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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない F16L
管理番号 1056846
審判番号 訂正2001-39132  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-05-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2001-08-10 
確定日 2002-03-18 
事件の表示 実用新案登録第2517890号「樹脂管と金属管との交換継手」に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続きの経緯
出願 平成2年10月16日
実用新案設定登録 平成8年9月3日
登録取消異議決定 平成10年7月28日(平成9年異議第722 76号)
東京高等裁判所 取消決定取消請求棄却の判決(平成10年(行ケ) 第313号、平成13年4月26日判決言渡後、最高裁判所 に上告申立(平成13年(行ノ)第86号、平成13年10 月12日判決言渡、上告受理申立却下)
当審の訂正審判請求 平成13年8月10日
当審での訂正拒絶理由通知 平成13年9月21日
当審の訂正拒絶理由通知に対して指定期間内応答無し

2.請求の趣旨
本件審判請求は、実用新案登録第2517890号の実用新案登録の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めたものである。
3.独立して実用新案登録を受けることができる要件についての検討
(1)引用刊行物
引用刊行物1;特開平2-253089号公報(上記判決の甲第7号証に相当、以下、「引用考案1」という。)
引用刊行物2;実願昭63-71485号(実開平1-174690号)のマイクロフィルム(上記判決の甲第8号証に相当、以下、「引用考案2」という。)
引用刊行物3;特開昭62-4988号公報(上記判決の甲第9号証に相当、以下、「本件に対する周知技術」という。)
引用刊行物4; 実願昭58-170314号(実開昭60-77889号)のマイクロフィルム(上記判決の乙第1号証に相当)
引用刊行物5;特開昭50-77923号公報(上記判決の乙第2号証に相当)
引用刊行物6;実願昭49-32804号(実開昭50-122915号)のマイクロフィルム(上記判決の乙第3号証に相当)
引用刊行物7;実願昭52-138214号(実開昭54-63515号)のマイクロフィルム(上記判決の乙第4号証に相当)
引用刊行物8;実願昭56-88676号(実開昭57-200793号)のマイクロフィルム(上記判決の乙第5号証に相当)
引用刊行物9;実願昭60-11727号(実開昭61-128488号)のマイクロフィルム
引用刊行物10;特開昭50-35713号公報

(2)本件審判請求の訂正明細書記載の考案
平成13年8月10日付け本件審判請求の訂正明細書の請求項1および2に係る考案(以下、「本件訂正考案1および2」という。)は、該訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1および2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「1.金属管の端部に具備されたねじ部がねじ込み接続されるねじ部を一端部に備え、かつ他端部内周に所定ピッチで並設された複数の喰込みエッジが突設された筒状の金属管接続用口金と、
合成樹脂管の嵌合される筒状の樹脂層に発熱により上記樹脂層を溶融させて上記合成樹脂管と上記樹脂層とを熱融着させるための発熱体が設けられていると共に、上記樹脂層に上記口金の他端部に挿入される筒部が延出された樹脂管接続用スリーブと、
上記口金の他端部に挿入された樹脂管接続用スリーブの筒部に嵌め込まれるスティフナーと、
上記喰込みエッジ間及び最奥側の喰込みエッジの奥側に具備された凹溝に嵌め込まれるシールリングと、
上記口金の外側の一端部から他端部の端面にわたって形成された合成樹脂の被覆部と、
を有しており、
上記口金の他端部の端面に形成された上記被覆部の内周面と、上記樹脂管接続用スリーブの筒部の外周面とが密着している樹脂管と金属管との変換継手。
2.金属管の端部に具備されたねじ部がねじ込み接続されるねじ部を一端部に備え、かつ他端部内周に所定ピッチで並設された複数の喰込みエッジが突設された筒状の金属管接続用口金と、
樹脂管接続用の筒状の樹脂層に上記口金の他端部に挿入される筒部が延出された樹脂管接続用スリーブと、
上記口金の他端部に挿入された樹脂管接続用スリーブの筒部に嵌め込まれるスティフナーと、
上記喰込みエッジ間及び最奥側の喰込みエッジの奥側に具備された凹溝に嵌め込まれるシールリングと、
上記口金の外側の一端部から他端部の端面にわたって形成された合成樹脂の被覆部と、
を有しており、
上記口金の他端部の端面に形成された上記被覆部の内周面と、上記樹脂管接続用スリーブの筒部の外周面とが密着している樹脂管と金属管との変換継手。」
(3)引用刊行物の記載事項
これに対して、当審において訂正拒絶理由に引用された引用刊行物1?10には、以下のとおりの記載が認められる。
引用刊行物1には、接続部材付エレクトロフュージョン継手に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項1-1;「〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面により説明する。 第1図、第2図、第3図は別の実施例の接続部材付エレクトロフュージョン継手の断面図である。図において1はエレクトロフュージョン継手で、管状の架橋ポリオレフィン層2と、この架橋ポリオレフィン層2の内側の被接続体5に接する位置に、架橋ポリオレフィン層2と一体的に形成された非架橋ポリオレフィン層3と、この非架橋ポリオレフイン層3内、外表面または内表面に設けられた電熱線4と、架橋ポリオレフィン層2の他端部側の内側に挿入して固着された接続部材6と、この接続部材6の挿入部6aと架橋ポりオレフィン層2の間に介在する接着性材料としての変性ポリオレフィン層7とを有する。被接続体5はポリエチレン等の熱可塑性樹脂層を有する管からなり、全体が融着性の熱可塑性樹脂からなるものでもよいが、架橋ポリオレフィン等の耐熱性材料を用いる場合は、外表面を融着性の熱可塑性樹脂で被覆したものを用いる。架橋ポリオレフィン層2は被接続体5と接続部材6の挿入部6aの突合せ部8付近を全周にわたって覆う管状の構造であり、その長手方向の一端部側の被接続体5に対応する部分の内周に非架橋ポリオレフィン層3が積層され、第1図ではその中に電熱線4が埋設され、第2図ではその外表面に、また第3図では内表面に埋設されている。接続部材6は金属管からなり、挿入部6aの反対側の突出部6bには接続部としてのねじ部9が形成され、中間部には六角形のスパナ掛け10が形成されている。変性ポリオレフィン層7は接続部材6の挿入部6aと架橋ポリオレフィン層2間の全周にわたって介在し両者を接着している。上記のエレクトロフュージョン継手1は、内部、外表面または内表面に電熱線4を埋設または巻き付けた非架橋ポリオレフィン層3と、外表面に変性ポリオレフィン層7をコーティングした接続部材6の挿入部6aとを射出成形型内にインサートした状態で、ポリオレフィン中に架橋剤、架橋助剤等を含む架橋性ポリオレフィンを射出して積層一体化した後、上記架橋性ポリオレフィン層を架橋させて架橋ポリオレフィン層2を形成することにより製造される。こうして製造されたエレクトロフュージョン継手1は、導管ヘッダーのノズル等の接続端末に接続部材6の突出部6bのねじ部9をねじ込んで接続する。そしてポリオレフインチュ一ブ等の被接続体5を非架橋ポリオレフィン層3の内側に挿入して接続都材6の挿入部6aに突合せ、電熱線4に通電すると、非架橋ポリオレフィン層3が溶融して被接続体5に融着して一体化する。上記のエレクトロフュージョン継手1は、管状の架橋ポリオレフイン層2が耐熱強度を負担するので、給湯管等の接続に用いても形状保持性に優れる。一方架橋ポリオレフイン層2が接続部材6および非架橋ポリオレフィン層3と一体化した状態で、非架橋ポリオレフィン層3が被接続体5に融着して一体化するため、シール性に優れ、給湯管に用いても長期にわたってシール性を保持する。第4図および第5図は他の実施例を示す断面図である。第4図の実施例では、接続部材6の挿入部6aはねじ部9aにより架橋ポリオレフィン層2に固着され、突出部6bにはフランジ部6cが形成されており、ソケット11によりノズル等の接続端末に接続するようになっている。第5図では。架橋ポリオレフィン層2はエルボになっており、その先端部に接続部材6の挿入部6aがねじ部9aにより固着されている。接続部材6の突出部6bはソケットになっており、ノズル等の接続端末に接続するようになっている。なお、上記実施例では、接着性材料層として変性ポリオレフィン層7を別に形成したが、変性ポリオレフィンは架橋ポリオレフィン層2中に分散させてもよい。また架橋ポリオレフイン層2、非架橋ポリオレフィン層3の形状、構造等は図示のものに限定されず、変更可能である。電熱線4を非架橋ポリオレフィン層3の外表面または内表面に設ける場合には、非架橋ポリオレフィン層3または被接続体5に巻き付けてもよい。」(2頁上左欄15行?3頁上左欄13行)
引用刊行物2には、軟質管用継手に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項2-1;「1.端部から中央部に向って順にパッキン収納部、内周溝刻設部を設けた継手本体と、該継手本体のパッキン収納部内面にパッキンを収容し、パッキン収納部から奥部に向って軟質管を挿入し、該軟質管の継手本体内挿人側内面に延性金属管を挿入し、内面から前記延性金属管を拡管して軟質管の外面を継手本体の内周溝該設部に食込ませると共にパッキン収納部内面に収容したパッキンを圧縮してなることを特徴とする軟質管用継手。 2.実用新案登録請求の範囲第1項記載において、前期継手本体の内外面に樹脂を被覆したことを特徴とする軟質管用継手。」(実用新案登録請求の範囲)
記載事項2-2;「 本考案の要旨は、端部から中央部に向って順にパッキン収納部、内周溝刻設部を設けた継手本体と、該継手本体のパッキン収納部内面にパッキンを収容し、パッキン収納部から奥部に向って軟質管を挿入し、該軟質管の継手本体内挿人側内面に延性金属管を挿入し、内面から前記延性金属管を拡管して軟質管の外面を継手本体の内周溝刻設部に食込ませると共に拡管部内面に収容したパッキンを圧縮してなることを特徴とする軟質管用継手である。 [実施例] 第1図は本考案の一実施例を示し、継手本体1の端部にはパッキン収納部11および内周溝該設部12が設けてあり、パッキン収納部11の内面に第1パッキン3と内周溝刻設部12の奥に第3パッキン33を装着してある。内周溝刻設部12の内面は環状の溝又はねじが数条設けてあり、この内径は接続する軟質管2の外径とほぼ同じ寸法で溝の谷径は軟質管2の外径より大の寸法になっている。この様に形成された継手本体1内に端部内面に延性金属管4を装着した軟質管2を挿入する。延性金属管4の材質は銅又はステンレス鋼等の延性を有し且つ錆びにくく、強度のある金属が用いられる。そして軟質管2を挿入した後、軟質管2の他端部側あるいは継手本体1他端部側より延性金属管4の内面に拡管用治具を挿入して、延性金属管4を第1図の様に均一に拡径する。この拡怪治貝は環状のゴムを軸方向に圧縮して径方向に拡径するものが一般的に用いられる。延性金属管4を拡怪すると軟質管2も拡径され、軟質管2の外周は内周溝刻設部12に食込むと同時に第1パッキン3および第3バッキン33を継手内面で圧縮する。このため内周溝刻設部12内に食込んだ管2は延性金属管4によって内面が支持されているため確実に継手本体1と軟質管2は一体化されると共にパッキンの圧縮によってシール性が確保される。」(2頁16行?4頁11行)
引用刊行物3には、捩込スリーブ使用の継手システムに関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項3-1;「密閉リング34は本発明によればプラスチックリング18の、特に該密閉リング34の外径より小さい内径19を有する第二の領域17内に押込まれている。それによって、第一の密閉が実現されている。環形溝31内に存在する弾性密閉材39が第二の密閉を実現し、かつ管部分26を捩込みスリーブ2と接着する。第三の密閉は、プラスチックリング18と係合し、及び/または該リング18に食込んだねじ山30によってもたらされる。この第三の密閉の効果は本発明の範囲内で、捩込みの際に環形溝31から押出されてねじ山30に達した密閉乃至接着材により著しく高められる。」(6頁右上欄1行?13行)」
記載事項3-2;「第3図は、着脱可能な密閉リング34が管部分26の前端部33に配置されている一具体例を示す。密閉リング34はOリングとして形成され得る。密閉リング34と上述した環形溝31との間に、密閉リング34を支持する環形ショルダ52が位置する。場合によっては本発明の範囲内で密閉リング34は、捩込み以前に何かの弾みで外れるのを防ぐべく、管部分26の前端部33に設けられた環形溝42の中に配置されていてもよい。」(7頁左上欄10行?同頁右上欄1行)」
引用刊行物4には、管継手部構造に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項4-1;「第2図は本考案に係る管継手部構造を示す一部破断側面図、第3図は第2図における要部拡大断面図で、2aは継手管、6は嘴状接続部材、7は締付部材、8はO-リングを夫々示す。」(5頁6行?9行)
記載事項4-2;「この様に接続された嘴状接続部材6の竹の子状接続部にプラスチック製管3を被嵌すると共に該プラスチック製管3先端部外周に配置した締付部材7を締め込むことによってプラスチック製管3を前記竹の子状接続部に固定する。このとき該固定部は第3図に示される様に、締付部材7の締付け力によってプラスチック製管3がO-リング8を押圧してこれを変形させるので、プラスチック製管3の内面とO-リング8が相当の接圧をもって当接する状態となる。」(7頁1行?11行)
記載事項4-3;「その他、本考案においては竹の子状接続部の前記溝部にO-リングを嵌装する場合には全溝部に夫々O-リングを嵌装してもよいが、O-リングの嵌装数は1つでも十分目的を達することができる。」(8頁14行?18行)」
引用刊行物5には、プラスチックホースの締結構造部に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項5-1;「4はインナーチューブ1の端部に内挿された金属管体のインサートで、全体として楔状をなしており、その嵌合胴周部Dにはs1乃至s4なる鋸歯状の環状段部を形成する。5は締結用ソケット金具で閉塞蓋部分cおよび圧潰縮締部分sよりなる。6は対手との接続用ユニオンで、これは上記インサート4の肩部鈎部分fに縣合し回転自在におかれる。r1・r2・r3およびr4は架橋エラストマーからなるOリング状成形体である。」(2頁右下欄10行?19行)
記載事項5-2;「この加締めによる圧潰縮締が行われた図の状態においては、r1乃至r4はその縮締の影響下にあって夫々内部に応力を貯えることとなり、その外向作用はs1乃至s4の斜向面および段部の垂直面に強く及んでOリングの効果を増強し、」(3頁左上欄10行?14行)
引用刊行物6には、異径管継手に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項6-1;「流路断面積が互に異なる一対の本管の継手管を、その一端部側において一方の本管に、他端部側において他方の本管にそれぞれ液密にかつ離脱不可能に嵌合させると共に、前記継手管の内周面においてほぼ45°の漸縮角で前記一対の本管間における流路断面積を変化させるテーパ域を設けたことを特徴とする異径管継手。」(実用新案登録請求の範囲)
引用刊行物7には、流動体用パイプ簡易接続具に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項7-1;「生ゴム等の弾性物質を使用し、第2図に向って右側にかぶせ部(ア)及び肩部(エ)を、左側に差込部(オ)を設け、その間を円錐台部(ケ)で繋いだ。更に (1) かぶせ部(ア)の内径D1が、かぶせパイプ(イ)(かぶせ部(ア)を接続する側のパイプ)の外径P1に等しいか小さい。 (2) 差込部(オ)の外径D2が、差込パイプ(カ)(差込部(オ)を差し込む側のパイプ)の内径P2より等しいかやや小さい。 (3) 肩部(エ)の内径D3が、かぶせパイプ(イ)の内径P1’と等しいか大きい。以上のようになるようにした。又、固定バンド(ウ)は本案をかぶせパイプ(イ)に固定するものである。」(2頁9行?3頁1行)
引用刊行物8には、FRP異形管継手の抜止め装置に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項8-1;「従来のFRP異形管継手は、第1図に示すように、一様内径のFRP異形管1の内面に設けた環状溝内に、内面に弾性リップを有する硬質リング2及びゴムリング3を装入し、予め外周に凹溝4を形成した差込管5をFRP異形管1内に挿入して前記弾性リップを凹溝4内に突出係止させて抜止めをなさしめると共に、」(1頁16行?2頁2行)
記載事項8-2;「差込管5の外端部分を拡径部5bとし、これに接続管6を挿入接続する構造であった。」(2頁5行?7行)
引用刊行物9には、管継手に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項9-1;「実用新案請求範囲第1項記載において、金属製管継手本体の外面は、樹脂被覆を施したものである管継手」(実用新案登録請求の範囲)
引用刊行物10には、粉末樹脂融着方法による被覆管の継手部被覆方法に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
記載事項10-1;「一般に管体外面には保護および防食の目的で、樹脂被覆層を形成させている。」(1頁下右欄5行?6行)
記載事項10-2;「管の溶接継手部に工場被覆層と同質の粉末樹脂を融着させる際に、まず継手部未被覆部を加熱し、……中略……、前記継手部外面に粉末樹脂を散布融着させて防食層を形成し、」(2頁上左欄12行?20行)

(4)当審の判断
<本件訂正考案1についての対比・判断>
引用刊行物1に記載された上記技術事項からみて、引用刊行物1に記載された考案の
「エレクトロフュージョン継手1」、
「接続部材6(金属管)」、
「架橋ポリオレフィン層2と一体の非架橋ポリオレフィン層3からなる管状部材」、
「架橋ポリオレフィン層2と非架橋ポリオレフィン層3からなる管状部材の樹脂層」、
「電熱線4」、
「被接続体5(熱可塑性樹脂層を有する管)」、
及び「ねじ部付の図示無しの金属管」、
は、 各々本件訂正考案1の
「変換継手A,B」、
「口金1(金属管接続用口金)」、
「接続スリーブ2(樹脂管接続用スリーブ)」、
「樹脂層21」、
「発熱体22(例;通電で発熱する線)」、
「樹脂管100」、
及び「ねじ部付の金属管200」、
に相当する。
そして、引用刊行物1の第5図には他端部内周(本件は内周)に所定のピッチで並設された複数の喰込みエッジが突設された筒状の金属管接続用口金についても記載されている点、また、両者はともに電熱線に通電することで発熱させ熱可塑性の樹脂層を溶融させ隣接する樹脂管同士を融着一体化させる接続部材付管継手であることで一致している点を考慮した上で、本件訂正考案1の用語を用いて、本件訂正考案1と引用刊行物1に記載された考案とを対比すると、両者は、
「金属管の端部に具備されたねじ部がねじ込み接続されるねじ部を一端部に備え、かつ他端部内周に所定ピッチで並設された複数の喰込みエッジが突設された筒状の金属管接続用口金と、合成樹脂管の嵌合される筒状の樹脂層に発熱により上記樹脂層を溶融させて上記合成樹脂管と上記樹脂層とを熱融着させるための発熱体が設けられていると共に、上記樹脂層に上記口金の他端部に挿入される筒部が延出された樹脂管接続用スリーブと、を有している樹脂管と金属管との変換継手。」で一致し、
前者は、「a;筒状の金属管接続用口金の他端部内周に所定ピッチで並設された複数の喰込みエッジが突設され、b;上記口金の他端部に挿入された樹脂管接続用スリーブの筒部に嵌め込まれ該筒部を拡げて上記口金の複数の喰込みエッジに喰い込ませるためのスティフナーと、c;上記喰込みエッジ間及び最奥側の喰込みエッジの奥側に具備された凹溝に嵌め込まれるシールリングと、d;上記口金の外側の一端部から他端部の端面にわたって形成された合成樹脂の被覆部と、を有しており、e;上記口金の他端部の端面に形成された上記被覆部の内周面と、上記樹脂管接続用スリーブの筒部の外周面とが密着している」(便宜上、構成を上記a?eに分設して相違点として説明する。)のに対し、
後者は、「上記筒状の口金に相当する「接続部材6」の他端部に上記スリーブに相当する「架橋ポリオレフィン層2」の筒状部を嵌合固定している」点、で相違する。
相違点a、b及びcについては、上記判決において判断されているように、刊行物1及び2記載の技術事項及び引用刊行物3?8の周知技術事項から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである(上記判決の第13頁2行?第22頁2行「第5 当裁判所の判断」参照)。
そこで、残りの相違点であるd及びeについて検討する。
相違点dである「口金の外側の一端部から他端部の端面にわたって形成された合成樹脂の被覆部を有するという構成」について検討すると、管継手の外面や管の継手部の外面を保護及び腐食等の目的で樹脂被覆することは、引用刊行物9および10に記載されているように本件出願前において当業者の周知の技術事項であるから、これらの周知の技術事項を引用考案1に適用して上記の相違点dを解決して本件訂正考案1を想到することは当業者がきわめて容易になし得ることと認められる。
つぎに、相違点eである「口金の他端部の端面に形成された上記被覆部の内周面と、上記樹脂管接続用スリーブの筒部の外周面とが密着している構成を有するという構成」について検討すると、管面を有する管体の嵌合時にシール性や密着性を必要とする管継手の継手部の相隣る部位の管面の接触を密になるようにすることは、管体の嵌合技術において通常よく目にする一般的な技術事項であって、当業者における常套手段に過ぎないものであるから、この常套手段を引用考案1に適用して上記の相違点eの構成を有する本件訂正考案1とすることは当業者にとって自明の事項である。
そして、本件訂正考案1は、上記の相違点のような構成を採用することによって、当業者が通常予測できる以上の格別の作用効果が奏されるとも認めがたい。
以上のことから、本件訂正考案1は、引用刊行物1及び2に記載された考案に基づき、引用刊行物3?10の周知技術を参酌して、当業者がきわめて容易に考案することができたものと認められるので、実用新案法第3第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
<本件訂正考案2についての対比・判断>
本件訂正考案2は、本件訂正考案1の「合成樹脂管の嵌合される筒状の樹脂層に発熱により上記樹脂層を溶融させて上記合成樹脂管と上記樹脂層とを熱融着させるための発熱体が設けられていると共に、上記樹脂層に上記口金の他端部に挿入される筒部が延出された樹脂管接続用スリーブ」との構成が、「樹脂管接続用の筒状の樹脂層に上記口金の他端部に挿入される筒部が延出された樹脂管接続用スリーブ」との構成とされている点で相違しているのみであることは、本件訂正考案1及び同2の実用新案登録請求の範囲の記載自体から明らかである。そして、本件訂正考案2において、本件訂正考案1の「合成樹脂管の嵌合される筒状の樹脂層に発熱により上記樹脂層を溶融させて上記合成樹脂管と上記樹脂層とを熱融着させるための発熱体が設けられている」との構成を欠くことによって、本件訂正考案1に比べ、格別の技術事項が追加されたとは、本件全証拠によっても認めることができない。( 上記判決の第21頁13行?第21頁24行の記載参照)
そうすると、上述のとおり、本件訂正考案1について論じてきたことはすべて本件訂正考案2に該当することになり、本件訂正考案2もまた引用刊行物1、2に記載された考案に基づき、引用刊行物3?10の周知技術を参酌して、当業者がきわめて容易に考案することができたと認められるので、実用新案法第3第2項の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。

4.むすび
以上の通りであるから、本件訂正の審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第4項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-01-22 
結審通知日 2002-01-25 
審決日 2002-02-05 
出願番号 実願平2-108130 
審決分類 U 1 41・ 121- Z (F16L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伏見 隆夫  
特許庁審判長 吉国 信雄
特許庁審判官 村本 佳史
杉原 進
山崎 豊
市野 要助
登録日 1996-09-03 
登録番号 実用新案登録第2517890号(U2517890) 
考案の名称 樹脂管と金属管との変換継手  
代理人 鈴江 孝一  
代理人 鈴江 正二  
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