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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない E04F
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない E04F
管理番号 1045169
審判番号 審判1999-39078  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-10-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 1999-10-04 
確定日 2001-07-30 
事件の表示 実用新案登録第2145904号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.経緯
登録第2145904号実用新案は、昭和62年5月30日に出願され、平成5年10月4日に出願公告され、平成8年12月10日に登録されたものであって、平成9年2月28日に未来工業株式会社より無効審判の請求があり、特許庁において平成9年審判第3325号事件として審理され、平成9年12月2日に「本件審判の請求は成り立たない。」との審決があったが、請求人はこれを不服として出訴し、東京高等裁判所において平成10年(行ケ)第1号事件として審理され、平成11年9月22日に「特許庁が、平成9年審判第3325号事件について、平成9年12月2日にした審決を取り消す。」旨の判決言い渡しがあり、当該判決は確定した。
本件訂正審判請求は、平成11年10月4日付けで、登録第2145904号実用新案の明細書を訂正明細書のとおり訂正することを求めたものであり、当審において平成12年3月13日付で訂正拒絶理由通知がだされ、平成12年5月29日付で意見書とともに訂正審判請求書及び訂正明細書を補正する手続補正書がだされた。

2.訂正拒絶理由通知の内容
平成12年3月13日付の訂正拒絶理由通知の内容は下記のとおりである。

1.本件訂正考案
(1)経緯(省略)
(2)訂正の内容
本件訂正審判請求により訂正しようとする内容は特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的として、次のように訂正するものである(請求人は、訂正の目的として、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする旨記載しているが、訂正の内容は、実用新案登録請求の範囲の訂正と、それに伴う考案の詳細な説明の欄の課題を解決するための手段の訂正であることから、明瞭でない記載の釈明をも目的としているものと考えられる)。
(2-1)実用新案登録請求の範囲を、
「(1)所定の間隔を置いて配置した中空で底面が開放している複数個の配線溝形成用方形ブロックの側面下端部相互を、可撓性がありかつ上記ブロックの厚さより薄い薄肉連結部で連結することにより、隣合うブロックとブロックの間に薄肉連結部を底とする直交配線溝を形成し、その直交配線溝の上面開口をカバー板で覆ってパネルの上面を平らに構成した配線用フロアパネル。」と訂正する。
(2-2)課題を解決するための手段を、
「本考案の配線用フロアパネルは、所定の間隔を置いて配置した中空で底面が開放している複数個の配線溝形成用方形ブロックの側面下端部相互を、可撓性がありかつ上記ブロックの厚さより薄い薄肉連結部で連結することにより、隣合うブロックとブロックの間に薄肉連結部を底とする直交配線溝を形成し、その直交配線溝の上面開口をカバー板で覆ってパネルの上面を平らに構成したことを特徴とする。」と訂正する。
(3)本件訂正考案の認定
本件訂正審判請求により訂正しようとする実用新案登録請求の範囲は上記のとおりであり、本件訂正考案は、その実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりのものと認められる。
なお、「ブロックの厚さ」は、「ブロックの底面(下面)から配線用フロアパネルの表面を形成するブロックの上面までの比較的厚みのある寸法を意味する」ものであることは、上記判決において認定するところである。
2.本件訂正考案の独立実用新案登録要件について
(1)本件訂正考案は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものであることから、平成6年改正の実用新案法附則第10条第1項で従前の例とされ、平成5年改正の実用新案法附則第4条第1項でなおその効力を有するとされる改正前の旧実用新案法第39条第3項に規定する要件(いわゆる独立実用新案登録要件)を満たすことを要するのでまずこの点について検討する。
(2)本件訂正考案の出願前に公知となっている刊行物の記載事項の認定
本件考案の出願前に公知となっている次の刊行物には、以下の事項が記載されていると認められる。
(2-1)刊行物1:特開昭62-107161号公報
刊行物1には、配線用フロアパネルに関する発明が記載されており、明細書には、「ボードの上面に深溝通路と浅溝通路とを形成し、上記深溝及び浅溝通路の上部に着脱自在のカバーを取り付けたことを特徴とする配線用フロアパネル。」(昭和60年12月2日付手続補正書による補正前の特許請求の範囲1項、1頁左下欄5?8行)が記載され、その発明の詳細な説明には「第1図は本発明配線用フロアパネルの一例を示す斜視図、第2図は第1図パネルのカバーを除去した斜視図、第3図は第2図b-b矢視断面図である。図中1はボードで、アルミダイキャスト、・・・強化プラスチック板等或はそれらの任意組合せ板から成る。2は深溝の通路、3は浅溝の通路で、ボード1の上面に交差させて形成する。その通路2・3の深さ及び幅は、所要配線を収容し得る寸法であれば適宜である。4は深溝通路2の又5は浅溝通路3の上部に取付く横断面コ字形のカバーで、通路2・3に嵌着又はビス止め等により着脱自在とし、材質はプラスチック製・鋼板製等適宜であり、またその形状も任意である。」(2頁右上欄13行?左下欄8行)との記載があるところ、これらの記載に図面第1?第3図を併せ考えると、刊行物1には、アルミニウムによるダイカストあるいは合成樹脂等からなるボード1に、縦横に交差させて深溝通路2及び浅溝通路3を形成し、該深溝通路2及び浅溝通路3の上部に着脱自在のカバー4、5を取り付けて上面を平らにした配線用フロアパネルが記載され、その縦横に交差させた深溝通路2及び浅溝通路3は、その厚さが該縦横の各深溝通路2及び浅溝通路3で囲まれた部分より薄く、かつ、複数の所定の間隔を置いて隣り合う当該囲まれた部分の側面下端部相互を連結しているものといえる。
(2-2)刊行物2:特開昭61-158558号公報
刊行物2には、フリーアクセスフロア用パネルに関する発明が記載されており、明細書及び図面の記載から、フロア下にエアコンの送排水の配管や機器のケーブルが配置される二重床板のフリーアクセスフロアにおいて、中空で底面が開放された軽合金ダイカスト製の方形ブロック状のフリーアクセスフロア用パネルが記載されていると認められる。
(2-3)刊行物3:実願昭54-155632号(実開昭56-71839号)のマイクロフィルム
床内装材に関する考案が記載されており、その明細書には、「基礎床面の上に整列して張詰められる方形パネル状の床材であって、縦横に交差する複数本のピットを上面に形成したピット付床材と、前記ピット付床材のピット部へ蓋状に嵌合して全体を平坦な床面に形成する蓋板とから成る床内装材。」(実用新案登録請求の範囲)、「本考案の床材1・・のピット11を配線用溝として使用する。施工に当って床材1は、第2図に示すように、例えばコンクリート床等のような基礎床4の上へ密着整列して張詰められ・・床面全体にわたって碁盤目のような配線溝が形成される。」(明細書2頁7?16行)、「床材1がリノリウムやゴム等のように弾性材の場合には、第4図のように床材1自体の表面を床面材として使用し、蓋材2だけを部分的に弾性嵌合(例えば、蟻溝嵌合)させて平坦面を形成させるようにしてもよい。」(同3頁16?20行)と記載されており、図面を参酌すると、縦横に交差する複数本のピットを上面に形成したピット付床材が記載されており、このピットは配線用溝として使用され、床材をリノリウムやゴム等のような弾性材で形成した場合、床材自体に弾性があり、ピットが設けられた薄肉部においても弾性を有することは明らかであるから、その場合、この薄肉部は可撓性を有するといえる。
(3)検討
(3-1)本件訂正考案と刊行物1に記載されたものとを比較すると、刊行物1に記載されたものの深溝通路2及び浅溝通路3は本件訂正考案の薄肉連結部を底とする直交配線溝に、カバー4、5は本件訂正考案のカバー板にそれぞれ相当し、また、ボード1のうち縦横の深溝通路2及び浅溝通路3で囲まれた部分は本件訂正考案の方形ブロックに相当する(但し、中実であって、中空で底面が開放してはいない。)ものと認められるから、刊行物1に記載されたものと本件訂正考案とは、「所定の間隔を置いて配置した複数個の配線溝形成用方形ブロックの側面下端部相互を、上記ブロックの厚さより薄い薄肉連結部で連結することにより、隣合うブロックとブロックの間に薄肉連結部を底とする直交配線溝を形成し、その直交配線溝の上面開口をカバー板で覆ってパネルの上面を平らに構成した配線用フロアパネル。」において一致し、次の点で相違していると認められる。
(ア)相違点1:本件訂正考案の方形ブロックが中空で底面が開放しているのに対し、刊行物1に記載されたものの方形ブロックが中実である点、
(イ)相違点2:本件訂正考案の薄肉連結部は可撓性があるのに対し、刊行物1に記載されたものは、可撓性があるのかどうか不明である点。
(3-2)以下、上記相違点について検討する。
(ア)相違点1について
刊行物2には、上記2、(2)、(2-2)に記載したように、フロア下にエアコンの送排水の配管や機器のケーブルが配置される二重床板のフリーアクセスフロアにおいて、中空で底面が開放された軽合金ダイカスト製の方形ブロック状のフリーアクセスフロア用パネルが記載されていると認められ、本件訂正考案の相違点1に係る構成は刊行物2に記載されているといえる。そして、刊行物1に記載されたものも刊行物2に記載されたものも共に二重床の配線用フロアパネルの技術分野に属するものであるから、刊行物2に記載された上記相違点1に係る構成を刊行物1に記載された方形ブロックに適用して本件訂正考案1のように構成することは当業者がきわめて容易に想到できたことと認められる。
また、刊行物2に記載された中空で底面が開放された軽合金ダイカスト製の方形ブロックは、「軽くて搬入および施工時等における取扱いが容易である」という本件訂正考案と同じ作用効果を奏するものと認められる。
(イ)相違点2について
刊行物3には、上記2、(2)、(2-3)に記載したように、縦横に交差する複数本のピットを上面に形成したピット付床材が、リノリウムやゴム等のような弾性材で形成されたものが記載されており、ピットが設けられた薄肉部は可撓性を有するといえ、この薄肉部は、本件訂正考案の薄肉連連結部に相当するものであることから、本件訂正考案の相違点2に係る構成は刊行物3に記載されているといえる。
そして、刊行物1に記載されたものも刊行物3に記載されたものも共に二重床の配線用フロアパネルの技術分野に属するものであるから、刊行物3に記載された上記相違点2に係る構成を刊行物1に記載された方形ブロックの連結部に適用して本件訂正考案1のように構成することは当業者がきわめて容易に想到できたことと認められる。
また、刊行物3に記載された床材1はコンクリート床の上に張り詰められるものであり、可撓性を有する薄肉連結部は、「床がコンクリートの打ち放しなどで多少不陸の状態(凹凸)であってもその不陸を吸収して床面に良く倣い、フロアパネルを床に密着させることができ体裁よく仕上がる」という本件訂正考案と同じ作用効果を奏するものと認められる。
(3-3)したがって、本件訂正考案は、上記記載の刊行物1ないし3に記載されたものから当業者がきわめて容易に考案できたものと認められ、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
3.まとめ
以上のように、本件訂正考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものであり、旧実用新案法第39条第3項の規定に適合しないので、本件訂正審判請求による訂正は適法な訂正とは認められない。

3.手続補正書の補正の内容の検討
(1) 平成12年5月29日付手続補正書において、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲を次のように補正することを補正事項の一部としている。
「(1)所定の間隔を置いて配置した中空で底面が開放している複数個の配線溝形成用方形ブロックの側面下端部相互を、可撓性がありかつ上記ブロックの厚さより薄い薄肉連結部で連結することにより、隣合うブロックとブロックの間に薄肉連結部を底とする直交配線溝を形成し、その直交配線溝の上面開口をカバー板で覆ってパネルの上面を平らに構成した配線用フロアパネル。」(以下、本件訂正考案という。)を、
「(1)所定の間隔を置いて配置した中空で底面が開放している開放底面を有する複数個の配線溝形成用方形ブロックの側面下端部相互を、可撓性がありかつ上記ブロックの厚さより薄い薄肉連結部で連結することにより、隣合うブロックとブロックの間に薄肉連結部を底とする直交配線溝を形成し、その直交配線溝の上面開口をカバー板で覆ってパネルの上面を平らにし、パネル敷設時に前記開放底面と前記薄肉連結部とによって床に対してパネルの密着性を高める構成としたことを特徴とする配線用フロアパネル。」
と補正する。
(2)しかしながら、上記のように実用新案登録請求の範囲を補正することは、訂正審判請求書における訂正事項の削除や軽微な瑕疵の補正にとどまらず、実用新案登録請求の範囲の訂正事項を変更するものであり、請求書の要旨を変更するものである。
したがって、実用新案登録請求の範囲の当該補正を含む平成12年5月29日付手続補正書は、訂正審判請求書の要旨を変更するものであって、平成5年法律第26号附則第4条第2項で読み替えられる旧実用新案法第41条で準用する特許法第131条第2項の規定により適法なものとは認められない。

4.訂正拒絶理由通知の適正性について
(1)上記3に記載したように平成12年5月29日付手続補正書は、適法なものとは認められないことから、本件訂正審判請求により訂正しようとする実用新案登録請求の範囲は、平成11年10月4日付け訂正審判請求書に添付された明細書の実用新案登録請求の範囲に記載されたとおり(本件訂正考案)と認められる。
(2)そして、本件訂正考案については、上記2に記載したように、当審において本件訂正考案の出願前に頒布された刊行物である刊行物1(特開昭62-107161号公報)、刊行物2(特開昭61-158558号公報)、刊行物3(実願昭54-155632号(実開昭56-71839号)のマイクロフィルム)を示し、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものであり、旧実用新案法第39条第3項の規定に適合しないので、本件訂正審判請求による訂正は適法な訂正とは認められない旨の訂正拒絶理由通知がだされており、当該訂正拒絶理由通知における判断は適正なものであるから、本件訂正審判請求による訂正は適法な訂正とは認められない。
(3)平成12年5月29日付の意見書において、審判請求人は、
(ア)本件訂正考案の直交配線溝は配線溝が同一平面で直交しているのに対し、刊行物1に記載された配線溝は深溝通路と浅溝通路の交差部において段差が生じており配線溝は直交しておらず、刊行物1に記載されたボードと本件訂正考案とは基本的技術思想が異なり、刊行物1に記載されたものは本件訂正考案の当該構成を排斥しており、また、刊行物1に記載されたボードが、床に対して密着性を高める構成については一切記載されていない旨、
(イ)相違点1に関して、刊行物2に記載されたものと本件訂正考案とでは目的が異なり、また、刊行物2に記載されたフロアが「中空で底面が開放している・・方形ブロック」であるか否か明らかでなく第2図の符号1は脚状であるか、または、フロアは別途配置する支持脚上に敷き詰めるものであり、さらに、刊行物2に記載されたフロアは配線溝形成用の方形ブロックではなく、床に対して密着性を高めるために床に敷設するものではなく、直交配線溝の上面開口をカバーで覆う本件訂正考案を積極的に排除しているから、刊行物2に記載された構成の一部を刊行物1に記載された考案に転用することは考えつかない旨、
(ウ)相違点2に関して、刊行物3に記載された床材は、床上に密着して整列されているとの記載はなく、また、刊行物1に記載されたボードの全体の材質を刊行物3に記載された弾性材とすることは予定されておらず、仮に弾性材を用いるとしても耐荷重性を確保することが要請され、刊行物2及び3に記載された事項を刊行物1に適用すればいずれもパネルの耐荷重性を弱めることになり、さらに、刊行物3に記載された弾性材を中空とすることは耐荷重性の観点からは全く予定されていない旨
主張する。
(4)しかしながら、上記(ア)については、刊行物1に記載された溝通路においても深溝通路同士または浅溝通路同士は同一平面で直交しているのであって、判決においても、一致点と認定しているところである。刊行物1に記載されたものは本件訂正考案の当該構成を排斥しているとする請求人の主張は採用できない。
次に(イ)については、刊行物2に記載されたフロアは中空で底面が開放したブロックであることは明らかであって、刊行物1に記載されたボードと刊行物2に記載されたフロアとはともに二重床の配線用フロアパネルの技術分野に属するものであるから、刊行物2に記載されたものを刊行物1に記載されたボードに適用することを困難とする理由はない。請求人は刊行物2に記載されたフロアは配線溝形成用の方形ブロックではない旨主張するが、訂正拒絶理由通知では、刊行物1に記載されたボードの個々のブロックを刊行物2に記載されたフロアと置換することに困難性はないとしており、この点に関する請求人の主張は採用できない。また、刊行物2に記載されたフロアは、床に対して密着性を高めるために床に敷設するものではない旨主張するが、刊行物2に記載されたフロアが床に直接敷設されるものかどうかは別として、刊行物1に記載されたボードの個々のブロックを刊行物2に記載されたフロアと置換すれば、底面が開放していることによって床の不陸を吸収し、密着性を高めることは明らかであり、この点に関する請求人の主張も採用できない。
次に(ウ)については、刊行物3に記載された床材は床上に密着して配設されることが排除されているとは考えられず、弾性材の床材を床上に密着して配設した場合には、本件訂正考案と同様に床の不陸を吸収することが期待できるものである。
また、請求人は、刊行物1に記載されたボードの全体の材質を刊行物3に記載された弾性材とすることは予定されていないと主張するが、本件訂正考案において、ブロックと薄肉連結部とが同じ材質で一体であるとの限定はないのであるから、薄肉連結部がブロックと別体である場合に、刊行物1に記載された溝通路が設けられた薄肉部(薄肉連結部に相当)を刊行物3に記載された可撓性を有するピット付床材のピットが設けられた薄肉部(薄肉連結部に相当する)と置換することは、両者がともに二重床の配線用フロアパネルの技術分野に属するものであるから、当業者がきわめて容易に想到できたことと考えられる。請求人の主張は、ブロックと薄肉連結部とが同じ材質で一体であることを前提とするものであって採用できない。
請求人はまた、刊行物2及び3に記載された事項を刊行物1に適用すればいずれもパネルの耐荷重性を弱めることになり、又、刊行物3に記載された弾性材を中空とすることは耐荷重性の観点からは全く予定されていない旨主張するが、本件訂正考案においてはブロックの材質等については何ら限定がなく、実用新案登録請求の範囲の記載に基づかない主張である。因みに、刊行物2に記載された中空のフロアであるブロックは実施例において軽合金のダイカスト製と記載されており、本件訂正考案の実施例においてブロックの材質としてアルミダイカストを例示していることから材質において同じであって、耐荷重性を弱めるものとは考えられないし、刊行物3に記載された床材が弾性材の床材であっても、そのことをもって直ちに床材としての機能を有さない程耐荷重性が弱くなるとは考えられない。また、刊行物3に記載された弾性材の床材を中空にして、刊行物1に記載されたボード全体に適用すれば、請求人の主張するようにフロアパネルの耐荷重性を弱めることも考えられるが、請求人の主張は、本件訂正考案においてブロックと薄肉連結部とが同じ材質で一体のものであることを前提とするものであって、本件訂正考案にはその旨の限定はないのであるから採用できない。

5.まとめ
以上のように、本件訂正考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものであり、旧実用新案法第39条第3項の規定に適合しないので、他の要件を検討するまでもなく、本件訂正審判請求による訂正は適法な訂正とは認められない。
審理終結日 2000-06-26 
結審通知日 2000-07-07 
審決日 2000-07-18 
出願番号 実願昭62-83834 
審決分類 U 1 41・ 856- Z (E04F)
U 1 41・ 121- Z (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠夫服部 秀男  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 幸長 保次郎
鈴木 公子
小野 忠悦
鈴木 憲子
登録日 1996-12-10 
登録番号 実用新案登録第2145904号(U2145904) 
考案の名称 配線用フロアパネル  
代理人 高橋 隆二  
代理人 菅 直人  
代理人 元井 成幸  
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