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審決分類 |
審判 全部無効 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 訂正を認める。無効としない A01C 審判 全部無効 特29条特許要件(新規) 訂正を認める。無効としない A01C 審判 全部無効 1項3号刊行物記載 訂正を認める。無効としない A01C 審判 全部無効 特36 条4項詳細な説明の記載不備 訂正を認める。無効としない A01C 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない A01C |
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管理番号 | 1073403 |
審判番号 | 審判1999-35199 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2003-04-25 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1999-04-28 |
確定日 | 2002-10-24 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2548320号実用新案「生花の下葉取装置」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件実用新案登録第2548320号に係る考案は、実願平2-57125号として平成2年5月30日に出願され、平成9年5月30日にその設定登録がされたものであり、有限会社 武藤選果機製作所(以下、請求人という。)より無効審判がなされ、その後、被請求人から平成11年8月5日に訂正請求がなされた。 2.訂正請求の適否 (2-1)訂正の内容 (a)実用新案登録請求の範囲の請求項2を、次のとおり訂正する。 「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記平面とほぼ平行で、かつ前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸と、 前記回転軸のそれぞれに結着された少なくとも1本の弾性ヒモとを具備し、 前記各回転軸の弾性ヒモの長さの和が前記各回転軸と前記平面間の距離の和よりも大であり、かつ前記回転軸は前記弾性ヒモが前記平面の位置で前記根元部の基端部に向けて回転するように駆動され、回転している弾性ヒモが前記生花の根元部の葉を衝撃して叩き落とすことを特徴とする生花の下葉取装置。」 (b)本件登録明細書第4頁末行?第5頁第1行(登録公報第5欄24行)の「下葉の掻き取りの難易」を「下葉取りの難易」と訂正する。 (2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項(a)は、訂正前の「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸」を「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記平面とほぼ平行で、かつ前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸」としたものである。 訂正前の記載であっても、「生花の根元部を含む平面の両側に・・・一対の回転軸」を具備するという記載から、該回転軸は生花の根元部を含む平面上には設けないことは明らかであるが、請求人が提出した後述の甲第18号証記載のように、該回転軸がを生花の根元部を含む平面上に設けられると解される恐れも皆無ではなく、この点を解消するために「前記平面とほぼ平行で、かつ」という文言を挿入することにより、明確にしたものであり、明りょうでない記載の釈明を目的としたものに相当する。 上記訂正事項(b)は、本件出願当初、本件発明の下葉取装置の下葉取りの作用を「下葉を掻き取る」と称していたものを、本件登録明細書においては訂正事項(b)以外の個所では「掻き取り」という表現を削除しており、訂正事項(b)の個所のみ「掻き取り」が残存していたものであって、訂正事項(b)は、本件登録明細書の他の箇所との整合を図るために「下葉の掻き取り」を「下葉取り」と訂正したものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的としたものに相当する。 そして、上記いずれの訂正も、本件登録明細書の考案の詳細な説明の実施例の記載、及び、第1図、第2図、第5図に記載された事項に基づくものであるから、本件登録明細書に記載された事項の範囲内において、訂正するものであり、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものでもない。 (2-3)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、平成5年法律第26号附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される実用新案法40条第2項ただし書きの規定及び実用新案法第40条第5項の規定において準用する実用新案法第39条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.本件考案 平成11年8月5日付け訂正請求により訂正された請求項1?3に係る本件考案は、その訂正請求書の実用新案登録請求の範囲の請求項1?3に記載された下記の事項により特定されるものと認める。 記 [請求項1]処理対象の生花の根元部と予定間隔をおいて、かつこれとほぼ直交するように配置される回転軸と、 前記回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモとを具備し、 前記弾性ヒモの長さは前記予定間隔よりも長く設定され、前記回転軸は前記弾性ヒモが前記根元部の位置でその基端部に向けて回転する方向に駆動され、回転している弾性ヒモが前記生花の根元部の葉を衝撃して叩き落とすことを特徴とする生花の下葉取装置。 [請求項2]処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記平面とほぼ平行で、かつ前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸と、 前記回転軸のそれぞれに結着された少なくとも1本の弾性ヒモとを具備し、 前記各回転軸の弾性ヒモの長さの和が前記各回転軸と前記平面間の距離の和よりも大であり、かつ前記回転軸は前記弾性ヒモが前記平面の位置で前記根元部の基端部に向けて回転するように駆動され、回転している弾性ヒモが前記生花の根元部の葉を衝撃して叩き落とすことを特徴とする生花の下葉取装置。 [請求項3]一対の無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機の、無端チェーンの回動によって移送される生花の根元部と対向する位置に、前記無端チェーンの進行方向とほぼ平行に、その回転軸が配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の生花の下葉取装置。 4.請求人の主張の概要 請求人は、甲第1?48号証を提出し、下記の理由により、実用新案登録を無効とすべきである旨主張している。 記 (4-1)実用新案法第3条第1項柱書き(無効理由1) 「甲第5号証の第1図は葉落し部材のようなNO.1?NO.nの細長い部材を記載したものであって、右側の図は、左側の細長い部材を結んだ状態図である。NO.1の細長い部材は剛性は0(ゼロ)であって弾性、腰の強さ、可撓性を有しておらず、糸、布、革のように完全に屈曲自在である。またNO.2?NO.nの細長い部材は次第に剛性が増大し、NO.nは完全剛体である。」(請求書9頁(11))、 「このNO.1?NO.nの細長い部材のうち、社会通念上のヒモはNO.1だけであり、NO.2?NO.(n-1)の細長い部材はヒモではない。何故ならば、NO.2以下の細長い部材は、上述したホースやチューブのように弾性、腰の強さ、可撓性を有しているので、少なくとも正常にものを束ねたり、結んだりすることはできないからである。すなわち右側の結んだ状態図において、NO.1の細長い部材は結び目はしっかり締って完全に結べるが、NO.2以下の細長い部材では、図示するように結び目は次第に大きくなってしっかり締らなくなり、次第に正常にしっかり結べなくなる。」(請求書(12))、 「第1は、弾性ヒモについて定義がなされていないので、それがどのようなものか不明であること。第2は、社会通念上、ヒモとは太い糸、細い布・革のように、それ自身、弾性・腰の強さ・可撓性を有しないものであること。したがって、「弾性」と「ヒモ」を結合した弾性ヒモは意味矛盾の成語であって(何故ならば、ヒモに弾性を付与すれば、ヒモは腰の強さを有することとなって、少なくとも正常に、あるいはしっかりと物を束ねたり結んだりすることはできないので、それは最早ヒモではない)、その概念を特定できない正体不明のものであること。第3には、弾性ヒモは社会通念通り弾性・腰の強さ・可撓性を有しないものとすると、弾性ヒモは回転軸に巻付くので葉落しはできず、実用新案法第3条第1項柱書の規定に違反する 」(請求書11頁(18))。 (4-2)実用新案法第3条第1項第3号(無効理由2) 「弾性ヒモが・・・弾性・腰の強さ・可撓性を有するもの(つまり社会通念上ヒモとは相違するもの)」(請求書12頁(2))とすると、「請求項1、2の本件考案と甲1、甲2、甲3の考案は同一である。また、請求項3の本件考案は甲1の考案と同一である。よって本件実用新案は、実用新案法第3条第1項第3号の規定に該当しており、無効にされるべきである。」(請求書31頁(3))。 (4-3)実用新案法第3条第2項(無効理由3) 請求項1、2の本件考案は、甲1?甲3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであり、また請求項3の本件考案は甲1の考案に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであるから、本件実用新案は、実用新案法第3条第2項の規定に該当しており、無効にされるべきである。(請求書32頁(4))。 (4-4)実用新案法第5条第3項、第4項(無効理由4) (1)「弾性ヒモ」の意味は不明である(請求書第33頁(1))。 (2)請求項1に記載の「予定間隔」は実施例に記載がなく、したがってその意味は不明である(請求書第33頁(2))。 (3)請求項2の冒頭に記載の「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸と、」なる構成Gは実施例に記載がなく、したがってこれらの位置関係が不明である(請求書第33頁(3))。 (4)請求項3の冒頭に、「一対の無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機の、」なる構成Mが記載されているが、実施例にはその記載がなく、本件考案の技術的範囲を確定できない(請求書第33頁(4))。 (5)原明細書から平成8年12月2日付け査定不服審判請求書および同日付手続補正書に至るまでの各書面において、本被請求人は、弾性ヒモの物性を、「屈曲自在」、「伸縮自在」、「折曲自在」とケースバイケースで書き替えている。「屈曲自在」、「伸縮自在」、「折曲自在」は、何れもその意味は相違するものである。したがって、弾性ヒモの真の材質や物性が不明である(請求書第34頁(5))。 (6)実用新案登録請求の範囲の構成E、Kには、弾性ヒモは葉を「衝撃して叩き落とす」と記載されている。・・・ところが本件公報第5欄第24行には、弾性ヒモは葉を「掻き取る」と記載されている。よって実用新案登録の請求の範囲に記載された弾性ヒモの作用と、考案の詳細な説明の欄(本件公報第5欄第24行)に記載された弾性ヒモの作用は矛盾している(請求書第34?35頁(6))。 (7)本件公報第5欄第16行?19行に、「第3図のように(弾性ヒモ37を結着すると、回転軸29、30を回転したとき、弾性ヒモ37はそれ自体の遠心力によって一文字状のプロペラ)のように回転する。」と記載されているが、弾性ヒモはそれ自体の遠心力によって一文字状にはならず、空気抵抗によりスパイラル状になる。・・・よって、この記載は自然法則に反している(請求書第35頁(7))。 請求人は、さらに、下記の(4-5)、(4-6)の主張をしている。 (4-5)葉落とし部材の作用の認識 「別表3(甲第24号証)に記載された葉落し部材の作用の表現・記載は、適切性の程度に差異があるとしても、いずれも葉落し部材の作用の表現として正しいのである。そして、このように多様に存在する葉落し部材の作用の表現の中から、当該明細書においてどれを選択して記載するかは各人の認識の相違にすぎないのであり、どれを選択して記載しても、当該考案の内容が実質的に異る訳ではないのである。」(請求書38頁(9))、 「別表3(甲第24号証)に記載された葉落し部材の作用の表現のうち、当該明細書でどれを選択しても、当該考案の本質(茎に生えている葉を落すということ)は何ら変わらないのである。そもそも、葉落し部材の作用が「衝撃による叩き落とし」か否かは、下葉取装置にとって本質的な問題ではないのであって、下葉取装置は、要は茎の全周の葉を除去できればよいのである。」(請求書38頁(10))。 (4-6)本件登録実用新案に係る平成10年異議第70168号事件の決定 上記異議事件における申立人(本審判請求事件の請求人)の主張は、上述した本審判事件における主張と実質的に同じである(請求書第40頁(1))が、主に、上記決定において「弾性ヒモを弾性を有する(力を加えれば変形し、また、力を加えるのを止めれば原形に復帰する)ものではあるが、回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がり、回転するとほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度の柔軟性を有し、物を束ねたり、結んだりすることのできるものであるということができる。」としたことについて、請求人は、次の点を指摘している。 (i)「弾性(腰の強さ、可撓性)を有する細長い部材の先端が自重により垂れ下がるか否かは、その長さによって決る。すなわち、長さが短いと起立しているが、長さが長くなるにしたがい、次第にその先端が自重により下方へ垂れ下がる。・・・先端は自重により下方へ垂れ下がるには、きわめて長大な長さが必要となり、そのような長大な長さの弾性ヒモでは、事実上葉落しはできない。」(請求書第49頁(17))、「第8図(1)?(n)(甲28)は、弾性ヒモの長さとわん曲の関係を示すものであって、検甲1の1?4の弾性ヒモで行ったわん曲テストを基にして作成したものである。」(請求書第49頁(18))、なお、検甲1の1?4(甲第15号証参照)の弾性ヒモは甲17号証のカタログに記載されたバンドー社製のウレタンゴムを素材とするもので、ベルト、Oリングなどに用いられる。(請求書第23?24頁(11)参照)。「検甲1の1の直径3mmの弾性ヒモで第8図(甲第28号証)(n)のように完全に下方へ垂れ下がるには、少なくとも30cm程度は必要である。・・・このような長大な弾性ヒモでは、葉落しは事実上不可能である」(請求書第50頁(19))から、第1要件「回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がり」(請求書第46頁(16))は、誤っている(請求書第50頁(20))。 (ii)柔軟性を有するものを高速回転させれば、空気抵抗により必然的にスパイラル状になるから、第2要件「回転するとほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度の柔軟性を有し柔軟性を有する」(請求書第46頁(16))は、自然法則に反する(請求書第50頁(21)参照)。 (iii)「弾性ヒモは、柔軟性が大きい程(すなわち甲5の・・・NO.1に近いもの程・・・)、第1要件を満足するが、これと反対に柔軟性が小さく剛性が大きいもの程(すなわち甲5の・・・NO.nに近いもの程)第2要件を満足する。したがって、第1要件と第2要件は互いに全く矛盾する要件なのである(請求書第52頁(25))。 (iv)第2要件中の「柔軟性」は、これと反対の意味である「剛性」に読み替えなければ理に合わないものである。何故ならば、相当程度の剛性を有するものが空気に打ち勝って直線状、一文字状になるのであって、先端が自重により垂れ下がる程度の柔軟性を有するものは、直線状、一文字状、十文字状にはならないからである(請求書第52頁(26))。 (v)なにをもって「束ねたり、結んだり」したと見なすかの基準がない限り(甲第5号証)、第3要件「物を束ねたり、結んだりすることのできるもの」は、要件たり得ない(請求書第52?53頁(26)参照)。 (4-7)甲号各証の概略 甲第1号証:実願平1-49865号(実開平2-57348号公報)のマイクロフィルム、 甲第2号証:実公昭60-38354号公報、 甲第3号証:実願昭55-28728号(実開昭56-131754号公報)のマイクロフィルム 甲第4号証:「ひも(紐)」についての広辞苑の複写、 甲第5号証:完全に屈曲自在(NO.1)から完全剛体(NO.n)までの棒状体を記載した図面、 甲第6号証:ヒモを回転軸に取付け、回転軸を回転させた図面、 甲第7号証:弾性ヒモ、甲1?3の葉落し部材の寸法、材質を示す表、 甲第8号証:弾性ヒモ、甲1?3の葉落し部材の語意を示す表、 甲第9号証:回転軸に取り付けた弾性ヒモの長さ、本数を増加させた図、 甲第10号証:葉落しの対象となる生花(菊)の基端部の斜視図、側面図、 甲第11号証:弾性ヒモで葉落し中の茎の断面を示す図、 甲第12号証:葉落し前の菊の写真、 甲第13号証:菊の大形の葉は手で摘み取り、小葉のみを残した写真、 甲第14号証:請求人製造の下葉取装置で菊の茎の葉落しをした写真、 甲第15号証:直径3、4、6、8mmのウレタンゴムヒモの写真、 甲第16号証:本件考案の侵害事件における被請求人の請求人への訴状(第1?5頁)、 甲第17号証:バンドー社製バンコード 丸ベルト・Vベルトのカタログ、 甲第18号証:請求人主張の請求項2に係る本件考案の構成を示す図、 甲第19号証:特開昭62-24784号公報、 甲第20号証:実公昭60-11789号公報、 甲第21号証:特開平9-295606号公報、 甲第22号証:実用新案登録第2551530号登録公報、 甲第23号証:被請求人の請求人への通告書、 甲第24号証:本件考案、甲1?3、甲20?23の葉落し手段の名称、葉落し部材の作用の表現を示す表、 甲第25号証:「かく(掻く)」についての岩波国語辞典の複写、 甲第26号証:葉落し部材が葉落しをしている様子を示す図、 甲第27号証:「先後願関係の有無(発明の同一性)判断基準」(吉藤幸朔著 特許法概説)、 甲第28号証:検甲1?4のウレタンゴムヒモの長さとわん曲の関係を示す図、 甲第29号証:検甲1のウレタンゴムヒモの回転停止時、回転時を目視した図、 甲第30号証:(a)は遠心力の説明図、(b)は本件考案の弾性ヒモの回転停止状態、自由回転状態を示す図、 甲第31号証:「作用効果に関する基準」(吉藤幸朔著 特許法概説)、 甲第32号証:写真Eは葉落し前、写真Fは葉落し後、 甲第33号証:別件判定事件における被請求人の答弁書、 甲第34号証:本件考案の侵害事件における被請求人の準備書面(一)、 甲第35号証:明細書に記載された補正前と補正後の実用新案の範囲を図示するもの、 甲第36号証:はりの曲げ剛性の公式(関谷壮 外4名著 最新材料力学)、 甲第37号証:本件考案の侵害事件における被請求人の準備書面(二)、 甲第38号証:検甲第4号証の1、2に係る「なわとび」のカタログ、 甲第39号証:本件考案と甲1?3の葉落し部材の名称、語意、長さ・太さ・材質、具体的形状、運動エネルギー、明細書に記載された作用を示した図、 甲第40号証:弾性ヒモが葉落しする様子を示す図、 甲第41号証:公知3部材(甲1?3)が葉落しする様子を示す図、 甲第42号証:自由端に集中荷重をうける片持ちばりの公式(村上正 外1名著 構造力学)、 甲第43号証:本件考案の侵害事件における被請求人の請求人への訴状(第1?3、14?15頁)、 甲第44号証:弾性ヒモと非弾性ヒモの境界がわからないことを示す模式図、 甲第45号証:どの程度の角度を「巻き付くように屈曲した」と見なすのかわからないことを示す模式図、 甲第46号証:葉落し中、自由回転状態のウレタンゴムヒモ(直径3ミリ、長さ10cm、1500rpm)を撮影したもの、 甲第47号証:請求人会社製造の葉落し部材の取付部を示す図、 甲第48号証:回転中のウレタンゴムヒモを図面化したもの。 検甲第1号証の1?4:バンドー社製のウレタンゴムヒモ(直径3mm、4mm、6mm、8mm)、 検甲第2号証の1、2:ゴムヒモ、 検甲第3号証の1、2:ビニールヒモ(直径4mm)、 検甲第4号証の1、2:ビニールヒモ(直径6mm)、 検甲第5号証の1?4:バンドー社製のウレタンゴムヒモ(直径3mm、4mm、6mm、8mm)の長さをそれぞれ5cmにしたもの、 検甲第6号証:繊維ヒモ、 検甲第7号証:被請求人の下葉取装置の弾性ヒモ、 検甲第8号証:請求人の下葉取装置の弾性ヒモ。 5.被請求人の主張の概要 (5-1)「本件の弾性ヒモは、「長さ方向の引っ張り力」に対しては弾性を示し(剛性を持ち)、これと直角な「曲げ方向の力」に対しては事実上抵抗を示さず、折り曲げ自在である(曲げ剛性を持たない)と言う、2つの異なる方向で異なる性質を示す、十分に細長い物体であり」(平成12年3月30日付け答弁書(2)第2頁第9?12行)。 (5-2)「下葉を掻き取る」(出願当初の明細書)、「茎の表面を滑走して下葉を掻き落とす」(平成5年10月6日付け意見書、平成5年10月6日付け手続補正書)、「下葉を叩いて掻き落とす」(平成6年2月1日付け手続補正書)、「衝撃して叩き落とす」(本件登録公報)と記載し、葉落し部材の作用の表現を変遷させたのは、「真実の葉落し作用の原理を認識したので、これと整合するように「(衝撃して)叩き落とす」と補正した。」(平成12年2月9日付け口頭陳述要領書第7頁第1?2行)。 (5-3)「回転軸に結着されている弾性ヒモは、自由回転状態ではほぼ直線状をなしているが、生花の葉や葉柄に衝突して自由回転が妨げられると、当該葉柄や葉の部分を衝撃的に強く叩くと同時に、慣性力によって、それよりも先端の部分が、葉や葉柄との衝突点からさらに回転方向へ曲がり込んでこれに巻き付くように屈曲変形し、これによって葉や葉柄はこれとほぼ直交する力で確実に叩き落とされる。」(本件登録公報第4欄第12?19行)、 (5-4)「本件考案の弾性ヒモによる葉落し作用の原理は、・・・弾性ヒモの回転速度による運動エネルギーが、葉や葉柄との衝突時に衝撃力に変換されることと、衝突点よりも自由端側の弾性ヒモが慣性によって、衝突点よりも先行して葉や葉柄に巻き付こうとするかのように、これらの表面形状に沿って屈曲変形すること、さらには、衝撃時に弾性ヒモの回転速度の減少に伴なって遠心力が減少し、弾性ヒモが収縮して元に戻ろうとする(・・・)現象を組合わせ利用したものである。」(平成11年8月5日付け答弁書第5頁d))。 (5-5)本件考案の商業的成功を立証するために、平成11年8月5日付で証人尋問を申請する。 (5-6)「低速で回転しているウレタンゴムヒモが針金および柔軟な合成樹脂と衝突した時に、ウレタンゴムヒモの先端が回転方向前方へ曲がり込む」(平成12年3月30日付け上申書添付のビデオテープ)。 6.当審の認定・判断 (6-1)弾性ヒモについて 「弾性ヒモ」は、社会通念上必ずしも一般的な用語ではないから、該用語のみからは直ちには技術内容を把握できない。 そこで、請求項1?3に係る本件考案の「弾性ヒモ」の技術内容について、本件登録明細書及び図面の記載を参酌する。 請求項1?3に係る本件考案の「弾性ヒモ」について本件登録明細書及び図面を記載されている関連事項を列挙してみるとつぎのとおりである。 (1)「従来の合成樹脂製ブラシや軟質樹脂棒群を有する平行移動型または回転ブラシを.....のみならず、腰の強い軟質樹脂棒群の先端で、根元部の同じ部位が繰り返し叩かれるので、茎に叩き傷や擦り傷ができ易く、極端な場合は根元部が潰れて千切れる恐れすらある。」(本件登録公報第3欄第29?36行)、 (2)「屈曲自在の弾性ヒモ」(本件登録公報第3欄第49行)、 (3)「回転軸に結着されている弾性ヒモは、自由回転状態ではほぼ直線状をなしているが、生花の葉や葉柄に衝突して自由回転が妨げられると、当該葉柄や葉の部分を衝撃的に強く叩くと同時に、慣性力によって、それよりも先端の部分が、葉や葉柄との衝突点からさらに回転方向へ曲がり込んでこれに巻き付くように屈曲変形し、これによって葉や葉柄はこれとほぼ直交する力で確実に叩き落とされる。上下の弾性ヒモの先端同士が回転中に互いに衝突しても、ヒモは衝撃を吸収しながら円滑にすれ違うので回転には何ら支障を生じない。弾性ヒモは表面が軟らかく折曲自在なので、生花の茎に傷つけることなく、根元部の全周の下葉を完全に叩き落とす。」(本件登録公報第4欄第12?23行)、 (4)「上下の回転軸29、30は互いに対抗しないように複数個の孔36が第3図、又は第4図のように穿孔されている。それらの孔36に直径2?4粍程度のウレタンゴムヒモ、アメゴムヒモ等の表面が軟かく折曲自在の弾性ヒモ37を通して両端を揃えた後、ビニール製結束バンドで回転軸29,30に弾性ヒモ37を結着する。第3図のように弾性ヒモ37を結着すると、回転軸29,30を回転したとき、弾性ヒモ37はそれ自体の遠心力によって一文字状のプロペラのように回転する。」(本件登録公報第5欄第11?19行)、 (5)「一方、第4図のように2つの孔36に通して回転軸の表と裏に弾性ヒモ37を結着すると共に上下にも結着して4本の弾性ヒモにすると、十文字状の形状を保って回転する。」(本件登録公報第5欄第20?23行)、 (6)第3,4図には、弾性ヒモの回転停止状態では、回転軸29(30)の上方に結着した弾性ヒモの根元部が小さい曲率半径でほぼ360゜湾曲し、該弾性ヒモの先端が、自重により下方に垂れ下がっていることが記載されている。 請求項1?3に係る本件考案の「弾性ヒモ」を検討する。「ヒモ」とは、社会通念上、「物を束ねまたは結びつなぐ太い糸。又細い布・革など」(甲第4号証(広辞苑)参照)をいい、物を束ねたり、結んだりすることのできるものであれば足り、それが、弾性又は可撓性を有するか否かは問わない(例えば、ゴムヒモ(検甲第2号証の1、検甲第2号証の2)は弾性を有し、繊維ヒモ(検甲第6号証)は弾性を有しない)。請求項1?3に係る本件考案の「弾性ヒモ」は、普通一般の「ヒモ」に「弾性」という性質を付したものということができ、「弾性」とは、「力を加えれば変形し、また、力を加えるのを止めれば原形に復帰する」性質であるから、「弾性ヒモ」は、力を加えれば変形し、また、力を加えるのを止めれば原形に復帰する性質を有する、物を束ねたり、結んだりすることのできるものである。 また、本件登録明細書及び図面を参酌すると、「弾性ヒモ」は、「屈曲自在」(上記(2))、「屈曲変形」、「表面が軟らかく折曲自在」「自由回転状体ではほぼ直線状をなしている」、「上下の弾性ヒモの先端同士が回転中に互いに衝突しても、ヒモは衝撃を吸収しながら円滑にすれ違う」(上記(3))、「直径2?4粍程度のウレタンゴムヒモ、アメゴムヒモ等の表面が軟らかく折曲自在」、「弾性ヒモ37はそれ自体の遠心力によって一文字状のプロペラのように回転する」(上記(4))、「十文字状の形状を保って回転する。」(上記(5))、「弾性ヒモの回転停止状態では、回転軸29の上方に結着した弾性ヒモの先端が、自重により下方に垂れ下がっていること」(上記(6))等の記載、及び、従来例として「腰の強い軟質樹脂棒群」(上記(1))の記載から、本件考案の「弾性ヒモ」は腰の弱いものであることが示唆されていることから、「弾性ヒモ」は、弾性を有する(力を加えれば変形し、また、力を加えるのを止めれば原形に復帰する)ものではあるが、回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がり、回転するとほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度の柔軟性を有し、物を束ねたり、結んだりすることのできるものであるということができる。 そして、本件考案の「弾性ヒモが・・・葉を衝撃して叩き落とす」ものであり、登録明細書を参酌すれば「回転軸29をモータ26とカップリングを介して連結する。・・・回転軸30をモータ32の出力軸とカップリング35で連結する。・・・モータ26、32に直結した回転軸29、30が設けられている。」(本件登録公報第5欄第4?10行)、「弾性ヒモ37を結着すると、回転軸29、30を回転したとき、弾性ヒモ37はそれ自体の遠心力によって一文字状のプロペラのように回転する」(本件登録公報第5欄第16?19行)ことから、葉落し部材としてブラシ等を用いた場合とは異なり、弾性ヒモが低速では葉落としできず、弾性ヒモを高速で回転し、ムチのようにしなって葉落としするものである。 請求人は、弾性ヒモを解釈するに当たって、甲第36、42号証を提示しているが、甲第36号証は両端支持のはりに関する曲げ剛性の公式であり、甲第42号証は自由端に集中荷重をうける片持ちばりのたわみに関する公式であって、本件考案の弾性ヒモは、両端支持のはりでもなく、自由端に集中荷重をうける片持ちばりでもないから、弾性ヒモの剛性を解釈する上で前提となるものではない。 また、請求人は、本件考案の侵害事件の被請求人であり(甲第16、34、37、43号証)、弾性ヒモと非弾性ヒモとの区別を明確にするよう求めている(甲15、17、28、38、39、44号証、検甲第1号証の1?検甲第6号証)が、本件登録公報に記載された弾性ヒモは上記のとおりそのコア(中心部)は明りょうである。 一方、被請求人は、弾性ヒモについて、いろいろと表現を変え、最終的には、「長さ方向の引っ張り力に対しては弾性を示し(剛性を持ち)、これと直角な曲げ方向の力に対しては事実上抵抗を示さず、折り曲げ自在である(曲げ剛性を持たない)と言う、2つの異なる方向で異なる性質を示す、十分に細長い物体」(平成12年3月30日付け答弁書(2)第2頁第9?12行)であるとしているが、本件登録明細書及び図面からはこのようなことを直接的には導き出せない。 (6-2)上記無効理由1について 弾性ヒモについては上記(6-1)において検討したとおりに解することができる。 また、本件考案の「弾性ヒモ」は、本件登録明細書第3,4図に記載されているように、回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がるから、本件考案の「弾性ヒモ」が、少なくとも、甲第5号証のNO.1記載のように弾性を有しない屈曲したら復元しないものは含まないことは明らかであり、しかも、本件考案の「弾性ヒモ」は完全でなくとも束ねたり結んだりすることができるものであるから、甲第5号証のNO.nのように完全剛体は含まないことも明らかであって、甲第5号証のNO.2?NO.nのどれに該当するということは明確でなくても、「弾性ヒモ」の概念を特定できない正体不明のものであるということはできない。 そして、本件考案の「弾性ヒモ」は、請求人が主張しているように社会通念上必ずしも一般的な用語ではないが、上記(6-1)において、本件登録明細書及び図面を参酌して検討したとおり、本件考案の「弾性ヒモ」は、弾性を有し、回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの根元部が回転軸に当たることなく、先端が自重により下方に垂れ下がるから、弾性ヒモの根元部は回転軸には巻付いていない。また、回転時には、遠心力により弾性ヒモは、遠心方向に力が働き(甲第30号証(a)参照)遠心方向に引っ張られると考えられ、甲第30号証(b)のように弾性ヒモが回転軸に巻き付くとは認められないから、請求人の弾性ヒモは回転軸に巻付くので葉落しができない(甲第30号証(b))という主張は理由がない。 したがって、本件考案は実用新案法第3条第1項柱書きの規定に違反しない。 (6-3)上記無効理由2について (甲第1?3号証の概要) 甲第1号証:「(実施例3)第7図に示す選花機は、第1実施例の選花機と、葉落し装置60とカッター61の構造が異っている。第8図?第10図はその詳細を示すものであって、葉落し装置60は、回転ブラシからなる上下一対の葉落し部材62(62a,62b)を茎Paに沿って2組並設して構成されている。.....上方の葉落し部材62aはブラシからなり、また下方の葉落し部材62bは、可撓性を有するゴムや合成樹脂などにより、ピン状に形成されており、それぞれ、茎Paの末端部方向(イ)に回転する。」(同明細書第9頁第15行?第10頁第8行、第7?11図)。 甲第2号証:「第1図は下葉取機用ロールブラシ1全体の斜視図であり、合成樹脂製筒状ロール2の外周面には軸芯方向に沿って定間隔おきに列状に設けた孔3,3・・・に軟質の合成樹脂棒4,4・・・を植設して円周方向に複数条の軟質樹脂棒群5,5を形成するとともに、この軟質の合成樹脂棒群5,5間にはロールの軸芯方向に沿って列状の植毛孔6,6・・・を設けこの植毛孔6,6・・・に比較的硬い合成樹脂製線を複数本束ねて構成したブラシ7,7・・・を植設してブラシ部8,8を形成し、ロール体1の外周に軟質合成樹脂棒群5と、ブラシ部8との交互に形成する。」(同公報第2欄第2?13行)、 「そして第4図に示すよう両ロールブラシ1,1間に切取った生花11の軸部を挿入すれば、下葉は軟質樹脂棒群5とブラシ部8によって払落され、軸部にトゲがあるバラの場合は、腰の強い軟質樹脂棒群5,5・・・でたたいてトゲも同時に取去る。」(同公報第2欄第24?29行)、 「合成樹脂製筒状ロール2上に設けられ生花に当接してない軟質の合成樹脂棒4は放射状の状態になっているが、生花に当接している軟質の合成樹脂棒4は折れ曲がっていること」(第4図) が記載されている。 甲第3号証:「モーター駆動により互いに逆回転する2本のシャフトを垂直方向に並行して配し、多数の突起を長手方向に複数列設けかつ各列の突起の位置が違えてある2本のゴムブラシを前記シャフトに取り付けると共に、一方のゴムブラシの突起が他方のゴムブラシの突起と突起のほぼ中間に位置するようにしたことを特徴とする花卉の下葉取り機。」(同実用新案登録請求の範囲)、「このため、2本のゴムブラシ1、1は、矢印方向に押し入れられる花卉を迎え入れるように回転し、上下のゴムブラシ1、1の突起2、・・・が互い違いに設置してあるために花卉の葉は突起2、・・・に確実に当接して落とされる。」(同明細書第3頁第15?19行、第5図)。 (対比・判断) 請求項1に係る本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比する。 請求項1に係る本件考案の生花の下葉取装置の葉落し部材は、「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」からなる。 ここで、「結着」は一般的な意味(ものごとに結末をつけること)で使用されていないので、本件登録明細書及び図面を参酌すると、 「それらの孔36に直径2?4粍程度のウレタンゴムヒモ、アメゴムヒモ等の表面が軟らかく折曲自在の弾性ヒモ37を通して両端を揃えた後、ビニール製結束バンドで回転軸29,30に弾性ヒモ37を結着する。第3図のように弾性ヒモ37を結着すると、回転軸29,30を回転したとき、弾性ヒモ37はそれ自体の遠心力によって一文字状のプロペラのように回転する。」(本件登録公報第5欄第13?19行)、 「一方、第4図のように2つの孔36に通して回転軸の表と裏に弾性ヒモ37を結着すると共に上下にも結着して4本の弾性ヒモにすると、十文字状の形状を保って回転する。2つの孔にすると2?6本の弾性ヒモを結着でき、」(本件登録公報第5欄第20?23行)、 「又前記実施例では回転軸に穿孔して弾性ヒモの中間部を結着したが、回転軸にピンを植設したり、鈎片を溶着して弾性ヒモの一端を取付けるようにしても良い。」(本件登録公報第6欄第13?15行)と記載されており、 請求項1に係る本件考案の「結着」とは、上記本件登録明細書に記載されているように、弾性ヒモを回転軸に結束バンドで取り付けたり、回転軸に取り付けたピンや鈎片に弾性ヒモを取り付けたりすることを、意味している。 これに対し、甲第1号証記載の考案が「回転ブラシからなる上下一対の葉落し部材62(62a,62b)を回転軸に設け、上方の葉落し部材62aはブラシからなり、また下方の葉落し部材62bは、可撓性を有するゴムや合成樹脂などにより、ピン状に形成」されており、甲第1号証記載の葉落し部材は、いずれも、弾性ヒモではなく、該弾性ヒモを回転軸に結着したものでもなく、この点で請求項1に係る本件考案と相違し、請求項1に係る本件考案が甲第1号証記載の考案であるということはできない。 請求項2に係る考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、請求項2に係る考案が、少なくとも、「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」を有するのに対して、甲第1号証記載の考案はこのような構成を有しておらず、請求項2に係る本件考案が甲第1号証記載の考案であるということはできない。 請求項3に係る考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、請求項3に係る考案は、請求項1または2に係る考案を減縮したものであり、請求項1または2に係る考案が甲第1号証記載の考案でない以上、請求項3に係る本件考案が甲第1号証記載の考案であるということはできない。 請求項1に係る考案と甲第2号証記載の考案とを対比すると、請求項1に係る考案が、少なくとも、葉落し部材が「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」からなるのに対して、甲第2号証記載の葉落し部材は「合成樹脂製筒状ロール2の外周面に、軟質の合成樹脂棒4及びブラシ7を植設」されている点で相違し、請求項1に係る本件考案が甲第2号証記載の考案であるということはできない。 請求項2に係る考案と甲第2号証記載の考案とを対比すると、請求項2に係る考案が、少なくとも、「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」を有するのに対して、甲第2号証記載の考案はこのような構成を有しておらず、請求項2に係る本件考案が甲第2号証記載の考案であるということはできない。 請求項3に係る考案と甲第2号証記載の考案とを対比すると、請求項3に係る考案は、請求項1または2に係る考案を減縮したものであり、請求項1または2に係る考案が上記のとおり甲第2号証記載の考案でない以上、請求項3に係る本件考案が甲第2号証記載の考案であるということはできない。 請求項1に係る考案と甲第3号証記載の考案とを対比すると、請求項1に係る考案が、少なくとも、葉落し部材が「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」からなるのに対して、甲第3号証記載の葉落し部材は「突起2を設けたゴムブラシ1をシャフト7に取り付け」た点で相違し、請求項1に係る本件考案が甲第3号証記載の考案であるということはできない。 請求項2に係る考案と甲第3号証記載の考案とを対比すると、請求項2に係る考案が、少なくとも、「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」を有するのに対して、甲第3号証記載の考案はこのような構成を有しておらず、請求項2に係る本件考案が甲第3号証記載の考案であるということはできない。 請求項3に係る考案と甲第3号証記載の考案とを対比すると、請求項3に係る考案は、請求項1または2に係る考案を減縮したものであり、請求項1または2に係る考案が上記のとおり甲第3号証記載の考案でない以上、請求項3に係る本件考案が甲第3号証記載の考案であるということはできない。 請求人は、「本件実用新案登録請求の範囲に記載された「結着」とは、「結び着ける」の意味であろうから、「結び目」がなければならない。」(平成12年2月22日付け弁駁書「(五)結着について」)としているが、前述のように、「結着」とは、本件登録明細書の上記個所を参酌すれば、第3図、第4図に記載されているように、例えば、回転軸26に穿孔した孔36に弾性ヒモを通して両端を揃えた後、結束バンドで回転軸に取り付けることができれば足り、必ずしも、結び目がなければならないものでもない。 また、請求人は、本件考案の弾性ヒモが甲第1?3号証の葉落し部材と区別できないものである(甲第7?9号証)としているが、上記のとおり、本件考案の弾性ヒモは回転軸に結着したものであるから、甲第1?3号証の葉落し部材と明確に区別できるものである。 (6-4)上記無効理由3について 請求項1に係る本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、本件考案の生花の下葉取装置の葉落し部材は、少なくとも、「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」からなるのに対して、甲第1号証記載の考案が「回転ブラシからなる上下一対の葉落し部材62(62a,62b)を回転軸に設け、上方の葉落し部材62aはブラシからなり、また下方の葉落し部材62bは、可撓性を有するゴムや合成樹脂などにより、ピン状に形成」されており、甲第1号証記載の葉落し部材は、いずれも、弾性ヒモではなく、該弾性ヒモを回転軸に結着したものでもなく、この点で請求項1に係る本件考案と相違する。 この相違点を検討するために、甲第2、3号証をみるに、甲第2号証記載の葉落し部材は「合成樹脂製筒状ロール2の外周面に、軟質の合成樹脂棒4及びブラシ7を植設」されており、甲第3号証記載の葉落し部材は「突起2を設けたゴムブラシ1をシャフト7に取り付け」たものであり、甲第2、3号証記載の葉落し部材は、いずれも、弾性ヒモではなく、しかも、該弾性部材を回転軸に結着したものではない。 したがって、甲第1号証記載の考案に甲第2、3号証記載の考案を組み合わせても、請求項1に係る本件考案の構成にはなりえず、本件考案が甲第1?3号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。 本件考案は、弾性ヒモを回転軸に結着することにより、「下葉取りの難易に応じて本数を加減できる。」(本件登録公報第5欄第24行)、「弾性ヒモ37はニッパーや鋏で容易に切断でき、また回転軸への結着交換も容易」(同第6欄第24?26行)であるという、甲第1?3号証記載の考案では期待できない格別の作用効果を有する。 請求項2に係る本件考案と甲第1号証記載の考案とを対比すると、本件考案の生花の下葉取装置の葉落し部材は、少なくとも、「回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモ」からなるのに対して、甲第1号証記載の葉落し部材は、いずれも、弾性ヒモではなく、該弾性ヒモを回転軸に結着したものでもなく、この点で両者は請求項2に係る本件考案と相違する。 この相違点を検討するために、甲第2、3号証をみるに、甲第2、3号証記載の葉落し部材は、いずれも、弾性ヒモではなく、しかも、該弾性部材を回転軸に結着したものではない。 したがって、甲第1号証記載の考案に甲第2、3号証記載の考案を組み合わせても、請求項2に係る本件考案の構成にはなりえず、本件考案が甲第1?3号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。 請求項3に係る考案は、請求項1または2に係る考案を減縮したものであるから、請求項1または2に係る考案が上記のとおり甲第1?3号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものでない以上、請求項3に係る本件考案が甲第3号証記載の考案であるということはできない。 請求人は、甲第1?3号証記載の葉落し部材も「下葉取りの難易に応じて本数を加減できる。」、「弾性ヒモ37はニッパーや鋏で容易に切断でき、また回転軸への結着交換も容易」と主張するが、甲第1?3号証記載の葉落し部材は、上記のように、回転軸に植設されたブラシや、回転軸に直接取り付けられたピン状部材であって、技術常識的に、葉落し作業に当たり、本数を加減したり、ニッパーや鋏で切断することのないものであるから、請求人の主張は認められない。 なお、被請求人は、本件考案の商業的成功を立証するために、平成11年8月5日付で証人尋問を申請しているが、請求項1?3に係る本件考案は、上記のとおり、甲第1?3号証記載の考案、又はこれら甲号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものではないから、該証人尋問の必要を認めない。 (6-5)上記無効理由4について (1)請求人の主張は、「弾性ヒモ」の意味が不明であるというものであるが、上記「(6-1)弾性ヒモについて」において検討したとおりに解することができるものであるから、意味不明ということはできない。 (2)請求人の主張は、請求項1の「予定間隔」は実施例に記載がなく、その意味が不明であるというものである。 そこで、請求項1の記載をみるに、「処理対象の生花の根元部と予定間隔をおいて、...配置される回転軸」となっており、一方、本件登録明細書の考案の詳細な説明には、確かにこのような記載はないが、これに関連して、「このように移送されてくる生花の根元部の上下にモータ26,32に直結した回転軸29,30が設けられている。」(本件登録公報第5欄第8?10行)と記載している。これら両記載事項と第1図を対照させてみるに、請求項1に係る本件考案の「予定間隔」とは、処理対象の生花の根元部と所定の間隔をおいて回転軸を配置したとの意味であることは明らかであり、請求人の、意味が不明であるという主張は当たらない。 (3)請求人の主張は、請求項2の「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記平面とほぼ平行で、かつ前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸」を具備することは、実施例に記載がなく、これらの位置関係が不明であるというものであり、また、これを字句通りに図面化すると、この記載の構成は、甲第18号証の構成となり、葉落しができないというものである。 そこで、本件登録明細書の考案の詳細な説明の欄の記載をみると、「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、...一対の回転軸」を具備するのであるから、本件請求項2記載の「回転軸」は、少なくとも、甲第18号証の記載のものにおいて、中央に茎を含む左右にのびる実線(引き出し線にて平面と呼称されている箇所)の上下両側に設けられるものであり、請求人が甲第18号証に記載したような花の根元部を含む平面上の茎の左右に回転軸が設けられるものではない。 したがって、甲第18号証記載の回転軸の位置を根拠にした請求人の主張は認められない。 また、本件登録明細書の考案の詳細な説明の記載をみるに、「以上のような既知の生花選別機に本考案の1実施例である下葉取装置20が付設されている。長いコ字状のブリッジ21と短いL字状ブリッジ22に連結板23,24を溶着し、ブリッジ21を左右の機枠1,1に取付け、ブリッジ22を片側の機枠1(第2図の右側)に取付ける。ブリッジ22の上方に溶着した鉄板25にモータ26を固着し、ブリッジ21の上方に溶着した鉄板27に軸受28を取付ける。軸受28に回動自在に支承した回転軸29をモータ26とカップリングを介して連結する。前記底板9の下面に設けたモータ取付板31にモータ32を固着し、ブリッジ21,22に取付けた軸受33,34に軸支されている回転軸30をモータ32の出力軸とカップリング35で連結する。このように移送されてくる生花の根元部の上下にモータ26,32に直結した回転軸29,30が設けられている。」(本件登録公報第4欄第47行?第5欄第10行)の記載、及び、本件登録明細書添付の第1、5図の記載から、実施例において、請求項2の「処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記平面ほぼ平行で、かつ前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸」を具備することは、明確である。 したがって、請求項2記載の該構成が実施例に記載がなくこれらの位置関係が不明であるという請求人の主張は、理由がない。 (4)請求人の主張は、請求項3の「一対の無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機」は、具体的実施例に記載がなく、また、本件登録明細書第6頁第16?17行(本件登録公報第6欄第6行)の「特開昭62-24784号公報」(甲第19号証)は画像情報管理システムに関するものであって、本件考案の生花の下葉処理装置とは無関係であるので、前記記載事項が具体的にどのようなものであるか不明りょうであるというものである。 そこで、本件登録明細書の考案の詳細な説明の欄において請求項3の上記構成に関連した記載をみると、該欄には、 「前記実施例は、生花移送用無端チェーン8と生花計量用無端チェーン15を備えた生花選別機に本考案の下葉取装置を適用した例であるが、例えば特開昭62-24784号公報の選花機のように、生花計量用無端チェーンに並設した支持杆の花受腕に直接生花を投入する形式の生花選別機の場合には、左右の機枠の上下に2つのブリッジを並設して、一対の無端チェーンの回動によって移送される生花の根元部の上下に、本考案の下葉取装置の一対の回転軸を設ければ良い。」(本件登録公報第6欄第4?12行)、 「15は生花計量用の一対の無端チェーンで、一対の生花計量用無端チェーン15には周知の如く花受腕を備えた支持杆が等間隔で並設されている。」(本件登録公報第4欄第37?39行) が記載されている。 また、本件出願前に頒布された実願平1-49865号(実開平2-57348号)のマイクロフィルム(甲第1号証)の第1図、第7図、実願昭63-127829号(実開平2-49842号)のマイクロフィルムの第5図等に記載されているように、無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機は周知である。 したがって、本件登録明細書の考案の詳細な説明の記載には、請求項3に係る考案の「一対の無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機」が、実施例として記載されているに等しいものである。 また、上記実施例の記載において、引用した公報の番号が相違するが、該公報の記載がなくても、上記に述べたように、請求項3の上記記載事項は、本件登録明細書の考案の詳細な説明の記載から明確に把握できるので、上記実施例の記載において、引用した公報の番号の間違いによっても、請求項3の上記記載が不明瞭なものになっているとは認められない。 (5)請求人は、「原明細書から平成8年12月2日付査定不服審判請求書および同日付手続補正書に至るまでの各書面において、被請求人は、弾性ヒモの物性を、「屈曲自在」、「伸縮自在」、「折曲自在」と・・・書き替えているが、「屈曲自在」、「伸縮自在」、「折曲自在」は、いずれもその意味は相違するものである。したがって弾性ヒモの真の材質や物性が不明である。」と主張している。 しかしながら、上記「(6-1)弾性ヒモについて」で検討したとおり、「弾性ヒモ」は、弾性を有する(力を加えれば変形し、また、力を加えるのを止めれば原形に復帰する)ものではあるが、回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がり、回転するとほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度の柔軟性を有し、物を束ねたり、結んだりすることのできるものであるから、請求項1?3に係る本件考案の「弾性ヒモ」が意味が不明ということはできないし、その物性も明らかである。また、本件請求項1?3に係る本件考案の「弾性ヒモ」は、本件登録明細書の考案の詳細な説明の欄に記載してあるとおり、例えば、「直径2?4粍程度のウレタンゴムヒモ、アメゴムヒモ等の表面が軟らかく折曲自在」(本件登録公報第5欄第13?14行)なものであるから、材質が不明であるということはできない。そして、「弾性ヒモ」を上記のような材質で構成すれば、屈曲自在、伸縮自在、折曲自在となることは明らかであるから、請求項1?3に係る本件考案の出願当初の明細書から審判請求時までのあいだに、「弾性ヒモ」の物性を言い替えているとの請求人の主張は当たらない。 (6)請求人は、「本件考案は、葉を「掻き取る」ものではなく「衝撃して叩き落とす」ことに特徴がある・・・、ところが本件登録公報第5欄第24行には、弾性ヒモは葉を「掻き取る」と記載されている。よって実用新案登録請求の範囲に記載された弾性ヒモの作用と、考案の詳細な説明の欄に記載された弾性ヒモの作用が矛盾している。」と主張している。 しかしながら、上記「(2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否」の訂正事項(b)について検討したとおり、平成11年8月5日付け訂正請求書により、本件出願当初、本件発明の下葉取装置の下葉取りの作用を「下葉を掻き取る」と称していたものを、本件登録明細書の他の個所との整合を図るために該個所の「下葉の掻き取り」を「下葉取り」と訂正したものであり、これにより、実用新案登録請求の範囲に記載された弾性ヒモの作用と、考案の詳細な説明の欄に記載された弾性ヒモの作用が整合することとなった。 (7)請求人は、柔軟性を有するものを高速回転させれば、空気抵抗により必然的にスパイラル状になる(甲第6、29、46号証)としている。 しかしながら、弾性ヒモは、「回転停止状態では回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がり、回転するとほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度」の柔軟性を有するものであって、回転停止状態では本件登録公報第3図、第4図に示すように回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がるが、回転軸を回転すると、該弾性ヒモが遠心力により遠心方向に引っ張られて直線(一文字、十文字)に近い状態で回転することを指しているのである。回転中の弾性ヒモが全く、直線、一文字、十文字になるといっているわけではなく、該弾性ヒモが遠心力により遠心方向に引っ張られて直線(一文字、十文字)に近い状態で回転することを指して、「ほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度の」といったのであって、スパイラル状になることを排除したものではないから、自然法則に違反し、本件考案の登録明細書の記載が不備であるということはできない。 請求人は、さらに、上記(4-5)、(4-6)も主張しているので、この点についても、念のため検討する。 (6-6)上記「(4-5)葉落し部材の作用の認識」について 被請求人は、 「掻き取る」(出願当初の明細書)、「茎の表面を滑走して掻き落とす」(平成5年10月6日付け意見書)、「茎の表面を滑走して下葉を掻き落とし」(平成5年10月6日付け手続補正書)、「叩いて掻き落とす」(平成6年2月1日付け手続補正書)、「衝撃して叩き落とす」(本件登録公報)と記載し(甲第24号証参照)、葉落し部材の作用の表現を変遷させ、 本件登録公報において、「回転軸に結着されて回転している弾性ヒモは、自由回転状態ではほぼ直線状をなしているが、生花の葉や葉柄に衝突して自由回転が妨げられると、当該葉柄や葉の部分を衝撃的に強く叩くと同時に、慣性力によって、それよりも先端の部分が、葉や葉柄との衝突点からさらに回転方向へ曲がり込んでこれに巻き付くように屈曲変形し、これによって葉や葉柄はこれとほぼ直交する力で確実に叩き落とされる。」(第4欄第12?19行)と記載し、 「本件考案の弾性ヒモによる葉落し作用の原理は、・・・弾性ヒモの回転速度による運動エネルギーが、葉や葉柄との衝突時に衝撃力に変換されることと、衝突点よりも自由端側の弾性ヒモが慣性によって、衝突点よりも先行して葉や葉柄に巻き付こうとするかのように、これらの表面形状に沿って屈曲変形すること、さらには、衝撃時に弾性ヒモの回転速度の減少に伴なって遠心力が減少し、弾性ヒモが収縮して元に戻ろうとする(その結果、衝撃点には弾性ヒモの回転中心方向に向かう引張力が作用する)現象を組合せ利用したものである。」(平成11年8月5日付け答弁書第5頁d))と記載し、 「低速で回転しているウレタンゴムヒモの先端が針金、合成樹棒に当たり、回転方向前方へ曲がり込む」(平成12年3月30日付け上申書添付のビデオテープ)としている。 一方、請求人は、 「弾性ヒモの先端が巻き付くことはありえない」(甲第10号証)、 「弾性ヒモが巻き付いて葉落としできるのは一部である。」(甲11号証)、 「バンドー社製のウレタンゴムヒモからなる弾性ヒモによる葉落しは、茎に激しい傷が付くから、摺接して葉を掻き落としたものである。」(甲12?15、17、32号証)、 本件考案、甲第1?3号証記載の考案、甲第20?22号証記載の考案、甲第23号証の被請求人の通告書において、葉落し部材の作用の記載に相違があっても、各人の単なる認識・表現の相違にすぎない(甲24号証)、 「本件考案と甲第1?3号証記載の葉落しをする様子は同じである」(甲第40、41号証)、 「どの程度の角度を「巻き付くように屈曲した」と見なすのかわからない」(甲第45号証)、 「ウレタンゴムヒモの先端は屈曲しない」(甲第46号証)、 「ウレタンゴムヒモの左右のぶれ角度のため、茎が弾性ヒモに到達する前に葉落しが開始される。」(甲第48号証)等と主張している。 本件考案の弾性ヒモの作用について検討する。 請求人提示の甲第10号証(b)記載のゴムヒモが図示より長いものであれば、その先端が回り込む可能性もあり、甲第11号証記載の弾性ヒモは、葉又は茎に当たれば、ムチと同様に、NO.3、NO.6に限らず葉落としできると認められ、甲第32号証記載のように被請求人の下葉取装置によって茎に激しい傷があるからといって必ずこれが摺り傷というものでもなく、甲第46号証記載の写真はウレタンゴムヒモの先端が高速のためにぶれており屈曲するか否かは確認できない。 一方、被請求人が葉落し作用の原理を実証したとする平成12年3月30日付け上申書添付のビデオテープは、回転しているウレタンゴムヒモが針金および柔軟な合成樹脂と衝突した時に、ウレタンゴムヒモの先端が回転方向前方へ曲がり込むことを示しているが、低速回転であり、葉落としできる程度の高速で回転したものではない。 したがって、弾性ヒモが具体的にどのような状態で葉落しをするかは実証的には明確でなく、結局のところ、本件考案は、実用新案登録請求の範囲に記載されたとおり、「弾性ヒモが・・・葉を衝撃して叩き落とす」ものであれば足り、このような構成であれば、例えば、ムチのようにしなって葉落としできることは明らかであるから、弾性ヒモの具体的作用を本件登録どのように表現しようと、本件考案の弾性ヒモで葉を衝撃して叩き落としができればよい。 なお、請求人提出の本件出願前に頒布された甲第1?3、20号証記載の葉落し部材は本件考案の弾性ヒモではなく、甲第21、22号証は、本件出願後に頒布されたものであるから判断の根拠にはなりえず、甲23号証は被請求人の通告書であって、本件考案の弾性ヒモの具体的作用を示すものではないから、本件考案の弾性ヒモの具体的作用を考慮する上での根拠とはなりえない。 また、請求人は、甲第27号証「単なる効果の認識の相違にすぎない場合、2発明は同一である。」、(甲第31号証)「特許請求の範囲中の技術的事項につき、その作用効果を発明の詳細な説明その他の書類において特記しているときは、その技術的事項は発明構成上の必須要件と解すべきであるから、これを具備しないものは技術的範囲に属しない」を挙げているが、このことが、なぜ、葉落し部材の作用が各人の認識の相違にすぎないことを証明することの根拠になるのかが不明である。 そもそも、葉落し部材の作用が、各人の認識の相違にすぎないことを証明したとしても、本件考案を無効か否かを判断する上で直接関係のないことである。 (6-7)上記「(4-6)本件登録実用新案に係る平成10年異議第70168号事件の決定」について 上記(i)?(vi)について検討する。 上記(i)について、請求人は、弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がるには、弾性ヒモが長大でなければならないとして、甲第28号証を挙げているが、該甲第28号証は、バンドー社製のベルト、Oリングなどに用いられるウレタンゴム(甲第17号証参照)が記載されているだけであって、本件登録公報の第3図、第4図に記載されているような本件考案の弾性ヒモに直ちに対応するものではなく、また、一般にウレタンゴムヒモは、その化学組成により柔らかいものから硬いものまで性質が異なるものである。また、本件考案の弾性ヒモは、葉落し部材として使用される長さ、例えば5?12cm等(請求書第51頁(19))において、先端が自重により下方に垂れ下がるものを指しているのであり、請求人主張のような極端に長い葉落し部材を指しているものではないから、甲第28号証を根拠とする請求人の上記(i)の主張は認められない。 上記(ii)については、上記「(6-5)上記無効理由4について」の「(7)」において検討したとおりである。 上記(iii)において、請求人は、第1要件(回転停止状態では、回転軸の上方に設けられた弾性ヒモの先端が自重により下方に垂れ下がり)、と第2要件(回転するとほぼ直線状、一文字状、十文字状になる程度の柔軟性を有し)は互いに全く矛盾する要件であると主張しているが、本件考案の弾性ヒモは、甲第5号証のNO.1(剛性0)や、NO.2(完全剛体)のような極端な例を指しているのではなく、甲第5号証のNO.2?NO.(n-1)の内の上記要件を満足するものを指しているものであり、本件登録明細書に開示されている弾性ヒモは少なくともコア(中心部)となる構成は明確である。 上記(iv)において、請求人は、第2要件中の「柔軟性」は、これと反対の意味である「剛性」に読み替えなければ理に合わないと主張しているが、甲第5号証記載のように剛性には、0?∞の段階があるように、剛性とはほぼ反対の概念である柔軟性にも同様の段階があると考えられるから、「柔軟性」を「剛性」に読み替えなければ理に合わないというものでもない。 上記(v)において、請求人は、なにをもって「束ねたり、結んだり」したと見なすかの基準がない限り(甲第5号証)、第3要件「物を束ねたり、結んだりすることのできるもの」は、要件たり得ないと主張しているが、本件考案の弾性ヒモは、甲第5号証のNO.1(剛性0)や、NO.2(完全剛体)のような極端な例を指しているのではなく、甲第5号証のNO.2?NO.(n-1)の内の上記要件を満足するものを指しているものであり、本件登録明細書に開示されている弾性ヒモは少なくともコア(中心部)となる構成は明確である。 (6-8)むすび 以上のとおりであるから、請求人が主張する理由1?4及び証拠方法によっては本件考案の実用新案登録を無効とすることはできない。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 生花の下葉取装置 (57)【実用新案登録請求の範囲】 (1)処理対象の生花の根元部と予定間隔をおいて、かつこれとほぼ直交するように配置される回転軸と、 前記回転軸に結着された少なくとも1本の弾性ヒモとを具備し、 前記弾性ヒモの長さは前記予定間隔よりも長く設定され、前記回転軸は前記弾性ヒモが前記根元部の位置でその基端部に向けて回転する方向に駆動され、回転している弾性ヒモが前記生花の根元部の葉を衝撃して叩き落とすことを特徴とする生花の下葉取装置。 (2)処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、前記平面とほぼ平行で、かつ前記根元部とほぼ直交するように配置され、互いに反対方向に駆動される少なくとも1対の回転軸と、 前記回転軸のそれぞれに結着された少なくとも1本の弾性ヒモとを具備し、 前記各回転軸の弾性ヒモの長さの和が前記各回転軸と前記平面間の距離の和よりも大であり、かつ前記回転軸は前記弾性ヒモが前記平面の位置で前記根元部の基端部に向けて回転するように駆動され、回転している弾性ヒモが前記生花の根元部の葉を衝撃して叩き落とすことを特徴とする生花の下葉取装置。 (3)一対の無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機の、無端チェーンの回動によって移送される生花の根元部と対向する位置に、前記無端チェーンの進行方向とほぼ平行に、その回転軸が配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の生花の下葉取装置。 【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、生花の下葉取装置に関し、特に定寸切断した菊等の生花を選別する生花選別機に組込むのに好適な生花の下葉取装置に関する。 従来の技術 実開平2-57348号公報の生花選別機には、搬送される生花の茎の基端部(根元部)に摺接する葉落し部材を茎の末端部方向へ平行移動または回転させて下葉を除去する下葉取装置が開示されている。無端帯にゴム等の弾性突起を突設した葉落し部材を茎に摺接しても、特に横向きの下葉は摺り落すのが難しいし、細い鋼線のようなブラシ毛を植設したブラシや回転ブラシの葉落し部材はブラシ毛の腰が弱いので、確実に下葉を摺り落すことができない。葉落し部材を茎の根元部の上面および下面に摺接しても下葉を完全に除去することことができなかったので、この考案の下葉取装置は実用化できていない。 実公昭60-38354号公報の生花下葉取機用回転ブラシは、比較的硬い合成樹脂製線を束ねたブラシと軟質樹脂棒群とを有した回転ブラシで、ブラシの毛先に上下の段差を設けて山形に構成されている。この回転ブラシは、多数の生花の花に近い側を作業者が手で握って何回も前後左右にしごくことによって、多数本の生花の下葉を同時に掻き落とす下葉取装置に使用するものである。この場合も、山形のブラシの毛先は生花の根元部を包み込んで摺動するが、前記公報の下葉取装置と同様に、下葉除去を完全に行なうことは難しく、実用化は未だされていない。 考案が解決しようとする課題 従来の合成樹脂製ブラシや軟質樹脂棒群を有する平行移動型または回転ブラシを、一本ずつ移送される生花の下葉取りに使用すると、移送中の生花は前後左右のしごき動作をされないから所定長(17?20cm程度)の下葉全部をきれいに掻き取ることができない。のみならず、腰の強い軟質樹脂棒群の先端で、根元部の同じ部位が繰り返し叩かれるので、茎に叩き傷や擦り傷ができ易く、極端な場合は根元部が漬れて千切れる恐れすらある。さらに、従来のブラシなどは構造が複雑で高価であり、保守交換作業も面倒であるという問題があった。 本考案は、前述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、構造や保守交換が簡単で、コストも安く、しかも葉落しはほぼ完全に行なえる下葉取装置を提供することにある。また本考案の他の目的は、生花選別機に付設して移送中の生花の下葉取りを自動的に行なうことのできる下葉取装置を提供することにある。 課題を解決するための手段 本考案の下葉取装置は、処理対象の生花の根元部と予定間隔をおいて、かつこれとほぼ直交するように配置される回転軸と、前記回転軸に結着された少なくとも1本の、屈曲自在の弾性ヒモとを具備し、前記弾性ヒモの長さは前記予定間隔よりも長く設定され、前記回転軸は前記弾性ヒモが前記根元部の位置でその基端部に向けて回転する方向に駆動される。 前記の下葉取装置は、処理対象の生花の根元部を含む平面の両側に、対向して少なくとも1対設けられ得る。またこのような下葉取装置は、一対の無端チェーンに所定間隔で並設した支持杆の花受腕に生花を載置して移送し、生花を選別する生花選別機の、無端チェーンの回動によって移送される生花の根元部と対向する位置に、前記無端チェーンの進行方向とほぼ平行に、その回転軸を配置することによって生花選別機に好適に組込まれる。 作用 回転軸に結着されて回転している弾性ヒモは、自由回転状態ではほぼ直線状をなしているが、生花の葉や葉柄に衝突して自由回転が妨げられると、当該葉柄や葉の部分を衝撃的に強く叩くと同時に、慣性力によって、それよりも先端の部分が、葉や葉柄との衝突点からさらに回転方向へ曲がり込んでこれに巻き付くように屈曲変形し、これによって葉や葉柄はこれとほぼ直交する力で確実に叩き落とされる。上下の弾性ヒモの先端同士が回転中に互いに衝突しても、ヒモは衝撃を吸収しながら円滑にすれ違うので回転には何ら支障を生じない。弾性ヒモは表面が軟らかく折曲自在なので、生花の茎に傷つけることなく、根元部の全周の下葉を完全に叩き落とす。葉の除去範囲はヒモの長さ調整によって自由に変更可能である。 実施例 本実施例は、本考案の下葉取装置を生花自動選別機に適用したものである。 左右の機枠1,1の前後に取付けた軸受2,3に回動自在に軸支されているチェーン駆動軸4と従動軸5に複数のチェーンホイール6,6を楔着し、等間隔で送りピン7を固着した生花移送用無端チェーン8がチェーンホイール6,6に懸回されている。機枠1に固着した底板9の上面には、無端チェーン8に沿って先端に生花案内杆10を溶着した生花載置バ-11が固着されている。12は生花先端当板、13は生花茎切断刃、14は機枠に取付けた切断用モータ、15は生花計量用の一対の無端チェーンで、一対の生花計量用無端チエーン15には周知の如く花受腕を備えた支持杆が等間隔で並設されている。 生花の先端を生花先端当板12に当接させて生花載置バー11上に生花を供給すると、生花移送用無端チェーン8の送りピン7によって生花は前方(第2図の矢印A方向)へ移送され、生花茎切断刃13で定寸に切断された生花が、生花案内杆10から生花移送用無端チェーン8と同期回動している生花計量用無端チェーン15の花受腕上に落下して生花の重量別選別が行なわれる。 以上のような既知の生花選別機に本考案の1実施例である下葉取装置20が付設されている。長いコ字状のブリッジ21と短いL字状ブリッジ22に連結板23,24を溶着し、ブリッジ21を左右の機枠1,1に取付け、ブリッジ22を片側の機枠1(第2図の右側)に取付ける。ブリッジ22の上方に溶着した鉄板25にモータ26を固着し、ブリッジ21の上方に溶着した鉄板27に軸受28を取付ける。軸受28に回動自在に支承した回転軸29をモータ26とカップリングを介して連結する。前記底板9の下面に設けたモータ取付板31にモータ32を固着し、ブリッジ21,22に取付けた軸受33,34に軸支されている回転軸30をモータ32の出力軸とカップリング35で連結する。このように移送されてくる生花の根元部の上下にモータ26,32に直結した回転軸29,30が設けられている。 上下の回転軸29,30には互いに対向しないように複数個の孔36が第3図、又は第4図のように穿孔されている。それらの孔36に直径2?4粍程度のウレタンゴムヒモ、アメゴムヒモ等の表面が軟かく折曲自在の弾性ヒモ37を通して両端を揃えた後、ビニール製結束バンドで回転軸29,30に弾性ヒモ37を結着する。第3図のように弾性ヒモ37を結着すると、回転軸29,30を回転したとき、弾性ヒモ37はそれ自体の遠心力によって一文字状のプロペラのように回転する。 一方、第4図のように2つの孔36に通して回転軸の表と裏に弾性ヒモ37を結着すると共に上下にも結着して4本の弾性ヒモにすると、十文字状の形状を保って回転する。2つの孔にすると2?6本の弾性ヒモを結着でき、下葉取りの難易に応じて本数を加減できる。 弾性ヒモ37の長さは、第5図に示すように弾性ヒモを相反する方向に回転したときに、上下の弾性ヒモの先端部の軌跡が互いに重なる長さ、すなわち上下回転軸29,30間の距離よりも上下のヒモの長さの和が大となるようにする。この重なり長さ(第5図のl)によって下葉除去範囲が定まる。弾性ヒモ37はニッパーや鋏で容易に切断でき、また交換も極めて容易であるるので、作業者が所望の下葉除去範囲に選定することができる。 41はブリッジ21に上下方向に調整自在にボルト締めした生花押さえ杆であり、弾性ヒモ37で下葉を叩き落とすときに生花の移送姿勢が崩れないようにしている。42は連結板24に螺着した薄いゴム板の下葉飛散防止カバーであり、生花押さえ杆41の近くまで垂れ下がっている。43はブリッジ21と22の上面と外側面を覆う下葉飛散防止カバーであり、蝶ねじで着脱自在にブリッジ21,22に螺着されている。そして下葉取装置20の下方の底板9は切欠いてあって、叩き落された下葉や切断した茎が下方へ落下するようになっている。 前記実施例は、生花移送用無端チエーン8と生花計量用無端チェーン15を備えた生花選別機に本考案の下葉取装置を適用した例であるが、例えば特開昭62-24784号公報の選花機のように、生花計量用無端チェーンに並設した支持杆の花受腕に直接生花を投入する形式の生花選別機の場合には、左右の機枠の上下に2つのブリッジを並設して、一対の無端チェーンの回動によって移送される生花の根元部の上下に、本考案の下葉取装置の一対の回転軸を設ければ良い。 又前記実施例では回転軸に穿孔して弾性ヒモの中間を結着したが、回転軸にピンを植設したり、鈎片を溶着して弾性ヒモの一端を取付けるようにしても良い。弾性ヒモは、生花の茎に傷をつけないで下葉をきれいに叩き落とせるものであればよくし、その材質や太さは、前記のものに限定するものではない。 考案の効果 以上のように本考案は、表面が軟らかく折曲自在の弾性ヒモの回転によって下葉を衝撃し、下葉に直角方向の衝撃力を加えて叩き落とすので、生花の茎に傷をつけることなく茎全周の下葉取りが完全に行なわれ、茎の所定長範囲での下葉除去を実現することができる。弾性ヒモはニッパーや鋏で容易に切断でき、また回転軸への結着交換も容易なので、作業者が何時でも所要の下葉除去長さに応じた最適長さの弾性ヒモを取付けることができる。本考案の下葉取装置は構造が簡単で安価に製造ができる上に、これを生花選別機に付設するだけで移送中の生花の下葉取りを自動的に行なうように性能を向上することができる。 【図面の簡単な説明】 第1図は本考案の1実施例の側面図、第2図はその平面図、第3図と第4図は回転軸に弾性ヒモを結着した部分の拡大平面図、第5図は弾性ヒモで下葉を叩き落とす状熊の説明図である。 8…生花移送用無端チエーン、 15…生花計量用無端チェーン、 20…下葉取装置、 29,30…回転軸、 37…弾性ヒモ |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2000-06-12 |
結審通知日 | 2000-06-23 |
審決日 | 2000-07-05 |
出願番号 | 実願平2-57125 |
審決分類 |
U
1
112・
1-
YA
(A01C)
U 1 112・ 531- YA (A01C) U 1 112・ 121- YA (A01C) U 1 112・ 113- YA (A01C) U 1 112・ 534- YA (A01C) |
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
木原 裕 |
特許庁審判官 |
鈴木 寛治 村山 隆 |
登録日 | 1997-05-30 |
登録番号 | 実用新案登録第2548320号(U2548320) |
考案の名称 | 生花の下葉取装置 |
代理人 | 田中 香樹 |
代理人 | 高松 利行 |
代理人 | 平木 道人 |
代理人 | 田中 香樹 |
代理人 | 平木 道人 |
代理人 | 田中 香樹 |
代理人 | 平木 道人 |