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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) G07G
管理番号 1066096
審判番号 審判1998-35103  
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-03-16 
確定日 2001-12-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第2544193号実用新案「販売管理装置」の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第2544193号実用新案の登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 I.手続の経緯
本件実用新案登録第2544193号は、平成9年5月2日に設定登録され、これに対して、平成10年3月16日に富士通株式会社から無効審判の請求がされ、平成5年改正前実用新案法第41条において準用する特許法第153条の規定に基づいて、平成11年3月3日付けで当審より実用新案登録無効理由が通知されたものである。
II.本件考案
本件実用新案登録の請求項1に係る考案(以下「本件考案」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものである。
【請求項1】 クレジットカードとしても使用可能な規格に準拠しており、顧客を特定するカード番号が記憶された磁気ストライプに、少なくとも累計ポイントを含む情報を書込み記録することができる顧客磁気カードと共に使用され、この顧客磁気カードから、少なくとも累計ポイントおよびカード番号の情報を読み出す情報読み出し機能、通常の計算機能、販売額に応じて今回ポイントを計算する機能、前記今回ポイントを前回までの累計ポイントに加算し、新たな累計ポイントを算出する機能、レシートを発行した店名が記載された発行店名欄と、発行したレシートを特定する番号が記載されたレシート発行番号欄と、レシートが発行された発行時点が記載された発行時点欄と、今回購入した商品の商品名が記載された商品名欄と、前記商品毎の購入額が記載された購入額欄と、前記購入額を合計した合計購入額が記載された合計欄と、預り金額が記載された預り金額欄と、釣銭額が記載された釣銭額欄とを含む購入額明細欄と、前記購入合計額に応じた今回ポイントが記載された今回ポイント欄と、前記今回ポイントを含み今回購入時までの所定期間の購入により発生したポイントを累計した累計ポイントが記載された累計ポイント欄とを含むポイント表示欄と、商品の購入の際に利用され、前記情報書込み読み出し機能を利用して読み出した顧客磁気カードの番号が記載されたカード番号欄とを有するレシートを発券する機能、および前記新たに算出された累計ポイントを前記顧客磁気カードに新たに書き込む情報書き込み機能を持つPOS端末装置と、このPOS端末装置に接続され、このPOS端末装置から今回ポイントを含めた新たな累計ポイント等の情報が伝送され、それを記憶する顧客データバンクとを備えていることを特徴とする販売管理装置。」
なお、実用新案登録請求の範囲の請求項1には「令回ポイント」と記載されているが、考案の詳細な説明を参酌して「今回ポイント」の誤記であると認め、上記のとおり認定した。
III.本件実用新案登録に係る出願日
1.本件考案の、磁気カードに関する事項
平成7年12月1日付手続補正書により補正された明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された次のものである。
「クレジットカードとしても使用可能な規格に準拠しており、顧客を特定するカード番号が記憶された磁気ストライプに、少なくとも累計ポイントを含む情報を書込み記録することができる顧客磁気カード」
2.請求人の主張する当初明細書に記載された、磁気カードに関する事項
請求人が本件実用新案登録に係る出願の原出願であると主張する特願昭60-116248号に添付した当初明細書(以下「特願明細書」という。)の、磁気カードについて記載された事項は次のとおりである。
(1)「下記のステップ(a)?(e)を含むことを特徴とする、レシート上に今回購入時の購入額に応じた今回ポイントおよびその今回ポイントを含めて今回購入時までにした累計購入額に応じた累計ポイントを表示するシステム:
(a)情報記録の可能な磁気カードを、カードに書込まれた情報の読取り機能および新たな情報の書込み機能を有するとともに計算機能を有するPOS内に挿入し、予じめカードに書込まれている今回購入日の前日までの累計ポイントを読取る。
(b)POSに今回の購入額明細を入力し、次いで合計キーを押して今回購入合計額を計算するとともに、その合計額に応じた今回ポイントを計算する。
(c)ステップ(a)で読取られた今回購入日の前日までの累計ポイントに、ステップ(b)で得られた今回ポイントを加算して、今回ポイントを含めた新たな累計ポイントをPOSにより計算して、この累計ポイントを今回購入時の各商品の購入額およびその合計額ならびに今回ポイントとともにレシート上に表示する。
(d)今回ポイントを含めた新たな累計ポイントをPOSの有する書込み機能によりカードに記録する。
(e)今回ポイントを含めた新たな累計ポイントを、POSおよびコンピュータを介して顧客データバンクに電送して記録する。」(特許請求の範囲)
(2)「発明の技術分野
本発明は、磁気カードを介して、今回購入時の商品の購入額に応じた今回ポイントおよびその今回ポイントを含めてその当日までの一定期間に購入した商品の購入額に応じた累計ポイントをレシート上に表示するためのシステムに関する。」(第2頁第14乃至第19行)
(3)「発明の目的
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、顧客が商品を購入した際に受領するレシートに、今回購入時の購入額に応じた今回ポイントを含めて今回購入時までにした一定期間の購入額に応じた累計ポイントをも表示できるようなシステムを磁気カードを介して提供することを目的としている。」(第5頁第14行乃至第6頁第1行)
(4)「このようなシステムを採用すれば、シート上に直ちに今回ポイントおよび累計ポイントを表示でき、顧客は一見して直ちに今回購入時までの一定期間にした購入額に応じた累計ポイントを認識することができる。またカードを紛失しても、顧客データバンクに累計ポイントが記録されているので、カード再発行時に累計ポイントを再度カードに記録できる。また小売店側から見れば、購入額に応じていちいちブルーチップスなどの切手状印刷物を顧客に手渡す手間を省くことができる。また顧客カードを利用して商品の購入を行なうため、どの顧客がどのような商品をいつ購入したかという顧客情報を的確に把握することが可能となり、販売促進のための方策がとりやすくなる。」(第7頁第10行乃至第8頁第3行)
(5)「各店舗に備えられるPOS1は、磁気カードに書込まれた情報の読取り機能および新たな情報の書込み機能を有するとともに、計算機能をも有している。この計算機能はPOS自体が内蔵してもよく、あるいはPOS自体は計算機能を有せずにこのPOS1をコンピュータ2に接続することによってPOS1に計算機能を持たせてもよい。
POS1は上述のごとく磁気カードヘの書込み機能を有しているが、この磁気カードヘの書込み機能はPOSが内蔵してもよい。また場合によっては、POS自体は磁気カードに書込まれた情報の読取り機能のみを有していて、このPOSにカードヘの書込み機能を有するアタッチメントを装着することによってPOSに書込み機能を付与してもよい。」(第8頁最下行乃至第9頁第14行)
(6)「まず初めての顧客には、来店の際に、情報記録の可能な磁気カードを介して商品を購入してもらうように磁気カードを発行する。このようにして顧客にはカードを介して商品の購入をしてもらうようにするが、この顧客がある商品を購入しようとする場合には、レジにおいてまずカードを呈示してもらい、このカードを前述のPOS1内に挿入する。
このPOS1ではカードを介してすでに商品を購入した顧客の場合には、このカードに今回購入時の前日までの累計ポイントが記録されているので、このカードに記録された累計ポイントを読取る。‥(略)‥。
次に、POS1内にカードを挿入した状態で、今回の購入明細を入力し、POSの合計キーを押して、第2図に示すレシート上に今回購入時の各商品の購入額6およびその合計額7を表示する。‥(略)‥。
次に今回購入時の購入合計額7に応じて今回ポイント8をPOSに計算させる。今回購入時の購入合計額7に応じて今回ポイント8を計算するには、たとえば今回購入時の購入合計額が2,120円である場合には、今回ポイント8は21点とすればよい。
次に、すでにカードに書込まれている前日までの累計ポイントを読取った後に、今回ポイントを前日までの累計ポイントに加算して、今回ポイントが加算された新たな累計ポイント9をPOS1によって計算し、レシート5上に表示する。‥(略)‥。
このようにして今回ポイント8が加算された新たな累計ポイント9を、POS1に備えられた書込み機能を用いて、カードに新たに書込むことによって記録する。
新たな累計ポイント9は、カードに書込まれるのみではなく、POS1からCTL3およびコンピュータ2を介して顧客データバンク4に電送されて記録される。」(第9頁第19行乃至第12頁第7行)
(7)「発明の効果
本発明では、レシート上に、情報記録の可能な情報カードを介して、今回購入時の購入額に応じた今回ポイントおよびこの今回ポイントを含めて今回購入時までの一定期間にした購入額に応じた累計ポイントをも表示できるようにしているので、購入者はいちいちブルーチップスなどの切手状印刷物を受け取ってそれをノートなどに貼布する必要がなく、受領したレシートを見れば一目で今回ポイントおよび累計ポイントを認識できる。したがって一定の店で商品を購入しようとする気持ちになりやすく、この点でサービス効果が充分に認められ、顧客の固定化および非流動化に大きく貢献しうる。」(第14頁第7乃至第20行)
3.判断
上記「2.請求人の主張する当初明細書に記載された、磁気カードに関する事項」によれば、特願明細書には、磁気カードとPOS端末装置との関係について、
(1)POSによりカードに記録された累計ポイントを読取ること、
(2)今回の購入額に応じた今回ポイントを前記累計ポイントに加算して、新たな累計ポイントとし、当該新たな累計ポイントをPOSによりカードに書込むこと、
が開示されているにすぎない。
すなわち特願明細書には、
(1)当該磁気カードに何らかのクレジットカード等としての機能を併せて持たせること、
(2)磁気カードの磁気ストライプに、累計ポイント以外の情報を記録すること、
については何ら記載されていない。
したがって、本件考案の「クレジットカードとしても使用可能な規格に準拠しており、顧客を特定するカード番号が記憶された磁気ストライプに、少なくとも累計ポイントを含む情報を書込み記録することができる顧客磁気カード」が特願明細書に記載されていたものとすることはできない。
また当該本件考案の磁気カードについての構成は自明の事項であると認めることもできない。
4.被請求人の主張について
上記の点について、被請求人は、平成11年4月30日付意見書において
「本件は、拒絶査定不服審判(審判平7-34894号)の段階で、今回と同内容を理由とする尋問書を頂きまして、被請求人は本書添付の平成9年1月7日付け回答書(参考資料1)を提出いたしましたところ、審判官殿の容れるところとなり、登録の運びとなったものです。」(第3頁第11乃至第15行)
と、補正が容れられることとなった事情を主張している。
そこで、当該回答書をみると、
(1)特願明細書に「近年に至って商品の購入時にあるいは自動車の修理、保険の契約などの具体的商品の移動を伴なわないサービスを受けた際に磁気カードを用いて支払いをすることが多くなっている。そしてデパート、チェーン化小売店、クレジット販売店などでは、自社カードを発行し、この自社カードを通して顧客の固定化あるいは非流動化を図ろうとしている。自社カードを通して顧客の固定化あるいは非流動化を図るには、もちろん、顧客がどのような商品をいつ購入したかというような顧客情報を収集し、また顧客がどのような商品を欲しているかという顧客ニーズを的確に把握することが重要であるが、それに加えて、一定額以上の商品を購入した顧客に、値引券、サービス券あるいは景品を提供するといったサービスをすることも重要であろうと考えられる。」(特願明細書第3頁第1乃至第16行)と記載していること、
(2)クレジット販売店で使用する自社カードといえば、クレジットカードであること、
(3)クレジットカードの磁気ストライプについてはJIS規格があり、当該規格により、1つのクレジットカードには1本の磁気ストライプが設けられるものであること、
に基づいて、
「当初明細書では、その請求範囲等で、POS端末装置は、累計ポイントおよびカード番号を一緒くたにして情報とし、これを磁気カードに対して読み取り、書込みすると記載されており、この記載から、当業者であるなら、累計ポイントおよびカード番号を含む情報は同時に読み取り、書込みが行なわれると解釈すると思料します。
さらに、上記しましたように、クレジットカードにも使用できる磁気カードは、その記録部分として1本の磁気ストライプしか備えておりませんので、当然のことながら、上記ような情報は同じ磁気ストライプ上に記録されているものと考えられます。
従いまして、当初明細書の記載全体から、「クレジットカードとしても使用可能な規格に準拠しており、顧客を特定するカード番号が記載された磁気ストライプに、(磁気内容のすべてを書き直して)新たに情報を書き込み記録する構成」なる構成が出願当初から存在していたものと確信いたします。」(第4頁第12乃至第24行)と回答している。
そこで、当該回答した内容について検討すると、
クレジット販売店が発行する自社カードはいわゆるクレジットカードであり、そのクレジットカードはJIS規格で定められた1本の磁気ストライプを有するものであることは回答されているが、当該クレジットカードについて、特願明細書に記載される累計ポイントのようなクレジット自体に関する以外の情報を読み取り、書込むことについては何ら回答されていないし、そのようなことが原出願の出願時自明の事項とも認められない。
したがって、「「クレジットカードとしても使用可能な規格に準拠しており、顧客を特定するカード番号が記載された磁気ストライプに、(磁気内容のすべてを書き直して)新たに情報を書き込み記録する構成」なる構成が出願当初から存在していた」とする被請求人の主張は、たとえ上記のような事情があるとしても採用することができない。
5.まとめ
以上のとおり、本件実用新案登録は、願書に添付した明細書又は図面についてした実用新案登録をすべき旨の査定の謄本の送達前にした補正がこれらの要旨を変更するものと認められる実用新案登録出願に対してされたものである。
よって、平成5年法律第26号附則第4条第1項の規定により、なおその効力を有するとされる改正前の実用新案法第9条第1項の規定により準用される特許法第40条の規定により、本件実用新案登録についての出願は、当該補正について手続き補正書を提出した平成7年12月1日にしたものとみなす。
IV.引用刊行物に記載された考案
上記「III.本件実用新案登録に係る出願日」に記載したとおり、本件は平成6年1月1日に施行された実用新案法の後である、平成7年12月1日を出願日とする実用新案登録である。
当審が実用新案登録無効理由通知において引用した特開平4-70993号公報(以下「刊行物1」という。)には、「1枚のカードに、クレジット、プリペイド、サービスポイント累計の複数の機能を持たせると共に、現金、クレジット、プリペイドのいずれでも決済できるカードシステムを提供すること、」(第2頁右上欄第13乃至17行)、「カードの磁気記録面に、カード番号、カード所有者の暗証番号、氏名、有効期限、生年月日等の個人情報と、クレジット枠を表すクレジット情報と、プリペイド残高を表すプリペイド情報と、サービスポイント情報を表すサービス情報との4種の情報を書き込み、店頭のPOS装置では、カードからこれらの情報を読み取り、‥(略)‥クレジット決済時には、クレジット情報に応じてクレジットの可否を決定し、‥(略)‥、いずれの条件での支払い時にも商品購入額に応じたサービスポイントをサービス情報に加算し、POS装置にはこれらの情報を記憶させてホストコンピュータに送信させ、ホストコンピュータでは、カードと同等の情報を店舗別とカード所有者別の2つの重複したデータベースに記憶させて管理し、」(第2頁左下欄第9行乃至右下欄第7行)、「13は磁気カードで、第2図に内容を示す。磁気カード13はJISII型で、IDデータ14、クレジットデータ15、プリペイドデータ16、サービスポイントデータ17の4種のデータを記憶する。‥(略)‥第3図に、磁気カード13のデータをより詳細に示す。IDデータ14は、顧客の氏名、生年月日、暗証番号、有効期限等の顧客情報で、カードの発行時にサービスカウンタ4で書き込む。‥(略)‥実施例の作用を示す。顧客は商品の購入時にカード13を店頭で提示し、現金、クレジット、プリペイドから決済形態を自由に選択する。‥(略)‥店舗側は磁気カード13のID情報14、クレジット情報15、プリペイド情報16をPOS1で読み取り、クレジットやプリペイドでの販売の可否を決定する。‥(略)‥顧客の選んだ決済形態での販売が可能であれば、POS1は磁気カード13のプリペイドデータ16やサービスポイントデータ17を更新する。また一時メモリ2に、現金販売額、クレジット販売額、プリペイド販売額をカード毎に記憶させる。サービスポイントは、単純に販売額に比例するのではなく、現金、クレジット、プリペイドの決済形態に応じ、異なっていても良い。顧客には、買物の内容やサービスポイント累計やプリペイド残高、等を記載したレシートを発行する。一時メモリ2のデータは回線料の安い夜間にバッチでホストコンピュータ3に送信し、ホストコンピュータ3はデータベース11,12を更新し、クレジットデータ15の与信枠を変更する。」(第3頁右上欄第11行乃至第4頁第6行)と記載されており、また、第2図には、「IDデータ」,「クレジットデータ」,「プリペイドデータ」,「サービスポイントデータ」が直線上のエリアに配置された磁気カード13が記載されている。
したがって、クレジットカードとしても使用可能な規格に準拠しており、IDデータ14が記憶された磁気ストライプにサービスポイントデータ17を書込み記録することができる磁気カード13と共に使用され、
この磁気カードの、サービスポイントデータ、IDデータを読み出す機能、レシートを発券する機能、磁気カードのサービスポイントデータを更新する機能、を備えたPOS1と、このPOSに接続され、このPOSからのカード毎の情報を記憶するホストコンピュータ3とを備える考案(以下「引用考案」という。)が記載されている。
また、同じく特開昭61-273663号公報(以下「刊行物2」という。)には、「各店舗に備えられるPOS1は、磁気カードに書込まれた情報の読取り機能および新たな情報の書込み機能を有するとともに、計算機能をも有している。この計算機能はPOS自体が内蔵してもよく、あるいはPOS自体は計算機能を有せずにこのPOS1をコンピュータ2に接続することによってPOS1に計算機能を持たせてもよい。」(第3頁右上欄最下行乃至左下欄第6行)、「次に今回購入時の購入合計額7に応じて今回ポイント8をPOSに計算させる。‥(略)‥次に、すでにカードに書込まれている前日までの累計ポイントを読取った後に、今回ポイントを前日までの累計ポイントに加算して、今回ポイントが加算された新たな累計ポイント9をPOS1によって計算し、レシート5上に表示する。‥(略)‥このようにして今回ポイント8が加算された新たな累計ポイント9を、POS1に備えられた書込み機能を用いて、カードに新たに書込むことによって記録する。‥(略)‥なおレシート5上に、当日の購入明細6,7、今回ポイント8および累計ポイント9に加えて、レシート発行番号、発行日、発行時間、利用カード番号などを表示するような機能をもPOS1に備えさせることもできる。」(第4頁左上欄第3行乃至右上欄第12行)、「(e)今回ポイントを含めた新たな累計ポイントを、POSおよびコンピュータを介して顧客データバンクに電送して記録する。」(第3頁左上欄第7乃至第9行)と記載されており、また、第2図には、「◎◎ストア」、「No.012」、「60年 月 日12:00」、「キャベツ 188」,「トマト 208」,「タマゴ 230」,「ネギ 128」・・・、「計 2,381」、「預 2,501」、「釣 120」、「0104-0000598-24」、「今回ポイント 23点」、「累計ポイント 581点」の欄が設けられたレシートが記載されている。
V.対比
そこで、引用考案と本件考案とを対比すると、引用考案の「IDデータ」「サービスポイントデータ」「磁気カード」「サービスポイントデータ、IDデータを読み出す機能」「磁気カードのサービスポイントデータを更新する機能」「POS」「ホストコンピュータ」は、本件考案の「カード番号」「累計ポイント」「顧客磁気カード」「少なくとも累計ポイントおよびカード番号の情報を読み出す情報読み出し機能」「新たに算出された累計ポイントを前記顧客磁気カードに新たに書き込む情報書き込み機能」「POS端末装置」「顧客データバンク」に対応するから、両者は以下の(1)乃至(3)の点で相違し、その余の点で一致する。
(1)本件考案のPOS端末装置は、通常の計算機能、今回ポイントを計算する機能、新たな累積ポイントを算出する機能、を有しているのに対し、引用考案はそれらの機能を有しているかどうか定かでない点。
(2)本件考案の発券するレシートは発行店名欄、レシート発行番号欄等からなる購入額明細欄と今回ポイント及び累計ポイントからなるポイント表示欄とを有しているのに対し、引用考案の発券するレシートはそれらの欄を有しているかどうか定かでない点。
(3)本件考案の顧客データバンクは今回ポイントを含めた新たな累計ポイント等の情報を記憶するのに対し、引用考案の顧客データバンクはカード毎の情報を記憶するに止まる点。
VI.判断
つぎに上記相違点について検討する。
(相違点(1)について)
POS端末装置自体に通常の計算機能、今回ポイントを計算する機能、新たな累積ポイントを算出する機能を持たせることは、刊行物2に記載されている事項であるから、引用考案におけるPOS端末装置に当該機能を備えることは当業者がきわめて容易になし得る程度の事項であると認める。
(相違点(2)について)
レシートに発行店名欄、レシート発行番号欄等からなる購入額明細欄と今回ポイント及び累計ポイントからなるポイント表示欄を設けることは、刊行物2に記載されている事項であるから、引用考案におけるレシートに当該各種欄を設けることは当業者がきわめて容易になし得る程度の事項であると認める。
(相違点(3)について)
顧客データバンクにおいて今回ポイントを含めた新たな累計ポイント等の情報を記憶することは、刊行物2に記載されている事項であるから、引用考案におけるレシートに当該各種欄を設けることは当業者がきわめて容易になし得る程度の事項であると認める。
そして、本件考案の効果は、刊行物1乃至2に記載された考案から当業者で有れば予測し得る程度のものである。
VII.まとめ
したがって、本件考案は刊行物1乃至2に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものである。
以上のとおりであるから、本件実用新案登録は実用新案法第37条第1項第2号の規定により、無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-06-07 
結審通知日 1999-06-29 
審決日 1999-06-30 
出願番号 実願平5-31645 
審決分類 U 1 112・ 121- Z (G07G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前田 幸雄粟津 憲一加古 進祖父江 栄一  
特許庁審判長 佐藤 久容
特許庁審判官 三原 彰英
高木 彰
登録日 1997-05-02 
登録番号 実用登録第2544193号(U2544193) 
考案の名称 販売管理装置  
代理人 水谷 直樹  
代理人 井桁 貞一  
代理人 川崎 仁  
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