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審決分類 審判 全部申し立て   A61F
管理番号 1051727
異議申立番号 異議2000-70591  
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2002-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-02-08 
確定日 2001-01-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2598445号「生理用ナプキンの包装構造」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2598445号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 (1)手続の経緯
実用新案登録第2598445号の請求項1に係る考案についての出願は、平成5年6月16日になされ、平成11年6月11日にその考案について実用新案権の設定の登録がなされ、その後、その実用新案登録について異議申立がなされ、平成12年6月16日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年9月5日に訂正請求がなされたものである。
(2)訂正の適否についての判断
(2-1)訂正の内容
(ア)訂正事項1
実用新案登録請求の範囲の請求項1に「それぞれ上記粘着層が設けられていることを特徴とする生理用ナプキンの包装構造。」とあるのを「それぞれ上記粘着層が設けられており、該粘着層は上記折曲部には設けられていないことを特徴とする生理用ナプキンの包装構造。」と訂正する。
(イ)訂正事項2
明細書の段落【0008】に「それぞれ上記粘着層が設けられていることを特徴とする」とあるのを「それぞれ上記粘着層が設けられており、該粘着層は上記折曲部には設けられていないことを特徴とする」と訂正する。
(ウ)訂正事項3
明細書の段落【0026】に「それぞれ上記粘着層16Aが設けられている。」とあるのを「それぞれ上記粘着層16Aが設けられており、該粘着層16Aは、図4に示されているように、上記折曲部には設けられていない。」と訂正する。
(2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1は、本件考案に係る生理用ナプキンの包装構造において、粘着層が折曲部には設けられていないものに限定するものであるから、この訂正は請求項1の減縮を目的とするものである。また、出願当初の願書に添付した図面の図4は本件考案に関する唯一の断面図であるが、その図4では粘着層が折曲部に設けられていないものが開示されているから、この訂正は出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
訂正事項2、3は、訂正事項1の訂正に伴い、明細書の記載を実用新案登録請求の範囲の記載と整合させるものであるから、不明瞭な記載の釈明を目的とするものであり、この訂正も出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2-3)むすび
したがって、この訂正は、平成6年12月14日法律第116号により改正された実用新案法附則第9条第2項の規定により準用する特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、この訂正を認める。
(3)実用新案登録異議の申立てについての判断
(3-1)本件考案
前記したように、上記訂正は認められるから、本件の請求項1に係る考案は、上記訂正に係る訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの以下のものである。
「生理用ナプキンとこれを包装する包装材とからなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられた粘着層と、該包装材の内表面の剥離部とを着脱自在に粘着させてなる生理用ナプキンの包装構造において、上記生理用ナプキンは、その幅方向に設けられた折曲部によって、長手方向に前部、中央部及び後部の三つに且つ該前部の面積と該後部の面積とが異なるように分画され、該前部の端部と該後部の端部とが重なるように該折曲部において3つ折りに折り畳まれており、上記前部、上記中央部及び上記後部には、それらの上記包装材の内面の対向面に、それぞれ上記粘着層が設けられており、該粘着層は上記折曲部には設けられていないことを特徴とする生理用ナプキンの包装構造。」
(3-2)引用した刊行物に記載された考案
当審が平成12年6月16日付け取消理由通知で引用した刊行物1(実願昭63-96038号(実開平2-17127号)のマイクロフィルム)には、「非使用面側に粘着手段を有する生理用ナプキンを、内面を上記粘着手段に対して剥離性を示す剥離面とした包装材の内部に、非使用面全面を剥離面に当接させた状態で包み込み、該包装材の少なくとも側端部を止着してなることを特徴とする生理用ナプキンの個別包装体。」の考案が記載されており(実用新案登録請求の範囲)、「生理用ナプキン1をその非使用面1aの全体を剥離面2aに当接させた状態で包装材2上に重合し、これら生理用ナプキン1と包装材2との重合体を、その長さ方向の両端部をナプキン1の使用面を内側にして互いに重なり合うように折曲することにより三重に折り畳み」という記載があり(明細書6頁10?16行)、この三重に折り畳んだ構造が図2に示されており、また、「第4図に示す第2実施例は、生理用ナプキン1と包装材2との重合体を長さ方向の両端部が互いに衝合するように折曲することにより二重に折り畳み、」という記載があり(明細書8頁9?12行)、この構造は図4に示されている。さらに、「該使用面aの何れの位置に粘着手段3を設けてもそれが包装材2によって確実に保護されることになり、従って、粘着手段3の位置や大きさ等に制限されることなく、剥離紙の無い包装形態とすることができる。」(明細書9頁7?12行)、「非使用面の何れの位置に粘着手段を設けてもそれが包装材によって確実に保護されることになり、従って、粘着手段の位置や大きさ等に制限されることなく、剥離紙の無い包装形態とすることができる。」(明細書10頁4?8行)という記載もある。
(3-3)対比、判断
本件考案と刊行物1に記載された考案(以下、引用考案という。)を比較すると、引用考案の「非使用面」は本件考案の「非肌当接面」に該当し、引用考案の「個別包装体」は本件考案の「包装構造」に該当するものであるから、いずれも、生理用ナプキンとこれを包装する包装材とからなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられた粘着層と、該包装材の内表面の剥離部とを着脱自在に粘着させてなるる生理用ナプキンの包装構造に係るものであり、刊行物1の第4図では三つに折り畳まれた生理用ナプキンが示され、その図を見ると、折り畳まれた両端部の長さが異なるものであるから、前部と後部の面積が異なるものであり、そして、粘着剤は前部、中央部、後部に設けられているから、本件考案の構成要件である、(1)前部の端部と後部の端部とが重なるように折曲部において3つ折りに折り畳まれている点と、(2)粘着層が折曲部には設けられていない点、の2点が引用考案には示されていない点で相違する。
(1)の相違点について、引用考案の第4図に示されるものは両端部が互いに衝合するように折り畳まれたものであって、本件考案のものと異なるものであるが、第2図に示されるものは、重なり部分が両端部とそれにつながる部分まで含まれるものである。すなわち、本件考案の端部が重なり合う態様は第4図のものと第2図のものの中間的なものであり、その3つの態様は、それぞれ、重なり部分がない第4図のものから、最大重なりになる第2図のものまで連続的に重なり部分の大きさが変化してできる態様である。重なりの大きさが変わることによる効果を考えてみると、生理用ナプキンの中間部の長さの全長に占める割合が変わること、包装体の全長が変わること、包装体の厚みが変わることの3つの面が効果として関係してくるが、いずれも、重なり部分の大きさが連続的に変化したとき、効果のそれぞれも連続的に変化して、その構成から得られる効果の程度も連続的に変化するものであるから、まさに予測可能なものであり、その変化の最初である重なりが0のものと最大であるものが引用考案に示されているのであるから、その中間の態様の構成と効果は引用考案に基づいて当業者が極めて容易に想到、予測することのできるものである。
また、見方を変えてみると、端部が重なる態様は重なりがないものときわめて近い態様のものであり、その効果の差は極めて小さいものであるから、本件考案の効果を引用考案と比して格別のものと認めることはできない。
(2)の相違点について、実用新案権者は、この構成に基づく効果はナプキンの折曲部に生じた皺がそのまま固定しないものであると主張しているが、折曲部がどの程度の長さのものであるかは、折り方の程度、ナプキンの材質、厚さにより一定のものではないから、その効果の大きさは一定のものではなく、その効果と折曲部にも粘着層があるものの効果との差がどの程度のものか明らかではないし、それが具体的に示されているものでもない。また、この効果は、実用新案権者が本件考案の別の効果としている、折曲部が排泄部分に当接せず、装着時のナプキンの形態が「く」の字型であるという効果とは相反する効果であるので、この効果に関する主張は容れることができない。そして、粘着層をどの程度の大きさで設けるかは、折曲部分に粘着層を設けるかどうかも含めて、位置の安定性等を考慮して当業者が適宜設定できる事項、すなわち単なる設計事項にすぎない。
よって、本件考案は引用考案に基づいて当業者が極めて容易に考案をすることができたものである。
(3-4)むすび
以上のとおりであるから、本件考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、平成6年12月14日法律第116号により改正された実用新案法附則第9条第2項の規定により準用する特許法第113条第2号に該当するので、その実用新案登録は取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
生理用ナプキンの包装構造
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 生理用ナプキンとこれを包装する包装材とからなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられた粘着層と、該包装材の内表面の剥離部とを着脱自在に粘着させてなる生理用ナプキンの包装構造において、
上記生理用ナプキンは、その幅方向に設けられた折曲部によって、長手方向に前部、中央部及び後部の三つに且つ該前部の面積と該後部の面積とが異なるように分画され、該前部の端部と該後部の端部とが重なるように該折曲部において3つ折りに折り畳まれており、
上記前部、上記中央部及び上記後部には、それらの上記包装材の内面の対向面に、それぞれ上記粘着層が設けられており、該粘着層は上記折曲部には設けられていないことを特徴とする生理用ナプキンの包装構造。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、剥離紙を廃棄処分する必要がなく、且つショーツに対し、充分なタック力を有するように生理用ナプキンに粘着層を設けることができる生理用ナプキンの包装構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】
通常、生理用ナプキンは二つ折り、三つ折り、四つ折り等の状態で包装材により個装されているが、二つ折り及び四つ折りにおいては、下記する如き問題がある。
【0003】
即ち、本考案と同様の包装材に剥離部を有する生理用ナプキンの包装構造においては、二つ折りにすれば粘着材の塗布面積は大きくなるが、コンパクト性に欠け、逆に四つ折りにすればコンパクトではあるが、重なり部分が有るために粘着材の塗布面積が小さくなるという問題がある。また、二つ折り及び四つ折りにおいては、それぞれ装着時に「V字型」「W字型」形状になるために局部にフィットし難いという問題がある。
更に、生理用ナプキンを折りたたむ折曲部では、吸収体が圧縮されているために、排出された体液が幅方向へ拡散されやすく、また折りしわによって幅方向に幾条もの溝が形成されているが、二つ折りや四つ折りでは、排泄点から折曲部に至る距離が短いので、排泄物が長手方向に拡散するよりも折曲部において幅方向に拡散、あるいは溝を伝わって漏れに至る確率が高いという問題がある。
【0004】
一方、三つ折りでは分画された中央部で吸収を行うので二つ折りや四つ折りよりも漏れ防止性能が高い。
以上の点を考慮して、通常、生理用ナプキンの包装構造に際しては、三つ折りして個装する方式が採用されている。
しかし、通常の三つ折りした生理用ナプキンの包装構造においては、粘着材の面積が十分ではなく、ズレ防止性能の向上、及び吸収体の有効利用による漏れ防止性能の向上とコンパクトな包装構造との両立が望まれている。
【0005】
そこで、ズレ防止性能の向上、及び吸収体の有効利用による漏れ防止性能の向上とコンパクトな包装構造とを両立する生理用ナプキンの包装構造に関する技術が種々提案されており、具体的には、下記▲1▼?▲9▼等がある。
▲1▼生理用ナプキンの粘着層がポリオレフィン系フィルムに直接当接されてなる生理用ナプキンの包装体(実公昭59-9615号公報)。
▲2▼水溶性フィルムからなり、生理用ナプキンの粘着層に当接する部分に剥離層を有する包装材により、生理用ナプキンを個別包装してなる包装体(実開昭59-25371号公報)。
▲3▼生理用ナプキンの粘着層が包装材のポケット部の開口端から露出し、包装材の非粘着層がポケット部の上面にて、前記粘着層を止着してなる包装体(実開昭57-34211号公報)。
▲4▼生理用ナプキンの接着部に当接する部分に剥離処理部を有する包装材が、2枚のシートの4辺をシールし、開封用のミシン目を設けてなる生理用ナプキンの個別包装材(実開昭58-179120号公報)。
▲5▼生理用ナプキンの粘着剤層に当接する部分に離型性層を具備する多層樹脂フィルムを包装材とした生理用ナプキンの包装体(実開昭63-71025号公報)。
▲6▼オレフィン系重合体とシリコーン共重合体とを主体とする樹脂によるフィルムからなるナプキン用包装材(実開平2-35724号公報)。
▲7▼シリコーンを塗布した剥離領域とヒートシール可能なシール用領域とを形成したナプキン用包装材(実開昭4-11324号公報)。
▲8▼1)フラップを、生理用ナプキンの粘着剤を被覆・保護する保護部材として用いた羽根付きナプキンの包装体(実開平3-46316号公報)。
2)羽根付きナプキンの包装構造において、フラップ部分の粘着層を保護するために剥離紙を設けた包装構造(実開平2-17127号公報)。
3)羽根付きナプキンにおいて、両面剥離紙を用いて、フラップと吸収性本体の粘着層とを被覆した生理用ナプキンの包装体(実開昭63-186645号公報)。
▲9▼1)生理用ナプキンを剥離処理した包装材で包装したナプキンの包装構造(特開平3-176376号公報)。
2)剥離紙と包装材とを固定し、ナプキンを袋から取り出すと同時に剥離紙が剥がれるようにした包装構造(実開平1-150919号公報)。
3)剥離紙を包装材の口部に挟着し、袋を開封すると同時に剥離紙が粘着部から剥離するナプキンの包装構造(実開昭60-79421号公報)。
4)包装材を開封して、生理用ナプキンを取り出すことにより剥離紙を自動的に剥離させることができる包装構造(実開昭58-58029号公報及び実開平4-120733号公報)。
【0006】
しかしながら、上述の▲1▼?▲9▼の包装体においても、上述の問題点が充分に満足できる程度にまで解決されてはいなかった。
【0007】
従って、本考案の目的は、剥離紙を廃棄する必要がなく、生理用ナプキンを包装袋から容易にとりだすことができ、液漏れ防止性能の向上に寄与し、且つコンパクトで携帯に便利な生理用ナプキンの包装構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、生理用ナプキンとこれを包装する包装材とからなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられた粘着層と、該包装材の内表面の剥離部とを着脱自在に粘着させてなる生理用ナプキンの包装構造において、上記生理用ナプキンは、その幅方向に設けられた折曲部によって、長手方向に前部、中央部及び後部の三つに且つ該前部の面積と該後部の面積とが異なるように分画され、該前部の端部と該後部の端部とが重なるように該折曲部において3つ折りに折り畳まれており、上記前部、上記中央部及び上記後部には、それらの上記包装材の内面の対向面に、それぞれ上記粘着層が設けられており、該粘着層は上記折曲部には設けられていないことを特徴とする生理用ナプキンの包装構造を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0009】
【作用】
本考案の包装構造は、長手方向に三つ折りにされた生理用ナプキンが包装材により包装されてなり、該生理用ナプキンの粘着層が、該包装材の剥離部と着脱自在に粘着されている。そして、生理用ナプキンの使用前(保存時)には、生理用ナプキンに設けられている粘着層は、その全てが包装材の剥離部により保護されている。また、生理用ナプキンの使用時には、包装材を開封して、生理用ナプキンを取り出すことにより、上記粘着層と上記剥離紙とを剥離させて、上記粘着層が露出された生理用ナプキンをショーツに貼着させることができる。
【0010】
【実施例】
以下、添付図面を参照して、本考案の実施例を詳細に説明するが、本考案はこれらに限定されるものではない。
尚、以下に説明する各例において、本発明の実施例は、図4に示す例であり、図1?3に示す例及び図5?9に示す例は、いずれも本発明の参考例である。そして、図4に示す例において、特に詳述しない点については、図1?3に示す第1の参考例と同じであり、この第1の参考例における説明が適宜適用される。
【0011】
図1(A)は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第1の参考例を示す斜視図であり、図1(B)は、図1(A)に示す包装構造のI-I’断面図であり、図2は、図1に示す生理用ナプキンの底面図であり、図3は、図1に示す包装材の斜視図である。
【0012】
図1(A)及び(B)に示す本参考例の生理用ナプキンの包装構造1は、生理用ナプキン10とこれを包装する包装材20とからなり、該生理用ナプキン10の非肌当接面12に設けられた粘着層16と、該包装材20の内表面の剥離部21(図3参照)とを着脱自在に粘着させてなる。そして、上記生理用ナプキン10は、その幅方向に設けられた折曲部17によって、長手方向に前部13、中央部14及び後部15の三つに且つ該前部13の面積と該後部15の面積とが異なるように分画されており、上記折曲部17において、折りたたまれて上記前部13と上記後部15とが重なっている。
【0013】
更に詳しくは、本参考例における生理用ナプキンの包装構造1は、生理用ナプキン10の長手方向を前部13、中央部14及び後部15の三つに分画する2つの折曲部17において、該後部15、該前部13の順序で、該中央部14の肌当接面11側に3つ折にした生理用ナプキン10を、上記粘着層16が上記剥離紙21と当接するように包装材10で包装し、包装材20の両側縁部22及び縁端部24(図3参照)を止着してなる。ここで、上記前部13は、生理用ナプキンの使用時において、使用者の前面方向に位置する部位である。
また、上記包装材20の両側縁部分22及び縁端部24は、ヒートシールにより接合されており、上記生理用ナプキンの長手方向に沿ってミシン目23が設けられている。
【0014】
また、本考案の包装構造により包装される上記生理用ナプキン10は、この参考例の図2に示すように、前部13及び中央部14の非肌当接面12上に粘着層16を有している。尚、上記生理用ナプキン10は、肌当接面11が液透過性のシート材により、また、非肌当接面12が液不透過性のシート材によりそれぞれ形成され、更に上記肌当接面11と非肌当接面12との間に液保持性の吸収体を有する、通常の生理用ナプキンである。
【0015】
上記粘着層16は、上記非肌当接面12上に粘着剤を塗布するか、あるいは剥離処理した包装体フィルムに塗布した後、上記非肌当接面12上に転写する等して形成される。上記粘着部を形成する粘着剤としては、例えば、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤及び軟化剤を主成分とし、スチレン相とゴム相との2相ブロック構造を保持しているもの等が用いられる。
【0016】
上記スチレン系ブロックポリマーとしては、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらのスチレン系ブロックッポリマーは、スチレン部分の分子量が、好ましくは7000?20000、ゴム部分の分子量が、好ましくは35000?70000のブロック共重合体である。
【0017】
また、上記粘着付与剤としては、軟化点が80℃以上で、分子量が400?2000であるC_(5)系石油樹脂、C_(9)系石油樹脂、C_(5)/C_(9)系石油樹脂、αピネン、βピネン又はジペンテンの共重合体であるポリテルペン樹脂、ロジン系樹脂、若しくはこれらの水添物等が挙げられる。
上記軟化剤としては、軟化点が10℃以下で平均分子量が200?700のプロセスオイル、各種可塑剤、ポリブテン、液状樹脂等が挙げられる。
【0018】
上記粘着剤としては、特に下記組成のものが好ましい。
スチレン系ブロックポリマー 100重量部、
粘着付与剤 150?200重量部、
軟化剤 30?100重量部
【0019】
また、本考案において用いられる上記包装材20は、本参考例の図3に示すように、上記生理用ナプキン10の粘着層16に対応する部分に剥離部21が設けられている。なお、該剥離部21は、少なくとも上記粘着部16の対応部分に設けてあればよく、該対応部分以外の部位にも設けてもよい。
【0020】
上記包装材20としては、厚さ5?50μmのポリオレフィンフィルム等が好ましく用いられる。
【0021】
上記剥離部21は、上記包装材の内面に剥離処理剤を塗布するか、または剥離テープを貼付する等して形成される。剥離処理剤あるいは剥離テープの剥離材成分としてはシリコーン樹脂系、フッソ樹脂系、又はオクタデシルイソシアネート系等のものが好ましい。特に上記剥離材成分として、シリコーン樹脂系のものを塗布して加熱乾燥するか、スプレーで吹きつけ薄い被膜を形成させる等して用いるのが好ましい。
さらに、剥離テープとして紙、ポリオレフィンあるいはポリエステル等のフィルムを用い、包装材に熱あるいは超音波等により接合したものが、適度な剛性を有しており、開封し易く、また耐熱性に優れているため生産上有利である。
【0022】
更に詳細に説明すると、本参考例の生理用ナプキンの包装構造1において、上記生理用ナプキン10は、その幅方向に設けられた折曲部17によって、生理用ナプキンをその長手方向に前部13、中央部14及び後部15の三つに且つ該前部13の面積と該後部15の面積とが異なるように分画されている。更に、該生理用ナプキン10は、上記折曲部17において、上記前部13と上記後部15とが一部重なり合うように折りたたまれている。
そして、上記折曲部17は、図2に示すように、生理用ナプキンの長手方向の長さLと、前部の長さL_(1)、中央部の長さL_(2)及び後部の長さL_(3)との間に下記▲1▼?▲3▼の関係が成り立つように設けるのが好ましい。
▲1▼L_(1)=0.30?0.45L
▲2▼L_(2)=0.35?0.50L
▲3▼L_(3)=0.10?0.30L
(但し、L_(1)+L_(2)+L_(3)=L、L_(1)>l_(3)、L_(1)+L_(3)>L_(2)である)
このような構成を採用していることにより、生理用ナプキンが充分なタック力を発揮するように粘着層を設けることができ、また折曲部が排泄時に局部と当接する部分にないので漏れ防止効果を向上させることができ、しかも、通常の三つ折りのものと同程度にコンパクトにすることができる。
【0023】
そして、上記生理用ナプキン10の使用時においては、包装構造1を包装材20に設けられたミシン目23を開けることにより開封し、生理用ナプキン10を引き出すことにより、剥離紙21を上記粘着層16から剥離して、生理用ナプキン10を使用することができる。
【0024】
本参考例の生理用ナプキンの包装構造1は、次のように形成される。
本参考例の生理用ナプキンの包装構造1を形成するには、先ず、図2に示す生理用ナプキンを、その折曲部17において、後部15、前部13の順序で、中央部14の肌当接面11側に3つ折りにする。次いで、3つ折りにした生理用ナプキンの前部13の非肌当接面12側に設けられた粘着層16を包装材20の剥離部21に当接させ、包装材20を両縁端部24が重なるように三つ折りに折りたたみ、最終に包装材20の両側縁部22及び縁端部24を、ヒートシールする等して止着することにより形成することができる。
【0025】
次に、図4に示す本考案の実施例について説明する。尚、特に詳述しない点については、上述した第1の参考例と同様である。
図4は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の実施例を示す断面図である。
【0026】
図4に示す本考案の実施例の生理用ナプキンの包装構造1Aは、上記生理用ナプキン10Aが、その幅方向に設けられた折曲部17Aによって、長手方向に前部13A、中央部14A及び後部15Aの3つに且つ該前部13Aの面積と該後部15Aの面積とが異なるように分画され、該前部13Aの端部と該後部15Aの端部とが重なるように該折曲部17Aにおいて3つ折りに折り畳まれており、上記前部13A、上記中央部14A及び上記後部15Aには、それらの上記包装材20Aの内面の対向面に、それぞれ上記粘着層16Aが設けられており、該粘着層16Aは、図4に示されているように、上記折曲部17Aには設けられていない。
【0027】
次に、図5?8を参照して、他の参考例について説明する。
図5は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第2の参考例を示す断面図であり、図6は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第3の参考例を示す断面図であり、図7(a)は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第4の参考例を示す斜視図であり、図7(b)は、そのI-I’断面図であり、図8は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第5の参考例を示す断面図である。
図5に示す本考案の第2の参考例の生理用ナプキンの包装構造1Bは、生理用ナプキン10Bの前部13B及び後部15Bが端部に向かって、先が細く(薄く)なるように形成されており、この細く(薄く)なっている部分が相互に重なるようになしてある。
【0028】
図6に示す本考案の第3の参考例の生理用ナプキンの包装構造1Cは、剥離部21Cが、上記包装材20Cの内表面に剥離紙25Cを固定部26Cを介して固着することにより形成されている。詳細には、上記生理用ナプキン10Cの幅方向に沿って、上記包装材20Cを上記ミシン目23Cから開封して形成される上記生理用ナプキン10Cの取り出し口26Cが設けられており、上記剥離紙25Cの一方の端部が上記取り出し口26Cの近傍において上記包装材20Cの内表面に固定されている。
【0029】
上記剥離紙25Cとしては、剥離紙基材に剥離剤を塗布したものが好ましく用いられる。
上記剥離紙基材としては、厚さ5?50μmのポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ポリビニルアルコール等のフィルムあるいは不織布や紙及びこれらの複合材料が好ましく挙げられる。
上記剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、イソシアネート系等のものが好ましい。特に上記剥離剤として、シリコーン樹脂系のものを上記剥離紙基材に塗布して加熱乾燥するか、スプレーで吹きつけ薄い被膜を形成させる等して用いるのが好ましい。
また、上記固定部26Cは、例えば、接着剤あるいは熱シールにより形成されており、接着剤としては上記粘着層16Cと同様にスチレン系ブロックポリマーを主成分とするもの等が用いられる。また、熱シールによる場合は包装材、剥離紙基材共にポリオレフィン系フィルムを用いることが好ましい。
【0030】
そして、生理用ナプキンの使用時においては、包装材20Cをミシン目23Cで開封して形成される取り出し口27Cから生理用ナプキン10Cを引き出すことにより、上記粘着層16Cに当接している剥離紙21Cが、自動的に剥離され、生理用ナプキンを使用することができる。
【0031】
図7(a)及び(b)に示す本考案の第4の参考例の生理用ナプキンの包装構造1Dは、上記生理用ナプキン10Dの非肌当接面12Dを包装材20Dに当接させて、上記生理用ナプキン10Dと上記包装材20Dとを一体に折り重ねて、上記包装材20Dの各辺を止着している。
【0032】
図8に示す本考案の第5の参考例の生理用ナプキンの包装構造1Eは、上記生理用ナプキン10Eが薄型の生理用ナプキンであり、後部15Eの端部が中央部14Eの略中間に位置する様に折り曲げてなるものである。
【0033】
次に、図9?図12に示す本考案の生理用ナプキンの包装構造の第6の参考例について説明する。
図9は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第6の参考例を示す斜視図であり、図10は、図9に示す包装構造における生理用ナプキンの底面図である。また、図11は、図10に示す生理用ナプキンのフラップを折り曲げた態様を示す概略斜視図であり、図12は、図11に示す生理用ナプキンを3つ折りにする態様を示す概略斜視図である。
【0034】
図9に示す第6の参考例の生理用ナプキンの包装構造40は、生理用ナプキン50が、ナプキン本体59と、その長手方向の左右両側縁部にそれぞれの幅方向に延出して形成された一対のフラップ60とを有する生理用ナプキンであり、該生理用ナプキン50の前部53に設けられた粘着層56と、包装材70の剥離部71とを着脱自在に粘着させている。
詳細には、上記生理用ナプキン50は、図10に示すように、上記フラップ60の略中央部分に粘着層61を有し、ナプキン本体59の中央部54の非肌当接面52側に剥離部58を有している。そして、本参考例の生理用ナプキンの包装構造は、図11に示すように、上記フラップ60をナプキン本体59の非肌当接面52側に折り曲げて、上記粘着層61と剥離部58とを当接させ、図12に示すように、フラップ60を折り曲げた生理用ナプキン50を、その幅方向に設けられた折曲部57によって、長手方向に前部53、中央部54、後部55の三つに且つ該前部53の面積と該後部55の面積とが異なるように分画し、その折曲部57において、上記前部53の粘着層56及び上記後部55の粘着層56が共に露出し且つ前部53の端部と後部55の端部とが重なるように3つ折りにし、露出した粘着層56に剥離紙71が当接するように、包装材70で生理用ナプキン50を実質的に密封包装してなる。
そして、生理用ナプキン50の使用時においては、上述の参考例及び実施例と同様に生理用ナプキンを取り出し、フラップ60の粘着層61を剥離部58から剥離することにより使用することができる。
【0035】
尚、本考案の生理用ナプキンの包装構造は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、上記の粘着層を、上述した長方形状のものではなく、上記取り出し口と平行に、線状、スパイラル状又はドット状等の形状のものを複数配設して形成することもできる。
【0036】
【考案の効果】
本考案の生理用ナプキンの包装構造は、剥離紙を廃棄する必要がなく、生理用ナプキンを包装袋から容易にとりだすことができ、液漏れ防止性能の向上に寄与し、且つコンパクトで携帯に便利なものであり、具体的には、下記▲1▼?▲6▼等の効果を奏する。
【0037】
▲1▼生理用ナプキンの使用時における剥離紙を剥がす手間が省ける。
▲2▼剥離紙を便器に廃棄して詰まらせることがない。
▲3▼折曲部が排泄部分に当接せず、装着時のナプキンの形態が「く」の字型であるので、漏れ防止効果が高い。
▲4▼包装構造の厚さを薄くすることができる。
▲5▼中央部の面積を大きくすることができるので吸収体を有効に活用することができる。
▲6▼前部と後部との重なり部分を少なくすることができるので、粘着材の塗布面積を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1(A)は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第1の参考例を示す斜視図であり、図1(B)は、図1(A)に示す包装構造のI-I’断面図である。
【図2】
図2は、図1に示す生理用ナプキンの底面図である。
【図3】
図3は、図1に示す包装材の斜視図である。
【図4】
図4は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の実施例を示す断面図である。
【図5】
図5は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第2の参考例を示す断面図である。
【図6】
図6は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第3の参考例を示す断面図である。
【図7】
図7(a)は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第4の参考例を示す斜視図であり、図7(b)は、そのI-I’断面図である。
【図8】
図8は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第5の参考例を示す断面図である。
【図9】
図9は、本考案の生理用ナプキンの包装構造の第6の参考例を示す斜視図である。
【図10】
図10は、図9に示す包装構造における生理用ナプキンの底面図である。
【図11】
図11は、図10に示す生理用ナプキンのフラップを折り曲げた態様を示す概略斜視図である。
【図12】
図12は、図11に示す生理用ナプキンを3つ折りにする態様を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 生理用ナプキンの包装構造
10 生理用ナプキン
11 肌当接面
12 非肌当接面
13 前部
14 中央部
15 後部
16 粘着層
17 折曲部
20 包装材
21 剥離部
22 側縁部
23 ミシン目
24 縁端部
訂正の要旨 訂正の要旨
実用新案登録請求の範囲の訂正前の請求項1に対し、「粘着層が折曲部には設けられていない」点を限定すること。
異議決定日 2000-11-22 
出願番号 実願平5-32439 
審決分類 U 1 651・ 121- ZA (A61F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 内田 淳子  
特許庁審判長 脇村 善一
特許庁審判官 深津 弘
大久保 元浩
登録日 1999-06-11 
登録番号 実用登録第2598445号(U2598445) 
権利者 花王株式会社
東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
考案の名称 生理用ナプキンの包装構造  
代理人 羽鳥 修  
代理人 羽鳥 修  
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