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審決分類 審判 判定  属する(申立て成立) B29C
管理番号 1045201
判定請求番号 判定2001-60034  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2001-10-26 
種別 判定 
判定請求日 2001-03-21 
確定日 2001-09-03 
事件の表示 登録第2149899号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 (イ)号図面及びその説明に示す「樹脂成形機」は、登録第2149899号実用新案の技術的範囲に属する。
理由 1.請求の趣旨
本件判定請求は、被請求人がいない判定請求であって、イ号図面に示す「樹脂成形機」(イ号物件)は、本件判定請求人の所有するものである実用新案登録第2149899号考案(以下、「本件考案」という)の技術的範囲に属する、との判定を求めたものである。
2.本件考案
本件考案は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたところによって特定されるものと認められるが、これを構成要件毎に、A.?E.の符号を付して分節すると、その構成(以下、「構成要件A.」などという)は、次のとおりのものである。
(1)本件考案の構成
A.樹脂成形機の長手方向および幅方向に延びる軌道に沿って成形品取出チャック部を往復移動させる成形品取出装置が当該樹脂成形機の固定金型ホルダに搭載された樹脂成形機において、
B.該樹脂成形機の前記長手方向の中心軸線より前記幅方向の一方側と他方側から選択されたいずれかに変位し、
C.かつ前記固定金型ホルダの金型取付面より射出装置側に偏った位置に設定して
D.電動サーボモータ用ドライバーボックスが前記成形品取出装置に取付けられている
E.ことを特徴とする樹脂成形機。
3.イ号物件
本件判定請求書に添付されたイ号図面及びイ号物件の説明から、該イ号図面に示す装置は、その「イ号図面の説明」に記載された事項を含む本件判定請求書の主張の全趣旨に照らしてみて、イ号物件を示すものと認められる。
(1)イ号物件の樹脂成形機
イ号物件は、イ号図面の説明において「甲第3号証に示す成形品取出装置を固定金型ホルダに、架台を介して搭載した状態の樹脂成形機の図面であって、図中の黒色で記載した部分の装置が成形品取出装置であって、赤色で記載した部分の装置と合わせて全体で樹脂成形機を成している。」と記載しているとおりの樹脂成形機(以下、「イ号樹脂成形機」という)であって、かつ、「イ号図面に示す樹脂成形機を本件登録実用新案に即して記載すると、次の通りである。(1).樹脂成形機の長手方向および・・・(5).ことを特徴とする樹脂成形機。」と記載されたとおりの構成が、イ号図面に記載されているから、その構成は下記のとおりの構成を具備するものと認められる。なお、本件登録実用新案との対比を行うため、イ号樹脂成形機は、その構成を分節して符号a.ないしe.を付して記載した(以下、「構成a.」などという)。
a.樹脂成形機の長手方向および幅方向に延びる軌道に沿って成形品取出チャック部を往復移動させる成形品取出装置が当該樹脂成形機の固定金型ホルダに搭載された樹脂成形機において、
b.該樹脂成形機の前記長手方向の中心軸線より前記幅方向の一方側と他方側から選択されたいずれかに変位し、
c.かつ前記固定金型ホルダの金型取付面より射出装置側に偏った位置に設定して
d.電動サーボモータ用ドライバーボックスが前記成形品取出装置に取付けられている
e.ことを特徴とする樹脂成形機。
4.本件考案とイ号物件との対比・判断
本件考案は、実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりのものであって、その構成は上記2.(1)「本件考案の構成」の項に記載されたとおりであり、
また、イ号物件は、本件判定請求人が提出したイ号図面に示されるとおりのものであって、その構成は、3.(1)「イ号物件の樹脂成形機」の項に記載されたとおりであるから、
本件考案の構成要件A.ないし構成要件E.及びイ号物件であるイ号樹脂成形機の構成a.ないし構成e.とを対比すると、イ号樹脂成形機の前記構成a.、構成b.、構成c.、構成d.、構成e.の各構成は、それぞれ、本件考案の構成要件A.、構成要件B.、構成要件C.、構成要件D.、構成要件E.の各構成要件に相当しており、これらの互いに対応する構成要件の間には相違するところはなく、イ号樹脂成形機は、本件考案の構成要件A.ないしE.を充足する。
なお、判定請求人は「イ号図面の樹脂成形機が本件登録実用新案の技術的範囲に属するとの説明」として、イ号図面の樹脂成形機は、甲第3号証の成形品取出装置が樹脂成形機に取り付けられたものであるから、成形品取出装置に取り付けられている「電動サーボモータ用ドライバーボックス」の設置位置を甲第3号証の図面中の寸法表示、構成表示等を根拠に数量的に割り出し、「電動サーボモータ用ドライバーボックス」が金型取付面から金型側へは飛び出さないように固定金型ホルダに取り付けられていることを証明し、「電動サーボモータ用ドライバーボックス」は、その全体が金型取付面よりも射出装置側にある位置に設定して成形品取出装置に取付けられているものであることを明確にし、構成c.に記載の「金型取付面より射出装置側に偏った位置に設定して」の構成要件の意味するところを特定しているが、イ号図面の平面図、右側面図から、金型取付面より射出装置側に偏った位置に設定されているとともに、「電動サーボモータ用ドライバーボックス」の全体が金型取付面より射出装置側に位置するように固定金型ホルダに取り付けられていることは明らかであるから、イ号図面の樹脂成形機において「電動サーボモータ用ドライバーボックス」が「金型取付面より射出装置側に偏った位置に設定して」いることは明らかである。
5.むすび
以上のとおりであるから、イ号図面及びその説明に示すイ号物件は、本件考案の技術的範囲に属する。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 判定2001-60034 イ号図面の説明
イ号図面の説明
イ号図面は樹脂成形機の正面図、平面図、及び右側面図からなるものであり、甲第3号証に示す成形品敵出装置を固定金型ホルダに、架台を介して搭載した状態の樹脂成形機の図面であって、図中の黒色で記載した部分の装置が成形品取出装置であって、赤色で記載した部分の装置と合わせて全体で樹脂成形機を成している。
そして、イ号図面、及び甲第3号証において斜線で塗りつぶした部分が「電動サーボモータ用ドライバーボックス」である。
尚、イ号図面の成形品取出装置は架台によって金型取付面より80ミリ射出装置側へオフセットして固定金型ホルダに取り付けられており、甲第3号証に示す成形品取出装置には架台は明記されていないが、その正面図、及び右側面図に見えるとおり、正面図には架台が仮想線で表されており、右側面図には金型取付面からのオフセット量80ミリが記載されている。
また、イ号図面中の赤色で記載した部分の装置に関しては、金型取付面の位置を確認し易いように、簡略化して記載しているので、図同士は整合性がない箇所もある。
イ号図面に示す樹脂成形機を本件登録実用新案に即して記載すると、次の通りである。
(1)樹脂成形機の長手方向および幅方向に延びる軌道に沿って成形品取出チャック部を往復移動させる成形品取出装置が当該樹脂成形機の固定金型ホルダに搭載された樹脂成形機において、
(2)該樹脂成形機の前記長手方向の中心軸線より前記幅方向の一方側と他方側から選択されたいずれかに変位し、
(3)かつ前記固定金型ホルダの金型取付面より射出装置側に偏った位置に設定して
(4)電動サーボモータ用ドライバーボックスが前記成形品取出装置に取付けられている
(5)ことを特徴とする樹脂成形機。

判定日 2001-08-21 
出願番号 実願平2-56792 
審決分類 U 1 2・ 081- YA (B29C)
最終処分 成立    
前審関与審査官 多喜 鉄雄野村 康秀  
特許庁審判長 石井 淑久
特許庁審判官 喜納 稔
小林 正巳
登録日 1998-07-17 
登録番号 実用新案登録第2149899号(U2149899) 
考案の名称 樹脂成形機  
代理人 玉田 修三  

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