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審決分類 審判 全部申し立て   G09F
管理番号 1043362
異議申立番号 異議2000-71767  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-25 
確定日 2001-03-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2600842号「封かん用シール」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2600842号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 〔1〕本件実用新案登録及び本件異議事件の手続の経緯
本件実用新案登録及び本件異議事件(実用新案登録第2600842号(以下「本件」という。)異議申立て)に係る手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
1)本件実用新案登録の出願日:平成2年10月1日
2)実用新案権の設定の登録:平成11年8月27日
3)実用新案登録公報の発行:平成11年10月25日
4)実用新案登録異議の申立て(異議申立人・土屋博志):平成12年4月25日付け
5)取消理由の通知:平成12年6月26日付け(発送日:平成12年7月7日)
6)異議意見書の提出:平成12年9月5日付け
7)訂正請求書の提出:平成12年9月5日付け
8)異議申立人に対する審尋:平成12年10月6日付け(発送日:平成12年10月20日)
9)回答書(異議申立人):平成12年11月17日付け

〔2〕訂正請求の適否について
1.実用新案権者が平成12年9月5日付けでした訂正請求の訂正事項は、本件考案の「封かん用シール」を「表面に感熱発色剤層が形成された基材を含む封かん用シール」と訂正し、考案の詳細な説明の記載を実用新案登録請求の範囲の記載と整合させたものであって、その訂正事項は、願書に添付した明細書の実施例に記載されたものでもあるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものでもないと認められる。
したがって、本件訂正は、これを認めることとする。

〔3〕異議申立てについての判断
1.本件請求項1に係る考案は、訂正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された以下のものにある。
「包装シートによって包装された物の前記包装シートの合わせ目を封かんする封かん用シールにおいて、
表面に感熱発色剤層が形成された基材を含み、
前記包装シートを開けるときに、前記包装シートの端縁に沿って容易に引き裂かれるように、合わせられた包装シートの端縁を跨いで包装シートの表面に貼着され、且つ前記包装シートの合わせ目を形成する包装シートの端縁と交差する基材の端縁における包装シートの端縁と近接した位置に複数の切込が形成され、前記包装シートの端縁に沿って基材が切込から引き裂かれることによって分離されるように形成されたことを特徴とする、封かん用シール。」

2.これに対して、平成12年6月26日付け取消理由通知に引用した引用文献2:実願昭56-55399号(実開昭57-167470号)のマイクロフィルム(異議申立人の提出した甲第2号証)には、「包装巻寿司及びその包装シート」に関して第1?11図とともに記載されており、包装シートSの巻付け端をシール片5で止めること(明細書第8頁第14?16行及び第2図参照)、シール片5にはミシン目状に断続した切込み51が施されておりシール片5を切込み51から破断してシールを解くこと(明細書第12頁第8?12行及び第2図参照)が開示されている。

3.本件考案と上記引用文献2に記載された考案を対比すると、引用文献2のシール片5は本件考案の「包装シートによって包装された物の前記包装シートの合わせ目を封かんする封かん用シール」に相当し、さらに両者は、包装シートを開けるときに包装シートの端縁に沿って容易に引き裂かれるように合わせられた包装シートの端縁を跨いで包装シートの表面に貼着されかつ包装シートの合わせ目を形成する包装シートの端縁と交差する基材の端縁における包装シートの端縁と近接した位置に「易引き裂き手段」が形成され包装シートの端縁に沿って基材が切込から引き裂かれることによって分離されるように形成された封かん用シール、である点でも一致するものと認められる。
一方、両者は、以下の点で相違するものと認められる。
(相違点)
(ア)本件考案が上記の「易引き裂き手段」として、包装シートの端縁と近接した位置に複数の切込を形成したものであるのに対して、引用文献2のものはミシン目状に切込み51が施されたものである点。
(イ)本件考案が「表面に感熱発色剤層が形成された基材を含む」封かん用シールであるのに対して、引用文献2には、封かん用シール(シール片5)に感熱発色剤層が形成されている点に関しては記載がない点。

4.そこで、相違点について検討する。
(1)同じく取消理由通知に引用した引用文献1:実願昭61-140265号(実開昭63-46344号)のマイクロフィルム(異議申立人の提出した甲第1号証)には、医薬品収納袋の検印シール12の両端に複数のギザ面14が施された(さらにシール全体にミシン目13が施されている)封かん用シール(検印シール12)が記載されており、ギザ面14(とミシン目13)によって封かん用シール(検印シール12)が容易に引き裂けるようにしたものである(明細書第5頁第3?9行及び第2図参照)。
そして、引用文献1の複数のギザ面14が本件考案の「複数の切込」に相当することは明らかであって、本件考案のかかる手段は本件の出願前すでに知られていたことであるから、相違点アは当業者においてはきわめて容易になし得ることというべきである。
(2)次に、封かん用シールに印刷や着色を施すことは本件の出願前周知慣用の手段であるほか、ラベル類に感熱発色剤層を形成させることも本件の出願前周知であるから(一例として、実開昭57-167848号公報)、相違点イも当業者においてはきわめて容易になし得ることというべきである。
(3)その他、本件考案を全体としてみても、本件考案の効果は当業者がきわめて容易に予測し得る程度のものにすぎない。
そうすると、本件考案は、周知技術を考慮すれば、引用文献1及び引用文献2に記載された考案に基づいて当業者にはきわめて容易になし得る程度のものというべきであって、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができない。

〔4〕まとめ
以上のとおりであるから、本件請求項1に係る考案についての実用新案登録は、準用する特許法第113条第2号に該当し、実用新案登録を取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
封かん用シール
(57)【実用新案登録請求の範囲】
包装シートによって包装された物の前記包装シートの合わせ目を封かんする封かん用シールにおいて、
表面に感熱発色剤層が形成された基材を含み、
前記包装シートを開けるときに、前記包装シートの端縁に沿って容易に引き裂かれるように、合わせられた包装シートの端縁を跨いで包装シートの表面に貼着され、且つ前記包装シートの合わせ目を形成する包装シートの端縁と交差する基材の端縁における包装シートの端縁と近接した位置に複数の切込が形成され、前記包装シートの端縁に沿って基材が切込から引き裂かれることによって分離されるように形成されたことを特徴とする、封かん用シール。
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この考案は封かん用シールに関し、特にたとえば固型状食品などの包装された物を包装シートで封かんするための封かん用シールに関する。
(従来技術)
第6図は従来の封かん用シール1を使用して、固型状食品が包装シート2で包装された状態を示す斜視図である。封かん用シール1は、4つの辺1a,1b,1c,1dを含む。封かん用シール1によって包装シート2の合わせ目が封かんされる。この封かん用シール1の包装シート2からの剥離方法を説明する。
まず、包装シート2の端部を矢印Aの方向に引っ張ると、封かん用シール1の辺1aおよび1bが引き裂かれる。次に、包装シート2の他の端部を矢印Bの方向に引っ張ると、封かん用シール1の辺1cが引き裂かれる。このようにして、封かん用シール1は包装シート2から剥離される。
(考案が解決しようとする課題)
しかしながら、従来の封かん用シール1では、たとえば包装シート2の端部を矢印Aの方向に引っ張っても、封かん用シール1の辺1aおよびlbが容易に引き裂かれない。
そのため、封かん用シール1を引き裂くのに、余分な手間がかかった。また、封かん用シール1が手際よく引き裂けないと、封かん用シール1の裏の糊が手などにつくばあいがあった。あるいは、最初に封かん用シール1を剥がしてから、包装シート2を開けなければならなかった。
それゆえに、この考案の主たる目的は、包装シートの端部を所定の方向に引っ張れば、容易に引き裂かれる封かん用シールを提供することである。
(課題を解決するための手段)
この考案は、包装シートによって包装された物の包装シートの合わせ目を封かんする封かん用シールにおいて、表面に感熱発色剤層が形成された基材を含み、包装シートを開けるときに、包装シートの端縁に沿って容易に引き裂かれるように、合わせられた包装シートの端縁を跨いで包装シートの表面に貼着され、且つ包装シートの合わせ目を形成する包装シートの端縁と交差する基材の端縁における包装シートの端縁と近接した位置に複数の切込が形成され、包装シートの端縁に沿って基材が切込から引き裂かれることによって分離されるように形成された、封かん用シールである。
(作用)
封かん用シールの周囲に切込が入れられることによって、包装シートの端部を所定の方向に引っ張ると、封かん用シールが容易に引き裂かれる。
(考案の効果)
この考案によれば、包装シートの端部を所定の方向に引っ張ると、包装シートの合わせ目に位置する切込により、封かん用シールが容易に引き裂かれる。したがって、封かん用シールを引き裂くのが簡単である。
この考案の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
(実施例)
第1図はこの考案の一実施例を示す斜視図であり、第2図はその線II-IIにおける断面図である。封かん用シール10は、基材12を含む。基材12の表面には、感熱発色剤層14が形成される。また、基材12の裏面には、粘着剤層16が形成される。
封かん用シール10は、4つの辺10a,10b,10c,10dを含む。辺10aおよび10dは、たとえば54mmの長さとされる。10bおよび10cは、たとえば36mmの長さとされる。辺10a,10b,10cには、たとえば両端に8?10mmが開けられて、2mm間隔で0.5mmの切込18が入れられる。
第3図はこの封かん用シール10を使用して、おにぎり等の固型状食品が包装シート20で包装された状態を示す斜視図である。第4図に示すような固型状食品を包装シート20で包装したものが、包装シート20の合わせ目を封かん用シール10によって封かんされる。このとき、封かん用シール10の切込18の入れられた辺10a,10b,10cは、包装シート20の合わせ目である端部に位置する。包装シート20を開けるときに、包装シート20の端縁に沿って容易に引き裂かれるように、合わせられた包装シート20の端縁を跨いで包装シート20の表面に貼着され、且つ包装シート20の合わせ目を形成する包装シート20の端縁と交差する基材12の端縁における包装シート20の端縁と近接した位置に複数の切込18が形成され、包装シート20の端縁に沿って基材12が切込18から引き裂かれることによって分離されるように形成される。なお、包装シート20には、紙,合成樹脂製シート,合成樹脂製フィルム等が含まれる。
封かん用シール10の包装シート20からの剥離方法を説明する。まず、包装シート20の端部を矢印A′の方向に引っ張ると、封かん用シール10の辺10aおよび10bが引き裂かれる。辺10aおよび10bには切込18が入れられているため、辺10aおよび10bは、容易に引き裂かれる。
次に、包装シート20の他の端部を矢印B′の方向に引っ張ると、封かん用シール10の辺10cが引き裂かれる。辺10cには切込18が入れられているため、辺10cは容易に引き裂かれる。このようにして、封かん用シール10は包装シート20から剥離される。
なお、封かん用シール10のいずれの辺に切込18を入れるかは、包装シート20の端部を所定の方向に引っ張ると、どの辺が引き裂かれるかによって決めればよい。
この考案によれば、封かん用シール10の少なくとも1辺に切込18が入れられているため、包装シート20の端部を所定の方向に引っ張ると、封かん用シール10が容易に引き裂かれる。そのため、封かん用シール10を引き裂くのに、余分な手間がかからない。また、封かん用シール10が手際よく引き裂けるので、封かん用シール10の裏の糊が手などにつくことがない。
第5図はこの考案の他の実施例を示す斜視図である。この実施例では、封かん用シール10の辺10dにたとえば両端に10mmが開けられて、2mm間隔で0.5mmの切込18が入れられる。辺10a,10b,10cには、切込は入れられない。
このように、封かん用シール10の使用される状況に応じて、封かん用シール10のいずれかの辺に切込18を入れればよい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す斜視図であり、第2図はその線II-IIにおける断面図である。
第3図は封かん用シールを使用して、固型状食品が包装シートで包装された状態を示す斜視図である。
第4図は固型状食品を包装シートで包装した状態を示す斜視図である。
第5図はこの考案の他の実施例を示す斜視図である。
第6図は従来の封かん用シールを使用して、固型状食品が包装シートで包装された状態を示す斜視図である。
図において、10は封かん用シール、10a,10b,10c,10dは辺、18は切込、20は包装シートを示す。
訂正の要旨 本件訂正は、本件考案の「封かん用シール」を「表面に感熱発色剤層が形成された基材を含む封かん用シール」と訂正するとともに、考案の詳細な説明の記載を実用新案登録請求の範囲の記載と整合させるように訂正するものである。
異議決定日 2000-12-22 
出願番号 実願平2-103801 
審決分類 U 1 651・ 121- ZA (G09F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 関根 恒也  
特許庁審判長 青山 紘一
特許庁審判官 藤本 信男
熊倉 強
登録日 1999-08-27 
登録番号 実用新案登録第2600842号(U2600842) 
権利者 大阪シーリング印刷株式会社
大阪府大阪市天王寺区小橋町1番25号
考案の名称 封かん用シール  
代理人 岡田 全啓  
代理人 岡田 全啓  
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