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審決分類 審判 全部申し立て   H01F
管理番号 1064507
異議申立番号 異議2001-73120  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2002-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-11-19 
確定日 2002-08-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2607248号「積層チップインダクタ」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2607248号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1 手続の経緯
本件実用新案登録第2607248号に係る手続きの主な経緯は次のとおりである。
実用新案登録出願(実願平4-19038号)平成 4年 2月27日
実用新案登録権設定登録 平成13年 3月 9日
実用新案登録異議申立 平成13年11月19日
取消理由通知 平成14年 6月24日
訂正請求書・意見書 平成14年 7月16日

2 訂正の適否についての判断
2.1 訂正の内容
2.1.1 訂正事項1
実用新案登録請求の範囲の請求項1について、
「【請求項1】 直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタ。」の記載を、
「【請求項1】 直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタ。」に訂正する。

2.1.2 訂正事項2
明細書の段落【0008】において、
「【課題を解決するための手段】本考案者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、コイルと外部端子電極とを導電接続する引き出し部を、それぞれコイル始端および終端から最も近いコーナー部の2面に形成することにより、上記課題が解決されることを見い出し、本考案に到達した。」の記載を、
「【課題を解決するための手段】本考案者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、コイルと外部端子電極とを導電接続する引き出し部を、それぞれコイル始端および終端から最も近いコ-ナ-部の2面のみに形成することにより、上記課題が解決されることを見い出し、本考案に到達した。」に訂正する。

2.1.3 訂正事項3
明細書の段落【0009】において、
「すなわち本考案は、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタである。」の記載を、
「すなわち本考案は、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタである。」に訂正する。

2.1.4 訂正事項4
明細書の段落【0010】において、
「【作用】本考案による積層チップインダクタは例えば図1に概略的に示されるように構成されている。
すなわち角らせん形のコイル4とキャップ形の外部端子電極3とを導電接続する各引き出し部2が、それぞれ積層チップインダク夕の最も近いコーナー部の2面に形成されている。
具体的には各引き出し部2が、直方体形の磁性体1内部におけるコイル4の始端と最も近いコーナー部の2面に、ならびにコイル4の終端と最も近いコーナー部の2面にそれぞれ形成されている。
言い換えるとコイル4始端の引き出し部2とコイル4終端の引き出し部2とが、直方体形の磁性体1内部において互いに最も遠い各コーナー部の2面にそれぞれ形成されている。」の記載を、
「【作用】本考案による積層チップインダクタは例えば図1に概略的に示されるように構成されている。
すなわち角らせん形のコイル4とキャップ形の外部端子電極3とを導電接続する各引き出し部2が、それぞれ積層チップインダクタの最も近いコーナー部の2面のみに形成されている。
具体的には各引き出し部2が、直方体形の磁性体1内部におけるコイル4の始端と最も近いコーナー部の2面のみに、ならびにコイル4の終端と最も近いコーナー部の2面のみにそれぞれ形成されている。
言い換えるとコイル4の始端の引き出し部2とコイル4の終端の引き出し部2とが、直方体形の磁性体1内部において互いに最も遠い各コーナー部の2面のみにそれぞれ形成されている。」に訂正する。

2.1.5 訂正事項5
明細書の段落【0011】において、
「したがって上述したように本考案の積層チップインダクタにおける磁性体内部の各引き出し部がコーナー部の2面に形成されるため、サイズが同じ場合、キャップ形の外部端子電極と当該引き出し部との接触面積が大になる。
言い換えるとキャップ形外部端子電極のコーナー部2面の内部に引き出し部が接触するため、サイズが同じであると、従来の積層チップインダクタの場合に比べて同等以上の接触面積を有することになる。
なお本考案の他の実施例として図4ならびに図5および図6に示すような形状にすることができることは勿論である。
加えて直方体形の互いに遠いコーナー部の2面に一対の引き出し部を形成するため、コイルの磁束を極力遮断しないような形状に形成されることになる。」の記載を、
「したがって上述したように本考案の積層チップインダクタにおける磁性体内部の各引き出し部がコーナー部の2面に形成されるため、サイズが同じ場合、キャップ形の外部端子電極と当該引き出し部との接触面積が大になる。
言い換えるとキャップ形外部端子電極のコーナー部2面の内部に引き出し部が接触するため、サイズが同じであると、従来の積層チップインダクタの場合に比べて同等以上の接触面積を有することになる。
なお本考案の他の実施例として図4ならびに図5および図6に示すような形状にすることができることは勿論である。
加えて直方体形の互いに遠いコーナー部の2面のみに一対の引き出し部を形成するため、コイルの磁束を極力遮断しないような形状に形成されることになる。」に訂正する。

2.1.6 訂正事項6
明細書の段落【0012】において、
「すなわち本考案においては、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルの始端ならびに終端が、最も近いコーナー部の2面の外部端子電極にそれぞれ接続されている。
この結果、本考案の積層チップインダクタの両引き出し部はそれぞれコイルから最も遠いコーナー部に位置することになり、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンが著しく減少することになる。
このため従来の積層チップインダク夕と比較して材質、コイルターン数、焼成温度ならびに外形寸法などが同じであっても、本考案の積層チップインダクタは高いインダクタンス値を得ることができる。
言い換えると本考案による場合、積層チップインダクタの外形寸法を小さくしても従来と同じインダクタンス値を得ることができる。」の記載を、
「すなわち本考案においては、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルの始端ならびに終端が、最も近いコーナー部の2面のみの外部端子電極にそれぞれ接続されている。
この結果、本考案の積層チップインダクタの両引き出し部はそれぞれコイルから最も遠いコーナー部に位置することになり、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンが著しく減少することになる。
このため従来の積層チップインダクタと比較して材質、コイルターン数、焼成温度ならびに外形寸法などが同じであっても、本考案の積層チップインダクタは高いインダクタンス値を得ることができる。
言い換えると本考案による場合、積層チップインダクタの外形寸法を小さくしても従来と同じインダクタンス値を得ることができる。」に訂正する。

2.1.7 訂正事項7
明細書の段落【0026】において、
「【考案の効果】本考案は、積層チップインダクタの構成を簡単にすることによって、すなわち一個の角らせん形コイルの始端ならびに終端を、直方体形磁性体の最も近いコーナー部の2面でキャップ形外部端子電極にそれぞれ接続するようにしたことによって大きな効果が得られた。
すなわち本考案による積層チップインダクタは従来の積層チップインダクタと同じ外形寸法、コイルターン数、焼成温度ならびに材質などで構成されていながら、高いインダクタンス値を得ることができるという効果がある。また、積層チップインダクタの小型化にも対応できる手段が得られるという効果がある。
加えて本考案の積層チップインダクタは従来から広く用いられてきている方法によって製造することができるため、従来の生産ラインを大幅に変えるる必要がないという大きな利点がある。」の記載を、
「【考案の効果】本考案は、積層チップインダクタの構成を簡単にすることによって、すなわち一個の角らせん形コイルの始端ならびに終端を、直方体形磁性体の最も近いコーナー部の2面のみでキャップ形外部端子電極にそれぞれ接続するようにしたことによって大きな効果が得られた。
すなわち本考案による積層チップインダクタは従来の積層チップインダクタと同じ外形寸法、コイルターン数、焼成温度ならびに材質などで構成されていながら、高いインダクタンス値を得ることができるという効果がある。また、積層チップインダクタの小型化にも対応できる手段が得られるという効果がある。
加えて本考案の積層チップインダクタは従来から広く用いられてきている方法によって製造することができるため、従来の生産ラインを大幅に変える必要がないという大きな利点がある。」に訂正する。

2.2訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1について
訂正事項1は「前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面」及び「前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面」に各々「のみ」を付加して限定するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮に相当する。
しかも、上記訂正事項1は、本件の願書に添付された明細書の以下の段落
「【0009】
すなわち、本考案は、磁性体内部に内設されたらせん状のコイルの始端および終端から連続的に導出され、コイルとチップ端面に形成された外部端子電極とを接続する引き出し部が、磁性体内部におけるコイル始端と最も近いコーナー部分およびコイル終端と最も近いコーナー部分に形成されていることを特徴とする積層チップインダクタを提供するものである。
【0010】
【作用】
本考案の積層チップインダクタは、例えば図1に示すように、コイル4と外部端子電極3とを導電接続する引き出し部2が、磁性体1の内部におけるコイル始端と最も近いコーナー部分およびコイル終端と最も近いコーナー部分に形成されている。
【0011】
上記本考案の積層チップインダクタにおける引き出し部は、磁性体内部において、十分な外部端子電極との接触面積(従来の積層チップインダクタと同等以上の外部端子電極との接触面積)を有し、コイルの磁束を極力遮断しないような位置に形成されていれば、その形状に特に制限はなく、例えば、図4ないし図6に示すような形状とすることができる。
【0016】
次に、上記のようにして作製した磁性体グリーンシート5に、両主面を貫通するスルーホール6を形成し、その表面にスクリーン印刷法により、内部電極用Agペーストを用いて図2に示すような引き出し部2およびコイル各部導体パターン4’(積層してスルーホール接続することにより、らせん状のコイルが構成される内部導体パターン)を形成し、これらのシートを以下のように積層する。
【0017】
コイル各部導体パターン4’およびスルーホール6が形成されていないグリーンシート5の上に、引き出し部2が形成されたシート5を積層し、その上にコイル各部導体パターン4’が形成されたシート5を所定の順序で積層し、再び引き出し部2が形成されたシート5を積層し、コイル各部導体パターン4’およびスルーホール6が形成されていないグリーンシート5を積層する(図3)。」の記載と、図1?図6の記載とから明らかである。
従って、 訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

訂正事項2、3、5、6について
訂正事項2、3、5、6は、実用新案登録請求の範囲の請求項1の訂正に対応して、これと整合するように考案の詳細な説明の欄を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明に相当する。さらに、訂正事項2、3、5、6は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

訂正事項4、7について
訂正事項4、7は、実用新案登録請求の範囲の請求項1の訂正に対応して、これと整合するように考案の詳細な説明の欄を訂正するとともに、「コイル4始端」、「コイル4終端」をそれぞれ「コイル4の始端」、「コイル4の終端」と訂正し(訂正事項4)、「変えるる」を「変える」と訂正した(訂正事項7)ものであるから、明りょうでない記載の釈明、及び誤記の訂正に相当する。さらに、訂正事項4、7は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

2.3 訂正の適否のむすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3 実用新案登録異議の申立てについての判断
3.1 実用新案登録異議申立の理由の概要
実用新案登録異議申立人ティ-ディ-ケイ株式会社は、甲第1号証(刊行物1:特開平3-136307号公報)、甲第2号証(刊行物2:特開平2-165608号公報)、甲第3号証(刊行物3:特開昭59-132604号公報)を提出し、本件請求項1に係る考案は、甲第1?3号証に記載されたものから当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものでり、実用新案登録を取り消すべきであると主張している。

3.2 本件考案
上記2で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
【請求項1】 直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタ。

3.3 刊行物に記載された考案
3.3.1 刊行物1(特開平3-136307号公報)
刊行物1は積層型チップインダクタに関するものであり、以下の点が、第1,2図と共に記載されている。
「従来から、この種の積層型チップインダクタの一例としては、第1図の外観斜視図で示すようなチップコイル1が知られている。このチップコイル1は略直方体形状とされた素体2を備えており、この素体2は、第2図の分解斜視図で示すように、直線状やU字状などというような所定形状の内部導体パタ-ン3が形成されたグリーンシート4と、これらを挟み込む無地のグリ-ンシ-ト、いわゆるダミ-シ-ト5とを互いに積層して圧着したのち、焼成一体化することによって形成されている。・・・また、内部導体パタ-ン3はグリ-ンシ-ト4の表面上に銀や銀パラジウムを含む導電ぺ-ストを印刷してなるものであり、その端末位置には互いをコイル状に連結するためのスルーホール6が形成されている。・・・そして、このようにして得られた素体2に対してはバレル研磨や平面研磨が施され、その両端面それぞれに露出した内部導体パタ-ン3の所定端部と導通する外部電極7が導電ぺ-ストの塗布焼き付けによって形成されることにより、チップコイル1として完成することになる。」(第1頁右下欄第2行?第2頁左上欄第15行)

3.3.2 刊行物2(特開平2-165608号公報)
刊行物2は積層インダクタに関するものであり、以下の点が、第6,8図と共に記載されている。
「さらに第6図は本考案により積層インダクタの第4の実施例を示す。
図面において(a)のように生磁性体板1の上に(b)のような始端部分3と(n)のような終端部分4とを積層体の両端面縁辺7に沿った周回方向に導体パタ-ン2の導体の幅よりも充分大きい長さだけ延長し,磁性体シ-ト5にその一部に貫設された切り欠き窓8でそれぞれの終端部分4と始端部分3とを長手方向で重ねて3/4巻回長以上の長さの導体パタ-ン2を(c)(d)(e)(f)(g)(h)(i)(j)(k)(l)(m)(n)と積層し最後に(o)のように磁性体板1’を重ねる。したがって第7図のように両端面に導体パタ-ン2終端部分4または始端部分3が端面縁辺7に長く露出された生インダクタンス素子9が得られる。さらに第8図のように露出された導体パタ-ン2と接続させて導電材にて(a)のように全面,または(b)のように周辺を覆った端子電極6,6’を設けてコイルの周回数を高くした積層インダクタが得られる。」(第4頁左上欄第1行目?第19行)

3.3.3 刊行物3(特開昭59-132604号公報)
刊行物3は積層型インダクタに関するものであり、以下の点が第1図と共に記載されている。
「このようなコイルのインダクタンスは磁心材料で閉磁路を形成する場合、
L = (4π・μ_(e)・N^(2)/Σl/A) × 10^(-3) (μH)
で示されることが知られており、断面積Aが大きく磁路長lが短いほど大きなインダクタンスとなり得ることが判かる。このためコイルを形成するループの径を大きくさせ、磁気回路となるループ内の断面積を大きくさせる必要が生ずる。
ところがチップ部品としての形状はできるだけ、小さくさせることが要求されているから図1のようなパタ-ン形状では、ループ径を大きくするとル-プの外側の磁気回路の断面積が小さくなり、反対にインダクタンスが小さくなってしまう。」(第2頁左上欄第3行目?第16行)

3.4 本件考案と刊行物記載の考案との対比・判断
本件考案と刊行物1?3に記載のものとを対比すると、刊行物1?3には本件考案の構成要件である「前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えている」点について記載も示唆もされていない。しかも本件考案は、上記の点の構成をとることにより「この結果、本考案の積層チップインダクタの両引き出し部はそれぞれコイルから最も遠いコーナー部に位置することになり、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンが著しく減少することになる。このため従来の積層チップインダクタと比較して材質、コイルターン数、焼成温度ならびに外形寸法などが同じであっても、本考案の積層チップインダクタは高いインダクタンス値を得ることができる。」という明細書(段落【0012】)記載の作用効果を奏するものである。
なお、刊行物1にはコイルの始端及び終端を磁性体の端面全面つまりコーナー部の3面において外部端子電極に接続する引き出し部を備えている点が記載されているが、上記本件考案の構成は記載されていない。また、刊行物2に記載された考案には、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンを減少させるためにコイルの始端及び終端を磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて外部端子電極に接続する引き出し部を備えるという概念が存在しない。
したがって、本件考案が上記刊行物1?3に記載された考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認めることができない。

3.5 実用新案登録異議申立についての判断のむすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件考案についての実用新案登録を取り消すことができない。
また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
積層チップインダクタ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタ。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、閉磁路構造を取る積層チップインダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の積層チップインダクタは、一般に図7に示すように、磁性体1の内部にらせん状のコイル4が内設され、このコイル4とチップ端面に形成された外部端子電極3とが、コイル始端および終端からそれぞれ連続的に導出された引き出し部2(コイルと同一の導体によって形成される)によって接続されており、この引き出し部2は、図8に示すように、コイル4における外部端子電極側の一辺を、外部端子電極と接する位置まで平行移動させたような態様で形成されていた。なお、図7における矢印は、磁束のモデルである。
【0003】
上記のような構成からなる積層チップインダクタは、インダクタ素体内に磁束を集中させる閉磁路構造を取る場合、内設されたコイルの回りに一定のマージンを設けることにより磁路が確保されていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述従来の積層チップインダクタにおける外部端子電極形成端面側のマージン部においては、引き出し部によってコイルの磁束が遮断されるため(引き出し部全体がデッドゾーンとなっている)、上記マージン部分における実質的なマージンは、図8のMで示される部分(コイルから外部端子電極形成端面までの部分から引き出し部の幅を引いた部分)だけであった。
【0005】
このように、導体からなる引き出し部によってコイルの磁束が遮断されると、磁路面積が小さくなるため、化1(A_(i)=磁路面積、l_(i)=磁路の長さ、n=コイル巻き数、μ_(O)=真空の透磁率、μ_(R)=素体の比透磁率)からもわかるように、インダクタのインダクタンス値Lが低下してしまっていた。
【0006】
【化1】

なお、磁路を確保するために必要な面積のマージンをとり、これに引き出し部の面積を加えることにより、コイルパターンを変えずにインダクタンス値を上昇させることはできるが、このことはチップ外径寸法を大きすることであり、小型化の流れに反するものである。また、引き出し部を小さくすることにより、少ないデッドゾーンで磁路を確保することができるが、コイル導体を構成しているAgは焼成時に蒸発するため、引き出し部にはある程度の幅が必要である。
【0007】
そこで本考案は、上述従来の技術の問題点を解決し、高いインダクタンス値を有する外形寸法の小さい積層チップインダクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、コイルと外部端子電極とを導電接続する引き出し部を、それぞれコイル始端および終端から最も近いコーナー部の2面のみに形成することにより、上記課題が解決されることを見い出し、本考案に到達した。
【0009】
すなわち本考案は、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタである。
【0010】
【作用】
本考案による積層チップインダクタは例えば図1に概略的に示されるように構成されている。
すなわち角らせん形のコイル4とキャップ形の外部端子電極3とを導電接続する各引き出し部2が、それぞれ積層チップインダクタの最も近いコーナー部の2面のみに形成されている。
具体的には各引き出し部2が、直方体形の磁性体1内部におけるコイル4の始端と最も近いコーナー部の2面のみに、ならびにコイル4の終端と最も近いコーナー部の2面のみにそれぞれ形成されている。
言い換えるとコイル4の始端の引き出し部2とコイル4の終端の引き出し部2とが、直方体形の磁性体1内部において互いに最も遠い各コーナー部の2面のみにそれぞれ形成されている。
【0011】
したがって上述したように本考案の積層チップインダクタにおける磁性体内部の各引き出し部がコーナー部の2面に形成されるため、サイズが同じ場合、キャップ形の外部端子電極と当該引き出し部との接触面積が大になる。
言い換えるとキャップ形外部端子電極のコーナー部2面の内部に引き出し部が接触するため、サイズが同じであると、従来の積層チップインダクタの場合に比べて同等以上の接触面積を有することになる。
なお本考案の他の実施例として図4ならびに図5および図6に示すような形状にすることができることは勿論である。
加えて直方体形の互いに遠いコーナー部の2面のみに一対の引き出し部を形成するため、コイルの磁束を極力遮断しないような形状に形成されることになる。
【0012】
すなわち本考案においては、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルの始端ならびに終端が、最も近いコーナー部の2面のみの外部端子電極にそれぞれ接続されている。
この結果、本考案の積層チップインダクタの両引き出し部はそれぞれコイルから最も遠いコーナー部に位置することになり、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンが著しく減少することになる。
このため従来の積層チップインダクタと比較して材質、コイルターン数、焼成温度ならびに外形寸法などが同じであっても、本考案の積層チップインダクタは高いインダクタンス値を得ることができる。
言い換えると本考案による場合、積層チップインダクタの外形寸法を小さくしても従来と同じインダクタンス値を得ることができる。
【0013】
以下、実施例により本考案をさらに詳細に説明する。しかし本考案の範囲は以下の実施例により制限されるものではない。
【0014】
【実施例1】
本考案の積層チップインダクタの製造方法の一例を以下に示す。
【0015】
まず、Fe_(2)O_(3)、ZnO、NiOおよびCuOを、それぞれ48mol%、24mol%、18mol%および10mol%といった比率で秤量し、ボールミルにて15時間湿式混合を行う。次いで、得られた混合物を乾燥および粉砕し、700?800℃にて1時間仮焼した後、ボールミルにて15時間湿式粉砕し、乾燥および粉砕する。次に、得られた材料粉末に、バインダーを10?15wt%、トルエンを20wt%、エタノールを20wt%、および1-ブタノールを40wt%加え、ボールミルにて15時間混合してスラリーを得、このスラリーをドクターブレード法によりシート化する(膜厚50?80μm)。
【0016】
次に、上記のようにして作製した磁性体グリーンシート5に、両主面を貫通するスルーホール6を形成し、その表面にスクリーン印刷法により、内部電極用Agペーストを用いて図2に示すような引き出し部2およびコイル各部導体パターン4´(積層してスルーホール接続することにより、らせん状のコイルが構成される内部導体パターン)を形成し、これらのシートを以下のように積層する。
【0017】
コイル各部導体パターン4´およびスルーホール6が形成されていないグリーンシート5の上に、引き出し部2が形成されたシート5を積層し、その上にコイル各部導体パターン4´が形成されたシート5を所定の順序で積層し、再び引き出し部2が形成されたシート5を積層し、コイル各部導体パターン4´およびスルーホール6が形成されていないグリーンシート5を積層する(図3)。
【0018】
次に、得られた積層体を0.5t/cm^(2)の圧力で圧着後、500℃にて1時間脱バインダー処理を行い、850?900℃にて1時間焼成する。焼成後、得られた焼結体における引き出し部2が露出した端面に、浸漬法によって外部端子電極用Agペーストを塗布し、150℃にて15分間乾燥後600℃にて10分間焼成し、外部端子電極3を形成することにより、磁性体1の内部にらせん状のコイル4が内設された積層チップインダクタを得る(図1)。
【0019】
上記のようにして、コイルのターン数が7、8、9および10の本考案の積層チップインダクタを多数製造し、その中からそれぞれ無作為に30個ずつ選出してL値の測定を行い、その結果を表1に示した。
【0020】
一方、本考案の積層チップインダクタとの比較のため、引き出し部2を図8に示すように、すなわちコイルにおける外部端子電極側の一辺を外部端子電極と接する位置まで平行移動させたような態様で形成したこと以外は上記と同様にして、コイルのターン数が7、8、9および10の従来の積層チップインダクタを多数作製し、その中からそれぞれ無作為に30個を選出してL値の測定を行い、その結果を表1に併記した。なお、上記本考案の積層チップインダクタと従来の積層チップインダクタとは、外径寸法および引き出し部と外部端子電極との接触面積が同じである。
【0021】
【表1】

【0022】
表1からもわかるように、いずれのコイルターン数の場合においても本考案の積層チップインダクタは、従来の積層チップインダクタよりも高いL値を示していた。
【0023】
【実施例2】
本考案の積層チップインダクタの製造方法の別の一例を以下に示す。
【0024】
まず、実施例1と同様にして得た材料粉末に、バインダーを10?15wt%混合してペースト状の磁性体シート原料を用意する。次いで、このペーストを用いてスクリーン印刷法により印刷膜を形成する工程と、この印刷膜の上にAgペーストを用いて所定の内部導体パターンを印刷する工程とを交互に繰り返し行う、いわゆるスラリービルト法によって磁性体内部に所定の引き出し部およびコイルが内設されたチップ素体を得る。
【0025】
次に、上記のようにして得られたチップ素体を、実施例1と同様にして脱バインダー、焼成および外部電極形成を行い、本考案の積層チップインダクタを得る。
【0026】
【考案の効果】
本考案は、積層チップインダクタの構成を簡単にすることによって、すなわち一個の角らせん形コイルの始端ならびに終端を、直方体形磁性体の最も近いコーナー部の2面のみでキャップ形外部端子電極にそれぞれ接続するようにしたことによって大きな効果が得られた。
すなわち本考案による積層チップインダクタは従来の積層チップインダクタと同じ外形寸法、コイルターン数、焼成温度ならびに材質などで構成されていながら、高いインダクタンス値を得ることができるという効果がある。また、積層チップインダクタの小型化にも対応できる手段が得られるという効果がある。
加えて本考案の積層チップインダクタは従来から広く用いられてきている方法によって製造することができるため、従来の生産ラインを大幅に変える必要がないという大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の積層チップインダクタの一例を示す透視上面図である。
【図2】
本考案の積層チップインダクタを製造する際に用いられる引き出し部が形成されたシートの一例を示す平面図である。
【図3】
本考案の積層チップインダクタの製造工程におけるシート積層態様を示す斜視図である。
【図4】
本考案の積層チップインダクタの別の一例を示す透視上面図である。
【図5】
本考案の積層チップインダクタのさらに別の一例を示す透視上面図である。
【図6】
本考案の積層チップインダクタのさらに別の一例を示す透視上面図である。
【図7】
従来の積層チップインダクタを示す側断面図である。
【図8】
従来の積層チップインダクタを示す透視上面図である。
【符号の説明】
1‥‥‥磁性体
2‥‥‥引き出し部
3‥‥‥外部端子電極
4‥‥‥コイル
4´‥‥コイル各部導体パターン
5‥‥‥磁性体グリーンシート
6‥‥‥スルーホール
M‥‥‥実質的なマージン
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項1
実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、実用新案登録請求の範囲の請求項1の
「直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタ。」の記載を、
「直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタ。」に訂正する。
訂正事項2
明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0008】の
「【課題を解決するための手段】本考案者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、コイルと外部端子電極とを導電接続する引き出し部を、それぞれコイル始端および終端から最も近いコーナー部の2面に形成することにより、上記課題が解決されることを見い出し、本考案に到達した。」の記載を、
「【課題を解決するための手段】本考案者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、コイルと外部端子電極とを導電接続する引き出し部を、それぞれコイル始端および終端から最も近いコーナー部の2面のみに形成することにより、上記課題が解決されることを見い出し、本考案に到達した。」に訂正する。
訂正事項3
明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0009】の
「すなわち本考案は、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面において前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタである。」の記載を、
「すなわち本考案は、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルを有すると共に、当該磁性体の各端部にそれぞれ被覆されているキャップ形の外部端子電極を有する積層チップインダクタであって、前記コイルの始端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部と、前記コイルの終端を前記磁性体の最も近いコーナー部の2面のみにおいて前記外部端子電極に接続する引き出し部とを備えていることを特徴とする積層チップインダクタである。」に訂正する。
訂正事項4
明瞭でない記載の釈明、及び誤記の訂正を目的として、明細書の段落【0010】の
「【作用】本考案による積層チップインダクタは例えば図1に概略的に示されるように構成されている。
すなわち角らせん形のコイル4とキャップ形の外部端子電極3とを導電接続する各引き出し部2が、それぞれ積層チップインダクタの最も近いコーナー部の2面に形成されている。
具体的には各引き出し部2が、直方体形の磁性体1内部におけるコイル4の始端と最も近いコーナー部の2面に、ならびにコイル4の終端と最も近いコーナー部の2面にそれぞれ形成されている。
言い換えるとコイル4始端の引き出し部2とコイル4終端の引き出し部2とが、直方体形の磁性体1内部において互いに最も遠い各コーナー部の2面にそれぞれ形成されている。」の記載を、
「【作用】本考案による積層チップインダクタは例えば図1に概略的に示されるように構成されている。
すなわち角らせん形のコイル4とキャップ形の外部端子電極3とを導電接続する各引き出し部2が、それぞれ積層チップインダクタの最も近いコーナー部の2面のみに形成されている。
具体的には各引き出し部2が、直方体形の磁性体1内部におけるコイル4の始端と最も近いコーナー部の2面のみに、ならびにコイル4の終端と最も近いコーナー部の2面のみにそれぞれ形成されている。
言い換えるとコイル4の始端の引き出し部2とコイル4の終端の引き出し部2とが、直方体形の磁性体1内部において互いに最も遠い各コーナー部の2面のみにそれぞれ形成されている。」に訂正する。
2.1.5 訂正事項5
明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0011】の
「したがって上述したように本考案の積層チップインダクタにおける磁性体内部の各引き出し部がコーナー部の2面に形成されるため、サイズが同じ場合、キャップ形の外部端子電極と当該引き出し部との接触面積が大になる。
言い換えるとキャップ形外部端子電極のコーナー部2面の内部に引き出し部が接触するため、サイズが同じであると、従来の積層チップインダクタの場合に比べて同等以上の接触面積を有することになる。
なお本考案の他の実施例として図4ならびに図5および図6に示すような形状にすることができることは勿論である。
加えて直方体形の互いに遠いコーナー部の2面に一対の引き出し部を形成するため、コイルの磁束を極力遮断しないような形状に形成されることになる。」の記載を、
「したがって上述したように本考案の積層チップインダクタにおける磁性体内部の各引き出し部がコーナー部の2面に形成されるため、サイズが同じ場合、キャップ形の外部端子電極と当該引き出し部との接触面積が大になる。
言い換えるとキャップ形外部端子電極のコーナー部2面の内部に引き出し部が接触するため、サイズが同じであると、従来の積層チップインダクタの場合に比べて同等以上の接触面積を有することになる。
なお本考案の他の実施例として図4ならびに図5および図6に示すような形状にすることができることは勿論である。
加えて直方体形の互いに遠いコーナー部の2面のみに一対の引き出し部を形成するため、コイルの磁束を極力遮断しないような形状に形成されることになる。」に訂正する。
訂正事項6
明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0012】の
「すなわち本考案においては、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルの始端ならびに終端が、最も近いコーナー部の2面の外部端子電極にそれぞれ接続されている。
この結果、本考案の積層チップインダクタの両引き出し部はそれぞれコイルから最も遠いコーナー部に位置することになり、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンが著しく減少することになる。
このため従来の積層チップインダクタと比較して材質、コイルターン数、焼成温度ならびに外形寸法などが同じであっても、本考案の積層チップインダクタは高いインダクタンス値を得ることができる。
言い換えると本考案による場合、積層チップインダクタの外形寸法を小さくしても従来と同じインダクタンス値を得ることができる。」の記載を、
「すなわち本考案においては、直方体形の磁性体内ほぼ中央部に形成されている角らせん形の一個のコイルの始端ならびに終端が、最も近いコーナー部の2面のみの外部端子電極にそれぞれ接続されている。
この結果、本考案の積層チップインダクタの両引き出し部はそれぞれコイルから最も遠いコーナー部に位置することになり、コイルの磁束が遮断されるデッドゾーンが著しく減少することになる。
このため従来の積層チップインダクタと比較して材質、コイルターン数、焼成温度ならびに外形寸法などが同じであっても、本考案の積層チップインダクタは高いインダクタンス値を得ることができる。
言い換えると本考案による場合、積層チップインダクタの外形寸法を小さくしても従来と同じインダクタンス値を得ることができる。」に訂正する。
訂正事項7
明瞭でない記載の釈明、及び誤記の訂正を目的として、明細書の段落【0026】の
「【考案の効果】本考案は、積層チップインダクタの構成を簡単にすることによって、すなわち一個の角らせん形コイルの始端ならびに終端を、直方体形磁性体の最も近いコーナー部の2面でキャップ形外部端子電極にそれぞれ接続するようにしたことによって大きな効果が得られた。
すなわち本考案による積層チップインダクタは従来の積層チップインダクタと同じ外形寸法、コイルターン数、焼成温度ならびに材質などで構成されていながら、高いインダクタンス値を得ることができるという効果がある。また、積層チップインダクタの小型化にも対応できる手段が得られるという効果がある。
加えて本考案の積層チップインダクタは従来から広く用いられてきている方法によって製造することができるため、従来の生産ラインを大幅に変えるる必要がないという大きな利点がある。」の記載を、
「【考案の効果】本考案は、積層チップインダクタの構成を簡単にすることによって、すなわち一個の角らせん形コイルの始端ならびに終端を、直方体形磁性体の最も近いコーナー部の2面のみでキャップ形外部端子電極にそれぞれ接続するようにしたことによって大きな効果が得られた。
すなわち本考案による積層チップインダクタは従来の積層チップインダクタと同じ外形寸法、コイルターン数、焼成温度ならびに材質などで構成されていながら、高いインダクタンス値を得ることができるという効果がある。また、積層チップインダクタの小型化にも対応できる手段が得られるという効果がある。
加えて本考案の積層チップインダクタは従来から広く用いられてきている方法によって製造することができるため、従来の生産ラインを大幅に変える必要がないという大きな利点がある。」に訂正する。
異議決定日 2002-07-24 
出願番号 実願平4-19038 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (H01F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 久保田 昌晴  
特許庁審判長 松本 邦夫
特許庁審判官 橋本 武
浅野 清
登録日 2001-03-09 
登録番号 実用新案登録第2607248号(U2607248) 
権利者 太陽誘電株式会社
東京都台東区上野6丁目16番20号
考案の名称 積層チップインダクタ  
代理人 小林 邦雄  
代理人 内山 英夫  
代理人 丸岡 政彦  
代理人 丸岡 政彦  
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