• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 特29条の2 訂正を認める。無効としない B02C
管理番号 1058314
審判番号 審判1999-35582  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-06-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-10-21 
確定日 2001-11-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の登録第1867123号実用新案「粒状物の破砕整粒装置」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第1867123号に係る考案は、昭和61年10月29日に出願され、平成2年10月23日に出願公告(実公平2-39566号公報)され、平成3年9月27日にその設定登録がされたものである。
これに対し、本件請求人より、平成11年10月21日に、本件考案について、上記登録を無効とする審決を求める旨の審判が請求された。
その後、本件被請求人に対し、上記請求の請求書副本の発送が行われ、本件被請求人より、その指定期間内である平成12年8月18日に審判事件答弁書及び訂正請求書が提出された。
さらに、本件請求人に対し、上記審判事件答弁書の副本及び上記訂正請求書の副本を送付するとともに、期間を指定して弁駁の機会を与えたが、本件審判請求人からは応答がない。
2.訂正の適否
(1)訂正の内容
a、訂正事項a
本件明細書の実用新案登録請求の範囲における、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する装置を設けた粒状物の破砕整粒装置。」を、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け、前記昇降装置は前記回転羽根の軸を昇降させることにより前記回転羽根の全体を昇降させる粒状物の破砕整粒装置。」に訂正する。
b、訂正事項b
本件明細書の考案の詳細な説明中の[問題を解決するための手段]における、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底面に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する装置を設ける。」(公告公報第3欄第3行ないし第10行)を、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回転自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け、前記昇降装置は前記回転羽根の軸を昇降させることにより前記回転羽根の全体を昇降させる。」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
a、訂正事項a
本件明細書の考案の詳細な説明の[実施例]には、「回転羽根Bはモータにて毎分300?800回転程度の比較的低速にて回転駆動させられるとともに、回転羽根、正確には翼7の先端面7Fとコーン型金網内周面との間隔Cを調整可能とする。これは回転羽根Bの全体を昇降させることにより行うもので、軸5を昇降装置8にて昇降させる。」(公告公報第4欄31?36行)と記載され、第1図には、回転羽根の軸の上方のモータのさらに上方には昇降装置が示されており、上記訂正事項aは、これらの記載に基づいて、回転羽根と前記金網との間隔を調整する装置を「昇降装置」と限定し、その昇降作用を明示したものであるから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるし、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、その訂正内容からみて、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、または変更するものでない。
b、訂正事項b
上記訂正事項bは、上記訂正aにより実用新案登録請求の範囲の記載が訂正されたことに伴い、これと考案の詳細な説明の記載とを整合させようとするものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
なお、平成13年6月21日付けの手続補正書により、全文訂正明細書の記載と一致していない訂正請求書中の記載不備は、以下にように補正されて解消した。すなわち、訂正請求書第2頁の下8行及び2頁下3?下2行、第3頁8行、3頁14?15行の「回転自在」は「回動自在」に、3頁10行の「設けた粒状物の破砕整粒装置。」は「設ける。」に、3頁18行の「昇降させる粒状物の破砕整粒装置。」は、「昇降させる。」に補正された。また、この補正が訂正請求書の要旨を変更しないものであることは明らかである。
(3)独立登録要件の判断
上記訂正後の発明、即ち訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された考案は、後記4.に示したものから明らかなように、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
したがって、本件訂正請求は、平成5年法律第26号附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される実用新案法第40条第2項及び同条第5項で準用する実用新案法第39条第2項乃至3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.当事者の主張
(1)請求人の主張
本件請求人は、甲第1号証を提示し、本件考案は、甲第1号証で示される特願昭61-118969号(特開昭61-278342号公報)(以下、「先願」という。)の願書に最初に添付された明細書に記載された発明と同一であるし、その発明者が本件考案の考案者と同一でないし、本件登録に係る実用新案登録出願の際に、上記先願の出願人と同一でもないから、実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録を受けることができないものであから、同法第37条の規定により無効とすべきであると主張している。
(2)被請求人の主張
被請求人は、前記訂正請求を行うとともに、訂正後の本件考案は先願当初明細書に記載の発明と同一ではなく、本件実用新案の登録は実用新案法第3条の2の規定に違反するものではないから、無効とされない旨を主張している。
4.請求人が主張する無効理由の検討
(1)本件登録実用新案の考案
訂正後の本件考案は、上記訂正請求書に添付された全文訂正明細書及び本件実用新案登録出願の願書に添付された図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりのものである。(該記載について上記2.(1)aを参照)
(2)先願の当初明細書記載の発明
先願の当初明細書には、次のア?オの点が記載されている。
ア、「材料を通過させるための、殊に該材料を砕粒し(及び/又は)ふるうための装置であって、ハウジング(11,211)と、該ハウジングに取付けられ垂直軸(13,213)の周囲に延びる通過ふるい(71,271)と、該通過ふるい(71,271)に沿って運動する羽根(85,285)を少なくとも一枚備え且つ該軸(13,213)のまわりを回転する通過及び/又は撹拌機構(81,281)とを備えたものにおいて、該通過ふるい(71,271)が上から下へ該軸(13,213)に沿って細くなった断面を備え、また少なくとも一枚の羽根(85,285)がその上側に配されていることを特徴とする材料を通過させるための、殊に該材料を造粒し及び/又はふるうための装置。」(特許請求の範囲第1項)
イ-1、「該通過ふるい71は全体として少なくとも軸13に対して回転対称となっており、ここから下方向へ少なくとも全体として円すい形に細くなっており、そのさいその細い方の端部の径は大きくともその太い方の端部の径の25%、例えばせいぜいもしくはほぼ15%であるであることが望ましい。」(甲第1号証第4頁下左欄17行?下右欄3行)
イ-2、「その他に通過ふるい71の孔の設計によって粒子の形と大きさを制御することができることもいうまでもない。」(甲第1号証第8頁上左欄6行?8行)
ウ-1、「リング61にはこの外側にリング65が固定してしかも着脱自在に取り付けられている。すなわちボルト孔65aでそこから貫通しリング61の螺孔61a内にねじ込まれたボルト67内へかたくねじ込まれている。」(甲第1号証第4頁下左欄7行?11行)
ウ-2、「リング261の下側にはこれを貫くねじもしくは螺刻ボルトによってリング260が着脱自在に取付けられている。一対のふるい271は外側方向へ円すい状に細くなった主断面とこの上端部附近で外側方向へ放射状に突き出た辺縁部分271aを備えており、該辺縁部分271aは両リング261,265間に固定してはさまれており、、及び/又は場合によってはリング265に溶接もしくはろう付けされる。」(甲第1号証第8頁下右欄13行?第9頁1行)
エ-1、「それぞれの羽根85の外縁部はその軸13となす角度が軸13と共に通過ふるい71を構成する角度に等しい円すい面内に位置している。それ故、羽根85の外縁部から広がった円すい面は通過ふるい71に対して平行に走行する。」(甲第1号証第5頁上左欄17行?上右欄2行)
エ-2、「こうして処理された材料は今度は通過ふるい71により限定された通路21の領域へ達し、通過及び/又は撹拌機構81を通って通過ふるい71の孔を介して押圧され通過ふるい71の外側でこれらの孔から該材料の連続体が出てくる。(甲第1号証第7頁上右欄16行?下左欄1行)
エ-3、「該装置は単に接着剤を含む湿った材料を粉砕するだけでなく、乾燥した破片状もしくは塊状の給送製品を粉砕しふるう働きをすることもできる。そのばあい配量及び/又は造粒機構111によりすでに砕かれた破片もしくは塊は通過ふるい71と共働した通過及び/又は撹拌機構81によって更に粉砕し通過ふるい71を経由して押圧される。」(甲第1号証第8頁上左欄17行?上左欄3行)
オ-1、「該固定部材95は主要な構成要素としてねじ、もしくは螺刻ボルトを備えており該ボルトはハブ83内に存在する長手方向孔を介してシャフト51の下端部分内に存在する螺孔内へねじ込まれる。・・・またハブ83をシャフト51と着脱自在に接続している。固定部材95はハブ83が軸方向に移動しないようにシャフト51と接続されるように構成されている。しかしながら、該装置は付属部材として環状のスペーサを備え該スペーサはスペーサ91と同様な内径と外径を備えているが軸方向にはそれとは異なった寸法を備えていることが望ましい。通過及び/又は撹拌構成81を一時的に取外しスペーサ91をそれとは異なる軸方向寸法を有するスペーサと取替えることによって通過及び/又は撹拌機構81を通過ふるい71に対して上部方向もしくは下部方向に変位させることができる。」(甲第1号証第5頁下左欄1行?下左欄18行)
オ-2、「通過及び/又は撹拌機構81が第2図と第4図に描かれた位置から上部もしくは下部方向へ変位させられると、羽根85の外縁と通過ふるい71の内側表面との間のスリット89の幅も変化することになるのはいうまでもない。それ故、この幅はスペーサ91を取り外し、また(あるいは)少なくとも他のスペーサをはめこむことによって調節でき、処理される通過ふるい71によって加圧される材料の性質に適応させることができる。」(甲第1号証第5頁下右欄8行?17行)
(3)対比・判断
訂正後の本件考案と先願当初明細書に記載の発明とを以下に対比検討する。
先願当初明細書には、「材料を砕粒し、ふるうための装置であって、ハウジング(11,211)、通過ふるい(71,271)、羽根(85,285)を備えた、材料を通過させるための、殊に該材料を造粒し及び/又はふるうための装置。」(上記ア参照)が記載されており、まず、その「通過ふるい」は、「全体として少なくとも軸13に対して回転対称となっており、ここから下方向へ少なくとも全体として円すい形に細くなって」いるものであって、その「孔の設計によって粒子の形と大きさを制御することができる」ものであるから(上記イ-1参照)、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型通過ふるい」といえる。
また、その通過ふるいの取付については、「上端部附近で外側方向へ放射状に突き出た辺縁部分271aを備えており、該辺縁部分271aは両リング261,265間に固定してはさまれており、」(上記ウ-2参照)、「リング261の下側にはこれを貫くねじもしくは螺刻ボルトによってリング260が着脱自在に取付けられている。」、「リング61にはこの外側にリング65が固定してしかも着脱自在に取り付けられている。」(上記ウ-2、ウ-1参照)と記載されていることから、該通過ふるいは「交換自在に設け」られているものである。
次に、上記「羽根」についてみると、「外縁部は通過ふるい71を構成する角度に等しい円すい面内に位置して、羽根85の外縁部から広がった円すい面は通過ふるい71に対して平行に走行する。」(エ-1)ものであり、これにより該材料を通過ふるい71に押圧して、その孔から出すものである(エ-2,エ-3参照)ことが示されているから、上記「羽根」は「円筒体内に前記通過ふるいに対して押付力を有する翼をもった回転羽根」であり、「回動自在に設け」られているとともに、「外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ」ているものといえる。
また、回転羽根と通過ふるいとの間隔の調整については、スペーサ91の取り外し、取り替え等により、撹拌機構81を上部もしくは下部方向へ変位させ、通過ふるい71の内側表面との間のスリット89の幅を調節できることが示されている(上記オ-1、6-2参照)。
してみると、先願当初明細書には、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型通過ふるいを交換自在に設け、この円筒体内に前記通過ふるいに対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根と前記通過ふるいとの間隔を調整する手段としてのスペーサを該回転羽根の回転軸の固定に適宜使用して、前記回転羽根の軸を上下に調整させる粒状物の破砕整粒装置。」の発明が記載されているといえるが、訂正後の本件考案で特定する、「回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け」、これにより、「前記回転羽根の全体を昇降させる」ことは記載されていないし、上記「通過ふるい」として「金網」を使用することも明記されていない。
そこで、上記「昇降装置」を設ける点について、先願当初明細書に記載の発明をさらに検討すると、その第2図の記載等からみて、上記「回転羽根」が固定されるシャフト51は、これと直角を成すシャフト43から、かさ歯車を利用して駆動装置3からの回転力を伝達されて回転するものであり、これらの駆動装置、シャフト43等を含む装置はハウジングに固定されており、上下に移動可能となっていないことから、上記シャフト51は昇降できないものであり、これに固定された回転羽根の軸も同様に昇降できないものであって、結局、先願当初明細書に記載の粒状物の破砕整粒装置は、上記昇降装置を採用するには不都合な構造のものといえる。
また、回転羽根のハブ83は、シャフト51との固定の際に軸方向寸法が異なるスペーサを介在させ、または取り除くことにより、上下に位置を調整し得るものの、このスペーサは、回転羽根の位置を下げる作用を有し、その下げる程度が異なる手段であるに止まり、昇降装置とはいえないものである。しかも、上記スペーサを取り替え、或いは取り除くためには、その都度、ハブ83の脱着を必要とするところ、本件考案では、そのハブ83の脱着を要することなく、昇降装置により、回転羽根と上記金網との間隔を迅速かつ容易に調整できるという、先願当初明細書に記載の発明による効果とは異なる新たな作用・効果を発揮できるものである。

してみると、訂正後の本件考案で特定する、上記「昇降装置」は、先願当初明細書には記載されていないばかりでなく、先願当初明細書に記載の粒状物の破砕整粒装置はその「昇降装置」を採用するには不都合な構造のものであり、しかも、訂正後の本件考案は先願当初明細書に記載の装置が示す効果とは異なる新たな作用・効果を示すものであるから、本件考案が、先願当初明細書に記載の発明と同一であるとすることはできない。
5、むすび
以上のとおりであるから、本件請求人の上記主張および証拠によっては、本件考案に係る実用新案登録を無効とすることはできない。
よって、上記結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
粒状物の破砕整粒装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメツシユを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもつた回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け、
前記昇降装置は前記回転羽根の軸を昇降させることにより前記回転羽根の全体を昇降させる粒状物の破砕整粒装置。
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は粒状物を回転羽根により円筒体の円錐底面に押しつけることにより破砕し、一定粒度に整える破砕整粒装置に関するものである。
〔従来の技術〕
粒状物を所望の粒径に粉砕する装置として第6図乃至第8図に示すものがある。第6図に示す公知の実施例は円筒形のケーシングの一端に金網を張設し、このケーシング内にスクリユーを配設し、このスクリユーを回動させることによりケーシング内に供給される粒状物を移動させ、金網より押し出し、整粒するものである。
また第7図に示すものは第6図の実施例と同じ円筒状のケーシング内にピストンを挿入し、このピストンを移動させて金網より押し出し整粒するものである。
さらに第8図に示す公知の実施例は高速回転のハンマー型で、円筒形の破砕機本体の外壁に金網を設け、かつ破砕機本体内に設けたハンマーを3000?6000回転の高速で回転させることにより粒状物を衝撃破砕し、金網を通して送り出すものである。
〔考案が解決しようとする問題点〕
第6図、第7図に示す公知の実施例では円筒状のケーシング内に供給される粒状物を単にスクリユーやピストンにて金網に押しつけ、この予め定めたメツシユの金網を通過させるため、所定径の造粒あるいは整粒を行うことができるが粉砕は行うことができない。
また第8図に示す公知の実施例では粘性をもつ粉体、スラリー状、液体等では使用不可能であり、また粒状物の粉砕のみしか行えず、しかもハンマーが高速で回転しているので、その発熱が大きい。またほぐし効果(分散させる効果)がないとともに粒状物は所要粒形以下の粉体となってしまう。
本考案はこれに鑑みて金網に対して押付力を有する翼をもつた回転羽根を円錐底面と対向して回動させ、粒状物の破砕と一定粒度に整えることを目的としてなしたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底面に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメツシユを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもつた回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け、前記昇降装置は前記回転羽根の軸を昇降させることにより前記回転羽根の全体を昇降させる。
〔作用〕
下端に向つて傾斜したコーン型の円筒体内に金網を設け、この金網に対して押しつける力を発揮する翼をもつ回転はねを回動自在に設けているので、粒状物はこの回転羽根を比較的低速で回動させるので発熱がなく円筒体内で破砕されるとともに、金網にて一定の粒度に整えられる。
〔実施例〕
以下本考案破砕整粒装置を第1図乃至第5図の図面に示す実施例にもとづいて詳細に説明する。
図において1は円筒形をしたケーシングで、このケーシング1の下部には逆円錐形をした円錐底部2を装着する。この円錐底部2とケーシング1との係着方法は各種考えられるが、図示のものではケーシングの下端と円錐底部の上端にそれぞれフランジ11と21を形成し、この両フランジ11、21を上下に重ねクランプ装置3あるいはボルト締めにて固定して一体とする。このようにして破砕整粒装置の円筒体Aを構成する。
円錐底部2内には逆円錐形をしたコーン型金網4を嵌挿するとともにこのコーン型金網4の外周と円錐底部2の円錐形内面との間には整粒された物品の流出路Rを形成し、この流出路を経て円錐底部2の下部に設けた排出口Oより整粒物を円筒体Aの外方へ排出する。
このコーン型金網4は上述したように逆円錐形をしており、かつ所望のメツシユを有し、上端にはフランジ41を一体に形成し、このフランジ41を円筒体のフランジ11、21間に挟持してコーン型金網を円筒体内に固定するものである。
円筒体A内には回転羽根Bが嵌挿され、モータMにて回転駆動される。この回転羽根BはモータMにて駆動される軸5に第2図に示すようにステー6を複数本横方向に突設し、このステー6の先端に翼7を一又は二本以上を縦方向に配設固定するとともに、この翼7を円筒体のケーシング位置では垂直に、コーン型金網内ではこのコーン型金網の傾斜角とほぼ等しい傾斜角を有するように形成する。
さらに翼7の先端は第4図、第5図に示すように回転方向に傾斜した面をもつようにし、これにより翼が矢符方向に回転するとき、この先端面7Fに働く力は金網壁面に対して圧縮力と剪断力を与えるようになる。すなわち垂直方向の剪断力F_(1)、水平方向の圧縮力F_(2)となり、翼が回動するとき剪断力F_(1)及び圧縮力F_(2)にて円筒体A内に供給された粒状物が破砕されるとともに圧縮力F_(2)にて大きな粒体はコーン型金網の内周面に押圧され、第5図に示すように金網のメツシユにより整粒されるものである。従つてこのコーン型金網の傾斜角は円筒体内に供給された粒体が直ちに下方に落下してしまわないように拘束力を与えるようにし、その傾斜角は30°?80°望ましくは60°とする。金網の孔(メツシユ)において粒体の拘束力がなくなり、圧縮力と落下力とに分解されるようになる。
また、コーン型金網4の径(メツシユ)は粒体の破砕粒子径及び粒体形状によつて定め、1mm?50μ程度までのものを複数種準備し、適当なメツシユのコーン型金網を装脱着交換して使用する。さらにこの金網は孔形は円形の他に長円形など最適なものを選択するか、この金網の代りにパンチングメタルをコーン型として用いることもできる。
回転羽根Bはモータにて毎分300?800回転程度の比較的低速にて回転駆動させられるとともに、回転羽根、正確には翼7の先端面7Fとコーン型金網内周面との間隔Cを調整可能とする。これは回転羽根Bの全体を昇降させることにより行うもので、軸5を昇降装置8にて昇降させる。
このようにして翼7を上昇させると前記間隔Cは大きくなつて翼による剪断力、圧縮力は低下することになる。これは粒状物を翼を回転させても破砕されず、翼の後方へ逃すことになる。反対に翼を降下させると前記間隔Cは小さくなり、メツシユより大きな粒体は金網の孔に引掛つても翼の回転により破砕させられ所要粒径となる。
従ってこの翼7の先端面形状は図示のように金網内周面に対して楔形の形状のものが最適で、また翼上部の形状は円筒体内の粒状物が上方へ巻き上げられる構造とすることが望ましい。
〔考案の効果〕
本考案による時は円筒体に供給された粒状物は回転羽根の回動にて中央の軸に沿つて上昇し、円筒体周壁面に沿つて下降するよう対流するので、投入粒状物は混合攪拌されつつ、コーン型金網と圧縮力、剪断力を発生せしめられる翼とにより粒状物は破砕されるとともに金網側に押しつけられて整粒せしめられる。また乾燥物以外にも脂肪性、粘性をもつた塊状物、スラリ状の固液混合物、内部に水を含んだ固形物等に対しても破砕、混合、分散等の効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は縦断面図、第2図は平面図、第3図は要部の拡大側面図、第4図は翼部の平面図、第5図は整粒の説明図、第6図、第7図、第8図は公知の実施例図である。
Aは円筒体、Bは回転羽根、Cは間隔、Mはモータ、1はケーシング、2は円錐底部、4はコーン型金網、5は軸、7は翼、8は昇降装置。
訂正の要旨 実用新案登録第1867123号の明細書中、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
(a),実用新案登録請求の範囲の「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する装置を設けた粒状物の破砕整粒装置。」を、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け、前記昇降装置は前記回転羽根の軸を昇降させることにより前記回転羽根の全体を昇降させる粒状物の破砕整粒装置。」に訂正し、
明りょうでない記載の釈明を目的として、
(b)、本件明細書の考案の詳細な説明中の[問題を解決するための手段]における、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底面に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回動自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する装置を設ける。」(公告公報第3欄第3行ないし第10行)を、「少くとも下部が円錐形となした円筒体の円錐底部に粒状物を予め定めた破砕整粒する大きさのメッシュを有するコーン型金網を交換自在に設け、この円筒体内に前記金網に対して押付力を有する翼をもった回転羽根を回転自在に設けるとともにこの回転羽根の外周傾斜角を円筒体の円錐底面の傾斜角と合わせ、かつ該回転羽根を前記金網との間隔を調整する昇降装置を設け、前記昇降装置は前記回転羽根の軸を昇降させることにより前記回転羽根の全体を昇降させる。」と訂正する。
審理終結日 2001-09-17 
結審通知日 2001-09-21 
審決日 2001-10-02 
出願番号 実願昭61-167163 
審決分類 U 1 112・ 16- YA (B02C)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 石井 良夫
特許庁審判官 野田 直人
西村 和美
登録日 1991-09-27 
登録番号 実用新案登録第1867123号(U1867123) 
考案の名称 粒状物の破砕整粒装置  
代理人 佐藤 文男  
代理人 加藤 和詳  
代理人 山田 益男  
代理人 中島 淳  
代理人 中島 淳  
代理人 大城 重信  
代理人 加藤 和詳  
代理人 西元 勝一  
代理人 西元 勝一  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ