• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 訂正する B65B
管理番号 1074995
審判番号 訂正2002-39252  
総通号数 41 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2003-05-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-11-27 
確定日 2003-03-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2102350号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第2102350号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、実用新案登録第2102350号(昭和62年6月12日実用新案登録出願、平成8年2月9日設定登録)の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、実用新案登録請求の範囲第1項を下記のとおり訂正することを求めるものである。

「1 プラスチックコートされたロール状の包装材料ウエブから、充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機において、下部方向へ進行する予め一対の長手方向縁部3a,3bが間隙をおいて相互に重なるごとく筒状に形成された包装材料ウエブ3の未溶着状態の長手方向縁部3a,3bを溶着するための予熱装置Aであって、前記筒状の包装材料ウエブ3の進行路に臨んで、該包装材料ウエブ3の長手方向に所定距離の間設けられた加熱空気ノズル5と、筒状に形成された該材料ウエブ3の外側の長手方向縁部3aを位置規制して該長手方向縁部3aの内面を前記加熱空気ノズル5の空気吹出面5aに対面せしめるように軸線を該吹出面5aに平行に上下方向に配置された複数個のガイドローラ6a,6b,…と、前記筒状に形成された材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bを前記加熱空気ノズル5を挟んで前記ガイドローラ6a,6b,…の反対側で支持するための複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…とを設け、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが喰違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…が、その軸線が前記筒状の包装材料ウエブ3の進行方向に従い、該小径ガイドローラ7a,7b,…の先端部が、前記ガイドローラ6a,6b,…の側に順次接近するごとく傾斜して配設され、前記加熱空気ノズル5には、前記空気吹き出し面5aに穿設された複数個の空気吹出孔を設け、また、少くとも、最下端の小径ガイドローラの上方位置において、前記吹出面5aの反対側に、前記筒状の包装材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bの外側端に臨むごとく、空気吹出孔8を設けたことを特徴とする包装機における包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置。」(なお、下線部は訂正個所)

2.当審の判断
(1)訂正の適否について
本件実用新案登録について、平成13年3月16日付けで訂正審判が請求され(審判2001-39042号)、同年6月26日に訂正を認容する審決の謄本が送達されたので、本件訂正審判請求の対象となる明細書は、訂正審判2001-39042号(以下、「先の訂正審判」という。)の審判請求書に添付された訂正明細書(以下、「前回訂正明細書」という。)であり、その実用新案登録請求の範囲第1には、以下のように記載されている。
「1 プラスチックコートされたロール状の包装材料ウエブから、充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機において、下部方向へ進行する予め一対の長手方向縁部3a,3bが間隙をおいて相互に重なるごとく筒状に形成された包装材料ウエブ3の未溶着状態の長手方向縁部3a,3bを溶着するための予熱装置Aであって、前記筒状の包装材料ウエブ3の進行路に臨んで、該包装材料ウエブ3の長手方向に所定距離の間設けられた加熱空気ノズル5と、筒状に形成された該材料ウエブ3の外側の長手方向縁部3aを位置規制して該長手方向縁部3aの内面を前記加熱空気ノズル5の空気吹出面5aに対面せしめるように軸線を該吹出面5aに平行に上下方向に配置された複数個のガイドローラ6a,6b,…と、前記筒状に形成された材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bを前記加熱空気ノズル5を挟んで前記ガイドローラ6a,6b,…の反対側で支持するための複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…とを設け、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが喰違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…が、その軸線が前記筒状の包装材料ウエブ3の進行方向に従い、該小径ガイドローラ7a,7b,…の先端部が、前記ガイドローラ6a,6b,…の側に順次接近するごとく傾斜して配設され、前記加熱空気ノズル5は、少くとも、最下端の小径ガイドローラの上方位置において、前記吹出面5aの反対側に、前記筒状の包装材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bの外側端に臨むごとく、空気吹出孔8を設けたことを特徴とする包装機における包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置。」

上記訂正事項は、空気吹出面5aに複数個の空気吹出孔を穿設すると限定するものであるので、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
そして、上記限定した点は、願書に添付した明細書に記載されているものであり、また実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

なお、本件実用新案登録に対し、別途無効審判平成8年第8907号及び平成10年第35328号が請求され(両事件は併合して審理された)、前回訂正明細書を認容した上で、両無効審判の請求は成立しないとした平成14年2月12日付け審決に対し、審決取消訴訟が東京高等裁判所に出訴され、前回訂正明細書は認容すべきではない旨の主張がなされている(東京高裁平成14年行ケ第134号)。
仮にその主張が成立するとすれば、訂正の対象となる明細書は、実用新案登録査定時の明細書である。
そこで、本件訂正が、実用新案登録査定時の明細書を訂正するとした場合の、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否について検討を行うと、本件訂正は、登録査定時の明細書の実用新案登録請求の範囲を、前記1.のとおり訂正し(訂正事項ア)、実用新案登録請求の範囲第2項、第3項、第4項を削除する(訂正事項イ)とともに、実用新案登録請求の範囲の記載の訂正事項に対応して、明細書の考案の詳細な説明中の記載「前記加熱ノズル5を挟んで・・・・・充分加熱できるようになっている。」(公告公報第7欄23?37行)及び「溶着部のポリエチレンの粉等が・・・・・・・・すぐれた溶着予熱装置を提供することができる。」(公告公報第8欄35行?第9欄1行)を、それぞれ「前記加熱空気ノズル5を挟んで前記ガイドローラ6a,6b,6cの反対側には、材料ウエブの対向する外側の長手方向縁部3aと内側の長手方向縁部3bとの間に挿入可能な所定の小径のガイドローラ7a,7b,7cが、前記上、中、下の各ガイドローラ6a,6b,6cのそれぞれの間と、最下端のガイドローラ6cの下方に近接して配置され、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが喰違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…が配設されている。実施例について説明すると、該小径ガイドローラ7a,7b,7cの先端部は前記ガイドローラの側に、すなわちガイドローラ6a,6b,6cのローラ側面に接して移動するウエブの長手方向縁部3aの内面に順次近接するように配置されており、前記空気吹出面5aの反対側の空気吹出孔8は、最下部の小径ガイドローラ7cの上方位置にあって、内側の長手方向縁部3bの外側端及び該長手方向縁部に貼着されたストリップテープ9の部分を充分加熱できるようになっている。」及び「溶着部へのポリエチレンの粉等が噛み込んだりすることを防止して良質の溶着を行うことができ、さらに、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが食違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…を配設することにより、より好ましくは、小径ガイドローラを順次ウエブの進行方向に従い先端を傾けて配置することにより、筒状の包装材料ウエブの溶着加工部への下行移動を円滑にすることができるなど、包装部材ウエブの長手方向縁部の溶着のための予備加熱を行うに当り、すぐれた溶着予熱装置を提供することができる。」と、訂正する(訂正事項ウ)、ものである。

訂正事項アは、先の訂正審判の審決において実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とすると認められた訂正により減縮された実用新案登録請求の範囲を、さらに減縮するものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、また、先の訂正審判の審決の理由のとおり、先の実用新案登録請求の範囲の減縮は新規事項に当たらず、また、本件訂正審判で訂正された「前記空気吹き出し面5aに穿設された複数個の空気吹出孔を設け」た点も登録査定時の明細書に記載されているので、訂正事項アは、願書に添付した明細書、又は図面に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、また実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項イは、先の訂正審判の審決の理由のとおり、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
訂正事項ウは、実用新案の詳細な説明の記載を単に訂正事項アに伴い、これを整合するように訂正したものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であり、何れも、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であるから、願書に添付した明細書、又は図面に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

以上のことから、訂正の対象となる明細書が、前回訂正明細書であるとしても、あるいは、実用新案登録査定時の明細書であるとしても、訂正の目的等に違法性はない。

(2)独立実用新案登録要件について
本件実用新案登録第2102350号に係る2件の無効審判事件(平成8年審判第8907号、平成10年審判第35328号)についての当審の審決に対し、東京高等裁判所において各々審決取消の判決(平成9年(行ケ)第93号、平成11年(行ケ)第387号 )がなされたので、上記2件の判決で判断された「進歩性に関する認定判断の誤り」についての判示事項をふまえて、上記訂正後の本件考案(以後、「本件訂正考案」という。)について独立実用新案登録要件の有無を検討する。
(2-1)本件訂正考案
本件訂正考案の要旨は、訂正された実用新案登録請求の範囲の第1項に記載されたとおりのものである。(「1.請求の要旨」参照。)
(2-2)引用例
当審が、平成10年審判第35328号の無効理由で引用した、長崎県経済農業組合連合会が昭和54年7月に大村果汁工場に導入した「テトラブリックAB3」の包装機(以下、「引用例の包装機」という。)は、本件実用新案登録明細書の〔従来の技術〕の欄に記載された溶着予熱装置(第5図参照)に相当するものであって、未溶着のウエブの溶着部の外側となる長手方向縁部を、加熱空気ノズルとガイドローラとの間で、ガイドローラに押しつけるように位置せしめて溶着部の外側となる長手方向縁部の内面を加熱せしめる一方、溶着部の内側となる他の長手方向縁部は、加熱空気ノズルの吹出面の反対側に接近して該縁部を支持案内するために設けられた支持板で該縁部が直接加熱空気ノズルに接触して過熱しないように支持・案内される構成とした包装機であることが認められる。
(2-3)対比・判断
そこで、本件訂正考案と引用例の包装機とを対比すると、引用例の包装機もプラスチックコートされたロール状の包装材料ウエブから、充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機であって、溶着予熱装置としては、溶着部の外側となる長手方向縁部を、加熱空気ノズルと該長手方向縁部の位置規制用のガイドローラとの間で、ガイドローラに押しつけるように位置せしめて長手方向縁部の内面を加熱せしめる一方、溶着部の内側となる他の長手方向縁部は加熱空気ノズルの吹出面の反対側に接近して該縁部を支持・案内するために設けられた支持板で該縁部が直接加熱空気ノズルに接触して過熱しないように支持・案内されるものであるから、本件訂正考案の用語を使用して本件訂正考案と引用例の包装機とを対比すると、両者は、「プスチックコートされたロール状の包装材料ウエブから、充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機において、下部方向へ進行する予め一対の長手方向縁部が間隙をおいて相互に重なるごとく筒状に形成された包装材料ウエブの未溶着状態の長手方向縁部を溶着するための予熱装置であって、前記筒状の包装材料ウエブの進行路に臨んで、該包装材料ウエブの長手方向に所定距離の間設けられた加熱空気ノズルと、筒状に形成された該材料ウエブの外側の長手方向縁部を位置規制して該長手方向縁部の内面を前記加熱空気ノズルの空気吹出面に対面せしめるように軸線を該吹出面に平行に上下方向に配置された複数個のガイドローラと、前記筒状に形成された材料ウエブの内側の長手方向縁部を前記加熱空気ノズルを挟んで前記ガイドローラの反対側で支持するための支持・案内手段とを設け、予め筒状に長手方向縁部が喰違って離間している材料ウエブはやがて内側の長手方向縁部が外側の長手方向縁部に近づくように下降すべく配設された包装機における包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置。」で一致しており、下記の点で相違している。
相違点1;本件訂正考案では、筒状に形成された材料ウエブの内側の長手方向縁部を加熱空気ノズルを挟んでガイドローラの反対側で支持するための支持・案内手段が、複数個の小径ガイドローラであって、該複数個の小径ガイドローラは、その軸線が筒状の包装材料ウエブの進行方向に従い、その先端部が、ガイドローラの側に順次近接するごとく傾斜して配設されているのに対して、引用例の包装機では、筒状に形成された材料ウエブの内側の長手方向縁部を加熱空気ノズルを挟んでガイドローラの反対側で支持するための支持・案内手段が、支持板であって、該支持板上を溶着部の内側となる長手方向縁部を加熱空気ノズルの吹出面の反対側に接近して支持・案内するように配設されている点。
相違点2;本件訂正考案では、加熱空気ノズルは、少くとも、最下端の小径ガイドローラの上方位置において、加熱空気ノズルの吹出面の反対側に、筒状の包装材料ウエブの内側の長手方向縁部の外側端に臨むごとく空気吹出孔を設けたものであるのに対して、引用例の包装機では、加熱空気ノズルに上記本件訂正考案のような空気吹出孔が設けられていない点。
上記相違点1,2について検討するに、材料ウエブの支持・案内手段にガイドローラを採用することは、当業者にとって周知慣用の技術(例えば、実願昭52-109130号(実開昭54-36671号)のマイクロフィルム、特開昭52-119685号公報等参照。)にすぎないものと認められるから、当業者がこの周知慣用手段を引用例の包装機に適用することにより、本件訂正考案の上記相違点1のように、筒状の包装材料ウエブの長手方向縁部の支持・案内手段として、引用例の包装機の支持板に代えて、複数個の小径ガイドローラを採用し、該複数個の小径ガイドローラを、その軸線が筒状の包装材料ウエブの進行方向に従い、その先端部が、ガイドローラの側に順次近接するごとく傾斜して配設することは、当業者がきわめて容易に想到し得たものである。
しかしながら、引用例の包装機では、加熱空気ノズルの吹出面は、材料ウエブの外側の長手方向縁部に向けて形成されているのみであって、本件訂正考案の上記相違点2のように材料ウエブの内側の長手方向縁部の外側端に臨むごとく空気吹出孔を設けてはいないものであり、又、支持板は、材料ウエブの内側の長手方向縁部が直接加熱空気ノズルに接触して過熱しないように支持・案内するために設けられ、材料ウエブの内側の長手方向縁部の外側端と加熱空気ノズルとの間を隔離するものであるから、引用例の包装機では、材料ウエブの内側の長手方向縁部の外側端に臨むごとく空気吹出孔を設けるための動機付けが存在しないものである。
そうすると、当業者といえども、引用例の包装機並びに上記周知慣用の技術事項からは、引用例の包装機の支持板に代えて上記ウエブ用のガイドローラに関する周知慣用手段に倣って、複数個の小径ガイドローラを、その軸線が筒状の包装材料ウエブの進行方向に従い、その先端部が、ガイドローラの側に順次近接するごとく傾斜して配設することを想到できるにとどまるものであって、本件訂正考案の上記相違点2のように材料ウエブの内側の長手方向縁部の外側端に臨むごとく空気吹出孔を設けることまでも想到できるものとは認めることができない。
したがって、本件訂正考案は、引用例の包装機並びにウエブ用のガイドローラに関する周知慣用の技術事項に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認めることができない。
また、他に本件訂正考案について、独立実用新案登録要件がないとする証拠も発見しない。
(2-4)まとめ
よって、本件訂正考案が、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができない考案とすることはできない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、平成5年法律第26号附則第4条第2項において読み替えられた平成5年法改正前の実用新案法(旧実用新案法)第39条第1項に規定された期間に請求されたものであり、その訂正は同じく読み替えられた旧実用新案法第39条第1項のただし書並びになお従前の例とされる旧実用新案法第39条第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
包装機における包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
1 プラスチックコートされたロール状の包装材料ウエブから、充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機において、下部方向へ進行する予め一対の長手方向縁部3a,3bが間隙をおいて相互に重なるごとく筒状に形成された包装材料ウエブ3の未溶着状態の長手方向縁部3a,3bを溶着するための予熱装置Aであって、前記筒状の包装材料ウエブ3の進行路に臨んで、該包装材料ウエブ3の長手方向に所定距離の間設けられた加熱空気ノズル5と、筒状に形成された該材料ウエブ3の外側の長手方向縁部3aを位置規制して該長手方向縁部3aの内面を前記加熱空気ノズル5の空気吹出面5aに対面せしめるように軸線を該吹出面5aに平行に上下方向に配置された複数個のガイドローラ6a,6b,…と、前記筒状に形成された材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bを前記加熱空気ノズル5を挟んで前記ガイドローラ6a,6b、…の反対側で支持するための複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…とを設け、予め筒状に長手方向緑部3a,3bが喰違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…が、その軸線が前記筒状の包装材料ウエブ3の進行方向に従い、該小径ガイドローラ7a,7b,…の先端部が、前記ガイドローラ6a,6b,…の側に順次接近するごとく傾斜して配設され、前記加熱空気ノズル5には、前記空気吹出面5aに穿設された複数個の空気吹出孔を設け、また、少くとも、最下端の小径ガイドローラの上方位置において、前記吹出面5aの反対側に、前記筒状の包装材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bの外側端に臨むごとく、空気吹出孔8を設けたことを特徴とする包装機における包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置。
【考案の詳細な説明】
〔従来の技術〕
従来、牛乳やジュース等液体食品を充填したブリック形(煉瓦状)のパック容器を製造するには、予め折目を設けスプリングコートした包装材料ウエブから包装機の充填部で長いチューブ状部材を形成して内容物を充填するようにしている。
このチューブ状部材の形成に当っては、普通平坦な帯状の材料ウエブの長手方向の一方の縁部に、容器内面における溶着した紙の端縁をカバーするためのストリップテープを貼着した後、逐次ローラ等のガイド部材で筒状に形成して行き、ウエブの長手方向の両方の縁部を重合して筒状とし溶着を行っている。この溶着のための筒状に形成されたウエブの長手方向縁部の加熱には、従来では、進行する筒状の未溶着のウエブに対する加熱空気ノズル部の横断面図(第5図)が示すように、溶着部の外側となる長手方向縁部3aを、加熱空気ノズル5と該長手方向縁部3aの位置規制用のガイドローラ6との間で、ガイドローラ6に押しつけるように位置せしめて長手方向縁部3aの内面を加熱せしめる一方、溶着部の内側となる他の長手方向縁部3bは加熱空気ノズル5の吹出面5aの反対側に接近して該縁部3bを支持案内するために設けられた支持板11で該縁部が直接加熱空気ノズル5に接触して過熱しないように支持しガイドに行って来た。
〔考案が解決しようとする問題点〕
このような従来の予熱装置に於ては、下方向へ進行する予め筒状に形成された両方の長手方向縁部3a,3bが未溶着状態の包装材料ウエブ3の内側の縁部3bを支持案内するための支持板11は、平板状でテフロン加工を施したものであるが、加熱空気ノズル1に対して固定されているため、該包装材料ウエブ3が下部方向に進行する場合、こすれにより往々にしてテフロンが剥がれ、摺接して移動する材料ウエブ3との摩擦が増大して該ウエブ3の表面を荒したり、支持板11表面には材料ウエブ3に被覆してあるポリエチレンの滓が付着して堆積し、これが剥がれてウエブに付着してウエブ表面を汚したり、溶着部にそれらの粉が噛み込んだりする問題があった。また、筒状に形成された未溶着の材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bに貼着されたストリップテープ9が、該ウエブ3の外側の長手方向縁部3aに対し不充分に溶着されることがあった。
本考案は上記の点に鑑みてなされたものであって、擦れによりウエブ表面が荒れたり、ポリエチレンの滓がウエブ表面に付着したりしてウエブの外観を損ねるのを防止するのと共に、溶着部にポリエチレンの粉などが噛み込むのを防止する一方、筒状の材料ウエブの未溶着の内側の長手方向縁部3bが円滑に移動できるようにし、さらには、筒状の材料ウエブ3の内側の長手方向縁部3bに予め貼着されたストリップテープ9が外側の長手方向縁部3bの内面に完全に溶着できるような包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案においては、プラスチックコートされた包装材料ウエブから内容物を充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機で、下部方向へ進行する予め一対の長手方向縁部3a,3bが間隙をおいて相互に重なるごとく筒状に形成された長手方向縁部3a,3bが未溶着状態の包装材料ウエブ3の進行路に臨んで、該包装材料ウエブ3の長手方向に所定距離の間設けられた加熱空気ノズル5と、筒状に形成された材料ウエブ3の外側の方の長手方向縁部3bを位置規制して案内し該長手方向縁部3aの溶着面である内面を前記加熱空気ノズル5の空気吹出面5aに対面せしめるようにその軸線を該吹出面5aに平行に上下方向に配置された複数個のガイドローラ6a,6b,……と、前記筒状に形成された材料ウエブ3の内側の方の長手方向縁部3bを前記加熱空気ノズル5を挟んで前記ガイドローラ6a,6b,……の反対側で支持案内するための複数個の小径ガイドローラ7a,7b,……とを設けることにより包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置を構成し、さらに、少くとも最下端の小径ガイドローラの上方位置において、前記吹出面5aの反対側の面に、前記筒状の包装材料ウエブ3の内側の長手方向縁3bの外側端に臨むように空気吹出孔8を穿設して、ストリップテープ9の貼着部分を加熱し、溶着予熱装置を構成している。
〔作用〕
本考案の溶着予熱装置では、筒状に形成された長手方向縁部3a,3bが未溶着状態の包装材料ウエブ3が下部方向へ進行するとき、該ウエブ3の筒状の内側の長手方向縁部3bは、小径ガイドローラ7a,7b,……に規制案内されて転り接触で移動するため、摺動での移動のように接触面における材料ウエブにコートされたプラスチック部分が摩擦の影響を受けることがなく、特に固定支持板の場合のようにテフロンが剥がれて摩擦が増えるようなこともなく、接着部近傍の表面の荒れを防止することができ、また、小径ガイドローラ7a,7b,……の表面にポリエチレンの滓がたまりこれが剥がれてウエブ表面に付着するということがなく、ウエブ表面を汚すことを防止でき、さらに、溶着部へのポリエチレンの粉の噛み込みを防止し良好な溶着を行うことができるとともに、予め筒状に形成された包装材料ウエブの溶着部である一対の長手方向縁部3a,3bは間隙をおいて相互に重なるごとく形成されているため、加熱後効率良く溶着することができる。一方、加熱空気ノズル5の下方の吹出面5aと反対側に設けられる空気吹出孔8により、内側の長手方向縁部3bの外側端およびストリップデーブ9の部分を加熱して、ストリップテープ9部分を外側の長手方向縁部3b裏面へ充分に溶着せしめることができる。この場合、内側の長手方向縁部の外側端の付近は加熱しすぎないように孔位置を設定する必要がある。
〔実施例〕
本考案の実施例を添付の図面に基いて説明する。
本考案の溶着予熱装置は、牛乳やジュース等液体食品を充填レたブリック形(煉瓦状)のパック容器を製造するための包装機の充填部に設置されるもので、第2図は、本考案溶着予熱装置Aの全体の正面図を示し、第3図は、包装機を通る材料ウエブの通路を示す図式的な斜視図で、該溶着予熱装置Aの配置を示している。包装機(輪郭を図示せず)においては、包装材料ウエブ1がロール2の形状でその下側の後方部分(第3図では左の部分)に保持されており、該包装材料ウエブ1は、中心の紙の担体と、アルミニューム箔の層を有し、液密で熱シール可能な樹脂材料、通常ポリエチレンでコートされている。包装材料ウエブ1は、ロール2の部分から繰り出され、幾つかの反転及び案内ローラを介して上方へ延び、折目線への加工手順が行われ、上側方(第3図で左側)の小ロールから繰り出されたストリップテープ9を材料ウエブ1に貼着し、殺菌作業が行われ、折目線がウエブの送りに整合された状態で、材料ウエブ1は上方からほぼ垂直下方へ導かれる。このとき、材料ウエブ1の下降の際の運動進路に沿って配列された筒状への曲げ成形部材の助けで材料ウエブは円弧状から逐次的げられて最下端の曲げ成形部材13〔通常ウエブの通路を囲んだ複数個の鼓形ローラ(図示せず)で形成される〕を通過して2つの長手方向縁部3a,3bが相互に重なるような状態で筒状に形成されて下降する。該最下端の曲げ成形部材13の下方には、前記2つの長手方向縁部3a,3bの溶着に先立ち予め溶着面を加熱するための予熱装置Aが配設され、筒状の材料ウエブ3は、その長手方向縁部を予備加熱された後、溶着加工部で内外側からの圧力で相互に合体され長方向の液密継目を有する材料チューブ3′が作られる。材料チューブ3′は下方へ連続的に移動される際、上方から延びた充填管10により所望の内容物を充填される。而して下方に設けられた図示しない密封用ジョーと成形フラップとを有する加工装置で充填、閉鎖された包装容器ブランク4に変換される。このようにして形成される包装容器ブランク4は、材料チューブ3′から分離された後、図示しない最終折曲げ装置に送られ、ほぼ平行6面体の包装容器に成形される。
第1図a?第1図cは、前記溶着予熱装置Aと該予熱装置Aを通過して垂直下方向へ移動する筒状の包装材料ウエブ3の2つの未溶着状態の長手方向縁部3a,3bとの位置関係を上部より順次示した横断面図で、第1図aは、第2図のI-I視による、第1図bは第2図のII-II視による、第1図cは第2図のIII-III視によるそれぞれの横断面図であって、第4図は、本装置の上面図である。
加熱空気ノズル5は、該ノズル5に加熱空気を送り込むための送気管12にその上下方向の中間部で接続されたノズル基箱5cの片側に、筒状の包装材料ウエブ3の進行路に沿って、垂直方向に所定長設けられている。該加熱空気ノズル5は、前記筒状の包装材料ウエブ3の内外に喰い違って若干オーバーラップしている2つの長手方向縁部3a,3bの間に該縁部から適当な間隔をおいて挿入されるように、端部断面がU字形の所定に内隙を有するもので、その基部は広げられて断面が矩形のノズル基箱5cに取付けられており、外側の平らな空気吹出面5cには加熱空気ノズル5の全長にわたって所定位置に複数個の空気吹出孔5a′が穿設され、後述するガイドローラ6a,6b,6cにより位置規制されて下降するウエブの外側の長手方向縁部3aの内面を加熱するようになっている。加熱空気ノズル5の下端に近い場所には、前記空気吹出面5aの反対側に少数個の空気吹出孔8が材料ウエブの内側の長手方向縁部3bの外側端に臨むように設けられている。加熱空気ノズル5のウエブの外側の長手方向縁部3aの通路を挟んで外側には、ガイドローラ6a,6b,6cが、筒状の包装材料ウエブ3の外側の方の長手方向縁部3aを位置規制して該長手方向縁部3aの内面を前記加熱空気ノズル5の外側の空気吹出面5aに平行して対面せしめるように、それぞれローラ軸線を該空気吹出面5aに平行になるように上下方向に配設されている。すなわち、最上部にはガイドローラ6aが支持部材15aを介して、中間部には、ガイドローラ6bが支持部材15bを介して、最下部にはガイドローラ6cが支持部材15cを介して、それぞれノズル基箱5cに取付けられている。そして、上下の支持部材15a,15cは、中間部材を介して機体本体のフレーム16に取付けられる。 前記加熱空気ノズル5を挟んで前記ガイドローラ6a,6b,6cの反対側には、材料ウエブの対向する外側の長手方向縁部3aと内側の長手方向縁部3bとの間に挿入可能な所定の小径のガイドローラ7a,7b,7cが、前記上、中、下の各ガイドローラ6a,6b,6cのそれぞれの間と、最下端のガイドローラ6cの下方に近接して配置され、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが喰違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…が配設されている。実施例について説明すると、該小径ガイドローラ7a,7b,7cの先端部は前記ガイドローラの側に、すなわちガイドローラ6a,6b,6cのローラ側面に接して移動するウエブの長手方向縁部3aの内面に順次近接するように配置されており、前記空気吹出面5aの反対側の空気吹出孔8は、最下部の小径ガイドローラ7cの上方位置にあって、内側の長手方向縁部3bの外側端及び該長手方向縁部に貼着されたストリップテープ9の部分を充分加熱できるようになっている。このようにすることにより、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが喰違ってオーバーラップしている材料ウエブ3は下降するに従い、順次、内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降するため、円滑に内外の縁部を溶着する溶着加工部に到着せしめることができ、また、長手方向縁部の溶着に当りストリップテープ部分も良好に溶着せしめることができる。
この場合、内側の長手方向縁部3bを支持する小径ガイドローラ7a,7b,7cは、外側の長手方向縁部3aを支持するガイドローラ6a,6b,6cと異なり、ウエブの溶着面側を支持するため、前記吹出面5aと反対側に前記ノズル5下部に穿設される空気吹出孔8は、最下端の小径ガイドローラ7cの上方位置近傍で、少くとも前記内側の長手方向縁部3bの端縁が加熱されて該縁部表面にコートされたプラスチック熔融して小径ガイドローラに付着するのを防止する程度にして該長手方向縁部3bの外側端に臨ましめることが必要である。このような構成により、筒状の包装材料ウエブ3の2つの長手方向縁部3a,3bが転がり接触で案内されて下方へ移動するため、該縁部の溶着に際して、摺動接触により発生する前記各種の問題を解消することができる。
〔考案の効果〕
上記の説明より明らかなように、本考案によれば、ロール状の包装材料ウエブから、充填され且つ密封された包装物を製造するための包装機において、一対の長手方向縁部が間隙をおいて相互に重なるごとく筒状に形成された包装材料ウエブの未溶着状態の長手方向縁部を溶着予熱するに当たり、ガイドローラ6a,6b,6c…により長手方向縁部3aを、小径ガイドローラ7a,7b,…により長手方向縁部3bを位置規制しながら下部方向へ導く過程で、長手方向縁部3aの内面を加熱するため、筒状の包装材料ウエブを円滑に移動しながら前記内面を予備加熱することができる。すなわち、前記該縁部の支持案内用に従来の予熱装置において固定支持板を用いたときのように摺動移動により材料ウエブにコートされたプラスチック部分が摩擦の影響を受けることがないため、材料ウエブの溶着部及びその近傍の表面の荒れを防止することができる。また、ポリエチレンの滓などが固定支持板のときのようにローラ面にたまることがないため、その滓がウエブ表面に付着してウエブ表面を汚したり、また、溶着部へのポリエチレンの粉等が噛み込んだりすることを防止して良質の溶着を行うことができ、さらに、予め筒状に長手方向縁部3a,3bが喰違って離間している材料ウエブ3はやがて内側の長手方向縁部3bが外側の長手方向縁部3aに近づくように下降すべく前記複数個の小径ガイドローラ7a,7b,…を配設することにより、より好ましくは、小径ガイドローラを順次ウエブの進行方向に従い先端を傾けて配置することにより、筒状の包装材料ウエブの溶着加工部への下行移動を円滑にすることができるなど、包装部材ウエブの長手方向縁部の溶着のための予備加熱を行うに当り、すぐれた溶着予熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図?第4図は、本考案の実施例を示すもので、第1図aは、本考案装置である第2図のI-I視による横断面図、第1図bは、本考案装置である第2図のII-II視による横断面図、第1図cは、本考案装置である第2図のIII-III視による横断面図、第2図は、本考案装置の正面図、第3図は、包装機を通る材料ウエブの通路を示す図式的な斜視図、第5図は、従来の溶着予熱装置の筒状の未溶着のウエブに対する加熱空気ノズル部の横断面図、である。
1……包装材料ウエブ、3……筒状の包装材料ウエブ、3a……外側の長手方向縁部、3b……内側の長手方向縁部、5……加熱空気ノズル、5a……空気吹出面、5a′……空気吹出孔、6a,6b,6c……ガイドローラ、7a,7b,7c……小径ガイドローラ、8……空気吹出孔、9……ストリップテープ、A……溶着予熱装置。
訂正の要旨 訂正の要旨
審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2003-02-05 
結審通知日 2003-02-10 
審決日 2003-02-25 
出願番号 実願昭62-90687 
審決分類 U 1 41・ 811- Y (B65B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 桜井 義宏蓮井 雅之  
特許庁審判長 吉国 信雄
特許庁審判官 杉原 進
小林 武
鈴木 美知子
市野 要助
登録日 1996-02-09 
登録番号 実用新案登録第2102350号(U2102350) 
考案の名称 包装機における包装材料ウエブの長手方向縁部の溶着予熱装置  
代理人 日野 修男  
復代理人 日野 修男  
代理人 清水 正三  
代理人 清水 正三  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ