、通電制御の技術において通電タイミング信号を中央処理装置から出力するように設計することが本件考案の出願前に周知の事項であったとしても、上記相違点2における本件考案の「中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路を備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにした」点を、当業者がきわめて容易になし得たものとすることはできない。
よって、本件考案は、請求人が主張する周知技術を考慮しても、上記甲第1号証に記載されたものに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
【9】無効事由2についての当審の判断
1.甲第2号証に記載された事項
(あ)「本発明は車両ドアの電気式ロック装置や、電気式窓開閉装置などの車両ドア機能装置のためのスイッチ信号入力装置に関する。」(第2頁第2行?第4行)
(い)「車両ドア機能装置、特に電気式ロック装置は一般にバッテリから直接に電源を受けて作動するため、非作動時の消費電力を小さく抑える必要があり、この一方で車両ドアと一体的に設けられて被水しやすいスイッチより発生するスイッチ信号を正確に検出するためにはスイッチ電流を大きくしなければならない、という2つの相反する必要性がある。」 (第2頁第6行?第13行)
(う)「添付図面において、符号1Aおよび1Bは車両ドアと一体的に設けられた手動スイッチで、この実施例では電気式ドアロック装置のロック指令スイッチおよびアンロック指令スイッチである。これらスイッチ1A、1Bは一端が接地されており、スイッチ電流が供給されると他の端子にはスイッチの開閉に応じた電位がそれぞれ発生する。この電位はスイッチ信号入力回路2に付与されこの回路2において、各々のスイッチの開閉状態を判定する。その判定結果を表わす電気信号は論理回路3に伝えられる。」(第3頁第12行?第4頁第2行)
(え)「また、本発明は車両ドア機能装置において、前記以外の意味付けを持つ手動スイッチや検出スイッチにも適用することができる。」(第7頁第6行?第8行)
(お)「スイッチ信号入力回路2は、一定周波数のクロック信号を発生する発振回路6と、そのクロック信号を受けて決められた周期T_(1)で決められた時間T_(2)だけハイレベルとなる間欠パルス信号を発生するカウンタ回路7とを含む。カウンタ回路7の間欠パルス信号はバッファ9を介して、2つのトランジスタ10,11からなる半導体スイッチング回路に付与され、間欠パルス信号信号がハイレベルのときに、トランジスタ12が導通しそれによってプルアップ抵抗12,13を介して各スイッチ1A、1Bにスイッチ電流が供給されるようになっている。」(第4頁第15行?第5頁第6行)
(か)「このようにフリップフロップ回路15A、15Bは、間欠パルス信号の周期でスイッチ1A、1Bの状態を判定し、判定結果に対応した信号レベルを出力端子Qに発生し、これを後段の論理回路3に付与する。」(第6頁第13行?第17行)
(き)「なお、上記の回路構成の一部をマイクロコンピュータのソフトウェア上の処理に置換することもできる。例えば、カウンタ回路7および遅延回路14の機能は制御プログラム中でタイマ割り込み処理を実施することができ、またフリップフロップ回路15A、15Bの判定機能は入力ポートに印加される信号のレベルをチェックすることで実施することができる。」(第6頁第18行?第7頁第5行)
等の記載があるものと認められる。
そして、上記(い)の「車両ドア機能装置、特に電気式ロック装置は一般にバッテリから直接に電源を受けて作動するため、非作動時の消費電力を小さく抑える必要があり、」という課題は、バッテリ充電が行われない車両が停止している際のバッテリ上がりを防止しようとするものであることは自明であり、甲第2号証に記載された車両ドア機能装置は、車両停止時にもバッテリからの給電により作動状態にあるものと認められる。
したがって、上記(あ)?(き)の記載及び図面等を参照すると、甲第2号証には、
“車両の停止時に給電されて作動状態となる車両ドア機能装置に関するコントロールユニットにおいて、一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着されて各動作に応じて信号を出力する電気式ドアロック装置のロック指令スイッチ及びアンロック指令スイッチ1A,1Bと、一定周波数のクロック信号を発生する発振回路6のクロック信号により決められた間欠パルス信号を発生するカウンタ回路7の前記間欠パルス信号のタイミングで前記ロック指令スイッチ及びアンロック指令スイッチ1A,1Bからの信号を読み取るフリップフロップ回路15A,15Bと、クロック信号により決められた間欠パルス信号を発生する前記カウンタ回路7から前記タイミングの間欠パルス信号が入力されると、ロック指令スイッチ及びアンロック指令スイッチ1A,1Bに電流を供給するトランジスタ10,11からなる半導体スイッチング回路とを備え、ロック指令スイッチ及びアンロック指令スイッチ1A,1Bに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたもの.”
が記載されているといえる。
そして、上記(え)「本発明は車両ドア機能装置において、前記以外の意味付けを持つ手動スイッチや検出スイッチにも適用することができる。」及び (き)「上記の回路構成の一部をマイクロコンピュータのソフトウェア上の処理に置換することもできる。例えば、カウンタ回路7および遅延回路14の機能は制御プログラム中でタイマ割り込み処理を実施することができ、またフリップフロップ回路15A、15Bの判定機能は入力ポートに印加される信号のレベルをチェックすることで実施することができる。」との記載があることに加えて、マイクロコンピュータがクロック信号を時間的な基準として動作することは技術常識である。そうすると、上記甲第2号証に記載された「電気式ドアロック装置のロック指令スイッチ及びアンロック指令スイッチ1A,1B」を「複数の検出スイッチ」とみて、「カウンタ回路7」及び「フリップフロップ回路15A、15B」を「マイクロコンピュータ」のソフトウエア上の処理に置換した
“車両の停止時に給電されて作動状態となる車両ドア機能装置に関するコントロールユニットにおいて、
一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着されて各動作に応じて信号を出力する複数の検出スイッチと、クロック信号により決められた間欠パルス信号のタイミングで前記複数の検出スイッチからの信号を読み取るマイクロコンピュータと、クロック信号により決められた前記タイミングの間欠パルス信号がマイクロコンピュータから入力されると、複数の検出スイッチに電流を供給する半導体スイッチング回路とを備え、複数の検出スイッチに電流が供給されたときの信号を読み取るようにした車両ドア機能装置に関するコントロールユニット.”(以下「先願発明」という。)
の発明が、甲第2号証に実質上記載されているものと認められる。
2.対比・判断
本件考案と上記先願発明とを対比すると、先願発明の「車両ドア機能装置に関するコントロールユニット」は、車載用コントロールユニットということができ、また、先願発明の「検出スイッチ」、「マイクロコンピュータ」、「半導体スイッチング回路」は、それぞれ、本件考案の「センサ」、「中央処理装置」、「センサ給電制御回路」に相当し、また、本件考案において、各センサからの信号を読み取るタイミングを規定する記載としては、「クロック信号により決められた」との記載のみで他に該タイミングを規定する記載はないから、各センサからの信号を読み取るタイミングを決めるものは「クロック信号」と認められる一方、先願発明の「間欠パルス信号のタイミング」も「クロック信号により決められた」ものであり、更に、先願発明において、半導体スイッチング回路へマイクロコンピュータから入力される間欠パルス信号は「電流供給指令信号」ということができるから、
両者は、
車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、
一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて前記中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにした車載用コントロールユニット.
である点において一致し、
複数のセンサのうちに、本件考案は、「少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む」という限定が付されるのに対して、先願発明は、そのように限定されたものでない点で一応の相違点(以下「一応の相違点A」という。)が認められる。
以下、この一応の相違点Aについて検討する。
「ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチ」が「車載用コント口ールユニツト」の「センサ」として設けられることは、本件実用新案登録の出願前に周知の事項であるし(例えば特開昭59-158876号公報、実願昭57-66782号(実開昭58-168663号)のマイクロフィルム、特開昭58-221735号公報)、センサにより消費される電流を低減するという技術課題のもとで、周知のセンサを選択することは単なる設計事項というべきであり、加えて、本件考案において複数のセンサ(検出スイッチ)のうちの一つを「ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチ」としたとき得られる作用効果は、ロックリンクスイッチのオン状態で当該ロックリンクスイッチに消費される電流が低減するという作用効果であって、先願発明において検出スイッチのオン状態で当該検出スイッチに消費される電流が低減する作用効果と同質のものである。
したがって、複数のセンサのうちに「ロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む」構成とすることは、センサにより消費される電流を低減するという課題を解決するための具体化手段における微差にすぎず、上記一応の相違点Aは実質上相違点とすることはできない。
なお、本件考案の「クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る」とした前記タイミングについて、被請求人は、クロック信号を時間的な基準として動作する中央処理装置の制御フローに従うタイミングであると主張するが、本件考案は、読み取りのタイミングを何時とするかを限定する構成を有するものではなく、先願発明においても、マイクロコンピュータ(中央処理装置)がセンサの出力を読み取る以上、マイクロコンピュータ(中央処理装置)はクロック信号を時間的な基準として制御フローに従い動作するものであるから、被請求人の上記主張する点は、構成上の相違点とすることはできない。
したがって、本件考案は、甲第2号証として提出された、本件実用新案登録の出願日前の特許出願であって、本件実用新案登録の出願後に出願公開された特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であり、その発明をした者が本件考案の考案者と同一の者でなく、また、本件実用新案登録の出願の時にその出願人と前記特許出願の出願人とが同一の者でないから、本件考案は、実用新案法第3条の2第1項の規定により、実用新案登録を受けることができない。
【10】むすび
以上のとおり、本件考案は、実用新案法第3条の2第1項の規定により、実用新案登録を受けることができないものである。
したがって、本件実用新案登録は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされた同法律第3条による改正前の実用新案法第37条第1項第1号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
車載用コントロールユニット
(57)【実用新案登録請求の範囲】
(1)車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、
一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する、少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて前記中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とする車載用コントロールユニット。
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本考案は車両の停止時に給電されて作動状態となる自動車用盗難防止システム等の車載用コントロールユニットに関する。
(従来技術)
近年、ロックされている自動車のドア、ボンネットもしくはトランク等がキー以外の不正な手段や方法によって開かれると警報を発する盗難防止システムが開発され、自動車に実際に装備されている。
この種の自動車用盗難防止システムは、例えば、自動車のある隠された場所に設けたスイッチ等を操作するとそれ以後は待機状態に移行し、もしも、キー以外の不正な手段によってこの自動車のドア等が開かれると直ちに警報を発するように構成されている。
ところで、このような自動車用盗難防止システムは、自動車のエンジンが回転していない駐車時等のように車載のバッテリが充電されない状態で、車載のバッテリから給電されてその動作を行なうものであるから、自動車のエンジンが回転していないときの消費電流はできるだけ少なくなるようにすることが好ましい。この消費電流が大きい場合には、比較的短期間で車載のバッテリが完全に放電してしまう、いわゆるバッテリ上りを招く。
(考案の目的)
本考案は車載用コントロールユニットにおける上記事情に鑑みてなされたものであって、制御回路に各種信号を供給するセンサに消費される電流を少なくし、バッテリ上りを防止するようにした車載用コントロールユニットを提供することを目的としている。
(考案の構成)
このため、本考案は、車載用コントロールユニットの中央処理装置がクロック信号を時間的な基準として動作し、各センサからの信号の読取りもこのクロック信号により決められたタイミングにより行なわれていることに着目し、中央処理装置のセンサ出力の読取りのタイミングに合せて各センサに電流を供給するようにしたことを特徴とする。
より詳しくは、本考案は、車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とするものである。
(考案の効果)
本考案によれば、車載用コントロールユニットの中央処理装置に各種信号を供給するセンサに対してその出力の読取りの必要な期間だけ車載のバッテリから電流を供給し、出力の読取りの必要でない期間には電流を供給しないようにしたので、センサにより無駄に消費される電流が少なくなり、車両の停止時にセンサにより消費される電流によるバッテリ上りを防止することができる。
(実施例)
以下、添付図面を参照して本考案を具体的に説明する。
本考案の原理は、車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、中央処理装置のセンサ出力の読取りのタイミングに合せて各センサに電流を供給し、センサには必要な時以外は電流を供給しないようにして、バッテリから無駄な電流が取り出されないようにしたことである。
より具体的には、本考案は、第1図に示すように、車載用コントロールユニットの中央処理装置1がセンサS_(1),S_(2),…,S_(n)から入力するセンサ信号の読取りのタイミングに合せて電流供給指令信号を出力する電流供給指令端子OSCを備えるとともに、この電流供給指令信号が入力すると安定化電源回路70により安定化された車載のバッテリBの出力電圧を各センサS_(1),S_(2),…,S_(n)に印加するセンサ給電制御回路71を備えている。
上記センサ給電制御回路71はトランジスタQ_(3),Q_(4)を備え、トランジスタQ_(3)はエミッタが安定化電源回路70の出力端子に、コレクタが各センサS_(1),S_(2),…,S_(n)に、ベースはトランジスタQ_(4)のコレクタと安定化電源回路70との間に直列に接続された抵抗R_(4),R_(5)の接続点に夫々接続され、トランジスタQ_(4)は、エミッタがアースに、ベースが中央処理装置1の電流供給指令端子OSCとアースとの間に直列に接続された抵抗R_(2)とR_(3)との接続点に夫々接続されている。
上記センサ給電制御回路71は、中央処理装置1の電流供給指令端子OSCから出力する第2図に示す電流供給指令信号によりそのトランジスタQ_(4)およびQ_(3)がオンし、センサS_(1),S_(2),…,S_(n)に給電を行なう。中央処理装置1は、第2図に示すように、その電流供給指令端子OSCから電流供給指令信号を出力している時間内の時間tにて、各センサS_(1),S_(2),…,S_(n)の出力の読取りを行なう。
上記センサS_(1),S_(2),…,S_(n)には、センサ給電制御回路71の作用により、中央処理装置1の読取りのタイミングに合せてバッテリBから給電が行なわれるので、センサS_(1),S_(2),…,S_(n)に無駄に消費される電流が少なくなる。
次に、本考案を自動車用盗難防止システムに適用した具体的な実施例を第3図に示す。
第3図において、コントロールユニット11は、以下に説明する自動車用盗難防止システムの制御回路としての機能を有するもので、ワンチップ化されたマイクロコンピュータおよびそれに付随した部品より構成されている。
このコントロールユニット11は、後述する各種の異常信号が夫々入力する異常信号等の入力端子11a,11b,…11_(0)、これら異常信号を検出する各種のセンサ(後述)への給電および給電停止を指令する信号を出力する出力端子11_(p1)、システムの動作状態を示す信号を出力する出力端子11_(p2)、警報時に信号を出力する出力端子11_(q),…,11_(t)、オプション端子11_(u)、電源端子11_(v)およびアース端子11_(w)を有している。
上記コントロールユニット11には、次に述べる安定化電源回路70からバッテリBの出力電圧を安定化した電圧が電源端子11_(v)に供給されている。
上記安定化電源回路70は、ツエナーダイオードD_(2)、このツエナーダイオードD_(2)に電流を供給する抵抗R_(1)、大電流用トランジスタQ_(1)および小電流用トランジスタQ_(2)からなる。この抵抗R_(1)はその一端が逆電圧防止用のダイオードD_(3)のカソードに接続され、他方がツエナーダイオードD_(2)のカソードに接続されている。このツエナーダイオードD_(2)のアノードはアースに接続されている。
上記大電流用トランジスタQ_(1)および小電流用トランジスタQ_(2)はダーリントン接続されている。すなわち、上記大電流用トランジスタQ_(1)のコレクタおよび小電流用トランジスタQ_(2)のコレクタは相互に接続され、大電流用トランジスタQ_(1)のベースは小電流用トランジスタQ_(2)のエミッタに接続されている。
上記大電流用トランジスタQ_(1)は、そのエミッタがヒューズF_(4)を通して、コントロールユニット11の電源端子11_(v)に接続され、そのコレクタがダイオードD_(3)のカソードに接続され、また、小電流用トランジスタQ_(2)のベースはツエナーダイオードD_(2)のカソードに接続されている。
上記ダイオードD_(3)は、アノードがヒューズF_(3)を通してバッテリBの正極に接続され、カソードとアースとの間にはサージアブソーバZNR,ノイズ除去用のコンデンサC_(1)およびC_(2)が接続されている。
一方、大電流用トランジスタQ_(1)のエミッタと小電流用トランジスタQ_(2)のベースとの間には発振防止用のコンデンサC_(3)が接続され、また、大電流用トランジスタQ_(1)のエミッタとアースとの間にも、雑音除去用のコンデンサC_(4)が接続されている。
以上に説明した電源回路70の出力電圧はまた、トランジスタQ_(3),Q_(4)、抵抗R_(2),R_(3),R_(4)およびR_(5)からなる本考案の特徴とするセンサ給電制御回路71に供給されている。このセンサ給電制御回路71は、異常信号を検出する各種センサヘの給電を、コントロールユニット11の出力端子11_(p1)から出力する電流供給指令信号によりオン,オフする。
上記トランジスタQ_(3)は、エミッタが電源回路70の大電流用トランジスタQ_(1)のエミッタに接続され、ベースとエミッタとの間には抵抗R_(5)が接続され、また、コレクタは端子71aを通して後述する各種センサのセンサS_(1),S_(2),…,S_(n)に接続されている。
一方、トランジスタQ_(4)は、エミッタがアースに、ベースはコントロールユニット11の出力端子11_(p1)とアースとの間に直列に接続された抵抗R_(2)とR_(3)との接続点に、また、コレクタは抵抗R_(4)を通してトランジスタQ_(3)のベースに接続されている。
次に、コントロールユニット11の電源端子11_(v)以外の各端子に接続される回路について説明する。
コントロールユニット11の入力端子11aはイグニッションスイッチ12のイグニッション端子IG1に接続されている。このイグニッションスイッチ12には、キー(図示せず。)が差し込まれて所定位置以上回動されたときから戻し回動しキーが引き抜かれるまでオンし、キーが引き抜かれているとき、およびキーが差し込まれて所定位置迄回動する間にはオフするキーレススイッチ13が設けられ、このキーレススイッチ13は、ヒューズF_(1),F_(2)を介して、負極が接地されたバッテリBの正(プラス)極とコントロールユニット11の入力端子11bとの間に接続されている。
また、上記コントロールユニット11の入力端子11cとアースとの間、入力端子11dとアースとの間および入力端子11eとアースとの間には、第4図に示すように、自動車14の助手席側のドア15Lに設けられたドアキーシリンダスイッチ16L、運転席側のドア15Rに設けられたドアキーシリンダスイッチ16Rおよびトランク(5ドア車の場合はバックドア)17に設けられたキーシリンダスイッチ18が夫々接続されている。
上記コントロールユニット11の入力端子11fとアースとの間には、第4図に示すように、運転席側のドア15Rおよび助手席側のドア15Lに夫々設けられたフロントロックリンクスイッチ19Rおよび19Lが接続されている。
上記コントロールユニット11の入力端子11gとアースとの問には、第4図に示すように、後部座席の左側のドア20Lに設けられたリヤロックリンクスイッチ21Lと、後部座席の右側のドア20Rに設けられたリヤロックリンクスイッチ21Rとが夫々接続されている。
上記コントロールユニット11の入力端子11hとアースとの間には、第4図に示すように、運転席側のドア15Rに設けられたインナロックスイッチ22Rと、助手席側のドア15Lに設けられたインナロックスイッチ22Lとが夫々接続されている。
同様に、上記コントロールユニット11の入力端子11iとアースとの間には、第4図に示すように、後部座席の左側のドア20Lに設けられたインナロックスイッチ23Lと、後部座席の右側のドア20Rに設けられたインナロックスイッチ23Rとが夫々接続されている。
ところで、自動車14のドア15R等をロックおよびロック解除する機構は、第5図に運転席側のドア15Rについて示すように、ドア15Rの外側に設けられたアウタハンドル24およびドア15Rの内側に設けられたインナハンドル25の作用を、ロック機構26を介して、ドアロック機構27に伝達するようにしており、ドアキーシリンダ28もしくはインナロックノブ29がロック側に操作されたときには、上記ロック機構26が作用して上記アウタハンドル24およびインナハンドル25の作用が遮断され、ドアロックが行なわれる。
上記第5図において、キーシリンダスイッチ16Rはドアキーシリンダ28のキー操作期間だけオンし、それ以外の状態ではオフする。また、インナロックスイッチ22Rはインナロックノブ29をアンロック位置方向に操作しているときにオンとなる。さらに、ロックリンクスイッチ19Rはロック機構26がアンロック操作されるとオンする。助手席側のドア15Lをロックおよびロック解除する機構も第5図と全く同様の構成を有する。
なお、後部座席のドア20Lおよび20Rには、ドアキーシリンダ28は設けられていない。
再び第3図において、コントロールユニット11の入力端子11jとアースとの間には、後部座席の左側のドアスイッチ32Lおよび右側のドアスイッチ32Rが接続されている。また、コントロールユニット11の上記入力端子11jにはダイオードD_(1)のカソードが接続されている。そしてコントロールユニット11の入力端子11kとアースとの間には運転席側のドアスイッチ31Rおよび助手席側のドアスイッチ31Lが接続され、さらにコントロールユニット11の入力端子11kにはダイオードD_(2)のカソードが接続されている。
上記4個のドアスイッチ31R,31L,32Rおよび32Lは夫々ドア15R,15L,20Rおよび20Lが開くとオンし、閉じるとオフする。
コントロールユニット11の残る入力端子11l、11m,11nおよび11oとアースとの間には夫々トランクドアスイッチ33、ボンネットスイッチ34、傾斜センサ35およびオプシショスイッチ36が接続されている。
ここで、以上に説明したスイッチのオン、オフとこれらスイッチが取着された部材の状態との関係は次表のようになる。

一方、上記コントロールユニット11の出力端子11_(p2)と、ヒューズF_(3)を通してバッテリBの正極に接続された電源ラインlBとの間には、本自動車用盗難防止システムがキー以外の手段によりドア15R等が開けられたときに警報を発生する待機状態にセットされる過程で順次点灯もしくは点滅してシステムの動作状態を確認するためのモードランプMが接続されている。
上記コントロールユニット11の出力端子11qと電源ラインlBとの間には、スタータカットリレー38の駆動コイルX_(1)が接続されている。このスタータカットリレー38は、上記警報の発生時に、スタータソレノイド39への給電を遮断し、自動車14のエンジンが始動ができないようにするためのリレーである。上記スタータカットリレー38の常閉接点X_(1)-bは、その一端がイグニッションスイッチ12のスタータ端子STに接続されている。また、この常閉接点X_(1)-bの他端とアースとの間には、自動車14が自動変速機(図示せず。)を備えている場合は、インヒビタスイッチ41とスタータソレノイド39とが直列に接続される。上記インヒビタスイッチ41は、自動車14のシフトレバーがN(中立)もしくはP(駐車)レンジにあるときにオンし、エンジン始動はこのNもしくはPレンジにおいてのみ行なえるようにしている。
上記コントロールユニット11の出力端子11rとアースとの間にはホーンスイッチ42が接続される一方、上記出力端子11rと電源ラインlBとの間にはホーンリレー43の駆動コイルX_(2)とヒューズF_(4)とが直列に接続されている。ホーンリレー43の常開接点X_(2)-aの一端はヒューズF_(4)を通して電源ラインlBに接続され、ホーンリレー43の常開接点X_(2)-aの他端とアースとの間にはホーン44と45とが並列に接続されている。
上記コントロールユニット11の出力端子11sとアースとの間には、ターンシグナルランプ51,52および53が接続され、また、上記出力端子11sと電源ラインlBとの間には、ハザードスイッチ54の接点55とフラッシャ56とが直列に接続されている。
上記コントロールユニット11の出力端子11tとアースとの間には、ターンシグナルランプ57,58および59が接続されている。
上記コントロールユニット11の出力端子11sと出力端子11tとの間にはリレー61の常閉接点X_(3)-bが接続され、さらに、出力端子11sは、方向指示用のコンビスイッチ62の左折側固定接点62Lに接続され、また、出力端子11tは、上記コンビスイッチ62の右折側固定接点62Rに接続されている。上記コンビスイッチ62の可動接点62cとフラッシャ56との間には、リレー63の常開接点X_(4)-aが接続されている。
リレー63の駆動コイルX_(4)およびリレー61の駆動コイルX_(3)はその各一端がいずれもイグニッションスイッチ12のイグニッション端子IG1に接続され、各他端はハザードスイッチ54のいま一つの接点64を通してアースに接続されている。
なお、第3図において、65,66はルームランプで、67はルームランプスイッチであり、68はオルタネータで、コントロールユニット11のアース端子11_(w)はアースに接続されている。
次に、以上に説明した自動車用盗難防止システムの動作を、第6図、第7図および第8図に示すフローチャートに基いて説明する。
第3図の自動車用盗難防止システムは、自動車14の運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lがキーレスロックされる前の状態から、このドア15Rもしくは15Lがキーレスロックされ、所定時間後に待機状態となり、警報状態もしくは警報状態解除となるまで、次の(a)ないし(g)のモード零からモード6の動作を行なう。
(a)モード零は、イグニッションスイッチ12にキーが差し込まれている場合の動作であって、第6図のステップ1000のスタートからステップ1001のラベル初期化の後、ステップ1002,1003,1004および1005を実行することにより行なわれる。
(b)モード1はイグニッションスイッチ12からキーが抜かれているが未だ運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lが開かれていないときの動作であって、モード1の状態では、モードランプMが30秒間点灯し、モード1状態にあることを表示する。モード1は第6図のステップ1002,1003,1006,1007,1008,1009,1010および1011を実行することにより行なわれる。
(c)モード2はイグニッションスイッチ12からキーが抜かれ、運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lが開かれ、さらに他のドア20R,20L、ボンネット30(第4図参照)もしくはトランク17のいずれかが開かれているときの動作であって、モード2の状態では、モードランプMが30秒間点灯する。モード2は第6図のステップ1002,1003,1006,1012,1013を実行し、ステップ1014,1015,1016もしくは1017のいずれかを実行した後、ステップ901,902および903を実行することにより行なわれる。
(d)モード3はイグニッションスイッチ12からキーが抜かれ、運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lのいずれかが開で、他のドア20R,20L、トランク17およびボンネット30がいずれも閉じられかつ、すべてのドア15R,15L,20R,20Lのロックリンクスイッチ19R,19L,21R,21Lがオフのときの動作であって、モード3の状態では、モードランプMが30秒間点灯する。モード3は第6図のステップ1002,1003,1006,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018,1019および1020を実行することにより行なわれる。
(e)モード4は運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lのいずれかがキーレスロックされ、警報待機状態に入る前の動作で、モード4の状態では、モードランプMが30秒間点灯する。モード4は第6図のステップ1002,1003,ステップ1006ないし1011,およびステップ1021ないし1032を実行することにより行なわれる。
尚ステップ1025でカウントアップの判定をしたときに、ボンネット30,ドア15R,15L,20R,20Lもしくはトランク17のいずれかが開かれていた場合、またはオプションスイッチ36がオンになっていると再びサブルーチン1002に戻りモード4の状態を継続する。
(f)モード5は待機状態の動作で、モードランプMは1.5秒の間隔で6回点滅する。モード5は第7図のステップ2001ないし2014,2026,2016,2017,2032を実行することにより行なわれる。
(g)モード6は警報状態および警報状態解除時の動作である。モード6は第8図のステップ3001から3013を実行することにより行なわれる。
次に、モード零からモード6まで、順を追って第1図の自動車用盗難防止システムの動作を説明する。
(a)モード零
自動車14(第4図参照)のエンジンが回転しているか、イグニッションスイッチ12にキーが差し込まれているときは、コントロールユニット11(第3図参照)は、第6図のステップ1000,1001を実行後、ステップ1002にて関連する各スイッチの状態をチェックするサブルーチンを実行し、ステップ1003にてキーレススイッチ13がオンであるか否かを判定する。
上記ステップ1002では、第3図に示すコントロールユニット11は、その出力端子11_(p1)から電流供給指令信号を出力する。この電流供給指令信号により、センサ給電制御回路71のトランジスタQ_(3)およびQ_(4)がオンし、各スイッチに電流を供給する。
以下の動作において、コントロールユニット11は、各スイッチの出力状態,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36等の出力状態を読み込むタイミングに合わせて、センサ給電制御回路71に電流供給指令信号を出力する。この電流供給指令信号が入力すると、センサ給電制御回路71は上記と同様の動作を行ない、各スイッチ,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36等に電流を供給する。
キーがイグニッションスイッチ12に差し込まれている場合、ステップ1004にて、キーレススイッチ13がオフで運転席側のドアスイッチ31Rおよび助手席側のドアスイッチ31Lがオンとなったことがないというセットを行ない(TJCNT←0)、ステップ1005にて、モードを零にする(MODE←0)。その後、ステップ1002,1003,1004および1005を繰り返し実行する。
(b)モード1
モード零の状態において、イグニッションスイッチ12からキーが抜かれると、コントロールユニット11はステップ1006を実行し、運転席側のドア15Rのドアスイッチ31Rおよび助手席側のドア15Lのドアスイッチ31Lがオンかオフ(ドア15Rおよび15Lが開いているか閉じているか)を判定し、ドア15Rおよび15Lが閉じている場合は、ステップ1007で、現在、モードが4であるか否かれ判定する。
この時点では、モードは零であるから、上記コントロールユニット11はステップ1008を実行し、さらに、現在モードが1であるか否かを判定する。この時点ではモードは零であるから、コントロールユニット11はステップ1009を実行し、モードを1にセット(MODE←1)した後、モードランプMを30秒間点灯させる(SET30)。コントロールユニット11は、ステップ1011にて、キーレススイッチ13がオフでドアスイッチ31Rもしくは31Lがオンとなった(TJCNT=1)ことがあるか否かを判定する。このときはTJCNT=0であるから、コントロールユニット11は再びサブルーチン1002からステップ1003,1006,1007,1008を実行するがこのときにはモードが1になっているから次にステップ1011を実行する。その後はサブルーチン1002からステップ1003,1006,1007,1008および1011のステップを繰り返し実行する。
(c)モード2
モード1の状態において、運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lが開き、ドアスイッチ31Rもしくは31Lがオンすると、コントロールユニット11はステップ1006からステップ1012を実行し、キーレススイッチ13がオフで運転席側のドア15Rのドアスイッチ31Rもしくは助手席側のドア15Lのドアスイッチ31Lがオンとなった(TJCNT←1)というセットを実行した後、ステップ1013にて、上記ドアスイッチ31Rもしくは31Lがオフでロックリンクスイッチ19Rの4秒間判定必要(FKCNT←0)と設定する。コントロールユニット11は、その後、ステップ1014ないし1017の判定を実行し、前後部座席以外のドアスイッチ32R,32Lのオン,オフ、トランクスイッチ33のオン,オフ、ボンネットスイッチ34のオン,オフ、およびリヤロックリンクスイッチ21R,21Lのオン,オフを判定する。これらスイッチの少なくとも一つがオンしているときは、コントロールユニット11は、ステップ901にて、現在、モード2であるか否かを判定する。この時点では、モードは1であるから、コントロールユニット11はステップ902を実行し、モードを2とした(MODE←2)後、ステップ903にて、モードランプMを30秒間点灯させる。コントロールユニットは次のタイミングで、サブルーチン1002からステップ1003,1006,1012,1013を実行し、1004ないし1007のいずれかのステップまで実行した後、ステップ901を実行しサブルーチン1002に戻り、以後このループを繰り返し実行する。
(d)モード3
上記状態にて、前部座席以外のドアスイッチ32R,32Lがオフ、トランクスイッチ33がオフ、ボンネットスイッチ34がオフし、すべてのロックリンクスイッチ19R,19L,21R,21Lのいずれもオフする、すなわち、前部座席以外のドア20R,20L、トランク17およびボンネット30のいずれもが閉じかつ、すべてのロックリンクスイッチ19R,19L,21R,21Lがオフすると、コントロールユニット11は、ステップ1019にて、モードを3とし(MODE←3)、ステップ1020にてモードランプMを30秒間点灯させる。
次にサブルーチン1002、ステップ1003,1006およびステップ1012から1018が実行されるがこの時点でモードは3であり、ステップ1018からサブルーチン1002に戻る。
以後、サブルーチン1002、ステップ1003,1006およびステップ1012から1018が繰り返し実行される。
(e)モード4
次に、上記モード3の状態において、運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lのいづれか一方が閉じられ、他方がキーレスロックされる(一方が開かれた状態で他方がキーレスロックされてもモード3のままである。)、すなわち、キーレススイッチ13がオフ,ドアスイッチ31Rおよびドアスイッチ31Lがオフすると、コントロールユニット11は、ステップ1007にて、現在モードが4であるか否かを判定する。この時点ではモードは3であるから、コントロールユニット11は、ステップ1008にてモードが1であるか否かを判定し、ステップ1009にてモードを一時的に1に設定してステップ1010を再び実行する。
その後、コントロールユニット11は、ステップ1011にて、キーレススイッチ13がオフでドアスイッチ31Rもしくは31Lがオンとなったことがある(TJCNT=1)、すなわち、イグニッションスイッチ12からキーが引抜かれて、運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lが開いたことがあるかを判定する。この時点では、イグニッションスイッチ12からキーが引抜かれて、運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lが開いたことがあるから、コントロールユニット11はステップ1021を実行し、運転席側のドア15Rのフロントロックリンクスイッチ19Rおよび助手席側のドア15Lのフロントロックリンクスイッチ19Lがオフであるか否かを判定する。
このときは運転席側のドア15Rもしくは助手席側のドア15Lのいずれか一方はロックされた状態で、他方がキーレスロックされているから、フロントロックリンクスイッチ19Rおよび19Lはオフでコントロールユニット11はステップ1022にて、現在、モードが4であるか否かを判定するが、この時点でモードは1に設定されているため、ステップ1023にて、運転席側のドア15Rがキーレスロックされてから待機状態に入るまでの時間を規定する待機猶予用のカウントを開始させた後、ステップ1024にてモードを4とし、具体的な図示及び説明はなされていないが再びサブルーチン1002に戻りサブルーチン1002が実行される際にモードランプMを30秒間点灯させるようにしている。
コントロールユニット11は、ステップ1025にて、上記でスタートされたカウントがカウントアップしたか否かを判定する。この時点ではカウントがアップしていないためコントロールユニット11はステップ1034にていま一つのカウントを開始させた後、再びサブルーチン1002に戻り、ステップ1003,1006,1007を実行する。この時点でモードは4になっているから、次にステップ1021,1022,1025,1034を実行した後、ステップ1002に戻る。その後ステップ1023にて開始させたカウントがカウントアップするまでは、コントロールユニット11は、以上の動作を繰り返す。
待機猶予時間が経過して上記カウントがカウントアップすると、コントロールユニット11はステップ1026,1027,1028および1029を順次実行し、ボンネットスイッチ34,オプションスイッチ36,前部座席以外のドアスイッチ32R,32Lおよびトランクスイッチ33がオフであるか否かを判定する。これらボンネットスイッチ34,オプションスイッチ36,ドアスイッチ32R,32Lおよびトランクスイッチ33の少なくとも1つがオンしている場合は、コントロールユニット11は、ステップ1034にて、再び上記のいま一つのカウントを開始させ、サブルーチン1002に戻って以上の動作を繰り返す。
なお、このとき、上記トランクスイッチ33がオンしている場合、コントロールユニット11はステップ1033にて30秒経過アップにセット後、ステップ1034にて上記いま一つのカウントを開始する。
この状態にて、上記ボンネットスイッチ34,オプションスイッチ36,ドアスイッチ32R,32Lおよびトランクスイッチ33が全てオフとなると、カウント開始が繰り返えされていた上記いま一つのカウントが開始され、コントロールユニット11は、ステップ1030にて、このカウントがカウントアップしたか否かを判定する。このカウントは、カウント開始からカウントアップまで約1.5秒でカウントアップする。従って、ボンネット30,ドア20R,20Lおよびトランク17等のいずれかを閉じたが完全に閉じず、再び開いたような場合には、上記カウントは再びカウントスタートが行なわれ、カウントアップはしない。すなわち、ボンネット30,ドア20R,20Lおよびトランク17等の不完全な閉じ動作により、待機状態に入ることは防止される。
上記いま一つのカウントがカウントアップすると、コントロールユニット11はステップ1031を実行し、ステップ1035にて、後述するステップ2025および2027にて実行した30秒カウントをしている状態(TKCNT=1)か否かを判定する。
この時点では、TKCNT=1ではないから、コントロールユニット11はステップ1032を実行し、ドアスイッチ31R,31L,32R,32Lがオフで、ロックリンクスイッチ19R,19L,21R,21Lがオフ状態の4秒間判定が不必要(FKCNT=1)であるか否かを判定する。
なお、TKCNT=1の場合は、コントロールユニット11はステップ1035を実行し、上記30秒カウントの判定を行なう。
(f)モード5
FKCNT=1でない場合は、第7図に示すように、ステップ2001にて3分カウントを開始させる。これは、自動車14の車室内に子供等が残り、インナロックノブ29が不用意に操作された場合に、警報状態に入るのを防止するためである。TKCNT=1で30秒経過した時およびFKCNT=1のときはこの3分カウント開始は行なわれない。
その後、コントロールユニット11は、ステップ2002にてモードを5とし(MODE←5)てモードランプMを30秒間点灯させてステップ2003にてドアスイッチ31R,31L,32R,32Lのオフ、ロックリンクスイッチ19R,19L,20R,20Lのオフ状態の4秒間判定が必要にセット(FKCNT←φ)し、さらにステップ2004にて自動車14の駐車位置における傾斜センサ35の初期値の記憶もしくは傾斜センサ35の初期位置のセット(傾斜センサセット)を行なう。
コントロールユニット11は、サブルーチン2005にて、自動車14のドアスイッチ31R,31L,32R,32L、ボンネットスイッチ33等の既に説明した全てのスイッチおよび傾斜センサ35の出力、すなわち、各センサ出力の読み込みを行ない、以下のステップ2006ないし2020のステップにて、これらセンサから異常信号が出力されているか否かを判定する。
すなわち、コントロールユニット11は、上記ステップ2006ないし2020のステップ2006ないし2008において、傾斜センサ35,ドアスイッチ31R,31L,32R,32Lもしくはボンネットスイッチ34のうちのいずれか一つがオンであると判定すると、待機状態に入って3分以内であるか否かに関係なく、後述する警報状態に入る。
また、コントロールユニット11は、ステップ2009にて入力端子11aがオンであると判定すると、キーレススイッチ13がオフで正常なキーを使用せずにエンジンを始動させようとした場合は警報状態となり、キーレススイッチ13がオンの場合、すなわち、正常なキーを使用してエンジンを始動させる場合には、再び第6図のラベル初期化(サブルーチン1001)に戻る。
コントロールユニット11は、ステップ2010にて、オプションスイッチ36がオンであると判定した場合にも警報状態に入る。
上記ステップ2009および2010も、待機状態に入って3分以内であるか否かに関係なく実行される。
コントロールユニット11は、上記ステップ2010を実行後、インナロックスイッチ21R,21L,23R,23Lのオン,オフの判定、すなわち、インナロックノブ29がアンロック信号側に操作されているかどうかを判定する。インナロックノブ29が車室内に残った子供等の不用意な操作によりアンロック位置になった場合は、ステップ2023にて、T_(3)秒カウント開始した後、ステップ2024にて、既に、ステップ2001にて3分カウント開始している3分カウントがカウントアップしているか否か(待機状態に入って3分経過しているか否か)を判定する。
待機状態になって3分以内であれば、すなわち、キーレスロックした自動車14の車内に残った子供等によるインナロックノブ29の不用意なアンロック位置への操作が待機状態となって3分以内に行なわれた場合には、コントロールユニット11は、ステップ2028にてFKCNTを1とし(FKCNT←1)、ステップ2029にて再びモードを4とし、ステップ2030にて傾斜センサ35をセット解除した後、第6図のサブルーチン1002に戻る。
以後、コントロールユニット11は、待機状態となって3分以内は、このサブルーチン1002から、ステップ1003,1006,1007,1021,1022,1025ないし1032,2002ないし2011,2023,2024のループを繰り返し実行するがインナロックノブ29が操作されると若干遅れてフロントロックリンクスイッチ19R,19Lもしくはリヤロックリンクスイッチ21R,21Lのいずれかがオンになりコントロールユニット11はサブルーチン1002からステップ1003,1006,1007,1021,1036を実行し再びステップ1002に戻るループを繰り返す。
このループの実行中、インナロックノブ29がロック位置に戻されてフロントロックリンクスイッチ19R,19Lもしくはリヤロックリンクスイッチ21R,21Lがオフすると、コントロールユニット11はサブルーチン1002からステップ1003,1006,1007,1021,1022,1025ないし1032,2002ないし2014,2026,2016,2017,2032を実行し、サブルーチン2005に戻る。以後、コントロールユニット11はサブルーチン2005,ステップ2006ないし2014,2026,2016,2017,2032からサブルーチン2005に戻るループを繰り返し実行し待機状態となる。
上記ステップ2023にてT_(3)秒カウントが開始されるが、これはインナロックノブ29の操作時間が極度に短かった場合、インナロックスイッチ22R,22L,23Rもしくは23Lがオフした後、フロントロックリンクスイッチ19R,19Lもしくはリヤロックリンクスイッチ21R,21Lのいずれかが遅れてオンし、だだちに警報状態に入るのを防止するためのものである。すなわち待機状態となって3分以内の時に、インナロックスイッチ22R,22L,23Rもしくは23LがオフしてもT_(3)秒カウント中はコントロールユニット11は2012から2024,2028ないし2030を実行し、サブルーチン1002に戻り、ステップ1003,1006,1007,1021,1022,1025ないし1032,2002ないし2012,2024,2028ないし2023のループを繰り返し実行するようにし、その間にフロントロックリンクスイッチ19R,19Lもしくはリヤロックリンクスイッチ21R,21Lのいずれかがオンするようにしている。フロントロックリンクスイッチ19R,19Lもしくはリヤロックリンクスイッチ21R,21Lのいずれかがオンするとコントロールユニット11はサブルーチン1002からステップ1003,1006,1007,1021,1036を実行し再びサブルーチン1002に戻るループを繰り返し実行する。
待機状態となって3分間経過すると自動車14のドア15R,15L,20R,20Lやトランク17が不正に開かれるといったことがない限り、コントロールユニット11は、サブルーチン2005,ステップ2006ないし2014,2026,2016,2017,2032より、再びサブルーチン2005に戻るループを繰り返し実行し、実質的な待機状態に入る。
この待機中に、傾斜センサ35、ドアスイッチ31R,31L,32R,32L、ボンネットスイッチ34、もしくはオプションスイッチ36のいずれかがオンした場合、およびイグニッションスイッチ12がオンでキーレススイッチ13がオフの場合には、いずれも後述する警報状態となる。
また、トランク17のトランクキーシリンダスイッチ18がオフでトランクスイッチ33がオンし、かつT_(1)秒カウントがアップした場合にも、後述する警報状態となる。このT_(1)秒カウントは、トランクキーシリンダスイッチ18とトランクスイッチ33の組付時のバラツキにより、トランク17を開いたとき、誤って警報が発生されるのを防止するためのものである。すなわち、トランクキーシリンダスイッチ18がオフになっているにもかかわらずトランクスイッチ33がオンした場合、コントロールユニット11は、直ちに警報状態とすることなく、T_(1)秒経過した後のこれらトランクキーシリンダスイッチ18とトランクスイッチ33の状態を判定し、T_(1)秒経過後もトランクキーシリンダスイッチ18がオフでトランクスイッチ33がオンしている場合には、不正にトランク17が開かれたものとして警報状態とする。
一方、トランクスイッチ33がオンしても、T_(1)秒以内にトランクキーシリンダスイッチ18がオンすると、コントロールユニット11はステップ2025,2027ないし2030から第6図のサブルーチン1002の実行に戻り、以後、サブルーチン1002からステップ1003,1006,1007,1021,1022,1025ないし1029,1033,1034を実行して再びサブルーチン1002に戻るループを繰り返し、待機状態は解除され、その後トランク17を閉じると再び待機状態となる。尚ステップ2027にて30秒カウントを開始するようにしているのは、トランク17の上に荷物等を置いていた場合、正常なキー操作によりトランク17を開けようとしてもトランク17が途中までしか開かずトランクスイッチ33はオフの状態を維持する。この場合手動にてトランク17を開くことになるがこの時すでにトランクキーシリンダスイッチ18がオフになっているため警報状態となるが、これを防止するためのものである。
ドアキーシリンダスイッチ16R,16Lはいずれもキー操作されている間だけオン状態となるスイッチであるが、このドアキーシリンダスイッチ16R,16Lが通常のキー操作によりオンとなった場合も、次のようにして、待機状態が解除される。
たとえば、ドアキーシリンダスイッチ16Rが通常のキー操作によりオンすると、コントロールユニット11は、ステップ2031にてキーシリンダタイマカウントを開始する。
ところで、ドアキーシリンダスイッチ16Rとロックリンクスイッチ19Rとの間にも、トランクキーシリンダスイッチ18とトランクスイッチ33と同様の事情が存在し、両者の組付のバラツキにより、ロックリンクスイッチ19Rは、ドアキーシリンダスイッチ16Rがオンした後のタイミングでオンする場合と、ドアキーシリンダスイッチ16Rがオンする前のタイミングでオンする場合とがある。
以下、この2つの場合の動作について説明する。
[ドアキーシリンダスイッチが先にオンする場合]
ドアキーシーリンダスイッチ16Rがオンした後にロックリンクスイッチ19Rがオンする場合には、コントロールユニット11は、ステップ2016からステップ2031を実行し、キーシリンダタイマカウント開始した後、ステップ2017にてロックリンクスイッチ19Rがオフであると判定し、ステップ2032からサブルーチン2005の実行に戻る。
その後、ロックリンクスイッチ19Rがオンすると、コントロールユニット11は、ステップ2018にて、上記でカウント開始されたキーシリンダタイマアップの判定を実行する。
通常ドアキーシリンダスイッチ16Rがオンしているときにロックリンクスイッチ19Rがオンするものであるが、少なくともドアキーシリンダスイッチ16Rがオフした後タイマアップするまでにロックリンクスイッチ19Rがオンするようにしているためコントロールユニット11は、正常にドアロックが解除したものとみなして、ステップ2021にてキーシリンダタイマアップおよびロックリンクタイマアップとして第6図のサブルーチン1001に戻り、待機状態は解除される。
[ロックリンクスイッチが先にオンする場合]
ドアキーシリンダスイッチ16Rがオンする前にロックリンクスイッチ19Rがオンする場合には、コントロールユニット11は、ステップ2016からステップ2017を実行しロックリンクスイッチ19Rがオンであると判定した後、ステップ2018にて、キーシリンダタイマアップか否かを判定する。この場合、通常はキーシリンダタイマカウントが開始されていないから、コントロールユニット11は、キーシリンダタイマがタイマアップしたと判定し、ステップ2019,2033を実行した後サブルーチン2005に戻る。そしてロックリンクタイマがアップするまでサブルーチン2005,ステップ2006ないし2014,2026ないし2019,2033から再びサブルーチン2005に戻るループを繰り返し実行する。正常なキー操作でロックリンクスイッチ19Rがオンされた場合にはドアキーシリンダスイッチ16Rとロックリンクスイッチ19Rとの組付のバラツキによるドアキーシリンダスイッチ16Rのオンの遅れ時間が生じてもロックリンクタイマがタイマアップする前にドアキーシリンダスイッチ16Rがオンし、コントロールユニット11は、ステップ2021を実行し、第6図のサブルーチン1001に戻り、待機状態は解除される。また、ロックリンクタイマアップの前にドアキーシリンダスイッチ16Rがオンしないときは、正常なキー操作が行なわれていない場合であり、このときは警報状態となる。
なお、ドアキーシリンダスイッチ16Lによる待機装置状態解除も、上記と同様にして行なわれる。
(g)モード6
モード5の状態から既に説明した警報を発すべきいずれかの状況が発生すると、コントロールユニット11は、第8図のステップ3001にて警報持続時間である3分間カウントを開始した後、ステップ3002にてモードを6とし、モードランプMを同時に30秒間点滅させる。
次いで、コントロールユニット11は、ステップ3003にてその出力端子11qから「ロー」レベルの信号を出力して第3図に示すスタータカットリレー38のソレノイドX_(1)を付勢し、その常閉接点X_(1)-bをオフとしてエンジンの始動ができないようにする。また、コントロールユニット11は、ステップ3004にて、オプションの出力端子11uから「ロー」レベルの信号を出力する。このオプションの出力端子11uと電源ラインlBとの間に、たとえば音声合成装置等からなる警報装置(図示せず。)を接続すれば、自動車14が盗難状態にあることを警報させることができる。
次いで、コントロールユニット11は、ステップ3005にて、3分カウントがアップしたか否かを判定し、この3分カウントがアップしていない場合は、ステップ3006にて出力端子11rの出力を周期的に「ロー」レベルと「ハイ」レベルとし、第3図のホーンリレー43の駆動コイルX_(2)を上記周期で付勢および消勢し、ホーン44,45から警報音を断続的に発生させる。
コントロールユニット11は、同時に、ステップ3007にてその出力端子11sおよび11tの出力を周期的に「ロー」レベルと「ハイ」レベルとし、第3図のターンシグナルランプ51,52,53,57,58および59を点滅させる。
コントロールユニット11は、サブルーチン3008にてドアキーシリンダスイッチ16L,16R,キーレススイッチ13および入力端子11aの出力の読込みのルーチンを実行し、以下、ステップ3009にてドアキーシリンダスイッチ16R,16Lのオン,オフを、ステップ3010にてキーレススイッチ13のオン,オフを、また、ステップ3011にて入力端子11aのオン,オフを夫々判定する。
すなわち、ドアキーシリンダスイッチ16R,16Lがオフでキーレススイッチ13がオフの場合、もしくはドアキーシリンダスイッチ16R,16Lがオフ、キーレススイッチ13がオンで入力端子11aがオフの場合には、上記3分カウントがアップするまで警報動作が行なわれる。
上記警報動作中においても、ドアキーシリンダスイッチ16R,16Lがオンとなった場合、もしくはキーレススイッチ13と入力端子11aがオンした場合には、コントロールユニット11は、第6図のサブルーチン1001に戻り、警報状態は解除される。
また、3分カウントがアップした場合には、コントロールユニット11は、ステップ3012にて、ホーンリレー43の駆動コイルX_(2)の付勢を停止し、次いでステップ3013にてターンシグナルランプ51,52,53,57,58および59の点滅を停止し、警報動作を停止させる。
尚、引き続きスタータカットリレー38はオンしオプションの出力端子11aからは「ロー」レベルの信号を出力し続ける。
以上に説明した自動車用盗難防止システムの動作中、コントロールユニット11は、各スイッチの出力状態,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36等の出力状態の読込みのタイミングに合わせて、センサ給電制御回路71に電流供給指令信号を出力する。センサ給電制御回路71はこの電流供給指令信号により各スイッチ,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36等に、安定化電源回路70を通して、バッテリBから電流を供給する。従って、上記各スイッチ,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36等がオン状態でセットされ、常に電流を消費する状態にあっても、その出力の読取りに必要なときにのみバッテリBから電流が供給されることになり、自動車14の停止中にバッテリから供給される電流を大幅に減少させることができる。
また、本考案の実施例によれば、上記各スイッチ,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36等が電流流れ出し方向に故障しても、これらスイッチ,傾斜センサ35およびオプションスイッチ36にバッテリBから連続して電流が供給されてバッテリ上りを招くといったこともなくすことができる。
本考案は自動車用盗難防止システムに限らず、一般に、車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る車載用コントロールユニットの基本構成を示す説明図、第2図は電流供給指令信号およびセンサ読取りタイミングの説明図、第3図は本考案を適用した自動車用盗難防止システムの具体的な回路図、第4図は各種センサの取付位置の説明図、第5図はドアキーシリンダスイッチ,インナロックスイッチおよびロックリングスイッチとこれらスイッチを作動させるための機構との関係を示す説明図、第6図第7図および第8図は第3図の自動車用盗難防止システムの動作を説明するためのフローチャートである。
1…中央処理装置、71…センサ給電制御回路、OSC…電流供給指令端子、S_(1),S_(2),…,S_(n)…センサ、B…バッテリ。
訂正の要旨 願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲「(1)車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、 一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とする車載用コントロールユニツト。」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
「(1)車両の停止時に給電されて作動状態となる車載用コントロールユニットにおいて、 一端が電源側に他端がアースに接続され、車両に装着された各作動部材の動作に応じて信号を出力する、少なくともロック機構がアンロック操作されるとオンするロックリンクスイッチを含む複数のセンサと、クロック信号により決められたタイミングで前記各センサからの信号を読み取る中央処理装置と、クロック信号の前記タイミングに合わせて前記中央処理装置から電流供給指令信号が入力されると、各センサに電流を供給するセンサ給電制御回路とを備え、各センサに電流が供給されたときの信号を読み取るようにしたことを特徴とする車載用コントロールユニツト。」と訂正する。
審理終結日 2001-03-23 
結審通知日 2001-04-06 
審決日 2001-04-17 
出願番号 実願昭59-201172 
審決分類 U 1 112・ 121- ZA (B60R)
U 1 112・ 161- ZA (B60R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 酒井 進藤井 俊明  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 神崎 潔
刈間 宏信
登録日 1994-08-04 
登録番号 実用新案登録第2027686号(U2027686) 
考案の名称 車載用コントロ-ルユニツト  
代理人 前堀 義之  
代理人 前田 厚司  
代理人 古川 泰通  
代理人 青山 葆  
代理人 前堀 義之  
代理人 恩田 博宣  
代理人 青山 葆  
代理人 古川 泰通  
代理人 前田 厚司  
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