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審決分類 審判 全部申し立て   B65H
管理番号 1058337
異議申立番号 異議2001-72272  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2002-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-08-15 
確定日 2002-03-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2606904号「給紙装置」の請求項1ないし6に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2606904号の請求項1、3、6に係る実用新案登録を取り消す。 同請求項2、4ないし5に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2606904号は、平成4年5月27日に出願され、平成12年11月24日に実用新案権の設定登録がなされ、実用新案登録公報が平成13年2月19日に発行され、その後、平成13年8月15日付けで須藤軍二より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年1月4日に意見書の提出と共に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
・訂正A
1)実用新案登録請求の範囲の請求項1の
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出し前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を配置したことを特徴とする給紙装置。」
という記載を
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、
前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、
該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて前記画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、
前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドと、
を備えたことを特徴とする給紙装置。」
と訂正し、
2)実用新案登録請求の範囲の請求項2の
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を給紙方向前後に複数配置したことを特徴とする給紙装置。」
という記載を
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたことを特徴とする給紙装置。」
と訂正する。
・訂正B
1)明細書の詳細な説明の段落番号【0009】を
「【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本考案では複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドとを備えた。」
と訂正し、
2)明細書の詳細な説明の段落番号【0010】を
「また、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けた。」
と訂正し、
3)明細書の詳細な説明の段落番号【0040】を
「【考案の効果】この考案の給紙装置によれば、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、前記紙送方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドとを備えたので、用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生の機会が多い大容量収納部は他の収納部に比べ画像形成装置までの給紙経路が著しく短縮され、また用紙積載量に関係なく常に一定の条件により給紙が可能で、その結果ジャムを減少でき、また、大容量収納部を複数設けて容量を一層拡大することができる。さらに複雑な構造が必要なく、構成が極めて簡易とすることができる。」
と訂正し、
4)明細書の詳細な説明の段落番号【0041】を
「また、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたので、用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生の機会が多い大容量収納部は他の収納部に比べ画像形成装置までの給紙経路が著しく短縮され、また用紙積載量に関係なく常に一定の条件により給紙が可能で、その結果ジャムを減少でき、また、大容量収納部を複数設けて容量を一層拡大することができる。さらに複雑な構造が必要なく、構成が極めて簡易とすることができる。」
と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の追加及び拡張・変更の存否
1)訂正A-1)について
・最上段の「収納部」を「給紙方向前後に複数配置された大容量収納部」と構成を限定するもので、明細書の段落番号【0031】の記載に基づくものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
また、「収納部」を「大容量収納部」に訂正することは、用語を統一して構成を明りょうにするためのものであり、この用語は実用新案登録明細書の段落番号【0033】の記載に基づくものである。
・「給紙装置」の構成に「複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて前記画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路」の構成を追加するものであり、明細書の段落番号【0016】、【0020】、および【0022】の記載に基づくものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
・「給紙装置」の構成に「給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイド」の構成を追加するものであり、明細書の段落番号【0032】および図2の記載に基づくものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
2)訂正A-2)について
「給紙装置」の構成に「給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けた」点を追加するものであり、明細書の段落番号【0032】および図2の記載に基づくものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
また、「収納部」を「大容量収納部」に訂正することは、用語を統一して構成を明りょうにするためのものであり、この用語は実用新案登録明細書の段落番号【0033】の記載に基づくものである。
3)訂正Bについて
訂正Bは実用新案登録請求の範囲の減縮に整合させるための訂正であって、明細書に記載された事項の範囲内の訂正であり、明りょうでない記載の釈明に該当する。
4)むすび
以上のとおりであるから、訂正AおよびBは、いずれも特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書および第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議の申立てについての判断
(1)本件考案
本件の請求項1ないし6に係る考案(以下、「考案1」ないし「考案6」という。)は前記訂正が認められた結果、平成14年1月4日付けで提出された全文訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし6に記載された以下のとおりのものである。
【請求項1】複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、
前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、
該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて前記画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、
前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドと、
を備えたことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたことを特徴とする給紙装置。
【請求項3】前記用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙をほぼ水平に昇降する収納部は、前記繰り出し手段に設けられ積載用紙の給紙位置を一定範囲内に制御するレベルセンサと、給紙に応じて前記用紙載置台を上下動する昇降手段を有し、該昇降手段は前記繰り出し手段に設けられたレベルセンサからの信号によって用紙載置台を間欠上昇し積載用紙の給紙位置を一定範囲内に制御してなることを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。
【請求項4】複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を給紙方向前後に複数配置し、かつ該収納部が少なくとも積載用紙をほぼ水平に載置する用紙載置台と、給紙に応じて該用紙載置台を水平に上下動する昇降手段とから成り、その給送方向下流側の収容部の用紙載置台を給送方向上流側の収納部から供給される用紙を下流へ案内するガイド手段としたことを特徴とする給紙装置。
【請求項5】前記給送方向下流側の収容部に設けられた用紙繰り出し手段により給送方向上流側の収納部から用紙載置台に供給される用紙を下流へ繰り出すことを特徴とする請求項4記載の給紙装置。
【請求項6】前記積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙をほぼ水平に昇降する収納部は、複数段の収納部のうちで最大サイズの用紙を収納する収納部の給紙方向幅に対しほぼ半分以下の幅よりなることを特徴とする請求項1乃至5記載の給紙装置。
(2)引用刊行物に記載された考案
当審で通知した取消しの理由で引用した刊行物およびその記載事項は以下のとおりである。
刊行物1特開昭63-202523号公報(異議申立人提出の甲第1号証)
刊行物2特開平3-267229号公報 (異議申立人提出の甲第2号証)
刊行物3特開平3-98923号公報 (異議申立人提出の甲第3号証)
刊行物4実願昭62-131190号(実開昭64-36344号)
のマイクロフィルム(異議申立人提出の甲第4号証)
刊行物5特開平2-280173号公報 (異議申立人提出の甲第5号証)
刊行物6特開平2-204237号公報 (異議申立人提出の甲第6号証)
・刊行物1
a.「上段の給紙装置(42)はエレベータ方式によるもので、積載板(108)は水平状態を保持して給紙容器(107)内で昇降可能とされ、スプロケット(130)、(131)に上下方向に張設されたチェーン(132)に金具(133)で止着されている。スプロケット(130)は正逆回転可能な昇降モータ(110)に図示しない減速ギヤ手段を介して連結されている。下段の給紙装置(43)はリフトアップ方式によるもので、積載板(108)は図示しない後端を支点として上下方向に回動可能とされ、押上げ板(140)に連動して昇降する。押上げ板(140)の支軸(141)は正逆回転可能な昇降モータ(110)に減速ギヤ機構(142)を介して連結されている。」(3頁右上欄14行?左下欄6行、第1?3図参照。)
b.「各給紙ローラ(19)はフレーム(103)に装着され、フレーム(103)は捌きローラ(22)の支軸(20)を支点として回動自在である。従って、前記昇降モータ(110)を正転オンすると、積載板(108)が上昇し、その上に積載された複写紙の上面が給紙ローラ(19)に圧接し、給紙ローラ(19)が若干持ち上げられることとなる。複写紙上面の上限位置は透過型フォトセンサ(101)にて検出される。即ち、フレーム(103)の突片(103a)がセンサ(101)の光軸上に位置し、積載板(108)が上昇して複写紙上面にて給紙ローラ(19)が所定高さまで持ち上げられると、突片(103a)が光軸を開放し、センサ(101)がオンする。このオン信号にて昇降モータ(110)が正転オフされる。給紙が続行されて複写紙上面が低下すると、給紙ローラ(19)も若干沈み、突片(103a)が光軸に進入しセンサ(101)がオフする。このオフ信号にて昇降モータ(110)が正転オンされ、積載板(108)が上昇することとなる。以下、同様にセンサ(101)のオン、オフ信号にて積載板(108)がステップ的に上昇し、複写紙上面の高さ(給紙高さ)を一定に保持すると共に、複写紙上面と給紙ローラ(19)との圧接力(給紙圧)を一定に保持する。」(3頁左下欄7行?右下欄9行)
・刊行物2
c.「下部装置3には複数個の用紙トレイ6?9が上下方向に重ねて配置されており、それぞれの用紙トレイの給紙部には給紙装置ユニット15が設けられている。なお、本発明の複写機に設けられる用紙トレイは、本体フレームの前部分から挿脱出来るような形式の、いわゆるフロントローディングタイプの装置として構成されているもので、それ等の用紙トレイの一方の側部から、給紙装置ユニットによって用紙を送り出すことが出来るように構成されている。更に、上下の装置2及び3の両側の部分には、それ等の装置を上下に貫通する状態で、用紙トレイから記録部に向けて用紙を送り出すための用紙搬送路16・・・が設けられている。」(3頁左上欄18行?右上欄13行、第1・2図参照。)
d.「第3図中、符号84は、送り出された用紙を搬送路に導く駆動ローラであり、ピンチローラ85が当接している。ピンチローラ85は搬送路を形成するシュート86に取り付けられており、シュート86は複写機の開閉ドア87に取り付けられている。なお、符号88及び89は、それぞれ給紙部25(29)に取り付けられたシュートである。」(5頁右上欄8?15行、第3図参照。)
・刊行物3
e.「画像形成装置ユニットAは、複写機能とレーザプリンタ機能を有する自動両面複写型の画像形成装置1と、この画像形成装置1が載置される給紙装置であるところのマルチカセットフィーダ2とからなる。」(2頁左下欄2?6行、第2図参照。)
f.「マルチカセットフィーダ2は、下部カセットフィーダ2aと、この上に載置された上部カセットフィーダ2bからなり、下部カセットフィーダ2aには給紙カセット30、31が、また、上部カセットフィーダ2bには給紙カセット32、33がそれぞれ配置されている。各給紙カセット30?33の上面側右端部に対向して、それぞれ用紙取出し手段であるところのピックアップローラ34がそれぞれ配設されているとともに、給紙カセット30?33の底部かつ右端側に対向してそれぞれ用紙押上手段としての用紙押上プレート35が配設された状態となっている。」(3頁左上欄8?20行、第4図参照。)
g.「用紙押上プレート35は、給紙カセット30?33内にそれぞれ設けられた用紙受板36を自動的に用紙P・・・の残量に応じて押上げ、ピックアップローラ34による送り出しが常に良好に行えるようになっている。」(3頁右上欄1?5行)
h.「ピックアップラーラ34によって、第4図の状態において右方向に送り出された用紙Pは、給紙ローラ37と分離ローラ38からなる一枚取出手段により一枚のみ取り出され給紙搬送路27に送り込まれ」(3頁右上欄6?10行)
i.「給紙カセット30?33は、その両側部をカセットガイド50、50(第6図および第7図に一方のみ図示)により案内された状態となっており、第3図に示すように必要に応じてフィーダ本体51、51の前面に形成されたカセット挿脱口52・・・から手前側(フロント側)に引出すことができるようになっている。」(3頁右下欄9?15行、第3図参照。)
j.「取手54には、第6図に示すように、前記カセットロック爪58の近傍にピックアップローラ解除レバー62を図示しない捩りばねの付勢力に抗して非作動位置に押上げるレバー押上突起63が、また、取手54の奥部下端側には歯車解除用の突起64が突設されている。そして、取手54をスプリング57の付勢力に抗して矢印B方向とは反対方向に回動変位させたとき、第6図に示すようにレバー押上突起63がピックアップローラ解除レバー62から離れこれに伴ってピックアップローラ34を支持するアーム65が軸66を中心に矢印C方向に回動可能となるようになっている。」(4頁右上欄2?14行、第6図参照。)
k.「第3図に示すようにフロント側に引出した上部カセットフィーダ2bの上段給紙カセット33のセット動作について説明する。給紙カセット33を被装着部60に押し込みセットすると、取手54と一体のカセットロック爪58がスプリング57の付勢力により第5図に示すように被係止部材59に引掛かり、給紙カセット33が位置決め固定された状態となる。このとき、取手54と一体のレバー押上突起63がピックアップローラ解除レバー62を押上げ、ピックアップローラ34のメカニカルロック動作が解除された状態となる。」(5頁右下欄6?17行、第3・5図参照。)
l.「給紙カセット33をフロント側に引出す場合について説明する。まず、給紙カセット33の手指挿入凹部53に手を挿入し取手54を第5図の反矢印B方向に回動させ、ロック手段61のロック動作を解除するとともに、取手54と一体のレバー押上突起63がピックアップローラ解除レバー62から離れ、ピックアップローラ34を図示しない捩じりばねの付勢力により上昇位置に固定された状態となる。」(6頁左上欄13行?右上欄1行)
・刊行物4
複写機の給紙ユニット内蔵テーブルに関するものであり、第1図を参照すると、二段の載置台のうちの上段に容量の大きなものを配することが開示されている。
・刊行物5
m.「転写位置614aに最も近い最上段のものを大量給紙トレイ300とし、これからの転写紙の搬送系を排紙トレイ813まで略直線状に最短に導いている。この結果、複写機は大きな設置スペースを必要とせず比較的狭い場所にも設置できると共に、使用頻度の圧倒的に高いハーフサイズ紙(B5、A4、外国の用紙ではLT紙等)をコピーするときのファーストコピータイムが速く、用紙の補充間隔が長く且つ補充作業が行い易くなる。又、腰の強い官製ハガキ等の厚手の用紙から、腰が弱く給紙・搬送し難い航空便箋やトレーシングペーパー等まで安定して搬送することができ、更にジャム紙の除去性もよい装置となる。」(4頁右下欄15行?左上欄8行、第1図参照。)
・刊行物6
n.「本発明電子写真複写機は、小サイズ転写紙の給紙源は2給紙源を1段とし、大サイズ転写紙の給紙源は1給紙源を1段とするように、複数の給紙源を多段に配設することによって、給紙源配設部をコンパクトにし、複写機を小型化できる。」(2頁左上欄2?7行)
o.「図において、1、2はB5サイズやA4サイズと言った比較的小サイズの転写紙を収容したカセット、3、4はB4サイズやA3サイズと言った比較的大サイズの転写紙を収容したカセット、5?8はそれぞれカセット1?4の転写紙を送り出す送り出し手段、9はレジストローラ、10は送り出し手段5?8によって送り出された転写紙をレジストローラ9へ導く搬送路、11は中継送りローラ・・・である。」(2頁左上欄15行?右上欄6行、第1図参照。)
p.「第1図の複写機においては、カセット1?4の転写紙はすべて中央または左右いずれかの端が揃うように送り出される。したがって、同一段に装着されたカセット1と2の転写紙も、上、下の段に装着されたカセット1と3と4の転写紙と同様、レジストローラ9以後の供給路が重なって一緒になる。」(2頁右上欄7?13行)
(3)当審の判断
1)請求項1に係る考案について
刊行物3に記載された考案(以下、「刊行物3考案」という。)は、「給紙装置並びに画像形成装置」に関するものであり、画像形成装置1が給紙装置であるマルチカセットフィーダ2に載置されるものであって(記載e)、カセットフィーダには複数の給紙カセット30?33が上下方向に配置されており(記載f)、給紙カセットはフィーダ本体51の手前側に引出すことができるようになっている(記載i)。そして、画像形成装置からの用紙指定信号により所定サイズの用紙が給紙搬送路に送り込まれるようになっており(3頁左下欄6?9行)、ピックアップローラ34は解除レバー62の作動により給紙カセットの引き出し入れ時には上昇位置に固定される構成となっている(記載j?l)。
したがって、考案1と刊行物3考案とを対比すると、後者の「画像形成装置ユニットA」、「画像形成装置1」、「マルチカセットフィーダ2」、「給紙カセット(30?33)」、「給紙装置」、「用紙受板36」、「ピックアップラーラ34」は前者の「画像形成装置」、「装置本体」、「筺体」、「用紙収納部」、「給紙装置」、「用紙載置台」、「繰り出し手段」に夫々相当する。
また、刊行物3の第4図を参照すると、各給紙カセットの給紙ローラ37の下流には、用紙を送る通路が設けられており、これら通路は一カ所に集合して画像形成装置1へと繋がっているから、刊行物3考案において符号27として示される「給紙搬送路」は、考案1の「用紙ガイド」および「給送経路」に相当するものといえる。
以上の対比から、両者は「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
積載用紙を載置し該用紙を昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、
前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、
該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて前記画像形成装置との結合部に用紙を案内する給送経路とを備えたことを特徴とする給紙装置。」で一致し、以下の点で相違する。
・相違点1
考案1では、複数段に積層配設する用紙収納部の最上段を積載可能な用紙集積容量が最も大きな大容量収納部としたのに対し、刊行物3考案では各用紙収納部の容量の大小について言及がない点。
・相違点2
考案1では、用紙収納部を給紙方向前後に複数配置したのに対し、刊行物3考案では一段に一つの用紙収納部が配置されている点。
・相違点3
用紙載置台が、考案1では用紙をほぼ水平に昇降するものであるのに対し、刊行物3考案では用紙の一端側が昇降するものである点。
・相違点4
給送経路が、考案1では各用紙ガイドが合流する縦方向に設けられたものであるのに対し、刊行物3考案ではその構成が明りょうには記載されていない点。
・相違点5
考案1は、給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を給送経路に案内する案内ガイドを備えているのに対し、刊行物3考案はこの構成を備えていない点。
以下、相違点について検討する。
・相違点1について
刊行物5には、複数段に積層配設する用紙収納部の最上段のものを大量給紙トレイとすることが記載されている(記載m)。
そこで、刊行物5に記載されたものに倣って、相違点1のような構成とすることは、当業者が極めて容易に想到し得たことである。
なお、刊行物5には、大容量給紙トレイに収容すべき、使用頻度が圧倒的に高い用紙は、B5、A4サイズ等のハーフサイズ紙である旨記載されており(記載m)、第1図には、ハーフサイズ紙に合わせた、前後幅の狭い大量給紙トレイ300を、複数段の給紙トレイの最上段に備えたものが開示されている。
・相違点2について
刊行物6には、B5やA4といった比較的小サイズの転写紙を収容したカセット1、2を1段に並べると、コンパクトに配設できることが記載されている(記載n・o)。
そこで、B5やA4といった、小サイズの紙を収容する用紙載置台を1段に並べて配置するようにして、相違点2のようにすることは、当業者が極めて容易に想到し得たことである。
・相違点3について
用紙収納部における用紙載置台の昇降方式には、用紙の一端側が昇降するもの(刊行物3考案の方式)(記載g)、用紙をほぼ水平に昇降するもの(考案1の方式)があり、両者共に従来周知の事項である。そして、上段に設けられた大容量収納部において後者を採用することが刊行物1に記載されており(記載a)、この構成を刊行物3考案に適用し相違点2の構成を得ることは当業者にとって極めて容易なことである。
・相違点4について
刊行物2には、複数段の用紙トレイ(考案1の用紙収納部に相当)に収納された用紙をそれぞれ案内する給紙部のシュート88および89(考案1の用紙ガイドに相当)を設けること、各給紙部のシュートにて案内された用紙が合流されて画像形成装置である上部装置2との結合部に用紙を案内する用紙搬送路16(考案1の用紙給送経路に相当)を縦方向に設けること、が記載されている(記載c・d)。また、刊行物6にも同様の構成が記載されており(記載o・p)、相違点3の構成は、複数段に積層配設する用紙収納部を備えた給紙装置においては、広く知られた構成である。
したがって、前記構成を刊行物3考案に適用することに格別の困難性があるとはいえない。
・相違点5について
用紙収納部を給紙方向前後に複数配置する構成の給紙装置を得ることが、当業者にとって極めて容易なことであることは、前記「相違点2について」で述べたとおりであり、各用紙収納部が用紙給送手段を備えることは当然のことである。
そこで、給紙方向前後に用紙収納部を配置する考案として引用した刊行物6における用紙給送手段の構成をみてみると、刊行物6には、給紙方向上流側のカセット2の用紙給送手段として、搬送路10を給紙方向下流側のカセット1の上方に設けることが記載されている(記載o・p)。このカセット2からの搬送路10は、下方に積層配置された他の複数のカセットからの用紙が合流して搬送される搬送路10(考案1の用紙給送経路に相当)とレジストローラ9の手前で一緒になっているのであるから、カセット2から送り出された用紙を他のカセットからの搬送路10に案内する機能を有するものといえる。ところで、用紙給送手段が用紙を案内するガイドとこれに続く給送路を備えることが一般的であることは「相違点4について」で述べたとおりであり、刊行物6に記載された考案におけるカセット2からの搬送路10も送り出し手段6に近接して用紙ガイドが設けられていると解されるから、この搬送路10は用紙ガイドとしての機能も兼ね備えているものといえる。
したがって、刊行物6に記載された考案のカセット2からの搬送路10は考案1の案内ガイドに相当し、刊行物6に記載された考案は相違点4の用紙給送手段を備えるものといえる。そして、この構成を刊行物3考案に適用することに格別の困難性があるとはいえないから、相違点4の構成は業者が極めて容易に想到することができた事項である。
以上のとおり、請求項1に係る考案は刊行物3に記載された考案に刊行物1、2、5および6に記載された考案を適用して、当業者がきわめて容易に想到することができたものである。
実用新案権者は、刊行物6に記載された考案では、給紙方向前後に配設された収納部の搬送路は別々の位置(結合部)で画像形成装置に連結されるのであり、考案1のように給送経路を介して1つ結合部から画像形成装置に案内するものではない旨主張するが(意見書5-(5))、刊行物6の図1および記載pによれば、両搬送路はレジストローラ9の手前で合流し、用紙の供給路は一緒になって画像形成装置へと案内されるものと解されるので、この主張は採用できない。
2)請求項2に係る考案について
引用刊行物1ないし6には、そのいずれにも、訂正後の請求項2に係る考案の構成要件である、「給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を(給紙方向下流側の大容量収容部の)分離給送手段に案内する案内ガイドを設けた」点が記載されておらず、示唆もされていない。
請求項2に係る考案は、この構成を有することにより構成を簡素なものとすることができるという明細書記載の特有の効果を奏するものである。
したがって、請求項2に係る考案は引用刊行物1ないし6に記載された考案に基づいて極めて容易に考案することができたものではない。
3)請求項3に係る考案について
請求項3に係る考案は請求項1に係る考案における収納部の構成をさらに限定するものであり、(C)繰り出し手段に設けられ積載用紙の給紙位置を一定範囲内に制御するレベルセンサと、(D)給紙に応じて用紙載置台を上下動する昇降手段を有し、(E)昇降手段は繰り出し手段に設けられたレベルセンサからの信号によって用紙載置台を間欠上昇し積載用紙の給紙位置を一定範囲内に制御してなること、を要件とするものである。
ところで、刊行物1には、積載用紙を水平に昇降する給紙装置の収納部において、給紙ローラ19(考案3の繰り出し手段に相当)にフォトセンサ101(考案3のレベルセンサに相当)を設けること、積載板108(考案3の用紙載置台に相当)に昇降モータ110(考案3の用昇降手段に相当)を設けること、この昇降モータ110はフォトセンサ101からのオン・オフ信号により積載板108をステップ的に上昇(考案3の間欠上昇に相当)し複写紙上面の給紙高さを一定に保持すること、が記載されている(記載b)。
刊行物1に記載された考案(以下、「刊行物1考案」という。)における前記構成は、考案3における前記要件(C)(D)(E)の相当するものであり、刊行物1考案は、刊行物3考案と同じ複数段に積層配設する用紙収納部を備えた給紙装置を有する画像形成装置に関するものであるから、この構成を刊行物3考案に適用することに格別の困難性があるとはいえず、効果においても予測以上のものを奏するとは認められない。
したがって、請求項3に係る考案は、前記「請求項1に係る考案について」で述べた点に加えて以上の理由により、刊行物3に記載された考案に刊行物1、2、5および6に記載された考案を適用して、当業者がきわめて容易に想到することができたものである。
4)請求項4および5に係る考案について
引用刊行物1ないし6には、そのいずれにも、請求項4および5に係る考案の構成要件である、「給送方向下流側の収容部の用紙載置台を給送方向上流側の収納部から供給される用紙を下流へ案内するガイド手段とした」点が記載されておらず、示唆もされていない。
請求項4および5に係る考案は、この構成を有することにより用紙載置台を2つの機能に使用でき、配設部材が少なくなって構造が簡易となるという明細書記載の特有の効果を奏するものである。
したがって、請求項4および5に係る考案は引用刊行物1ないし6に記載された考案に基づいて極めて容易に考案することができたものではない。
異議申立人は、前記構成は刊行物6に記載された事項より、当業者が極めて容易に想到することができるものである旨主張するが、刊行物6には、給送方向上流側の収納部から供給される用紙は専用に設けられたガイドをとおして案内されることが開示されているのみであり、その他の事例を示唆する記載もないから、別体のガイドを設けない請求項4および5に係る考案を想到することは当業者といえども容易なこととはいえない。
5)請求項6に係る考案について
請求項6に係る考案は請求項1に係る考案における収納部の構成をさらに限定するものであり、積載可能な用紙集積容量が最も大きな収納部は、複数段の収納部のうちで最大サイズの用紙を収納する収納部の給紙方向幅に対しほぼ半分以下の幅よりなること、を要件とするものである。
ところで、刊行物6には、複数段に積層配設されたカセット(考案6の収納部に相当)のうち、最上段の給紙方向前後に配置されたカセット1および2にはB5やA4の比較的小サイズの転写紙を、下段のカセット3および4にはB4やA3の比較的大サイズの転写紙を収納することが記載されている(記載o)。
転写紙の給紙方向に対する配置は縦型と横型があること、両者は必要に応じて適宜選択使用されること、は広く知られていることであり、前記のような上下段のカセットにおける用紙サイズの配置において、縦型と横型をどのように組み合わせるかは当業者が必要に応じて適宜行いうる設計事項である。そして、例えば、下段にA3サイズの転写紙を縦型に配置し、上段にA4サイズまたはB5サイズを横型に配置すれば、後者は前者の給紙方向幅に対し半分以下ということになる。
刊行物6に記載された考案は、刊行物3考案と同じ複数段に積層配設する用紙収納部を備えた給紙装置を有する画像形成装置に関するものであるから刊行物3考案に適用することに格別の困難性があるとはいえず、効果においても予測以上のものを奏するとは認められない。
したがって、請求項6に係る考案は、前記「請求項1に係る考案について」で述べた点に加えて以上の理由により、刊行物3に記載された考案に刊行物1、2、5および6に記載された考案を適用して、当業者がきわめて容易に想到することができたものである。
(4)異議申立人の主張についての当審の判断
異議申立人は証拠として甲第1ないし7号証を提出し、本件の請求項1ないし6に係る考案は以下の取消理由を有していると主張している。
・取消理由1
請求項1ないし6に係る考案は、甲第1ないし6号証に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案することができたものであるから、請求項1ないし6に係る実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものである。
・取消理由2
平成12年4月10日付け手続補正書は、明細書の要旨を変更するものであるから、本件の出願日はその手続補正書の提出日である。
したがって、請求項1ないし6に係る考案は、甲第1ないし6号証に記載された考案および本件の公開公報である甲第7号証(実願平4-42677号〔実開平5-95938号〕のCD-ROM、公開日:平成5年12月27日)に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案することができたものであるから、請求項1ないし6に係る実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものである。
1)取消理由1について
甲第1ないし6号証およびその記載事項は、前記3-(2)記載のとおりであり、請求項1ないし6に記載された考案と甲第1ないし6号証に記載された考案との対比・判断は前記3-(3)記載のとおりである。
2)取消理由2について
異議申立人の明細書の要旨変更に関する主張は次ぎの二点であり、当審の判断は以下のとおりである。
・「収納部の引き出し時に繰り出し手段は上方へ退避している」との構成を付加したのは要旨変更である、との主張について
異議申立人の主張は、本件の当初明細書には「繰り出し手段はホッパ体を挿入する際には上方へ退避している」(段落番号【0023】)との記載はあるが、ホッパ体の引き出し時については繰り出し手段の状態についての記載はなかった、というものである。しかしながら、繰り出し手段はホッパ体の挿入時も引き出し時も共に退避していなければ、ホッパに当たってしまい出し入れに障害をきたすのであり、いずれの場合も退避していることが自明の技術的事項である。
そうすると、ホッパの挿入時については繰り出し手段の退避について記載があったのであり、この記載に加えて引き出し時の状態を構成要件とした補正が明細書の要旨を変更するものとはいえない。
・請求項6において、「最上位の収納部の幅が最大サイズの用紙を収納する収納部の幅のほぼ半分以下である」とした点は要旨変更である、との主張について
異議申立人の主張は、「半分以下」には、1/3、1/4、1/5等も含まれるが、これらの用紙サイズについては本件の当初明細書に記載がなかった、というものである。しかしながら、用紙のサイズは規格により決まっており、使用される用紙サイズは自ずと限られたものであって、これらの異なったサイズの用紙を縦または横に配置して使用することが従来から広く知られていた事項であることを考慮すると、請求項6に係る考案において「ほぼ半分以下」との要件を付加したとしても明細書の要旨を変更するものとはいえない。
したがって、取消理由1および2の主張はいずれも採用できず、本件の出願日を手続補正書の提出日とする根拠はないから、甲第7号証に記載された考案については検討するまでもない。

4.むすび
以上のとおり、請求項1、3および6に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができない。
したがって、請求項1、3および6に係る実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認める。
また、請求項2、4および5に係る考案については、取り消すべき理由を発見しない。
したがって、請求項2、4および5に係る実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
給紙装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、
前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、
該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて前記画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、
前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドと、
を備えたことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】 複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたことを特徴とする給紙装置。
【請求項3】 前記用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙をほぼ水平に昇降する収納部は、前記繰り出し手段に設けられ積載用紙の給紙位置を一定範囲内に制御するレベルセンサと、給紙に応じて前記用紙載置台を上下動する昇降手段を有し、該昇降手段は前記繰り出し手段に設けられたレベルセンサからの信号によって用紙載置台を間欠上昇し積載用紙の給紙位置を一定範囲内に制御してなることを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。
【請求項4】 複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を給紙方向前後に複数配置し、かつ該収納部が少なくとも積載用紙をほぼ水平に載置する用紙載置台と、給紙に応じて該用紙載置台を水平に上下動する昇降手段とから成り、その給送方向下流側の収容部の用紙載置台を給送方向上流側の収納部から供給される用紙を下流へ案内するガイド手段としたことを特徴とする給紙装置。
【請求項5】 前記給送方向下流側の収容部に設けられた用紙繰り出し手段により給送方向上流側の収納部から用紙載置台に供給される用紙を下流へ繰り出すことを特徴とする請求項4記載の給紙装置。
【請求項6】 前記積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙をほぼ水平に昇降する収納部は、複数段の収納部のうちで最大サイズの用紙を収納する収納部の給紙方向幅に対しほぼ半分以下の幅よりなることを特徴とする請求項1乃至5記載の給紙装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体下部に用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年複写機やプリンタなどの画像形成装置による一回当たりの処理枚数が飛躍的に増大する傾向がある。このためこれら画像形成装置に供給される用紙のために大容量の用紙収納装置が提供されている。
【0003】
また、特開平2-110039号公報で見られるように、従来、大容量の用紙収納装置は画像形成装置の脇に抱えられ、画像形成装置の横に出っ張るよう配設されオフィススペースが広く必要であったものが、オフィススペースの節約要請により大容量の用紙収納装置を画像形成装置の下部に配設する傾向にある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、大容量の用紙収納装置を画像形成装置の下部に配設するものであっても、例えば特開平3-186532号公報、特開平3-249034号公報、特開平4-116067号公報のように大量の用紙を収納し、連続的に大量の用紙を供給する大容量収納部は画像形成部の下部でしかも最下段に配設され、該画像形成部からは他の収納部に比べ最も離隔した所に設けられており、画像形成装置への供給経路が長大となり、ジャムの機会が多いものであった。
【0005】
また、前記特開平3-186532号公報にあっては複数設けられた大容量収納部の給送下流側のものに昇降載置部が設けられているが、下流側の用紙が消費されると、上流側の収納部から下流側に用紙を移動させる必要があり、構造が複雑であった。
【0006】
本考案は上記従来の給紙装置の問題点に着目して成されたものであって、
(1)用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生する機会の多い大容量収納部からの給紙経路を極力短縮し、しかも一定の給紙条件のもとで給送し得ること。
【0007】
(2)大容量収納部を複数設けた場合、一方のものをそっくり他方へ移動させる構造上の複雑さを解決すること。
【0008】
(3)1つの構造を複数機能に使用することにより、配設部材を極力少なくして、構造を簡略化し、コストの低減をはかること。を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本考案では複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドとを備えた。
【0010】
また、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けた。
【0011】
更に、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を給紙方向前後に複数配置し、かつ該収納部が少なくとも積載用紙をほぼ水平に載置する用紙載置台と、給紙に応じて該用紙載置台を水平に上下動する昇降手段とから成り、その給送方向下流側の収容部の用紙載置台を給送方向上流側の収納部から供給される用紙を下流へ案内するガイド手段とした。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づき考案の各種実施例を説明する。
【0013】
<第1実施例>
図1は第1実施例を示している。
【0014】
図示のように給紙装置10はキャスタ12によって移動自在の枠体11を有し、この枠体11の上部に画像形成装置である複写装置Fが載置されている。
【0015】
複写装置Fは上面のプラテン1上に載置された原稿を露光するためのランプ2及び複数のミラー、レンズからなる光学系3を有し、感光体4上に受けた原稿像から潜像を形成し、これを現像する手段と用紙上へ転写する転写手段とを有し、これを定着させる定着手段5をへて排出台6へ排出するもので、その詳細については周知につき説明を省略する。なお排出台6に代えて大量の処理済み用紙を収容するダウントレーや区分けして収容するソータなどが結合されていても良い。
【0016】
また、図示のように給紙装置10との結合部には、用紙を受ける入口ローラ7、ガイド8及びレジストローラ9が配設されている。
【0017】
さて、枠体11の内部にはその下方部分に、大サイズの用紙用収納部、例えばA3用カセット13、B4用カセット14等が配設されている。これらはそれぞれガイドレール15、16によって案内され、オペレータの手前側、すなわち図に対して直角の方向に引き出し可能に装着されている。
【0018】
各カセット13、14には内部に用紙Pを上方へ押し上げる周知の押し上げ手段が内蔵されている。
【0019】
一方、枠体11内部側には最上用紙に接して繰り出す繰り出し手段17、18が配設されている。
【0020】
また、繰り出し手段17、18により繰り出された用紙を一枚に分離して給送する分離給送手段19、20が設けられ、その先に用紙を案内する用紙ガイド21、22が配設されており、各用紙ガイド21、22は共通の給送経路である給送ガイド23に合流している。
【0021】
そして、カセット13、14よりも大量の用紙を収納する大容量収納部30は、ガイドレール31に案内されて着脱自在のホッパ体32を有し、このホッパ体32の中に上下動可能の用紙載置台33を有している。
【0022】
また、枠体11の内部には用紙載置台33に結合してこの載置部33を昇降させる昇降手段34が配設されている。そして、最上用紙に接してこれを繰り出す繰り出し手段35及びこの繰り出し手段35により繰り出された用紙を一枚に分離して送る分離給送手段36、用紙を給送ガイド23へ導く用紙ガイド37等が配設されている。
【0023】
繰り出し手段35はホッパ体32を装入する際には上方へ退避しているが、用紙給紙指令によって最上用紙に接するようになっており、用紙押圧付勢手段が配備されている。なお、繰り出し手段35には用紙レベルセンサ、エンプティセンサなどの手段が付設されている。
【0024】
一方、昇降手段34は繰り出し手段35のレベルセンサからの信号によって間欠上昇し、最上用紙のレベルが常に一定範囲にあるように制御されている。
【0025】
なお、各繰り出し手段17、18、35による繰り出し給送方向は、各収納部13、14、30ともに装着方向(紙面と直角方向)に対して、その直角方向(図面の右側方向)である。
【0026】
次に動作を説明する。
【0027】
用紙はサイズに応じた用紙収納部へ収納する。特に小サイズで大量の用紙を収納する大容量収納部30には、例えばA4サイズなどの用紙が大量に収納される。
【0028】
複写装置Fの複写指令によって、予め選択されたサイズの用紙が当該収納部から給送されるが、特に大容量収納部30からの用紙は比較的に小サイズであり、しかも大量に供給される。しかし、本考案の構成によって図のように用紙ガイド37と給送経路である給送ガイド23と合わせても複写装置Fの入口ローラ7までの行程は極めて短く、ジャムが発生する機会が非常に少ない。また、前記給送経路が短いので、小サイズの用紙であるにも拘わらず、途中で中間搬送ローラなどを設ける必要がない。
【0029】
一方、大サイズに対する給送経路は長くなるが、その使用頻度は相対的に少なく、ジャムが発生する機会も相対的に低いと言える。また給紙経路が長いが、用紙自体が長いので、複写装置Fに至る中間ローラは必要ない。
【0030】
<第2実施例>
次に図2に基づき本考案の第2実施例を説明する。
【0031】
この実施例の給紙装置40は図示のように、第1実施例の大容量収納部30を用紙の給送方向に複数例えば2組縦列させたものであり、第1実施例の装置10と共通する部分の符号は共通にしてある。なお、ここで改めて給送方向下流側のものを符号301に、上流側のものを符号302とする。
【0032】
両者は基本的に同じものであるが、収納部301の上方には、収納部302からの用紙を収納部301の分離給送手段36へ案内するガイド41が配設されている。
【0033】
両大容量収納部301、302は機能としては第1実施例の収納部30と同じで、それぞれ固有の用紙載置台331、332及び昇降手段(図示してない)を有しているが、この給紙装置40の昇降手段は枠体11の奥側(紙面後方)に配設されている。
【0034】
他の収納部13、14等に関しては第1実施例の全く同じである。
【0035】
本実施例では2つの収納部301、302を縦列させたので、使用頻度の大きいサイズの用紙収納能力は一層大きくなっており、しかも各収納部301、302はそれぞれ個別に繰り出し手段35と分離給送手段36を備えていると共に、収納部302から繰り出された用紙を収納部301の分離給送手段36へ案内するガイド41を設けたので、何れかを横移動させるなどの複雑構造は必要なく、構成は極めて簡易である。
【0036】
<第3実施例>
次に図3によって考案の第3実施例を説明する。
【0037】
この実施例の給紙装置50は、第2実施例の給紙装置40と本質的に同構成なのであるが、第2実施例のガイド41を省除し、代わりに下流側大容量収納部301の用紙載置台331を、上流側収納部302の用紙のガイド板に兼用させたもので、下流側収納部301のエンプテイ信号によって、用紙載置台331は図示のように上昇し、案内位置に定位するように成されている。
【0038】
このように構成することにより、用紙載置台331が収納部302からの用紙を収納部301の分離給送手段36へ案内するガイドとしても作用するため、第2実施例のガイド41が省かれ、用紙載置台331で2機能が達成され、部材の節約になっている。
【0039】
<変形例>
本考案は前記3つの実施例に限定されるものではなく、例えば次のような変形例も実施可能である。
(1)第3の実施例において、収納部302から繰り出されれた用紙を昇降載置部331に沿って収納部301の分離給送手段36へ搬送する際、繰り出し手段35を用紙載置台331上に下降させて駆動することにより、繰り出し手段35を搬送手段として使用することもできる。
(2)第2実施例の給紙装置40及び第3実施例の給紙装置50ともに下流側の収納部301には分離給送手段36が設けられているので、上流側収納部302の分離給送手段36を省除して収納部302の繰り出し手段35が繰り出した複数枚の用紙をガイド41または用紙載置台331を介して収納部301の分離給送手段36へ供給し、この分離給送手段36により最終的に1枚に分離して複写装置Fに給送するようにしても良い。これにより一層の部材節約が図られる。
【0040】
【考案の効果】
この考案の給紙装置によれば、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、前記紙送方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドとを備えたので、用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生の機会が多い大容量収納部は他の収納部に比べ画像形成装置までの給紙経路が著しく短縮され、また用紙積載量に関係なく常に一定の条件により給紙が可能で、その結果ジャムを減少でき、また、大容量収納部を複数設けて容量を一層拡大することができる。さらに複雑な構造が必要なく、構成が極めて簡易とすることができる。
【0041】
また、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたので、用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生の機会が多い大容量収納部は他の収納部に比べ画像形成装置までの給紙経路が著しく短縮され、また用紙積載量に関係なく常に一定の条件により給紙が可能で、その結果ジャムを減少でき、また、大容量収納部を複数設けて容量を一層拡大することができる。さらに複雑な構造が必要なく、構成が極めて簡易とすることができる。
【0042】
さらに、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体下部に用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙をほぼ水平に昇降する収納部を給紙方向前後に複数配置し、かつ該収納部が少なくとも積載用紙をほぼ水平に載置する用紙載置台と、給紙に応じて該用紙載置台を水平に上下動する昇降手段とから成り、その給送方向下流側の収容部の用紙載置台を給送方向上流側の収納部から供給される用紙を下流へ案内するガイド手段としたので、用紙載置台を2つの機能に使用でき、配設部材が少なくなって構造が簡易となり、コスト低減にもつながる。そして、給送方向下流側の大容量収容部の用紙載置台が最上位置にあるとき、この昇降載置部に供給された用紙を前記繰り出し手段で搬送するようにした場合、特別な搬送手段を設けなくても用紙載置台上を繰り出し手段で確実に搬送できる。更に、上流の収容部の用紙をそっくり下流の収容部へ横移動させるような構造上の複雑さがなく、簡素な構造の給紙装置の提供が出きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の給紙装置の第1実施例の構造説明図である。
【図2】本考案の給紙装置の第2実施例の構造説明図である。
【図3】本考案の給紙装置の第3実施例の構造説明図である。
【符号の説明】
F 画像形成装置
10 給紙装置(第1実施例)
11 枠体
23 給送経路
30 大容量収納部
33 用紙載置台
34 昇降手段
35 繰り出し手段
36 分離給送手段
37 用紙ガイド(給送経路)
40 給紙装置(第2実施例)
301 下流側大容量収納部
302 上流側大容量収納部
41 ガイド
50 給紙装置(第3実施例)
331 用紙載置台(第3実施例)
訂正の要旨 訂正の要旨
実用新案登録第2606904号の明細書を、
(A)実用新案登録請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明を目的として、
1)請求項1の
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出し前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を配置したことを特徴とする給紙装置。」
という記載を
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、
前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、
該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて前記画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、
前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドと、
を備えたことを特徴とする給紙装置。」
と訂正し、
2)請求項2の
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する収納部を給紙方向前後に複数配置したことを特徴とする給紙装置。」
という記載を
「複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、
前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたことを特徴とする給紙装置。」
と訂正し、
(B)明りょうでない記載の釈明を目的として、
1)明細書の段落番号【0009】を
「【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本考案では複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、前記給紙方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドとを備えた。」
と訂正し、
2)明細書の段落番号【0010】を
「また、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けた。」
と訂正し、
3)明細書の段落番号【0040】を
「【考案の効果】この考案の給紙装置によれば、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有し、前記複数段の収納部のうちその最上段の給紙方向前後に複数配置された大容量収納部と、前記複数段の収納部に収納された用紙をそれぞれ案内する用紙ガイドと、該各用紙ガイドにて案内された用紙が合流されて画像形成装置との結合部に用紙を案内する縦方向に設けられた給送経路と、前記紙送方向下流側の大容量収納部の上方に設けられて前記給紙方向上流側の大容量収納部の用紙を前記給送経路に案内する案内ガイドとを備えたので、用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生の機会が多い大容量収納部は他の収納部に比べ画像形成装置までの給紙経路が著しく短縮され、また用紙積載量に関係なく常に一定の条件により給紙が可能で、その結果ジャムを減少でき、また、大容量収納部を複数設けて容量を一層拡大することができる。さらに複雑な構造が必要なく、構成が極めて簡易とすることができる。」
と訂正し、
4)明細書の段落番号【0041】を
「また、複写機、プリンタなどの画像形成装置の装置本体が上部に積み重ねられる筐体内にそれぞれ給紙方向に対し交叉する方向に引き出し入れ可能な用紙収納部を複数段に積層配設し、該画像形成装置に各収納部から選択的に用紙を給紙する給紙装置において、前記複数段の収納部のうちその最上段に、積載可能な用紙集積容量が最も大きく、しかも積載用紙を載置し該用紙をほぼ水平に昇降する用紙載置台と、該用紙載置台の上方に対峙し積載用紙を繰り出す前記引き出し入れ時には上方へ退避可能な繰り出し手段とを有する大容量収納部を給紙方向前後に複数配置し、前記給紙方向下流側の大容量収容部の用紙を分離して給送する分離給送手段と、前記給紙方向上流側の大容量収納部からの用紙を前記分離給送手段に案内する案内ガイドを設けたので、用紙供給の頻度が高く、ジャムの発生の機会が多い大容量収納部は他の収納部に比べ画像形成装置までの給紙経路が著しく短縮され、また用紙積載量に関係なく常に一定の条件により給紙が可能で、その結果ジャムを減少でき、また、大容量収納部を複数設けて容量を一層拡大することができる。さらに複雑な構造が必要なく、構成が極めて簡易とすることができる。」
と訂正する。
異議決定日 2002-01-31 
出願番号 実願平4-42677 
審決分類 U 1 651・ 121- ZD (B65H)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 関谷 一夫  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 鈴木 美知子
山崎 豊
登録日 2000-11-24 
登録番号 実用新案登録第2606904号(U2606904) 
権利者 ニスカ株式会社
山梨県南巨摩郡増穂町小林430番地1
考案の名称 給紙装置  
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