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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) E02D
管理番号 1058317
審判番号 審判1999-35665  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-06-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-11-16 
確定日 2002-02-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第1871750号実用新案「マンホ-ル用足掛具の取り付け構造」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第1871750号の実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第一 本件考案
本件登録第1871750号実用新案は、昭和59年10月15日に実用新案登録出願され、平成2年11月30日に実公平2-45304号として出願公告され、平成3年11月19日に設定登録がなされたものである。その登録実用新案(以下、「本件考案」と言う。)の要旨は、明細書び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「マンホールの側壁Wにおける通孔1にテーパー状の受部8と外向き受面9とを設けるほか、先端に雄ねじ4を刻設すると共に中間に鍔片5を設けた取付杆3,3が平行に形成されたコ字状主体からなる足掛具2を設けて、この足掛具2における取付杆3と通孔1の受部8との中間空隙にテーパー付き筒状パッキング12を圧入する状態のもとに、座金13およびナット7により座金13が受面9に圧接するように締め付け固定してなるマンホール用足掛具の取り付け構造。」

第二 当事者の主張等
一 請求人の主張及び提示した証拠方法
請求人は、「登録第1871750号実用新案の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めている。
そして、本件考案は、甲第1?10号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであって、実用新案法3条2項の規定に違反して実用新案登録されたものであるから、同法37条1項1号の規定に該当し、無効とすべきである、と主張している。
提出した証拠方法は以下のとおりである
甲第1号証:実願昭56-102834号(実開昭58-9500号)のマイクロフィルム
甲第2号証:実願昭56-173950号(実開昭58-80458号)のマイクロフィルム
甲第3号証:実開昭53-38152号公報
甲第4号証:実願昭56-74117号(実開昭57-186161号)のマイクロフィルム
甲第5号証:実公昭45-29168号公報
甲第6号証:特開昭50-78743号公報
甲第7号証:特公昭54-39616号公報
甲第8号証:特開昭51-77880号公報
甲第9号証:特開昭54-101516号公報
甲第10号証:実開昭51-3761号公報

二 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めており、その答弁書において、概略、以下のとおり主張している。
1 請求人は本考案と甲第1号証との相違点として、(イ)鍔片に関すること、(ロ)テーパー付き筒状パッキングに関すること、の2点を挙げているが、それ以外に次のような重大な相違点(ハ)がある。即ち「本件考案は、パッキング12を圧入する状態のもとに、座金13およびナット7により座金13が受面9に圧接するように締め付け固定してなる」のに対して、甲第1号証に記載のものは、「パッキングを巻付けた状態のもとに締め付け固定している」点である。このように本考案では、パッキング12を圧入する状態のもとに、座金13が受面9に圧接するように締め付け固定することにより、「簡単な構造のもとに長期にわたり漏水を確実に防止することができる」効果が得られるのである。これに対して、座金13が受面9に圧接していない(甲第1号証における座金が凹所9の底壁に圧接していない)場合には、締め付け固定が不充分となり易いばかりでなく、荷重その他の地中の苛酷な使用環境により、足掛具の固定状態が短期間で劣化し易い関係上、長期にわたり漏水を確実に防止することはできないばかりでなく、足掛具自体が「がたつく」という重大な不都合が生じるのである。(同請求書3頁27行?4頁11行)
2 甲第2号証に記載された足掛金具付マンホール側塊と、甲第3号証に記載されたマンホール用足掛金具との両者は、本件考案の改良の対象として明細書の考案の詳細な説明において、従来技術として第5図で説明されているものと性質的に同一のものである。(同4頁12?17行)
3 甲第4号証?甲第10号証は、いずれも足掛具の取り付け構造とは技術分野を異にしており、概ね軸方向への移動および回転が許容される用途に適用し、本件考案における「先端に雄ねじ4を刻設すると共に中間に鍔片5を設けた取付杆3」が示されていないばかりか、それを示唆する記載は見出せない。かつ取付杆3の雄ねじ4に対応する座金13、ナツト7並びに座金13が圧接する外向き受面9等の開示がなく、単にテーパー付きのパッキングが記載されているだけのことである。従って、テーパー付き筒状パッキング自体が公知であるとしても、本件考案はテーパー付き筒状パッキングを特定用途に対してその用途に即応するように他の構成要素と結合し、足掛具の水密と固定とを同時に満足する構成、作用効果を得るものである以上、棒状の部材と通孔の受部とのシールと、その両部材の確実な固定とを同時に満足させる必要性を導きだす動機は存在していない甲第4号証?甲第10号証のものをもって、本件考案の目的,構成,作用効果を容易に予測し得るとすることはできないものであり、請求人の「当業者がきわめて容易に想到しえた」旨の主張は失当である。(同4頁13行?5頁21行)

第三 当審での検討
一 甲第1、3及び4号証に記載された事項
1 甲第1号証について
甲第1号証には、
(1) 「本体部の上面にすべり止め用凹凸を有しかつ両側挿通部先端にネジを穿設すると共にその元部にストッパーを有するステンレス製ステップと、該ステップの一対の挿通部を夫々挿通し得る挿通孔を有しかつその挿通孔の外側の周りに凹所を設けてなるコンクリート筒体と、ステップの挿通部の周りに取付けることが出来るシ-ル材との組合せより構成されたマンホール用足掛装置。」(同明細書1頁5?12行、実用新案登録請求の範囲)、
(2) 「本考案は極めて耐久性、安全性、防水性及び作業性に優れたマンホール用足掛装置に係り,更に詳しくは本体部の上面にすべり止め用凹凸を有しかつ両側挿通部先端にネジを穿設すると共にその元部にストッパーを有するステンレス製ステップと、該ステップの一対の挿通部を夫々挿通し得る挿通孔を有しかつその挿通孔の外側の周りに凹所を設けてなるコンクリート筒体と、ステップの挿通部の周りに取付けることが出来るシール材との組合せより構成されたマンホール用足掛装置に関するものである。」(同1頁14行?2頁9行)、
(3) 「第1図に於て、1は本考案の装置に使用されるステンレス製の広巾のステップであつて、その本体部上面には軸方向に交差する凹凸2が全面的に設けられ、又両端部の先端部は小径丸棒状挿通部3となり、この挿通部3の先端にはネジ4が穿設され、かつ挿通部3の元部に両端部にストッパー5が設けられている。
次に第2図及び第3図に於て.6は本装置に用いられるコンクリート管であつて、その周壁には前記ステップ1の挿通部3を挿通し得る-対の挿通孔7が穿孔され、かつこの挿通孔7の入口部の周りには夫々凹所8、9が穿設されている。又10はステップ1の挿通部3の元部及び先端部に巻付けられたゴムパツキン等のシール材であり、11は挿通部3のネジ4に螺合されたナット、12は凹所9に埋設されたモルタルである。
上記シール材10を安定した状態で挿通部3に取付ける場合には第4図に示す如く、凹所9内の挿通孔7の周りにシール材10の取付凹部13を予め形成することも可能である。」(同3頁9行?4頁13行)、
(4) 「ステップの挿通部の元部にはストッパーが設けられているのでこれによってステップをコンクリート筒体に正しい深さ位置で固定することが出来、挿通部の周りにはシール材が巻付けられているので、これによってステップ取付部の漏水を防止することが出来、」(同5頁7?12行)、
(5) 第1?4図(特に第4図)、
の記載があり、上記の各記載からみて、
「マンホールの周壁における挿通孔に取付凹部と凹所の底壁とを設けるほか、先端にネジを穿設すると共に中間にストッパーを設けた挿通部が平行に形成されたコ字状主体からなるステップを設けて、このステップにおける挿通部と挿通孔の取付凹部との中間空隙にシール材を圧入する状態のもとに、座金およびナットにより締め付け固定してなるマンホール用ステップの取り付け構造」
が記載されているものと認める。

2 甲第3号証について
甲第3号証には、
(1) 「棒鋼その他によりコ字形足掛金具素材を設け、その先端適宜長さをネジ部に形成してナットを螺合し、前記ネジ部を除く残部分に合成樹脂材を被覆すると共に、その被覆脚部の中間外周に環状突部を設け、マンホール構築用側塊の壁面に脚部を先端より貫通し、その壁面の内外を環状突部とナットとで挟持し、足掛金具を水密に取付けることを特徴とするマンホール用足掛金具。」(同公報1頁左欄6?13行、実用新案登録請求の範囲)、
(2) 第1?3図
の記載があり、上記の各記載からみて、
「マンホールの側塊における取付孔に、先端にネジ部を形成すると共に中間に環状突部を設けた脚部が平行に形成されたコ字状主体からなる足掛金具を設けて、この足掛金具におけるワッシャおよびナットによりワッシャが側塊の壁面に圧接するように締め付け固定してなるマンホール用足掛金具の取り付け構造」
が記載されているものと認める。

3 甲第4号証について
甲第4号証には、
(1) 「従来、水中電動機のケーブル引出装置は、第1図に示すように、ケーブル8の外周に嵌合されたパッキン4をナット5で圧縮することにより水密構造を得ている」(同明細書1頁17?20行)、
(2) 第1図、
の記載があり、明細書中にはパッキン4の形状についての明示の記載はないが、第1図によれば、テーパー付き筒状の形状を有していることは明らかであることからみて、
「ケーブル貫通穴にテーパー状の受部を設けるほかケーブルを設けて、このケーブルとケーブル貫通穴の受部との中間空隙にテーパー付き筒状パッキンを圧入する状態のもとに、座金およびナットにより締め付け固定してなる電動機のケーブル引出装置」
が記載されているものと認める。

二 本件考案と甲第1号証に記載されたものとの対比
そこで、本件考案と甲第1号証に記載されたものとを対比すると、甲第1号証に記載されたものにおける、「周壁」、「挿通孔」、「取付凹部」、「凹所の底壁」、「ネジ」、「穿設」、「挿通部」、「ステップ」、「シール材」は、本件考案における、「側壁」、「通孔」、「受部」、「外向き受面」、「雄ねじ」、「刻設」、「取付杆」、「足掛具」、「パッキング」に対応するものであり、両者の一致点、相違点は下記のとおりとなる。
一致点
マンホールの側壁における通孔に受部と外向き受面とを設けるほか、先端に雄ねじを刻設すると共に中間に位置規制部材を設けた取付杆が平行に形成されたコ字状主体からなる足掛具を設けて、この足掛具における取付杆と通孔の受部との中間空隙にパッキングを圧入する状態のもとに、座金およびナットにより締め付け固定してなるマンホール用足掛具の取り付け構造。
相違点1
本件考案においては、位置規制部材として、鍔片を設けているのに対し、甲第1号証に記載されたものにおいては、ストッパである点。
相違点2
本件考案においては、その受部をテーパー状とし、テーパー付き筒状パッキングを圧入するのに対し、甲第1号証に記載されたものにおいては、本件考案のパッキングに対応するシール材がそのような構成を有しない点。
相違点3
上記相違点2に関連して、パッキングを圧入する状態のもとに、本件考案においては、座金が受面に圧接するように締め付け固定するのに対し、甲第1号証に記載されたものにおいては、そのような構成についての明示の記載がない点。

三 相違点に対する判断
1 相違点1について
甲第3号証によると、「マンホールの側塊における取付孔に、先端にネジ部を形成すると共に中間に環状突部を設けた脚部が平行に形成されたコ字状主体からなる足掛金具を設けて、この足掛金具におけるワッシャおよびナットによりワッシャが側塊の壁面に圧接するように締め付け固定してなるマンホール用足掛金具の取り付け構造」が、本件考案の出願前に公知である。
この甲第3号証のマンホール用足掛金具は、本件考案のマンホール用足掛具及び甲第1号証のマンホール用足掛装置と同じ技術分野に属するものであり、これらの足掛金具等においてその足掛金具等をマンホールの側壁等に取り付けるためには、何らかの位置規制部材を設けることが必要となる。そのために甲第1号証のものにおいてはストッパーが、甲第3号証のものにおいては環状突部が設けられている。そして、この環状突部が、本件考案の鍔片に相当することは明らかである。
してみると、甲第1号証のものにおけるストッパーに代えて、甲第3号証に示されている環状突部を採用して、本件考案におけるように鍔片とするようなことは、当業者であれば格別の困難性を伴うことなく、きわめて容易になし得た程度のことである。

2 相違点2について
甲第4号証において、「ケーブル貫通穴にテーパー状の受部を設けるほかケーブルを設けて、このケーブルとケーブル貫通穴の受部との中間空隙にテーパー付き筒状パッキンを圧入する状態のもとに、座金およびナットにより締め付け固定してなる電動機のケーブル引出装置」が、本件考案の出願前に公知である。
甲第4号証のものは電動機のケーブル引出装置であって、本件考案とは、直接の技術分野を異にするものである。しかし、甲第4号証によると、「パッキン4をナット5で圧縮することにより水密構造を得ている」(同明細書1頁19、20行)との記載があり、防水性確保の点から、テーパー状の受部と、テーパー付き筒状パッキンを圧入する状態のもとに、座金およびナットにより締め付け固定してなるとの構成を用いることが記載されている。
一方、甲第1号証によると、「本考案は極めて耐久性、安全性、防水性及び作業性に優れたマンホール用足掛装置に係り」(同明細書1頁14、15行)との記載が、さらに「挿通部の周りにはシール材が巻付けられているので.これによってステップ取付部の漏水を防止することが出来、」(同5頁10?12行)との記載があり、防水性を確保するためにシール材を設けることが記載されている。
してみると、甲第1号証に記載された課題と同じ課題である防水性をより高めるために、甲第1号証に示されているシール材に代えて、適用されている直接の技術分野は異なるものの、甲第4号証において同様の課題解決のために開示されているテーパー状の受部とテーパー付き筒状パッキン等の構成を採用し、本件考案におけるように構成するようなことは、特にその適用を阻害する要因もないことから、当業者であれば格別の困難性を伴うことなく、きわめて容易になし得た程度のことである。

3 相違点3について
甲第1号証の、特に第2,3図によると、ナット11の座金と凹所9の底壁との間にシール材10を介在しているものの、ナット11の座金が凹所9の底壁に直接圧接しているかどうか明確でなく、第4図のものにおいても、「座金が受面に圧接するように締め付け固定してなる」との点に関し、必ずしも明示の記載はされていない。
しかし、この種の足掛部材において、その取り付けに際し、足掛部材には作業員が手足を掛けてその全体重をのせることから強固に取り付ける必要があり、又、防水性を確保するためには当然テーパー付き筒状パッキングを圧入する必要があり(甲第1号証によると、「ステップの挿通部の元部にはストッパーが設けられているのでこれによってステップをコンクリート筒体に正しい深さ位置で固定することが出来、挿通部の周りにはシール材が巻付けられているので、これによってステップ取付部の漏水を防止することが出来、」[同5頁7?12行]との記載がある。)、これらの点を考慮すると、甲第1号証の第4図記載のものにおいて、ストッパー5、シール材10、座金、ナットによりコンクリート管6の周壁を挟み込むように、換言すればナットの座金が凹所9の底壁(外向き受面)にシール材10を圧入する状態のもとに、圧接するように締め付け固定することが当然のこととして必要であり、このようなことは、この種の分野における技術常識からすれば当然に考慮すべき技術事項であると認められる。
この点に関連して、甲第3号証の第2図を検討すると、マンホール構築用側塊の壁面の内外を環状突部とナット、ワッシャで挟持して、圧接するように締め付け固定する点が開示されているものと認められる。
又、甲第4号証によると、「第1図に示すように、ケーブル8の外周に嵌合されたパッキン4をナット5で圧縮することにより水密構造を得ている」(同明細書1頁17?20行)との記載がされている。
してみると、甲第1号証に開示されているものにおいて、特に「座金が受面に圧接するように」締め付け固定するようなことは、上記技術常識からすれば当然考慮すべき技術事項であり、このように構成するようなことは、当業者であれば格別の困難性を伴うことなく、きわめて容易になし得た程度のことである。

4 まとめ
そして、全体として本件考案によってもたらされる効果も、甲第1、3及び4号証の各号証に記載された事項及び上記技術常識から当業者であれば予測することができる程度のものであって、格別なものとはいえない。
したがって、本件考案は、甲第1、3及び4号証に記載されたもの及び上記技術常識に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法3条2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

四 被請求人の主張に対して
被請求人は、甲第2号証のものに対して、「甲第4号証?甲第10号証は、いずれも足掛具の取り付け構造とは技術分野を異にしており、・・・単にテーパー付きのパッキングが記載されているだけのことである。従って、テーパー付き筒状パッキング自体が公知であるとしても、本件考案はテーパー付き筒状パッキングを特定用途に対してその用途に即応するように他の構成要素と結合し、足掛具の水密と固定とを同時に満足する構成、作用効果を得るものである以上、棒状の部材と通孔の受部とのシールと、その両部材の確実な固定とを同時に満足させる必要性を導きだす動機は存在していない甲第4号証?甲第10号証のものをもって、本件考案の目的,構成,作用効果を容易に予測し得るとすることはできないものであり、請求人の『当業者がきわめて容易に想到しえた』旨の主張は失当である。」(同4頁13行?5頁21行)とし、本件考案は進歩性を有するものであると主張している。
しかしながら、甲第4号証におけるパッキン4は、ケーブルの固定と水密を同時に満足する構成を有することは明らかである。「2 相違点2について」で検討したように、甲第4号証のものは電動機のケーブル引出装置であって、本件考案とは、直接の技術分野を異にするものであるが、甲第1号証に記載された課題と同じ課題である防水性をより高めるために、甲第1号証に示されているシール材に代えて、甲第4号証において同様の課題解決のために開示されているテーパー状の受部とテーパー付き筒状パッキン等の構成を採用し、本件考案におけるように構成するようなことは、特にその適用を阻害する要因もないことから、当業者であれば格別の困難性を伴うことなく、きわめて容易になし得た程度のことであるとするのが相当であり、そして、全体として本件考案によってもたらされる効果も、甲第1、3及び4号証に記載された事項及びさきの技術常識から当業者であれば予測することができる程度のものであって、格別なものとはいえないとするのが相当である。
被請求人の主張は採用できない。

第四 むすび
以上のとおりであるから、本件考案は、実用新案法37条1項1号の規定に該当し、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-10-25 
結審通知日 2000-11-06 
審決日 2000-11-17 
出願番号 実願昭59-155278 
審決分類 U 1 112・ 121- Z (E02D)
最終処分 成立    
前審関与審査官 安藤 勝治  
特許庁審判長 幸長 保次郎
特許庁審判官 鈴木 公子
宮崎 恭
登録日 1991-11-19 
登録番号 実用新案登録第1871750号(U1871750) 
考案の名称 マンホ-ル用足掛具の取り付け構造  
代理人 内山 正雄  
代理人 林 宏  
代理人 犬飼 新平  

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