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審決分類 審判 全部申し立て   A41B
管理番号 1078068
異議申立番号 異議2002-71279  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2003-07-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-05-13 
確定日 2003-05-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2607538号「吸収性物品」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2607538号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
実用新案登録第2607538号に係る考案は、平成5年9月20日に実用新案登録出願され、平成13年7月27日にその考案について実用新案権の設定登録がなされ、その後、その実用新案登録に対して異議申立人堀修一朗より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年3月7日に意見書の提出と共に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
上記訂正請求は、実用新案登録明細書の記載を訂正明細書の記載のとおり訂正することを求めるものであるが、その概要は次のとおりである。
a.実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1を、次のとおりに訂正する。
「【請求項1】 液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から外側へ延出しており、吸収体上に折り返して折り返し部の縦方向両端部を接合したサイドフラップを有し、そのサイドフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分が、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されていることを特徴とする吸収性物品。」
b.実用新案登録明細書の段落番号【0007】の記載について、上記の実用新案登録請求の範囲の請求項1の訂正に伴い、対応する箇所を訂正する。

2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aは、実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されていた「フラップ」(2箇所)を「サイドフラップ」と特定し、また、サイドフラップ部分が複合シートの外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されたものであると特定するものである。
当該「フラップ」を「サイドフラップ」とする訂正は、実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されていた「サイドフラップ」と表現が統一されるように特定するものであり、また、「不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されている」は、実用新案登録明細書の段落番号【0014】に、液不透過性複合シートについて「サイドフラップ5の液不透過性複合シートとしては、図3及び図4に示すように、肌触りを良くするための不織布12が脚周りの肌に触れる側に配置されるように、バックシート3よりも厚みが薄く柔らいポリエチレンシート11などを内側につつみ込むように貼合わせた複合材が用いられる。」という記載があり、添付の図3及び図4に不織布外層12でポリエチレン内層11を内側につつみ込むように折り曲げ貼合わせて形成されている状態のサイドフラップが記載されていたことに基づいて、サイドフラップの内容をさらに明確になるように特定するものである。
訂正事項bは、前記訂正事項aに合せて、明細書の考案の詳細な説明の欄において、実用新案登録請求の範囲と実質的に同一内容が記載されている個所を訂正するものである。
したがって、訂正事項aは、明瞭でない記載の釈明と実用新案登録請求の範囲の減縮とを目的とするものであり、訂正事項bは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

2-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議申立てについての判断
3-1.申立ての理由の概要
申立人堀修一朗は、申立ての理由として、本件の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、甲第1号証(実願昭62-40474号(実開昭63-148323号)のマイクロフィルム)、甲第2号証(特開昭59-25741号公報)及び甲第3号証(特開平3-139350号公報)に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、旧実用新案法第3条第2項に規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、本件の請求項1に係る実用新案登録は取り消されるべきものである旨主張している。

3-2.本件考案
本件考案は、上記のとおり訂正が認められるので、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3-3.刊行物記載の考案
当審が通知した取消理由に引用された刊行物1?3(甲第1?3号証)には、図面と共に下記の事項が記載されている。
(ア)刊行物1
(ア1)「(1)透水性上面シートと、不透水性下面シートと、該両シートの間に介在させた半剛性吸収体と、該吸収体の対向側へりから外側へ延出するとともに側へりに弾性部材を取り付けた可撓性側面フラップとを含み、前記側面フラップを前記上面シートの上面へ折り返すとともにその折り返し部の縦方向端を接合してある吸収性物品において、股下区域における前記吸収体の対向側部に折曲案内線を設けるとともに対向する該案内線の間の部分を該吸収体中最も厚層に形成してあることを特徴とする前記物品。」(実用新案登録請求の範囲の請求項1)
(ア2)「(5)前記側面フラップの少なくとも一部を通気防水性シートで形成して少なくとも前記上面シートと前記下面シートの一方に連結してある実用新案登録請求の範囲第1項記載の物品。」(実用新案登録請求の範囲の請求項5)
(ア3)「本考案は、排泄物を吸収保持する使い捨て可能な吸収性物品に関し、失禁パッド、オムツ、生理用ナプキンとして好適に利用することができる。」(3頁5?7行)
(ア4)「第1図?第4図に示すように、吸収性物品Aは、透水性上面シート1と、不透水性下面シート2と、半剛性吸収体3と、該吸収体の対向側へりから外側へ延出するとともに側へりに弾性部材4を取り付けた可撓性側面フラップ5とを含む。」(6頁4?8行)
(ア5)「上下面シート部分lb,2bは、上面シート1と同効素材、好ましくは、幅方向に二つ折りしその折り目内に縦方向へ伸縮する弾性部材4を張設した通気防水性の帯状シート7の内側部と互いに挟持する状態で接合してある。このようにして、側面フラップ5を形成し、これを内側へ折り返し、その折り返し線5aと凹部6の側へりとを実質的に一致させてある。折り返し線5aから外側へりまでの幅は少なくとも2mmであることが好ましい。」(6頁14行?7頁2行)
(ア6)「なお、上面シート1、帯状シート7は公知の不織布など、下面シート2はプラスチックフィルムなど、」(7頁17?19行)
(ア7)「側面フラップの少なくとも一部を通気防水性シートで形成してあるから、着用時に肌との間の蒸れを少なくし、快適に用いることができる。」(9頁2行?4行)

(イ)刊行物2
(イ1)「(1)伸長状態でほぼ矩形を呈し、液体不透過性の底面層に細長い吸収体を固定すると共に、少なくともプロテクタまたはおむつの長さの一部に沿って前記底面層に弾性部材からなる長手方向の弾性線を設けることにより、自由状態において弾性部分の弾性収縮下にプロテクタまたはおむつを収縮させ、着用状態における近接の身体部分と弾性的に密着させるようになした失禁プロテクタまたはおむつにおいて、
底面層(16)の両側部分を底面層の上に折り返えしてサイド・フラップ(17,18)を形成し、前記サイド・フラップの端部だけを底面層に固定し、弾性線(21,22)をサイド・フラップの自由縁(19,20)に設けたことを特徴とする失禁プロテクタまたはおむつ。」(特許請求の範囲の請求項1)
(イ2)「(3)織布または不織布のような液体透過性材料から成る公知の頂層(29)を、折り返えしたサイド・フラップ(17,18)の頂面に固定したことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載の失禁プロテクタまたはおむつ。」(特許請求の範囲の請求項3)
(イ3)「吸収体10はこれよりも長く、はるかに幅の広い底側の液体不透過層16、例えばプラスチック・シートに固定する。層16の側部を上向きに、さらに内方へ折り返えして比較的幅広のサイド・フラップ17,18を形成する。このサイド・フラップ17,18の自由内側縁19,20に弾性テープ21,22を取り付ける。この弾性テープ21,22を第1図では伸長状態で示し、第4図乃至第6図では自然に収縮して内側縁19,20を縮めている状態で示す。」(3頁左上欄4?12行)
(イ4)「第1図から明らかなように、サイド・フラップの端部25,26及び27,28を横断方向の溶着などにより、端部の線引き域で示すように底側層に固定する。
折り返えしたサイド・フラップの上に頂層29を設ける。頂層29は第1図、第4図及び第5図においては一部だけを示してある。この層は公知のように液体透過性の材料、例えば不織布または織布から成り、おむつ端部及びサイド・フラップ17,18の頂面側に固定される。」(3頁左上欄19行?右上欄8行)

(ウ)刊行物3
(ウ1)「本発明は、使い捨て着用物品に関し、さらに詳しくは開放型のオムツ、パンツまたはブリーフ型のオムツ(失禁用を含む)、いわゆるトレニングバンツなどの使い捨て着用物品に関する。」(1頁右下欄1?4行)。」
(ウ2)「第2図に示すように、物品1は、不織布から作った伸縮性かつ透水性トップシート6と、これと同じ不織布から作った伸縮性かつ透水性バックシート7と、マットまたはシート状の吸水性コア8と、前記レッグおよびウエスト弾性部材4,5と、トップおよびバックシート6,7よりも弾性強力が大きいプラスチックフィルムから作った伸縮性バリヤーシート9とから構成してある。」(2頁右上欄20行?左下欄7行)
(ウ3)「バックシート7の全域にはバリヤーシート9をホットメルト型接着剤または融着で接合するとともに、」(2頁左下欄11?13行)
(ウ4)「バリヤーシート9は縦横への伸縮性を有する厚さ0.005?0.080mmのボリオレフィン系の低密度プラスチックフィルムを、」(3頁右上欄9?11行)
(ウ5)「トップおよびバックシート6,7の材料である前記不織布としては、目付25?45g/m^(2)であって、」(3頁右上欄14?16行)

3-4.対比・判断
刊行物1記載の考案における吸収性物品は、オムツ、生理用ナプキン等であって、かかる吸収性物品は、本件考案が対象とする吸収性物品と同一である。
また、刊行物1記載の考案における吸収性物品は、透水性上面シートと、不透水性下面シートと、吸収体と、吸収体の対向側へりから外側へ延出するとともに側へりに弾性部材を取りつけた可撓性側面フラップとを含み、前記側面フラップは上面シートの上面へ折り返すとともにその折り返し部の縦方向端を接合してあるものであり、側面フラップは少なくとも上面シートと下面シートの一方に連結してあるから、この「側面フラップ」は、上面シート及び下面シートと別体のものであり、本件考案の「サイドフラップ」に対応する。
してみると、両者は、
「液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から外側へ延出しており、吸収体上に折り返して折り返し部の縦方向両端部を接合したサイドフラップを有し、そのサイドフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分が、前記トップシート及び前記バックシートとは別体のシートからなる吸収性物品」である点において一致しており、次の点において相違するものと認められる。
<相違点>
サイドフラップが、本件考案においては、5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されているのに対して、刊行物1記載の考案においては、不織布からなり、5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層を有しておらず、かつ、不織布の目付けが明らかでない点。

そこで、この相違点について検討するに、刊行物1記載の考案におけるサイドフラップ(側面フラップ)は、不織布などからなるとはいえ、それは通気防水性のシートであるから、同じく不織布などからなる液透過性トップシートとはその性質が異なることは理解できる。
しかしながら、このことは、本件考案におけるように、サイドフラップが、不透水性シート内層と不織布外層との複合シートからなることを示唆するものでもなく、さらに、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されることを示唆するものではない。
また、刊行物2には、液体不透過性の材料からなるサイドフラップの頂面に不織布が固定されたものが記載されているが、このものにおいても、外層(不織布)で内層(サイドフラップ)を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せられてはいない。刊行物3にも、サイドフラップについて格別の示唆を与えるような記載は見当たらない。
そして、本件考案は前記構成を有することにより明細書記載の効果を奏するものである。
したがって、本件考案は、取消理由通知で引用した刊行物1?3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。

3-5.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立ての理由および証拠によっては、本件の請求項1に係る実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
吸収性物品
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと 両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から外側へ延出しており、吸収体上に折り返して折り返し部の縦方向両端部を接合したサイドフラップを有し、そのサイドフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分が、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は乳児用、又は失禁者用に供されるおむつ、パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
使いすて失禁プロテクタ又はオムツにおいて、吸収体の横方向両側縁から外方向へ延出するサイドフラップの外側縁に弾性部材を取り付け、該サイドフラップを上面へ折り返すとともに、その折り返し部の縦方向両端を接合して横方向両側に排泄物を受止するポケットを設けたものが特公平3-57782号公報に開示されている。またサイドフラップをトップシート及びバックシートとは別体の通気防水性シートから形成する吸収性物品が、実公平4-33848号公報に開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来技術の特公平3-57782号公報に記載の使いすて失禁プロテクタ又はおむつなどは、排泄物の漏れ防止及び肌触り等の使用感が完全ではなかった。またサイドフラップは吸収体の外まで延在させたバックシートで形成しているので、バックシートにプラスチックシートを用いると、直接肌にプラスチックシートが触れるため肌触りが良くなく、該プラスチックシートに肌触りを改善するために不織布等のシートを複合した場合にも、使用者の激しい動きにも耐えるシート強度が必要なため、プラスチックシートがごわごわして不快感を与える。また通気性、透湿性がないため蒸れ防止についてなにもなされていない。
【0004】
また実公平4-33848号公報に記載のサイドフラップをトップシート及びバックシートとは別体の通気防水性を有するシートから成る吸収性物品においては、サイドフラップ部の蒸れ防止について改善がなされているが、吸収性物品のうちの広い面積を占めているバックシートについてはなにもなされていないため、実質的に蒸れ防止の効果が認められない。
【0005】
また通気性を付与するために不織布等を用いているので、防水効果は不十分であり、漏れに関する改善が成されていない。加えて、通気性を有するフイルムを用いる場合には、一般に通気性を有さないフイルムに比べフイルム強度が下がるため、同程度のフイルム強度を維持するためにフイルムを厚くすることが必要となり、サイドフラップがごわごわして使用者に不快感を与える。本考案はこのような問題点を解決することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、サイドフラップ部にトップシート及びバックシートとは別体の、バックシートよりも薄く、柔らかく、肌触りのよい5μm以上、20μm未満の不透水性シートと目付10?25g/m^(2)の不織布との複合シートを用い、使用者の肌に触れる外層が不織布となるサイドフラップを形成し、さらにバックシートに透湿性シートを用いることを特徴とするものである。
【0007】
本考案を詳細に説明すると、液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部を吸収体上に折り返し、折り返し部の縦方向両端部を接合したサイドフラップを有し、そのサイドフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分が、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を包み込むように折り曲げ貼り合せて形成されているものである。
【0008】
【作用】
上記構成の本考案の吸収性物品においては、液不透過性サイドフラップは、その長手方向中央部が立ち上がっておむつ着用者の体との間を密封すると共に、サイドフラップの自由縁とフラップ基端部分の間で小袋を形成して漏れを防ぐ。また液不透過性サイドフラップには、バックシートよりも薄く、柔らかい不透水性シートを内側にし、着用者の肌に触れる外側を不織布として形成されている肌触りの良好なシートを使用しているのでごわごわすることなく着用者に不快感を与えない。
【0009】
【実施例】
以下に、本考案の実施例を示す図面を参照して、更に詳しく説明するが、本考案はこれらの実施例により何等制限されるものではない。
図1は本考案の実施例に示す吸収性物品1の伸張状態での斜視図である。図1の吸収性物品1はトップシート2と、バックシート3と、吸収体4と、吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出すると共に弾性部材を取り付けたバックシートとは別体のサイドフラップ5とを含む。図2は図1で示した本考案の吸収性物品の自由な状態での斜視図である。図3は図2のX-X’線断面図である。
【0010】
図3及び図4に示すように、トップシート2と吸収体4の側縁から外側へ延出している。また図1及び図2に示すように、トップシート2とバックシート3は吸収体4の縦方向両端から同方向へ延出しており、トップシート2の外端部とバックシート3の外端部は互いに接着されている。図3及び図4に示すように、サイドフラップ5の液不透過性複合シートは吸収体の側縁より外側に延出するようにバックシート3につなぎ合わされ、吸収体4の側縁にそって吸収体上に折り返され、折り返し部の縦方向両端部を接合してフラップを形成し、そのフラップ自由縁6に伸縮弾性部材7を伸張状態で配置し、この伸縮弾性部材7を拘束しないように放置すると、伸縮弾性部材7が自由に収縮して伸縮弾性部材7の配置されたフラップの自由縁6は基端8から立ち上がり吸収体から離間してギャザーのある開口部となり小袋を形成することとなる。
【0011】
ここで使用されるトップシート2はポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる液透過性不織布を用いる。
フラップの自由縁に配置された伸縮弾性部材7はウレタンフイルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等を用いる。また前記伸縮弾性部材7はそれぞれ伸張状態でフラップの自由縁に配置されホットメルト接着剤により接着固定されている。
【0012】
吸収体4はフラッフパルプを主材に高吸収性ポリマーを併用したものが好ましく、その他吸収紙単体又は熱融着性繊維などの混合物や積層物が用いられる。吸収体の構造は砂時計型でも矩型でもよいが、砂時計型の方がより良好なフィット性を得られる。また上層にフラッフパルプ、下層にフラッフパルプと高吸収性ポリマーを混合又は積層し、ティッシュで包み込んだ積層構造とすることが好ましい。この場合の吸収体4は上層吸収体9は縦方向中央部の少なくとも股下部分において幅狭く砂時計型に形成し、下層吸収体10は上層吸収体の狭い幅と同幅の矩型をなすよう積層されていることが好ましい。
【0013】
バックシート3にポリエチレンシートに微孔を設けて透湿性を付与した、液不透過性、透湿性ポリエチレンシートが用いられる。また熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸して透湿性や通気性を付与した液不透過性シートなどを用いても蒸れる心配がなく快適である。バックシート5は20?40μm厚みであることが必要である。
【0014】
サイドフラップ5の液不透過性複合シートとしては、図3及び図4に示すように、肌触りを良くするための不織布12が脚周りの肌に触れる側に配置されるように、バックシート3よりも厚みが薄く柔らかいポリエチレンシート11などを内側につつみ込むように貼合わせた複合材が用いられる。この場合複合シートのポリエチレンシート11は5μm以上、20μm未満で不織布12の目付は10?25g/m^(2)であることが必要である。
【0015】
図3で示すように、ポリエチレンシート11と不織布12の複合シートの貼合わせ方は、不織布内面全面にポリエチレンフイルムを貼合わせた複合シートであってもよいし、また、図4に示すように不織布の一部を残してフラップの基端部8から自由縁6にわたってフイルムを貼合わせた複合シートのいずれであってもよい。
貼合わせの方法は、押出ラミネート法、ドライラミネート法、熱エンボスによる加圧溶融接着、ホットメルト接着剤による接合、超音波接合等いずれであってもよい。
【0016】
【考案の効果】
以上本考案により、排泄物の漏れがなく、着用者に不快感を与えず、肌触りが良好なサイドフラップを有する吸収性物品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の物品の伸張状態での斜視図
【図2】
本考案の物品の自由な状態での斜視図
【図3】
図2のX-X’線断面図
【図4】
本考案の物品の別の実施例の断面図
【符号の説明】
1:吸収性物品
2:トップシート
3:バックシート
4:吸収体
5:サイドフラップ
6:サイドフラップ自由縁
7:伸縮弾性部材
8:サイドフラップ基端部
9:上層吸収体
10:下層吸収体
11:サイドフラップ部の不透水性シート
12:サイドフラップ部の不織布
訂正の要旨 ▲1▼ 訂正事項a
登録査定時の明細書の実用新案登録請求の範囲の次の記載、
『【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から外側へ延出しており、吸収体上に折り返して折り返し部の縦方向両端部を接合したフラップを有し、そのフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分を、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートで形成することを特徴とする吸収性物品。』
を、
『【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から外側へ延出しており、吸収体上に折り返して折り返し部の縦方向両端部を接合したサイドフラップを有し、そのサイドフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分が、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合わせて形成されていることを特徴とする吸収性物品。』
に訂正する。
▲2▼ 訂正事項b
登録査定時の明細書の段落番号【0007】の
「 【0007】
本考案を詳細に説明すると、液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部を吸収体上に折り返し、折り返し部の縦方向両端部を接合したフラップを有し、そのフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分を、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シートと目付10?25g/m^(2)の不織布との複合シートで形成するものである。』
を、
「 【0007】
本考案を詳細に説明すると、液透過性トップシートと液不透過性、透湿性バックシートと両シート間に介在された吸収体と、該吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部を吸収体上に折り返し、折り返し部の縦方向両端部を接合したサイドフラップを有し、そのサイドフラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた吸収性物品において、
前記吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するサイドフラップ部分が、前記トップシート及び前記バックシートとは別体の5μm以上、20μm未満の不透水性シート内層と目付10?25g/m^(2)の不織布外層との複合シートからなり、該複合シートを外層で内層を内側に包み込むように折り曲げ貼り合わせて形成されているものである。』
に訂正する。
異議決定日 2003-04-22 
出願番号 実願平5-55324 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (A41B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 植前 津子  
特許庁審判長 鈴木 美知子
特許庁審判官 祖山 忠彦
杉原 進
登録日 2001-07-27 
登録番号 実用新案登録第2607538号(U2607538) 
権利者 王子製紙株式会社
東京都中央区銀座4丁目7番5号 株式会社ネピア
東京都中央区銀座5丁目12番8号
考案の名称 吸収性物品  
代理人 金谷 宥  
代理人 金谷 宥  
代理人 金谷 宥  
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