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審決分類 審判 全部申し立て   A63F
審判 全部申し立て   A63F
管理番号 1045190
異議申立番号 異議2000-70954  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-02-28 
確定日 2001-07-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2599647号「パチンコ機」の請求項1、2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2599647号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2599647号の請求項1、2に係る考案は、平成4年8月6日に実用新案登録出願され、平成11年7月16日にその設定登録がなされ、その後、早川智子及び菊池一夫より実用新案登録異議の申立てがなされ、平成12年7月11日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年9月25日に訂正請求がなされ、ついで、平成13年1月25日付けで再度の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年4月5日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
i.訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載を、
「スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするパチンコ機。」と訂正する。
ii.訂正事項b
実用新案登録明細書の段落【0006】の【課題を解決するための手段】を、
「上記目的を達成するためにこの考案は、図面の符号を参照して示すと、スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするパチンコ機を要旨とするものである。」と訂正する。
iii.訂正事項c
実用新案登録明細書の段落【0008】の【作用】を、
「遊技者は、大当り回数表示部(7)及びスタート入力数表示部(8)に表示されている本日の大当り回数とスタート入力数の積算値から、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測するすることができる。従って、遊技者にパチンコ機による遊技中のおもしろさだけでなく、パチンコ機選択の楽しさ、おもしろさをも付与することができる。」と訂正する。
iv.訂正事項d
実用新案登録明細書の段落【0022】を、
「なお、以上の実施例では、大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)に本日データを含む3日分のデータを表示可能に構成したが、2日分あるいは4日以上のデータを表示可能に構成しても良い。」と訂正する。
v.訂正事項e
実用新案登録明細書の段落【0023】の【考案の効果】を、
「この考案は、上述の次第で、スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体が変化すると共に、該表示体が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするものであるから、遊技者は表示される大当り回数とスタート入力数とから、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測することができる。しかも、パチンコ機の本日以外の履歴を把握することができ、パチンコ機の選択に際しての情報が増え、推理予測を益々行い易くなる。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
上記訂正事項aは、実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されていた「大当り回数表示部(7)」と「スタート入力数表示部(8)」をより下位概念である「本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされている」という特定の構成に限定しようとするものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、上記訂正事項b乃至eは、前記実用新案登録請求の範囲の減縮に伴って、減縮された実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載とを整合させるため、課題を解決するための手段等を訂正する、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、そして、これらの訂正事項a乃至eは、実用新案登録明細書に記載された事項の範囲内において訂正するものであるから新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条第7項の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項で準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
異議申立人.早川智子は、甲第1号証〔特願平3-145395号(特開平4-343874号公報)〕及び参考文献〔特願平4-205980号(特開平6-23112号公報)〕を提示し、本件請求項1及び請求項2に係る考案は、甲第1号証又は参考文献の特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であるから、実用新案法第3条の2の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべき旨を主張している。
また、異議申立人.菊池一夫は、甲第1号証〔特願平3-145395号(特開平4-343874号公報)〕及び資料1乃至資料13を提示し、本件請求項1及び請求項2に係る考案は、甲第1号証の特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であるから、実用新案法第3条の2の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべき旨を主張するとともに、甲第2号証〔特開平3-184576号公報〕、甲第3号証〔特開平2-164384号公報〕、甲第4号証〔特開平4-90775号公報〕、甲第5号証〔特開平4-208180号公報〕、甲第6号証〔特開昭60-114284号公報〕を提示し、本件請求項1及び請求項2に係る考案は、甲第2号証乃至甲第6号証に記載された発明に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべき旨を主張している。

(2)本件考案の要旨
本件請求項1に係る考案は、平成13年4月5日付けの訂正明細書の記載(前記2.(1)訂正事項a参照)からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものである。(以下、「本件考案1」という。)
また、本件請求項2に係る考案は、平成13年4月5日付けの訂正明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項2に記載された次の事項により特定されるものである。(以下、「本件考案2」という。)
「大当り回数表示部(7)とスタート入力数表示部(8)が、表示灯器(2)に設けられている請求項1に記載のパチンコ機。」

(3)甲各号証及び参考文献に記載の考案
i.異議申立人.早川智子及び菊池一夫が提示した甲第1号証〔特願平3-145395号(特開平4-343874号公報)〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「【請求項1】始動入賞孔へのパチンコ玉の入賞を契機として入賞率を極端に高めた特賞状態を所定の確率で呈する構成のパチンコゲーム機に用いられるものであって、前記始動入賞孔への入賞回数を計数する計数手段と、この計数手段の計数結果を前記特賞状態の発生ごとに初期化する初期化手段と、前記計数手段の計数結果を表示する表示手段とを備えたことを特徴とするパチンコゲーム機用表示装置。」(甲第1号証第2頁第1欄第2?9行)、
「【0008】図3において、パチンコゲーム機1は、その上皿2内のパチンコ玉を電動式の玉発射機構3を通じて盤面4へ発射することにより遊技を行う構成となっている。上記盤面4には、アウト口4aの他に3個の数字列ドラムを備えたルーレット5、通常入賞孔6、電気役物7aを備えた特賞用入賞孔7、始動入賞孔8が設けられている。【0009】この場合、ルーレット5は、始動入賞孔8にパチンコ玉が入賞するのに応じて動作開始されると共に、この後に一定時間ΔTが経過したときに動作停止されるものであり、停止時における各数字列ドラムの組合わせが所定の特賞開始条件となったとき(例えば、各数字列ドラムの数字が特定値に揃ったとき)に特賞状態を呈して特賞信号Sfを出力する構成となっており、斯かる特賞状態では電気役物7aが動作されて特賞用入賞孔7に対する入賞率が極端に高くなる。」(同第2頁第2欄第14?29行)、
「【0011】送信装置9は、ルーレット5から出力される特賞信号Sf及びリーチ信号Srを表示装置たる呼出ランプユニット10へ送信すると共に、前記始動入賞孔8にパチンコ玉が入賞するごとにスタート信号Siを発生して呼出ランプユニット10へ送信するように構成されている。【0012】上記呼出ランプユニット10は、パチンコゲーム機1の上方にこれと1対1で対応するように設置されるものであり、図2に示すような外観を有する。【0013】即ち、図2において、呼出ランプユニット10は、その本体ケース10aの前面側に、呼出スイッチ11、リーチ回数表示部12、表示手段たるスタート回数表示部13、特賞回数表示部14を一列状に有すると共に、本体ケース10aの上部に、特賞表示ランプ15、呼出スイッチ11がオン操作されたときに点灯される呼出ランプ16を一体的に有した構造となっている。」(同第2頁第2欄第39行?第3頁第3欄第4行)、
「【0029】・・・従って、パチンコゲーム機1での特賞状態が終了して特賞信号Sfが出力停止されたときには、リーチ回数表示部12、スタート回数表示部13の表示内容が初期化される。」(同第4頁第5欄第23?26行)、
「【0031】第3の計数回路36は、その入力が立ち上がるごと、換言すればパチンコゲーム機1が特賞状態を呈するのに応じた特賞信号Sfの入力ごとにカウントアップする構成のものであり、その計数結果を特賞状態の発生回数を示す数値信号N3 として出力する。【0032】上記数値信号N3 は表示制御回路38に入力されるようになっており、この表示制御回路38は、数値信号N3 により示される数値をパチンコゲーム機1での特賞状態の発生回数を示すデータとして特賞回数表示部14に表示させる。【0033】しかして、以上のように構成された呼出ランプユニット10が設けられた結果、パチンコゲーム機1における特賞状態の発生の契機となる始動入賞孔8への入賞回数が、特賞回数表示部14に特賞状態の終了ごとに区分して表示されるようになる」(同第4頁第5欄第31?45行)、
「【0035】即ち、この実施例は、第1実施例における呼び出しランプユニット10の表示機能をパチンコゲーム機1に組み込んだことを特徴とするものであり、図6に示すように、パチンコゲーム機1の前面側上部には、リーチ回数表示部39、表示手段たるスタート回数表示部40、特賞回数表示部41が一列状に設けられている。」(同第4頁第6欄第6?12行)。

甲第1号証における前記摘示の記載及び図面第1乃至6図によれば、甲第1号証には以下の考案が記載されているものと認められる。
「スタート入力により数字等を表示するルーレット5が変化すると共に、該ルーレット5が所定の表示で停止したときに特賞となるパチンコ機であって、特賞の回数の積算値を表示する特賞回数表示部14と、スタート入力数の積算値を表示するスタート回数表示部13がパチンコ機本体又はパチンコ機本体の上方に設けられるパチンコ機。」(以下、「先願考案1」という。)

ii.異議申立人.早川智子が提示した参考文献〔特願平4-205980号(特開平6-23112号公報)〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「【請求項1】入賞領域を形成する遊技部に設けた所定の入賞口に遊技媒体が入賞した際に、乱数生成手段により生成された当り判定用乱数値と、予め設定された当り判定値とを比較判定する比較判定手段と、前記比較判定手段の判定結果に基づいて、可変表示部に変動表示される複数種の図柄を順次停止させ、当該図柄の特定の停止態様によって遊技媒体を入賞させ易い当り状態に変換する特別遊技を行う可変表示ゲーム実行手段とを備えた遊技機であって、前記当り状態の発生回数を累計する図柄の特定停止態様発生回数累計手段と、前記可変表示ゲーム実行手段により始動実行された可変表示ゲームの回数を累計する可変表示ゲーム実行回数累計手段と、前記図柄の特定停止態様発生回数累計手段及び前記可変表示ゲーム実行回数累計手段の累計データを表示する遊技状態表示手段と、当該図柄の特定停止態様発生回数累計手段及び当該可変表示ゲーム実行回数累計手段に蓄積された累計データを夫々初期化する累計データ初期化手段とを設けたことを特徴とする遊技機。」(参考文献第2頁左欄第2?19行)、
「【0008】【作用】本発明によれば、当り状態の発生回数を累計する図柄の特定停止態様発生回数累計手段と、可変表示ゲーム実行手段により実行された可変表示ゲームの回数を累計する可変表示ゲーム実行回数累計手段と、両累計手段の累計データを表示する遊技状態表示手段とを備えているため、監督官庁の審査時や検査時などに資料データとして提示したり、遊技店の営業データや不正判定データ、或いは遊技者が遊技機を選定するときの判断材料として利用できる有効なデータの収集を行うことができる。また、図柄の特定停止態様発生回数累計手段及び可変表示ゲーム実行回数累計手段に蓄積された累計データを夫々初期化する累計データ初期化手段を設けているので、遊技店が望む任意の期間のデータを収集することが可能である。」(同第3頁左欄第24?38行)、
「【0014】・・・尚、液晶表示パネル16Bは前記実施例では前面パネル11の上端側に遊技状態表示ランプ16Aと並列させて設けていたが本図で示す例においては、液晶表示パネル16bをパチンコ遊技機収納ケース55側に一体的に設ける場合を示している。」(同第4頁右欄第22?26行)、
「【0016】図5は、本発明に係る遊技機の概略構成図である。その流れを説明すると、先ず所定入賞口たる始動口35に遊技球が入賞すると、後述するCPU806上で実現される比較判定手段80によって、遊技球の入賞時に読み込まれた判定用乱数値と予め設定された当り判定値とが比較判定され、当りであると判定した際には前記変動入賞装置50を作動させる。また、比較判定手段80の判定結果に基づいて実行される可変表示ゲームの当り回数(即ち、表示図柄の特定停止パターンの発生回数)を累計する図柄の特定停止態様発生回数累計手段82と、可変表示ゲームの実行回数を累計する可変表示ゲーム実行回数累計手段83とから、遊技状態表示手段たる前記液晶表示パネル16B及び液晶表示窓79に各累計データが送信されて表示される。尚、図柄の特定停止態様発生回数累計手段82及び可変表示ゲーム実行回数累計手段は、後述するCPU806上で実現されている。また、図柄の特定停止態様発生回数累計手段82及び可変表示ゲーム実行回数累計手段83には、蓄積された累計データを初期化する累計データ初期化手段たるクリアスイッチ84が接続されている。」(同第5頁左欄第15?34行)。

参考文献における前記摘示の記載及び図面第1乃至6図によれば、参考文献には以下の考案が記載されているものと認められる。
「入賞入力により数字、記号、図柄等の特別図柄表示部(41,42,43)が変化すると共に、該特別図柄表示部(41,42,43)が所定の表示で停止したときに当りとなるパチンコ機であって、当りの回数の積算値である特定停止態様発生回数と入賞入力数の積算値である可変表示ゲーム実行回数を表示する液晶表示パネル(16B)がパチンコ機本体又はパチンコ機本体の上方に設けられるパチンコ機。」(以下、「先願考案2」という。)

iii.異議申立人.菊池一夫が提示した甲第2号証〔特開平3-184576号公報〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「従来、パチンコ機には特定の入賞口に入賞すると、表示装置の図柄(数字、文字、模様等)が変動し、停止時に特定の組み合わせが得られていた場合に大当たりあるいは小当たり等となる、いわゆるフィーバタイプと呼ばれる形式のものがある。」(甲第2号証第1頁左下欄第18行?右下欄第2行)。

甲第2号証における前記摘示の記載及び図面第1図によれば、甲第2号証には以下の考案が記載されているものと認められる。
「入賞入力により数字、記号、図柄等の表示が変化すると共に、該表示が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機。」(以下、「甲第2号証考案」という。)

iv.異議申立人.菊池一夫が提示した甲第3号証〔特開平2-164384号公報〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「表示ユニット5は、第2図に示すように、前面枠3の表面に取付ける本体ベース6と、該本体ベース6を包囲する包囲枠7と、本体ベース6に取付けるランフ8…と、各ランプ8を覆うようにして取付けたレンズ部材9と、データの表示を行なう表示器10と、表示器10の前面を覆うようにして取付けたプレート11が主要な構成部材である。」(甲第3号証第2頁左下欄第4?11行)、
「遊技者用操作部27には・・・大当り回数スイッチ31…が左右に並設してある。…大当り回数スイッチ31は、表示器10にその日の大当り回数等を表示させるためのスイッチである。」(同第3頁左上欄第3?15行)、
「大当り回数スイッチ31が押されると…大当り回数を受信して表示器10に表示する。この大当り回数の表示は、例えば第1種のパチンコ機にあっては、大当り賞態様(7,7,7等)の成立回数…が表示される。この大当り回数により、遊技しているパチンコ機の大当り発生状況を知って、遊技者がパチンコ機を選択する目安とすることができる。」(同第6頁右上欄第9?19行)。

甲第3号証における前記摘示の記載及び図面第1、2、4図によれば、甲第3号証には以下の考案が記載されているものと認められる。
「大当りの回数の積算値を表示する表示器10が設けられるパチンコ機。」(以下、「甲第3号証考案」という。)

v.異議申立人.菊池一夫が提示した甲第4号証〔特開平4-90775号公報〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「図柄作動口(7)に球が入ったとき、図柄表示部(13)の表示を可変駆動する図柄変動処理手段(36)が設けられ、図柄表示部(13)に表示された複数の図柄が特定の並びになったか否かによって当りを判定する当り判定手段(37)が設けられた弾球遊技機において、前記当り判定手段(37)によって当り判定した後から次の当り判定が行われるまでの間に図柄表示部(13)の表示を可変駆動した回数を記憶する変動回数カウンター(40)が設けられ、該変動回数カウンター(40)により記憶した変動回数を表示する変動回数表示部(20)が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。」(甲第4号証第1頁左下欄第9行?右上欄第1行)、
「変動回数カウンター40は、前記当り判定手段37によって当り判定した後から次の当り判定が行なわれるまでの間に図柄表示部13の表示を可変駆動した回数を順次カウントして記憶する。」(同第3頁左下欄第18行?右下欄第1行)、
「変動回数カウンター40でカウントされた図柄は変動回数表示部20に数字で点灯表示される。これにより遊技者は前回の当りからはずれが何回続いているかを知ることができる。」(同第4頁右下欄第8?11行)。

甲第4号証における前記摘示の記載及び図面第1、2図によれば、甲第4号証には以下の考案が記載されているものと認められる。
「図柄作動口(7)への入球により図柄表示部(13)の数字、記号、図柄等が変化すると共に、該図柄表示部(13)が所定の表示で停止したときに当りとなるパチンコ機であって、前回の当りからのスタート入力数の積算値を表示する変動回数表示部(20)が設けられるパチンコ機。」(以下、「甲第4号証考案」という。)

vi.異議申立人.菊池一夫が提示した甲第5号証〔特開平4-208180号公報〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「本発明は、遊技客にゲーム機の稼働状況を案内するパチンコホール用案内システムに関する。」(甲第5号証第1頁左下欄第20行?右下欄第1行)、
「切換スイッチの操作により何れかの表示形式を選択することができる。そして、モニタ6に表示される内容としては、第5図に示すように、ゲーム機の機種名,項目及び所定の3日分の打止回数(機種によっては第6図に示すようにフィーバー回数(特賞回数))を台番号毎に表示するようになっている。」(同第2頁右下欄第20行?第3頁左上欄第6行)、
「一方、第1、第2のモニタ6、7には、以下の各機能が付随されている。〔I〕一昨日、昨日、今日の打止回数若しくは特賞回数を表示する」(同第4頁左下欄第15?18行)。

甲第5号証における前記摘示の記載及び図面第1、6図によれば、甲第5号証には以下の考案が記載されているものと認められる。
「フィーバーの回数の積算値を一昨日、昨日、今日の3日分表示するモニタがパチンコホール内に設けられるパチンコゲーム機。」(以下、「甲第5号証考案」という。)

vii.異議申立人.菊池一夫が提示した甲第6号証〔特開昭60-114284号公報〕には、パチンコ機に関し、以下の記載が認められる。
「本発明は、パチンコ台毎の前日及び当日の打止回数を店内に表示するようにしたパチンコ台の打止終了回数表示方式に関するものである。」(甲第6号証第1頁右下欄第13?15行)。
甲第6号証における前記摘示の記載及び図面第2図によれば、甲第6号証には以下の考案が記載されているものと認められる。
「前日及び当日の打止回数を表示する表示手段が設けられるパチンコ機。」(以下、「甲第6号証考案」という。)

(4)実用新案法第3条の2の規定違反について検討
i.本件考案1と先願考案1とを対比すると、先願考案1における、「ルーレット5」、「特賞」、「特賞回数表示部14」、「スタート回数表示部13」は、それぞれ、本件考案1における、「表示体(3)」、「大当り」、「大当り回数表示部(7)」、「スタート入力数表示部(8)」に相当する。

ii.ついで、本件考案1と先願考案2とを対比すると、先願考案2における、「入賞入力」、「特別図柄表示部(41,42,43)」、「当り」、「特定停止態様発生回数を表示する液晶表示パネル(16B)」、「可変表示ゲーム実行回数を表示する液晶表示パネル(16B)」は、それぞれ、本件考案1における、「スタート入力」、「表示体(3)」、「大当り」、「大当り回数表示部(7)」、「スタート入力数表示部(8)」に相当する。

iii.そうすると、本件考案1と先願考案1の両者、及び、本件考案1と先願考案2の両者は、いずれも、
「スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、スタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられているパチンコ機。」、
で一致するが、
「大当り回数表示部(7)及びスタート入力数表示部(8)における表示が、本件考案1では、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能な構成を備えているのに対して、先願考案1及び先願考案2では、該構成を備えていない点。」、
で相違するものであり、上記相違する構成については、先願考案1及び先願考案2のいずれにおいても記載も示唆もされていない。

iii.そして、本件考案1は、上記相違する構成により、「遊技者は表示される大当り回数とスタート入力数とから、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測することができる。しかも、パチンコ機の本日以外の履歴を把握することができ、パチンコ機の選択に際しての情報が増え、推理予測を益々行い易くなる。」という本件明細書記載の作用効果を奏するのであるから、本件考案1は、先願考案1又は先願考案2と同一であるということはできない。

iv.異議申立人.菊池一夫は、資料1乃至資料13を提示し、パチンコ店が管理のために各パチンコ機毎の大当りの回数やスタート入力数の数値をホールコンピュータのディスプレイに表示することは周知慣用技術であるから、本件考案は先願考案1と実質的に同一である旨、主張しているが、管理のために各パチンコ機毎の大当りの回数やスタート入力数の数値をホールコンピュータのディスプレイに表示することが周知慣用技術であるとしても、これと遊技者向けに各パチンコ機毎に前記数値を本日を含む複数日にわたって表示することとは、技術的課題及び課題解決手段、さらには技術的意義がすべて異なることが明らかであって、先願考案1に開示された技術思想の範囲内のものとは認められない。

v.よって、本件考案1は、先願明細書である甲第1号証に記載された考案(先願考案1)又は先願明細書である参考文献に記載された考案(先願考案2)のいずれとも同一ではないので、実用新案法第3条の2の規定に違反してなされたものではない。

vi.つぎに、本件考案2について検討すると、本件考案2は本件考案1を引用してさらに限定するものであるから、本件考案1にかかる上記理由と同様の理由により、上記いずれの先願明細書に記載された考案とも同一ではないので、実用新案法第3条の2の規定に違反してなされたものではない。

(5)実用新案法第3条2項の規定違反について検討
i.本件考案1と甲第2号証考案とを対比すると、両者は、「スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなる。」について一致するが、「本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされている」構成については甲第2号証考案に何ら開示されておらず、この点で相違する。

ii.そして、上記相違する構成について、甲第3号証考案乃至甲第6号証考案と比較すると、甲第3号証考案の表示器10が本件考案1の大当り回数表示部(7)に相当し、甲第4号証考案の変動回数表示部(20)が本件考案1のスタート入力数表示部(8)に相当し、甲第5号証考案のフィーバー回数を一昨日、昨日、今日の3日分表示するモニタが、モニタの設置位置の相違を除けば、本件考案1の本日を含む複数日の各大当り回数を表示する大当り回数表示部(7)に相当するとしても、これらはいずれも大当り回数又はスタート入力数を個別に表示する構成に止まり、本件考案1が特徴とする、大当り回数及びスタート入力数の両データを同時に、しかも本日を含む複数日にわたり表示する構成を示唆するものではなく、この構成によるところの、本件考案1における、スタート入力数及び大当り回数の両データの相関関係をみることで遊技者が大当りの頻度等を推理予測することができるとともに、本日を含む複数日にわたる前記両データについて履歴を把握することができることで、パチンコ機の選択に際しての豊富な情報が得られるという特有の作用効果を予測させるものでもない。

iii.よって、本件考案1は、甲第2号証乃至甲第6号証に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものであるということはできないので、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。

iv.つぎに、本件考案2について検討すると、本件考案2は本件考案1を引用してさらに限定するものであるから、本件考案1にかかる上記理由と同様の理由により、上記甲第2号証乃至甲第6号証に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものであるということはできないので、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。

(6)むすび
以上のとおりであるから、異議申立人.早川智子及び菊池一夫の理由及び証拠のよっては、訂正後の本件考案1及び2に係る実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の本件考案1及び2に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件考案1及び2に係る実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
パチンコ機
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】 大当り回数表示部(7)とスタート入力数表示部(8)が、表示灯器(2)に設けられている請求項1に記載のパチンコ機。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機として、いわゆるフィーバー台と称されるような大当りのチャンスを備えたものが従来より設置されている。このようなパチンコ機では、遊戯玉が所定のスタート孔に入り、あるいは所定のチャッカーを通過することによりスタート入力を生じ、このスタート入力により、例えば1ないし複数個の回転ドラムに描かれた数字、記号、図柄、あるいはデジタルで表示された数字等の表示体が連続的に変化して停止し、停止したときの表示があらかじめ決められた大当り表示に合致すると大当りとなるものである。
【0003】
このようなパチンコ機では、遊技者へのサービス等の目的で、その日のうちに何回そのパチンコ機が大当りとなったかを知らせるため、大当りの回数を表示する場合がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、単に、大当りの回数を表示するのみでは、遊技者が推理予測力を駆使してパチンコ機を選ぶための情報量としてはいささか乏しく、今一つ興趣性に欠けるものであった。
【0005】
この考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、遊技者に対してパチンコ機に関するさらなる情報を与えることにより、遊技者がパチンコ機の選択に際して推理力、思考力を働かすことができ、パチンコ機選択のおもしろさを付与して興趣性を一層向上することを目的とし、このためのパチンコ機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの考案は、図面の符号を参照して示すと、スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするパチンコ機を要旨とするものである。
【0007】
上記大当り回数表示部(7)とスタート入力数表示部(8)は、表示灯器(2)に設けられるのが望ましい。
【0008】
【作用】
遊技者は、大当り回数表示部(7)及びスタート入力数表示部(8)に表示されている本日の大当り回数とスタート入力数の積算値から、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測するすることができる。従って、遊技者にパチンコ機による遊技中のおもしろさだけでなく、パチンコ機選択の楽しさ、おもしろさをも付与することができる。
【0009】
また、大当り回数表示部(7)とスタート入力数表示部(8)が、表示灯器(2)に設けられている場合には、上記効果に加えて、パチンコ機本体にこれら表示部を設けるためにパチンコ機本体を改造する必要はなく、表示灯器の取替えのみで簡単に本考案のパチンコ機となしうる。
【0010】
【実施例】
この考案の一実施例を示す図1において、(1)はパチンコ機本体、(2)はパチンコ機本体の上方に設けられた表示灯器である。
【0011】
パチンコ機本体(1)は、その中央部に3桁のデジタル数字からなる大当り的中用の表示体(3)を有すると共に、その下方にスタート孔(41)とさらにその下方両側に2個のスタート孔(42)(43)が設けられている。そして、遊技玉がいずれかのスタート孔に入った場合に、スタート入力を生じて前記表示体(3)のデジタル数字がしばらく連続的に変化したのち停止し、停止したときの数字が予め決定されている例えば「777」等の大当り表示に合致すると大当りとなるものである。
【0012】
前記表示灯器(2)は、図2に詳しく示すように、その幅方向中央部に表示パネル(5)を有するとともに、両端部に表示灯(6)を有している。かつ、前記表示パネル(5)には、当該パチンコ機の本日の大当りの回数をデジタル表示する2桁の大当り回数表示部(7)が設けられると共に、この大当り回数表示部(7)の横にはそのパチンコ機のスタート入力数すなわち大当り的中用表示体(3)の作動回数を表示する4桁のスタート入力数表示部(8)が設けられている。この実施例では、複数日例えば前々日、前日、本日の3日間の各スタート入力数及び大当り回数を両表示部(7)(8)で適宜表示可能となされている。具体的には、大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)には、通常、本日の大当り回数、スタート入力数が積算表示されるが、スタート入力数表示部(8)の横に設けられたデータ切換スイッチ(9)を1回押すと前日データが表示され、2回押すと前々日のデータが表示され、前日、前々日表示のままで5?6秒経過すると本日のデータ表示に自動的に復帰するものとなされている。なお、各表示部のデータがいずれの日のデータであるかを知らせるために、大当り回数表示部(7)の横には本日、前日、前々日に対応する発光ダイオードからなる3個の表示ランプ(9)が設けられている。
【0013】
また、この実施例では、本日の大当り回数、スタート入力数についての表示をリセットする微小なリセットスイッチ(11)が設けられており、従業員等が開店前のパチンコ機の試打を行った場合等に、そのデータをクリアすることができるようになっている。
【0014】
また、表示灯器の表示パネル(5)には、パチンコ機本体(1)の番号を示すプレート(12)が設けられるとともに、プレートの横には押釦式の呼出しスイッチ(13)が設けられており、パチンコ機トラブル時等に遊技者がこの呼出しスイッチを押圧操作することで表示灯(6)を点灯せしめて店員を呼出すことができるようになっている。また、左右の表示灯(6)は、それぞれ上下2弾の色違いランプ(6a)(6b)からなり、パチンコ機の大当りのときには各ランプ(6a)(6b)が点滅して大当り状態を示すものとなされている。
【0015】
図3は大当り回数、スタート入力数を表示させるための制御回路を示すものである。同図において、(20)(21)は大当り信号、スタート入力信号を計数するカウンタである。なお、大当り信号は、電圧出力、リレー接点出力としてパチンコ機本体(1)から送出されるのが一般的であるが、大当り時に点灯点滅する表示灯(6)の光をセンサーで検出することにより大当り信号としても良い。また、スタート入力信号も、パチンコ機本体(1)から直接出力させても良いし、パチンコ機本体(1)にスタート入力信号の出力端子が存在しない場合は、例えば表示体(3)の変化のための作動電流をセンサーで検出することによりスタート入力信号を得ても良い。
【0016】
図3に示す(22)は、本日、前日、前々日の大当り回数、スタート入力数を記憶する記憶回路、(23)は制御回路であり、該制御回路は、データ切替えスイッチ(9)の切替え操作に応じて記憶回路(22)から該当日のデータを呼出して、駆動回路(24)(25)を介して大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)を所定の表示状態に駆動したり、本日データリセットスイッチ(11)の操作時に本日データを消滅させる等の動作を行うものである。
【0017】
(26)は一括データシフトスイッチである。この一括データシフトスイッチ(26)は、図4に示すように、複数個のパチンコ機を1つのグループとして、そのグループ内の各パチンコ機の制御回路(23)に一括接続されている。この一括データシフトスイッチ(26)は、本日、前日、前々日のデータをシフトさせるものであり、1回押すことにより本日のデータが前日に、前日のデータが前々日にデータシフトし、前々日のデータは消えるものとなされている。また、一括データシフトスイッチ(26)を2回押すことにより、本日データは前々日にデータシフトして前日、前々日のデータは消え、データスイッチを3回押すことにより全てのデータが消えるものとなされており、一括データシフトスイッチ(26)の操作により、各パチンコ機の大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)の表示内容を一括的に制御し得るものとなされている。
【0018】
次に、図示実施例に係るパチンコ機の利用法を説明すると、大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)には、常時は本日の大当り回数とスタート入力数の積算値がそれぞれ表示されている。従って、遊技者は表示されている大当り回数とスタート入力数とから、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測するすることができる。
【0019】
また、必要に応じてデータ切替えスイッチ(9)を1回あるいは2回押すと、大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)には前日、前々日のデータが即座に表示される。従って、このデータを見ることにより、パチンコ機の本日以外の履歴を把握することができ、パチンコ機の選択に際しての情報が増え、推理予測を益々行い易くなる。
【0020】
また、閉店後、次の開店に備えて各パチンコ機のデータをシフトする場合には、一括データシフトスイッチ(26)を操作することにより、各パチンコ機の本日データは前日に、前日データは前々日に一括的にシフトし、前々日のデータは一括的に消滅する。さらに、必要に応じて、本日データを前々日にシフトしたり、パチンコ機を新規に入れ替えた場合等にはデータをすべて消滅させることもできる。
【0021】
また、試打等を行った場合には、本日データリセットスイッチ(11)を操作して試打中にカウントされたスタート入力数や大当り回数の表示をリセットすれば良い。
【0022】
なお、以上の実施例では、大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)に本日データを含む3日分のデータを表示可能に構成したが、2日分あるいは4日以上のデータを表示可能に構成しても良い。
【0023】
【考案の効果】
この考案は、上述の次第で、スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体が変化すると共に、該表示体が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするものであるから、遊技者は表示される大当り回数とスタート入力数とから、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測することができる。しかも、パチンコ機の本日以外の履歴を把握することができ、パチンコ機の選択に際しての情報が増え、推理予測を益々行い易くなる。
【0024】
つまり、このような表示体が変化するパチンコ機では、大当たりとなる確率は一般に、変化する表示体の数等によって数字の上では一応定まっているが、常にその確率で大当たりになるものではなく、比較的少ないスタート入力数で連続的に大当たりになる場合もあるし、逆に次の大当たりまで多くのスタート入力数を要する場合もある。このため、大当り回数とスタート入力数を表示することによって、そのパチンコ機が確率の高い領域にあるか低い領域にあるか等を、推理予測することができる。従って、遊技者にパチンコ機による遊技中のおもしろさだけでなく、パチンコ機選択の楽しさ、おもしろさをも付与することができ、一段と興趣性に優れたパチンコ機となしうる。
【0025】
特に、上記のような表示体が変化するパチンコ機では、遊技者の最大の関心事は、短時間で大当たりに遭遇するパチンコ機あるいは頻繁に大当たりするパチンコ機をいかに選択するかにあり、本考案によればこのような遊技者の意向に添った実用的価値の高い的確なサービスを提供することができる。
【0026】
しかも、スタート入力数と大当たり回数を表示するには、スタート入力数と大当たり回数をカウントすれば良いから、遊技球の投入数と払出し数をカウントして複雑な処理をする必要はなく、極めて簡単な構成で上記のような推理予測を可能となしえかつ顧客サービスを提供できる。
【0027】
また、大当り回数表示部とスタート入力数表示部が、表示灯器に設けられている場合には、上記効果に加えて、パチンコ機本体にこれら表示部を設けるためにパチンコ機本体を改造する必要はなく、表示灯器の取替えのみで簡単に本考案のパチンコ機となしうるから、小さな労力、コストで大きな実用的有利性を享受できるという効果もある。しかも、表示灯器に設けることで、パチンコ機のトラブル時に点灯したり大当たりの時に点滅するランプとともに、大当り回数表示部とスタート入力数表示部が配置されることになり、電気的な配線系統をコンパクトにまとめることができるとともに、見栄えの良いパチンコ機となしうる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この考案の一実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】
図1の表示灯器の拡大正面図である。
【図3】
大当り回数、スタート入力数を表示させるために図1のパチンコ機に用いられている制御回路のブロック図である。
【図4】
各パチンコ機に一括データシフトスイッチが接続されている状態の概略図である。
訂正の要旨 訂正の要旨
i.訂正事項a
実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
「スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするパチンコ機。」と訂正する。
ii.訂正事項b
実用新案登録明細書の段落【0006】の【課題を解決するための手段】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「上記目的を達成するためにこの考案は、図面の符号を参照して示すと、スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体(3)が変化すると共に、該表示体(3)が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部(8)が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするパチンコ機を要旨とするものである。」と訂正する。
iii.訂正事項c
実用新案登録明細書の段落【0008】の【作用】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「遊技者は、大当り回数表示部(7)及びスタート入力数表示部(8)に表示されている本日の大当り回数とスタート入力数の積算値から、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測するすることができる。従って、遊技者にパチンコ機による遊技中のおもしろさだけでなく、パチンコ機選択の楽しさ、おもしろさをも付与することができる。」と訂正する。
iv.訂正事項d
実用新案登録明細書の段落【0022】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「なお、以上の実施例では、大当り回数表示部(7)、スタート入力数表示部(8)に本日データを含む3日分のデータを表示可能に構成したが、2日分あるいは4日以上のデータを表示可能に構成しても良い。」と訂正する。
v.訂正事項e
実用新案登録明細書の段落【0023】の【考案の効果】を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「この考案は、上述の次第で、スタート入力により数字、記号、図柄等の表示体が変化すると共に、該表示体が所定の表示で停止したときに大当りとなるパチンコ機であって、本日の大当りの回数の積算値を表示する大当り回数表示部(7)と、本日のスタート入力数の積算値を表示するスタート入力数表示部が設けられるとともに、本日を含む複数日の各スタート入力数及び大当り回数を表示可能となされていることを特徴とするものであるから、遊技者は表示される大当り回数とスタート入力数とから、そのパチンコ機の大当り回数の確率とか、今後の大当りの頻度等を推理予測することができる。しかも、パチンコ機の本日以外の履歴を把握することができ、パチンコ機の選択に際しての情報が増え、推理予測を益々行い易くなる。」と訂正する。
異議決定日 2001-06-12 
出願番号 実願平4-55375 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (A63F)
U 1 651・ 161- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中村 和夫植野 孝郎  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 松川 直樹
前田 建男
登録日 1999-07-16 
登録番号 実用新案登録第2599647号(U2599647) 
権利者 ユーエフ産業株式会社
大阪府大阪市天王寺区味原本町6番2号
考案の名称 パチンコ機  
代理人 清水 久義  
代理人 高田 健市  
代理人 高田 健市  
代理人 黒瀬 靖久  
代理人 黒瀬 靖久  
代理人 清水 久義  
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