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審決分類 審判 全部申し立て   F16B
審判 全部申し立て   F16B
審判 全部申し立て   F16B
管理番号 1043374
異議申立番号 異議2000-71768  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-25 
確定日 2001-06-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2600959号「車体内装部品のクリップ取付座」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2600959号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
実用新案登録第2600959号の請求項1に係る考案についての出願は、平成5年4月20日に実用新案登録出願され、平成11年9月3日に実用新案権の設定登録がなされたところ、その実用新案登録について、異議申立人・森山泰行(以下、「申立人」という。)により実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知(平成12年7月31日)がなされ、その指定期間内である平成12年10月10日に訂正請求がなされた後、取消理由通知(平成13年3月21日)がなされ、その指定期間内である平成13年3月30日に訂正請求がなされると同時に平成12年10月10日付け訂正請求の取下がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断

(1)訂正の内容
平成13年3月30日付けの訂正請求の内容は以下のとおりである。
ア.訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1を、「車体パネルに対接固定される内装部品のクリップを装備するものとして内装部品のパネル面に設けられるクリップ取付座であって、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部材の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設されていることを特徴とする車体内装部品のクリップ取付座。」と訂正する。
イ.訂正事項b
実用新案登録明細書【0003】段落の欄に記載の「図4」の「4」を「3」と訂正する。
ウ.訂正事項c
実用新案登録明細書【0009】段落を、
「本考案に係る車体内装部品のクリップ取付座においては、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設することにより構成されている。」と訂正する。
エ.訂正事項d
実用新案登録明細書【0013】段落を、
「そのクリップ取付座によりドアライニングが対接固定された車体の外部より衝撃力が加わると、クリップ着座部11が片脚部12と橋絡辺部13とで陥没方向に撓み変位し、更には片脚部12とドアライニングのフランジ部とから破断される。このため、車体パネルに加わる衝撃力を吸収しまたは緩和できるから、ドアライニングには荷重が集中するのを避けられ、ドアライニングが車内側に極度に撓み出すのを防ぐことができる。」と訂正する。
オ.訂正事項e
実用新案登録明細書【0014】段落を、
「そのクリップ取付座は、鍵穴状のクリップ取付穴10が設けられたクリップ着座部11と、このクリップ着座部11の片側からドアライニングの基板面に向けて拡がり傾斜する片脚部12と、クリップ着座部11の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部11と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部13とを備えて一体に形成されている。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
ア. 上記訂正事項aに関連する記載として、本件実用新案登録明細書の考案の詳細な説明には、「クリップ着座部11の他部からほぼ平行した側方に延材する橋絡辺部13」(【0014】段落)、「そのクリップ取付座は、各部11、12、13が板状部として一体成形されている」(【0012】段落)と記載されていることから、「クリップ着座部と、」「片脚部と、」「クリップ着座部」「とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成」することは、実用新案登録明細書に記載されているものと認める。また、クリップ着座部が「平らなクリップ保持面」を有することも、図1から明らかである。
そうすると、上記訂正事項aは、実用新案登録明細書に記載された事項の範囲内において、(i)橋絡辺部がクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐものであり、(ii)クリップ取付座が一体に形成されている、という構成に限定し、また、橋絡辺部がクリップ着座部の「平らなクリップ保持面」と平行であることを明確にしたものである。従って、上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ.上記訂正事項bは、図番の誤りを訂正するためのものであり、誤記の訂正を目的とするものである。
ウ.上記訂正事項cは、上記訂正事項aに係る訂正後の実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載と考案の詳細な説明の記載とを整合せしめるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
エ.上記訂正事項dは、「クリップ」との記載を「クリップ取付座」と明瞭に記載すると共に、符号の誤りを訂正するためのものであり、明りょうでない記載の釈明及び誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
オ.上記訂正事項eは、上記訂正事項aに係る訂正後の請求項1の記載と整合せしめるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正の適否についての結び
以上のとおりであるから、上記各訂正(以下、「本件訂正」という。)は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、本件訂正を認める。

3.実用新案登録異議申立てについて

(1)実用新案登録異議申立ての概要
申立人は、次のa.及びb.の取消理由があることを主張している。

a.実用新案登録明細書に記載された請求項1(以下、「訂正前の請求項1」という)に係る考案についての実用新案登録出願は、実用新案登録異議申立書第3頁第22行?第4頁14行に記載されている理由(まる1?まる5)により、実用新案法第5条第4項乃至6項に違反している。(以下、「取消理由1」という。)

b.訂正前の請求項1に係る考案は、下記甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項に違反する。(以下、「取消理由2」という。)

甲第1号証:特開昭61-68230号公報
甲第2号証:発明協会公開技報92-20655号
(2)取消理由1について
ア.申立人は、訂正前の請求項1における「橋絡」の意味が、反対側の支持構成が記載されていないため、不明である旨主張している(まる1)。しかし、前述のとおり訂正事項a,c及びeが認められたことにより、「橋絡」の意味は明りょうになったものと認める。
イ.申立人は、訂正前の請求項1における「クリップ着座部とほぼ平行した側方に延在する」という記載において、「クリップ着座部」がいかなる構成か限定されていないため、「クリップ着座部とほぼ平行」の意味が不明である旨主張している(まる2)。しかし、前述のとおり訂正事項a,c及びeが認められたことにより、「クリップ着座部とほぼ平行」の意味は明瞭になったものと認める。
ウ.申立人は、訂正前の請求項1における「橋絡辺部」について、その橋絡された方向と直行する方向の構造が不明なので、作用効果を奏しない態様を含んでいると主張している(まる3)。しかし、上記ア.のように「橋絡」の意味が明りょうとなり、また前述のように訂正事項dが認められたことにより、直行方向の構造についても明りょう化したものと認める。
エ.申立人は、訂正前の請求項1に係る考案は、どの構成により衝撃力を緩和乃至は吸収できるのかが不明である旨主張している(まる4)。しかし、前述のとおり訂正事項a,c,d及びeが認められたことにより、かかる点は明りょうになったものと認める。
オ.申立人は、訂正前の【0013】段落には、図面に記載されていない符号が用いられている旨主張している(まる5)が、前述のとおり訂正事項dが認められたことにより、明りょうになったものと認める。
以上により、訂正後の請求項1及び考案の詳細な説明の記載は、実用新案法第5条第4項乃至6項に違反するものではない。

(3)取消理由2について
ア.本件の請求項1に係る考案
上記2.で示したように本件訂正が認められるから、訂正後の本件の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、本件訂正に係る訂正明細書(以下、「本件登録明細書」という。)の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「車体パネルに対接固定される内装部品のクリップを装備するものとして内装部品のパネル面に設けられるクリップ取付座であって、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部材の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設されていることを特徴とする車体内装部品のクリップ取付座。」

イ.刊行物等
刊行物1(甲第1号証);特開昭61-68230号公報
刊行物2(甲第2号証);発明協会公開技報92-20655号

上記刊行物1記載の考案を認定するに、まず、刊行物1記載の「台形状の樹脂ブラケット凸部5」は、クリップ用の装着固定孔7が穿設された部分(「着座部」と称する。)と、取付部6に向けて傾斜する断面ハ字状の部分(「脚部」と称する。)とによって構成されているものと認められる。
よって、上記刊行物1には、その明細書の記載事項及び図面の記載からみて、「自動車のパネル(車体パネル;以下、括弧内の記載は本件考案の対応する構成を示す。)に対接固定される内装品1(内装部品)のクリップを装備するものとして内装品1(内装部品)の裏面2a(パネル面)に設けられる樹脂ブラケット3(クリップ取付座)であって、クリップを立付け保持する着座部(クリップ着座部)と、その着座部(クリップ着座部)から内装品1(内装部品)の裏面2a(パネル面)に向けて拡がり傾斜する2つの脚部を持って一体成形され、内装品1(内装部品)の裏面2a(パネル面)に突設されている自動車用内装品1(車体内装部品)の樹脂ブラケット3(クリップ取付座)。」が記載されているものと認められる。
また、上記刊行物2には、そのFig3及びそれに関連する説明の記載からみて、「固着手段たるボルトを取り付ける着座部に対しほぼ垂直な平面に当該着座部を支持するための脚部の形状として、当該着座部の平らな固着手段保持面とほぼ平行した側方に伸びて当該着座部と垂直な平面とを繋ぐ形状のもの」が記載されている。

ウ.対比・判断
本件考案と刊行物1記載の考案とを対比すると、両者は以下のとおりの一致点及び相違点があるものと認められる。
[一致点]
車体パネルに対接固定される内装部品のクリップを装備するものとして内装部品のパネル面に設けられるクリップ取付座であって、少なくともクリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する脚部を持って一体成形され、内装部品のパネル面に突設されている車体内装部品のクリップ取付座。
[相違点]
クリップ着座部が、本件考案では、(i)片脚部と、(ii)クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部、とによって着座部がパネル面に突設されているのに対し、刊行物1記載の考案では、2つの対称な脚部によりパネル面に突設されている点。

そこで、上記相違点について検討する。本件考案は、(i)片脚部と、(ii)保持面とほぼ平行した側方に伸びて内装部品の立ち上がり面と繋ぐ橋絡辺部、とによって着座部をパネル面に突設することにより、本件登録明細書の【0010】段落及び【0017】段落に記載された「所定値以上の衝撃力が加わると、クリップ着座部が拡がり傾斜する脚部で陥没方向に容易に撓み変位し、更には脚部,橋絡辺部で破断するところから衝撃力を緩和乃至は吸収することができる」という顕著な作用効果を奏するものと認められる。
一方、刊行物1記載の考案は、2つの対称な脚部によってクリップ着座部を裏面2a(パネル面)に突設している。このような構成では、特に本件考案が課題としている横方向衝撃力が加わった場合、対称な脚部が互いに突張り合うので、全体が陥没方向に撓み変位し難く、従って衝撃力を緩和乃至は吸収することは困難であると認められる。
また、刊行物2記載の考案については、本件考案のクリップ取付座が撓み変形し更には破断するように構成されているのとは逆に、「ガーニッシュの破損を防止する」ことを目的とするものである。また、本件考案の(i)「片脚部」に相当するものを有していないことから、陥没方向に撓み変形し難く、衝撃力を緩和乃至は吸収することは困難である。
そして、かかる刊行物2記載の考案を刊行物1記載の考案に適用しても、本件考案のように、(i)片脚部と、(ii)保持面とほぼ平行した側方に伸びて内装部品の立ち上がり面と繋ぐ橋絡辺部、とによって着座部を支持することによって、所定値以上の衝撃力が加わると、クリップ着座部が拡がり傾斜する脚部で陥没方向に容易に撓み変位し、更には脚部,橋絡辺部で破断するところから衝撃力を緩和乃至は吸収することは、当業者といえどもきわめて容易に想到し得ることではない。
よって、本件考案は上記刊行物1及び2に記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。

(4)実用新案登録異議申立てについての結び
以上により、実用新案登録異議の取消理由1及び2並びに証拠によっては、本件考案に係る実用新案登録を取り消すことができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、訂正が認められた本件の請求項1に係る実用新案登録を取り消すことができない。
また、他に本件の請求項1に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件の請求項1についての実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
車体内装部品のクリップ取付座
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 車体パネルに対接固定される内装部品のクリップを装備するものとして内装部品のパネル面に設けられるクリップ取付座であって、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設されていることを特徴とする車体内装部品のクリップ取付座。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車体パネルに対接固定される内装部品のクリップを装備するのに内装部品のパネル面に設けられるクリップ取付座の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図2で示すドアライニングやリアコーナートリム等の内装部品Rにおいてはクリップをパネル面に複数個備え、この各クリップを車体パネルの止め穴に圧入嵌着することにより車体パネルに対接固定することが行なわれている。
【0003】
そのクリップは、図3で示すようにクリップ取付座Hを内装部品Rと一体に樹脂成形し或いは別体ものを取り付けて内装部品のパネル面に設け、このクリップ取付座Hから車体パネルの止め穴に圧入嵌着される先端側を突出させて立付け装備されている。
【0004】
従来、そのクリップ取付座Hは、図4で示すようにクリップ2の係合片2aを穴縁に嵌込み係止することによりクリップ2を立付け保持する鍵穴状の取付穴1aが設けられたクリップ着座部1bと、このクリップ着座部1bと内装部品Rのパネル面との間にクリップ2の基部側2bを収容する空間を隔てる直立状の側壁部1cとから形成されている。
【0005】
そのクリップ取付座Hは、側壁部1cがリブ的な補強機能を発揮することにより剛性を有するため、クリップ2を確実に取付け固定できる。然し、衝撃力が車体の側方より加わった場合、衝撃力をそのまま乗員に及ぼすおそれがあることから乗員を保護する観点よりすると好ましくない。
【0006】
その衝撃力を緩和するべく、所定値以上の衝撃力で破断するV溝状の薄肉部や切欠窓状の肉抜き部等を剛性脆弱部としてクリップ取付座の側壁部に設けたものが知られている。
【0007】
そのクリップ取付座によれば、所定値以上の衝撃が加わると、側壁部が剛性脆弱部で破断することにより衝撃力を緩和することができる。然し、内装部品を製品として運搬する際或いはクリップを圧入嵌着する際等に加わる外力によっても簡単に破断し易いところから、製品並びにクリップ取付座自体の取扱いを慎重に行なわねばならない。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、通常の機械的強度を保つよう形成しても、車体に加わる衝撃力を緩和乃至は吸収できるよう改良した車体内装部品のクリップ取付座を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る車体内装部品のクリップ取付座においては、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設することにより構成されている。
【0010】
【作用】
本考案に係る車体内装部品のクリップ取付座では、内装部品のフランジ部寄りで一般のパネル面とフランジ部の立上り面との間に設けるものに適し、各部を所定厚みを有する板状部から各部を形成することにより通常の機械的強度を保っても、所定値以上の衝撃力が加わると、クリップ着座部が拡がり傾斜する脚部で陥没方向に容易に撓み変位し、更には脚部,橋絡辺部で破断するところから衝撃力を緩和乃至は吸収することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図1を参照して説明すれば、図示実施例は自動車用のドアライニングに設けられるクリップ取付座を示す。そのクリップ取付座はドアライニングと別体に形成することによりドアライニング基板に取付け固定し、またはポリプロピレン樹脂等からインジェクション成形されるドアライニング基板と一体に形成することができる。
【0012】
そのクリップ取付座は、アンカー形状等のクリップを基部寄りの係合片でクリップ取付穴10に嵌込み係止すると共に、このクリップを車体パネルの止め穴に差込み嵌着することによりドアライニングを車体パネルの内側に対接固定するよう用いられる。そのクリップ取付座は、各部11、12、13が板状部として一体成形されているから、通常の機械的強度を保って形成されている。
【0013】
そのクリップ取付座により、ドアライニングが対接固定された車体の外部より衝撃力が加わると、クリップ着座部11が片脚部12と共に橋絡辺部13とで陥没方向に撓み変位し、更には片脚部12とドアライニングのフランジ部とから破断される。このため、そのクリップ取付座では車体パネルに加わる衝撃力を吸収しまたは緩和できるから、ドアライニングには荷重が集中するのを避けられることによりドアライニングが車内側に極度に撓み出すのを防ぐことができる。
【0014】
そのクリップ取付座は、鍵穴状のクリップ取付穴10が設けられたクリップ着座部11と、このクリップ着座部11の片側からドアライニングの基板面に向けて拡がり傾斜する片脚部12と、クリップ着座部11の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部11と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部13とを備えて一体に形成されている。
【0015】
そのクリップ取付座は、片脚部12をドアライニングの一般面となる基板面と一体に、また、橋絡辺部13をドアライニングの一般面から立上がるフランジ部と一体に形成することによりドアライニングのフランジ部寄りに備え付けられている。このクリップ取付座においては、クリップ着座部11と所定の間隔を隔てて受け台部14を片脚部12から橋絡辺部13に連続するよう設け、また、その受け台部14の板面にはクリップの基部を受け止める支え桟部15を設けるようにできる。
【0016】
上述したクリップをクリップ着座部11と受け台部14とで強固に挟込み固定するべく受け台部14並びに支え桟部15を設けたが、この受け台部14並びに支え桟部15を省略すれば脚部12をより撓み変形し易くすることができる。このクリップ取付座でも全体が一定厚みの板状部で形成されているから、通常の機械的強度は保たれる。
【0017】
【考案の効果】
以上の如く、本考案に係る車体内装部品のクリップ取付座に依れば、全体が一定厚みの板状部で形成されているから通常の機械的強度を保つと共に、衝撃力が車体に加わったときにはクリップ着座部が少なくとも拡がり傾斜する脚部で陥没方向に撓み変位し、更には破断されることにより衝撃力を緩和乃至は吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案に係る車体内装部品のクリップ取付座を示す斜視図である。
【図2】
車体内装部品の一般例としてドアライニングを示す斜視図である。
【図3】
同車体内装部品を部分背面で示す斜視図である。
【図4】
従来例の一例に係る車体内装部品のクリップ取付座を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 クリップ着座部
12 拡がり傾斜する脚部
13 橋絡辺部
訂正の要旨 訂正の要旨
ア.実用新案登録第2600959号の明細書中の実用新案登録請求の範囲の請求項1を、実用新案登録請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として、
「車体パネルに対接固定される内装部品のクリップを装備するものとして内装部品のパネル面に設けられるクリップ取付座であって、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクルップ着座部と内装部材の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設されていることを特徴とする車体内装部品のクリップ取付座。」と訂正する。
イ.実用新案登録第2600959号の明細書中の【0003】段落の欄に記載の「図4」を、誤記の訂正を目的として、「図3」と訂正する。
ウ.実用新案登録第2600959号の明細書中の【0009】段落を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「本考案に係る車体内装部品のクリップ取付座においては、クリップを立付け保持するクリップ着座部と、そのクリップ着座部から内装部品のパネル面に向けて拡がり傾斜する片脚部と、該クリップ着座部の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部とから一体に形成されて内装部品のパネル面に突設することにより構成されている。」と訂正する。
エ.実用新案登録第2600959号の明細書中の【0013】段落を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「そのクリップ取付座によりドアライニングが対接固定された車体の外部より衝撃力が加わると、クリップ着座部11が片脚部12と橋絡辺部13とで陥没方向に撓み変位し、更には片脚部12とドアライニングのフランジ部とから破断される。このため、車体パネルに加わる衝撃力を吸収しまたは緩和できるから、ドアライニングには荷重が集中するのを避けられ、ドアライニングが車内側に極度に撓み出すのを防ぐことができる。」と訂正する。
オ.実用新案登録第2600959号の明細書中の【0014】段落を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「そのクリップ取付座は、鍵穴状のクリップ取付穴10が設けられたクリップ着座部11と、このクリップ着座部11の片側からドアライニングの基板面に向けて拡がり傾斜する片脚部12と、クリップ着座部11の平らなクリップ保持面とほぼ平行した側方に伸びてクリップ着座部11と内装部品の立上り面とを繋ぐ橋絡辺部13とを備えて一体に形成されている。」と訂正する。
異議決定日 2001-05-31 
出願番号 実願平5-25872 
審決分類 U 1 651・ 531- YA (F16B)
U 1 651・ 532- YA (F16B)
U 1 651・ 121- YA (F16B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤井 俊明  
特許庁審判長 酒井 進
特許庁審判官 秋月 均
長屋 陽二郎
登録日 1999-09-03 
登録番号 実用新案登録第2600959号(U2600959) 
権利者 テイ・エス テック株式会社
埼玉県朝霞市栄町3丁目7番27号
考案の名称 車体内装部品のクリップ取付座  
代理人 竹下 和夫  
代理人 竹下 和夫  
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