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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02P
管理番号 1048653
審判番号 不服2000-20552  
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-12-26 
確定日 2001-11-09 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 56178号「サーボコントロール装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 5月19日出願公開、実開平 7- 27298]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願考案
本願は、平成5年10月18日の出願であって、その考案は請求項1及び請求項2に記載されたものであるところ、請求項1に係る考案(以下、同項記載の考案を本願考案という。)は実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「交流電力をコンバータにより変換して得られる直流電力を供給する電源及びコントローラを搭載するコントロール部と、ロボット側の所要個所に設けられる複数のサーボドライブと、前記電源及びコントローラの各々に前記複数のサーボドライブを直列にデージーチェーンによって接続する電源線及び信号線からなるサーボコントロール装置。」
2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平5-137183号公報(以下、引用例1という。)に、「本発明は、複数のサーボモータを一つの制御装置で制御するサーボ制御システムに係わり、特に通信ケーブルの配線を簡略したサーボ制御システムに関する。」(1欄43行乃至46行)、「このような目的を達成するために、本発明のサーボ制御システムは、複数のサーボモータの制御指令信号を発生させ、コントローラ側シリアル通信手段を有するサーボ制御手段と、それぞれのサーボモータを駆動し、モータ側シリアル通信手段を有する複数の駆動手段と、上記コントローラ側シリアル通信手段と上記モータ側シリアル通信手段とを順次接続する通信ケーブルとを有し、上記コントローラ側シリアル通信手段じゃ、上記モータに対応する認識コードと制御信号とをシリアルデータとして上記通信ケーブルに出力し、通信ケーブルを通して入力してくる駆動手段からの帰還信号と当該帰還信号を出力した駆動手段に対応する認識コードとを受信し、認識コードに対応するモータ毎に帰還信号を整理するように構成され、上記モータ側シリアル通信手段は、上記通信ケーブル通して入力してくるデータの内、自己の認識コードを受信した際に、対応する制御指令信号を取り込んで、対応するサーボモータの制御指令信号とし、駆動手段からの帰還信号を認識コードと共に上記通信ケーブルに出力するように構成されている。」(2欄29行乃至48行)、「図1に示すように、本実施例に係るサーボ制御システムは、サーボ制御手段としてのサーボコントローラ12と、各サーボモータ4・・4及び主軸モータ6・・6をそれぞれ駆動制御する駆動手段としての電力増幅装置14・・14、16・・16とを有している。主軸モータ6・・6は、主軸を回転するためのモータであり、フィードバック制御を行うモータという意味ではサーボモータの一種である。・・・サーボコントローラ12は、複数のモータを制御するための制御指令信号をそれぞれ発生させると共に、複数の駆動手段からの帰還信号が入力され、複数のモータのフィードバック制御を行うようになっている。このサーボコントローラ12は、コントローラ側シリアル通信手段18を有している。また、電力増幅装置14は、サーボコントローラ12からの制御指令信号に基づき、それぞれのモータ4・・4、6・・6に電力を供給し、これらモータ4・・4、6・・6の駆動を制御するようになっている。これら電力増幅装置14・・14、16・・16には、それぞれモータ側シリアル通信手段20が接続されている。コントローラ側シリアル通信手段18と各モータ側シリアル通信手段20とは、一本の通信ケーブル22により順次リンク状に接続されている。」(3欄26行乃至47行)と記載されていることが認められ、これらの記載によれば引用例1には「コントローラを搭載するコントロール部と、モータ側に設けられる複数のサーボドライブと、前記コントローラに前記複数のサーボドライブを直列にデージーチェーンによって接続する信号線からなるサーボコントローラ装置。」との考案(以下、引用例1考案という。)が開示されていると認めることができる。
同じく、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭61-80276号(実開昭62-192889号)のマイクロフィルム(以下、引用例2という。)に、「〔従来の技術〕従来、この種のロボット制御装置は、1つのロボット制御信号につき1本のケーブルでロボット又は外部装置と接続していた。〔考案が解決しようとする問題点〕このため、ケーブルの本数が多くなり、ロボットの製造・輸送・設置等に手数がかかるためにコスト高となり、また、ケーブルを長く引き延ばすために電磁誘導や静電誘導による外来ノイズの影響を受け易いという欠点があった。〔問題点を解決するための手段〕このような欠点を除去するために本考案は、センサ入力信号・アクチュエータ制御信号等から成るロボット制御信号をロボット又は外部装置とやりととりするロボット制御信号送信部をロボット制御信号受信部とを有するロボット制御装置において、パラレル信号としての複数のロボット制御信号を第1のシリアル電気信号に変換するパラレル・シリアル変換部と、第1のシリアル電気信号をシリアル信号に変換して光ファイバを通して受信したシリアル信号を第2のシリアル電気信号に変換する光・電気変換部と、第2のシリアル電気信号をパラレル信号に変換するシリアル・パラレル変換部とを設けるようにしたものである。」(2頁4行乃至3頁8行)、「第2図は本考案の第2の実施例を示す系統図である。この実施例は、第1図におけるドライバ20をロボットに実装し、位置決め部19とドライバ20間の信号も他の信号と同様に光ファイバ2で伝送することにより、ロボット制御装置1の小型を図ったものである。」(6頁4行乃至9行)と記載されていることが認められる。
3.対比・判断
本願考案と引用例1考案とを対比すると、両者は「コントローラを搭載するコントロール部と、複数のサーボドライブと、前記コントローラに前記複数のサーボドライブを直列にデージーチェーンによって接続す
るサーボコントローラ装置」の点で一致し、
(1)本願考案のサーボドライブがロボット側の所要個所に設けられているのに対し、引用例1考案がこの点につき記載するところがない点、
(2)本願考案が交流電力をコンバータにより変換して得られる直流電力を供給する電源を有し、この電源をコントロール装置に搭載したのに対し、引用例1考案が係る構成を備えていない点、
(3)本願考案が通信線の他、交流電力をコンバータにより変換して得られる直流電力を供給する電源をコントローラに搭載し、かつ電源に複数のサーボドライブを直列にデージーチェーンによって接続するのに対し、引用例1考案がこの点につき記載するところがない点、で相違する。 そこで、前記各相違点について検討する。
A.相違点(1)について
前示のとおり引用例2にはドライバをロボットに実装するという技術思想が示されており、そして、引用例2はロボット制御装置とロボットとの間に介在する多数のケーブルによる問題点を解決するという、引用例1考案と共通する課題を解決するものであるから、引用例2に接した当業者であれば、引用例1考案のサーボコントロール装置をドライバを実装したロボットに適用すること、すなわち、本願考案の相違点(1)に係る構成はきわめて容易に想到できたものというべきである。
B.相違点(2)について
特開昭63-117665号公報、特開昭63-52696号公報にも示されているように、交流電源をコンバータにより変換して得られる直流電力を供給する電源は周知のものであって、引用例1考案にはこの周知技術の適用を妨げるべき技術的理由が存在するものとはいえず、また、ロボット本体と制御装置をケーブルを介して接続し、電源を制御装置に設けることは特開昭60ー194795号公報、特開平4-141395号公報にも示されているように周知技術であるから、前記交流電源をコンバータにより変換して得られる直流電源をコントロール部に搭載すること、すなわち、本願考案の相違点(2)に係る構成は当業者がきわめて容易に想到できたものというべきである。
C.相違点(3)について
本願明細書の記載によれば、本願考案が相違点(3)に係る構成を採用したのは信号線のみならず、電源線の配線本数をも削減するためと認められるところ、電源線の配線本数を削減するとの技術的課題は前示周知技術(特開昭60-194795号公報、特開平4-141395号公報)が解決しようとする課題と同じであって、そして、引用例1考案が採用した複数のサーボドライブを直列にデージーチェーンによって接続する仕方は信号線の配線本数を削減するためのものではあるが、ケーブルの配線本数を削減するとの観点では電源線の配線本数を削減するものと共通するといえ、また、電源線をデージーチェーンによって接続することが技術的に困難であるとする事情も見当たらないのであるから本願考案の前記相違点(3)に係る構成は当業者がきわめて容易に想到できたものというべきである。
そして、本願考案が奏する「本発明は、コントロール部側に直流電源及びコントローラを搭載し、ロボット側に複数のサーボドライブを配置し、電源、コントローラの各々と複数のサーボドライブとの間はデージーチェーンによって電源線、信号線を接続することによって、両者間のケーブル本数をサーボドライブの数に関係なく大きく減らすことができるとともに、ロボット側に設けたサーボドライブ、サーボモータ等は一体的に構成できて、」(明細書4頁15行乃至20行)との作用効果は引用例1、引用例2及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
4.むすび
以上のとおり、本願考案は引用例1、引用例2及び周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法3条2項の規定により拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-08-08 
結審通知日 2001-08-16 
審決日 2001-09-27 
出願番号 実願平5-56178 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H02P)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山下 喜代治  
特許庁審判長 大森 蔵人
特許庁審判官 紀本 孝
菅澤 洋二
考案の名称 サーボコントロール装置  
代理人 石橋 政幸  
代理人 金田 暢之  
代理人 伊藤 克博  
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