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審決分類 審判 一部申し立て   E04D
管理番号 1043365
異議申立番号 異議2000-73208  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-14 
確定日 2001-04-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2603064号「屋根板固定用金具」の請求項1、5に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2603064号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2603064号に係る出願は、平成5年3月4日の出願であって、平成11年12月10日に実用新案登録の設定がなされ、その後木村恭子から異議の申立がなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成12年12月29日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の要旨
訂正事項a:実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載を、次のように訂正する。
「【請求項1】 中央に第1開口部を有する円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成した屋根板固定用金具において、前記胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有することを特徴とする屋根板固定用金具。」
訂正事項b:実用新案登録請求の範囲の請求項5を削除する。
訂正事項c:明細書の段落【0008】の「タッピングビスのネジ頭を挿通し得る内径を有する」を、次のように訂正する。
「タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有する」
訂正事項d:明細書の段落【0018】の「タッピングビスは胴部の内部に」を、次のように訂正する。
「胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスは胴部の内部に」
訂正事項e:明細書の段落【0031】の「タッピングビスFは胴部4の内部に」を、次のように訂正する。
「胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスFは胴部4の内部に」
訂正事項f:明細書の段落【0040】の「タッピングビスが胴部の内部に」に係る記載を、次のように訂正する。
「胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスが胴部の内部に」
訂正事項g:明細書の段落【0013】、【0025】、【0038】、【0039】、【0044】の記載を削除する。
訂正事項h:明細書の【図面の簡単な説明】の「【図10】本考案に係る第6実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。【図11】本考案に係る第6実施例の屋根板固定用金具を示す縦断面図。【図12】本考案に係る第7実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。」の記載を削除する。
訂正事項i:明細書の【符号の説明】の「7 ドライバー用差込み溝 8 ネジ部 9 杭部」の記載を削除する。
訂正事項j:図10、図11、図12を削除する。

3.訂正の適否
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項a、bに係る訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものであり、しかもその訂正は、願書に添附した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、さらに実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、訂正事項c?jに係る訂正は、訂正事項a、bに関連してなされた明瞭でない記載の釈明に該当し、願書に添附した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項でさらに準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

4.異議の申立についての判断
(1)訂正明細書の請求項1に係る考案
上記訂正明細書の請求項1に係る考案(以下、「本件訂正後考案1」という。)は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 中央に第1開口部を有する円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成した屋根板固定用金具において、前記胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有することを特徴とする屋根板固定用金具。」
(2)引用刊行物記載の考案
これに対して、当審が先に通知した取消理由通知で引用した、実願昭62-158762号(実開平1-64522号)のマイクロフィルム(異議申立人提出の甲第3号証。以下、「刊行物1」という。)には、第4頁第12?18行、第5頁第6?19行及び第2,3図の記載を参照すると、底面部の両側より垂直上方に折り曲げて側壁と、さらに外側に向けて水平に折り曲げて押さえ部を形成し、底面部には側壁上端の押さえ部間より小径のビス孔が設けられ、側壁間にはビス孔を通して下地材にねじ込まれ屋根材を留付けるビスの頭が位置する板状の屋根板固定用クリップが記載されている。
同、実願昭51-66708号(実開昭52-158264号)のマイクロフィルム(異議申立人提出の甲第2号証。以下、「刊行物2」という。)には、第1頁第12?16行、第1頁第18行から第2頁第2行及び第1?3図の記載を参照すると、鍔部の開口部から鍔部の下方に垂設する円筒状の凹ボス部周壁と、凹ボス部底面には、鍔部の開口部より小径のボス穴が形成されており、円筒状の凹ボス部周壁は、ねじのねじ頭を挿通し得る内径を有している凹ボスが記載されている。
(3)対比・判断
本件訂正後考案1と、刊行物1に記載された考案とを比較すると、刊行物1に記載された考案における「押さえ部」、「側壁」、「側壁上端の押さえ部間」、「底面部」、「ビス孔」及び「屋根板固定用クリップ」はそれぞれ、本件訂正後考案1における「鍔部」、「胴部」、「第1開口部」、「底部」、「第2開口部」及び「屋根板固定用金具」に対応し、刊行物1に記載された考案において「側壁間にはビス孔を通して下地材にねじ込まれ屋根材を留付けるビスの頭が位置する」ということは、本件訂正後考案1の「胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得る内径を有する」ということに対応するから、両者は、第1開口部を有する鍔部と、鍔部の下方に垂設して内部が第1開口部に連通する胴部とを設けると共に、胴部の底部に第1開口部より小径の第2開口部を形成し、胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得る内径を有する屋根板固定用金具の点で一致し、下記の点で相違している。
a.屋根板固定用金具の全体形状が、本件訂正後考案1では、鍔部が円形状、胴部が円筒状というように、円筒状であるのに対し、刊行物1に記載された考案では、板状である点。
b.胴部が、本件訂正後考案1では、ネジ頭と略等しい内径を有しているのに対し、刊行物1に記載されている考案では、そのような構成を有していない点。
一方、刊行物2に記載された考案の「鍔部の開口部」、「凹ボス部周壁」、「凹ボス部底面」、「ボス穴」及び「ねじ」はそれぞれ、本件訂正後考案1の「第1開口部」、「胴部」、「胴部の底部」、「第2開口部」及び「タッピングビス」に対応しているから刊行物2には、本件訂正後考案1の屋根板固定用金具と同様な形状の凹ボスが記載されているといえ、刊行物2に記載された「凹ボス」は、用途は不明であるが固定具である点で、刊行物1に記載された「屋根板固定用クリップ」と共通しているから、刊行物2に記載された「凹ボス」の形状を、刊行物1に記載された「屋根板固定用クリップ」に採用して、上記相違点aにおける本件訂正後考案1の屋根板固定用金具のようにすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。
また、刊行物1に記載されている考案では、胴部が、ネジ頭と略等しい内径を有していないが、締め付ける際にタッピングビスが振れないように、胴部の内径をネジ頭と略等しくする程度のことは、当業者がきわめて容易に想到しうることにすぎない。
したがって、本件訂正後考案1は、上記刊行物1、2に記載された考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件訂正後考案1は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正後考案1の実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
屋根板固定用金具
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 中央に第1開口部を有する円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成した屋根板固定用金具において、前記胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有することを特徴とする屋根板固定用金具。
【請求項2】 一端に第1開口部を有する長尺な楕円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成したことを特徴とする屋根板固定用金具。
【請求項3】 一端に第1開口部を有する長尺な楕円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部と同径の第2開口部を形成したことを特徴とする屋根板固定用金具。
【請求項4】 一端に第1開口部を有する長尺な楕円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通し且つ外周面が湾曲する胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成したことを特徴とする屋根板固定用金具。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、建物の建築過程において、屋根板を野地板上に敷設して固定する屋根板固定用金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ベニヤの野地板上にカラーベスト等の屋根板を敷設固定する場合、予めカラーベストに直径5mm程度の穴を複数穿設し、このカラーベストを野地板上に屋根の下方に向かって交互にずらして敷設するのであるが、この時、最上のカラーベストと野地板との間には、カラーベスト1枚分の隙間ができる。その後、亜鉛メッキした3mm程度の太さの杭部を有し、頭部の直径が9mm乃至10mmで厚さが1mm程度の釘を前記の穴に挿入し、カラーベストを野地板に打ち固定している。
【0003】
或いは、近年、野地板としてセンチュリーボードが多く使用されることに伴い、釘による打ち固定に代わりタッピングビス止めが採用されるに至っている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、釘により打ち固定する場合、カラーベストの表面に当接する釘の頭部の平面が小径であることと、交互にずらして敷設されたカラーベストと野地板との間に隙間が生じることにより、打ち固定する時にカラーベストが割れて落下するということが頻繁に起こっている。又、カラーベストが割れずにひびが入った程度の場合にも、凍結によりこのひびが拡大して、結果、カラーベストが割れるという不具合が生じている。
【0005】
一方、タッピングビス止めする場合、長いタッピングビスは安定せずに振れることがあり、ドライバーを用いて締付け固定する作業が困難となり、比較的短いタッピングビスを用いなければならない。この場合、当然に野地板とカラーベストとの固定が不充分となり、カラーベストが野地板から離れる恐れがあり、作業者がカラーベストの上に乗って安全に作業できないという問題点がある。
【0006】
又、タッピングビスを強く締付けた場合や、締付けたタッピングビスのネジ頭に作業者の荷重が掛かった場合等、カラーベストが割れるという不具合が生じている。加えて、従来のタッピングビスは細いネジ部を有するものであり、メッキ加工した安価なものは、自ずとその耐久年数が短くなるという問題点もある。
【0007】
更に、タッピングビスのネジ頭が小径である為、強風により吹き上げられて敷設固定されたカラーベストが反り返る時、カラーベストに掛かる上方への力がタッピングビスのネジ頭に掛かり、カラーベストが割れるという危険性もある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記従来例に有する問題点に鑑みてなされたものであり、その具体的手段とする請求項1に記載の要旨は、中央に第1開口部を有する円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成した屋根板固定用金具において、前記胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有することを特徴とする屋根板固定用金具である。
【0009】
又、請求項2に記載の要旨は、一端に第1開口部を有する長尺な楕円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成したことを特徴とする屋根板固定用金具である。
【0010】
【0011】
又、請求項3に記載の要旨は、一端に第1開口部を有する長尺な楕円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部と同径の第2開口部を形成したことを特徴とする屋根板固定用金具である。
【0012】
又、請求項4に記載の要旨は、一端に第1開口部を有する長尺な楕円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通し且つ外周面が湾曲する胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成したことを特徴とする屋根板固定用金具である。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】
本考案における請求項1に記載の屋根板固定用金具を用いた場合、先ず作業者は、予め複数の穴を穿設したカラーベストを、センチュリーボードの野地板上に屋根の下方に向かって交互にずらして敷設する。この時、カラーベストと野地板との間にはカラーベスト1枚分の隙間が生じることとなり、前記穴に縦方向の長さがカラーベスト2枚程度の厚さと同一の胴部を挿入した場合、胴部の底部は隙間を通り野地板の表面まで達し、円形状の鍔部はカラーベストの表面に当接される。
【0016】
次に、タッピングビスを鍔部の中央に設けられた第1開口部と第1開口部に連通する前記胴部の内部、及び、胴部の底部に設けられた前記第1開口部より小径の第2開口部を貫通させ、タッピングビスのネジ頭が胴部の底部に接するようにドライバーによりタッピングビスを締付け、カラーベストを野地板に締付け固定する。
【0017】
このようにして締付け固定した場合、前記胴部の内部に雨水が溜まることとなるが、タッピングビスを締付ける際、胴部の底部とタッピングビスのネジ頭との間に下方から順に防水材とワッシャーとを介在させ、且つ、ネジ頭の上方に前記第1開口部に達する防水材を詰め込んでおけばこれを防止することができる。
【0018】
又、胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスは胴部の内部に挿入されて安定する為、ドライバーにより締付ける際、タッピングビスの振れがなく、従来より長いタッピングビスを使用することが可能となり、カラーベストを野地板に確実且つ容易に固定することができる。
【0019】
一方、タッピングビスのネジ頭は胴部の底部に接しており、従来のように、カラーベストの表面にタッピングビスのネジ頭が直接接することがなく、過度に締付けてもカラーベストが割れるという心配がない。又、円形状の鍔部は、従来のタッピングビスのネジ頭に比べ、カラーベストに対する当接面積が大きい為、鍔部に作業者の荷重が掛かり、カラーベストが割れるということもない。
【0020】
更に、強風によりカラーベストが吹き上げられた場合も、カラーベストに対する上方への力が鍔部の当接面に吸収されて、従来のように、タッピングビスのネジ頭の狭い範囲に集中することがなく、カラーベストの割れを減少させることとなる。
【0021】
本考案における請求項2に記載の屋根板固定用金具を用いた場合、作業者は、請求項1に記載の屋根板固定用金具を用いた場合と同じく、胴部をカラーベストに穿設した穴に挿入する。この時、カラーベストの表面に当接する鍔部は長尺な楕円形状であるため、タッピングビスを鍔部の一端に形成された第1開口部に挿入してドライバーにより締付ける際、足や手等により鍔部の他端を押さえながら締付けることができる。結果、タッピングビスと同時に屋根板固定用金具が廻るという不具合がなく、確実且つ容易に野地板に締付け固定することができると共に、ネジ頭の回転によって防水材を損傷するということもない。
【0022】
【0023】
本考案における請求項3に記載の屋根板固定用金具を用いた場合、鍔部が長尺な楕円形状であるため、タッピングビスによって締付け固定する際や釘によって打ち固定する際、鍔部を押さえながら作業ができ、確実且つ用意に締付け固定及び打ち固定できる。
【0024】
本考案における請求項4に記載の屋根板固定用金具を用いた場合、前記のように、鍔部が長尺な楕円形状であり、確実且つ用意に締付け固定及び打ち固定できると共に、胴部の外周面が湾曲して弾力性を有するため、固定する際に作業者の力がこの外周面に吸収されてカラーベストを損傷することがない。又、強風によりカラーベストが吹き上げられた際も、上方への力が湾曲した外周面によって吸収されて、カラーベストの割れを防止することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
【実施例】
本考案に係る第1実施例の屋根板固定用金具1は、図1に示すように、円形状の鍔部2の中央に第1開口部3を設け、鍔部2の下方には内部が第1開口部3に連通する円筒状の胴部4を垂設すると共に、胴部4の底部5には中央に第1開口部3より小径の第2開口部6を形成したものである。
【0028】
鍔部2の直径は、例えば、約24mmのものが挙げられ、第1開口部3の直径は約10mmのものが挙げられる。
又、胴部4の縦方向の長さは、使用するカラーベスト2枚分の厚さに対応して、例えば約9mmのものが挙げられ、第2開口部6の直径は約3mmのものが挙げられる。
【0029】
上記構成の第1実施例に係る屋根板固定用金具1を用いてカラーベストを敷設固定する場合、図2に示すように、予めカラーベストAに直径が約12mmの穴Bを複数穿設し、センチュリーボードの野地板C上に軒先D方向に向かって交互にずらして敷設する。次に、図3に示すように、胴部4を穴Bに挿入するのであるが、この時、底部5が穴B及び隙間Eを通り野地板Cに接し、鍔部2はカラーベストAの表面に当接することとなる。
【0030】
このようにして穴Bに屋根板固定用金具1を挿入した後、タッピングビスFを第1開口部3と胴部4の内部及び第2開口部6を貫通させて締付けることで、カラーベストAを野地板Cに固定する。
【0031】
上記のように締付け固定する場合、胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスFは胴部4の内部に挿入されている為、長いタッピングビスFを使用しても、締付ける時の振れがなく、作業者の熟練度に左右されず容易に作業が行え得ると共に、カラーベストAを野地板Cに堅固に固定することができる。
【0032】
又、タッピングビスFのネジ頭が直接カラーベストAの表面に当接することがなく、タッピングビスFを強く締付けた場合にも、カラーベストAが割れることがない。更に、強風によりカラーベストAが吹き上げられた場合、カラーベストAに対する反り返りの力は、従来のように、タッピングビスFのネジ頭ではなく、当接面積が大きい鍔部2に吸収され、結果、カラーベストAの割れを減少させることができる。
【0033】
カラーベストAを野地板Cに締付け固定した後、胴部4内に雨水が溜まることとなるが、タッピングビスFを締付ける前に、底部5上にアスファルトフェルトやプラスチック等の防水材Gと、フェルト保護ワッシャーHを順に載置し、更に胴部4の内部に、第1開口部3に達する防水材Gを詰め込めば、これを防止することができる。
【0034】
本考案に係る第2実施例の屋根板固定用金具1は、図4に示すように、鍔部2を楕円形状とし、その一端部2aに第1開口部3を形成しており、ドライバーにより締付ける際、作業者が足や手等により鍔部2の他端部2bを押さえながら締付けることができる。結果、タッピングビスFと同時に屋根板固定用金具1が廻るという不具合がなく、確実且つ容易に野地板Cに締付け固定することができると共に、ネジ頭の回転によって防水材Gを損傷するということもない。
【0035】
本考案に係る第3実施例の屋根板固定用金具1は、図5及び図6に示すように、第1開口部3と第2開口部6とを同径とし、ドライバーにより締付ける際、タッピングビスFのネジ頭は鍔部2の表面に当接することとなるが、本実施例の場合、釘によって打ち固定する際にも有用である。
【0036】
本考案に係る第4実施例の屋根板固定用金具1は、図7に示すように、前記第3実施例の鍔部2を長尺な楕円形状としたものであり、作業者が足や手等により鍔部2の他端部2bを押さえながら締付け固定及び打ち固定することができ、確実且つ容易に野地板Cに固定することができる。
【0037】
本考案に係る第5実施例の屋根板固定用金具1は、図8及び図9に示すように、胴部4の外周面4aが鍔部2から下方に向かって湾曲して弾力性を有しており、釘Iによって打ち固定する際に作業者の力がこの外周面4aに吸収されてカラーベストAを損傷することがなく、又、強風によりカラーベストAが吹き上げられた際も、上方への力が外周面4aに吸収されて、カラーベストAの割れを防止する。尚、釘Iを用いずにタッピングビスFによって締付け固定することもできる。
【0038】
【0039】
【0040】
【考案の効果】
以上のように、本考案に係る第1実施例の屋根板固定用金具によれば、胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスが胴部の内部に挿入されるため、締め付ける際にタッピングビスが振れることがなく、従来より長いタッピングビスを用いて、屋根板を野地板に確実且つ容易に締付け固定することが可能となる。又、第2実施例の屋根板固定用金具によれば、カラーベストの表面に当接する鍔部は長尺な楕円形状であるため、作業者が足や手等により鍔部の他端を押さえながら締付けることができ、タッピングビスと同時に屋根板固定用金具が廻るという不具合がなく、確実且つ容易に締付け固定することができると共に、ネジ頭の回転によって胴部内部の防水材を損傷するということもない。
【0041】
又、従来のように、カラーベストの表面にタッピングビスのネジ頭を直接当接させることなく、当接面積が大きい鍔部を当接させるため、過度に締付けてもカラーベストが割れるという心配がなくなる。更に、鍔部の上に作業者の荷重が掛かった場合にも、鍔部の当接面積が大きく、カラーベストが割れるということもなく、一方、強風によりカラーベストが吹き上げられた場合、上方への力が鍔部に吸収されて、従来のように、タッピングビスのネジ頭の狭い範囲に集中することなく、カラーベストが割れるという危険性も減少する。
【0042】
又、第4実施例の屋根板固定用金具によれば、上記の締付け固定や打ち固定を行う際、鍔部が長尺な楕円形状であるため、作業者が足や手等により鍔部の他端を押さえながら作業ができ、確実且つ用意に締付け固定及び打ち固定することができる。
【0043】
又、第5実施例の屋根板固定用金具によれば、胴部の外周面が湾曲して弾力性を有するため、固定する際に作業者の力がこの外周面に吸収されてカラーベストを損傷することがなく、又、強風によりカラーベストが吹き上げられた際も、上方への力が湾曲した外周面によって吸収されて、カラーベストの割れを防止することができる。
【0044】
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案に係る第1実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。
【図2】
カラーベストを野地板上に敷設する状態を示す斜視図。
【図3】
本考案に係る第1実施例の屋根板固定用金具を示す縦断面図。
【図4】
本考案に係る第2実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。
【図5】
本考案に係る第3実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。
【図6】
本考案に係る第3実施例の屋根板固定用金具を示す縦断面図。
【図7】
本考案に係る第4実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。
【図8】
本考案に係る第5実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。
【図9】
本考案に係る第5実施例の屋根板固定用金具を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 屋根板固定用金具
2 鍔部
2a 鍔部の一端
3 第1開口部
4 胴部
4a 胴部の外周面
5 底部
6 第2開口部
G 防水材
【図面】









訂正の要旨 訂正の要旨
特許第2603064号の明細書を、特許請求の範囲の減縮を目的として訂正事項a、bのように、また、訂正事項a、bに関連してなされた明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項c?jのように訂正する。
訂正事項a:実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載を、次のように訂正する。
「【請求項1】 中央に第1開口部を有する円形状の鍔部と、該鍔部の下方に垂設して内部が前記第1開口部に連通する円筒状の胴部とを設けると共に、該胴部の底部に前記第1開口部より小径の第2開口部を形成した屋根板固定用金具において、前記胴部が、タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有することを特徴とする屋根板固定用金具。」
訂正事項b:実用新案登録請求の範囲の請求項5を削除する。
訂正事項c:明細書の段落【0008】の「タッピングビスのネジ頭を挿通し得る内径を有する」を、次のように訂正する。
「タッピングビスのネジ頭を挿通し得且つ該ネジ頭と略等しい内径を有する」
訂正事項d:明細書の段落【0018】の「タッピングビスは胴部の内部に」を、次のように訂正する。
「胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスは胴部の内部に」
訂正事項e:明細書の段落【0031】の「タッピングビスFは胴部4の内部に」を、次のように訂正する。
「胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスFは胴部4の内部に」
訂正事項f:明細書の段落【0040】の「タッピングビスが胴部の内部に」に係る記載を、次のように訂正する。
「胴部の内径と略等しいネジ頭を有するタッピングビスが胴部の内部に」
訂正事項g:明細書の段落【0013】、【0025】、【0038】、【0039】、【0044】の記載を削除する。
訂正事項h:明細書の【図面の簡単な説明】の「【図10】本考案に係る第6実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。【図11】本考案に係る第6実施例の屋根板固定用金具を示す縦断面図。【図12】本考案に係る第7実施例の屋根板固定用金具を示す斜視図。」の記載を削除する。
訂正事項i:明細書の【符号の説明】の「7 ドライバー用差込み溝 8 ネジ部 9 杭部」の記載を削除する。
訂正事項j:図10、図11、図12を削除する。
異議決定日 2001-02-02 
出願番号 実願平5-15062 
審決分類 U 1 652・ 121- ZA (E04D)
最終処分 取消  
前審関与審査官 青山 敏  
特許庁審判長 幸長 保次郎
特許庁審判官 鈴木 憲子
宮崎 恭
登録日 1999-12-10 
登録番号 実用新案登録第2603064号(U2603064) 
権利者 積水ハウス株式会社
大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号
考案の名称 屋根板固定用金具  
代理人 渡辺 三彦  
代理人 渡辺 三彦  
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