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審決分類 審判 全部申し立て   A63F
管理番号 1050175
異議申立番号 異議2000-71038  
総通号数 25 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2002-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-03-13 
確定日 2001-10-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2599599号「玉投出機」の請求項1、2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2599599号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 (1)手続の経緯
実用新案登録第2599599号の請求項1ないし2に係る考案は、平成5年10月13日に実用新案登録出願され、平成11年7月16日にその設定登録がなされ、その後、河井清悦、グローリー工業株式会社より登録異議の申立てがなされ、平成12年6月6日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年8月15日に訂正請求がなされ、ついで再度平成12年12月6日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年2月9日に訂正請求がなされたものである。
(2)訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1を下記のように訂正する。
「【請求項1】1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントするカウント手段と、一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する異常検出手段と、異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されていることを特徴する玉投出機。」
訂正事項b
明細書の段落番号0006を「【0006】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本考案では、1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントするカウント手段と、一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する異常検出手段と、異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されていることを特徴する。」と訂正する。
訂正事項c
明細書の段落番号0007を「【0007】【作用】これら考案によれば、異常検出手段においてパチンコ玉の供給の異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、終了判断手段において、実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させるようにしたので、例えば、パチンコ玉の玉詰まりにより、投出処理が一時的に中断してしまった場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理は継続される。すなわち、本考案の玉投出機では、パチンコ玉の投出処理を行っている途中に、玉詰まりが生じた場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理を継続して行うことになるので、従来のような玉詰まり解消後に出納管理が不正確になることが無い。」と訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aは訂正前の請求項1に記載された「投出処理が開始される毎にカウントする」、「パチンコ玉の供給の異常を検出する」及び「異常検出手段で異常が検出されたときに、」を「投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントする」、「一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する」及び「異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、」に明細書及び図面に記載されていた実施例(明細書段落番号0020のステップ9及びステップ10、ならびに図4のSP9からSPI0へのフロー、明細書段落番号0012の下から7行目?下から6行目の記載、明細書段落番号0024のステップ14、ステップ15?ステップ16の項、明細書段落番号0025のステップ17の項、ならびに図4のSP15からSP17へのフロー参照)に即してカウント手段、異常検出手段を下位概念に限定したものであり、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とし、訂正事項b、cは前記実用新案登録請求の範囲の減縮に伴って、減縮された実用新案登録請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるための明瞭でない記載の釈明を目的とし、これらの訂正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
なお、異議申立人河井清悦は、「異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、」との記載を追加することは「異常を解消した旨の情報が外部から入力」されるとの記載が非常に抽象的であるため、実用新案登録請求の範囲の実質的な拡張又は変更にあたる旨の主張をしているが、実用新案登録明細書の詳細な説明の項を参酌して上記記載を解釈すれば、「外部」は、“店員”と解され、「終了判断手段」以外の部位からの入力が全て前記外部からの入力に含まれるとは認められない。
3 むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(3)登録異議の申立についての判断
1.本件の請求項1、2に係る考案
上記(2)3で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る考案は、上記訂正に係る訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記(2)1 訂正事項a参照)
また、本件の請求項2に係る考案は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項2】 上記実行回数は金額に換算して示されることを特徴とする請求項1記載の玉投出機。」
2.引用刊行物に記載された考案
当審で通知した平成12年12月6日付けの取消しの理由で引用した刊行物1(実願昭62-140048号(実開昭64-46088号)のマイクロフィルム、以下、「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。
ア「本考案は遊技物体未排出度数表示装置に関するもので、特にパチンコカードシステムに用いられるものである。」(明細書第3頁第19行?第4頁第1行)
イ「カード玉貸機はパチンコ台間に挿入された薄形の玉貸機で、カードを挿入することによりパチンコ玉を貸出すことができるものである。」(明細書第12頁第1行?第3行)
ウ「玉排出部材の駆動に応じて未排出度数がアップダウンカウンタよりなる未排出度数記憶部130に記憶され、」(明細書第14頁第11行?第13行)
エ「玉排出機構24 第10図は玉排出機構24の詳細構成を示す側面図である。玉通路22内には玉40が連続して詰まっており、この玉通路22内には、隣接する歯間に玉1個分だけを保持することのできるような歯を10枚有する10枚ギア41の歯が突出している。この10枚ギアに固着された小歯車42にはこの小歯車42の2.5倍の歯数を有する制御ギア43が噛み合っている。制御ギア43には突起部45を有する円板44、およびこの突起部45の回転位置をセンサであるフォトインタラプタ47で検出するための検出板46が固着されている。円板44の下方には引張りバネ50により上方付勢され、先端部に円板44の突起部45と係合するL字状の突起49を有するロックレバー48が設けられており、このロックレバー48の反対側端部はソレノイド51と結合され、ソレノイド51の付勢により突起49が突起部45から離れるように引込まれる。玉通路22の下方には玉貯留部25が設けられ、その玉取出口13の近傍には玉貯留部25内の玉の存在を検出するセンサ52が設けられている。玉排出機構24の動作 カードPCが挿入されて例えば200円分の玉貸しを行うものとすれば、ソレノイド51の駆動信号が制御部から発生され、ロックレバー48を一時的に引き込む。これによりロックレバー48の突起49は突起部45から外れるため、制御ギア43は自由に回転可能になる。するとこの制御ギアと小歯車42を介して噛み合っている10枚ギア41はパチンコ玉40の自重によりパチンコ玉を1個ずつ搬送しながら左回転する。これにより制御ギア43は右に1回転し、既にもとの位置に戻っているロックレバー48の突起49に突起部45が当接して移動が阻止されることにより10枚ギア41の回転が停止される。したがって制御ギア43が1回転する間に10枚ギア41は2.5回転して玉40は100円分の25個が排出される。」(明細書第15頁第1行?第16頁第20行)
オ「残度数が2以上であるときはカウンタに「2」を加算した(ステップS112)後」(明細書第19頁第3行?第5行)
カ「このように台間玉貸機はカードが挿入される度にカウンタに度数2を加算して返却し、このカウンタ内のカウント値にしたがった排出動作を行うことになる。」(明細書第19頁第16行?第19行)
キ「制御部100は排出部材位置検出センサ106としてのフォトインタラプタ47の出力を...そのまま終了して待機状態となる。」(明細書第20頁第2行?第10行)
ク「センサ出力が「L」となった場合にはソレノイド51をオフとし(ステップS210)、カウンタから1を減算する(ステップS212)。」(明細書第20頁第20行?第21頁第3行)
ケ「カードの挿入を3回繰り返せば600円分の度数6がカウンタに記憶され、」(明細書第22頁第3行?第4行)
コ「制御ギア43の回転が止まっているのでセンサ出力は「H」にならずステップS202で待機状態となる。」(明細書第22頁第14行?第16行)
サ「詰まりが解消され、500円目の玉の排出が完了してセンサ出力が「H」となると残りの100円分の玉の排出動作が行われる。」(明細書第23頁第18行?第20行)
シ「未排出の場合のーつとしてソレノイドが駆動されたにもかかわらず第12図に示すように突起部45が突起49の上に乗り上げてしまいセンサ出力が「H」のままとなることがあり、」(明細書第24頁第4行?第7行)
ス「タイマの設定時間である1秒後にも相変わらずセンサ出力が「H」であるときは初期状態(S202)に戻すようにしている(ステップS228)。」(明細書第25頁第4行?第7行)

同じく当審で通知した同日付けの取消しの理由で引用した刊行物2(特開昭60-193484号公報 、以下、「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。
セ「賞品球の排出を検出する手段を設け、この検出信号に基づいて予め定められた数に達するまで払出し操作を行わせるように構成することによって正確な賞品球の払出しが行われるようにすることを目的とする。」(公報第2頁左下欄第15行?第20行)
ソ「所定数の賞品球の払出処理を実行する。それから、ステップS3へ進み、排出球検出器35からの信号を計数する内部のカウンタの値を読み取ることで、実際の排出球数を確認する。」(公報第5頁左下欄第16行?第19行)
タ「このような正確な払出しが行なえるようにするため、上記処理時間Tは、例えば次のようにして予め決定されている。つまり、一つの入賞球に対して払出される賞品球数をn個とし、賞品球払出装置20による一個の賞品球の排出時間(スプロケット22が30度回転するのに要する時間)をt、また実際の排出があってから排出検出信号が出力されるまでのタイムラグ等を考慮した余裕率をα(通常2?3程度にしてやればよい)とすると、片側の列のみからすべて排出される場合を想定してもT=n×α・t×2としてやればよい。具体的には、上記パルスモータ21が30度回転するのに要する時間tが約45msec(ミリ秒)であれば、賞品球数n=15としても、正常な状態であればn×t=675msecで1回の賞品球払出しが終了するのに対し、上記処理時間Tは、α・t=100msecとしても、約200n秒に設定してやれば、片側のみからの排出によっても設定された処理時間T内に1回の払出しが十分に終了することになる。しかしながら、誘導路8内での玉詰まりや玉不足検出器15a,15bの故障等により、賞品球払出装置20が完全に空回りすることによって、上記処理時間Tを経過しても払出球数が賞品球数に達しない場合が起きると、上記フローのステップS7で処理時間オーバーと判定される。すると、ステップS8へ進んで排出動作を停止させるとともに、エラー表示を行なう。」(公報第6頁左上欄第10行?右上欄第17行)
チ「スッテプS9における排出動作停止状態は、例えばパチンコ店の係員が裏機構盤を点検、正常化した後、裏面セット基板等に設けたリスタートスイッチ(図示省略)を押すことによって、解除させることができるように構成しこれによって通常処理状態に復帰するようにしてある。」(公報第6頁右上欄末行?左下欄第6行)
同じく当審で通知した同日付けの取消しの理由で引用した刊行物3(特開昭63-300378号公報、以下、「引用例3」という。)には、以下の事項が記載されている。
ツ「12は該制御コンピュータCからの指令により挿入された磁気カードMの使用残数を表示する残数表示部である。この残数表示の仕方としては、ー回の玉貸で25個の玉貸を行うように設定し、総計10回の玉貸を行うようにして残数を8,5,3,1,0等というように表示してもよく、また残金額(円)を800,500,300,100,0等と表示することもできる。」(公報第3頁左上欄第15行?右上欄第3行)
テ「後述する玉切れセンサー48によって玉切れが検知され又は玉詰まりセンサー50によって玉詰まりが検知されたときには、玉貸は出来ないからそのまま動作を終了する。」(公報第3頁左下欄第2行?第5行)
ト「残数表示部12は7セグメントのLED表示等により、0?9等の数字で残使用回数を表示してもよく、0,100,300,500,800等というように残りの金額(円)を表示するようにすることもできる。」(公報第4頁左上欄第1行?第5行)
異議申立人河井清悦の提示した甲第1号証(特開昭60-215385号公報)には、以下の事項が記載されている。
ナ「第2の発明の目的は、球払出装置が作動することにより払出球検出手段から送出される検出信号を計数し、予め設定された払出球数に達したか否か判別して払出終了信号を形成する終了判別手段と、球払出系において予め定められた異常状態になったことを検出して異常検出信号を発生する払出系異常検出手段と、球払出指令信号に基づいて上記球払出装置の動作を開始させ、かつ上記終了判別手段からの払出終了信号もしくは上記払出系異常検出手段からの異常検出信号に基づいて払出動作を停止させる払出制御手段とを設けるとともに、上記払出制御手段には、上記球払出装置の作動中に上記異常検出信号が入力された際には上記終了判別手段からの終了信号が入力されるまで当該球払出装置をそのまま継続して作動させる継続駆動制御手段を設けることにより、一旦開始された賞品球の払出しは所定数の球が払い出されるまで行なって途中で中断されないように保証し、従来のように賞品球の払出し動作が再開された直後に通常よりも少ない数の賞品球が排出されることによる遊技者と遊技店との間の払出球数をめぐるトラブルを回避することにある。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第3頁右上欄第3行?左下欄第4行)
ニ「入賞球導出路4の途中には、球払出し指令信号発生手段としての入賞球検出器5と入賞球分離器6とが設けられていて、ここを通過する入賞球は入賞球分離器6によって一個ずつ分離されて流下され、下方の入賞球検出器5によって電気的に検出される。このようにして、入賞球一個宛に検出した入賞検知信号に基づいて後述の球払出装置20を動作させ、所定数の賞品球の払出しを行なうようになっている。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第3頁右下欄第11行?第19行)
ヌ「この実施例では、後で詳述するように、パルスモー夕21とこれによって回転駆動されるスプロケット22とからなる電動式の球払出装置20を設け、上記入賞球導出路4の途中に設けられた入賞球検出器5からの入賞検知信号に基づいて制御装置50で駆動信号を形成して、入賞球ごとに球払出装置20を動作させて所定数の賞品球の払出しを行なうようになっている。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第4頁左上欄第10行?第17行)
ネ「なお、上記誘導路8の垂直部の途中には、ホール素子等からなる払出球検出器35が設けられてある。この払出球検出器35は、内部が2列に形成されている誘導路8の垂直部の各列に対応してそれぞれ設けられており、各列内に整列している賞品球が排出動作に伴なって、下方へ移動する現象を検出して払出球検知信号を形成する。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第4頁右下欄第5行?第11行)
ノ「上記球払出装置20および表示ランプ96を制御する制御システムは、例えば第12図のように構成することができる。このシステムでは、制御装置50は、前記入賞検出器5から出力される入賞検知信号を計数し、保持するカウンタのような記憶回路51と、内部に一つの入賞球に対して払出す賞品球数を設定するレジスタのような設定器53および払出球検出器35からの検出信号を計数して払出球数を得るカウンタ54を有するマイクロコンピュータ(CPU)等からなる制御回路52によって構成されている。この制御装置50は、入賞球があると、入賞球検出器5から個々の入賞球に対応して発生される入賞検知信号(パルス)が、記憶手段としての記憶回路51に供給されて計数されることにより、入賞球数を記憶する。そして、記憶回路51内の入賞球数が“1”以上になると、球払出装置20を構成するパルスモータ21に対して、制御回路52から所定のパルス数の駆動信号を送ってパルスモータ21を所定の角度だけ回転させ、内部の設定器53に設定されている数の賞品球の払出しを行なわせる。制御回路52には、払出球検出器35からの検出信号が入力されており、賞品球の排出が開始されると、賞品球ごとに上記払出球検出器35から検出信号(パルス)が制御回路52へ送られる。制御回路52は、この検知信号を内部のカウンタ54でカウントし、このカウント値が内部の設定器53に予め設定されている値に達すると、所定数の賞品球が払出されたと判定して、モータ駆動信号の出力を停止して排出を終了する。このようにして、1つの入賞球に対する所定数の賞品球の払出しが終了すると、記憶回路51内の記憶値(入賞球数)を“1”だけ減算させ、その結果、記憶値が“0”になれば次の入賞球があるまで賞品球の払出しを休止し、記憶値が “1”以上であれば、続けて次の払出し動作に移行し、上記動作を繰り返す。また、上記制御回路52には、前記オーバーフロー検出器79からの検出信号が入力されており、補助受皿12内が賞品球で一杯になって、オーバーフロー検出信号が出力されると、これを受けてたとえ上記記憶回路51内の入賞球数が“1”以上であっても、それ以上パルスモータ21に対する駆動信号を出力しないようにして球払出装置20の払出動作を停止させるとともに、表示ランプ96に信号を送ってこれを点灯させるようにしてある。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第6頁右下欄第16行?第7頁左下欄第4行)
ハ「上記の場合、球払出装置20が作動している際にオーバーフロー検出信号が発生しても、直ちにバルスモ-タ21を停止させるのではなく、一旦その分の入賞球に対する所定数の球払出しを終了した時点で球払出装置20を停止させ、未払いの分の入賞球の数は例えば記憶回路51に保持する。そして、補助受皿12内の賞品球が遊技者によって取り除かれ、オーバーフロー検出器79の出力がなくなって球払出装置20の動作不態状態が解除された時点で入賞記憶があれば残りの賞品球の払出しを再開させるようになっている。これによって、球払出装置の払出制御が容易となって誤作動を防止できるとともに、1入賞球に対する所定数の賞品球の払出しをオーバーフロー検出信号が発生した前後2回に亘って払い出す場合に比べて遊技者の賞品球数に対する不審感を解消できる。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第7頁左下欄第5行?第20行)
ヒ「また、上記実施例では、賞品球を貯留する補助受皿が満杯(オーバーフロー状態)になったときに、これを検出して球払出装置の動作を停止させるようにした場合について説明したが、この発明はそれに限定されるものではなく、例えば予備貯留部7内の球を球払出装置20まで誘導する誘導路8の途中に設けた払出球検出器35からの信号に基づいて誘導路8内の球無し状態あるいは球詰りを検出したときに球払出系における異常発生と認知して球払出装置20の作動を停止させるように構成しても良い。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第9頁右下欄第5行?第15行)
フ「さらに、球払出し指令信号発生手段は入賞球検出器5だけに限定されることなく、例えば貸球操作スイッチ等も採用することができる。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第9頁右下欄第16行?第18行)
ヘ「さらに第2の発明は、球払出指令信号を発生する球払出し指令信号発生手段と、上方から供給された球を自作用的に整列させて誘導する誘導路と、外周に球の係合部を有し上記誘導路に臨むスプロケットおよびその回転駆動手段とからなり上記スプロケットの回動により球を1個ずつ払出し可能な球払出装置と、上記誘導樋の途中に設けられ、流下する球を検出する払出球検出手段と、上記球払出し指令信号に対する払出球数を設定するための球数設定手段と、球払出装置が作動することにより払出球検出手段から送出される検出信号を計数し、上記設定払出球数に達したか否か判別して払出終了信号を形成する終了判別手段と、球払出系において予め定められた異常状態になったことを検出して異常検出信号を発生する球払出系異常検出手段と、球払出指令信号にもとづいて上記玉払出装置の動作を開始させ、かつ終了判別手段からの払出終了信号もしくは上記払出異常検出手段からの異常検出信号に基づいて払出動作を停止させる払出制御手段とを設けるとともに、上記払出制御手段には、上記球払出装置の作動中に上記異常検出信号が入力された際に上記終了判別手段からの終了信号が入力されるまで当該球払出装置をそのまま継続して作動させる継続駆動制御手段を設けるようにしたので、一旦開始された球の払出しは途中で中断されることがないため、球の払出し動作が再開された直後に通常よりも少ない数の球が払出されることによる遊技者と遊技店との間の払出し球数をめぐるトラブルを回避することができるという効果がある。」(平成3年8月2日発行(手続補正書)第10頁左下欄第1行?右下欄第10行)
これらの事項から上記甲第1号証には、入賞球(貸出操作スイッチによる場合もあり)を記憶する制御装置と、1つの入賞球に対する所定数の賞品球の払出しが終了すると、記憶回路51内の記憶値(入賞球数)を“1”だけ減算させ、異常検出手段で異常が検出された場合(補助受皿12内が賞品球で一杯になって、オーバーフロー検出信号が出力されたり、誘導路の途中に設けた払出球検出器からの信号に基づいて誘導路内の玉詰まり等を検出したとき)に、これを受けてたとえ上記記憶回路51内の入賞球数が“1”以上であっても、球払出装置20の払出動作を停止させ、未払いの分の入賞球の数を記憶回路51に保持し、補助受皿12内の賞品球が遊技者によって取り除かれ、オーバーフロー検出器79の出力がなくなって球払出装置20の動作不態状態が解除された時点で入賞記憶があれば残りの賞品球の払出しを再開させるようになっている払出制御が容易で誤作動を防止でき、遊技者の賞品球数に対する不審感を解消できるパチンコ玉払出装置に関する考案が記載されている。
同じく異議申立人河井清悦の提示した甲第2号証(特開昭53-45599号公報)には、以下のような事項が記載されている。
マ「(1)投入された硬貨に応じて予め定める数のパチンコ玉を払い出すための自動玉貸装置において、予め定める回転位置毎に前記予め定める数のパチンコ玉を収納しかつその回転によって該回転位置毎に収納された予め定める数のパチンコ玉を払出す回転払出手段、前記回転払出手段を予め定める回転位置順次に回転駆動する回転駆動手段、および前記投入された硬貨を検出したことに応答して前記回転払出手段が予め定める数のパチンコ玉を払出すように前記回転駆動手段の回転を制御する手段を備えた自動玉貸装置。
(2)前記制御手段は、前記回転払出手段の回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段出力に基づいて、前記回転払出手段から払出されたパチンコ玉数を計数する払出玉数計数手段とを備えたことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の自動玉貸装置。」(第1頁左欄第5行?右欄第2行)
3.対比及び判断
請求項1に係る考案について
本件の請求項1に係る考案と刊行物1記載の考案を対比すると、刊行物1記載の考案の「制御ギアの1回転」、「25個の玉」、「玉排出機構」、「玉排出部材の駆動」、「カウンタ」、「未排出度数記憶部」、「フォトインタラプタと検出板」、「センサ出力がHレベルであるときカウンタの値が「1」かどうかを判断する」は本件の請求項1に係る考案の「1回の投出処理」、「単位個数のパチンコ玉」、「玉投出機」、「実行」、「記憶部」、「カウント手段」、「異常検出手段」、「終了判断手段」にそれぞれ相当するので、両者は「1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎にカウントするカウント手段と、パチンコ玉の供給の異常を検出する異常検出手段と、異常検出手段で異常が検出された場合に、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されている玉投出機。」である点で一致し、
a投出処理の実行回数のカウント手段が、本件の請求項1に係る考案では「投出処理が終了した後でカウント」するのに対して、刊行物1記載のものは払出処理の開始によりカウントする点、
b異常検出手段が、本件の請求項1に係る考案では「一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に異常を検出する」のに対し、刊行物1記載のものは、ソレノイドの駆動状態とセンサ出力の状態に基づいて異常を検出する点、
cパチンコ玉の投出処理の終了判断を、本件の請求項1に係る考案では「異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると」行うのに対して刊行物1記載のものはこの点について明記されていない点で相違する。
上記相違点a、b、cについて検討する。
相違点aに対して
投出処理が終了した後でカウントする点は刊行物2に記載されている(前記記載ソより)。そして、刊行物1記載の考案におけるカウント手段に代えて、刊行物2に記載された払出処理の実行後に排出球をカウントする手段を、採用することは当業者にとって格別困難ではない。
相違点bに対して
一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に異常を検出することは、刊行物2に記載されており(前記記載タより)、刊行物1記載の考案における異常検出手段に代えて、刊行物2に記載された一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に異常を検出する異常検出手段を採用し、本件の請求項1記載のもののように構成することは当業者にとって格別困難ではない。
相違点cに対して
異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されることによりパチンコ玉の投出処理の終了判断を行うようにした点は、刊行物2に記載されているが(前記記載チより)、刊行物1記載の考案における詰まりは、遊技者が貯留部から玉を取り出せば自然に解消され、玉の排出が行われるようになるものであり、刊行物2記載の考案の詰まりのごとくパチンコ店の店員が遊技物体の詰まりを正常化することによって解消するものではない。すなわち、刊行物1記載の考案においては、異常を解消した旨の情報が入力されずとも玉の排出が行われるようになるものであり、そのような刊行物1記載の考案に刊行物2記載の考案を適用することがきわめて容易に想到できるとは言えない。また河井清悦の提示した甲第1号証及び甲第2号証にもこの点は記載されていない。そして、本件請求項1に係る考案は刊行物1,2に記載されている技術が有する効果の総和以上の作用効果を奏するものと認められる。
したがって、本件請求項1に係る考案は刊行物1、2及び異議申立人河井清悦の提示した甲第1、2号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない。
請求項2に係る考案について
実行回数を金額に換算して示すことは刊行物3記載されている(前記記載ツ、トより)が、本件請求項2に係る考案は、本件請求項1に係る考案を更に限定したものであるから、本件請求項1についての判断と同様の理由により、刊行物1、2、3、及び異議申立人河井清悦の提示した甲第1、2号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない。
4.むすび
以上のとおりであるから、登録異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし2に係る考案の登録を取り消すことは出来ない。
また、他に本件請求項1ないし2に係る考案の登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
玉投出機
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、
必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、
投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントするカウント手段と、
一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する異常検出手段と、
異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されていることを特徴する玉投出機。
【請求項2】 上記実行回数は金額に換算して示されることを特徴とする請求項1記載の玉投出機。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、パチンコ店で使用される玉投出機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、玉投出機では、まず、装置内に現金あるいはプリペイドカード(以下、カードという)を投入し、これら現金、カードの度数(度数1は100円)内で、操作者が指定した数量のパチンコ玉を投出させるようにしている。
例えば、装置内に千円の紙幣を投入した後、300円の玉投出を指示する玉数選択ボタンを押せば、これに対応して、300円に相当する75個(25個×3度数)のパチンコ玉が投出され、かつ700円の釣り銭が出金されるようになっている。
【0003】
また近年では、玉投出機を内蔵したカード販売機もあり、このようなカード販売機では、例えば1万円のカードを購入した場合に、プレミアムとして5%に相当する500円分のパチンコ玉を購入者に対して投出させるようにしている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記玉投出機では、500円分のパチンコ玉を払い出す場合に、25個(単位個数)のパチンコ玉の投出処理を5回繰り返すようにしているが、このような投出処理を行っている途中に、例えば玉詰まりが生じた場合には、店員が、玉詰まりを解消した後、未投出分に相当するパチンコ玉あるいは未投出分に相当する現金を別途、玉購入者に対して返却する必要がある。
そして、このような状況にて、店員が、返却すべき現金あるいはパチンコ玉を間違って計算した場合には、出納管理が不正確になって、玉購入者あるいはパチンコ店に対して損失を与えるという不具合が発生する。
【0005】
本考案は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、パチンコ玉の投出処理を行っている途中に、玉詰まりが生じた場合に、玉詰まり解消後、未投出分に相当するパチンコ玉を自動投出させ、これによって玉詰まり解消後の面倒な操作を省き、かつ出納管理を正確に行うことができる玉投出機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案では、1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントするカウント手段と、一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する異常検出手段と、異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されていることを特徴する。
【0007】
【作用】
これら考案によれば、異常検出手段においてパチンコ玉の供給の異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、終了判断手段において、実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させるようにしたので、例えば、パチンコ玉の玉詰まりにより、投出処理が一時的に中断してしまった場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理は継続される。
すなわち、本考案の玉投出機では、パチンコ玉の投出処理を行っている途中に、玉詰まりが生じた場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理を継続して行うことになるので、従来のような玉詰まり解消後に出納管理が不正確になることが無い。
【0008】
【実施例】
以下、本考案の一実施例である、玉投出機を有するカード販売機1について、図1?図4を参照して説明する。
なお、このカード販売機1では、1万円のカードを購入した場合に、玉投出機により、プレミアムとして5%に相当する500円分のパチンコ玉を購入者に対して投出させるようにしている。
【0009】
これらの図において、図1はこのカード販売機1の前扉2を示しており、この前扉2には、カード選択ボタン3、カード陳列部4、カード払出口5、硬貨の投入口6、硬貨の払出口7、紙幣の投入口8、紙幣の払出口9、玉シュート10、表示部11がそれぞれ設けられている。
【0010】
カード選択ボタン3は、カード陳列部4に陳列されているプリペイドカードの購入を指示するためのものであって、1000円、2000円、3000円、5000円、10000円用のプリペイドカードを選択できるようになっている。
カード払出口5は、カード払出装置30(図示略)の一部を構成するものであって、このカード払出装置30は、カード選択ボタン3によって選択されたカードをカード払出口5から払い出すようにしている。
【0011】
硬貨の投入口6及び払出口7は硬貨入出金機31(図3参照)の一部を示すものであって、投入口6から投入された硬貨は金種が判別された後、図示しない収納部に収納される。また、この硬貨入出金機31の収納部からは、必要に応じて払出口7に対して釣り銭用硬貨が払い出される。
紙幣の投入口8及び払出口9は紙幣入出金機32(図3参照)の一部を示すものであって、投入口8から投入された紙幣は金種が判別された後、図示しない収納部に収納される。また、この紙幣入出金機32の収納部からは、必要に応じて払出口9に対して釣り銭用紙幣が払い出される。
【0012】
玉シュート10は玉投出機33(図3参照)の一部を示すものであって、この玉投出機33では、10000円のカード選択ボタン3が押された場合に、玉投出機33により、プレミアムとして5%に相当する500円分のパチンコ玉を投出させるようにしている。
また、この玉投出機33内には、25個単位でパチンコ玉を計数するための計数ギア(図示略)と、計数ギアで計数されたパチンコ玉を玉シュート10に送るための通路と、通路の途中に設けられて、計数ギアの動作開始後、一定時間経過しても規定数のパチンコ玉が供給されない場合に玉詰まりが発生したとみなす異常検出センサ12(図3参照)とが具備されている。
なお、異常検出センサ12としては光センサを使用すれば良いが、これに限定されず、計数ギアを回転させる駆動モータの電流を検出し、この電流が過電流となった場合に、玉詰まりが発生したとみなしても良い。
【0013】
表示部11は、硬貨入出金機31にて判別された入金硬貨、紙幣入出金機32にて判別された入金紙幣の合計を表示し、一方、このカード販売機1が玉詰まり等で使用不能となったときに『発売中止』の案内を表示するためのものである。
【0014】
次に、前扉2の裏面に設けられた裏パネル13について図2を参照して説明する。
この裏パネル13は、各種エラーコード、玉投出機33における玉投出処理の未投出金額(後述する)を数値表示するエラーコード表示器14と、エラーコードに対応したメッセージを表示する液晶表示器15と、入金貨幣集計、玉投出数等の各種集計を行うための操作部16とを有するものであって、該操作部16の中には、玉投出機33をリセットさせるための確認ボタン17が設けられている。
なお、液晶表示器15に表示されるメッセージとしては、『タマ ツマッテマス タマシュート ヲ カクニン シテクダサイ』、『ツリセンヨウ コウカ/シヘイ ヲ ホジュウ シテクダサイ』などがある。
また、この前扉2には、該前扉2が閉じられた位置にあることを検出する扉スイッチ18(図3参照)が設けられている。
【0015】
次に、上記カード販売機1を制御するための制御装置20について図3を参照して説明する。
この制御装置20は、カード販売機1が行う全動作を制御するためのものであって、この制御装置20には、カード選択ボタン3、操作部16(確認ボタン17)、異常検出センサ12、扉スイッチ18、表示部11、エラーコード表示器14と、液晶表示器15、カード払出装置30、硬貨入出金機31、紙幣入出金機32、玉投出機33がそれぞれ接続されている。
【0016】
以下、制御装置20の制御内容について図4のフローチャートを参照して説明する。
(一)カードの販売
硬貨の投入口6に硬貨を投入、紙幣の投入口8に紙幣が投入されると、硬貨入出金機31、紙幣入出金機32はそれぞれ硬貨、紙幣の入金金額を計算する。そして、この入金金額を示す入金データは制御装置20に供給され、この制御装置20では、表示部11に入金金額を表示するとともに、この入金金額で購入可能なカードに対応したカード選択ボタン3の内蔵ランプを点灯させる。そして、その後、カード選択ボタン3が押された場合には、制御装置20の指示によりカード払出機30から所定金額のカードを払い出し、かつ釣り銭が必要な場合には、硬貨入出金機31、紙幣入出金機32から釣り銭に相当する現金を払い出させる。
【0017】
(二)パチンコ玉の投出
そして、この制御装置20では、現金投入後、1万円のカードの購入を指示するカード選択ボタン3が押された場合に、玉投出機33に対して、プレミアムとして5%に相当する500円分のパチンコ玉を購入者に対して投出させるようにしており、このときの制御装置20の制御内容を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0018】
《ステップ1》?《ステップ3》
硬貨入出金機31の硬貨投入口6、紙幣入出金機32の紙幣投入口8に対して硬貨、紙幣がそれぞれ投入された場合に、次のステップ2にて、これら硬貨入出金機31、紙幣入出金機32に対して、硬貨、紙幣の金種及び受け入れ数を判別させた、その後、判別結果である入金金額を表示部11に対して表示させ、かつこの入金金額で購入可能なカードに対応したカード選択ボタン3内の内蔵ランプを点灯させる。
【0019】
《ステップ4》?《ステップ5》
購入者が、内蔵ランプが点灯しているカード選択ボタン3を押したか否かを判断し(ステップ4)、YESの場合に次のステップ5にてカード払出装置30を動作させて、該当するカードを払い出させる。また、このステップ5では、釣り銭がある場合に、硬貨入出金機31、紙幣入出金機32を動作させて、釣り銭に相当する現金を硬貨払出口7、紙幣払出口9から払い出させる。
《ステップ6》
10000円のカード選択ボタン3が押されたか否かを判断し、YESの場合にステップ7に、NOの場合に本フローチャートを終了する。
【0020】
《ステップ7》
玉投出機33に対してパチンコ玉の投出を開始させる。
なお、このようなパチンコ玉の投出は、25個のパチンコ玉の投出処理を1回ずつ、合計で5回(金額に換算した場合は500円分)行わせるようにしている。
《ステップ8》
異常検出センサ12の出力に基づき、玉投出機33内にパチンコ玉の玉詰まりが発生したか否かを判断し、NOの場合にステップ9に進み、YESの場合にステップ13に進む。
《ステップ9》
玉投出機33によるパチンコ玉の投出処理が終了したか否かを判断し、NOの場合にステップ8に戻り、また、YESの場合に次のステップ11に進む。
《ステップ10》(カウント手段)
予め設定された未投出金額「500」から「100」を減算し「400」とする。
【0021】
なお、このような未投出金額は、実行しなければならないパチンコ玉の投出処理の回数に対応したものであって、本実施例では、500円に相当する5回の投出処理を行わせる必要があるので、未投出金額の初期値を「500」と設定している。
また、このような未投出金額は、ステップ10を経由する毎に「100」ずつダウンさせる。
また、未投出金額の初期値は、未投出金額記憶部20Aに予め設定されているものであり、操作部16での操作により任意に書換可能とする。すなわち、プレミアムの金額を適宜書き換えることが可能である。
また、このステップ10で計算された未投出金額(500,400,300,200,100,0)は、前扉2の裏側のエラーコード表示器14に対して表示させる。
【0022】
《ステップ11》(終了判断手段)
ステップ10の未投出金額が、玉投出機33における投出処理が5回(500円分)終了したことを示す「0」となったか否かを判断し、NOの場合にステップ7に戻って、再度、上記投出処理を繰り返し、YESの場合にステップ12に進む。
《ステップ12》
ステップ10にてカウントダウンされた未投出金額を初期値の「500」にして本フローを終了する。
【0023】
《ステップ13》
ステップ8にて、玉投出機33内にパチンコ玉の玉詰まりが発生したと判断したYESの場合に、このステップ13にて、前扉2の表側の表示部11に対して『発売中止』の案内を表示させ、及び前扉2の裏側の液晶表示器15に対して『タマ ツマッテマス タマシュート ヲ カクニン シテクダサイ』のメッセージを表示させる。
【0024】
《ステップ14》
玉投出機33内のパチンコ玉の玉詰まりを解消させる。なお、このようなパチンコ玉を解消する処理は、店員が前扉2を開けた状態で行う。また、詰まりの原因となったパチンコ玉は、通常、玉投出機33の計数ギア付近にあるものであるので、詰まりを解消することにより最終的に玉シュート10に対して送られる。
《ステップ15》?《ステップ16》
確認ボタン17が押されたか否かを判断し、YESの場合にステップ16に進んで、玉投出機33に対して投出動作が続けて行えるようにリセットする。
【0025】
《ステップ17》
前扉2に設けられた扉スイッチ18が閉じられたか否かを、扉スイッチ18がONとなったか否かにより判断し、閉じられたYESの場合に次のステップ11に進む。そして、このステップ11にて、ステップ10の未投出金額が、投出処理が5回終了したことを示す「0」となったか否かを判断し、NOの場合にステップ7に戻って、再度、上記投出処理を繰り返し、YESの場合にステップ12を経て本フローチャートを終了する。
【0026】
以上詳細に説明したような玉投出機33を有するカード販売機1によれば、玉投出機33内でパチンコ玉の詰まりが発生し(ステップ8)、これを解消した場合(ステップ14)、店員が、前扉2の裏側のエラーコード表示器14に対して表示された未投出金額を参照することにより、玉投出機33が未投出のパチンコ玉の個数を即座に把握でき、更に、パチンコ玉の詰まり解消後(ステップ14)に、玉投出機33をリセットし(ステップ15?16)、前扉2を閉じた場合に(ステップ17)、未投出金額が「0」になるまで投出処理を続行することが可能である(ステップ7?12)。
すなわち、本実施例のカード販売機1によれば、玉投出機33にてプレミアム分のパチンコ玉の投出処理を行っている途中に、玉詰まりが生じた場合に、玉詰まり解消後、未投出分に相当するパチンコ玉を自動投出させ、これによって玉詰まり解消後の面倒な操作を省き、かつ出納管理を正確に行うことが可能となる。
【0027】
なお、本実施例では、カード販売機1に内蔵された玉投出機33を例に挙げたが、これに限定されず、玉購入者により100円、300円、500円の玉投出が指示される単機能の玉投出機に対して適用しても良い。そして、このような玉投出機では、特に、300円の玉投出が指示された場合に、ステップ10における未投出金額の初期値を「300」と設定し また、500円の玉投出が指示された場合に、ステップ10における未投出金額の初期値を「500」と設定する。
【0028】
また、本実施例では、確認ボタン17を押すことにより玉投出機33をリセットするようにしたが、これに限定されず、前扉2を閉めることにより玉投出機33をリセットしても良い。
【0029】
また、上記実施例では、ステップ10において、投出処理が開始される毎に「500」の初期値から「100」ずつ減算し、最終的に「0」となった場合に、投出処理を終了としたが、これに限定されず、初期値を「0」とし、投出処理を開始する毎に「100」ずつ加算し、最終的に「500」(未投出金額記憶部20Aに記憶する)となった場合に、投出処理を終了しても良い。
すなわち、未投出金額記憶部20Aに記憶した「500」に、ステップ10での加算額である「500(100×5)」が一致した場合に、投出処理が終了したと判断しても良い。
【0030】
なお、上記実施例では、ステップ10で示される初期値の「500」が実用新案登録請求の範囲の「実行回数」に相当する。
また、本実施例では、未投出金額の初期値を「500」と設定したが、これに限定されず、この初期値を未投出なパチンコ玉の個数(すなわち、125)としても良く、この場合、ステップ10ではステップ9がYESの場合に単位個数である「25」ずつ減算して行くと良い。そして、この場合では、「125」が実用新案登録請求の範囲の「実行回数」に相当する。
また、これに限定されず、初期値を、投出処理の回数を示す「5」とし、ステップ9がYESの場合に「1」ずつ減算しても良い。そして、この例では「5」が実用新案登録請求の範囲の「実行回数」に相当する。
【0031】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案によれば、異常検出手段においてパチンコ玉の供給の異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、終了判断手段において、実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させるようにしたので、例えば、パチンコ玉の玉詰まりにより、投出処理が一時的に中断してしまった場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理は継続される。
すなわち、本考案の玉投出機では、パチンコ玉の投出処理を行っている途中に、玉詰まりが生じた場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理を継続して行うことになるので、従来のような玉詰まり解消後に出納管理が不正確になることが無く、その出納管理を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
玉投出機を有するカード販売機の正面外観図。
【図2】
前扉の裏パネルを示す図。
【図3】
カード販売機のブロック図。
【図4】
図3の制御装置の制御内容を示すブロック図。
【符号の説明】
1 カード販売機
2 前扉
3 カード選択ボタン
4 カード陳列部
5 カード払出口
6 硬貨投入口
7 硬貨払出口
8 紙幣投入口
9 紙幣払出口
10 玉シュート
11 表示部
12 異常検出センサ
13 裏パネル
14 エラーコード表示器
15 液晶表示器
16 操作部
17 確認ボタン
18 扉スイッチ
20 制御装置
20A 未投出金額記憶部(実行回数記憶部)
30 カード払出機
31 硬貨入出金機
32 紙幣入出金機
33 玉投出機
訂正の要旨 1 訂正の内容
訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の請求項1を下記のように訂正する。
「【請求項1】1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントするカウント手段と、一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する異常検出手段と、異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されていることを特徴する玉投出機。」
訂正事項b
明細書の段落番号0006を「【0006】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本考案では、1回の投出処理にて単位個数のパチンコ玉が投出される玉投出機であって、必要とされる投出処理の実行回数を予め記憶する実行回数記憶部と、投出処理の実行回数を、投出処理が開始される毎に該投出処理が終了した後でカウントするカウント手段と、一定時間の経過に対して規定数のパチンコ玉が供給されない場合に、パチンコ玉の供給の異常として検出する異常検出手段と、異常検出手段で異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、これら実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させる終了判断手段とを備えて構成されていることを特徴する。」と訂正する。
訂正事項c
明細書段落番号0007を「【0007】【作用】これら考案によれば、異常検出手段においてパチンコ玉の供給の異常が検出された場合に、当該異常を解消した旨の情報が外部から入力されると、終了判断手段において、実行回数記憶部に予め記憶された実行回数と、カウント手段でカウントされた投出処理の実行回数とが一致したか否かを判断し、これら実行回数が不一致である場合にパチンコ玉の投出処理を継続させ、また、これら実行回数が一致した場合に、パチンコ玉の投出処理を終了させるようにしたので、例えば、パチンコ玉の玉詰まりにより、投出処理が一時的に中断してしまった場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理は継続される。すなわち、本考案の玉投出機では、パチンコ玉の投出処理を行っている途中に、玉詰まりが生じた場合であっても、終了判断手段において投出処理の実行回数が一致しないと判断する限りは、投出処理を継続して行うことになるので、従来のような玉詰まり解消後に出納管理が不正確になることが無い。」と訂正する。
異議決定日 2001-10-01 
出願番号 実願平5-55417 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 藤井 靖子
松川 直樹
登録日 1999-07-16 
登録番号 実用新案登録第2599599号(U2599599) 
権利者 神鋼電機株式会社
東京都江東区東陽七丁目2番14号
考案の名称 玉投出機  
代理人 志賀 正武  
代理人 樺沢 襄  
代理人 樺沢 聡  
代理人 渡邊 隆  
代理人 渡邊 隆  
代理人 志賀 正武  
代理人 島宗 正見  
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