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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) E06B
管理番号 1062939
審判番号 無効2002-35016  
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-09-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2002-01-22 
確定日 2002-07-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第2516685号実用新案「建物用シャッタの障害物検知装置」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第2516685号の請求項1に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 [1]手続の経緯・本件請求項1に係る考案
本件実用新案登録第2516685号に係る考案は、平成1年11月7日に出願され、平成8年8月20日に実用新案登録の設定登録がなされたところ、平成14年1月22日に、その請求項1に係る考案についての実用新案登録について無効審判が請求されたものである。
そして、本件の請求項1に係る考案は、次のとおりのものである。
「シャッタカーテンの1方のガイドレールのシャッタカーテンと平行な1面にテープスイッチを貼設し、シャッタカーテンの下端に該シャッタカーテンと略同幅の感知レバーを少なくともシャッタカーテンの両端部に於いてシャッタカーテンの表面と平行で水平な軸心を中心に回転自在なる様支承し、該感知レバーより伝達レバーを延出させ感知レバーの回動により伝達レバーが前記テープスイッチに押圧される様構成したことを特徴とする建物用シャッタの障害物検知装置。」

[2]請求人の主張
請求人は、本件請求項1に係る考案は、本件出願前に頒布された刊行物に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、その実用新案登録は無効とされるべきであると主張し、証拠方法として甲第1号証、甲第2号証の1及びその翻訳文である甲第2号証の2を提出している。

[3]証拠の記載事項
(1)甲第1号証(実願昭62-154108号(実開平1-61396号)のマイクロフィルム)には、以下の事項が記載されている。
ア.ガイドレール14のリップ15に高さ方向に、開閉制御装置13に接続されたテープスイッチ16を貼着する。一方、スラット扉体13(12の誤記と認められる)の最下端に取付けた座板17の下面には、前記ガイドレールに取付けたテープスイッチ16方向に揺動する検出板32が吊持されている。すなわち、第13図乃至第14図に示すように座板17下面にチャネル状の外装ケース33を固定すると共に、このケース33には一端を取付片34に枢着したリンク35を介して、チャネル状の検出板32がガイドレール14に貼着したテープスイッチ16側に揺動するように吊持されており、前記検出板32の端部にはテープスイッチ押圧用の突起36が設けられている。・・・スラット扉体12の降下中に、降下位置に障害物Dが存在し、座板下面に取付けた検出板32が障害物Dに当接した時には、検出板32がリンク34部分を介して第15図に矢印で示すようにガイドレール14に貼着したテープスイッチ16方向に揺動し、検出板32先端に設けた突起36で、テープスイッチ16を押圧し、開閉制御装置を作動させてスラット扉体12の降下を停止させる。(10頁1行?11頁3行)
イ.本考案は上記の構成としたので、従来形に比較し、誤動作がなく確実に作動する安全装置を提供することが可能となる。また高価な無線装置を必要とせず、しかも部品点数が少なくて構造簡単であるところからコスト軽減に寄与するばかりでなく、故障の心配がなく、また保守点検が容易であるという効果を奏する。(11頁11?17行)
(2)甲第2号証の1(米国特許第4,794,973号明細書1989年1月3日発行)には、以下の事項が記載されている。
ウ.本発明は、巻き上げタイプ又はスライドタイプのドアに使用するための安全バーに関するものである。(1欄4?5行)
エ.下側縁部を有するドアカーテン11であって、その横縁部と係合するガイドチャネル14に沿って垂直に運動することができるようにガイドされたドアカーテン11を含むタイプのローラードアアセンブリーにおいて、当該ドアカーテン11の下側縁部に支持され、当該ドアカーテン11と略同一の長さだけ延びている長尺の安全バー18と、当該ドア下側縁部に当該安全バー18をヒンジ状に連結されるヒンジ手段19とからなり、これによって、安全バー18は、水平軸部を中心に限定された傾斜運動をすることができ、安全バー18の端部に支持されたブレーキパッド32は、安全バー18が認知可能な傾斜運動をしたときに、ガイドチャネル14の内側面に対して摩擦係合するようになっており、これによって、ドア10の運動にブレーキをかけるので、このような構成によって、ドア10の先導縁部が障害物と遭遇したときに、安全バー18は、そのヒンジ軸19を中心として傾斜し、ガイドチャネル14に対してブレーキパッド32によって加えられた力によってドア10の運動にブレーキがかけられることを特徴とする前記安全ブレーキ装置。(6欄9?27行、請求項11)
オ.この実施例においては、持ち上げローラードア10は、周知のタイプのものであり、ドアの開□部12の上部に水平に配された回転自在のドラム(図示せず)の周りに捲回されている波状金属シートのカーテン状部材11からなっており、当該ドラムは、トランスを介して電流が供給されている電気モーターによって作動されている。当該モーター駆動回路は、自動逆転手段を備えており、当該逆転手段は、ドア閉鎖運動の際に、ドアの下側端部が障害物と遭遇したときに、モーターの電流の増大又は電圧の減少を感知したときに作動する逆転過負荷回路を含んでいるのである。(2欄35?46行)
カ.長尺安全バー18の夫々の端部には、ブレーキパッド部材32が設けられており、当該ブレーキパッド部材32は、この実施例においては、バー18の端部に滑動自在に配され、そして、そこにしっかり保持されている突出アーム34の端部に設けられたスリーブに取付けられているのである。ブレーキパッド部材32は、次のような構成で配されているのである。即ち、安全バー18が感知可能な傾斜運動をしたときに、たとえば、その閉鎖の際に、ドア10が障害物と遭遇した時に生ずるように、ブレーキパッド部材32は、ガイドチャネル14の後側フランジ34の夫々の内面に対して摩擦係合し、これによって、ドアカーテン部材11の下方運動にブレーキがかけられるのである。(3欄13?24行)
キ.ドア10を閉めるために、カーテン部材11が下降するにつれて、ドア開口部12にある何らかの障害物が弾性的なU字状カバー部材36と衝突する。当該カバー部材36は、変形し、安全バー18は、その水平ヒンジ軸19の周りを傾斜し、このような傾斜運動によって、ブレーキパッド部材32がガイドチャネル14の後側フランジ33に対して摩擦係合し、これによって、ドアの下降にブレーキがかかるのである。当該ドアにブレーキがかかると、周知のように、モーターの電流が増大し、そして、その結果、モーターからのモーター電圧が減少し、これが逆過負荷回路を含む周知の感知手段によって感知され、逆転リレーの逆転がおこり、モーターが駆動し、逆方向のドアの運動が生じるのである。(3欄36?49行)、
上記ウ乃至キの記載及び図面の記載によれば、甲第2号証の1には、以下の考案が記載されていると認められる。
「下側縁部を有するドアカーテン11であって、その横縁部と係合するガイドチャネル14に沿って垂直に運動することができるようにガイドされたドアカーテン11を含むタイプのドアにおいて、ドアカーテン11の下端に該ドアカーテンと略同幅の安全バー18を少なくともドアカーテン11の端部に於いてドアカーテンの表面と平行で水平な軸心を中心に回転自在なる様支承し、該安全バー18端部に保持した突出アーム34にブレーキパッド32を設け、安全バー18の回動によりブレーキパッド32がガイドチャネル14のドアカーテンと平行なフランジに押圧される様構成し、ガイドチャネル14に対しブレーキパッド32が加える摩擦抵抗によるモーター電流の増大又はモーター電圧の減少により障害物を検知する、巻き上げタイプ又はスライドタイプのドアの安全ブレーキ装置。」

[4]対比・判断
本件請求項1に係る考案と甲第2号証の1に記載された考案を比較すると、甲第2号証の1に記載された考案の「ドアカーテン11」、「ガイドチャンネル14」、「安全バー18」、「突出アーム34及びブレーキパッド32」及び「巻き上げタイプ又はスライドタイプのドア」は、本件請求項1に係る考案における「シャッターカーテン」、「ガイドレール」、「感知レバー」、「伝達レバー」及び「建物用シャッタ」に相当するから、両者は、
「シャッタカーテンの下端に該シャッタカーテンと略同幅の感知レバーを少なくともシャッタカーテンの両端部に於いてシャッタカーテンの表面と平行で水平な軸心を中心に回転自在なる様支承し、該感知レバーより伝達レバーを延出させ感知レバーの回動により伝達レバーがシャッタカーテンのガイドレールのシャッタカーテンと平行な1面方向に押圧される様構成した建物用シャッタの障害物検知装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
相違点:本件請求項1に係る考案においては、一方のガイドレールのシャッタカーテンと平行な1面にテープスイッチが貼設され、伝達レバーがテープスイッチを押圧することにより障害物が検知されるのに対し、甲第2号証の1に記載された考案においては、テープスイッチは設けられておらず、伝達レバーがガイドレールのシャッターカーテンと平行な1面に加える摩擦抵抗によるモーター電流の増大又はモーター電圧の減少により障害物を検知する点。
上記相違点について検討すると、甲第1号証には、スラット扉体12(本件請求項1に係る考案の「シャッターカーテン」に相当する。)のガイドレール14に高さ方向に、開閉制御装置13に接続されたテープスイッチ16を貼着し、スラット扉体12の降下中に、降下位置に障害物Dが存在し、座板下面に取付けた検出板32(本件請求項1に係る考案の「感知レバー」に相当する。)が障害物Dに当接した時には、検出板32がガイドレール14に貼着したテープスイッチ16方向に揺動し、検出板32先端に設けた突起36で、テープスイッチ16を押圧し、開閉制御装置を作動させることが記載されている。そして、甲第2号証の1及び甲第1号証はいずれも、シャッターカーテンの下端に該シャッタカーテンと略同幅の感知レバーを設け、降下位置に障害物が存在する場合の感知レバーの移動により、ガイドレールに当接する方向に移動する伝達部材を設け、伝達部材の移動を感知することにより、障害物を検知する点で共通するものであるから、甲第2号証の1において、伝達部材の移動感知手段として、伝達レバーとガイドレールとの摩擦抵抗によるモーター電流の増大又はモーター電圧の減少を検出するのに代えて、甲第1号証に記載の技術を適用し、伝達レバーが押圧する、ガイドレールのシャッタカーテンと平行な1面にテープスイッチを貼設し、テープスイッチの押圧を感知し、障害物を検知する構成とすることは、当業者がきわめて容易になしうることである。
また、その効果も、甲第2号証の1及び甲第1号証から、当業者がきわめて容易に予測しうる程度のことである。

【5】むすび
以上のとおり、本件の請求項1に係る考案は、甲第2号証の1に記載された考案に甲第1号証に記載された考案を適用して当業者がきわめて容易に考案することができたものと認められ、平成11年法律第41号附則第3条の規定によりなお従前の例によるとされる同法改正前実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができない考案であるから、平成5年法律第26号附則第4条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる同法改正前実用新案法第37条第1項第1号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については実用新案法第41条の規定により準用する特許法第169条第2項の規定によりさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-05-16 
結審通知日 2002-05-21 
審決日 2002-06-03 
出願番号 実願平1-130074 
審決分類 U 1 122・ 121- Z (E06B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡 千代子  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 蔵野 いづみ
山口 由木
登録日 1996-08-20 
登録番号 実用新案登録第2516685号(U2516685) 
考案の名称 建物用シャッタの障害物検知装置  
代理人 高橋 邦彦  
代理人 佐藤 嘉明  
代理人 浜本 忠  
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