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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て一部成立) A47J
管理番号 1076559
審判番号 無効2000-35427  
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2003-06-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-08-04 
確定日 2003-03-24 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の登録第2027651号「固形燃料用卓上こんろの内枠受容器」の実用新案登録無効審判事件についてされた平成13年 9月26日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成13(行ケ)年第485号平成14年10月28日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2027651号の請求項1及び2に係る考案についての実用新案登録を無効とする。 実用新案登録第2027651号の請求項3に係る考案についての審判請求は、成り立たない。 審判費用は、その3分の1を請求人の負担とし、3分の2を被請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件登録第2027651号実用新案は、平成2年6月14日に実用新案登録出願がされ、平成5年10月15日に出願公告され、平成6年8月4日に設定の登録がなされたものである。
その後、平成12年8月4日にその実用新案登録について株式会社ニチネンより実用新案登録無効審判の請求がなされ、平成12年11月24日に被請求人株式会社砺波商店より答弁書及び訂正請求書が、また、平成13年4月2日に請求人より弁駁書がそれぞれ提出され、平成13年9月26日に「訂正を認める。本件審判の請求は、成り立たない。」との審決がなされたところ、東京高等裁判所において審決取消しの判決(平成13年(行ケ)第485号、平成14年10月28日判決言渡)があった。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
被請求人が求めている訂正の内容は、
a.願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された
「固形燃料用卓上こんろに載置して使用する内枠受容器であって、受容器主体(1)の底部に中央孔(14a)を有する加熱筒(14)を上方に向かって突設すると共に、該加熱筒(14)の外周と前記受容器主体(1)の内周壁部(15)間に水溜め用周溝(16)を形成し、更に、前記受容器主体(1)の上部開口縁にプレート(2)を着脱自在に装着したことを特徴とする固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。」を
「固形燃料用卓上こんろに載置して使用する内枠受容器であって、下半部(12)が上記こんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成された受容器主体(1)の底部に中央孔(14a)を有する加熱筒(14)を上方に向かって突設すると共に、該加熱筒(14)の外周と前記受容器主体(1)の内周壁部(15)間に水溜め用周溝(16)を形成し、更に、前記受容器主体(1)の上部開口縁にプレート(2)を着脱自在に装着したことを特徴とする固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。」と訂正する。

b.明細書の〔課題を解決する手段〕の欄及び〔考案の効果〕の欄に記載された「受容器主体(1)」(平成2年8月11日付け手続補正書で補正された全文補正明細書第3頁18行及び同第14頁17行)を「下半部(12)が上記こんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成された受容器主体(1)」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否
上記aの訂正は、好適なこんろを選択してこれに載置した場合に、受容器主体の下半部が当該こんろの開口部内に嵌まり込むことができる形状を有していなければならないことを規定する構成を付加するものであると解される。即ち、好適なこんろを選択してこれに載置するという使用態様を想定することを通じて、受容器自体の構成を規定したものといえる。そして、このように解する限り、当該構成が、本件考案の対象となり得る範囲を限定するものであって、その付加は実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものであり、同bの訂正は、登録明細書の考案の詳細な説明の記載を、訂正後の実用新案登録請求の範囲の記載と整合するようにしたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。そして、上記a、bの訂正はいずれも願書に添付した明細書の考案の詳細な説明の欄の「実施例」の欄の「下半部(12)が該こんろ(3)の開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成され」(平成2年8月11日付け手続補正書で補正された全文補正明細書第7頁6?7行、出願時の明細書第7頁2?3行)との記載に基づくものであるから、いずれも新規事項の追加に該当せず、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成5年法律第26号附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される平成5年法改正前の実用新案法第40条第2項ただし書きの規定及び同条第5項の規定において準用する実用新案法第39条第2項に規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.本件考案
よって、本件の請求項1?3に係る考案(以下、「請求項1?3に係る考案」をそれぞれ「本件考案1」?「本件考案3」という。)は、訂正明細書の請求項1?3に記載された以下の通りのものである。

「1. 固形燃料用卓上こんろに載置して使用する内枠受容器であって、下半部(12)が上記こんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成された受容器主体(1)の底部に中央孔(14a)を有する加熱筒(14)を上方に向かって突設すると共に、該加熱筒(14)の外周と前記受容器主体(1)の内周壁部(15)間に水溜め用周溝(16)を形成し、更に、前記受容器主体(1)の上部開口縁にプレート(2)を着脱自在に装着したことを特徴とする固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。
2. プレート(2)は平板状または上方に向かって部分球殻状に湾曲した凸曲板状に形成されており、且つ該プレート(2)の前記受容器主体(1)の加熱筒(14)と対向する中央部位には無孔部(21)が形成されていると共に、このプレート(2)の外周縁と前記無孔部(21)間には適宜形状及び大きさを有する複数個の通孔(22)(22)…(22)が穿設されている請求項1記載の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。
3. 加熱筒(14)に嵌脱自在に装着されて該加熱筒(14)の上端開口部を閉塞するキャップ体(4)が設けられている請求項1記載の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。」

4.請求人の主張
これに対して、請求人は、以下の甲第1号証の1?甲第2号証の5、及び参考資料1?22を提出し、
無効理由1(新規性)
イ、本件考案1、2は、本件考案の出願前に頒布された甲第1号証の1及び2に記載された考案と同一であって、実用新案法第3条第1項の規定に違反して登録されたものであり、また、
ロ、本件考案1、2は、甲第2号証の1の「商品カタログ」及び甲第2号証の2の「焼肉器の取扱説明書」に記載された考案と同一であり、しかも、甲第2号証の4の納品書及び請求書から上記「商品カタログ」が本件考案の出願前に頒布されたことが明らかであり、さらに甲第2号証の5の経理台帳より上記商品カタログに示された焼肉器が本件考案の出願前に販売されたことが明らかであるから、実用新案法第3条第1項の規定に違反して登録されたものであり、さらに、
無効理由2(進歩性)
本件考案1?3は、甲第1号証及び甲第2号証又は参考資料1?22に記載された考案に基づき当業者がきわめて容易に考案することができたものであって、実用新案法第3条第2項の規定に違反して登録されたものであるから、同法第37条第1項第1号の規定により無効とすべきものである旨主張している。

甲第1号証の1 実開昭57-67615号公報
甲第1号証の2 実願昭55-144977号(実開昭57-67615号)のマイクロフィルム
甲第1号証の3 上記出願のパトリスデータシート
甲第2号証の1 商品カタログ(山正鋳造株式会社)
〃 の2 焼肉器の取扱い説明書(同上会社)
〃 の3 同上焼肉器の写真(写し)
〃 の4 納品書及び請求書(写し)(同上会社宛)
〃 の5 経理台帳(写し)
参考資料 1 実開昭53- 3768号公報
〃 2 実開昭58- 71339号公報
〃 3 実開昭58- 94435号公報
〃 4 実開昭58-152225号公報
〃 5 実開昭54-109655号公報
〃 6 実開昭54-151660号公報
〃 7 実開昭54-109654号公報
〃 8 実開昭55- 39058号公報
〃 9 実開昭55-105036号公報
〃 10 実開昭55-107834号公報
〃 11 実開昭55-136418号公報
〃 12 実開昭55- 60820号公報
〃 13 実開昭56-176627号公報
〃 14 実開昭56-128131号公報
〃 15 実開昭56- 32617号公報
〃 16 実開昭54- 68号公報
〃 17 実開昭54- 16764号公報
〃 18 実開昭61-118534号公報
〃 19 実開昭53-108459号公報
〃 20 実開昭53-110265号公報
〃 21 実開昭53-122257号公報
〃 22 実開昭53- 51371号公報

5.被請求人の主張
一方、被請求人は、本件考案1及び2は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明と同一ではなく、また、本件考案1?3は、甲第1号証及び甲第2号証並びに参考資料1?22に基づいて当業者がきわめて容易に考案し得るものではないので、本件審判の請求は成り立たない旨主張している。

6.甲各号証の記載内容
請求人が提示した甲各号証には次の記載が認められる。
(1)甲第1号証
甲第1号証の2(実願昭55-144977号(実開昭57-67615号)のマイクロフィルム)の明細書第2頁9行?第4頁3行には、「本考案は焼肉用なべに関する。‥‥‥1はなべ底本体であって、該なべ底本体は第2図で明らかな通り中央内部を中空の筒状体2に形成し、該筒状体と本体外周内部との間には環状溝3が形成される。4は外周壁内部上面に形成された肩段であって、次述する焼板の周端縁を係合載置させるようになす。5は焼板であって中央が山高となる円弧状に形成されてなり、周端縁には前記なべ底本体1の肩段4と係合するための鍵段6が形成される。しかして該鍵段は少し上方に向けて突出するようになして設けられるのであり、該鍵段6の内周面側には多数の透孔7が穿設されてなる。こゝに該透孔7は焼板5を載置したさい、なべ底本体1の環状溝3上に位置するようになされるのであり、且つ該透孔7に対して焼板上面からは放射状の条溝8が穿設される。(第1図参照)‥‥‥また筒状体の中空内部は焜炉の火を焼板5底面部に効果的に集中照射されるようになさしめるのであって、これらのために環状溝3の溝巾Sと筒状体2の内径dとの割合は極めて重要であるが、本考案者の種種の実験結果によれば凡そ1:3となるように設計するのが良好的といえる。」ことが図面とともに記載されている。

(2)甲第2号証
甲第2号証の1の商品カタログの第12頁の品番3-18の写真には焼肉器の全体構成が示されている。
甲第2号証の2の焼肉器の取扱説明書の製品の仕様の欄の図面には、焼肉器を構成する本体、網、過熱防止板それぞれの斜視図が示されているとともに、「熱源はガスコンロをご使用下さい。(炭火でも使用できます。)」との記載が、また、使用方法の欄には、
「1.本体をコンロの五徳中央にのせ、本体中央穴の上部から1cmくらい下の位置まで水を入れます。
2.中央の穴に過熱防止板を平らになるようにのせ、最後に網をセットします。点火し、少し熱く(120℃位)なったらサラダオイルを網に充分しみこませてから焼いて下さい。」との記載がある。
甲第2号証の3の焼肉器の写真(写し)には、焼肉器本体に網をセットした状態及び焼肉器本体が示されている。

7.対比・判断
・本件考案1について
本件考案1とその出願前に頒布された甲第1号証の1及び2に記載された考案とを対比すると、甲第1号証の1及び2に記載された「なべ底本体1」、「筒状体2」、「環状溝3」、「焼板5」、「焼肉用なべ」は、それぞれ本件考案1の「受容器主体」、「加熱筒」、「水溜め用周溝」、「プレート」、「内枠受容器」に相当するから、両者は「こんろに載置して使用する内枠受容器であって、受容器主体の底部に中央孔を有する加熱筒を上方に向かって突設すると共に、該加熱筒の外周と前記受容器主体の内周壁部間に水溜め用周溝を形成し、更に、前記受容器主体の上部開口縁にプレートを着脱自在に装着したことを特徴とするこんろの内枠受容器」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点)本件考案1が、使用するこんろを、固形燃料用卓上こんろに限定するとともに、受容器主体の下半部をこんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成したのに対し、甲第1号証の1及び2には、使用するこんろの種類について、及び、受容器主体の下半部の大きさを焜炉の開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成することについて何も記載されていない点。

そこで、上記相違点のうち、まず、受容器主体の下半部をこんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成した構成について検討するに、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲には、固形燃料用卓上こんろの開口部の大きさを明示的に限定する記載はなく、また、固形燃料用卓上こんろにも種々の形状、サイズのものがあって、「固形燃料用卓上こんろ」との文言自体から、当該こんろが、一人前程度の料理を調理するものであるとか、その大きさや形状が特定されるということはできないから、当該構成が、受容器主体の下半部の絶対的な大きさを規定したものではなく、好適なこんろを選択してこれに載置するという使用態様を想定することを通じて、受容器自体の構成を規定したものと理解すべきものである。そこで、このような観点から、甲第1号証の1及び2に記載の考案を見るに、甲第1号証の1及び2の第2図と本件考案に係る実用新案公報の第2図の対比から明らかなように、ともに、受容器(甲第1号証の1及び2のなべ)の肩部に下半部よりも大径の周段部を有しており、当該周段部を、好適に選択されたこんろの五徳部に載置した場合、受容器主体の下半部がこんろの開口部内に嵌まり込むようになる形態を有することは明らかである。そうすると、甲第1号証の1及び2は、本件考案1の規定する表現をもって、上記構成を記載するものではないが、実質的には甲第1号証の1及び2に記載の考案も当該構成を備えるものにほかならない。したがって、「受容器本体の下半部をこんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成した」構成について、本件考案1と甲第1号証の1及び2に記載の考案との間に実質的な相違はないというべきである。
次に、使用するこんろを「固形燃料用卓上こんろ」に限定するとの点について検討する。
まず、本件考案1は、「固形燃料用卓上こんろに載置して使用する内枠受容器であって・・・を特徴とする固形燃料用卓上こんろの内枠受容器」と規定するものであり、その対象とする物品は「内枠受容器」自体であるから、「固形燃料用卓上こんろに載置して使用する」、「固形燃料用卓上こんろの」との要件も、内枠受容器自体の構成を限定するものと解すべきものである。しかし、本件考案1のその余の構成に照らして、本件考案1の内枠受容器が、固形燃料用卓上こんろへの使用に特化された特殊な構成をそれ自体として備えているとも解し得ない上、これが、特に一人前程度の料理を調理するための受容器として特定されているものでないことは上記のとおりである。しかも、本件考案1の「こんろに載置して使用する内枠受容器」が、具体的には、ジンギスカン鍋、湯豆腐鍋、野菜妙め用プレート等に用いることを想定していることは、訂正明細書の記載から明らかであるところ、この種の調理器具は、その使用するこんろが卓上こんろか否か、その熱源が固形燃料であるか否かにかかわらず、多種多様なこんろに互換性をもって汎用的に用いられるのが通常であって、使用するこんろの種類に応じて自ずとこれに対応する鍋等が定まるという関係にあるといえないことも自明のことである。そうすると、「固形燃料用卓上こんろに載置して使用する」、「固形燃料用卓上こんろの」との実用新案登録請求の範囲の記載は、受容器自体の構成として、「固形燃料用卓上こんろに載置して使用するに適する形状を具備する」との趣旨を規定したものと解するのが相当である。
そこで、甲第1号証の1及び2に記載の考案の「焼肉用なべ」が当該構成を備えるものかどうかを見るに、甲第1号証の1及び2には、当該「焼肉用なべ」が固形燃料用卓上こんろに使用される旨の明示の記載はないものの、第1、第2図に示された形状からして、固形燃料用卓上こんろに載置して使用することも何ら妨げられないと解されるものであり、むしろ、好適なこんろを選択してこれに載置した場合には、受容器主体の下半部をこんろの開口部内に嵌まり込む態様で使用することのできる形状を備えていることは既に述べたとおりである。被請求人は、甲第1号証の2の明細書第3頁末行?第4頁5行目の記載を根拠に、甲第1号証の1及び2に記載の考案はガスこんろのバーナの使用が前提とされている旨主張するが、その該当部分の記載は、「環状溝3の溝巾Sと筒状体2の内径dとの割合は極めて重要であるが、本考案者の種種の実験結果によれば凡そ1:3となるように設計するのが良好的と言える。これを実施例で示すとD=250mm、d=150mm、S=50mmであり・・・」というものであって、環状溝3の溝巾Sと筒状体2の内径dとの相対的な大小関係(比率)に主眼のある記載であることが明らかであって、使用すべきこんろの種類を限定的に示す記載であるとは認められない。
そうすると、甲第1号証の1及び2に記載の考案も、固形燃料用卓上こんろに載置して使用するに適する形状を備えるものにほかならないから、「固形燃料用卓上こんろに載置して使用する」、「固形燃料用卓上こんろの」との構成においても、本件考案1と甲第1号証の1及び2に記載の考案との間に実質的な相違はないというべきである。
そして、甲第1号証の1及び2に記載の考案の「焼肉用なべ」を使用すべき適当な固形燃料用卓上こんろがなかったとしても、これを固形燃料用卓上こんろに載置して使用するに適する形状とする程度のことは、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎないというべきであり、したがって、本件考案1は、甲第1号証の1及び2に記載の考案に基づいてきわめて容易に想到し得たものというべきである。
また、作用効果に関しても、甲第1号証の1及び2に記載の考案の焼肉用なべにおいても、本件考案1と実質的に共通する構成を備える以上、これに基づいて、当業者の当然に予測し得る作用効果にすぎないというべきである。

・本件考案2について
本件考案2は、請求項1を引用し、さらに「プレート(2)は平板状または上方に向かって部分球殻状に湾曲した凸曲板状に形成されており、且つ該プレート(2)の前記受容器主体(1)の加熱筒(14)と対向する中央部位には無孔部(21)が形成されていると共に、このプレート(2)の外周縁と前記無孔部(21)間には適宜形状及び大きさを有する複数個の通孔(22)(22)…(22)が穿設されている」なる構成を付加、限定するものであるが、かかる構成は甲第1号証の1及び2に記載されている。
したがって、本件考案2も、本件考案1と同様の理由により、甲第1号証の1及び2に記載の考案に基づいてきわめて容易に想到し得たものというべきである。

・本件考案3について
本件考案3は、請求項1を引用し、さらに「加熱筒(14)に嵌脱自在に装着されて該加熱筒(14)の上端開口部を閉塞するキャップ体(4)が設けられている」なる構成を付加、限定するものである。
本件考案3と甲第1号証の1及び2、甲第2号証の1?3および参考資料1?22とを対比すると、甲第1号証の1及び2、甲第2号証の1?3及び参考資料1?22のいずれにも、本件考案3の構成要件である加熱筒(14)に嵌脱自在に装着されて該加熱筒(14)の上端開口部を閉塞するキャップ体(4)が設けられている点について記載されておらず、示唆もされていない。
甲第2号証の2には、焼肉器本体中央に設けた穴に載せる「過熱防止板」なるものが記載されているが、該過熱防止板が、本件考案3のキャップ体と同様に、焼肉器本体中央の穴を閉塞して、燃焼炎が筒状体(本件考案の加熱筒)を通過するのを防止するものなのか、あるいは、過熱防止板に穴を設けたり、過熱防止板と筒状体上端部との間に隙間を有して載置されるようにしたりして、単に、加熱筒を通過する燃焼炎を減少させるようにしたものなのかは、甲第2号証の1ないし3からは読み取ることはできない。
そして、本件考案3は、上記構成を有することにより、本件明細書に記載された「キャップ体4により加熱筒14を閉塞すると共に、適宜な蓋体を用いて受容器主体1の開口部を閉塞することにより、水溜め用周溝16に溜めた水を加熱沸騰させて、プレート2上の材料を高圧蒸気で蒸すことができるので、蒸し物料理もでき、又、加熱筒14にキャップ体4を被せて、プレート2を取除くと共に、やゝ多量の水を水溜め用周溝16に入れることにより、副次的に簡単な湯豆腐等の料理も行える」という作用効果を奏するものである。
したがって、本件考案3は、仮に甲第2号証の1の商品カタログが本件考案の出願前頒布された刊行物であるとしても、また、甲第2号証の1または甲第2号証の2の取扱い説明書に記載された焼肉器が甲第2号証の5の経理台帳により本件考案の出願前に販売されたものとしても、請求人が提示した甲各号証及び参考資料1?22に記載された発明に基づいて当業者がきわめて容易に考案し得たものとすることはできないし、かつ、これらの証拠が示す実施された発明に基づいて当業者がきわめて容易に考案し得たものとすることはできない。

8.むすび
以上のとおりであるから、本件の請求項1、2に係る実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第37条第1項第1号の規定により無効とすべきものである。
また、請求人が主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件の請求項3に係る考案の実用新案登録を無効とすることはできない。
よって結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
固形燃料用卓上こんろの内枠受容器
(57)【実用新案登録請求の範囲】
▲1▼ 固形燃料用卓上こんろに載置して使用する内枠受容器であって、下半部(12)が上記こんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成された受容器主体(1)の底部に中央孔(14a)を有する加熱筒(14)を上方に向かって突設すると共に、該加熱筒(14)の外周と前記受容器主体(1)の内周壁部(15)間に水溜め用周溝(16)を形成し、更に、前記受容器主体(1)の上部開口縁にプレート(2)を着脱自在に装着したことを特徴とする固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。
▲2▼ プレート(2)は平板状または上方に向かって部分球殻状に湾曲した凸曲板状に形成されており、且つ該プレート(2)の前記受容器主体(1)の加熱筒(14)と対向する中央部位には無孔部(21)が形成されていると共に、このプレート(2)の外周縁と前記無孔部(21)間には適宜形状及び大きさを有する複数個の通孔(22)(22)…(22)が穿設されている請求項▲1▼記載の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。
▲3▼ 加熱筒(14)に嵌脱自在に装着されて該加熱筒(14)の上端開口部を閉塞するキャップ体(4)が設けられている請求項▲1▼記載の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器。
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、主として固形燃料用卓上こんろに掛けることにより一人前程度のジンギスカン料理や焼き物料理を調理するのに好都合な固形燃料用卓上こんろの内枠受容器に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、料理店等において、一人前程度の料理材料を固形燃料用卓上こんろと共に顧客に提供し、顧客自らが材料をこんろ上で調理するタイプの献立が普及している。
このように固形燃料用卓上こんろを用いて顧客毎に別個に供することができる料理としては、従来、小形の鍋を用いた煮炊き物料理や焼き網を用いた焼き物料理等が数えられる程度であった。
〔考案が解決しようとする課題〕
従来では、このように卓上こんろで調理できる料理の種類が限られているのは、一つには該こんろに用いる固形燃料の火力が弱い上、保有熱量が限定されていることにあり、又別の問題点としては卓上こんろ用として好適に使用できる鍋類が殆ど開発されていない点にある。
そこで、本考案は、上記のような固形燃料用卓上こんろに掛けて従来なし得なかった種々の料理を、固形燃料の限られた保有熱量でもって良好に調理できる固形燃料用卓上こんろの内枠受容器を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
このような目的を達成するために本考案は、固形燃料用卓上こんろに載置して使用する内枠受容器を提供するものであって、実施例の図面に示すように、下半部(12)が上記こんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成された受容器主体(1)の底部に中央孔(14a)を有する加熱筒(14)を上方に向かって突設すると共に、該加熱筒(14)の外周と前記受容器主体(1)の内周壁部(15)間に水溜め用周溝(16)を形成し、更に、前記受容器主体(1)の上部開口縁にプレート(2)を着脱自在に装着したことを特徴とするものである。
そして、前記プレート(2)を上方に向かって部分球殻状に湾曲した凸曲板状に形成し、且つ該プレート(2)の前記受容器主体(1)の加熱筒(14)と対向する中央部位には無孔部(21)を形成すると共に、このプレート(2)の外周縁と前記無孔部(21)間に適宜形状及び大きさを有する複数個の通孔(22)(22)…(22)を穿設することにより、上記構成のこんろの内枠受容器をジンギスカン鍋の内枠受容器として使用するものである。又、前記プレート(2)を平板状に形成することにより肉類の他、魚介類や野菜等の焼き物用の内枠受容器としても好適なものとすることができる。
更に、前記加熱筒(14)に嵌脱自在に装着されて該加熱筒(14)の上端開口部を閉塞するキャップ体(4)が設けられており、該キャップ体(4)により加熱筒(14)を閉塞すると共に、適宜な蓋体を用いて受容器主体(1)の開口部を閉塞することにより、水溜め用周溝(16)に溜めた水を加熱沸騰させて、プレート(2)上の材料を高圧蒸気で蒸すこともできるので蒸し物料理もでき、又、副次的には加熱筒(14)にキャップ体(4)を被せて、プレート(2)を取り除くと共に、やゝ多量の水を水溜め用周溝(16)に入れることにより、湯豆腐等の料理も行えるものである。
〔作 用〕
固形燃料用卓上こんろの底部に設置された固形燃料の燃焼炎は受容器主体(1)の加熱筒(14)を経てプレート(2)の無孔部(21)を効率良く加熱する。プレート(2)上に載せた肉類等の材料から滲み出る油脂成分は通孔(22)(22)…(22)から受容器主体(1)の水溜め用周溝(16)に滴下し、該プレート(2)上には少量の油脂成分だけが残存するものであるため、該油脂成分が周囲に飛散したり、材料が黒焦げになるといった不都合が生じることなく、良好な焼き上がりが得られるものである。又、水溜め用周溝(16)に落下した油脂成分は該周溝(16)に溜めた水で冷却されるので、該油脂成分が燃え上がったり焦げ付いたりもせず、煙も出ない。
又、加熱筒(14)から立ち上る固形燃料の炎は無孔部(21)に当たることになるため、油脂成分や焼汁の滴下によって炎が消されたり、不完全燃焼を生じるといった危険性もない。
更に、水溜め用周溝(16)に溜めた水は沸騰することもなく適度に加熱されるため、適量の蒸気が発生し、これによりプレート(2)上の材料に水分が補給されるので、特に肉類においては形縮みせず、柔らかく且つ旨味を逃がすことなく焼成できるものである。
〔実 施 例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。第1図及び第2図に示した本考案の第1実施例に係る固形燃料用卓上こんろの内枠受容器は、ジンギスカン鍋用こんろ内枠受容器として好適に使用できる鉄鍋状の受容器であって、浅底の逆截頭円形容器状に形成された受容器主体(1)と、該受容器主体(1)の上部開口縁に着脱自在に挿着されるプレート(2)とにより構成されており、固形燃料用卓上こんろ(3)上に載置して丁度一人前程度の材料を調理することができるものである。
前記受容器主体(1)は上半部(11)が固形燃料用卓上こんろ(3)の上端開口部より大径に形成されると共に、下半部(12)が該こんろ(3)の開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成され、該上下半部(11)(12)間に形成された周段部(13)の底部がこんろ(3)の開口部に一体形成された五徳部(31)上に載置されるようになっている。この受容器主体(1)の底部のほゞ周段部(13)に達する高さの截頭円錐筒形状の加熱筒(14)を上方に向かって突設してある。又、該加熱筒(14)と外周と下半内周壁部(15)間には水溜め用周溝(16)を設けてある。
(17)(17)は受容器主体(1)の開口縁に対設された把手、(18)は水溜め用周溝(16)内に入れた水(W)の排水口、(19)(19)(19)は受容器主体(1)の周段部(13)から径方向中心部に向かって突設されたプレート(2)の受止突部である。
前記プレート(2)は上方に向かって部分球殻状に湾曲し、且つ受容器主体(1)の周段部(13)とほゞ同径の凸曲円板状に形成されており、該受容器主体(1)の受止突部(19)(19)(19)上に載置した状態において加熱筒(14)の中央孔(14a)に対向する中央部に無孔部(21)を設けてあると共に、該無孔部(21)と外周縁間に多数個の通孔(22)(22)…(22)を穿設したものである。
このように部分球殻状に湾曲しているプレート(2)は、通常のジンギスカン用こんろの表面と同様に肉や野菜等の材料が滑り落ちることなく安定して載置でき、しかも受容器主体(1)の加熱筒(14)を通じて立ち上る固形燃料(F)の火炎が該プレート(2)の裏面に可及的に均等に及ぶように曲率を設定し、又、該プレート(2)の中央部に設けられた無孔部(21)は加熱筒(14)の中央孔(14a)上をほゞ完全に覆うことができる広さを有するものとすると共に、プレート(2)の通孔形成域は受容器主体(1)の水溜め用周溝(16)の形成域にほゞ一致させ、これよりはみ出さないようにしてある。
又、前記通孔(22)(22)…(22)の形状及び大きさは特に限定されるものではないが、この実施例ではプレート(2)の表面を5等分する線(L)(L)…(L)で区画された各扇形部分に該扇形の両辺を構成する線(L)(L)と平行な浅い条溝(23)(23)…(23)及び突条(24)(24)…(24)を交互に等間隔毎に形成して、各条溝(23)(23)…(23)中に長孔条の通孔(22)(22)…(22)を形成している。
尚、前記プレート(2)の表面に弗素樹脂膜を形成することにより、材料の焼成時に該材料がこびり付くことを防止できる上、後片付けも容易に行えて好都合である。
又、受容器主体(1)の加熱筒(14)はその中央孔(14a)の孔径と、こんろ(3)底部に設置した固形燃料(F)との間隔を適正に設定することにより、プレート(2)表面の加熱温度をほゞ最適な調理温度に保持し易くなる。
このように構成されたジンギスカン鍋用の内枠受容器は、受容器主体(1)の水溜め用周溝(16)に適宜量の水(W)を入れて、受止突部(19)(19)(19)上にプレート(2)を載置した上で、固形燃料(F)を設置した固形燃料用卓上こんろ(3)の五徳部(31)上に載置し、該固形燃料(F)の燃焼炎によりプレート(2)を加熱して、該プレート(2)上に載せた肉類や野菜類等の材料を焼成調理するものである。
この材料焼成時においては、固形燃料(F)の燃焼炎は加熱筒(14)の中央孔(14a)を通ってプレート(2)の無孔部(21)に当たり、更に周辺部へとプレート(2)の裏面前面に拡がって、該プレート(2)をほゞ均一に加熱し、同時に水溜め用周溝(16)に溜めた水(W)も徐々に加熱する。そして、プレート(2)の突条(24)(24)…(24)上に載せた材料は固形燃料(F)の燃焼炎の加熱作用によって焼成され、この焼成時に肉類等から滲み出る油脂成分は、通孔(22)(22)…(22)に直接、或いは条溝(23)(23)…(23)を伝って通孔(22)(22)…(22)へ流下し、該通孔(22)(22)…(22)から下方の水溜め用周溝(16)に滴下する。該周溝(16)に滴下した油脂成分は水(W)によって即座に冷却されるので、油脂成分の焦げ付きによる煙の発生を防止できる上、肉類等の焼成中に高熱の油脂成分が周囲に飛び散って肉類が黒焦げ状態となることを確実に防止できるものである。
又、固形燃料(F)の燃焼炎は大部分が加熱筒(14)を通過するので、前記周溝(16)内の水(W)には燃焼炎が直接当たらない。このため該水(W)は沸騰することもなく、蒸気を徐々に発生させる。そして、この蒸気が通孔(22)(22)…(22)を通って突条(24)(24)…(24)上の材料に適度な水分を補給することにより、特に肉類の場合、形縮みを防止でき柔らかく焼成できるものである。
第2図?第5図は本考案の第2実施例を示している。尚、これらの図において、前記第1実施例と構成が共通する部分には共通の符号を付すこととする。
この実施例に係る固形燃料用卓上こんろの内枠受容器は、焼き物料理用として好適に使用できるもので、鉄又は陶磁器により形成されている。このこんろの内枠受容器の受容器主体(1)は浅底の摺鉢状に形成され、その内周壁部(15)の上下中間高さ位置にプレート(2)の受止突部(19)(19)(19)が形成され、該受止突部(19)(19)(19)よりも上方となる上端開口部内面側に蓋載置用周段部(13a)が設けられている。
一方、プレート(2)は平坦な円板状に形成され、且つ中央の無孔部(21)が小径円形状に形成されていると共に、該無孔部(21)を除く部分に長孔状の通孔(22)(22)…(22)が一定間隔毎に平行に穿設されてなる簀の子状を呈している。
(4)は受容器主体(1)とは別体に形成された加熱筒閉塞用のキャップ体、(5)は受容器主体(1)の開口部閉塞用の蓋である。
このような構成を有するこんろの内枠受容器においては、プレート(2)を受容器主体(1)上に載置した状態では、該プレート(2)の中央無孔部(21)が受容器主体(1)の加熱筒(14)開口部に近接するので、前記実施例と比較してプレート(2)は固形燃料(F)の燃焼炎により強く加熱されるので、例えば野菜炒めのように、一度の多量の材料を強火で炒める料理に好適に使用できるものである。
又、この実施例の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器は前記キャップ体(4)と蓋(5)とを併せて使用することにより蒸し料理にも使用できる。
即ち、第4図の想像線で示すように、受容器主体(1)の水溜め用周溝(16)に材料を蒸すための適宜量の水(W)を入れて、加熱筒(14)の上端開口部をキャップ体(4)により閉塞した後、該受容器主体(1)の受止突部(19)(19)(19)に載置したプレート(2)に材料を載せて、受容器主体(1)の蓋載置用周段部(13a)上に蓋(5)を被せることにより、材料と水(W)を封入する。
このように加熱筒(14)をキャップ体(4)により閉塞することにより、こんろ(3)上に設置した固形燃料(F)の燃焼炎は加熱筒(14)を通過することなく受容器主体(1)底面の全面に及んで、封入された水(W)を速やかに沸騰させる。これによって発生した高温蒸気は通孔(22)(22)…(22)を通って蓋(5)で閉塞された受容器主体(1)内に充満し、材料が良好に蒸し上げられるものである。
又、加熱筒(14)をキャップ体(4)で閉塞し、プレート(2)を取外して、水溜め用周溝(16)内にやゝ多量の水(W)を満たすことにより、内枠受容器を副次的な使用方法として湯豆腐やしゃぶ用鍋の内枠受容器としても使用できるものである。
尚、この実施例では受容器主体(1)及びプレート(2)をいずれも鉄製としたが、陶磁器により作製することもできる。
又、上記各実施例で示した種類の異なるプレート(2)(2)とキャップ体(4)とを一つの受容器主体(1)とセットにして商品化することにより、料理の目的に合わせてプレート(2)を選択、使用することにより、ジンギスカン料理、炒め物、蒸し物料理、或いは簡単な湯豆腐等一層広い用途に使用できるものとなる。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器によるときは、下半部(12)が上記こんろの開口部内に嵌まり込む程度の大きさに形成された受容器主体(1)の底部に中央孔(14a)を有する加熱筒(14)を上方に向かって突設し、この加熱筒(14)の外周と前記受容器主体(1)の内周壁部(15)間に水溜め用周溝(16)を設け、一方、この受容器主体(1)の上部開口縁に着脱自在に装着されるプレート(2)を設けて、このプレート(2)の前記受容器主体(1)の加熱筒(14)に対向する中央部に無孔部(21)を設け、この無孔部(21)と外周縁間に適宜形状及び大きさを有する複数個の通孔(22)(22)…(22)を穿設してなるもので、卓上こんろに設置した固形燃料の燃焼炎は加熱筒(14)を経てプレート(2)の中央無孔部(21)を効率良く加熱できるものであるから、保有熱量の小さい固形燃料を極めて有効に使用することができる。その上、加熱筒(14)から立ち上る固形燃料の燃焼炎が無孔部(21)に当たることにより、材料から滲み出る油脂成分や焼汁の滴下によって炎が消されたり、不完全燃焼を生起するといった危険性もない。
又、肉類等を焼成する場合、材料から滲み出る不要な油脂成分はプレート(2)の通孔(22)(22)…(22)から受容器主体(1)の水溜め用周溝(16)内に溜めた水中に滴下して急速に冷却されるので、高熱の油脂成分が周囲に飛散したり、煙が発生したりすることもなく、従って折角の材料が黒焦げになるといった不都合もなく、従って良好に焼成できる。
更に、水溜め用周溝(16)に溜めた水は沸騰することもなく適度に加熱されるため、適量の蒸気が発生し、これによりプレート(2)上の材料に水分が補給されるので、特に肉類においては形縮みせず、柔らかく且つ旨味を逃がすことなく焼成できるものである。
又、請求項▲2▼によるときは、プレート(2)を上方に向かって部分球面状に湾曲した凸曲板状に形成することによりジンギスカン用の内枠受容器として使用することができ、或いは平板状に形成することにより肉類の他、魚介類や野菜等の焼き物用として好適なものとすることができる。
更に、請求項▲3▼によるときは、加熱筒(14)に嵌脱自在に装着されて該加熱筒(14)の上端開口部を閉塞するキャップ体(4)を設けているので、該キャップ体(4)により加熱筒(14)を閉塞すると共に、適宜な蓋体を用いて受容器主体(1)の開口部を閉塞することにより、水溜め用周溝(16)に溜めた水を加熱沸騰させて、プレート(2)上の材料を高圧蒸気で蒸すことができるので、蒸し物料理もでき、又、加熱筒(14)にキャップ体(4)を被せて、プレート(2)を取除くと共に、やゝ多量の水を水溜め用周溝(16)に入れることにより、副次的に簡単な湯豆腐等の料理も行える。
このように本考案の固形燃料用卓上こんろの内枠受容器によれば、固形燃料用卓上こんろを用いてジンギスカンその他の焼き物料理や蒸し物料理等、従来、一人前程度の小料理ではなし得ない多様な料理を簡単に調理できるという優れた効果を発揮するものとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本考案の第1実施例を示しており、第1図は平面図、第2図は縦断面図、第3図?第5図は本考案の第2実施例を示しており、第3図は平面図、第4図は縦断面図、第5図はプレートの断面図である。
(1)…受容器主体、(2)…プレート、(4)…キャップ体、(14)…加熱筒、(14a)…中央孔、(15)…受容器主体の内周壁部、(16)…水溜め用周溝、(21)…無孔部、(22)…通孔。
訂正の要旨 訂正の要旨
審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2001-09-10 
結審通知日 2001-09-13 
審決日 2001-09-26 
出願番号 実願平2-63413 
審決分類 U 1 112・ 121- ZD (A47J)
最終処分 一部成立  
特許庁審判長 橋本 康重
特許庁審判官 岡本 昌直
久保 克彦
原 慧
粟津 憲一
登録日 1994-08-04 
登録番号 実用新案登録第2027651号(U2027651) 
考案の名称 固形燃料用卓上こんろの内枠受容器  
代理人 山本 拓也  
代理人 山本 拓也  
代理人 野原 利雄  
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