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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) E01C
管理番号 1070558
審判番号 無効2002-35320  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2003-02-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2002-07-31 
確定日 2002-12-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第3074848号実用新案「唐松木チップ製舗装板」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第3074848号の実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯・本件考案
本件実用新案登録第3074848号に係る考案(平成12年7月14日出願、平成12年11月1日設定登録。以下、本件考案という。)は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「唐松材より作った木チップを樹脂と混練し、圧縮一体化して、板状に成形した舗装板。」

2.請求人の主張
本件考案は、甲第1号証記載の考案、又は、甲第1号証及び甲第2号証記載の考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

3.被請求人の主張
「無効とすべき理由の証拠としてあげてある実開平6-56103号公報(甲第1号証)は審査請求が行われており、その結果、乙第1号証にあるとおり、1995年8月29日に拒絶査定を受けております。
また第3061276号登録実用新案公報(甲第2号証)は乙第2号証にあるとおり、実用新案技術評価書の請求は行われておらず、かつ実用新案権者又は専用実施権者は被請求人に対して何ら警告を発しておりません。従って実用新案法第29条の2の規定「実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係わる実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。」とあるとおり、甲第2号証を根拠として、登録第3074848号実用新案の無効を主張する権利はありません。」(答弁書1頁「5.理由」の項4?14行)。

4.甲号証
甲第1号証には、以下のことが記載されている。
「【実用新案登録請求の範囲】樹皮を細かく裁断して樹皮片1とし、これに結合材2を配合して混練し、これを適宜の型枠4に挿入して上下面より温調板5で圧接し成形したことを特徴した樹皮製舗装板。」、
「【0005】 【実施例】 次に図面について説明する。1は、カラ松、もみの木、白樺、ブナ等比較的厚い樹皮を細かく裁断した樹皮片であって・・・2は、樹皮片1の結合材であり、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ラテックス、松脂等であって、樹皮片1とミキサ内で混練して樹皮製舗装板を構成する。・・・本考案のものを製作するには、図2に示したように、例えば、方形の型枠4の内部に樹皮片1と結合材2の混合したものを投入し、これを図3に示したように、内部に温水の通っている温調板5,5の間に介在させて硬化して脱型して製作するものである。・・・」。
また、【図1】ないし【図3】には、板状に成形した樹皮製舗装板が記載されている。
したがって、甲第1号証には、「カラ松より作った樹皮を細かく裁断した樹皮片1をウレタン樹脂等からなる結合材2と混練したものを、型枠4に投入し、これを温調板5,5の間に介在させて硬化し、板状に成形した舗装板」の考案が記載されていると認められる。

甲第2号証には、以下のことが記載されている。
「【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、歩道の路盤材または植樹マットあるいは建築物の壁材等として使用するのに好適な平板ブロックに関する」、
「【0011】
上記構成の平板ブロックAは、図3に示す工程により製造するものである。
すなわち、カラマツ間伐材を製材する時、あるいはカラマツ間伐材を円柱加工する時に発生するウッドチップaであって、2?3mmから3?4cmの大きさのもの約10リットル(木質部チップが約90%、樹皮部チップが約10%)に対し、酢酸ビニル樹脂系接着剤を約2リットルの割合で添加するとともに、所要のミキサーで混練し、それを所要の型枠内に縦横50cm、高さ約6?7cmに堆積し、約80?90kg/cm2でプレスすることにより、縦横50cm、厚さ3cmの方形板を圧縮成型する。」。

5.対比・判断
本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、甲第1号証記載の考案の「カラ松」、「樹皮を細かく裁断した樹皮片1」、「ウレタン樹脂等からなる結合材2」、「樹皮製舗装板」が、本件考案の「唐松材」、「木チップ」、「樹脂」、「舗装板」に相当し、両者は、「唐松材より作った木チップを樹脂と混練し、板状に成形した舗装板」である点で一致し、次の点で相違している。
(相違点)
本件考案が、木チップを樹脂と混練し、圧縮一体化したものであるのに対し、甲第1号証記載の考案は、木チップ(樹皮片1)を樹脂(結合材2)と混練したものを、型枠4に投入し、これを温調板5,5の間に介在させて硬化したものである点。
上記相違点を検討すると、本件考案と同一技術分野に属する舗装板(平板ブロック)において、甲第2号証には、木チップ(ウッドチップa)を樹脂(樹脂系接着剤)と混練し、それを所要の型枠内に堆積し、プレスすることにより、圧縮一体化(圧縮成型)したものが記載されており、甲第1号証記載の考案に甲第2号証記載の考案を適用して、相違点の本件考案に係る構成とすることは、当業者であればきわめて容易に推考できたものであり、その作用効果も格別のものは認められない。

なお、被請求人は、甲第1号証記載の考案が拒絶査定され、又、甲第2号証記載の考案について、実用新案技術評価書の請求がされず、実用新案件者又は専用実施権者に警告を発していないから、甲第1号証及び甲第2号証は証拠として採用できない旨の主張をしているようであるが、本件考案に実用新案法第3条第2項を適用する場合、実用新案法第3条第1項第3号によれば、証拠方法は「実用新案登録出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物」であれば足り、証拠方法が、拒絶査定されていないこと、実用新案技術評価書の請求をしたこと、実用新案件者又は専用実施権者に警告を発したことは無関係である。

6.むすび
以上のとおり、本件考案は、その出願前に頒布された甲第1号証及び甲第2号証記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第37条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、同法第41条において準用する特許法第169条第2項の規定においてさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する
審理終結日 2002-10-29 
結審通知日 2002-11-01 
審決日 2002-11-12 
出願番号 実願2000-4981(U2000-4981) 
審決分類 U 1 112・ 121- Z (E01C)
最終処分 成立  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 青山 敏
山口 由木
登録日 2000-11-01 
登録番号 実用新案登録第3074848号(U3074848) 
考案の名称 唐松木チップ製舗装板  
代理人 原田 敬志  
代理人 原田 信市  
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