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審決分類 |
審判 一部申し立て G10H 審判 一部申し立て G10H |
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管理番号 | 1043367 |
異議申立番号 | 異議2000-73963 |
総通号数 | 21 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2001-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-10-16 |
確定日 | 2001-04-11 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 登録第2604185号「自動演奏装置」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件実用新案登録異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 実用新案登録第2604185号の請求項1ないし3に係る考案についての出願は、平成5年8月31日に出願され、平成12年2月18日にその実用新案の設定登録がなされ、その後、芦リッカンより実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年3月6日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1) 訂正の内容 (ア) 請求項1を削除し、もとの請求項2,3を繰り上げ項番号を請求項1,2と訂正する。 (イ) 実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合をとるため、明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0007及び0008を訂正明細書のとおりに訂正する。 (2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び実用新案登録請求の範囲の拡張・変更の存否 上記訂正は、実用新案登録の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3) むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.実用新案登録異議の申立てについての判断 登録時の請求項1に係る考案は、訂正の結果削除され、異議の申立ての対象が存在しないので、この実用新案登録異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものである。 したがって、本件実用新案登録異議の申立ては、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用する、特許法第120条の6第1項で準用する第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 自動演奏装置 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 同時に演奏される複数パートの楽音から構成された楽曲の所定区間を自動演奏する自動演奏手段と、 前記自動演奏手段が自動演奏する楽曲の所定区間の直前の区間に楽曲のデータが存在するか否か検出する検出手段と、 前記検出手段により楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音する実行手段と、 を有することを特徴とする自動演奏装置。 【請求項2】 同時に演奏される複数パートの楽音から構成された楽曲の所定区間を自動演奏する自動演奏手段と、 前記自動演奏手段が自動演奏する楽曲の所定区間の直前の区間に楽曲のデータが存在するか否か検出する検出手段と、 前記検出手段により、楽曲の所定区間の直前の区間全域に楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により、楽曲の所定区間の直前の区間の一部に楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音し、その後に該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音する実行手段と、 を有することを特徴とする自動演奏装置。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、本来、同時に演奏されるべき複数パートの楽音からなる楽曲の特定パートを演奏者が演奏し、その特定パート以外のパートの楽音を自動演奏する自動演奏装置に関する。 【0002】 【従来の技術及び考案が解決しようとする問題点】 従来から、例えば電子鍵盤楽器等において、演奏者が自動演奏される伴奏パートに合わせて、その電子鍵盤楽器を操作し、メロディパートを演奏することが行われている。 【0003】 このようにすれば、演奏者が初心者の場合でも、演奏が難しい伴奏パートの演奏を自動演奏に任せ、演奏者は比較的演奏が容易なメロディパートのみを演奏することによって、高度な演奏技術を要する曲を楽しむことができる。 【0004】 しかし、従来は、演奏者が演奏するメロディパートに対応する伴奏パートの自動演奏が、突然開始され、あるいはその曲のテンポを示すカウント音が発音されることがあっても、いくつ目のカウント音でメロディパートの演奏を開始すべきかが、明らかでなかった。 【0005】 そのため、初心者には、自動演奏される伴奏パートに合わせて、メロディパートの演奏を正確なタイミングで開始することが難しかった。本考案は、このような問題点を解決し、自動演奏される伴奏パートに合わせて、正しいタイミングメロディパートの演奏を始めることができ、かつ、練習したいメロディパートの特定箇所を、繰り返し練習することが可能な装置を実現することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本考案は、まず、同時に演奏される複数パートの楽音から構成された楽曲の所定区間を自動演奏する自動演奏手段を有する。同手段は、例えばメロディパートと、その伴奏パートからなる楽曲の所定区間を自動演奏する手段である。 【0007】 次に、自動演奏手段が自動演奏する楽曲の所定区間の直前の区間に楽曲のデータが存在するか否か検出する検出手段を有する。同手段は、例えば自動演奏される楽曲の所定区間の直前の小節内に楽曲データが存在するか否かを検出する手段である。 【0008】 次に、前記検出手段により楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音する実行手段を有する。同手段は、例えば演奏者が、自動演奏される伴奏パートに合わせてメロディパートを演奏する場合に、メロディパートの演奏を開始するタイミングを、演奏者に教えるために、楽曲の所定区間の伴奏パートが自動演奏される前に、自動演奏のテンポを示す、例えば拍毎に発音されるカウント音を、自動演奏される所定区間毎の楽曲の最初の音が、例えば小節の何拍目に対応するかに応じた数だけ発音するものであり、さらに、前記所定区間の直前の区間に楽曲データが存在する場合のみ、当該カウント音に加えて前記所定区間の直前の区間の自動演奏をも実行する手段である。 【0009】 そして本考案は更に、上記実行手段を、前記検出手段により、楽曲の所定区間の直前の区間全域に楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により、楽曲の所定区間の直前の区間の一部に楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音し、その後に該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音するように構成してもよい。 【0010】 【0011】 【作用】 自動演奏手段により、複数パートの楽音から構成された楽曲の所定区間が自動演奏される。そして、所定区間の楽曲内における位置、即ち自動演奏される曲の最初の音が、小節内の何拍目に有るかに応じた数だけ、所定区間の自動演奏に先立って、自動演奏のテンポを示すカウント音が発音される。そして、そのカウント音の発音と同時に所定区間の直前の自動演奏が、前奏として実行される。 【0012】 この結果、演奏者は、自動演奏される伴奏パートに正しくタイミングを合わせて、メロディパートの演奏を開始することができる。また、特定区間指定手段により演奏者が指定したスタートポイントとエンドポイント間を、繰り返し演奏手段により繰り返し自動演奏される楽曲に合わせて、演奏者が練習することが可能である。 【0013】 【実施例】 以下、図面を参照しながら、本考案を電子鍵盤楽器に適用した実施例につき詳細に説明する。 【0014】 <本実施例の構成> 図1は、本考案の実施例の外観図である。同図に示されるように、本考案の実施例は、鍵盤101を有する電子鍵盤楽器として実現されており、鍵盤101の上部にデモンストレーションスイッチ(以後デモスイッチと呼ぶ)102、レッスンスイッチ103、フレーズスイッチ104、及びストップスイッチ105が配置されている。 【0015】 次に図2は、本考案の実施例の全体構成図である。 マイクロコンピュータ202は、それが内蔵するROM203に記憶されている制御プログラムに基づき、それが内蔵するRAM204をワークメモリとして使用しながら動作し、スイッチ部201、及び鍵盤部101を走査して各スイッチ及び鍵の操作状態を取り込むと共に、自動演奏メモリ208から自動演奏のための伴奏パートとメロディパートの演奏データを読み出し、楽音の生成及び自動演奏を行う。 【0016】 上記スイッチ部201は、メロディパートと伴奏パートで1曲分が自動演奏されるデモ演奏時に用いられる、図1のデモスイッチ102、演奏者が、後述するように、メロディパートの特定のフレーズをを繰り返し練習するときに用いるレッスンスイッチ103、そのフレーズのスタートポイントとエンドポイントを指定するために操作されるフレーズスイッチ104、及び伴奏パートとメロディパートの演奏を停止するためのストップスイッチ105よりなる。 【0017】 図2において、各サンプリング周期内で生成される楽音波形データは、ラッチ信号COMに基づいてRAM204内の累算用レジスタRから、第1ラッチ205にラッチされる。 【0018】 ここで、第1ラッチ205にデータがラッチされるタイミングは、音源処理の条件によってサンプリング周期内でばらつくため、第1ラッチ205にラッチされた楽音波形データの累算値は、更に、サンプリング周期に正確に同期したインタラプト信号INTに基づいて第2ラッチ206にラッチされる。 【0019】 その後、上記楽音波形の累算値は、D/A変換器207でアナログの楽音波形信号に変換され、その信号がローパスフィルタ(LPF)209で整形された後、アンプ210で増幅され、スピーカ211から楽音が放音される。 【0020】 次に図3は、図2の自動演奏メモリ208に書き込まれている自動演奏データを示す図で、通常、右手で弾くメロディパートと左手で弾く伴奏パートの音高データ(左側の部分)と音符長データ(右側の部分)が、それぞれアドレス毎に記録されている。また、上部のヘッダの部分には、拍子HYと拍数に基づく弱起HA(じゃっき、後述する)の値が示されている。 <実施例の動作> 上述の構成を有する本実施例の動作について、以下に詳細に説明する。 【0021】 図4は、図2のマイクロコンピュータ202において実行される制御動作の全体的な動作を示すメイン動作フローチャートである。このフローは、マイクロコンピュータ202がROM203に記憶された制御プログラムを実行する動作として実現される。 【0022】 始めに、装置の電源が投入されると、ステップ401において、図2のRAM204の内容、マイクロコンピュータ202内の第1ラッチ205、第2ラッチ206の内容などが初期化されると共に、図7において後述するように、各種のレジスタが初期化される。 【0023】 以後、ステップS402?S406の各処理が繰り返し実行される。ステップS402の機能キー取込み処理では、図2のスイッチ部201のデモスイッチ102、レッスンスイッチ103、フレーズスイッチ104、及びストップスイッチ105などの各機能キーの設定状態が走査され、その設定状態がRAM204などに取り込まれる。 【0024】 ステップS403の機能キー処理では、上述の各種機能キーの設定に対応する処理が実行される。 ステップS404の鍵盤取込み処理では、図1の鍵盤部101の押鍵状態が走査され、その押鍵状態がRAM204などに取り込まれる。 【0025】 ステップS405の鍵盤処理では、上述の押鍵状態に対応して、図2のRAM204に設けられる特には図示しない発音制御データ領域に、必要な発音制御データが設定される。 【0026】 ステップS406のその他各種処理では、例えば楽音に種々の音響効果を付加するための処理が実行される。 次に、図5は、楽音波形データを生成するためのタイマーインタラプトルーチン1の動作フローチャートである。このルーチンは、特には図示しないマイクロコンピュータ202内のハードウエアタイマーにおいて、サンプリング周期に対応する時間が経過する毎に、図4のメイン動作フローチャートのルーチンに割り込みをかけることにより実行される。 【0027】 ステップS501の音源処理では、4発音チャネル分の楽音波形データが生成される。 このステップS501の詳細を、図6の動作フローチャートとして示す。 【0028】 図6において、ステップS601では、RAM204内の累算用レジスタRの内容がクリアされる。 ステップS602では、ユーザーによる鍵盤演奏、または自動演奏動作に基づいて図4のメイン動作フローチャートのステップS405でRAM204内の発音制御データ領域に設定さてた1チャネル目の発音制御データに基づいて、1チャネル目の発音チャネルの楽音波形データを生成する処理が実行される。ここでは、例えば自動演奏メモリ208から読み出された自動演奏データによる発音制御データの内容に基づいて、自動演奏用の楽音波形データが生成され、RAM204内の累算用レジスタRに累算される。また、マニュアル演奏に基づく楽音波形データも生成される。 【0029】 ステップS603では、図4のメイン動作フローチャートのステップS405で、RAM204内の発音制御データ領域に設定された2チャネル目の発音制御データに基づいて、2チャネル目の発音チャネルの楽音波形データを生成する処理が、1チャネル目と同様の方式により実行され、その結果得られた楽音波形データは、1チャネル目の楽音波形データが格納されている累算用レジスタRに累算される。 【0030】 ステップS604、ステップS605では、それぞれ、図4のメイン動作フローチャートのステップS405で、RAM204内の発音制御データ領域に設定された3チャネル目及び4チャネル目の各発音制御データに基づいて、3チャネル目及び4チャネル目の各発音チャネルの楽音波形データを生成する処理が、1チャネル目などと同様の方式により実行され、その結果得られた各楽音波形データは、累算用レジスタRに順次累算される。 【0031】 以上の処理として図5のステップS501の音源処理が実行される。 図5のステップS502では、ラッチ信号COMが出力されることにより、RAM204内の累算用レジスタRに得られた1?4チャネルまでの楽音波形データの累算値が、マイクロコンピュータ202内の第1ラッチ205(図2)にラッチされる。 【0032】 続いて、図4のメイン動作フローチャートのステップS401のイニシャル処理の一部の動作について、図7の動作フローチャートを用いて説明する。 まず、ステップS701において、96分音符に相当する時間を単位として、音符長の時間をカウントする、特には図示しないタイムカウンタのカウント値Tに“0”が書き込まれる。次に、ステップS702において、自動演奏メモリ208のアドレスADRに“0”が書き込まれる。次のステップS703において、拍子HYに、アドレスADRによって指定されるデータ上の上位側ビットのデータ(図3の場合は、“4”)が書き込まれ、ステップS704において下位側ビットのデータ(図3の場合は、“2”)が、後述する弱起HAに書き込まれる。その後、ステップS705において、アドレスADRがインクリメントされる。 【0033】 なお、上記タイムカウンタのカウント値T、自動演奏メモリ208のアドレスADR、拍子HYは、いずれもRAM204内のレジスタである。 次に、演奏者が、デモ演奏されている曲を聴きながら、練習したいフレーズの開始位置と終了位置を設定するときの動作の概要について説明する。 【0034】 演奏者がフレーズの開始位置と終了位置を設定するには、まず、デモスイッチ102(図1)を押す。すると、メロディパートと伴奏パートからなる自動演奏が開始される。そして、自動演奏が行われている間に、演奏者がその演奏音を聴きながら、練習したいフレーズの始め(スタートポイント)と終わり(エンドポイント)で、それぞれフレーズスイッチ104を押すと、その時点での自動演奏メモリ208のアドレスが、フレーズのスタートアドレスSTAとフレーズのエンドアドレスENAの両レジスタ(RAM204内に設けられる)にそれぞれ格納される。 【0035】 その後、演奏者がフレーズスイッチ104を押したタイミングが、小節の何拍目に当たるかが判定され、その結果に応じて、メロディを弾き始めるべきタイミングを、演奏者に知らせるために拍毎に発音される、例えばメトロノームのようなカウント音の数が決められる。 【0036】 次に、上記フレーズのスタートアドレスSTAとフレーズのエンドアドレスENAの両レジスタの大小関係が判定され、そのアドレスの小さい方がスタートアドレスに、大きい方がエンドアドレスに定められる。もし、この場合、スタートアドレスがエンドアドレスより小さくない場合は入れ替えられる。 【0037】 以上、説明した動作について、図4のメイン動作フローチャートのステップS403の機能キー処理の一部の動作を表す図8の動作フローチャートを用いて、詳細に説明する。 【0038】 図8のステップS801において、まず、フレーズスイッチ104が押されたか否かが判定され、同スイッチが押されている場合は、判定はYESで、次のステップS802において、RAM204内の後述するデモフラグDEMOFが“1”であるか否かが判定される。この場合は、デモ演奏が行われるので、判定はYESである。 【0039】 以上のステップS801とステップS802の判定がNOの場合は、いずれも図4のメイン動作フローチャートに戻る。 次に、ステップS803において、RAM204内のフラグFが“1”であるか否かが判定される。このフラグFは、ステップS803を通過する度に、ステップS807以降の処理とステップS804以降の処理を切り替えるために、“1”から“0”、または“0”から“1”に変化する。 【0040】 そこで、今フラグFが“0”であるとすると、ステップS803の判定がNOとなり、次のステップS804に進み、演奏者がフレーズスイッチ104を押した時点での自動演奏メモリ208のカレントアドレスが、フレーズのスタートアドレスSTAに書き込まれ、次のステップS805において、曲の始めから、フレーズスイッチ104が押された時点までを、後述する図17のタイマーインタラプトルーチン2で96分音符長に相当する時間毎にインクリメントされることによりカウントされる時間カウンタTの値が、RAM204内のレジスタT1に書き込まれる。 【0041】 その後、フラグFに“1”が書き込まれる(ステップS806)。 このようにして、ステップS810?S816を経て、再びステップS803における判定動作が行われたときに、その判定はYESとなり、次のステップS807へ進み、演奏者がフレーズスイッチ104を2度目に押した時点のカレントアドレスが、フレーズのエンドアドレスENAに書き込まれる。 【0042】 そして、ステップS808において、曲の始めから演奏者がフレーズスイッチ104を2度目に押した時点までを、96分音符長毎にカウントした時間TがレジスタT2に書き込まれ、次のステップS809において、フラグFに“0”が書き込まれる。 【0043】 その後、ステップS810において、フレーズのスタートアドレスSTAが、フレーズのエンドアドレスENAに等しいか、またはそれより小さいか否かが判定される。通常の場合は、その判定はYESで、ステップS815において、前述のステップS805でレジスタT1に書き込まれた値が、RAM204内のレジスタT3に書き込まれる。 【0044】 また、ステップS810の判定がNOの場合、これは、演奏者がフレーズスイッチ104の操作を正しく行わなかった場合に起きるが、この場合は、フレーズのスタートアドレスSTAとフレーズのエンドアドレスENAを入れ替えるために、まず、フレーズのスタートアドレスSTAがRAM204内のレジスタBに一時移され(ステップS811)、次に、フレーズのエンドアドレスENAの内容がフレーズのスタートアドレスSTAに移される(ステップS812)。そして、レジスタBに移されたSTAの内容が、ENAに移され(ステップS813)、その後、ステップS808でレジスタT2に書き込まれた内容が、レジスタT3に書き込まれる。(ステップS814)。 【0045】 次に、ステップS816において、フレーズのスタートアドレスSTAに対応する拍が抽出され、次のステップS817において前奏処理が行われる。この処理は、後述するカウント音の数や、それと同時に前奏として自動演奏される部分を決めるために行われるもので、以下にその具体例を示す。 【0046】 図9は、4分の4拍子の曲の各拍の頭の位置(同図の▲1▼、▲2▼・・・等)と、曲のスタートポイントST、及び上記フレーズのスタートアドレスSTAに対応するフレーズのスタートポイントFstとの相対位置を示す図である。 【0047】 同図において、各拍間の時間の24は96分音符長を“1”としたときの4分音符長に対応する時間を示している。ここでは、曲のスタートポイントSTが1拍目の頭▲1▼にあり、第2小節の2拍目の頭▲2▼から4分音符長より少し短い時間が経過した時点を、演奏者が練習するフレーズのスタートポイントFstとする。そして、曲のスタートポイントSTからフレーズのスタートポイントFstまでの時間をT3とし、曲のスタートポイントSTから、フレーズスタートポイントFstの直前の拍▲2▼までの時間をAとする。 【0048】 この場合、フレーズのスタートアドレスSTAに対応する拍として、フレーズのスタートポイントFstの直前の第2小節の第2拍目▲2▼が抽出され、カウント音が第1小節の2拍目▲2▼から第2小節の2拍目▲2▼までの各拍毎に合計5回発音される。また、もしフレーズのスタートポイントFstが、図9の第1小節の4拍目▲4▼の直後のタイミングFst1である場合は、カウント音が第1小節の2拍目▲2▼から同小節の4拍目▲4▼までの各拍毎に合計3回発音される。次に、前述のフレーズのスタートアドレスSTAに対応する拍を抽出する動作について、図10の動作フローチャートを用いて説明する。 【0049】 まず、図10のステップS1001において、T3-(T3 mod 24)が演算され、得られた値がRAM204内のレジスタAに書き込まれる。ここで、(T3 mod 24)は、前述の図9のT3を4分音符長の時間24で徐算したときの剰余であり、図9に示すように、第2小節目の2拍目▲2▼からフレーズのスタートポイントFstまでの時間に相当する。 【0050】 そして、T3から(T3 mod 24)を減算して得られた値が、ステップS1001のAの値に相当する時間で、図9に示されている。 次に、このAの値を4分音符長の時間24で除算したときの値A/24の値は、図9の曲のスタートポイントSTからフレーズのスタートポイントFstの直前の拍の頭(図9第2小節目の2拍目の頭▲2▼)までの拍数に相当し(図9の場合は、5である)、この値が、ステップS1002で、RAM204内のレジスタのHATに書き込まれる。 【0051】 次に、ステップS1003に示される式によって、RAM204内のレジスタBの値が求められる。1例として、図9の場合は、HAT=5、HY(拍子)=4であるから、 B=(5 mod4)+1=2になる。 【0052】 次に、上記レジスタAは、図9の場合、曲のスタートポイントSTから、第2小節の2拍目の頭(▲2▼)までを96分音符長を単位として表した時間であるが、曲によっては、アウフタクト(弱起)と呼ばれる小節の最強拍(第1拍)より前の部分から楽曲やテーマ(主題)が始まることがある。このような場合は、ステップS1004において、上記Bに、弱起の部分に相当する拍数HAを加算した値が、RAM204内のレジスタDに格納される。図3の例では、弱起HA=2であるため、D=4となる。 【0053】 この後、ステップS1005において、上記Dの値が拍子HYより大きいか否かが判定される。判定の結果Dが拍子HYより大きくない場合(例えば図9の場合は、D=HY=4である)は、そのままDの値がフレーズスタートアドレスSTAに対応するフレーズのスタートポイント直前の拍を示すRAM204内のフレーズスタート拍レジスタFSHAに格納され(ステップS1007)、またDが拍子HYより大きい場合(例えば弱起HA=3の場合は、D=5となり、D>HYである)は、Dから拍子HYが減算され、得られた値が上記FSHAに格納される(ステップS1006)。 【0054】 以上のようにして、演奏者が、自動演奏される伴奏パートに合わせてメロディパートの特定のフレーズを弾く場合に、そのフレーズの弾き始めの音、即ち自動演奏のスタートアドレスSTAに対応する拍FSHAが抽出される。 【0055】 このスタートアドレスに対応する拍FSHAに基づいて、次に説明するように、発音されるカウント音の数と、前奏として自動演奏される楽音の拍数が決められる。 【0056】 通常、演奏者はカウント音が鳴り始めたら、その幾つ目からメロディを弾き始めるべきかを、予め知っておくことが必要であり、鳴り始めたカウント音を数えることも必要である。そのため、そのカウント音だけでは、演奏者、特に初心者は、伴奏パートに正しくタイミングを合わせて、メロディパートを弾き始めることが困難である。 【0057】 そのため、本実施例では、演奏者がメロディパートを弾き始める前に、演奏のテンポを示すカウント音を発音させると同時に、前奏として楽曲が自動演奏される。 【0058】 次に、図4のメイン動作フローチャートのステップS403の「機能キー処理」の一部として、この前奏に関する処理動作について、図11の動作フローチャートを用いて説明する。 【0059】 まず、ステップS1101において、フレーズスタート拍レジスタFSHAから“1”が減算され、得られた値が、フレーズスタート拍レジスタFSHAから前方にあって、前奏として自動演奏される楽音の拍数を表すRAM204内のレジスタCnへ書き込まれる。 【0060】 次に、ステップS1102において、上記レジスタCnが“1”以下であるか否かが判定される。その判定がNOの場合は、次のステップS1104へ進み、また、その判定がYESの場合は、Cnに拍子HYが加算される(ステップS1103)。例えば図9の場合は、フレーズスタート拍レジスタFSHA=2であるため、Cn=FSHA-1=1になり、ステップS1102の判定はYESになるので、ステップS1103に進み、その値に拍子のHY=4が加算され、その結果得られた“5”がレジスタのCnへ書き込まれる。即ち、図9の場合は、前述したように演奏者が弾き始めるフレーズのスタートポイントの前に、第1小節の1拍目▲1▼から第2小節の2拍目▲2▼までの5拍分が、前奏として自動演奏されることになる。 【0061】 次に、前奏をどの時点から始めるかを決めるために、例えば図10のレジスタAに相当する時間を、96分音符長に相当する時間を単位としてカウントする必要がある。 【0062】 そこで、拍数Cnに4分音符長の時間“24”を乗算した時間が、RAM204内のレジスタPに格納される(ステップS1104)。図10の場合は、Cn=5であるため、前奏の開始点は、フレーズのスタートポイントFstに対応する第2小節の2拍目▲2▼から、4分音符5拍分(24×5=120)だけ戻した点、即ち第1小節の1拍目▲1▼となる。 【0063】 その後、音符長の累算値レジスタANLに初期値として“0”が入れられる(ステップS1105)。 このように上記レジスタPに相当する音符長だけ、フレーズスタートアドレスSTAに対応する拍から戻すのにに、次の(1)、(2)、(3)の場合がある。 【0064】 即ち、まず、(1)は、正常の場合で、フレーズが曲の中間部にあり、フレーズのスタートポイントFstに対応する拍から所定の拍分の演奏データを用いて正常な前奏が行える場合で、ステップS1106?S1116のフローがこれに対応する。 【0065】 次に、(2)は、フレーズのスタートポイントFstが曲のスタートポイントであるため、自動演奏を行うべき前奏の部分がないので、前奏は行われず、カウント音のみが発音される場合で、ステップS1106?S1118のフローがこれに対応する。 【0066】 最後の(3)は、例えば3拍分戻ると曲のスタートポイントSTになり、5拍以上分戻ることが不可能な場合で、5拍分のカウント音は発音されるが、前奏としての自動演奏は、3拍分だけが行われる場合で、ステップS1106?S1110?S1114のフローがこれに対応する。 【0067】 以下、順次、上述の3つの場合における前奏処理について説明する。 まず、ステップS1106において、フレーズのスタートポイントが曲のスタートアドレスであるか否かが判定される。判定の結果、STA=1であれば、フレーズのスタートポイントが曲のスタートポイントであり、その場合は、ステップS1117へ進み、フレーズのスタートポイントが曲のスタートポイントであることを表すRAM204内のフラグCSF2へ“1”が書き込まれ、次のステップS1118で、RAM204内の音符長レジスタREに4分音符1拍分の音符長データ“24”が書き込まれ、メインフローへ戻る。 【0068】 次に、ステップS1106において、STA=1でない場合は、フレーズのスタートポイントが曲の途中にある前述の(1)、または(2)の場合である。この場合は、次のステップS1107で、フレーズのスタートアドレスSTAがディクリメントされ、以下の処理で、演奏者が指定したフレーズのスタートアドレスの1つ前のアドレスの音符長データが、RAM204内のレジスタNLに読み出され(ステップS1108)、同データが音符長の累算値レジスタANLに加算される(ステップS1109)。 【0069】 その後、ステップS1110において、曲のフレーズのスタートアドレスSTAが“1”であるか否かが判定されると共に、次のステップS1115において、音符長の累算値レジスタANLが、前述の前奏の分の拍数に対応する時間P以上になったか否かが判定される。 【0070】 ステップS1110とステップS1115における判定が、ともにNOの場合は、ステップS1107へ戻る。 このようにして、順次、フレーズのスタートアドレスSTAが、ステップS1107でディクリメントされ、ステップS1110において、フレーズのスタートアドレスSTAが“1”であるか否かが判定されたときに、その判定がYESになったら、曲のスタートアドレスに戻ったことになり、ステップS1111へ進む。 【0071】 この場合は、フレーズのスタートポイントから、ステップS1104で演算されたPだけの音符長分戻らないうちに、曲のスタートポイントに来てしまったことになる。この場合は、上述したように、足りなくなった前奏分だけカウント音が発音される。 【0072】 まず、ステップS1111において、前奏が曲の途中から始まることを示すため、RAM204内のフラグCSF1へ“1”が書き込まれ、次のステップS1112において、戻り切れない分に相当する音符長(P-ANL)が、音符長レジスタREに格納され、またこのレジスタREの値が何拍分に相当するかを示すRE/24の値が、RAM204内のレジスタCTに格納される(ステップS1113)。この値は、曲のスタートポイントから行われる自動演奏される前奏の前に、1拍(この場合は、4分音符長=24)毎に発音されるカウント音の数を表す。 【0073】 次に、カウント音を4分音符長毎に発音するために、レジスタREに“24”が格納され(ステップS1114)、メインフローに戻る。また、ステップS1115の判定がYESになると、ステップS1116において、レジスタREに音符長のレジスタ累算値ANLの値と拍数レジスタCnに対応する音符長レジスタPとの差である(ANL-P)が格納される。この場合、両者が一致している場合は、レジスタREは“0”である。 【0074】 その後、演奏者が、レッスンを始めるために、レッスンスイッチ103を押すことになる。そのときのレッスンスイッチ処理の動作は、図4のメイン動作フローチャートのステップS403の機能キー処理の一部の動作であるが、その動作について、図12、13、14の動作フローチャートを用いて説明する。 【0075】 まず、図12のステップS1201において、レッスン中であることを示すRAM204内のフラグLESSONFが“1”であるか否かが判定される。その判定がYESならば、ステップS1204へ進む。またその判定がNOならば、次のステップS1202でレッスンスイッチ103が押されているか否かが判定され、その判定がYESの場合は、レッスンフラグLESSONFに“1”が書き込まれ(ステップS1203)、ステップS1204へ進む。また判定がNOの場合は、図13のステップS1301において、アドレスを表すレジスタADRがフレーズのエンドアドレスENAに等しいか否かが判定される。この場合は、ADRには初期値として“0”が書き込まれているので(図7のステップS702)、ステップS1301の判定はNOで、メインフローに戻る。つまり、レッスンスイッチ103が押されない場合は、なにも行われない。 【0076】 次に、図12のステップS1204において、演奏者がフレーズスイッチ104でフレーズのスタートアドレスSTAと、フレーズのエンドアドレスENAを設定しているか否かが判定される。そしてSTAとENAがともに“0”であれば、両アドレスは設定されていないことになり、その場合は、なにも行われずに、図13のステップS1301へ進む。 【0077】 フレーズのスタートアドレスSTAと、フレーズのエンドアドレスENAが設定されている場合は、STA=ENA=1であるからステップS1204の判定がNOとなり、ステップS1205へ進む。そして、ステップS1205において、演奏するフレーズのスタートポイントが、曲の途中にあり、前奏が正常に行われる場合を表すフラグCSF1=0で、かつ、フレーズのスタートポイントが、曲のスタートポイントでないことを示すフラグCSF2=0であるか否かが判定される。その判定がYESの場合は、正常の前奏が行える場合であり、次のステップS1206に進む。 【0078】 また、ステップS1205の判定がNOの場合は、正常の前奏が行われない場合で、この場合は、図14のステップS1405に進み、後述するカウント音の発音のみが行われる。 【0079】 次に、前奏の自動演奏データを読み出すための処理である、ステップS1206からステップS1211までの処理について説明する。 まず、ステップS1206において、RAM204内のレッスンスタートフラグLSFが“0”であるか否かが判定される。この処理はフレーズのスタートアドレスSTAを読み出すための処理であり。そのため、LSFの初期値は“0”であれば、次のステップS1207において、フラグLSFに“1”が書き込まれる。この結果、次に、メインルーチンに戻り、再びステップS1206へ進んだときに、次に述べるステップS1208?S1211の処理が省かれる。 【0080】 まず、フレーズのスタートアドレスSTAの値を後で使うために、その値をステップS1208において、自動演奏メモリ208のアドレスを表すレジスタADRへ格納する。次に、ステップS1209において、フレーズのスタートアドレスSTAをアドレスとして、音高NP、音符長NLが自動演奏メモリ208から読み出され、ステップS1210でその音高NPに基づく発音が指示される。 【0081】 その後、次の音符長を読むために、ステップS1211において、音符長のカウント値Tがクリアされた後、次のステップS1212でインクリメントされ、再び音符長のカウントが始められる。 【0082】 こうして、ステップS1213において、音符長のカウント値Tが音符長NLに達しているか否かが判定され、判定の結果、音符長のカウント値が音符長NLに達していない場合は、図14のステップS1405に進む。 【0083】 このような動作が繰り返し行われ、音符長のカウント値Tが増加し、その値が音符長NLに等しくなると、図12のステップS1213の判定がYESになり、図14のステップS1401へ進み、次のデータデータを読むために、自動演奏メモリ208のアドレスADRがインクリメントされ、そのアドレスで音高データNPと、音符長データNLが自動演奏メモリ208から読み出される(ステップS1402)。 【0084】 次に、ステップS1403において、発音指示がなされた後、ステップS1404で音符長のカウント値Tがクリアされる。 次に、カウント音の発音動作について、図14の動作フローチャートを用いて説明する。 【0085】 カウント音の発音動作に関して、以下に述べる(a)、(b)、(c)の3つの場合がある。図14の動作フローチャートのステップS1405?S1411が(a)の場合で、この場合は前奏が正常に行われる場合で、前述の図11のステップS1106?S1116のフローに対応する。 【0086】 また、ステップS1412?S1418が(b)の場合で、この場合は、フレーズのスタートポイントが、曲のスタートポイントになるため、前奏が行われない場合で、前述の図11のステップS1106?S1118のフローに対応する。 【0087】 次に、ステップS1419?S1421が(c)の場合で、この場合は、前奏が開始される前に、所定数のカウント音が発音される場合で、前述の図11のステップS1111?S1114のフローに対応する。 【0088】 まず、ステップS1405において、所定数のカウント音の発音が終了したら、カウント音を止めるためのRAM204内のフラグCEFが“0”であるか否かが判定される。このフラグが“1”のときに、カウント音が止められる。 【0089】 このステップS1405の判定がNOの場合は、カウント音の発音指示は行われず、判定がYESの場合は、次のステップS1406において、カウントスタートフラグCSFが“0”であるか否かが判定される。 【0090】 このステップS1406の判定がNOの場合は、ステップS1412へ進む。また、判定がYESの場合は、次のステップS1407において、後述する図17のタイマーインタラプトルーチン2で96分音符長に相当する時間毎にインクリメントされる時間カウンタTCを表すRAM204内のレジスタの値が、RAM204内のレジスタREの値(この値は、前述の図11のステップS1114、またはステップS1118で書き込まれた4分音符1拍分の時間に対応する“24”である)に達したか否かが判定される。その判定がNOの場合は、図13のステップS1301へ進む。 【0091】 一方、図17に示すタイマーインタラプトルーチン2に示すように、デモフラグDEMOF、またはレッスンフラグLESSONFが1か否かが判定され、(ステップS1701)、その判定がYESの場合、つまりメロディパートと伴奏パートからなる曲の自動演奏が行われる場合、または自動演奏される伴奏パートに合わせて演奏者がメロディパートを練習する場合は、96分音符長毎にカウントされるカウント値を表すレジスタTの値がインクリメントされる(ステップS1702)、と共にタイムカウンタ値を表すレジスタTCの値がインクリメントされる(ステップS1703)。 【0092】 このようにして、タイムカウンタ値を表すレジスタTCの値が、レジスタREの値に達すると、図14のステップS1407の判定がYESとなり、タイムカウンタの値が1拍分の“24”をカウントしたことになる。 【0093】 次に、タイムカウンタ値を表すレジスタTCの値がクリアされ(ステップS1408)、カウント音の数を表すレジスタCがインクリメントされる(ステップS1409)と共に、カウント音の発音が指示され(ステップS1410)、RAM204内のカウントスタートフラグCSFに“1”が書き込まれる(ステップS1411)。 【0094】 以上のようにして、4分音符1拍毎にカウント音が発音される。 その後、再びステップS1406に来たときに、フラグCSFは“1”であるため、その判定はNOであり、次のステップS1412に進む。 【0095】 ステップS1412において、タイムカウンタ値を表すレジスタTCの値が、4分音符1拍の時間を示す24になったか否かが判定される。その判定がNOの場合は、図13のステップS1301へ進む。 【0096】 時間が経過し、タイムカウンタ値を表すレジスタTCの値が24に達すると、図14のステップS1412の判定がYESとなる。そして、ステップS1413でレジスタTCがクリアされ、カウント音の発音が指示される(ステップS1414)と共に、カウント音の数を表すレジスタCがインクリメントされる(ステップS1415)。 【0097】 次に、ステップS1416において、カウント音の数を表すレジスタCが、図11のステップS1101、またはステップS1103で得られたカウント音の数Cnを表すレジスタの値に達したか否かが判定される。カウント音の数Cが上記Cnに達していれば、その判定はYESで、その場合は、カウント音の発音が止められることになる。そのため、カウントエンドフラグCEFに“1”が書き込まれる(ステップS1417)。その結果、再びステップS1405に来たときに、その判定はNOとなるため、前述のカウント音の発音の指示は行われず、カウント音の発音が停止される。 【0098】 次に、フレーズのスタートポイントが、曲のスタートポイントであることを表すフラグCSF2に“0”が書き込まれる(ステップS1418)。これによって、図12のステップS1205の判定がYESになり、前述のように伴奏パートの自動演奏が行われる。 【0099】 以上のようにして、カウント音がCn個発音されたら発音が停止され、それに続いて、伴奏パートの自動演奏が開始される。 また、図14のステップS1416において、カウント音の数を表すレジスタCの値がCnに達しない間は、ステップS1416の判定がNOとなり、ステップS1419に進み、前奏が途中からはじまることを示すフラグCSF1が“0”か否かが判定される。CSF1=0ならば、正常であるため、次の図13のステップS1301へ進む。また、もしCSF1が“0”でなければ、次のステップS1420において、カウント音の数を表すレジスタCの値が、前奏が自動演奏される前に発音されるカウント音の数を表すレジスタCT(図11のステップS1113参照)の値に等しいか否かが判定される。 【0100】 それで、カウント音の数を表すレジスタCが上記CTに到達していなければ、ステップS1420の判定はNOとなり、上述のステップS1419の場合と同様に、図13のステップS1301へ進む。 【0101】 また、カウント音の数を表すレジスタCが、ステップS1415でインクリメントされ、上記拍数CTに到達すると、前奏をスタートさせるべき時点に来たことになり、フラグCSF1が、“0”に戻される(ステップS1421)。 【0102】 その結果、再び図12のステップS1205に進んだときに、同ステップS1205の判定がYESとなる。その結果、前述のように、ステップS1209において、フレーズのスタートアドレスSTAをアドレスとして、音高NP、音符長NLが、自動演奏メモリ208から読み出され、次のステップS1210で、その音高NPに基づく発音が指示される。 【0103】 このようにして、いままでカウント音のみが発音されていたが、ある拍数まで進んだら自動伴奏音も同時に発音されることになる。次に、図13の動作フローチャートについて説明する。 【0104】 以上のような自動演奏による伴奏パートに合わせて、演奏者がメロディパートを繰り返し練習するには、伴奏パートを繰り返し自動演奏させる必要がある。図13はそのときの動作に関する動作フローチャートである。 【0105】 まず、ステップS1301において、今まで読み出していた自動演奏データメモリ208のアドレスを表すレジスタADRが、フレーズのエンドアドレスENAになったか否かが判定される。その判定がNOならば、そのままメインフローに戻る。また、判定がYESの場合は、レッスンスタートフラグLSFフラグがステップ1302で、カウント音を止めるためのフラグCEFフラグがステップ1303で、カウントスタートフラグCSFフラグがステップS1304で、及びフラグCがステップS1305で、それぞれに初期化処理として、“0”が書き込まれる。 【0106】 その後、ステップS1306において、前奏が曲の途中から始まることを表すフラグフラグのCSF1と、フレーズのスタートポイントが、曲のスタートポイントであることを表すフラグCSF2が、それぞれ元の状態へ戻される。 【0107】 この結果、演奏者は再び同じようなレッスンを繰り返し行うことができる。次に、デモスイッチ102の操作時の動作について、図15の動作フローチャートを用いて説明する。 【0108】 図15において、デモフラグDEMOFが“1”であるか否かが判定され(ステップS1501)、判定がYESの場合は、デモ演奏が行われている状態であるから、何の処理も行われず、そのままメインルーチンに戻る。また、デモフラグDEMOFが“1”でなければ、次のステップS1502において、デモスイッチ102が押されたか否かが判定される。同スイッチが押されていない場合は、何の処理も行われないが、同スイッチが押されている場合は、ステップS1502の判定はYESで、デモフラグDEMOFに“1が書き込まれ、また他のフラグに“0”が書き込まれる(ステップS1503)。 【0109】 その後、自動演奏の開始が指示される(ステップS1504)。 このようにして、再びステップS1501に来たときには、デモフラグDEMOFが“1”であるのでその判定がYESになり、そのままメインルーチンに進む。 【0110】 次に、演奏者が練習を止めるために、ストップスイッチ105を操作するときの動作について、図16の動作フローチャートを用いて説明する。 図16において、まず、ストップスイッチが押されたか否かが判定され(ステップS1601)、同スイッチが押されていない場合は、そのまま何の処理も行われないが、同スイッチが押された場合は、全フラグがクリアされる(ステップS1602)。 【0111】 【考案の効果】 本考案によれば、演奏者が例えば自動演奏される伴奏パートに合わせてメロディパートを演奏する場合、そのメロディパートの演奏を開始する前に、演奏される楽曲のテンポを示す所定数のカウント音が発音されると共に、そのメロディパートと伴奏パートの前奏の部分に当たる楽音が、同時に自動演奏される。 【0112】 この場合のカウント音の数と、前奏の部分の楽音の拍数は、演奏者が演奏を開始する音符の位置、例えば小節の何拍目にあるか、に応じて決められる。 このため、演奏者は、自動演奏される伴奏パートにタイミングを正しく合わせて、メロディパートの演奏を始めることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本考案による実施例の外観図である。 【図2】 本実施例の全体構成図である。 【図3】 自動演奏データの構成図である。 【図4】 メイン動作フローチャートである。 【図5】 タイマーインタラプトルーチン1の動作フローチャートである。 【図6】 音源処理の動作フローチャートである。 【図7】 イニシャル処理の一部の動作を表す動作フローチャートである。 【図8】 機能キー処理の一部の動作を表す動作フローチャートである。 【図9】 曲のスタートポイントとフレーズのスタートポイント及び各拍の頭との相対位置を示す図である。 【図10】 スタートアドレスに対応する拍を抽出する動作に関する動作フローチャートである。 【図11】 前奏処理に関する動作フローチャートである。 【図12】 レッスンスイッチ処理に関する動作フローチャート(その1)である。 【図13】 レッスンスイッチ処理に関する動作フローチャート(その2)である。 【図14】 レッスンスイッチ処理に関する動作フローチャート(その3)である。 【図15】 デモスイッチの操作時の動作に関する動作フローチャートである。 【図16】 ストップスイッチの操作時の動作に関する動作フローチャートである。 【図17】 タイマーインタラプトルーチン2の動作フローチャートである。 【符号の説明】 101 鍵盤 102 デモスイッチ 103 レッスンスイッチ 104 フレーズスイッチ 105 ストップスイッチ 201 スイッチ部 202 マイクロコンピュータ 203 ROM 204 RAM 205 第1ラッチ 206 第2ラッチ 207 D/A変換器 208 自動演奏メモリ 209 ローパスフィルタ(LPF) 210 アンプ 211 スピーカー |
訂正の要旨 |
(1) 特許第2604185号の明細書中の実用新案登録請求の範囲の請求項1-3において、もとの請求項1を削除し、以下項数を繰り上げ「1、2」と訂正する 【請求項】 同時に演奏される複数パートの楽音から構成された楽曲の所定区間を自動演奏する自動演奏手印と、 前記自動演奏手段が自動演奏する楽曲の所定区間の直前の区間に楽曲のデータが存在するか否か検出する検出手段と、 前記検出手段により楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定反間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音声発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音する実行手段と、 を有することを特徴とする自動演奏装置。 【請求項2】 同時に演奏される複数パートの楽音から構成された楽曲の所定区間を自動演奏する自動演奏手段と、 前記自動演奏手段が自動演奏する楽曲の所定反間の直前の区間に楽曲のデータが存在するか否か検出する検出手段と、 前記検出手段により、楽曲の所定区間の直前の区間全域に楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により、楽曲の所定区間の直前の区間の一部に楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音し、その後に該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏序開始する場合に、該所定反間の演奏に先守って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音する実行手段と、 を有することを特徴とする自動演奏装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合を図るため、明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書段落番号0007の記載,段落番号0008の記載を下記のとおり訂正する。 【0007】 次に、自動演奏手段が自動演奏する楽曲の所定区間の直前の区間に楽曲のデータが存在するか否か検出する検出手段を有する。同手段は、例えば自動演奏される楽曲の所定区間の直前の小節内に楽曲データが存在するか否かを検出する手段である。 【0008】 次に、前記検出手段により楽曲データが存在することを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定反間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音を発音するとともに、該所定区間の直前の区間の自動演奏を実行し、前記検出手段により楽曲データが存在しないことを検出したときは、前記自動演奏手段が前記楽曲の所定区間の先頭から自動演奏を開始する場合に、該所定区間の演奏に先立って、前記自動演奏のテンポを示すカウント音のみを発音する実行手段を有する。同手段は、例えば演奏者が、自動演奏される伴奏パートに合わせてメロディパートを演奏する場合に、メロディパートの演奏を開始するタイミングを、演奏者に教えるために、楽曲の所定区間の伴奏パートが自動演奏される前に、自動演奏のテンポを示す、例えば拍毎に発音されるカウント音を、自動演奏される所定区間毎の楽曲の最初の音が、例えば小節の何拍目に対応するかに応じた数だけ発音するものであり、さらに、前記所定区間の直前の区間に楽曲データが存在する場合のみ、当該カウント音に加えて前記所定区間の直前の区間の自動演奏をも実行する手段である。 |
異議決定日 | 2001-03-26 |
出願番号 | 実願平5-47342 |
審決分類 |
U
1
652・
121-
XA
(G10H)
U 1 652・ 113- XA (G10H) |
最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 千葉 輝久 |
特許庁審判長 |
谷川 洋 |
特許庁審判官 |
小林 秀美 石川 伸一 |
登録日 | 2000-02-18 |
登録番号 | 実用新案登録第2604185号(U2604185) |
権利者 |
カシオ計算機株式会社 東京都渋谷区本町1丁目6番2号 |
考案の名称 | 自動演奏装置 |